JP2016099688A - リスク評価方法およびリスク評価装置 - Google Patents

リスク評価方法およびリスク評価装置 Download PDF

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Abstract

【課題】プロジェクト実行責任者に依存しない均質的なリスクを把握する評価方法及び装置を提供する。【解決手段】プロジェクト実行責任者によるリスク評価項目ごとの評価点を含むリスク評価実績情報を参照し、リスク評価項目ごとの、複数のプロジェクト実行責任者それぞれによるリスク評価結果の第1の平均点及び特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価結果の第2の平均点を算出する。第1の平均点および第2の平均点と、リスク評価傾向判定基準とに基づき、特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価傾向を判定し、特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価結果を補正するための補正情報を取得する。判定結果と補正情報を用いて、特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価結果を補正し、補正されたリスク評価結果を出力する。【選択図】図1

Description

プロジェクトのリスクを評価するリスク評価方法およびこれを実施するリスク評価装置に関する。
ソフトウェア開発等のプロジェクトの現場では、リスク評価が不可欠である。リスク評価とは、プロジェクト遂行期間中に発生する可能性がある潜在的なリスクを特定し、その発生確率や影響度を勘案して対策すべきリスクを洗い出し、リスクへの対策状況を継続的に把握可能とする方法である。リスク評価を実践することで、リスクの発生を回避したり、発生したとしてもその影響を小さく抑えたりすることが可能になる。
プロジェクトには、プロジェクトの計画や実行に関して総合的な責任を持つ、プロジェクトマネージャと呼ばれるプロジェクト実行責任者が存在する。プロジェクト実行責任者は、担当するプロジェクトの進捗状況やQCD(Quality、Cost、Delivery)の達成状況などを正確に把握する必要がある。その一環として、進捗やQCDに影響を与えるリスクを捉えるためにリスク評価を実施している。リスク評価を行うリスク評価システムでは、想定されるリスクを洗い出すためのチェック項目を列挙したチェックリストをあらかじめ用意し、プロジェクト実行責任者がリスクを評価して入力する。入力されたリスク評価結果(評価内容)は、プロジェクトを客観的に評価するアセッサと呼ばれる第三者であるプロジェクト評価責任者と共有する。そして、プロジェクト実行責任者またはプロジェクト評価責任者が、リスク評価結果に基づいて必要に応じてプロジェクトに是正処置を施す。プロジェクト評価責任者は、単一のプロジェクトではなく、複数のプロジェクトを評価するケースが多い。
第三者であるプロジェクト評価責任者が複数のプロジェクトのリスクをより正確に把握するためには、各プロジェクトのリスク評価結果が均質であることが望ましい。しかし、各プロジェクトのリスク評価結果は個々のプロジェクト実行責任者により評価されたものであり、そのリスク評価結果の質はプロジェクト実行責任者ごとに異なる。例えば、同一プロジェクトをプロジェクト実行責任者Aとプロジェクト実行責任者Bが評価する場合、プロジェクト実行責任者Aが高リスクと評価しても、プロジェクト実行責任者Bが低リスクと評価することは往々にしてあり得る。評価が異なる要因の一つに、経験年数などプロジェクト実行責任者の属性による違いがある。
特許文献1には、鉄道保守における各作業のリスク算出時に、あらかじめ登録した作業者の経験年数などの属性に応じて入力内容を補正してリスクを算出する技術が開示されている。このような技術により、プロジェクト実行責任者の属性の差による違いを考慮したリスク評価結果を取得できる。
特開2012−203530号公報
プロジェクト実行責任者の属性の差による違いを考慮しただけでは、リスク評価結果の精度の観点から十分ではない。これは、プロジェクト実行責任者がリスクを高く評価したり低く評価したりするといったプロジェクト実行責任者によるリスク評価の傾向の違いによってもリスク評価結果が異なるからである。しかし、従来技術では、プロジェクト実行責任者によるリスク評価の傾向による違いを考慮していないため、リスク評価結果は依然としてプロジェクト実行責任者に依存した結果となる。
そこで本発明は、プロジェクト実行責任者に依存しない均質的なリスク評価結果の把握が可能なリスク評価方法およびこれを実施するリスク評価装置を提供することを目的とする。
