JP4661861B2 - 照明装置及び画像表示装置 - Google Patents

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本発明は、主に画像表示装置において空間光変調素子を照明するための照明装置及びこの照明装置を用いて構成された画像表示装置に関する。
従来、液晶パネルやいわゆる「DMD素子」などの空間光変調素子を照明装置によって照明し、この空間光変調素子からの透過光、もしくは、反射光を投影レンズによってスクリーン上に投影するように構成された画像表示装置(光学式プロジェクタ)が提案されている。
このような画像表示装置における照明装置の光源としては、現在、主にメタルハライドランプや高圧水銀ランプなどの高輝度放電ランプが用いられている。しかし、これらの光源においては、以下に示すようないくつかの問題がある。
すなわち、高輝度放電ランプは、その寿命が短い。例えば、現在、投射型プロジェクタ用の光源として最もよく利用されている150Wクラスの高圧水銀ランプの寿命は、1500時間から3000時間程度である。したがって、このような光源を用いた画像表示装置においては、頻繁にランプの交換をしなければならない。
また、このような光源を用いた画像表示装置においては、通常、白色光をダイクロックミラー等で3原色に分離させたうえで、各色成分ごとに空間変調し、これを再び合成してカラー画像を構成している。そのため、このような画像表示装置においては、照明装置から投影レンズに至る光学系の構成が複雑であり、また、光利用効率を高くすることができない。
これらの問題を解消するために、照明装置の光源として、半導体レーザを用いることが試みられている。半導体レーザは、実用上十分な寿命を有しており、また、出射光の単色性が良好であるため、大きな色再現領域を実現することを可能とする。
特開平06−208089号公報
ところで、上述のように光源として半導体レーザを用いた照明装置においては、スペックルノイズの問題が発生する。一般に、画像表示装置によりスクリーン上に投影された画像を観測者が鑑賞する場合には、観測者の網膜上においては、投影された画像の各領域からの反射光が重なって画像が形成される。このとき、スクリーン上に波長程度以上の高さの凹凸があることによって、このスクリーン上の異なる領域から反射された反射光同士が複雑な位相関係で重ねられ、半導体レーザからの出射光は高いコヒーレンシ(可干渉性)を有していることから、互いに干渉し合うこととなる。このような干渉によって、ランダムな強度の変化、すなわち、スペックルノイズが形成されてしまう。このようなスペックルノイズが形成されることにより、表示画像の画質低下が招来される。
スペックルノイズは、コヒーレンシを有するレーザ光を照明として用いる場合に共通の問題であり、これまでにも、スペックルノイズを低減させるための種々の試みがなされてきた。例えば、ファイバーバンドルを用いた構成が提案されている。このファイバーバンドルは、複数の光ファイバーからなり、それぞれの光ファイバの互いの光路長差が、照明光として使われるレーザ光のコヒーレント長よりも長く、もしくは、コヒーレント長程度となされているものである。このようなファイババンドルの一端部よりコヒーレント光を入射させると、他端部からの出射光は、それぞれ非干渉となる。このようなファイババンドルの他端部からの出射光を照明光として使用することにより、照明系全体としてのコヒーレンシを低減させることができ、スクリーン上におけるスペックルノイズを低減させることができる。
しかし、このような構成においては、以下に示すような問題が発生する。すなわち、このようなファイババンドルにおいては、異なる光ファイバを通過した光束が各々非干渉となるため、光ファイバの本数が多いほど、つまり、光束の分割数が多いほど、これらを合流させた照明光のコヒーレンシを低減させることができる。ここで、n本の光ファイバからなるファイババンドルを用いるとする。そして、一般に、シングルモードのパワースペクトラムを有する半導体レーザにおいては、出射光の典型的なスペクトラム幅は100MHz程度であり、コヒーレント長cは、数mのオーダとなる。すると、このファイバハンドルを用いて、非干渉の照明光を得るためには、最短の光ファイバと最長の光ファイバとの長さの差は、nxc〔m〕となる。例えば、光ファイバの本数nを50本、コヒーレント長cを1mとした場合、最長の光ファイバの長さは50m以上となる。
このような互いの光路長差を有する多数本の光ファイバからなるファイババンドルを備えた光学系は、相当に大きな体積及び重量を有するものになってしまい、画像投影装置全体の大型化を招来してしまう。
一方、スペックルノイズを低減させるための他の構成として、回転拡散板等を用いたものが提案されている。この構成では、半導体レーザから出射された照明光の光路上に、高速で回転操作され照明光が透過する拡散板が配設されている。この拡散板は、高速回転されることによって、コヒーレント光である照明光により発生される干渉パターンを分裂させ、この干渉パターン、すなわち、スペックルノイズを、スクリーン上において高速に動き回らせる。
すなわち、この構成においては、実際にスペックルノイズが消失するわけではないのであるが、あたかもスペックルノイズが消失したかのように見えるのである。
しかし、この構成においては、拡散板として磨りガラス等が利用されるため、光利用効率が低下する。また、このような構成を具体的に照明光学系に組み込む場合には、どのような場所に組み込むかや、どのような性質、大きさの拡散板を使用すればよいのかといった具体的な提案はほとんどなされていない。
そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、照明光としてコヒーレント光を用い、装置構成を大型化することなく、また、光利用効率の低下を招来することなく、スペックルノイズの発生が抑えられた照明装置を提供し、また、このような照明装置を備えて構成された画像表示装置を提供しようとするものである。
上述の課題を解決するため、本発明に係る照明装置は、コヒーレント光を出射しこのコヒーレント光によって被照明面を照明するコヒーレント光源手段と、このコヒーレント光源手段と被照明面との間のコヒーレント光の光路上に配設され該コヒーレント光源手段から入射するコヒーレント光の強度分布を変化させて所定の強度分布に配光して出射させるビーム整形素子と、ビーム整形素子を振動させる加振手段とを備えている。
そして、この照明装置において、ビーム整形素子は、コヒーレント光の光路上の任意の点の近傍に配置されており、この点は、この点における該コヒーレント光の断面積がこのコヒーレント光の光軸上の前後位置における該コヒーレント光の断面積より小さくなっている点であり、ビーム整形素子は、断面形状が楕円形状の入射光を、断面形状が円形状の光束として出射させることを特徴とするものである。
また、本発明に係る画像表示装置は、上述の照明装置を備え、被照明面として空間光変調素子を備え、さらに、この空間光変調素子の像を形成する結像手段を備えたものである。
本発明に係る照明装置においては、ビーム整形素子を小型化し、かつ、このビーム整形素子の振動振幅を小さくしつつ、スペックルノイズを充分に低減することができる。
また、本発明に係る画像表示装置においては、光源の光利用効率を高く維持しつつ、スペックルノイズを充分に低減することができ、または、ビーム整形素子を小型化し、かつ、このビーム整形素子の振動振幅を小さくしつつ、スペックルノイズを充分に低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
なお、以下の各実施の形態は、本発明を適用した照明装置を、画像表示装置における空間光変調素子を被照明面として照明するものとして構成し、また、この照明装置を用いて本発明を適用した画像表示装置を構成したものである。
〔実施の形態(1)〕
本発明を適用した照明装置は、図1に示すように、コヒーレント光を出射して空間光変調素子を照明するコヒーレント光源手段となる半導体レーザ1を備えて構成されている。この半導体レーザ1から射出したコヒーレント光束は、コリメータレンズ2によって平行光束となされ、ビーム整形素子3に入射する。
このビーム整形素子3は、例えば、図2及び図3に示すように、半導体レーザ1から入射するコヒーレント光の強度分布を変化させて、所定の角度及び所定の強度分布に配光して出射させるように形成されている。このビーム整形素子3は、例えば、透明な合成樹脂材料により、平板状に形成され、表面部に所定形状の凹凸が形成されているものである。表面部に形成する凹凸の大きさや形状、深さなどを適宜に設定することによって、出射光の角度及び強度分布を所望の状態とすることができる。
すなわち、図2に示す特性のビーム整形素子3においては、このビーム整形素子3を透過した光束の強度分布は、ガウシアン分布になっている。また、図3に示す特性のビーム整形素子3においては、このビーム整形素子3を透過した光束の強度分布は、矩形状の分布となっている。なお、このような、透過した光束の強度分布を矩形状の分布とするような特性を有するビーム整形素子は、例えば、ホログラム素子として形成することによって実現することができる。
なお、これらビーム整形素子3を透過した光束の強度分布は、このビーム成形素子3に入射する光束の入射角や強度分布に依存するものであってもよい。
そして、このビーム整形素子3は、光軸に直交する平面内において移動可能に支持されており、加振手段4によって、光軸に直交する平面内において、すなわち、このビーム整形素子3の主面部に平行な平面内において、所定の周波数で振動させられる。この加振手段4の駆動力源としては、圧電素子、ボイスコイル、または、超音波モータなどを使用することができる。
ビーム整形素子3を透過してこのビーム整形素子3から出射した光束は、被照明面となる空間光変調素子5を照明する。この空間光変調素子5としては、例えば、液晶表示デバイスや、いわゆる「DMD素子」などが使用される。
ここで、ビーム整形素子3の入射面内での光束径の任意の方向の長さ(ビーム径)a、ビーム整形素子3から空間光変調素子5までの距離b、及び、ビーム整形素子3を透過した光束の配光角θの関係を以下に示すように所定の条件に設定し、さらに、ビーム整形素子3を加振手段4によって微小振動させることにより、効率的に空間光変調素子5でのスペックルノイズの発生を低減させることができる。
なお、ここで配光角θとは、ビーム整形素子3を透過した光束の強度分布の角度依存性において、ビーム強度が最大値の1/2になる出射角(ビーム整形素子3の主面に垂直な軸に対する角度)のことを言う。
例えば、図2に示す特性においては、角度θが配光角を示しており、図3に示す特性においては、角度θが配光角を示している。このとき、強度分布に異方性がある場合には、ビーム強度が最大値の1/2になる角度のうち、もっとも大きな角度を配光角とすることとする。また、光束径とは、ビーム整形素子3に入射した光束において、強度が最大値になる点を含み、かつ、強度が最大値の1/2になる2点間を結ぶ直線の長さのことを指すこととする。
