JP4661311B2 - 放電ランプの製造方法及び放電ランプ - Google Patents
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Description
これら放電ランプは、液晶ディスプレイ装置やDMDを使ったDLPなどのプロジェクター装置、さらにはリアプロジェクションテレビに採用される。
ハロゲンサイクルを良好に機能させるためには、適量のハロゲンが封入される必要があるが、それ以外にも、適量の酸素を封入することが知られている。酸素の量が多すぎたり、あるいは少なすぎた場合は、発光管内表面が黒化したり、あるいはタングステンから構成される電極が損耗するという問題を生じるからである。例えば、特開2004−303573号には、ハロゲン封入量に対して、所定の酸素を封入すべき内容が記載される。
しかし、水銀ランプ、特に、プロジェクター装置用の放電ランプのように、多量の水銀を含む放電ランプにあっては、水銀による発光が強すぎるため、OHラジカルの輝線スペクトルを測定することが不可能といえる。
つまり、放電ランプに含まれる物質を定常点灯時(アーク放電発光)の分光スペクトルから測定する方法は、水銀ランプの場合は、困難というわけである。
なお、酸素の定量としてOHラジカルのスペクトルを利用する理由は、酸素原子(O)や酸素分子(O2)は他の物質と反応しやすく、酸素原子(O)や酸素分子(O2)の輝線スペクトルを測定することが困難であり、現実には、水素と反応して生成された水分子(H2O)より分離したOHラジカルが発光し、その発光強度は水分子(H2O)の量に比例するからである。
グロー放電による上記分析法は、比較的低温時における気相中のガス成分を測定する方法である。
一般に、放電ランプは、点灯中は、ある量の酸素はタングステンおよび臭素との化合物として気相の状態で存在しハロゲンサイクルに役立っているが、消灯させて低温化すると、これら酸素化合物は化合物の形態として固相状態となり、発光管内壁などに付着してしまう。具体的には、タングステン酸化物(WOx)、タングステン臭酸化物(WOxBry)で存在している。
つまり、発光空間に存在する酸素は、定常点灯時(アーク放電発光)は、タングステンおよび臭素との化合物として気相状態でハロゲンサイクルに寄与しているものの、低温状態であるグロー放電発光では、十分に気相化しているとはいえず、ほとんどが化合物という固相状態になっているわけである。
従って、従来のグロー放電によるOHラジカルの定量方法では、たまたま気相状態にある一部の酸素のみを測定しているにすぎず、固相状態の酸素、言い換えれば、本来測定すべき酸素を測定しているわけではない。結果として、従来のグロー放電発光による分析方法では、ハロゲンサイクルに寄与すべき酸素を正確に定量していないことを意味する。
この考えは理屈的には正しいかもしれないが、放電ランプに封入される酸素は、構成材料の熱処理条件や雰囲気など製造プロセスに深く関わっており、目標値と実際の封入量を一致させることは不可能である。
具体的には、タングステンの電極やモリブデンの金属箔に溶存あるいは吸着水が付着しており、また、封止部のシール工程において石英ガラスが蒸発して酸素成分が発光空間に持ち込まれることがある。つまり、製造工程では制御することができない、不可避的に混入してしまう酸素が存在するということである。
そして、プロジェクター装置に使われる放電ランプは、発光管内容積が100mm3程度以下と極めて小さいものであり、僅かな酸素量の違いであっても、ハロゲンサイクルへの機能や効果は大きく変化してしまう。
結果として、製造段階で酸素量を管理することや、製造後に放電ランプを破壊して、酸素を測定する方法は、現実には無理であり、実際に放電ランプに封入されている酸素量を非破壊的な方法で測定するしかない。
(1)ハロゲンを封入した放電ランプにあっては、ハロゲンサイクルを効果的に機能させるために、ハロゲン封入量に対してある範囲の酸素を封入する必要がある。特開2004−303573号には、ハロゲン封入量に対する酸素量の範囲が示されるが、どのように定量するかは何ら説明されておらず、定常点当時において、真に機能する酸素量を正確に規定するものではない。
すなわち、本発明では、消灯時あるいはグロー放電時に、タングステン酸化物(WOX)やタングステン臭酸化物(WOXBrY)などの化合物として固相状態で存在する酸素こそが、真にハロゲンサイクルを支援する酸素であることを見出して、その定量化を可能にする製造方法と定量化された放電ランプを提供している。