本発明の代表的な一例は次の通りである。すなわち、本発明に係るリスク評価方法は、
プロジェクトのリスクを評価するリスク評価装置におけるリスク評価方法であって、
特定のプロジェクト実行責任者の情報を取得し、
記憶部に記憶されているプロジェクト実行責任者によるリスク評価項目ごとの評価点を含むリスク評価実績情報を参照し、
前記リスク評価項目ごとの、複数のプロジェクト実行責任者それぞれによるリスク評価結果の第1の平均点および前記特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価結果の第2の平均点を算出し、
該第1の平均点および第2の平均点と、前記記憶部に記憶されているリスク評価傾向判定基準とに基づき、前記特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価傾向を判定し、
前記特定のプロジェクト実行責任者による前記リスク評価結果を補正するための補正情報を取得し、
前記判定結果と前記補正情報を用いて、前記特定のプロジェクト実行責任者による前記リスク評価結果を補正し、
該補正されたリスク評価結果を出力する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、プロジェクト実行責任者に依存しない均質的なリスク評価結果の把握が可能となる。
リスク評価装置1の構成を示す図である。 チェックリストの例を示す図である。 評価傾向判定基準記憶部180に記憶されている、プロジェクト実行責任者のリスク評価傾向を判定する基準情報の例を示す図である。 演算処理装置2が実行する評価傾向判定部110および補正処理部120の処理を示すフロー図である。 演算処理装置2が実行する評価傾向判定部110および補正処理部120の処理を示すフロー図である。 スキル情報記憶部170に記憶されている、プロジェクト実行責任者のスキル情報の例を示す図である。 過去プロジェクト情報記憶部160に記憶されている、過去プロジェクト情報の例を示す図である。 リスク評価装置1のハードウェア構成の例を示す図である。 リスク評価傾向レベルの判定結果表示画面901の例を示す図である。
以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、リスク評価装置1の構成を示す図である。図1に示すように、リスク評価装置1は、リスク評価入力部100、評価傾向判定部110、補正処理部120、補正結果出力部130、リスク評価結果記憶部140、過去リスク評価実績記憶部150、過去プロジェクト情報記憶部160、スキル情報記憶部170、評価傾向判定基準記憶部180および補正情報記憶部190を含む。
リスク評価入力部100は、プロジェクト実行責任者によりチェックリストに入力された推進中プロジェクトのリスク評価結果を受け付けるコンピュータプログラムとして実現できる。チェックリストは、プロジェクトにおけるリスクを洗い出すためのチェック項目(リスク評価項目)ごとにリスク評価結果の入力欄が設けられたリストである。評価傾向判定部110は、プロジェクト実行責任者のリスクの評価傾向を判定するコンピュータプログラムとして実現できる。補正処理部120は、推進中プロジェクトのリスク評価結果を補正するコンピュータプログラムとして実現できる。補正結果出力部130は、補正されたリスク評価結果を出力するコンピュータプログラムとして実現できる。
リスク評価結果記憶部140は、リスク評価入力部100により受け付けた推進中プロジェクトのリスク評価結果(補正前)を記憶するデータベースとして実現できる。過去リスク評価実績記憶部150は、過去プロジェクトのリスク評価結果を記憶するデータベースとして実現できる。過去プロジェクト情報記憶部160は、過去のプロジェクトが成功したか失敗したかの成否結果を示す情報を記憶するデータベースとして実現できる。スキル情報記憶部170は、プロジェクト実行責任者のスキル情報を記憶するデータベースとして実現できる。評価傾向判定基準記憶部180は、プロジェクト実行責任者のリスク評価傾向を判定するための判定基準となる情報を記憶するデータベースとして実現できる。補正情報記憶部190は、推進中プロジェクトのリスク評価結果を補正するための補正情報を記憶するデータベースとして実現できる。
図8は、リスク評価装置1のハードウェア構成の例を示す図である。図8に示すように、リスク評価装置1は、一般的なコンピュータにより実現でき、演算処理装置2、メモリ3、ハードディスクドライブ等の外部記憶装置4、キーボードやマウス等の入力装置5およびモニタ等の出力装置6を具備する。各装置はバス(BUS)等の通信路により接続されている。