上述のようなビーム整形素子3と被照明面となる空間光変調素子5との間における光束の状態を概要的に示すと、図4に示すように、空間光変調素子5の中心点Pに対し、ビーム整形素子3の広い範囲から光束が到達している。ビーム整形素子3を透過し、点Pに至ってこの点Pを照明する光束を考えると、ビーム整形素子3の配光角θが狭くθのときには、ビーム整形素子3の中心付近を透過した光束Rのみが点Pの照明に寄与し、一方、ビーム整形素子3の配光角θが広くθのときには、光束Rよりもビーム整形素子3の広い範囲を透過した光束Rが点Pの照明に寄与することになる。
ここで、光束Rでは、ビーム成形素子3に入射した光束のすべてが点Pに寄与するように配光角θを選んでいる。
また、光束Rは、ビーム整形素子3の配光角をθを、上述の配光角θよりも小さく(θ<θ)したものであり、この場合、ビーム整形素子3に入射した光束(光束径a)のうち、一部分のみが点Pに寄与することになる。
すなわち、この照明系において、ビーム整形素子3の配光角θが狭い配光角θの場合と、広い配光角θの場合とでは、広い配光角θの場合の方が、ビーム整形素子3上のより大きな面積からの光束が空間光変調素子5上に集まり、平均化される。そのため、特に、ビーム整形素子3を微小振動させたときのスペックルノイズの低減効果は、ビーム整形素子3の配光角θが広い場合のほうが大きい。しかし、ビーム整形素子3の配光角を上述の広い配光角θよりもさらに大きくした場合には、スペックルノイズの低減効果の向上はそれほど望めない。
ビーム整形素子3の配光角θ及びビーム整形素子3の振動の光軸に直交する方向の振幅と、スペックルコントラストとの関係を調べると、図5に示すように、ビーム整形素子3の配光角θが広いほど、また、ビーム整形素子3の振動の光軸に直交する方向の振幅が大きいほど、スペックルコントラストは低下するが、これらビーム整形素子3の配光角θ及び振幅のいずれについても、ある数値以上は、それより大きくしてもスペックルコントラストを低下させる効果はいわば飽和状態となってしまい、あまり変化がなくなってしまう。
なお、ここでいうスペックルコントラストとは、照明面上での光の空間的な強度分布の標準偏差を、強度分布の平均値で規格化した値であり、スペックルノイズが多い場合には、その値は大きくなり、逆にスペックルノイズが低減されている場合には、その値は小さくなる。
すなわち、この照明系において、図4に示すように、光束Rのようにビーム整形素子3に入射した光束全体が点Pの照明に寄与するときのビーム整形素子3の配光角θがθであるすると、配光角θがθよりも小さい(θ<θ)場合は、図5に示すように、その度合いによってスペックルコントラストは変化している。すなわち、配光角θがθよりも小さい場合においては、配光角θがθに近いほど、スペックルコントラストは低下している。しかし、配光角θがθよりも大きい(θ>θ)場合には、その大きさに関係なく、スペックルコントラストはほぼ一定値なるという結果を得た。
なお、図5に示す実験結果は、光源としてクリプトンレーザを用いたものであるが、半導体レーザを光源として用いた場合でも、スペックルコントラストの値は異なるが、スペックルコントラストの低減については、同様の傾向が確認できている。
このように、図4における光束Rを満たす条件、つまり、ビーム整形素子3に入射した光束すべてが、点Pの照明に寄与するように配光角を選択した場合、それを満たすかぎりどのような配光角θを選んでも、スペックルコントラストの変化はほとんどなくなってしまう。一方、一般的に、ビーム整形素子3の配光角θが小さい方が、より効率よく光源からの光を利用できる。以上のことから、ビーム整形素子3への入射面内での光束径の任意の方向の長さをa、ビーム整形素子3から空間光変調素子5までの距離をb、ビーム整形素子3を透過した光束の配光角をθとした場合、下記の関係を満たし、かつ、可能な範囲で配光角θを小さくすることによって、高い光利用効率を維持しつつ、スペックルノイズを除去することができるのである。
tanθ>(a/2b)
そして、ビーム整形素子3の振動周波数は、30Hz以上が望ましい。振動周波数がこの値以下だと、スペックルノイズが被照明面上で動き回るのが認識されてしまうため、スペックルノイズの低減効果は小さくなってしまう。
また、ビーム整形素子3の振動振幅は、小さすぎると、スペックルノイズの低減効果が小さくなってしまい、逆に、大き過ぎると、騒音の発生原因や、機械的信頼性の低下を引き起こしてしまう。この点に関しては、本件発明者による実験結果によると、100μm以上400μm以下が望ましい。
そして、圧電素子、ボイスコイル、または、超音波モータ等の振動素子を用いてビーム整形素子3を振動させる場合、ビーム整形素子3の共振周波数(固有振動数)を30Hz程度に設定することにより、少ない消費電力で振動させることができる。この場合、比較的比重の大きいガラス等からなるビーム拡散素子3を用いた場合には、上述の共振条件を満たすように振動系を設計した場合に、質量の大きさに応じて振動系のばね定数も大きくしなければ、共振周波数を30Hz程度とすることが達成できず、そのために駆動音の増加や、機械的信頼性の低下が引き起こされる可能性が増加する。
したがって、ビーム整形素子3をなす材料としては、比較的比重の小さい材料、例えば、ポリカーボネイト、ポリエステル等の合成樹脂材料を用いることが好ましい。
さらに、光源となる半導体レーザとしては、コヒーレンシの低いマルチモード発振のものが良い。しかし、単一波長の光源を必要とする照明装置、例えば、色収差の許容量が極めて小さい光学系を用いる場合などにおいてはこの限りではない。
