JP4661267B2 - 原因調査装置、原因調査システム、原因調査方法、原因調査プログラム、および、原因調査プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

原因調査装置、原因調査システム、原因調査方法、原因調査プログラム、および、原因調査プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、製造工程における原因を推測する原因調査装置、原因調査システム、原因調査方法、原因調査制御プログラム、および、原因調査プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
従来から存在する知識ベースシステム、またはエキスパートシステムと言われるものは、専門家の経験的知識をシステムにルールとして組み込んでいる。そして、知識ベースシステム、またはエキスパートシステムは、特定分野の問題に対して、組み込まれた経験的知識を基に、専門家の代りに問題解決を行ったり、専門家が問題解決する支援を行ったりすることを目的として利用されている。例えば、上記知識ベースシステム、またはエキスパートシステムの利用として、ルールを記憶するルールベースと、事例を記憶する事例ベースとを、定義内容および推論過程に応じて、ダイナミックに使い分ける推論システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記知識ベースシステム、またはエキスパートシステムを構築する上で大きなボトルネックとなるのが専門家からの経験的知識の獲得である。経験的知識の獲得のための有効な対処法として、経験的知識に関するデータを大量に収集し、これらのデータをデータマイニングなどにより問題解決のための経験的知識として使用することが一般的である。
一方で、製造業や農業において、製品の安全性や信頼性を担保するために、生産や加工・流通過程の情報をRFIDタグなどを用い逐一記録し品質管理に役立てる、トレーサビリティと言われる仕組みが普及しつつある。
特開平5−257693(平成5年10月8日公開)
しかしながら、従来の知識ベースシステム、またはエキスパートシステムにおいて、大量データを用いる場合、収集時のデータの意味付けは人手で行っている。そのため、上記システムでは、作業コストの点からせいぜい良品・不良品の二分類程度の意味付けに留まっており、不良品の原因にまで踏み込んではいない。また、時間が経過するに連れ、組み込まれた専門家の経験的知識が陳腐化していくこともある。
また、従来のトレーサビリティを利用した品質管理は、現状ではトレース(追跡)そのものに重点が置かれている。そのため、例えば、製品のクレーム発生時に発生原因を推測したり、製品のクレーム発生時に影響範囲を推測したり、あるいは、製品のリサイクル品回収時に性能劣化原因を推測する、といった利用には至っていない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、製品の品質管理において、大量のデータを基に、製品に付された記憶媒体に記憶された製品に関する履歴を用いて、製品に発生する現象の原因調査を可能とする、原因調査装置、原因調査システム、原因調査方法、原因調査プログラム、および、原因調査プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を実現することにある。
本発明に係る原因調査装置は、上記課題を解決するために、調査対象の製品である対象製品の現象を示す現象情報を取得する現象情報取得手段と、上記対象製品に付され当該対象製品に関する履歴の因子の情報である履歴因子情報を記憶する記憶媒体から、当該履歴因子情報を抽出する履歴因子情報抽出手段と、製品から取得した現象情報と当該製品に付された記憶媒体から読み出した履歴因子情報との対応関係を示す対応関係データベースに基づき、上記履歴因子情報抽出手段が抽出した対象製品の履歴因子情報毎に、上記現象情報取得手段が取得した当該対象製品の現象情報に関連があるか否かを判定する関連性判定手段と、を備えたことを特徴としている。
また、本発明に係る原因調査方法は、調査対象の製品である対象製品の現象を示す現象情報を取得する現象情報取得ステップと、上記対象製品に付され当該対象製品に関する履歴の因子の情報である履歴因子情報を記憶する記憶媒体から、当該履歴因子情報を抽出する履歴因子情報抽出ステップと、製品から取得した現象情報と当該製品に付された記憶媒体から読み出した履歴因子情報との対応関係を示す対応関係データベースに基づき、上記履歴因子情報抽出手段が抽出した対象製品の履歴因子情報毎に、上記現象情報取得手段が取得した当該対象製品の現象情報に関連があるか否かを判定する関連性判定ステップと、を備えたことを特徴としている。
上記構成および上記方法によると、対象製品に付された記憶媒体から製品の履歴に関する履歴因子情報を取得することができる。そして、取得した履歴因子情報毎に、対応関係データベースに基づき、対象製品の現象情報に関連があるか否かを判定する。関連があるということは、現象の原因となっている可能性があるので、よって、関連性の判定により、対象製品の現象の原因の調査を行うことができる。また、対応関係データベースにおける履歴因子情報は、製品に付された記憶媒体から読み出されたものであるので、人為的ミスの少ない正確な情報であり、また、大量の情報である。そのような正確で大量の履歴因子情報と現象情報との対応関係に基づき、本発明に係る原因調査装置は、対象製品の履歴因子情報毎に現象の関連性を判定するので、大量のデータにより精度のよい原因の調査を行うことができる。
よって、上記構成および上記方法によると、製品の品質管理において、大量のデータを基に、製品に付された記憶媒体に記憶された製品に関する履歴を用いて、製品に発生する問題の原因調査を可能とする。そのため、例えば、対象製品の現象情報が製品の不具合を表す不具合現象であれば、製品に不具合が発生した際に、この不具合現象が起きた発生原因である履歴因子を迅速に調査し、設計、生産改善に活かすことができる。また、調査報告を製品の利用者やメーカーに還元することで、サービスの向上につながり、顧客満足度を高めることができる。
また、不具合発生時に影響を及ぼす範囲を推測し、製品の回収範囲を決定することができる。また、リサイクル時等の製品回収時に、製品の現象情報と履歴因子情報とを取得することで、性能劣化等を解析し、原因を推測することができる。これを基に、設計・生産改善に活かすことができる。つまり、回収した製品の現象と履歴とを調査することで、製品の品質を向上させることができ、利用者にとってはよりよい製品を得ることができ、顧客満足度を高めることができる。
ここで、製品の現象情報とは、製品に関する現象を示す情報であればどのようなものであってもよく、例えば製品の不具合や故障等の情報であってもよい。例えば、製品の音、色、輝度、におい、形状弾力性、等、現象情報として取り出せるものであれば、どのようなものであってもよい。もちろん、上記した現象情報は、単なる例示であり、これらに限定はされることはない。調査の対象製品の現象情報を細かく取得できればできる程、精度よく、原因の調査を行うことができる。また、製品の現象情報とは、製品の状態を表す状態情報であるといってもよい。
また、製品の履歴因子情報とは、製品の設計、製造、流通における履歴に関する情報であればどのようなものであってよい。例えば、製品の設計、製造、流通の工程における、関与した人の情報、用いた装置の情報、用いた材料の情報、および用いた方法の情報であってもよい。もちろん、上記した履歴因子情報は、単なる例示であり、これらに限定はされることはない。調査の対象製品の履歴因子情報を細かく取得できればできる程、精度よく、原因の調査を行うことができる。
なお、対応関係データベースは、原因調査装置外部の外部記憶装置に記憶されていても、原因調査装置内部の内部記憶装置に記憶されていても構わない。
本発明に係る原因調査装置では、上記構成に加え、上記記憶媒体は、製品の製造に関する工程毎に履歴因子情報を記憶していてもよい。
上記構成によると、本発明に係る原因調査装置は、製品の製造に関する工程毎に履歴因子情報を記憶している記憶媒体から履歴因子情報を抽出する。そのため、製品の現象として、例えば不具合現象が起こった場合、製品の製造に関する工程の何れの履歴因子に関連性があるかの判定を行うことができる。ここで、製品の製造に関する工程には、製品の設計、製造、流通の工程が含まれていてもよいものとする。よって、設計、製造、流通のどの履歴因子が原因であっても、製品に起こった現象の原因を調査することができる。
ここで、設計には、開発、設計、ライン構築、調達が含まれてもよい。また、製造には、受入、加工、搬送、組立、検査が含まれてもよい。また、流通には、出荷、流通、保守、回収が含まれてもよい。記憶媒体が各工程において詳細な履歴因子情報を記憶している程、より詳しい原因の調査を行うことができる。
本発明に係る原因調査装置は、上記構成に加え、上記現象情報取得手段が取得した対象製品の現象情報と上記履歴因子情報抽出手段が抽出した当該対象製品の履歴因子情報とを追加して、上記対応関係データベースを更新する対応関係更新手段を、さらに備えていてもよい。
上記構成によると、調査対象の製品の現象情報と履歴因子情報とが対応関係データベースに追加される。そのため、ある履歴因子情報が現象情報に関連があるか否かの関連判定に用いられる対応関係データベースのデータ量が増加するために、より大量のデータに基づく精度のよい原因の調査を行うことができる。
また、対応関係データベースにおける履歴因子情報は、製品に付された記憶媒体から読み出されるので、データ入力について人手を介する必要がなく、人為的ミスを減らしたデータが保存させることができる。また、そのため、対応関係データベースには、簡単に大量のデータを、コストを削減して蓄積することができる。
本発明に係る原因調査装置は、上記構成に加え、上記関連性判定手段が関連ありと判定した履歴因子情報を基に、上記現象情報取得手段が取得した対象製品の現象情報の原因である履歴因子情報を推測する第1原因推測手段を、さらに備えていてもよい。