外部記憶装置4は、上記コンピュータプログラム(100〜130)および上記データベース(140〜190)を格納する。なお、上記コンピュータプログラム(100〜130)は、あらかじめ外部記憶装置4に格納されても良いし、コンピュータが利用可能な可搬性を有する記憶媒体に格納しておき、図示していないデータ読取装置を介して必要に応じて読み出されても良いし、あるいは、コンピュータが利用可能な通信媒体と接続された他の装置から必要に応じてダウンロードし外部記憶装置4に格納されるものであってもよい。
演算処理装置2は、外部記憶装置4から上記コンピュータプログラムをメモリ3にロードし実行することにより、リスク管理装置1の統括制御を行うとともに各種判定、演算及び制御処理を行うCPU(Central Processing Unit)等で構成される。
図2は、チェックリストの例を示す図である。チェック項目210は、リスクを洗い出すための評価項目である。回答選択肢220は、各チェック項目210に対する回答の候補を列挙したものである。配点230は、各回答選択肢220に割り当てられた配点である。回答欄240には、回答選択肢220で選択された回答の配点230が入力される。この回答欄240の内容がチェック項目210ごとのリスク評価結果となる。入力に際しては、各回答選択肢220にチェックボックスを設け、プロジェクト実行責任者が回答選択肢220のチェックボックスをチェックすることにより、その回答選択肢220に割り当てられた配点230が回答欄240に入力されるような仕組みとしてもよい。
回答欄240に入力されたチェック項目210ごとのリスク評価結果は、プロジェクトを一意に識別する情報であるプロジェクトIDとチェックリストの入力者であるプロジェクト実行責任者を一意に識別する情報を含む情報とともに、過去リスク評価実績記憶部150に格納される。過去リスク評価実績記憶部150に格納されるチェック項目210ごとのリスク評価結果等は、過去プロジェクトの件数だけ存在する。
図3は、評価傾向判定基準記憶部180に記憶されている、プロジェクト実行責任者のリスク評価傾向を判定するための判定基準情報の例を示す図である。リスク評価傾向レベル310は、リスクの評価傾向のレベルである。図3に示す例では、リスク評価傾向レベル310を5段階に分類している。リスク評価傾向判定基準320は、プロジェクト実行責任者のリスク評価傾向レベル310を判定するための判定基準である。図3に示す例では、リスク評価傾向レベル310の数値が大きくなるにつれ、リスクを高く評価する傾向になるよう評価傾向判定基準320が定義されている。
図6は、スキル情報記憶部170に記憶されている、プロジェクト実行責任者のスキル情報の例を示す図である。図6に示すように、スキル情報記憶部170に記憶されている情報は、プロジェクト実行責任者のスキルのレベルを定義したスキルレベル定義情報610と、プロジェクト実行責任者ごとにスキルレベルを対応付けたプロジェクト実行責任者スキル一覧640とを含む。
スキルレベル定義情報610は、スキルレベル620とスキル判定基準630とが対応付いている。スキルレベル620は、プロジェクト実行責任者のスキルのレベルである。図6に示す例では、スキルレベル620を5段階に分類している。スキル判定基準630は、プロジェクト実行責任者のスキルレベル620を判定するための判定基準である。図6に示す例では、スキルレベル620の数値が大きくなるにつれ、スキルが高くなるようスキル判定基準630が定義されている。
プロジェクト実行責任者スキル一覧640は、プロジェクト実行責任者650と上記スキルレベル620とが対応付いている。プロジェクト実行責任者650は、プロジェクト実行責任者を一意に識別するための情報である。ここでは、プロジェクト実行責任者650として、プロジェクト実行責任者名を用いている。
図7は、過去プロジェクト情報記憶部160に記憶されている、過去プロジェクト情報の例を示す図である。図7に示すように、過去プロジェクト情報は、プロジェクトID710ごとに、プロジェクト実行責任者720とプロジェクトの成否結果を示す情報730とを対応付けた情報である。推進中プロジェクトが終了すると、プロジェクト実行責任者により入力されたプロジェクトの成否結果を示す情報730が該当プロジェクトID710およびプロジェクト実行責任者720と対応付けられて過去プロジェクト情報記憶部160に格納される。
次に、プロジェクト実行責任者のリスク評価傾向レベルを判定し、判定したリスク評価傾向レベルを補正する処理を図4、図5、図9を用いて説明する。
図4と図5は、演算処理装置2が実行する評価傾向判定部110および補正処理部120の処理を示すフロー図である。図9は、リスク評価傾向レベルの判定結果表示画面901の例を示す図である。
先ず演算処理装置2は、特定のプロジェクト実行責任者により入力された特定のプロジェクト実行責任者の情報を取得する(ステップ410)。ここでは、取得したプロジェクト実行責任者をプロジェクト実行責任者Aとする。