その特徴は、放電ランプに水素を注入することにより、化合物の形態で存在する酸素を還元して水分子(H2O)の形態で回収し、発光空間に存在する酸素のほぼ全量を測定することにある。
具体的には、まず、グロー放電による分析法で気相のOHラジカルの発光強度を測定する(測定結果1)。次に、当該放電ランプに水素を混入して、同じく、グロー放電による分析法で気相のOHラジカルの発光強度を測定する(測定結果2)。測定結果2で定量されたOHラジカルの発光強度には、水素混入前に気相であった水分子(H2O)と、水素混入前にタングステン酸化物(WOX)やタングステン臭酸化物(WOXBrY)の化合物であった酸素が含まれる。従って、測定結果2から測定結果1を差し引くことで、水素混入前にタングステン酸化物(WOX)やタングステン臭酸化物(WOXBrY)の化合物である酸素を定量している。
放電ランプ10は、石英ガラスからなる放電容器によって全体が形成されて、概略球形の発光部11と封止部12を有する。発光部11は、内部に発光空間を形成し、一対の電極20が互いに対向して配置する。また、封止部12は発光部11の両端部から伸びるように形成され、内部に、通常、モリブデンからなる導電用金属箔13が、例えばシュリンクシールにより気密に埋設される。電極20は、軸部が金属箔13に溶接されて電気的に接続され、また、金属箔13の他端には、外部に突出する外部リード14が溶接される。
水銀は、必要な可視光波長、例えば、波長400〜700nmという放射光を得るためのもので、0.15mg/mm3以上封入されている。この封入量は、温度条件によっても異なるが、点灯時150気圧以上で極めて高い蒸気圧となる。また、水銀をより多く封入することで点灯時の水銀蒸気圧200気圧以上、300気圧以上という高い水銀蒸気圧の放電ランプを作ることができ、水銀蒸気圧が高くなるほどプロジェクター装置に適した光源を実現することができる。
アルゴンガスは、例えば、13kPa封入されて、点灯始動性を改善する機能を持つ。
ハロゲンは、臭素、沃素、塩素などが水銀その他の金属との化合物の形態で封入される。ハロゲンの封入量は、10−6〜10−2μmol/mm3の範囲から選択される。ハロゲンを封入する主目的は放電容器の失透防止であるが、本発明の放電ランプのように極めて小型で高い内圧を有するものは、これにより、いわゆるハロゲンサイクルも生じる。
酸素は、ハロゲンサイクルを効果的に機能させるために不可欠な物質であり、最適量が正確に封入される必要がある。
また、この種の放電ランプは、小型化するプロジェクター装置に内蔵されるものであり、装置の全体寸法が極めて小型化される一方で高い光量が要求されることから、発光空間の熱的影響は極めて厳しいものとなり、ランプの管壁負荷値は0.8〜2.0W/mm2、具体的には1.5W/mm2となる。
このような高い水銀蒸気圧や管壁負荷値を有することがプロジェクター装置やオーバーヘッドプロジェクターのようなプレゼンテーション用機器、あるいはリアプロジェクションテレビに搭載された場合に、演色性の良い放射光を提供できる。
本発明は、ハロゲンの封入量が放電容器の失透とハロゲンサイクルの作用から10−6〜10−2μmol/mm3の数値範囲が選択され、そのハロゲン量との関係で、真に、ハロゲンサイクルに寄与する酸素を、正確に規定する製造方法および、その製造方法による放電ランプを提供するものである。
次に、当該放電ランプの放電容器内に水素を封入して、同様に、当該放電ランプをグロー放電させて、アルゴン(Ar)による波長668nmの発光強度をa2と、OHラジカルによる波長309nmの発光強度cの関係c/a2を測定する。
そして、最初に測定したb/a1の値と、後に測定したc/a2の値の差、すなわち、(c/a2−b/a1)を定量化するのである。
(a)は水素を投入する前にグロー放電させたときの放電容器内の酸素あるいは水分子(H2O)の状態を表し、(b)は水素を投入した後においてグロー放電させたときの酸素あるいは水分子(H2O)の状態を表す。この模式図では、発光分子であるOHラジカルを書いていないが、グロー放電させた場合には、水分子(H2O)より分離したOHラジカルが発光し、その発光強度は水分子(H2O)の量に比例する。
(b)において、放電ランプに水素を投入すると、WOxの状態にあった酸素が、還元反応を起こし、水素と結合して水分子(H2O)を形成する。この状態でグロー放電させると、当該状態におけるOHラジカルのスペクトルを測定できる。