上記構成によると、関連性判定手段が関連ありと判定した履歴因子情報を基に、対象製品の現象情報の原因である履歴因子情報を推測する。よって、関連性ありと判定したものが多数あっても、その中から、現象情報の原因である履歴因子情報を絞り、特に原因である履歴因子情報を推測することができる。また、関連性ありと判定した履歴因子情報が一つであっても、現象情報の原因であるということを推測することができる。そのため、推測後の処理に活かすことができる。推測するということで的を絞って、例えば、設計、生産改善に活かすことができる。また、例えば、影響を及ぼす範囲の推測が確実になり、その確実な推測の基で製品の回収範囲を決定することができる。また、推測結果を製品の利用者やメーカーに還元することで、顧客満足度を向上させることができる。
このように、製品の現象を起こす履歴因子を推測することで、よりよく、製品の品質を向上させることができ、メーカーおよび製品の利用者の満足度を高めることができる。
本発明に係る原因調査装置は、上記構成に加え、製品の現象を示す現象情報と当該現象の原因を示す原因情報とをルール化した知識データベースを基に、上記現象情報取得手段が取得した現象情報の原因を推測する第2原因推測手段と、上記第1原因推測手段の推測した原因と上記第2原因推測手段の推測した原因とから、上記現象情報取得手段が取得した現象情報の原因を推測する第3原因推測手段と、をさらに備えていてもよい。
上記構成によると、現象情報と履歴因子情報との対応関係データベースに加え、経験的知識よりなる知識データベースを基に、対象製品に生じている現象の原因を推測することができる。つまり、大量データを有する対応関係データベースに基づく帰納法と、専門家の経験的知識をルール化した知識データベースに基づく演繹法とを組み合わせて、対象製品の現象の原因の推測を行うことできる。よって、より精度よく原因を推測することができる。
このように、原因を推測することで、例えば知識データベースの組み込み済みの専門家の知識が少ない場合や、組み込み済みの専門家の知識が陳腐化していく場合でも、対応関係データベースにおいて、現象情報と履歴因子情報との対応関係を大量に蓄積することで、高精度の原因推定を可能とすることができる。
なお、知識データベースは、内部記憶部に記憶されていても、外部記憶部に記憶されていてもよいものとする。
本発明に係る原因調査装置は、上記構成に加え、上記対応関係データベースから現象情報と履歴因子情報とを読み出し、当該現象情報の原因である履歴因子情報を推測し、当該推測した履歴因子情報を原因情報として当該現象情報と共に知識データベースに追加する知識化手段を、さらに備えていてもよい。
上記構成によると、対応関係データベースから現象情報と履歴因子情報とを読み出し、当該現象情報の原因である履歴因子情報を推測し、当該推測した履歴因子情報を原因情報として当該現象情報と共に知識データベースに蓄積することができる。そのため、知識データベースのデータが増量されるので、知識データベースの組み込み済みの専門家の知識が少ない場合であっても、補充することができる。また、知識データベースの組み込み済みの専門家の知識が陳腐化していくのを、防ぐことができる。
このような知識データベースの更新は、製品に起きた現象の原因調査時とは別のタイミング、例えば、夜間バッチ処理によって実行されるものであってもよい。このように夜間バッチ処理によって実行されることにより、原因調査に障害をきたすことなく、知識データベースを更新することができる。
なお、知識データベースは、原因調査装置外部の外部記憶装置に記憶されていても、原因調査装置内部の内部記憶部に記憶されていても構わない。
本発明に係る原因調査装置は、上記構成に加え、上記因子情報抽出手段が上記対象製品の記録媒体からID情報を取得すると、上記関連性判定手段は、ID情報と履歴因子情報との対応関係を示すID対応データベースと上記対応関係データベースとを基に、上記因子情報抽出手段が抽出したID情報に対応する履歴因子情報毎に、上記現象情報取得手段が取得した当該対象製品の現象情報に関連があるか否かを判定してもよい。
上記構成によると、製品に付される記憶媒体のデータ容量が小さい場合にも、柔軟に対応することができる。記憶媒体にはID情報のみを記憶さえておけば、そのID情報を基に、ID対応データベースを参照し、対応関係データベースを基に、どの履歴因子情報が製品の現象と関連しているかを判定することができる。
なお、ID対応データベースは適宜更新されるようになっているものでもかまわない。一つ一つの製品に書き込む際に変更しなけばならい履歴因子情報であっても、ID対応データベース上で変更すればよいので、手間を減らしコストを削減して、履歴因子情報が記憶媒体に書き込まれる。また、ID対応データベースは、原因調査装置外部の外部記憶装置に記憶されていても、原因調査装置内部の内部記憶装置に記憶されていても構わない。
本発明に係る原因調査装置では、上記構成に加え、上記現象情報には、製品の異常時の状態を示す現象情報に加え、正常時の状態を示す現象情報が含まれてもよい。
上記構成によると、正常時の現象情報も対応関係データベースに保存される。そのため、関連性判定に用いられるデータ量がより多くなるので、より大量のデータに基づく精度のよい原因の調査を行うことができる。また、厳密に関連性を判定された履歴因子情報より、より厳密に現象情報の原因を推測することができる。
本発明に係る原因調査システムでは、上記課題を解決するために、製品に付される記憶媒体に当該製品に関する履歴の因子の情報である履歴因子情報を記憶させる履歴因子情報付与装置と、上記何れかに記載の原因調査装置とを含むことを特徴としている。
上記システムによると、履歴因子情報付与装置により、製品の履歴に関する履歴因子情報が製品に付された記憶媒体に書き込まれる。そして、原因調査装置は、対象製品に付された記憶媒体から製品の履歴因子情報を取得する。そして、取得した履歴因子情報毎に、対応関係データベースに基づき、対象製品の現象情報に関連があるか否かを判定する。関連があるということは、現象の原因となっている可能性があるので、よって、関連性の判定により、対象製品の現象の原因の調査を行うことができる。ここで、対応関係データベースにおける履歴因子情報は、製品に付された記憶媒体から読み出されたものであるので、人為的ミスの少ない正確な情報であり、また、大量の情報である。そのような正確で大量の履歴因子情報と現象情報との対応関係に基づき、原因調査装置は、対象製品の履歴因子情報毎に現象の関連性を判定する。よって、上記システムでは、大量のデータにより精度のよい原因の調査を行うことができる。
よって、上記システムによると、製品の品質管理において、大量のデータを基に、製品に付された記憶媒体に記憶された製品に関する履歴を用いて、製品に発生する問題の原因調査を可能とする。そのため、例えば、対象製品の現象情報が製品の不具合を表す不具合現象であれば、製品に不具合が発生した際に、この不具合現象が起きた発生原因である履歴因子を迅速に調査し、設計、生産改善に活かすことができる。また、調査報告を製品の利用者やメーカーに還元することで、サービスの向上につながり、顧客満足度を高めることができる。
また、不具合発生時に影響を及ぼす範囲を推測し、製品の回収範囲を決定することができる。また、リサイクル時等の製品回収時に、製品の現象情報と履歴因子情報とを取得することで、性能劣化等を解析し、原因を推測することができる。これを基に、設計・生産改善に活かすことができる。つまり、回収した製品の現象と履歴とを調査することで、製品の品質を向上させることができ、利用者にとってはよりよい製品を得ることができ、顧客満足度を高めることができる。
なお、上記システムにおいて、対応関係データベースは、原因調査装置外部の外部記憶装置に記憶されていても、原因調査装置内部の内部記憶部に記憶されていても構わない。
本発明に係る原因調査システムでは、上記構成に加え、上記履歴因子情報付与装置は、製品の設計、製造、流通の少なくとも1つの工程で上記製品に付される記憶媒体に上記履歴因子情報を更新して記憶させてもよい。
上記システムによると、製品の設計、製造、流通の工程で記憶媒体に履歴因子情報を記憶させることができる。そのため、製品の現象として、例えば不具合が起こった場合、原因調査装置は、設計、製造、流通、のいずれの工程の履歴因子に関連性があるかの判定を行うことができる。よって、設計、製造、流通のどの履歴因子が原因であっても、製品に起こった現象の原因を推測することができる。
なお、履歴因子情報付与装置が履歴因子情報を更新して記憶させる時期は特に限定されず、例えば、設計における各工程毎、製造における各工程毎、流通における各工程毎に記憶させてもよい。また、履歴因子情報付与装置は、例えば、設計における全工程が終わった後、製造における全工程が終わった後、流通における全工程が終わった後に記憶させてもよい。また、1つの製品の記録媒体に履歴因子情報を記憶させる履歴因子情報付与装置の数も特に限定されない。履歴因子情報付与装置は、例えば、設計、製造、流通の工程毎にあってもよいし、設計における各工程毎、製造における各工程毎、流通における各工程毎にあってもよい。上記設計における各工程には、開発、設計、ライン構築、調達が含まれていてもよい。また、製造における各工程には、受入、加工、搬送、組立、検査が含まれていてもよい。また、流通における各工程には、出荷、流通、保守、回収が含まれていてもよい。このような各工程において履歴因子情報付与装置が詳細な履歴因子情報を書き込む程、原因調査装置は、より詳しい原因の調査を行うことができる。なお、特に設計の工程や製造の工程の前段階では製品が製造されていないので、記憶媒体は製品に付されないが、製造の工程で製品に付されるものとして、予め設計の工程や製造の工程の前段階でも、記憶媒体に履歴因子情報を書き込んでおいてもよいものとする。