次に演算処理装置2は、過去リスク評価実績記憶部150から、プロジェクトID、プロジェクト実行責任者、チェック項目210および回答欄240の情報を含む全プロジェクト評価実績情報を取得し、メモリ3に一時格納する(ステップ420)。ここでは、K件のプロジェクトのリスク評価実績情報が取得されたものとする。
次に演算処理装置2は、過去プロジェクト情報記憶部160から、ステップ420で取得したプロジェクトIDのそれぞれに基づき過去プロジェクト情報記憶部160を検索し、該当プロジェクトの実行責任者720および成否結果を示す情報730を取得し、プロジェクトIDと対応付けてメモリ3に一時格納する(ステップ430)。ここでは、成功プロジェクトの件数をL件、失敗プロジェクトの件数を(K−L)件とする。
次に演算処理装置2は、プロジェクト実行責任者Aに基づきメモリ3のリスク評価実績情報を検索し、プロジェクト実行責任者Aによるプロジェクトのリスク評価実績情報を取得する(ステップ440)。ここでは、プロジェクト実行責任者Aが評価したM件のプロジェクトのリスク評価実績情報が取得されたものとする。
次に演算処理装置2は、プロジェクト実行責任者Aおよびプロジェクト実行責任者AのプロジェクトのIDに基づき、ステップ430で一時記憶したメモリ情報を検索し、プロジェクト実行責任者Aによるプロジェクトの成否結果を示す情報730を取得する(ステップ450)。ここでは、プロジェクト実行責任者Aの成功プロジェクトの件数がN件、失敗プロジェクトの件数が(M−N)件とする。
次に演算処理装置2は、全プロジェクト実行責任者によるリスク評価結果と、プロジェクト実行責任者Aによるリスク評価結果と、評価傾向判定基準記憶部180の情報とを用いて、成功プロジェクトと失敗プロジェクトのそれぞれについて、プロジェクト実行責任者Aのリスク評価傾向レベルを判定する(ステップ460)。
プロジェクト実行責任者Aによるリスク評価傾向を算出する具体的な手順は次の通りである。ここで、評価傾向判定基準記憶部180において、チェック項目210ごとのリスク評価結果の平均点を上回る、またはそのリスク評価結果の平均点を下回るチェック項目210の数が全チェック項目数に占める割合に応じて、リスク評価傾向レベル310が分類されて記憶されている。そのため、演算処理装置2はまず、全プロジェクト実行責任者それぞれの過去プロジェクト(成功プロジェクトL件)におけるチェック項目210ごとのリスク評価結果の平均点を算出する。次に演算処理装置2は、プロジェクト実行責任者Aの過去プロジェクト(成功プロジェクトN件)におけるチェック項目210ごとのリスク評価結果の平均点を算出する。次に演算処理装置2は、チェック項目210ごとに、全プロジェクト実行責任者によるリスク評価結果の平均点とプロジェクト実行責任者Aによるリスク評価結果の平均点とを比較し、後者の平均点が前者の平均点を上回る(または下回る)チェック項目210の数を求め、その数がチェック項目210の総数に占める割合を算出する。そして演算処理装置2は、算出結果と評価傾向判定基準記憶部180の傾向判定基準320の情報に基づき、プロジェクト実行責任者Aによる成功プロジェクトについて、リスク評価傾向レベルを判定する。同様にして、プロジェクト実行責任者Aによる失敗プロジェクトについて、リスク評価傾向レベルを判定する。このように、本実施例では、成功プロジェクトと失敗プロジェクトとに大別して、プロジェクト実行責任者Aのリスク評価傾向レベルを判定するにより、より精度の高いリスク評価傾向を導出できる。
図4に戻り説明を続ける。ステップ460においてリスク評価傾向レベルを判定後、次に演算処理装置2は、図9に示すような判定結果表示画面901を出力装置6に出力する(ステップ470)。図9に示すように、判定結果表示画面901は、特定のプロジェクト実行責任者の現在のスキルレベルと判定結果であるチェック項目ごとのリスク評価傾向レベルを表示した判定結果表示部910と、補正指示部911と、終了指示部912とを含む。なお、特定のプロジェクト実行責任者による成功プロジェクトと失敗プロジェクトとで、判定されたリスク評価傾向レベルが異なる場合は、成功プロジェクトと失敗プロジェクトの母数差等に応じて成功プロジェクトによるリスク評価傾向レベルまたは失敗プロジェクトによるリスク評価傾向レベルが判定結果表示部910に表示される。例えば、特定のプロジェクト実行責任者による成功プロジェクト数が失敗プロジェクト数を上回る場合は、成功プロジェクトについて判定されたリスク評価傾向レベルが判定結果表示部910に表示される。ここでは、説明の便宜上、プロジェクト実行責任者Aによるチェック項目210ごとのリスク評価傾向レベルとして、全て「5」が取得されたものとする。