また、図1に示した構成では、単一の半導体レーザを用いているが、複数の半導体レーザを並列的に用いたほうが、照明装置全体でのスペックルノイズの低減効果を大きくすることができる。
以上のような条件を満たした光学系を利用することによって、スペックルノイズのない、もしくはスペックルノイズの非常に少ない照明装置を実現することができる。
そして、本発明を適用した画像表示装置は、いわゆるフロントプロジェクタとして構成され、結像手段となる図示しない投影レンズによって、空間光変調素子5の実像をスクリーン上に投影することにより、空間光変調素子5による空間光変調に応じた画像表示を行う。
〔実施の形態(2)〕
次に、スペックルノイズを低減する照明装置の他の実施の形態として、図6に示すように、放射光強度分布に異方性をもった半導体レーザからの出射光のビーム整形と、スペックルノイズの除去とを同一光学素子によって実現するようにした照明装置の構成を示す。
半導体レーザ1から放射された光束は、図7に示すように、θ⊥方向(半導体レーザチップをなす積層構造の各層に直交する方向)のビーム径が、θ//方向(半導体レーザチップをなす積層構造の各層に平行な方向)のビーム径に対して長くなっている楕円形状である。そのため、このままでは、効率よく光束を利用することが困難であり、また、画像表示装置等において、所定の領域を均一に照明することが困難である。
そこで、この照明装置においては、図6に示すように、垂直に入射してきた断面が楕円形状の光束に対し、断面円形状の光束を出射するような性質を有するビーム整形素子6を透過させる。
そして、ビーム整形素子6を透過した光束は、コリメータレンズ2によって平行光束となされて、被照明面となる空間光変調素子5を照明する。ビーム整形素子6は、上述の実施の形態におけると同様に、加振手段4によって、光軸に直交する面内で振動される。このようにビーム整形素子6が振動されることによって、空間光変調素子5において形成される干渉パターンが人の目に認識されにくいように動き回り、結果的にスペックルノイズが低減される。
なお、図6において、Bは、半導体レーザ1から出射された光束のビーム形状を示し、Bは、ビーム整形素子6を透過した後の光束のビーム形状を示し、Bは、コリメータレンズ2を透過した後の光束のビーム形状を示している。
さらに、ビーム整形素子6を透過した後のビーム形状が、空間光変調素子5と同一の形状となるようにすることも考えられる。この場合には、楕円形、または、円形の断面形状を有する光束が入射されたときにこの光束の断面形状を矩形として出射させる特性を有するビーム整形素子6を用いる。そして、このようなビーム整形素子6を光軸上に対して垂直方向に振動させることによって、空間光変調素子5において形成される干渉パターンを人の目に認識されにくいように動き回らせることができ、結果的にスペックルノイズを低減させることができる。
本発明を適用した照明装置においては、この実施の形態に示したような光学系を用いることによって、光利用効率を高く維持しつつ、スペックルノイズを充分に低減させることが可能となる。
さらに、効果的にスペックルノイズを低減させる条件としては、図6の一部を拡大して示す図8に示すように、半導体レーザからの光束のビーム整形素子6の入射面内での任意の方向の光束径をaとし、この光束径aに対応する方向についてのビーム整形素子6からの出射光の配光角をθとし、ビーム整形素子6から空間光変調素子5までの距離をbとし、ビーム整形素子6からコリメータレンズ2までの距離をbとし、ビーム整形素子6に入射する光束の中で前記光束径aに対応する方向について光軸から最も離れた個所を透過した光束がコリメータレンズ2を透過したときの光軸に対する出射角をφとしたとき、下記の条件を満たすように、これら各光学素子設置するとよい。
a/2<btanθ+(b−b)tanφ
この条件が満たされることにより、ビーム整形素子6上のより大きな面積からの光束が空間光変調素子5上に集まって平均化されるため、スペックルノイズを低減させる効果を最大限に発揮することが可能となる。
なお、ビーム整形素子6と空間光変調素子5との間に、コリメータレンズの他、コンデンサレンズやリレーレンズなど、2枚以上のn枚のレンズが配置されている場合には、効果的にスペックルノイズを低減させる条件としては、半導体レーザからの光束のビーム整形素子6の入射面内での任意の方向の光束径をaとし、この光束径aに対応する方向についてのビーム整形素子6からの出射光の配光角をθとし、ビーム整形素子6から空間光変調素子5までの距離をbとし、ビーム整形素子6側から数えてn枚目のレンズとビーム整形素子6との間の光学的距離をbとし、ビーム整形素子6に入射する光束の中で前記光束径aに対応する方向について光軸から最も離れた個所を透過した光束がn枚目のレンズを透過したときの光軸に対する出射角をφとしたとき、下記の条件を満たすように、これら各光学素子設置するとよい(ただし、nは2以上の整数である)。
a/2<btanθ+Σ(b−bi−1)tanφi−1+(b−b)tanφ
この条件が満たされることにより、ビーム整形素子6上のより大きな面積からの光束が空間光変調素子5上に集まって平均化されるため、スペックルノイズを低減させる効果を最大限に発揮することが可能となる。
そして、この実施の形態においても、ビーム整形素子6の振動周波数は、30Hz以上が望ましい。振動周波数がこの値以下だと、スペックルノイズが空間光変調素子5上で動き回るのが認識されてしまうため、スペックルノイズの低減効果は小さくなってしまう。