また、上記原因調査装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記原因調査装置をコンピュータにて実現させる原因調査プログラム、及びその原因調査プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
これらの構成によれば、原因調査プログラムを、コンピュータに読み取り実行させることによって、上記測定データ通信装置と同一の作用効果を実現することができる。
本発明に係る原因調査装置は、以上のように、調査対象の製品である対象製品の現象を示す現象情報を取得する現象情報取得手段と、上記対象製品に付され当該対象製品に関する履歴の因子の情報である履歴因子情報を記憶する記憶媒体から、当該履歴因子情報を抽出する履歴因子情報抽出手段と、製品から取得した現象情報と当該製品に付された記憶媒体から読み出した履歴因子情報との対応関係を示す対応関係データベースに基づき、上記履歴因子情報抽出手段が抽出した対象製品の履歴因子情報毎に、上記現象情報取得手段が取得した当該対象製品の現象情報に関連があるか否かを判定する関連性判定手段と、を備えている。
上記構成によると、対象製品に付された記憶媒体から製品の履歴に関する履歴因子情報を取得することができる。そして、取得した履歴因子情報毎に、対応関係データベースに基づき、対象製品の現象情報に関連があるか否かを判定する。関連があるということは、現象の原因となっている可能性があるので、よって、関連性の判定により、対象製品の現象の原因の調査を行うことができる。また、対応関係データベースにおける履歴因子情報は、製品に付された記憶媒体から読み出されたものであるので、人為的ミスの少ない正確な情報であり、また、大量の情報である。そのような正確で大量の履歴因子情報と現象情報との対応関係に基づき、本発明に係る原因調査装置は、対象製品の履歴因子情報毎に現象の関連性を判定するので、大量のデータにより精度のよい原因の調査を行うことができる。
よって、上記構成によると、製品の品質管理において、大量のデータを基に、製品に付された記憶媒体に記憶された製品に関する履歴を用いて、製品に発生する問題の原因調査を可能とする。そのため、例えば、対象製品の現象情報が製品の不具合を表す不具合現象であれば、製品に不具合が発生した際に、この不具合現象が起きた発生原因である履歴因子を迅速に推測し、設計、生産改善に活かすことができる。また、調査報告を製品の利用者やメーカーに還元することで、サービスの向上につながり、顧客満足度を高めることができる。
また、不具合発生時に影響を及ぼす範囲を推測し、製品の回収範囲を決定することができる。また、リサイクル時等の製品回収時に、製品の現象情報と履歴因子情報とを取得することで、性能劣化等を解析し、原因を推測することができる。これを基に、設計・生産改善に活かすことができる。つまり、回収した製品の現象と履歴とを調査することで、製品の品質を向上させることができ、ユーザにとってはよりよい製品を得ることができ、顧客満足度を高めることができる。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態の原因調査システムについて図1〜図5に基づいて説明すると以下の通りである。
図1は、本実施の形態に係る原因調査システム1の構成を示したブロック図である。原因調査システム1は、製品に生じた現象の原因を調査するためのシステムであり、図1に示すように、原因調査装置2、トレース情報付与装置(履歴因子情報付与装置)3を含んでいる。また図1には、発生している(あるいは発生した)現象の調査対象である、対象製品5が記載さている。対象製品5にはトレースタグ(記憶媒体)4が付されている。
対象製品5は、特に限定されず、どのようなものであってもかまわない。本実施形態では、例として、対象製品5は、不具合が発生しているハードディスクであるとする。
トレースタグ4は、以下で説明する履歴因子情報(トレース情報)の書込みと読取りとが可能な記憶媒体であれば特に限定されることはない。トレースタグ4は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグ(無線ICタグ)のようなタグであればよい。トレースタグ4の形状も特に限定されず、ラベル型、カード型、コイン型、スティック型等どのようであってもよく、対象製品5に応じて選択されていればよい。トレースタグ4の通信距離も特に限定はされないものとする。もちろん、トレースタグ4は、上記したRFIDタグには限定されず、有線で書込み読取りを行うタグや、バーコード、二次元バーコード等であってもよい。
この、トレースタグ4には、履歴因子情報が記憶されている。ここで、履歴因子情報について説明する。履歴因子情報は、製品の設計、製造、流通のあらゆる履歴に関する情報であればどのようなものであってもよく、後に、原因調査装置2により現象の原因を調査するために必要な情報であればよい。
本実施の形態では、図2に示すように、トレースタグ4に、不具合の原因と考えられる、人(作業者)、装置(使用装置)、材料(使用材料)、方法(作業方法)の4つの情報が、ハードディスク装置(製品)製造における、例えば、ヘッド製造工程、プラッタ製造工程、組み立て工程、等の各工程毎に、トレースタグに記憶されているものとする。つまり、ここでは、人、装置、材料、方法の4つの情報が、履歴因子情報である。なお以降では、これら人、装置、材料、方法に関する情報を、4M(Man,Machine,Material,Method)に関する情報と称する。以下で説明するが、原因調査装置2により、どの工程のどの「M(履歴因子)」に、対象製品5の現象の原因があるかを調査する。もちろん、これらの履歴因子情報は単なる例示であり、限定されはしない。また、履歴因子情報はさらに詳細なものであってものであってもよい。詳細な情報である程、精密に原因を調査することができる。これらの、履歴因子情報は、トレース情報付与装置3によって、トレースタグ4に書き込まれる。
トレース情報付与装置3は、ここでは、履歴因子情報をトレースタグ4に書き込むトレースタグライターであるとする。もちろん、対象製品5は複数あり、トレース情報付与装置3は、それらの対象製品5のトレースタグ4毎に、履歴因子情報を書き込む。トレース情報付与装置3は、無線通信により、対象製品5のトレースタグ4にトレース情報を書き込むものであってもよい。なお、履歴因子情報の書込みの方法は、無線通信には限定されず、トレースタグ4に応じたものであればよい。
また、トレース情報付与装置3は、製品の設計、製造、流通の工程でトレースタグ4に履歴因子情報を更新して記憶させる。トレースタグ4には、製品の設計、製造、流通の工程で履歴因子情報が記憶される。そのため、製品の現象として、例えば不具合が起こった場合、原因調査装置2は、設計、製造、流通、のいずれの工程の履歴因子に関連性があるかの判定を行うことができる。よって、設計、製造、流通のどの履歴因子情報が原因であっても、製品に起こった現象の原因を調査することができる。なお、トレース情報付与装置3が履歴因子情報を記憶させる時期は特に限定されず、例えば、設計における各工程毎、製造における各工程毎、流通における各工程毎に記憶させてもよい。また、例えば、設計における全工程が終わった後、製造における全工程が終わった後、流通における全工程が終わった後に記憶させてもよい。
また、原因調査システム1において、1つの製品のトレースタグ4に履歴因子情報を記憶させるトレース情報付与装置3の数も特に限定されない。例えば設計、製造、流通の工程毎にあってもよいし、設計における各工程毎、製造における各工程毎、流通における各工程毎にあってもよい。本実施形態では、図3に示すように、設計における各工程には、開発、設計、ライン構築、調達が、製造における各工程には、受入、加工、搬送、組立、検査が、流通における各工程には、出荷、流通、保守、回収が含まれていているものとする。このような各工程においてトレース情報付与装置が詳細な履歴因子情報を書き込む程、原因調査装置2は、より詳しい原因の調査を行うことができる。なお、なお、特に設計の工程や製造の工程の前段階では製品が製造されていないので、トレースタグ4は製品に付されないが、製造の工程で製品に付されるものとして、予め設計の工程や製造の工程の前段階でも、トレースタグ4に履歴因子情報を書き込んでおいてもよいものとする。
原因調査装置2は、製品に生じた現象の原因を調査するための装置であり、制御部6、記憶部7、トレース情報抽出部(履歴因子情報抽出手段)8、現象情報取得部(現象情報取得手段)9を含んでいる。
トレース情報抽出部8は、調査対象の対象製品5のトレースタグ4から、履歴因子情報を読み出す。トレース情報抽出部8は、トレースタグリーダであり、無線通信により、対象製品5のトレースタグ4から履歴因子情報を抽出するものとする。なお、トレース情報抽出の方法は、無線通信には限定されず、トレースタグ4に応じたものであればよい。
また、トレースタグリーダが原因調査装置2の外部に設けられおり、トレース情報抽出部8は、その外部に設けられたトレースタグリーダから履歴因子情報を抽出するようになっていてもよい。この場合の通信方法も特に限定はされない。
現象情報取得部9は、対象製品5からの対象製品5の現象を示す現象情報を取得する。ここで、現象情報とは、製品に関する現象を示す情報であればどのようなものであってもよく、例えば製品の不具合や故障等の情報であってもよい。例えば、製品の音、色、輝度、におい、形状弾力性、等、現象として取り出せるものであれば、どのようなものであってもよい。もちろん、上記した現象情報は、単なる例示であり、これらに限定はされることはない。また、製品の現象情報とは、製品の状態を表す状態情報であるといってもよい。
現象情報取得部9は、対象製品5の現象を測定する検査装置であるとし、現象情報は、検査装置から得られるセンシングデータであるとする。センシングデータは、対象とする製品や不具合内容によって全く異なるが、例えばハードディスク装置の故障時などは、装置から発生する音をデータとして取得し、A/D変換後、以下で詳細に説明する関連性の判定の処理に利用しやすいよう信号変換するものとする。