図5を用いて説明を続ける。判定結果表示画面901において、プロジェクト実行責任者Aが入力装置5を用いて、終了指示部912を押下する操作、または現在のスキルレベルとチェック項目ごとのリスク評価傾向レベルを変更し、補正指示部911を押下する操作を行うと、演算処理装置2は終了指示または補正指示を示す情報に基づき補正指示有無を判定する(ステップ480)。ここでは、プロジェクト実行責任者Aのスキルレベルとリスク評価傾向レベルをそれぞれ中央値である「3」となるよう補正指示を受けたものとする。
演算処理装置2は、補正指示を検知すると(ステップ480でYES)、補正指示情報に含まれるプロジェクト実行責任者Aのスキルレベルとリスク評価傾向レベルを取得する(ステップ490)。ここでは、図9に示すように、プロジェクト実行責任者Aのスキルレベルとして「4」、リスク評価傾向レベルとして「5」が取得される。
次に演算処理装置2は、上述した算出方法と同様にして、成功プロジェクトと失敗プロジェクトを含む過去プロジェクトにおけるチェック項目210ごとのリスク評価結果の平均点を算出する(ステップ500)。
次に演算処理装置2は、補正情報記憶部190から各チェック項目210に対するリスク評価結果の補正情報を取得する(ステップ510)。補正情報記憶部190には、各チェック項目210と、各チェック項目210に対するリスク評価結果の補正情報とが対応付けて記憶されている。ここでは、各チェック項目210に対するリスク評価結果の補正情報として、以下の式1を用いるものとする。
補正情報=0.8×過去プロジェクトにおけるチェック項目210ごとのリスク評価結果の平均点−0.2×スキルレベル+0.2×リスク評価傾向レベル+1.0(式1)
上記式1は、経験的にチェック項目210ごとのリスク評価結果を、過去プロジェクトにおけるチェック項目210ごとのリスク評価結果の平均点と、プロジェクト実行責任者のスキルレベルと、リスク評価傾向レベルとを用いて表すことができると仮定し、回帰分析によりあらかじめ導出したものである。なお、上記式1の「0.8」、「−0.2」、「0.2」は係数である。
次に演算処理装置2は、上記式1に、ステップ490で取得したプロジェクト実行責任者Aのスキルレベルおよびリスク評価傾向レベルと、ステップ500で算出した過去プロジェクトにおけるチェック項目210ごとのリスク評価結果の平均点を適用し、その算出結果とステップ490で取得したプロジェクト実行責任者Aのリスク評価傾向レベルとから、補正されたプロジェクト実行責任者Aのリスク評価傾向レベルを算出する(ステップ520)。
具体的には、演算処理装置2はまず、プロジェクト実行責任者Aのスキルレベル「4」を「3」に補正すると、上記式1のスキルレベルに関わる部分「−0.2×スキルレベル」が「−0.2×(3−4)=0.2」と計算できる。また、プロジェクト実行責任者Aのリスク評価傾向レベル「5」を「3」に補正すると、上記式1のリスク評価傾向レベルに関わる部分「0.2×リスク評価傾向レベル」が「0.2×(3−5)=−0.4」と計算できる。これにより、上記式1の計算結果として0.2低い値が算出されるため、チェック項目210ごとのプロジェクト実行責任者Aのリスク評価結果も0,2低い値に補正される。
次に演算処理装置2は、補正されたプロジェクト実行責任者によるチェック項目210ごとのリスク評価結果を出力装置6に出力するとともに、プロジェクトIDおよびプロジェクト実行責任者Aと対応付けて過去リスク評価実績記憶部150に格納し(ステップ503)、処理を終了する。これにより、補正されたリスク評価実績情報をプロジェクト実行責任者A以外の第三者も共有できる。
また、ステップ480において、演算処理装置2は、終了指示を検知すると(ステップ480でNO)、リスク評価結果の補正は不要と判断し、リスク評価結果記憶部140に記憶されている補正前のリスク評価結果を過去リスク評価実績記憶部150に格納し(ステップ540)、処理を終了する。
以上説明した実施例によれば、チェック項目210ごとの、全プロジェクト実行責任者それぞれによるリスク評価結果の平均点および特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価結果の平均点を用いて、特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価傾向を判定し、その判定結果を用いて上記特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価結果を補正し、補正されたリスク評価結果を上記特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価結果として出力するようにしたので、プロジェクト実行責任者に依存しない均質的なリスク評価結果の把握が可能となる。
図4のステップ440において、対象プロジェクト実行責任者によるプロジェクトの件数が基準値より少ない場合、精度の高いリスク評価結果を得られないため、本実施例では、特定のプロジェクト実行責任者と同様のスキルレベル620を有する他のプロジェクト実行責任者のリスク評価実績情報も考慮してリスク評価傾向レベルを判定し、この判定結果を用いてリスク評価結果を算出する。