このため、(b)において測定したOHラジカルとArの発光強度比から、(a)において測定したOHラジカルとArの発光強度比を差し引くと、真に、ハロゲンサイクルに寄与すべき酸素を測定できる。
加熱温度は、反応に十分な量の水素を発光空間に注入することができ、さらには、WOXやWOXBrYの還元反応を十分に促進させることも条件となる。数値例をあげると、600℃〜1,050℃である。
水素注入量の最適範囲は、加熱温度、加熱時間、水素が透過する面積(発光空間の内表面積)、発光部の石英ガラスの厚みによって決まる。具体的には、本ランプに一般的に使われるバルブサイズに対して、加熱温度は600〜1050℃で、例えば950℃、加熱時間は60〜300分で、例えば120分とすることで、固相状態の酸素を十分に気相化することができ、かつ、グロー放電発光をすることができる。石英ガラスに対する水素の透過に関しては、例えば森脇らの「石英ガラスにおける水素の異常拡散現象」(J. Illum. Engng. Inst. Japan 61 (2)1977 pp.99-105)に記されている。
図3は、放電ランプ発光強度の測定装置の概略構成を示す。
分光器30は、回折格子31と、この回折格子31を回転させるためのドライバー32と、このドライバー32を制御する制御機構33と有する。放電ランプ10からの光は、入射スリット34を介して分光器30に入り、分光器30からの出射光をCCDからなる検出器35およびその制御装置36で検出測定する。
グロー放電発光は、たとえば、定格電流が2.0Aであるところ、5mA程度の直流電流で点灯させる。放電が安定しにくい場合には、封止部12に外部電極を取り付けて、5mAに相当する出力で、容量結合型の交流点灯させることによっても測定可能である。
図4では、波長309nmの強度は3414、バックグランドは3100、OHラジカルによる発光は314(=3414-3100)となる。また、波長668nmの強度は9588、バックグランドは100、アルゴンによる発光は9488(=9588-100)となる。
図5では、波長309nmの強度は75453、バックグランドは31000、OHラジカルによる発光は44453(=75453-31000)となる。波長668nmの強度は41117、バックグランドは400、アルゴンによる発光は40717(=41117-400)となる。
バックグランドとは、OHラジカル以外による発光であり、例えば、波長309nmの場合はアルゴン、水銀、石英ガラスの発光を意味し、OHラジカルによる発光を求めるために、これらバックグランドを差し引く必要がある。波長668nmの場合も同様である。
この結果、水素を注入する前におけるOHラジカルとアルゴンの発光強度の比率は、0.033(=314/9488)となり、水素を注入した後のOHラジカルとアルゴンの発光強度の比率は、1.092(=44453/40717)となる。
上記の説明では、OHラジカルとArの発光強度比に補正値を掛けているが、それぞれの測定値(図4で言えば、OHラジカルが314、アルゴンが9488)に補正値を考慮してから、両者の比率を計算しても同じことである。
なお、比較物質として、アルゴンを採用する理由は、点灯始動用のバッファガスとして、もともと封入すべき物質であること、および、水銀のように温度による発光強度の変化が大きくないからである。
そして、1回目に測定されたOHラジカルとArの発光強度比から2回目に測定されたOHラジカルとArの発光強度比を差し引くことで、1回目は化合物として固相化していたが、2回目の測定は水素と結合して水分子となって気相化した酸素、すなわち、真に、ハロゲンサイクルに寄与できる酸素を正確に測定することにある。
ハロゲンサイクルは、電極から蒸発・飛散される金属物質が、発光空間内で酸素とハロゲンの化合物を作り、電極に再び戻るメカニズムを利用して、放電ランプの長寿命を図ることである。
((c/a2)−(b/a1))が0.001より小さい場合は、ハロゲンサイクルに寄与すべき酸素量が少ないこととなり、ハロゲンサイクルを十分に機能させることができず、結果として、短時間で発光管に黒化を発生させる。