もちろん、現象情報取得部9は検査装置には限定はされず、現象情報を取得できるものであればよい。例えば、調査装置が原因調査装置2の外部に設けられおり、トレース情報抽出部8は、その外部に設けられた調査装置から履歴因子情報を抽出するようになっていてもよい。この場合の通信方法は、特に限定はされず、たとえば、ネットワークや記録メディア等を介して履歴因子情報を受け渡してもよい。
また、現象情報取得部9は、例えば、対象製品5において不具合発生時のユーザからの報告から得られるデータから、現象情報を抽出してもよい。ユーザからの報告は、言語的データであるが、現象情報の抽出時にはテキストマイニング等の技術を用いて、以下で細述する関連性の判定の処理に利用しやすい形とするのが好ましい。
制御部6は、原因調査装置2における各種構成の動作を統括的に制御する。また、制御部6は、関連性判定部61、対応関係更新部62、第1原因推測部63、第2原因推測部64、第3原因推測部として機能する。
関連性判定部61は、対応関係データベース71を基に、トレース情報抽出部8が抽出した対象製品5の履歴因子情報毎に、現象情報取得部9が取得した対象製品5の現象情報に関連があるか否かを判定する。関連性の判定には、様々な方法が考えられるが、本実施形態ではカイ二乗検定による統計解析手段を用いるものとする。関連性の判定の方法は後段で詳細に説明する。カイ二乗値より履歴因子情報毎にスコアを算出し、関連性があるか無いかを判定する。もちろん、カイ二乗検定ではなく、例えば、フィッシャーマン検定等を用いて関連性を判定してもよい。
対応関係更新部62は、現象情報取得部9が取得した対象製品5の現象情報とトレース情報抽出部8が抽出した対象製品5の履歴因子情報とを追加して、上記対応関係データベースを更新する。
このように更新されると、調査対象の製品の現象情報と履歴因子情報とが対応関係データベース71に追加される。そのため、ある履歴因子情報が現象情報に関連があるか否かの関連判定に用いられる対応関係データベース71のデータ量が増加するために、より大量のデータに基づく精度のよい関連判定を行うことができる。
また、対応関係データベース71における履歴因子情報は、製品に付されたトレースタグ4から読み出されるので、データ入力について人手を介する必要がなく、人為的ミスを減らしたデータが保存させることができる。また、そのため、対応関係データベース71には、簡単に大量のデータを、コストを削減して蓄積することができる。なお、対応関係データベース71の更新は、どの時点で行ってもよいが、現象情報が不具合等の製品の異常情報である場合には、以下で細述する関連性の判定の処理に行われるのが好ましい。
第1原因推測部63は、関連性判定部61が関連ありと判定した履歴因子情報を基に、現象情報取得部9が取得した対象製品5の現象情報の原因である履歴因子情報を推測する。このように推測することで、関連性判定部61が関連ありと判定した履歴因子情報を基に、対象製品の現象情報の原因である履歴因子情報を推測する。よって、関連性ありと判定したものが多数あっても、その中から、現象情報の原因である履歴因子情報を絞り、特に原因である履歴因子情報を推測することができる。この場合、関連性判定部61の算出したスコアの一番高い履歴因子情報を現象情報の原因であると推測するものとする。あるいは、基準値を設け、あるスコア以上の履歴因子情報は、現象情報の原因であると推測してもよい。また、関連性ありと判定した履歴因子情報が一つであっても、現象情報の原因であるということを推測することができる。関連性判定部61と第1原因推測部63とを用いることで、過去の経験データを元にした帰納的推論を行っていると捉えることができる。
第2原因推測部64は、以下で説明する専門家の経験的知識をルール化した知識データベース72を基に、現象情報取得部9が取得した現象情報の原因を推測する。第2原因推測部64は、第2原因推測部64は、例えば、ファジイ推論などの演繹的推論を用いて、原因を推測する。第2原因推測部64は、知識データベース72で保持しているルールの中から、現象情報取得部9が取得した現象情報の前件部(現象)が一致するもののうち、一致度が最も高いもののスコアと後件部(原因)と求める。例えば知識データベース72に「前件部(現象)ならば、後件部(原因)」というルールが保持されている場合、ファジイ推論によりルールの前件部(現象)と実際の現象情報とを比較して一致度を算出する。本実施形態では、一致度が例えば80%であればスコアは0.8とする。そして、スコアの一番高いルールの後件部を原因として推測する。
第3原因推測部65は、第1原因推測部63の推測した原因と第2原因推測部64の推測した原因とから、現象情報取得部9が取得した現象情報の原因を推測する。第1原因推測部63が原因であると推測した履歴因子情報のスコアと、第2原因推測部が算出したスコアとを比較する。この際、スコア同士の比較が行えるように、スコアの値を比較できるものに合わせるものとする。
第3原因推測部65は、ここでは、比較したスコアの高いほうの原因を、現象情報取得部9が取得した現象情報の原因として推測する。しかし、第1原因推測部63の推測と、第2原因推測部64の推測との、どちらか一方の結果ばかりが採用されてしまう可能性もあるので、外部調整可能な乗数を設けてから、推測してもよい。このように、現象情報と履歴因子情報との対応関係データベース71に加え、経験的知識よりなる知識データベース72を基に、対象製品に生じている現象の原因を推測することができる。つまり、大量データを有する対応関係データベース71に基づく帰納法と、専門家の経験的知識をルール化した知識データベース72に基づく演繹法とを組み合わせて、対象製品5の現象の原因の推測を行うことできる。よって、より精度よく原因を推測することができる。
このように、原因を推測することで、例えば知識データベースの組み込み済みの専門家の知識が少ない場合や、組み込み済みの専門家の知識が陳腐化していく場合でも、対応関係データベースにおいて、現象情報と履歴因子情報との対応関係を大量に蓄積することで、高精度の原因推定を可能とすることができる。
記憶部7は、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成されるものである。記憶部7には、対応関係データベースおよび知識データベースが記憶される。対応関係データベースと知識データベースとが別々の記憶部に記憶されていてもかまわない。また、対応関係データベースと知識データベースとの少なくとも一方が原因調査装置2の外部の外部記憶装置に記憶されていてもかまわない。
対応関係データベース71は、これまでに製品から取得した現象情報と当該製品に付された記憶媒体から読み出した履歴因子情報との対応関係を示すデータベースである。製品の現象情報と、その製品のトレースタグから得られる履歴因子情報とが1対1で対応していればよい。対応関係データベース71における履歴因子情報はトレースタグから得られる全てでなくてもよい。また、トレースタグから得られる履歴因子情報1つ1つが、ばらばらに現象情報と対応付けられていてもよいし、トレースタグから得られる履歴因子情報がまとまって現象情報と対応付けられていてもよい。ここでは、対応関係データベース71では、図4に示すように、製品の現象情報とその製品のトレースタグから得られる全ての履歴因子情報とが1現象1レコードで保持されている。
知識データベース72は、専門家の経験的知識をルール化したデータベースである。製品の現象を示す現象情報と当該現象の原因を示す原因情報とがルール化されて対応付けられている。具体例を挙げると、「10〜20kHzの高周波成分の最大パワーが10dB以上ならば、ヘッド材質の損傷」というように現象と原因とがルールとして保持されている。原因は「ヘッド材質の損傷」であり、現象は「10〜20kHzの高周波成分の最大パワーが10dB以上」である。
また、専門家による感性的表現はコンピュータで処理可能な現象として定量化した上で保持されてもよい。例えば、予め専門家が普段用いる感性的表現を、専門家とシステム構築担当者が共同でコンピュータで処理できる表現に手作業で変換した上で、知識データベース72に格納されるものとする。例えば、ハードディスク装置の異音において、「キッキッという高い音」は専門家が耳で聞いて経験的に判断する場合の感性的表現であり、それを、「10〜20kHzの高周波成分の最大パワーが10dB以上」はその感性的表現をコンピュータで扱えるように現象として定量化したものである。
なお、記憶部7に、原因調査装置2を制御するための制御プログラム、OS(operating system)プログラム、およびその他各種プログラムが記憶されていてもかまわない。
次に、原因調査装置2の原因の調査における処理の流れについて、図5のフローチャートを参照に説明する。以下では、具体例として、ハードディスク装置において30kHz以上の高周波の発生という不具合現象があり、その原因について、ヘッド製造工程での使用装置が関連しているかどうかを調査する。また、ハードディスク装置のヘッド製造工程における使用装置は、装置Aおよび装置Bであるとし、その履歴因子情報がトレースタグ4に記憶されているものとする。
初めに、図5のステップ1(以降、S1のように称する)において、現象情報取得部9は、対象製品5から現象情報を取得する。ここでは、具体的に、「30kHz以上の高周波の発生」を現象情報として取得する。
次に、S2において、トレース情報抽出部8は、対象製品5のトレースタグ4から履歴因子情報を抽出する。なお、現象情報の取得と履歴因子情報の抽出は、どちらが先に行われてもかまわず、また、同時におこなわれてもよい。
次に、S3において、データを分類する。ここでは、関連性判定部61は、対応関係データベース71で保持しているデータについて、S1で現象情報取得部9が取得した現象情報と一致するもの、しないものに2分する。つまり、ここでは、対応関係データベース71で保持しているデータについて、30kHz以上の高周波が発生しているものとしていないものとに2分する。これは、図4を参照にすれば、「音の周波数」が30kHz以上のレコードとそれ以下のレコードとに2分するということである。