まず演算処理装置2は、スキル情報記憶部170を参照して、対象プロジェクト実行責任者と同じスキルレベル620を有する他のプロジェクト実行責任者650を特定する。例えば、図4のステップ440において、特定のプロジェクト実行責任者Aによるプロジェクトの件数が基準値より少ない場合、演算処理装置2は、プロジェクト実行責任者スキル一覧640より、プロジェクト実行責任者Aのスキルレベル620「4」と同じスキルレベル620を有するプロジェクト実行責任者Dを特定する。
次に演算処理装置2は、特定のプロジェクト実行責任者Aのリスク評価実績情報とプロジェクト実行責任者Dのリスク評価実績情報を取得する。ステップ440以降の処理は上記実施例1と同様の処理である。このような実施例により、対象プロジェクト実行責任者によるプロジェクトの件数が十分でない場合でも、特定のプロジェクト実行責任者と同様のスキルレベル620を有する他のプロジェクト実行責任者のリスク評価実績情報も考慮してリスク評価傾向レベルを算出するため、リスク評価傾向レベルおよび補正リスク評価結果の精度を高めることができる。
本実施例では、上記実施例1における図2のチェックリストにおいて、チェック項目210ごとに、その内容が上記QCDやプロジェクト実行責任者の知識エリアのいずれに関連するかといったカテゴリ情報も有する。
演算処理装置2は、図4のステップ460において、チェック項目210ごとのリスク評価結果の平均点をさらにカテゴリごとに比較することにより、カテゴリごとのリスク評価傾向レベルを算出する。例えば、QCDに基づくカテゴリだった場合、演算処理装置2は、プロジェクト実行責任者Aは、Q(品質)に関しては「4」だがC(コスト)に関しては「2」といったような、リスク評価傾向レベルを算出する。
そして、演算処理装置2は、ステップ520において、カテゴリごとにリスク評価結果を補正する。ここでは、プロジェクト実行責任者Aからの補正指示により、リスク評価傾向レベルが中央値である「3」となるように補正するものとする。演算処理装置2は、Q(品質)に関連付けられたチェック項目のリスク評価結果に関しては、リスク評価傾向レベル「4」が「3」となるように補正する。また、C(コスト)に関連付けられたチェック項目のリスク評価結果に関しては、リスク評価傾向レベル「2」が「3」となるように補正する。このように、本実施例では、各チェック項目のそれぞれについて、さらにカテゴリごとに補正方法を変えることができるため、より木目の細かいリスク評価結果の補正を行うことができる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、図2に示す例では、一つ目のチェック項目210に対して5つの回答選択肢220を設けているが、回答選択肢220の数はこの限りではなく、任意の数の回答選択肢を設けてもよい。同様に、1〜5の5段階の整数値を配点230に割り当てているが、割り当て方法もこの限りではなく、任意の点数を割り当ててもよい。また、上記実施例では、リスク評価傾向レベル310(図3)を5段階に分類したが、任意の段階に分類してよい。また、上記実施例では、リスク評価傾向をレベルで分類したが、リスク評価傾向を示す情報であれば、その他の分類方法を用いてもよい。また、リスク評価傾向レベル310の数値が大きくなるにつれ、リスクを高く評価する傾向になるよう評価傾向判定基準320を定義したが、リスク評価傾向レベル310に応じて評価傾向判定基準320を変える方法であればその他の定義を用いてもよい。また、上記実施例では、スキルレベル620(図6)を5段階に分類したが、任意の段階に分類してもよい。また、スキルレベル620の数値が大きくなるにつれ、スキルが高くなるようスキル判定基準630を定義したが、スキルレベル620に応じてスキル判定基準630を変える方法であればその他の定義を用いてもよい。
また、上記実施例では、成功プロジェクトと失敗プロジェクトのそれぞれについて、特定のプロジェクト実行責任者のリスク評価傾向レベルを判定したが、成功プロジェクトと失敗プロジェクトとに分けずに、特定のプロジェクト実行責任者のリスク評価傾向レベルを判定してもよい。また、上記実施例では、リスク評価傾向を判定する際、全プロジェクト実行責任者それぞれによるリスク評価結果の平均点を用いたが、リスク評価傾向を判定できるだけの人数のプロジェクト実行責任者によるリスク評価結果があれば、これらの平均点を用いてもよい。また、上記実施例では、補正情報として数式を保持するようにしたが、プロジェクト実行責任者のスキルレベル620およびリスク評価傾向レベル310の組み合わせと、各組み合わせに対する補正係数とをテーブル形式で保持するようにしてもよい。補正情報として数式を保持する場合はメモリサイズを小さくできる点で好適だが、テーブル形式で保持する場合は、より木目の細かい補正が可能になる点で好適である。