((c/a2)−(b/a1))が15より大きい場合は、ハロゲンサイクルが活性化しすぎて著しい電極変形を招こととなる。電極間距離が短くなった場合は、ランプ電圧が低下して、点灯バラストの破壊を招くことになる。また、電極先端のタングステン材料が電極後端に輸送され、電極後端でタングステンが堆積する。この堆積が進行すると発光管内面に到達して発光管の破壊を招くことになる。特に、プロジェクター装置用ランプは、電極間距離が1.5mm程度、発光管外径も10mm以下であり、上記現象は顕著に生じる。
また、点灯始動時にOHラジカル(つまり、水分子)が多いと、放電開始電圧が高くなり、装置の大型化や安全性でも問題を生じる。
つまり、放電容器内に炭素(C)が混入し、COXなどが存在していたとしても、水素の注入前後でその量が変化するものではなく、本発明の定量方法に何ら影響することではない。
繰り返しになるが、本発明は、水素を注入することで、酸素の状態という意味で、擬似的にアーク放電のときと同じ状態を作り、この状態でグロー放電発光させることで、水銀発光の影響を受けることなく酸素量を測定するものである。水素を注入することで新たに増加するOHラジカル(つまり、水分子)こそが、真に、ハロゲンサイクルに寄与する酸素とする点に特徴を有する。
水素を除去する方法としては、例えば、ランプ全体の真空ベークや、WO2004/084253に開示されているように、発光部外表面と内部の導電性部材(電極・Mo箔)との間に電界を印加することにより、放電空間内の水素を除去する方法などが考えられる。
つまり、特定の放電ランプについてのみ、定期的に当該測定を行い、この測定結果をもとに他の放電ランプも併せて評価できる。このことは、抜き取り的に破壊検査することと同じである。
図6は放電ランプの製造工程の概略を示す。(a)〜(h)の流れで工程が進む。
(a)は一方の封止部にマウントを挿入する。マウントは電極、金属箔、外部リードが一体となったものである。
(b)は当該封止部を封じる。
(c)は発光部に水銀、ハロゲン化合物を封入し、他方の封止部にマウントを挿入する。
(d)は発光部内を排気する。
(e)は発光部内にアルゴンと酸素の混合ガスを封入する。
(f)は他方の封止部を封じる。
(g)は一方の封止部を封止、例えば、シュリンクシールする。
(h)は他方の封止部を封止、例えば、シュリンクシールする。
ここで、(e)工程において、アルゴンと酸素の混合ガスを封入するが、この混合比率を調整することで酸素量を制御することができる。一例を上げると、アルゴンが99.9%、酸素が0.1%、全体として13kPaとか、あるいは、アルゴンが99%、酸素が1%、全体として13kPaとなる。
そして、((c/a2)−(b/a1))の値が、小さい場合には、(e)工程で酸素の比率を高め、大きい場合には酸素の比率を下げることとで調整する。この場合、測定した放電ランプから水素を除いて、再生産することもできるが、製造工程全体の簡易化という意味では、当該放電ランプは破棄させて、次の放電ランプの製造から、(e)工程の上記調整をすることもできる。
図1に示す構成と同じ放電ランプを24種類(ランプ1〜ランプ24)各2本ずつの合計48本を作成した。各ランプは、封入酸素量と封入ハロゲン量が異なるが、放電容器、電極、他の封入物、電気特性など他の条件は同一とした。具体的には、放電ランプの材質は石英ガラスである、全長は60mm、発光部の外径は9.4mm、内径は4mmであり、発光空間の容積は約60mm3である。封止部の長さはそれぞれ20mmであり、その外径は5mmである。放電容器(石英ガラス)の真空脱ガス処理については、処理圧力が5×10−5Pa、処理温度が1150℃、処理時間は40時間である。電極はともにタングステンからなり、電極間距離は1.2mm、また、電極の熱処理は、処理圧力が8×10−5Pa、処理温度が2200℃、処理時間が30分である。
水銀封入量は、すべてのランプで約13mg(約0.22mg/mm3に相当)である。
具体的には、ランプ1、ランプ4、ランプ7、ランプ10、ランプ13、ランプ16、ランプ19、ランプ22は2×10−4μmol/mm3,ランプ2、ランプ5、ランプ8、ランプ11、ランプ14、ランプ17、ランプ20、ランプ23は1×10−3μmol/mm3、ランプ3、ランプ6、ランプ9、ランプ12、ランプ15、ランプ18、ランプ21、ランプ24は7×10−3μmol/mm3である。
なお、ランプ1が2本、ランプ2が2本・・・というように、各ランプは2本ずつ作成している。
具体的には、ランプ1〜3は0.005%、ランプ4〜6は0.01%、ランプ7〜9は0.1%、ランプ10〜12は0.3%、ランプ13〜15は0.5%、ランプ16〜18は1%、ランプ19〜21は3%、ランプ22〜24は0.3%である。