次に、S4において、観測値の算出を行う、ここでは、関連性判定部61は、トレースタグ4から抽出した履歴因子情報である、装置Aと装置Bとについて、以下の処理を行う。A装置について、S3のデータの分類において一致したもののうちA装置が原因である「当該不具合現象(30kHz以上の高周波発生)」と、データの分類において一致していないもののうちA装置が原因である「それ以外の不具合現象」とを算出する。B装置についても同様に、S3のデータの分類において一致したもののうちB装置が原因である「当該不具合現象(30kHz以上の高周波発生)」と、データの分類において一致していないもののうちB装置が原因である「それ以外の不具合現象」とを算出する。これらの算出を基に、以下の表1に示すクロス表を作成する。ここでは、ヘッド製造工程で使用する装置は装置Aと装置Bの2種類であるが、装置数が増える場合、表1において、縦のセルが増加することになる。
Figure 0004661267
次に、S5において、期待値算出を行う。ここでは、関連性判定部61は、以下のような処理を行う。すなわち、影響がないとの帰無仮説を立てた場合、すなわち装置Aも装置Bも同様に当該不具合現象が発生するとした場合、の期待される件数を算出する。算出したものが以下の表2である。
Figure 0004661267
次に、S6において、関連性判定を行う。ここでは、関連性判定部61は、初めにカイ二乗値算出を行う。つまり、S4で算出した観測値とS5で算出した期待値とのずれをカイ二乗により計算する。この計算は以下のようになる。
χ2 = (70-51.03) 2 / 51.03 + (300-318.97) 2 / 318.97
+ (10-28.97) 2 / 28.97 + (200-181.03) 2 / 181.03
= 7.05 + 1.13 + 12.42 + 1.99 = 22.59
次に関連性判定部61は、限界値の算出を行う。カイ二乗値の数値が大きいほど影響があることになるが、判断する上での閾値である限界値を算出する。ここでは、以下の自由度と有意水準とを基に算出する。
自由度 = (横のセル数-1)×(縦のセル数-1) = (2-1)×(2-1) = 1
有意水準 = 1%(統計学では一般的に有意水準5%以上で関連あり、1%以上で強い関連ありといえる)
カイ二乗分布表を参照すると、自由度1、有意水準1%の時の限界値は6.635となる。上記算出したカイ二乗値22.59は有意水準1%の限界値6.635より大きいということになる。よって、関連性判定部61は、不具合現象に強い関連ありとみなし、ヘッド製造工程での使用装置が、当該不具合現象(30kHz以上の高周波発生)の一因となっていると判定する。
上記では、ハードディスク装置のヘッド製造工程における使用装置の関連性を判定したが、さらに詳細に、装置Aの関連、装置Bの関連性をそれぞれ判定してもよい。
次にS7において、未処理の履歴因子情報があるか否かを判定する。未処理の履歴因子情報があると判定する(S7においてYES)と、S4に戻る。つまり、上記S4〜S6の処理を、S2で抽出した履歴因子情報毎に行う。これは、上記のヘッド製造工程における使用装置のように、各工程の4M毎に行うものであってもよいし、例えば、ヘッド製造工程で使用される装置Aおよび装置Bのように、1つのMの中のさらに細かく分類された履歴因子情報毎について行ってもよい。抽出したトレースタグ4中の履歴因子情報毎に上記S4〜6の処理を行うことで、S1で取得した現象情報と関連があると判定された履歴因子情報を選別することができる。S7で未処理の履歴因子情報が無いと判定する(S7においてNO)と、S8に進む。
S8では、原因推測を行う。ここでは、以下のような処理が行われる。初めに第1原因推測部63は、S6で関連があると判定された履歴因子情報を基に、S1で現象情報取得部9が取得した対象製品5の現象情報の原因である履歴因子情報を推測する。複数の履歴因子情報が原因として抽出されることもあるが、この場合は、カイ二乗値の値が最も大きいものを原因として推測してもよいし、複数の履歴因子情報が関連して原因になっていると推測してもよい。また、履歴因子情報の数が非常に多い場合などは有意水準を調整するなどして現象と関連のある履歴因子情報数を減らして推測する。
次に、第2原因推測部64は、第2原因推測部64は、知識データベース72を基に、S1で現象情報取得部9が取得した現象情報の前件部(現象)が一致するもののうち、一致度が最も高いもののスコアと後件部(原因)と求める。もちろん、第1原因推測部63の推測と、第2原因推測部64の推測とのどちらが先に行われても、同時におこなわれてもかまわない。
そして、第3原因推測部65は、第1原因推測部63の推測した原因と第2原因推測部64の推測した原因とから、現象情報取得部9が取得した現象情報の原因を推測する。第1原因推測部63が原因であると推測した履歴因子情報のスコアと、第2原因推測部が算出したスコアとを比較する。この際、スコア同士の比較が行えるように、スコアの値を比較できるものに合わせるものとする。例えば、第2原因推測部64の算出したスコアは、一致率であり100分率であるので、第1原因推測部63の推測した原因(履歴因子情報)のスコアを「1−有意水準値」として、定義すればよい。ここで、カイ二乗値と有意水準値は1対1対応である。つまり、S6で算出した有意水準値1%を用いると、1−0.01=0.99というのが、第1原因推測部63の推測した原因のスコアということになる。
第3原因推測部65は、ここでは、比較したスコアの高いほうの原因を、現象情報取得部9が取得した現象情報の原因として最終的に推測する。なお、スコアを比較しない場合には、カイ二乗値をそのまま第1原因推測部63の推測した原因のスコアとして使用すればよい。
以上に説明した処理によって、原因調査装置2は、対象製品の現象の原因を調査する。なお、対応関係更新部62は、上記S1で現象情報取得部9が取得した対象製品5の現象情報と、S2でトレース情報抽出部8が抽出した対象製品5の履歴因子情報とを追加して、対応関係データベース71を更新する。この更新は、S6の後であれば、いつでも構わない。
以上のように、原因調査システム1によると、トレース情報付与装置3により、製品の履歴に関する履歴因子情報が対象製品5に付されたトレースタグ4に書き込まれる。そして、原因調査装置2は、対象製品5に付されたトレースタグ4から製品の履歴因子情報を取得する。そして、取得した履歴因子情報毎に、対応関係データベース71に基づき、対象製品5の現象情報に関連があるか否かを判定する。関連があるということは、現象の原因となっている可能性があるので、よって、関連性の判定により、対象製品5の現象の原因の調査を行うことができる。ここで、対応関係データベース71における履歴因子情報は、製品に付された記憶媒体から読み出されたものであるので、人為的ミスの少ない正確な情報であり、また、大量の情報である。そのような正確で大量の履歴因子情報と現象情報との対応関係に基づき、原因調査装置2は、製品の現象の原因を判定する。よって、上記システムでは、大量のデータにより、精度のよい原因の調査を行うことができる。
よって、原因調査システム1および原因調査装置2によると、製品の品質管理において、大量のデータを基に、製品に付されたトレースタグ4に記憶された製品に関する履歴を用いて、製品に発生する問題の原因調査を可能とする。そのため、例えば、対象製品5の現象情報が製品の不具合を表す不具合現象であれば、製品に不具合が発生した際に、この不具合現象が起きた発生原因である履歴因子を迅速に調査し、設計、生産改善に活かすことができる。また、調査報告を製品の利用者やメーカーに還元することで、サービスの向上につながり、顧客満足度を高めることができる。
また、不具合発生時に影響を及ぼす範囲を推測し、製品の回収範囲を決定することができる。また、リサイクル時等の製品回収時に、製品の現象情報と履歴因子情報とを取得することで、性能劣化等を解析し、原因を推測することができる。これを基に、設計・生産改善に活かすことができる。つまり、回収した製品の現象と履歴とを調査することで、製品の品質を向上させることができ、利用者にとってはよりよい製品を得ることができ、顧客満足度を高めることができる。
なお、本実施の形態では、現象情報と履歴因子情報との対応関係データベース71に加え、経験的知識よりなる知識データベース72を基に、対象製品に生じている現象の原因を推測している。よって、大量データを有する対応関係データベースに基づく帰納法と、専門家の経験的知識をルール化した知識データベースに基づく演繹法とを組み合わせて、対象製品の現象の原因の推測を行うことできる。よって、より精度よく原因を推測することができる。このように、原因を推測することで、例えば知識データベースの組み込み済みの専門家の知識が少ない場合や、組み込み済みの専門家の知識が陳腐化していく場合でも、対応関係データベースにおいて、現象情報と履歴因子情報との対応関係を大量に蓄積することで、高精度の原因推定を可能とすることができる。
しかし、対応関係データベースに基づく原因推測だけを行ってもよく、知識データベースを基に原因推測を行わなくてもよい。この場合、第2記憶部、第2原因推測部、知識データベース72がなくてもよい。
また、上記では、現象は不具合や性能劣化の現象として説明した。しかし、上記した現象情報には、製品の異常時の状態を示す現象情報だけでなく、正常時の状態を示す現象情報が含まれていてもよい。正常時の現象情報も対応関係データベースに保存されるため、関連判定に用いられるデータ量がより多くなる。よって、より大量のデータに基づく精度のよい原因の調査を行うことができる。また、厳密に関連性を判定された履歴因子情報より、より正確に現象情報の原因を推測することができる。
このような正常時の状態を示す現象情報を、原因調査装置2は、例えば、リサイクル品の回収時等に取得することができる。
なお、このリサイクル品の回収時において、製品の品質を測定し、正常であるか否かの判断は人手で実施するものとする。