また、ビーム整形素子6の振動振幅は、小さすぎると、スペックルノイズの低減効果が小さくなってしまい、逆に、大き過ぎると、騒音の発生原因や、機械的信頼性の低下を引き起こしてしまう。この点に関しては、本件発明者による実験結果によると、100μm以上400μm以下が望ましい。
そして、圧電素子、ボイスコイル、または、超音波モータ等の振動素子を用いてビーム整形素子6を振動させる場合、ビーム整形素子6の共振周波数(固有振動数)を30Hz程度に設定することにより、少ない消費電力で振動させることができる。この場合、比較的比重の大きいガラス等からなるビーム拡散素子3を用いた場合には、上述の共振条件を満たすように振動系を設計した場合に、質量の大きさに応じて振動系のばね定数も大きくしなければ、共振周波数を30Hz程度とすることが達成できず、そのために駆動音の増加や、機械的信頼性の低下が引き起こされる可能性が増加する。
したがって、ビーム整形素子6をなす材料としては、比較的比重の小さい材料、例えば、ポリカーボネイト、ポリエステル等の合成樹脂材料を用いることが好ましい。
さらに、光源となる半導体レーザとしては、コヒーレンシの低いマルチモード発振のものが良い。しかし、単一波長の光源を必要とする照明装置、例えば、色収差の許容量が極めて小さい光学系を用いる場合などにおいてはこの限りではない。
また、図6に示した構成では、単一の半導体レーザを用いているが、複数の半導体レーザを並列的に用いたほうが、照明装置全体でのスペックルノイズの低減効果を大きくすることができる。
以上のような条件を満たした光学系を利用することによって、スペックルノイズのない、もしくはスペックルノイズの非常に少ない照明装置を実現することができる。
なお、図6に示した実施の形態において、垂直な入射光に対して、主射光の空間的な強度分布がガウシアン分布等のように角度依存性を持つ場合は、空間光変調素子5に対する均一照明が難しくなる。その場合は、コリメータレンズ2と、空間光変調素子5との間に、フライアイレンズ等を挿入することにより、スペックルノイズが減少された均一な照明を実現することができる。
そして、本発明を適用した画像表示装置は、いわゆるフロントプロジェクタとして構成され、結像手段となる図示しない投影レンズによって、空間光変調素子5の実像をスクリーン上に投影することにより、空間光変調素子5による空間光変調に応じた画像表示を行う。
〔実施の形態(3)〕
さらに、半導体レーザ、または、その他のレーザ光源を用いてスペックルノイズを低減する照明光学系を有して構成された本発明を適用した照明装置及び本発明を適用した画像表示装置について説明する。
この照明装置において、光源としては、図9に示すように、赤色(以下、「R」とする。)、緑色(以下、「G」とする。)、青色(以下、「B」とする。)の3色のうちの互いに異なる一色の光を発する3個のレーザ光源1R,1G,1Bを用いている。
なお、この図9においては、レーザ光源を各色1個ずつとして示しているが、それぞれの色について複数個のレーザ光源を用いるようにしてもよい。各色について複数個のレーザ光源を並列的に用いたほうが、照明光学系全体について、後述するスペックルノイズの低減効果を大きくすることができる。
各レーザ光源1R,1G,1Bから出射されたR、G、Bのコヒーレント光は、それぞれコリメータレンズ7R,7G,7Bによって平行光束となされる。Rの光束は、ミラー(またはR光のみを反射するダイクロックミラー)8Rによって反射され、G光のみを反射するダイクロックミラー8G及びB光のみを反射するダイクロックミラー8Bを透過する。Gの光束は、G光のみを反射するダイクロックミラー8Gによって反射され、B光のみを反射するダイクロックミラー8Bを透過する。Bの光束は、B光のみを反射するダイクロックミラー8Bによって反射される。このようにして、R、G、B各色光は、合成されて、コンデンサーレンズ9に入射される。
コンデンサーレンズ9に入射された光束は、このコンデンサーレンズ9によって集光され、リレーレンズ10を介して拡散光となってコリメータレンズ11に入射する。このコリメータレンズ11は、入射された光束を平行光束として空間光変調素子5に入射させる。このようにして、空間光変調素子5が照明される。
そして、本発明を適用した画像表示装置は、いわゆるフロントプロジェクタとして構成され、空間光変調素子5を照明しこの空間光変調素子5によって表示する画像信号に応じて変調された光束を、結像手段となる図示しない投射レンズによって、スクリーン上等に投影し、空間光変調素子5の実像を形成して画像表示を行う。
なお、上述の図9においては、透過型の空間光変調素子5を示しているが、この透過型の空間光変調素子5に代えて、反射型の空間光変調素子を用いることもできる。
このような構成からなる照明光学系においては、リレーレンズ10の近傍の光束は、他の場所に比べて光束径が細くなっている。そして、リレーレンズ10の近傍には、リレーレンズ10の入射側にビーム整形素子3A、もしくは、リレーレンズ10の出射側にビーム整形素子3Bが配設されている。すなわち、ビーム整形素子3A,3Bは、コヒーレント光の光路上の任意の点の近傍に配置されており、この点は、この点におけるコヒーレント光の断面積がこのコヒーレント光の光軸上の前後位置における該コヒーレント光の断面積より小さくなっている点、すなわち、リレーレンズ10の近傍である。
このビーム整形素子3A、3Bは、上述の実施の形態におけると同様に、加振手段4によって、光軸に直交する平面内において、すなわち、このビーム整形素子3A、3Bの主面部に平行な平面内において、所定の周波数で振動させられる。ビーム整形素子3A、3Bがこのように振動されることにより、スペックルノイズが低減される。