これら24種類の各放電ランプに対して、1本は発光強度の測定を行い、もう1本は寿命特性の検査を行った。
水素雰囲気における加熱処理は950℃で行い、加熱時間は120分である。
次に、各放電ランプに水素を注入して、同様に、波長668nmの発光強度と波長309nmの発光強度を測定し、同様に補正値を考慮して、比率(c/a2)を計算した。この計算値から(c/a2)−(b/a1)が求められた。
分光器は、ニコン製「g−500III」、検出器は、Andor Technology社製の電子冷却型CCD検出器「DV−420」を使用した。入射スリット25のスリット幅は50μm、回折格子31の刻線数は、1200Lines/mm、波長500nmにおける逆数分散が1.5nm/mmである。これらで構成される分光測定装置の分解能は、半値幅で0.05〜0.08nmである。分解能が低い場合、ピーク検出が十分にできないことがあるため、少なくとも0.10nmよりもよい分解能をもつ分光測定装置を用いる必要がある。OH309nm/Ar668nmの測定値に対する回折格子の補正値は0.3154、CCD感度の補正値は1.548、シャープカットフィルターの補正値は0.9217である。これらを掛けることによりランプの発光強度比を求めることができる。
図7は、上記実験の結果であって、ランプ1〜24のb/a1の値、c/a2の値、c/a2−b/a1の値、および点灯時間ごとの相対照度を示す。相対照度は、点灯100時間、300時間、500時間、1000時間、3000時間、5000時間、10000時間の値を表す。
寿命は、一般に、初期照度の50%が維持される時間を使用寿命としており、10000時間点灯後も70%を維持するものは良品といえる。
この結果、ランプ4〜18は良品であり、ランプ1〜3、およびランプ19〜24は好ましくない。そして、ランプ4〜18のc/a2−b/a1の値は、0.001(ランプ4)〜15.0010(ランプ18)に収まっており、すなわち、測定誤差なども考慮して、0.001〜15.0の範囲が最適であると導ける。
また、ランプ22〜24は、c/a2−b/a1の値は、0.001〜15.0の範囲内であるが、寿命特性は好ましくない。これは、b/a1の値が0.05より多いからであり、早期に放電容器内壁が白濁したことを示す。
なお、上記実施例では、交流点灯型放電ランプを例示して説明したが、直流点灯型放電ランプについても適用できることは言うまでもない。
11 発光部
12 封止部
13 金属箔
14 外部リード
20 電極
30 分光器
31 回折格子
32 ドライバー
33 制御機構
34 スリット
35 検出器
36 制御装置
Claims (2)
- 石英ガラスからなる放電容器内に一対のタングステン電極を有し、少なくとも0.15mg/mm3以上の水銀と、アルゴン(Ar)と、10 −6 〜10 −2 μmol/mm 3 のハロゲンが封入される放電ランプの製造方法において、
前記放電ランプをグロー放電させて、アルゴン(Ar)による波長668nmの発光強度a1と、OHラジカルによる波長309nmの発光強度bの関係b/a1を測定し、
次に、当該放電ランプの放電容器内に水素を封入して、同様に当該放電ランプをグロー放電させて、アルゴン(Ar)による波長668nmの発光強度をa2と、OHラジカルによる波長309nmの発光強度cの関係c/a2を測定し、
c/a2とb/a1との差(c/a2−b/a1)を0.001〜15とする放電ランプの製造方法。 - 石英ガラスからなる放電容器内に一対のタングステン電極を有し、少なくとも0.15mg/mm3以上の水銀と、アルゴン(Ar)と、10 −6 〜10 −2 μmol/mm 3 のハロゲンが封入される放電ランプにおいて、
前記放電ランプをグロー放電させた場合のアルゴン(Ar)による波長668nmの発光強度a1と、OHラジカルによる波長309nmの発光強度bの関係b/a1と、
当該放電ランプの放電容器内に水素を封入して、同様に当該放電ランプをグロー放電させた場合のアルゴン(Ar)による波長668nmの発光強度a2と、OHラジカルによる波長309nmの発光強度cの関係c/a2の差(c/a2−b/a1)が0.001〜15となることを特徴とする放電ランプ。
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