原因調査装置2が正常時の状態を示す現象情報を取得する場合については、原因の調査や推測は不要である。対応関係更新部62は、トレース情報抽出部8が抽出した履歴因子情報について、対応関係データベース71へのデータ追加を行う。このとき、対応関係データベース71に記憶される「現象情報」は正常時の状態であることがわかるように、特徴的な現象情報とする。例えば、音の周波数、音量、・・・全てを「0」にするなど、ありえない値を記憶させておいてもよい。
また、正常時の現象情報が含まれる対応関係データベース71を用いて、関連性判定部61が判定する場合、上記S3のデータ分類において、対応関係データベース71で保持しているデータついて、S1で現象情報取得部9が取得した現象情報と一致するもの、しないもの、正常時の現象情報であるもの、3つに分類する。そして、以下のS4〜6において、「一致するもの」と「正常時の現象情報であるもの」との2現象を用いて処理をおこなう。その他の性能劣化現象は使用しなくてもよい。
原因調査装置2は、例えば、ユーザインターフェースとして表示部を有していてもよく、この表示部に、トレース情報抽出装置が抽出した履歴因子情報や、原因調査結果や、原因推測結果等に関する情報を表示してもよい。また、表示部に表示する代わりに、プリンタやスピーカを用いて、原因調査結果や、原因推測結果等に関する情報を印刷したり音声出力したりするなど、他の出力形態を利用してもよい。
〔実施の形態2〕
本発明における実施の他の形態について図6および図7に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1において説明した部材と同じ機能を有するものについては、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図6に示すように、本実施の形態の原因調査システム11は、トレース情報付与装置3と原因調査装置12とを備えている。原因調査装置12は、上記実施の形態1の原因調査装置2の構成に、経験的知識化部66を備えた構成である。原因調査装置12の制御部6’は、関連性判定部61、対応関係更新部62、第1原因推測部63、第2原因推測部64、第3原因推測部65、さらに、経験的知識化部66を備えている。
経験的知識化部66は、対応関係データベース71から現象情報と履歴因子情報とを読み出し、当該現象情報の原因である履歴因子情報を推測し、当該推測した履歴因子情報を原因情報として当該現象情報と共に知識データベース72に追加する。
原因調査装置12の経験的知識化部66が行う処理について、図7のフローチャートを参照に説明する。
初めに、図7のS20において、経験的知識化部66は、対応関係データベース71から1現象情報を取得する。そして、対応関係データベースの各レコードを現象情報が同じものでまとめる操作をする。例えば、ハードディスク装置の場合、音の周波数、音量、…の全ての現象情報が同一の値となるもので、つまり同じ現象で、まとめる。そしてまとめた現象毎に、対象とする現象のレコードとそれ以外の現象のレコードとにレコードを2分する。
次に、S21において、対応関係データベース71から1つの履歴因子情報を抽出する。
次に、S22において、S4と同様に、観測値の算出を行う、ここでは、S21で抽出した履歴因子情報について、対象とする現象であるもののうち、抽出した履歴因子情報が対象とする現象の原因である「当該現象」と、対象とする現象でないもののうち抽出した履歴因子情報が原因である「それ以外の現象」とを算出する。
次に、S23において、S5と同様に、期待値算出を行う。ここでは、影響がないとの帰無仮説を立てた場合、すなわちS21で抽出した履歴因子情報により現象が発生するとした場合、の期待される件数を算出する。
次に、S24において、関連性判定を行う。ここでも、S6と同様にカイ二乗値算出を行う。つまり、S22で算出した観測値とS23で算出した期待値とのずれをカイ二乗検定により計算する。このカイ二乗検定を基に、S21で抽出した履歴因子情報の対象とする現象の関連を判定する。定められた有意水準の限界値より大きい場合に関連性ありと判定するのはS6と同じであるが、S24で用いられる有意水準は、基本的にはS6の有意水準よりは小さい値とする。
次にS25において、未処理の履歴因子情報があるか否かを判定する。未処理の履歴因子情報があると判定する(S25においてYES)と、S21に戻る。つまり、上記S21〜S24の処理を、履歴因子情報毎に行う。S21〜S24では、単にトレース情報と不具合現象との関連性を求めるだけでなく、履歴因子情報中のさらに分類された因子情報と現象との関連性を判断してもよい。関連性有りと判断された履歴因子情報についてはさらに分類された因子情報毎に、当該現象が発生した観測値と期待値との値が以下の関係になるものを求め、以下の関係になる分類された因子情報が、現象の原因であると判定する。
観測値>期待値、かつ、(観測値−期待値)2/期待値>指定した閾値
例えば、実施の形態1の関連性判定のカイ二乗検定の説明では、ヘッド製造工程での使用装置が不具合現象の原因であると判定できた。ここでは更にヘッド製造工程で装置A(あるいは装置Bでもよい)を使用していることが不具合発生の原因であるという判定をすることができる。もちろん、実施の形態1において、ヘッド製造工程でどの装置(装置Aあるいは装置B)を使用していることが不具合発生の原因であるかを判定してもよい。
なお、上記「指定した閾値」は、予めGUIや設定ファイル等により指定しておくものとする。この値により、ルール化するか否か判断基準を上下させることができる。
S25で未処理の履歴因子情報が無いと判定する(S25においてNO)と、S26に進む。
S26では、S21〜S25の操作で抽出された履歴因子情報と対象の現象を基に、現象と原因との演繹推論型のルールに変換する。例えば、「30kHz以上の高周波発生(前件部)ならば、ヘッド製造工程で装置Aを使用(後件部)」というルールである。
となる。どの履歴因子情報に対しても関連性がみられなかった場合はその現象に対する知識化は行わないものとする。
S27では、未処理の現象情報があるか無いかを判定する。未処理の現象情報がある(S27においてYES)と、S20から繰り返す。つまり、S20でまとめた現象情報毎に、S21〜S26の処理が繰り返される。
S27において、未処理の現象情報が無いと(S27においてNO)、経験的知識化部66における処理は終了する。
原因調査システム11および原因調査装置12によると、対応関係データベース71から現象情報と履歴因子情報とを読み出し、当該現象情報の原因である履歴因子情報を推測し、当該推測した履歴因子情報を原因情報として当該現象情報と共に知識データベース72に蓄積することができる。そのため、知識データベース72のデータが増量されるので、知識データベース72の組み込み済みの専門家の知識が少ない場合であっても、補充することができる。また、知識データベース72の組み込み済みの専門家の知識が陳腐化していくのを、防ぐことができる。
このような知識データベース72の更新は、製品に起きた現象の原因調査時とは別のタイミング、例えば、夜間バッチ処理によって実行されるものであってもよい。このように夜間バッチ処理によって実行されることにより、原因調査に障害をきたすことなく、知識データベース72を更新することができる。
〔実施の形態3〕
本発明における実施の他の形態について図8〜11に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1および2にて説明した部材と同じ機能を有するものについては、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態の原因調査システム21は、図8に示すように、トレース情報付与装置3と原因調査装置22と、外部記憶部30とを備えている。原因調査装置22は、上記実施の形態1の原因調査装置2の関連性判定部61の代わりに、関連性判定部61’を有している。
外部記憶部30には、以下で説明するID情報と履歴因子情報との対応関係を示すID対応データベースが格納されている。

関連性判定部61’は、ID対応データベース31と対応関係データベース71とを基に、トレース情報抽出部8が抽出した以下で説明するID情報に対応する稼動パラメタ毎に、現象情報取得部9が取得した対象製品5の現象情報に関連があるか否かを判定する。この判定については、後段で説明する。
対象製品5のトレースタグ4には、履歴因子情報として、実施の形態1の履歴因子情報に加え、ID情報が含まれる。ここで、ID情報は、外部データベースであるID対応データベース31に、ID情報に対応してレコードされた情報を読み出すための情報であれば、どのようなものであってもよい。例えば、ヘッド製造工程での各装置毎の稼動パラメタがID対応データベース31に保持されている場合、トレースタグ4および、対応関係データベース71の履歴因子情報は、図10に記載のトレース情報のように、ヘッド装置情報IDを有している。これは単なる例示である。
ID対応データベース31には、図11に示すように、レコード構造によりヘッド製造工程での各装置毎の稼動パラメタを保持されており、ヘッド装置情報IDにより外部データベースとトレース情報とが関連づけされている。このID対応データベース31は、単なる例示であり、トレースタグ4に記載の履歴因子情報を基に読み出せるものであれば、どのようなデータであってもよい。
関連性判定部61’は、対応関係データベース71を用いた判定を行った結果、ID対応データベース31を利用することでより詳細な関連性の判定が可能であると判断したときには、ID対応データベース31を使用して、さらに詳細な関連性判定をおこなう。具体例を用いて説明すると、関連性判定部61’は、実施の形態1と同様、対応関係データベース71を用いた判定を行った結果、「ヘッド製造工程で装置A使用すること」と、「30kHz以上の高周波発生」との間に関連性があると判定したとする。