そして、このような照明光学系においては、以下のような利点が存在する。まず、第一の利点は、ビーム整形素子3A、3Bの最適な振動振幅を小さくできることである。すなわち、ビーム整形素子3A、3Bを振動させると、コヒーレント光による干渉パターンがビーム整形素子3A、3Bの配光角に応じて分裂され、これによって、空間光変調素子5におけるスペックルノイズが目立たなくなる。そのため、同一の振動周波数にて振動させた場合には、振動の振幅が大きい方が、スペックルノイズの低減効果は大きい。
この実施の形態においては、例えば、ビーム整形素子3A、3Bを光軸に直交する方向に100μmの振幅で振動させた場合、空間光変調素子5における干渉パターン、すなわち、スペックルノイズの振動の光軸に直交する方向の振幅は、100(c/a)μmとなる。なお、ここで、aは、レーザ光源1R,1G,1Bからの光束のビーム整形素子3A、もしくは3Bの入射面内での任意の方向の光束径であり、cは、レーザ光源からの光束の空間光変調素子5の出射面内での任意の方向の光束径である。すなわち、この実施の形態において、空間光変調素子5上でのスペックルノイズの振動の光軸に直交する方向の振幅が100μmである場合、(c/a)が1であれば、ビーム整形素子3A、3Bの光軸に直交する方向の振動の振幅は、100μmであるが、 (c/a)を4とすれば、ビーム整形素子3A、3Bの光軸に直交する方向の振動の振幅を25μmとすることができる。
したがって、この照明光学系においては、ビーム整形素子3A、3Bの実際の振動振幅よりも、より振動振幅を大きくした場合のように、効率的にスペックルノイズの低減を実現することができる。また、逆に、スペックルノイズの低減が充分になされている状態においては、ビーム整形素子3A、3Bの振動振幅を小さくすることが可能であり、駆動音の発生や、機械的長期信頼性の劣化などが生ずる可能性を減少させることができる。
さらに、効果的にスペックルノイズを低減させる条件としては、図9の一部を拡大して示す図10に示すように、レーザ光源1R,1G,1Bからの光束のビーム整形素子3Bの入射面内での任意の方向の光束径をaとし、この光束径aに対応する方向についてのビーム整形素子3Bからの出射光の配光角をθとし、ビーム整形素子3Bから空間光変調素子5までの距離をbとし、ビーム整形素子3Bからコリメータレンズ11までの距離をbとし、ビーム整形素子3Bに入射する光束の中で前記光束径aに対応する方向について光軸から最も離れた個所を透過した光束がコリメータレンズ11を透過したときの光軸に対する出射角をφとしたとき、下記の条件を満たすように、これら各光学素子設置するとよい。
a/2<btanθ+(b−b)tanφ
この条件が満たされることにより、ビーム整形素子3B上のより大きな面積からの光束が空間光変調素子5上に集まって平均化されるため、スペックルノイズを低減させる効果を最大限に発揮することが可能となる。
なお、ビーム整形素子3A、3Bと空間光変調素子5との間に、コリメータレンズの他、コンデンサレンズやリレーレンズなど、2枚以上のn枚のレンズが配置されている場合には、効果的にスペックルノイズを低減させる条件としては、レーザ光源からの光束のビーム整形素子3A、3Bの入射面内での任意の方向の光束径をaとし、この光束径aに対応する方向についてのビーム整形素子3A、3Bからの出射光の配光角をθとし、ビーム整形素子3A、3Bから空間光変調素子5までの距離をbとし、ビーム整形素子3A、3B側から数えてn枚目のレンズとビーム整形素子3A、3Bとの間の光学的距離をbとし、ビーム整形素子3A、3Bに入射する光束の中で前記光束径aに対応する方向について光軸から最も離れた個所を透過した光束がn枚目のレンズを透過したときの光軸に対する出射角をφとしたとき、下記の条件を満たすように、これら各光学素子設置するとよい(ただし、nは2以上の整数である)。
a/2<btanθ+Σ(b−bi−1)tanφi−1+(b−b)tanφ
この条件が満たされることにより、ビーム整形素子3A、3B上のより大きな面積からの光束が空間光変調素子5上に集まって平均化されるため、スペックルノイズを低減させる効果を最大限に発揮することが可能となる。
そして、この実施の形態においても、ビーム整形素子3A、3Bの振動周波数は、30Hz以上が望ましい。振動周波数がこの値以下だと、スペックルノイズが空間光変調素子5上で動き回るのが認識されてしまうため、スペックルノイズの低減効果は小さくなってしまう。
また、空間光変調素子5上でのスペックルノイズの振動の光軸に直交する方向の振幅は、小さすぎると、スペックルノイズの低減効果が小さくなってしまい、逆に、大き過ぎると、騒音の発生原因や、機械的信頼性の低下を引き起こしてしまう。この点に関しては、本件発明者による実験結果によると、100μm以上400μm以下が望ましい。
そして、圧電素子、ボイスコイル、または、超音波モータ等の振動素子を用いてビーム整形素子3A、3Bを振動させる場合、ビーム整形素子3A、3Bの共振周波数(固有振動数)を30Hz程度に設定することにより、少ない消費電力で振動させることができる。この場合、比較的比重の大きいガラス等からなるビーム拡散素子3を用いた場合には、上述の共振条件を満たすように振動系を設計した場合に、質量の大きさに応じて振動系のばね定数も大きくしなければ、共振周波数を30Hz程度とすることが達成できず、そのために駆動音の増加や、機械的信頼性の低下が引き起こされる可能性が増加する。