また、上記実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記コンピュータプログラム(リスク評価入力部100、算出評価傾向判定部110、補正処理部120、補正結果出力部130)は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路(LSI)で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。
100…リスク評価入力部、110…評価傾向判定部、120…補正処理部、130…補正結果出力部、140…リスク評価結果記憶部、150…過去リスク評価実績記憶部、160…過去プロジェクト情報記憶部、170…スキル情報記憶部、180…評価傾向判定基準記憶部、190…補正情報記憶部。

Claims (12)

  1. プロジェクトのリスクを評価するリスク評価装置におけるリスク評価方法であって、
    特定のプロジェクト実行責任者の情報を取得し、
    記憶部に記憶されているプロジェクト実行責任者によるリスク評価項目ごとの評価点を含むリスク評価実績情報を参照し、
    前記リスク評価項目ごとの、複数のプロジェクト実行責任者それぞれによるリスク評価結果の第1の平均点および前記特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価結果の第2の平均点を算出し、
    該第1の平均点および第2の平均点と、前記記憶部に記憶されているリスク評価傾向判定基準とに基づき、前記特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価傾向を判定し、
    前記特定のプロジェクト実行責任者による前記リスク評価結果を補正するための補正情報を取得し、
    前記判定結果と前記補正情報を用いて、前記特定のプロジェクト実行責任者による前記リスク評価結果を補正し、
    該補正されたリスク評価結果を出力する、
    ことを特徴とするリスク評価方法。
  2. 前記記憶部に記憶されている成功プロジェクトと失敗プロジェクトのそれぞれについて、前記第1の平均点および前記第2の平均点を算出し、
    該第1の平均点および第2の平均点と、前記記憶部に記憶されている前記リスク評価傾向判定基準とに基づき、前記特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価傾向を判定し、
    前記成功プロジェクの数と前記失敗プロジェクトの数との差に応じて、前記補正対象のリスク評価結果に適用するリスク評価傾向を決める、
    ことを特徴とする請求項1に記載のリスク評価方法。
  3. 前記第1の平均点と前記第2の平均点とを比較し、
    前記第2の平均点が前記第1の平均点を上回るまたは下回る前記リスク評価項目の数を算出し、
    該算出数が前記リスク評価項目の総数に占める割合を算出し、
    該割合と前記リスク評価傾向判定基準とに基づき、前記特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価傾向を判定する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリスク評価方法。
  4. 前記第1の平均点、判定された前記リスク評価傾向および前記記憶部に記憶されている前記特定のプロジェクト実行責任者のスキル情報を用いて計算される前記補正情報と、前記リスク評価傾向の補正指示情報とに基づき、前記特定のプロジェクト実行責任者による前記リスク評価結果を補正する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のリスク評価方法。
  5. 前記特定のプロジェクト実行責任者によるプロジェクトの件数が基準値より少ない場合、前記記憶部に記憶されている前記特定のプロジェクト実行責任者と同様のスキル情報を有する他のプロジェクト実行責任者のリスク評価実績情報も参照して、前記第1の平均点および前記第2の平均点を算出する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のリスク評価方法。
  6. 前記リスク評価項目ごとにカテゴリ情報が関連付いており、
    前記第1の平均点と前記第2の平均点とを前記カテゴリ情報ごとに算出し、
    該カテゴリ情報ごとの第1の平均点および第2の平均点と、前記記憶部に記憶されているリスク評価傾向判定基準とに基づき、前記カテゴリ情報ごとに前記特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価傾向を判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のリスク評価方法。