次に、関連性判定部61’は、さらに装置Aのどのパラメタに原因があるかをID対応データベース31により、さらに詳細な関連性判定をおこなう。具体例を用いて説明すると、ヘッド製造工程で装置Aを使用した、不具合(実施の形態に合わせて70件とする)と、その他の不具合(実施の形態に合わせて300件とする)に限定して、対応関係データベース71の履歴因子情報中のヘッド装置情報IDにより、ID対応データベース31を検索する。そして、装置Aの稼動パラメタを、パラメタ1、パラメタ2、・・・と順に取得していき、各パラメタ毎に関連性の判定を行う。関連性の判定の方法は実施の形態1のカイ二乗検定による関連性の判定と同じである。例えば、稼動パラメタであるパラメタ1の観測値の算出結果は、実際にはID対応データベース31の該当レコード数を求めることで得る。パラメタ1の観測値は、例えば以下の表3のようになり、この値を元に、パラメタ1の関連性の判定を行う。
Figure 0004661267
この関連性判定部61’により、例えば、「『30kHz以上の高周波数発生』と、『ヘッド製造工程で装置Aの使用における、パラメタ1の値』とに関連性がある」という判定が下される。
さらに、パラメタ1の値が1〜3のいずれのときに関連性があるかは、実施例2で求めた「分類された因子情報」と同じように、各パラメタ1の値(1,2,3)について、
観測値>期待値、かつ、(観測値−期待値) 2/期待値>指定した閾値であるパラメタ1の値を求めればよい。
上記原因調査システム21および原因調査装置22によると、対象製品5に付されるトレースタグ4のデータ容量が小さい場合にも、柔軟に対応することができる。トレースタグ4にはID情報のみを記憶さえておけば、そのID情報を基に、ID対応データベース31を参照し、対応関係データベース71を基に、どの履歴因子情報が対象製品5の現象と関連しているかを判定することができる。
なお、ID対応データベースは適宜更新されるようになっているものでもかまわない。一つ一つの製品に書き込む際に変更しなけばならない履歴因子情報であっても、ID対応データベース上で変更すればよいので、手間を減らしコストを削減して、履歴因子情報がトレースタグ4に書き込まれる。また、ID対応データベース31は、原因調査装置22の外部の外部記憶部30に記憶されているが、原因調査装置22内部の記憶部7に記憶されていても構わない。
また本実施形態では、トレース情報抽出部8が抽出した履歴因子情報としてのID情報を元に外部のデータベースを検索するものとして説明したが、ID情報以外でも、外部データベースを検索できる履歴因子情報があってもかまわない。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記原因調査装置2,12,22の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、原因調査装置2,12,22は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである原因調査装置2,12,22の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記原因調査装置2,12,22に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、原因調査装置2,12,22を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された搬送波あるいはデータ信号列の形態でも実現され得る。
本発明は、製品の品質管理やクレーム処理に適用することができ、例えば自動車やパーソナルコンピュータ、家電製品など、電子制御される製品の品質管理を行うための原因調査装置、原因調査システム、原因調査方法、原因調査プログラム、および、原因調査プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に適用することができる。
本発明の実施の形態に係る原因調査システムの要部構成を示すブロック図である。 トレースタグに記憶された履歴因子情報を説明するための図である。 製品の履歴因子情報の書込みについて説明するための図である。 対応関係データベースの例を示す図である。 本発明の実施の形態の原因調査装置の処理の流れであるフローチャートを示す図である。 本発明の他の実施形態に係る原因調査システムの要部構成を示すブロック図である。 本実施の形態の原因調査装置の処理の流れであるフローチャートを示す図である。 本発明に係る、図1の原因調査システムおよび図6の原因調査システムとは別の原因調査システムの要部構成を示すブロック図である。 トレースタグに記憶された、図2とは異なるトレース情報を説明するための図である。 対応関係データベースの他の例を示す図である。 ID対応データベースの例を示す図である。
符号の説明
1,11,21 原因調査システム
2,12,22 原因調査装置
3 トレース情報付与装置(履歴因子情報付与装置)
4 トレースタグ(記憶媒体)
5 製品
8 トレース情報抽出部(履歴因子情報抽出部)
9 現象情報取得部(現象情報取得手段)
31 ID対応データベース
61 関連性判定部(関連性判定手段)
62 対応関係更新部(対応関係更新手段)
63 第1原因推測部(第1原因推測部)
64 第2原因推測部(第2原因推測部)
65 第3原因推測部(第3原因推測部)
66 経験的知識化部(経験的知識化手段)
71 対応関係データベース
72 知識データベース

Claims (13)

  1. 調査対象の製品である対象製品の現象である、当該対象製品から発生する音の周波数および音量の少なくともどちらか1つを示す現象情報を取得する現象情報取得手段と、
    上記対象製品に付された記憶媒体であって、当該対象製品の設計、製造および流通の少なくとも何れか1つの工程における履歴因子を示す、関与した人を示すM情報、用いた装置を示すM情報、用いた材料を示すM情報、および、用いた方法を示すM情報の少なくとも何れか1つを含む履歴因子情報を記憶する記憶媒体から、当該履歴因子情報を抽出する履歴因子情報抽出手段と、
    或る製品に生じた現象である、当該或る製品から発生した音の周波数および音量の少なくともどちらか1つを示す現象情報と当該或る製品の設計、製造および流通の少なくとも何れか1つの工程における履歴因子を示す、関与した人を示すM情報、用いた装置を示すM情報、用いた材料を示すM情報、および、用いた方法を示すM情報の少なくとも何れか1つを含み、各M情報は当該M情報が示す履歴因子を分類する因子情報であって、当該M情報が取り得る複数の因子情報のうちの、少なくともいずれか1つを有する履歴因子情報とが1対1で対応付けられており、対応付けられている現象情報と履歴因子情報との組であるレコードを複数、予め保持している対応関係データベースから上記レコードを読み出し、
    読み出したレコードを、上記現象情報取得手段が取得した現象情報を含むレコードと、当該現象情報を含まないレコードとに分類し、上記対応関係データベースが保持する全レコードの個数に対する、上記現象情報を含むレコードの個数の割合と、上記現象情報を含まないレコードの個数の割合とを算出し、
    上記履歴因子情報抽出手段が抽出した対象製品の履歴因子情報に含まれる或るM情報について、上記対応関係データベースに含まれる当該或るM情報が有する因子情報毎に、当該因子情報を含み、かつ、上記現象情報を含むレコードの個数と、当該因子情報を含み、かつ、上記現象情報を含まないレコードの個数とを観測値として計数し、
    上記或るM情報について、上記対応関係データベースに含まれる当該或るM情報が有する因子情報毎に、当該因子情報を含むレコードの個数に対して、上記算出した上記現象情報を含むレコードの個数の割合、および、上記現象情報を含まないレコードの個数の割合をそれぞれ乗算して期待値を算出し、
    上記或るM情報の、上記対応関係データベースに含まれる当該或るM情報が有する各因子情報について、上記現象情報を含むレコードについての上記観測値および上記期待値、ならびに、上記現象情報を含まないレコードについての上記観測値および上記期待値より、それぞれカイ二乗値を算出し、
    上記或るM情報について、上記算出した全因子情報についてのカイ二乗値の合計が、カイ二乗分布表に基づいて決定される限界値より大きい場合、上記或るM情報の示す履歴因子が上記対象製品の現象に関連がある判定する関連性判定手段と、を備えたことを特徴とする原因調査装置。
  2. 上記記憶媒体は、上記工程毎に履歴因子情報に含まれる上記M情報を記憶していることを特徴とする請求項1に記載の原因調査装置。
  3. 上記現象情報取得手段が取得した対象製品の現象情報と上記履歴因子情報抽出手段が抽出した当該対象製品の履歴因子情報とを1対1で対応付けて対応付けた現象情報と履歴因子情報との組であるレコードを上記対応関係データベースに追加する対応関係更新手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の原因調査装置。
  4. 上記関連性判定手段は、上記履歴因子情報抽出手段が抽出した対象製品の履歴因子情報に含まれる各M情報について、当該M情報の示す履歴因子が対象製品の現象に関連があるか否かを判定し、
    上記関連性判定手段が上記対象製品の現象に関連があると判定した履歴因子のうち、上記関連性判定手段が算出したカイ二乗値の合計が最も大きい値である上記M情報が示す履歴因子を、上記対象製品の現象の原因として特定する第1原因推測手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の原因調査装置。
  5. 或る製品に生じた現象である、当該或る製品から発生した音の周波数および音量の少なくともどちらか1つを示す現象情報と当該現象の原因を示す原因情報とが1対1で対応付けられており、対応付けられている現象情報と原因情報との組であるルールを複数、予め保持している知識データベースから上記ルールを読み出し、