したがって、ビーム整形素子3A、3Bをなす材料としては、比較的比重の小さい材料、例えば、ポリカーボネイト、ポリエステル等の合成樹脂材料を用いることが好ましい。
さらに、光源としては、コヒーレンシの低いマルチモード発振の半導体レーザが良い。しかし、単一波長の光源を必要とする照明装置、例えば、色収差の許容量が極めて小さい光学系を用いる場合などにおいてはこの限りではない。
以上のような条件を満たした光学系を利用することによって、スペックルノイズのない、もしくはスペックルノイズの非常に少ない照明装置及び画像表示装置を実現することができる。
上述のように、本発明を適用した照明装置においては、コヒーレント光のビーム整形素子に入射するときのビーム径a、ビーム整形素子から被照明面までの光学的距離b及びビーム整形素子を透過した光束の配光角θの間に上述の所定の条件、
tanθ>(a/2b)
が満たされていることにより、光源の光利用効率を高く維持しつつ、スペックルノイズを充分に低減することができる。
すなわち、本発明を適用した照明装置は、コヒーレント光を出射しこのコヒーレント光によって被照明面を照明するコヒーレント光源手段と、このコヒーレント光源手段と被照明面との間のコヒーレント光の光路上に配設され該コヒーレント光源手段から入射するコヒーレント光の強度分布を変化させて所定の強度分布に配光して出射させるビーム整形素子と、このビーム整形素子を振動させる加振手段とを備えている。
そして、この照明装置は、コヒーレント光源手段から出射されたコヒーレント光がビーム整形素子に入射するときの入射面内における任意の方向のビーム径をaとし、このビーム整形素子から被照明面までの光学的距離をbとし、ビーム整形素子を透過した光束の配光角をθとすると、
tanθ>(a/2b)
が成立していることを特徴とするものである。
この照明装置においては、コヒーレント光のビーム整形素子に入射するときのビーム径a、ビーム整形素子から被照明面までの光学的距離b及びビーム整形素子を透過した光束の配光角θの間に上述の所定の条件が満たされていることにより、光源の光利用効率を高く維持しつつ、スペックルノイズを充分に低減することができる。
また、この照明装置は、さらに、ビーム整形素子と被照射面との間に少なくとも一のレンズが配置されている場合において、コヒーレント光のビーム整形素子に入射するときのビーム径a、ビーム整形素子から被照明面までの光学的距離b、ビーム整形素子を透過した光束の配光角θ、ビーム整形素子に入射するコヒーレント光の中で光軸から最も離れた個所を透過した光束がビーム整形素子から数えてn枚目のレンズを透過したときの光軸に対する出射角φ及びn枚目のレンズとビーム整形素子との間の光学的距離bの間に上述の所定の条件、
(n=1のとき、)a/2<btanθ+(b−b)tanφ
(n≧2のとき、)
a/2<btanθ+Σ(b−bi−1)tanφi−1+(b−b)tanφ
が満たされていることにより、ビーム整形素子と被照射面との間にn枚のレンズが配置されている場合であっても、光源の光利用効率を高く維持しつつ、スペックルノイズを充分に低減することができる。
すなわち、この照明装置は、さらに、ビーム整形素子と被照射面との間に少なくとも一のレンズが配置されているものである。そして、コヒーレント光源手段から出射されたコヒーレント光がビーム整形素子に入射するときの入射面内における任意の方向のビーム径をaとし、このビーム整形素子から被照明面までの光学的距離をbとし、ビーム整形素子を透過した光束の配光角をθとし、ビーム整形素子に入射するコヒーレント光の中で光軸から最も離れた個所を透過した光束がビーム整形素子から数えてn枚目のレンズを透過したときの光軸に対する出射角をφとし、このn枚目のレンズとビーム整形素子との間の光学的距離をbとしたときに、nが1であるときには、
a/2<btanθ+(b−b)tanφ
が成立し、nが2以上の整数であるときには、
a/2<btanθ+Σ(b−bi−1)tanφi−1+(b−b)tanφ
が成立していることを特徴とするものである。
この照明装置においては、コヒーレント光のビーム整形素子に入射するときのビーム径a、ビーム整形素子から被照明面までの光学的距離b、ビーム整形素子を透過した光束の配光角θ、ビーム整形素子に入射するコヒーレント光の中で光軸から最も離れた個所を透過した光束がビーム整形素子から数えてn枚目のレンズを透過したときの光軸に対する出射角φ及びn枚目のレンズとビーム整形素子との間の光学的距離bの間に上述の所定の条件が満たされていることにより、ビーム整形素子と被照射面との間にn枚のレンズが配置されている場合であっても、光源の光利用効率を高く維持しつつ、スペックルノイズを充分に低減することができる。
さらに、本発明を適用した照明装置においては、ビーム整形素子を、コヒーレント光の断面積がこのコヒーレント光の光軸上の前後位置における該コヒーレント光の断面積より小さくなっている点の近傍に配置することにより、ビーム整形素子を小型化し、かつ、このビーム整形素子の振動振幅を小さくしつつ、スペックルノイズを充分に低減することができる。
すなわち、本発明を適用した照明装置は、コヒーレント光を出射しこのコヒーレント光によって被照明面を照明するコヒーレント光源手段と、このコヒーレント光源手段と被照明面との間のコヒーレント光の光路上に配設され該コヒーレント光源手段から入射するコヒーレント光の強度分布を変化させて所定の強度分布に配光して出射させるビーム整形素子と、ビーム整形素子を振動させる加振手段とを備えている。