  7. プロジェクト実行責任者によるリスク評価項目ごとの評価点を含むリスク評価実績情報
    とリスク評価傾向判定基準を記憶する記憶部と、演算処理部とを具備し、
    前記演算処理部は、
    特定のプロジェクト実行責任者の情報を取得し、
    記憶部に記憶されているプロジェクト実行責任者によるリスク評価項目ごとの評価点を含むリスク評価実績情報を参照し、
    前記リスク評価項目ごとの、複数のプロジェクト実行責任者それぞれによるリスク評価結果の第1の平均点および前記特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価結果の第2の平均点を算出し、
    該第1の平均点および第2の平均点と、前記記憶部に記憶されているリスク評価傾向判定基準とに基づき、前記特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価傾向を判定し、
    前記特定のプロジェクト実行責任者による前記リスク評価結果を補正するための補正情報を取得し、
    前記判定結果と前記補正情報を用いて、前記特定のプロジェクト実行責任者による前記リスク評価結果を補正し、
    該補正されたリスク評価結果を出力する、
    ことを特徴とするリスク評価装置。
  8. 前記記憶部は、さらにプロジェクトの成否結果を示す情報を記憶し、
    前記演算処理部は、
    前記記憶部に記憶されている成功プロジェクトと失敗プロジェクトのそれぞれについて、前記第1の平均点および前記第2の平均点を算出し、
    該第1の平均点および第2の平均点と、前記リスク評価傾向判定基準とに基づき、前記特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価傾向を判定し、
    前記成功プロジェクの数と前記失敗プロジェクトの数との差に応じて、前記補正対象のリスク評価結果に適用するリスク評価傾向を決める、
    ことを特徴とする請求項7に記載のリスク評価装置。
  9. 前記演算処理部は、
    前記第1の平均点と前記第2の平均点とを比較し、
    前記第2の平均点が前記第1の平均点を上回るまたは下回る前記リスク評価項目の数を算出し、
    該算出数が前記リスク評価項目の総数に占める割合を算出し、
    該割合と前記リスク評価傾向判定基準とに基づき、前記特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価傾向を判定する、
    ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のリスク評価装置。
  10. 前記記憶部は、さらにプロジェクト実行責任者のスキル情報を記憶し、
    前記演算処理部は、
    前記第1の平均点、判定された前記リスク評価傾向および前記特定のプロジェクト実行責任者のスキル情報を用いて計算される前記補正情報と、前記リスク評価傾向の補正指示情報とに基づき、前記特定のプロジェクト実行責任者による前記リスク評価結果を補正する、
    ことを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載のリスク評価装置。
  11. 前記演算処理部は、
    前記特定のプロジェクト実行責任者によるプロジェクトの件数が基準値より少ない場合、前記記憶部に記憶されている前記特定のプロジェクト実行責任者と同様のスキル情報を有する他のプロジェクト実行責任者のリスク評価実績情報も参照して、前記第1の平均点および前記第2の平均点を算出する、
    ことを特徴とする請求項10に記載のリスク評価装置。
  12. 前記リスク評価項目ごとにカテゴリ情報が関連付いており、
    前記演算処理部は、
    前記第1の平均点と前記第2の平均点とを前記カテゴリ情報ごとに算出し、
    該カテゴリ情報ごとの第1の平均点および第2の平均点と、前記記憶部に記憶されているリスク評価傾向判定基準とに基づき、前記カテゴリ情報ごとに前記特定のプロジェクト実行責任者によるリスク評価傾向を判定する、
    ことを特徴とする請求項7に記載のリスク評価装置。
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CN117235063A (zh) * 2023-11-10 2023-12-15 广州汇通国信科技有限公司 一种基于人工智能技术的数据质量管理方法

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