    読み出した各ルールに含まれる現象情報毎に、ファジイ推論により、上記現象情報取得手段が取得した現象情報との一致度を算出し、上記知識データベースが保持する全ルールに含まれる現象情報のうち、算出した一致度が最も高い現象情報に対応付けられている原因を、上記対象製品の現象の原因として特定する第2原因推測手段と、
    上記第1原因推測手段が上記対象製品の現象の原因として特定した履歴因子を示す上記M情報におけるカイ二乗値の合計と比較した限界値を決定する際に用いた有意水準値を1から減算してスコアを算出し、上記第2原因推測手段が特定した上記対象製品の現象の原因に対応する現象情報の一致度をそのままスコアとし、スコアが最も高い原因を、上記対象製品の現象の原因として特定する第3原因推測手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の原因調査装置。
  6. 上記対応関係データベースから上記レコードを読み出し、読み出したレコードを、或る現象情報を含むレコードと、当該或る現象情報を含まないレコードとに分類し、上記対応関係データベースが保持する全レコードの個数に対する、上記或る現象情報を含むレコードの個数の割合と、上記或る現象情報を含まないレコードの個数の割合とを算出し、
    上記対応関係データベースから或るレコードを読み出し、読み出した当該或るレコードが有する履歴因子情報に含まれる或るM情報について、上記対応関係データベースに含まれる当該或るM情報が有する因子情報毎に、当該因子情報を含み、かつ、上記或る現象情報を含むレコードの個数と、当該因子情報を含み、かつ、上記或る現象情報を含まないレコードの個数とを観測値として計数し、
    上記或るM情報について、上記対応関係データベースに含まれる当該或るM情報が有する因子情報毎に、当該因子情報を含むレコードの個数に対して、上記算出した上記或る現象情報を含むレコードの個数の割合、および、上記或る現象情報を含まないレコードの個数の割合をそれぞれ乗算して期待値を算出し、
    上記或るM情報の、上記対応関係データベースに含まれる当該或るM情報が有する各因子情報について、上記或る現象情報を含むレコードについての上記観測値および上記期待値、ならびに、上記或る現象情報を含まないレコードについての上記観測値および上記期待値より、それぞれカイ二乗値を算出し、
    上記或るM情報について、上記算出した全因子情報についてのカイ二乗値の合計が、カイ二乗分布表に基づいて決定される限界値より大きい場合、上記或るM情報を、上記或る現象情報の示す現象の原因を示す原因情報として特定し、上記或る現象情報と、原因情報として特定した上記或るM情報とを1対1で対応付けて、対応付けた上記1つの現象情報と上記或るM情報との組であるルールを上記知識データベースに追加する知識化手段を、さらに備えることを特徴とする請求項5に記載に記載の原因調査装置。
  7. 上記記憶媒体が記憶する履歴因子情報に含まれる各M情報は、当該M情報が示す履歴因子を分類する因子情報であって、当該M情報が取り得る複数の因子情報のうちの、少なくともいずれか1つを有するものであり、
    上記関連性判定手段は、上記対象製品の現象に関連があると判定した履歴因子を示す上記或るM情報が有する或る因子情報について、
    上記或る因子情報において、上記現象情報を含むレコードについての上記観測値が上記現象情報を含むレコードについての上記期待値より大きい値であり、かつ、
    上記或る因子情報において、上記現象情報を含むレコードについての上記観測値および上記期待値、ならびに、上記現象情報を含まないレコードについての上記観測値および上記期待値より算出されたカイ二乗値の合計が、カイ二乗分布表に基づいて決定される限界値より大きい場合、上記或る因子情報の示す履歴因子が上記対象製品の現象に関連があると判定することを特徴とする請求項1〜6に記載に記載の原因調査装置。
  8. 上記因子情報は、1または複数のパラメタが対応付けられており、
    上記関連性判定手段は、上記対応関係データベースから上記レコードを読み出して、上記対象製品の現象に関連があると判定した履歴因子が示す上記或る因子情報を含むレコードを抽出し、
    上記抽出したレコードの個数に対する、上記現象情報取得手段が取得した現象情報を含む、上記抽出したレコードの個数の割合と、上記現象情報を含まない、上記抽出したレコードの個数の割合とを算出し、
    上記或る因子情報に対応付けられている或るパラメタについて、当該或るパラメタが取り得る値毎に、上記抽出したレコードのうち上記或るパラメタに当該値が設定されているレコードから、上記現象情報を含むレコードの個数と、上記現象情報を含まないレコードの個数とを観測値として計数し、
    上記或るパラメタについて、当該或るパラメタが取り得る値毎に、上記抽出したレコードのうち上記或るパラメタに当該値が設定されているレコードの個数に対して、上記算出した、上記現象情報を含む、上記抽出したレコードの個数の割合と、上記現象情報を含まない、上記抽出したレコードの個数の割合とをそれぞれ乗算して期待値を算出し、
    上記或るパラメタが取り得るそれぞれの値について、上記現象情報を含むレコードについての上記観測値および上記期待値、ならびに、上記現象情報を含まないレコードについての上記観測値および上記期待値より、それぞれカイ二乗値を算出し、
    上記算出した上記或るパラメタが取り得る全ての値についてのカイ二乗値の合計が、カイ二乗分布表に基づいて決定される限界値より大きい場合、上記或るパラメタが上記対象製品の現象に関連があると判定することを特徴とする請求項に記載の原因調査装置。
  9. 上記現象情報は、製品の異常時の現象、または、製品の正常時の現象を示すものであることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の原因調査装置。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載の原因調査装置と、
    上記原因調査装置の調査対象の製品である対象製品に付された記憶媒体に、当該対象製品の設計、製造および流通の少なくとも何れか1つの工程における履歴因子を示す、関与した人を示すM情報、用いた装置を示すM情報、用いた材料を示すM情報、および、用いた方法を示すM情報の少なくとも何れか1つを含む履歴因子情報を記憶させる履歴因子情報付与装置と、を含むことを特徴とする原因調査システム。
  11. 調査対象の製品である対象製品の現象である、当該対象製品から発生する音の周波数および音量の少なくともどちらか1つを示す現象情報を取得する現象情報取得ステップと、
    上記対象製品に付された記憶媒体であって、当該対象製品の設計、製造および流通の少なくとも何れか1つの工程における履歴因子を示す、関与した人を示すM情報、用いた装置を示すM情報、用いた材料を示すM情報、および、用いた方法を示すM情報の少なくとも何れか1つを含む履歴因子情報を記憶する記憶媒体から、当該履歴因子情報を抽出する履歴因子情報抽出ステップと、
    或る製品に生じた現象である、当該或る製品から発生した音の周波数および音量の少なくともどちらか1つを示す現象情報と当該或る製品の設計、製造および流通の少なくとも何れか1つの工程における履歴因子を示す、関与した人を示すM情報、用いた装置を示すM情報、用いた材料を示すM情報、および、用いた方法を示すM情報の少なくとも何れか1つを含み、各M情報は当該M情報が示す履歴因子を分類する因子情報であって、当該M情報が取り得る複数の因子情報のうちの、少なくともいずれか1つを有する履歴因子情報とが1対1で対応付けられており、対応付けられている現象情報と履歴因子情報との組であるレコードを複数、予め保持している対応関係データベースから上記レコードを読み出し、
    読み出したレコードを、上記現象情報取得ステップにおいて取得した現象情報を含むレコードと、当該現象情報を含まないレコードとに分類し、上記対応関係データベースが保持する全レコードの個数に対する、上記現象情報を含むレコードの個数の割合と、上記現象情報を含まないレコードの個数の割合とを算出し、
    上記履歴因子情報抽出ステップにおいて抽出した対象製品の履歴因子情報に含まれる或るM情報について、上記対応関係データベースに含まれる当該或るM情報が有する因子情報毎に、当該因子情報を含み、かつ、上記現象情報を含むレコードの個数と、当該因子情報を含み、かつ、上記現象情報を含まないレコードの個数とを観測値として計数し、
    上記或るM情報について、上記対応関係データベースに含まれる当該或るM情報が有する因子情報毎に、当該因子情報を含むレコードの個数に対して、上記算出した上記現象情報を含むレコードの個数の割合、および、上記現象情報を含まないレコードの個数の割合をそれぞれ乗算して期待値を算出し、
    上記或るM情報の、上記対応関係データベースに含まれる当該或るM情報が有する各因子情報について、上記現象情報を含むレコードについての上記観測値および上記期待値、ならびに、上記現象情報を含まないレコードについての上記観測値および上記期待値より、それぞれカイ二乗値を算出し、
    上記或るM情報について、上記算出した全因子情報についてのカイ二乗値の合計が、カイ二乗分布表に基づいて決定される限界値より大きい場合、上記或るM情報の示す履歴因子が上記対象製品の現象に関連がある判定する関連性判定ステップと、を含むことを特徴とする原因調査方法。
  12. 請求項1〜の何れか1項に記載の原因調査装置を動作させるための原因調査装置の制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための原因調査プログラム。
  13. 請求項12に記載の原因調査プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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