そして、この照明装置において、ビーム整形素子は、コヒーレント光の光路上の任意の点の近傍に配置されており、この点は、この点における該コヒーレント光の断面積がこのコヒーレント光の光軸上の前後位置における該コヒーレント光の断面積より小さくなっている点であることを特徴とするものである。
この照明装置においては、ビーム整形素子を小型化し、かつ、このビーム整形素子の振動振幅を小さくしつつ、スペックルノイズを充分に低減することができる。
そして、本発明を適用した画像表示装置においては、上述のような照明装置を備えることにより、光源の光利用効率を高く維持しつつ、スペックルノイズを充分に低減することができ、または、ビーム整形素子を小型化し、かつ、このビーム整形素子の振動振幅を小さくしつつ、スペックルノイズを充分に低減することができる。
すなわち、本発明を適用した画像表示装置は、上述の照明装置を備え、被照明面として空間光変調素子を備え、さらに、この空間光変調素子の像を形成する結像手段を備えたものである。
この画像表示装置においては、光源の光利用効率を高く維持しつつ、スペックルノイズを充分に低減することができ、または、ビーム整形素子を小型化し、かつ、このビーム整形素子の振動振幅を小さくしつつ、スペックルノイズを充分に低減することができる。
すなわち、本発明は、照明光としてコヒーレント光を用い、装置構成を大型化することなく、また、光利用効率の低下を招来することなく、スペックルノイズの発生が抑えられた照明装置を提供し、また、このような照明装置を備えて構成された画像表示装置を提供することができるものである。
本発明を適用した照明装置の構成を示す側面図である。 上記照明装置におけるビーム整形素子の出射角の特性を示すグラフである。 上記照明装置におけるビーム整形素子の出射角の特性の他の例を示すグラフである。 上記照明装置においてビーム整形素子を出射した光束の光路を示す側面図である。 上記照明装置におけるビーム整形素子の振動振幅とスペックルノイズの減少との関係を示すグラフである。 上記照明装置においてビーム整形素子として断面楕円形の光束を断面円形の光束に変換する特性を有するものを使用した構成を示す側面図である。 上記照明装置における光源となる半導体レーザから出射される光束の断面形状を示す斜視図である。 上記図6に示した照明装置においてビーム整形素子を出射した光束の光路を示す側面図である。 本発明を適用した画像表示装置の構成を示す側面図である。 上記画像表示装置においてビーム整形素子を出射した光束の光路を示す側面図である。
符号の説明
1 半導体レーザ、1R,1G,1B レーザ光源、2,7R,7G,7B コリメータレンズ、3,3A,3B,6 ビーム整形素子、4 加振手段、5 空間光変調素子

Claims (10)

  1. コヒーレント光を出射し、このコヒーレント光によって被照明面を照明するコヒーレント光源手段と、
    上記コヒーレント光源手段と上記被照明面との間の上記コヒーレント光の光路上に配設され、該コヒーレント光源手段から入射するコヒーレント光の強度分布を変化させて所定の強度分布に配光して出射させるビーム整形素子と、
    上記ビーム整形素子を振動させる加振手段と
    を備え、
    上記ビーム整形素子は、上記コヒーレント光の光路上の任意の点の近傍に配置されており、この点は、この点における該コヒーレント光の断面積がこのコヒーレント光の光軸上の前後位置における該コヒーレント光の断面積より小さくなっている点であり、
    上記ビーム整形素子は、断面形状が楕円形状の入射光を、断面形状が円形状の光束として出射させる照明装置。
  2. 上記加振手段による上記ビーム整形素子の振動の周波数が30Hz以上であ請求項1記載の照明装置。
  3. 上記加振手段により上記ビーム整形素子が振動されることによる被照明面上でのスペックルノイズの振動の光軸に直交する方向の振幅が100μm乃至400μmであ請求項1記載の照明装置。
  4. 上記ビーム整形素子は、合成樹脂材料を主原料として形成されてい請求項1記載の照明装置。
  5. 上記コヒーレント光源手段は、複数設けられてい請求項1記載の照明装置。
  6. 上記加振手段は、圧電素子を有し、この圧電素子によって、上記ビーム整形素子を振動させ請求項1記載の照明装置。
  7. 上記加振手段は、ボイスコイルを有し、このボイスコイルによって、上記ビーム整形素子を振動させ請求項1記載の照明装置。
  8. 上記加振手段は、超音波モータを有し、この超音波モータによって、上記ビーム整形素子を振動させ請求項1記載の照明装置。
  9. 上記被照明面として、空間光変調素子を照明す請求項1記載の照明装置。
  10. コヒーレント光を出射するコヒーレント光源手段と、
    上記コヒーレント光によって照明される空間光変調素子と、
    上記空間光変調素子の像を形成する結像手段と、
    上記コヒーレント光源手段と上記空間光変調素子との間の上記コヒーレント光の光路上に配設され、該コヒーレント光源手段から入射するコヒーレント光の強度分布を変化させて所定の強度分布に配光して出射させるビーム整形素子と、
    上記ビーム整形素子を振動させる加振手段と
    を備え、
    上記ビーム整形素子は、上記コヒーレント光の光路上の任意の点の近傍に配置されており、この点は、この点における該コヒーレント光の断面積がこのコヒーレント光の光軸上の前後位置における該コヒーレント光の断面積より小さくなっている点であり、
    上記ビーム整形素子は、断面形状が楕円形状の入射光を、断面形状が円形状の光束として出射させる画像表示装置。
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