JP2021072073A - コンプライアンス評価装置およびコンプライアンス評価プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
請求項2の発明は、前記回答評価手段は、前記第1の回答に関連する法令の数と判例の数を用いて前記第1の評価基準を定めることを特徴とする請求項1に記載のコンプライアンス評価装置である。
請求項3の発明は、前記回答評価手段は、前記第1の回答に関連する判例の数が増加した場合に、前記第1の評価基準を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンプライアンス評価装置である。
請求項4の発明は、前記回答評価手段は、操作者の選択操作に応じて前記第2の評価点に応じた前記第1の評価点の補正を行うかどうかを決定することを特徴とする請求項1乃至3に記載のコンプライアンス評価装置である。
請求項5の発明は、コンピュータを、企業が定めた社内規定と前記企業が順守すべき法令等との適合度を評価するための第1の質問に対する第1の回答と、企業活動が遂行される環境を評価するための第2の質問に対する第2の回答と、を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記第1の回答と前記第2の回答を予め定めた第1の評価基準と第2の評価基準とでそれぞれ照合し、第1の回答に対する第1の評価点と第2の回答に対する第2の評価点をそれぞれ求め、前記第2の評価点に応じて前記第1の評価点を補正する回答評価手段と、少なくとも前記第1の回答に関連するコメント情報を前記第1の回答を用いて抽出する抽出手段と、前記回答評価手段により補正された補正後の前記第1の評価点を用いてコンプライアンスの達成度を評価したコンプライアンス評価の結果と、前記抽出手段により抽出された前記コメント情報と、を出力する出力手段と、として機能させるためのコンプライアンス評価プログラムである。
請求項2のコンプライアンス評価装置によれば、法令の数と判例の数を用いてコンプライアンス評価が行われるようになる。
請求項3のコンプライアンス評価装置によれば、判例の数が増加したことによってコンプライアンス評価の評価基準が変えられる。
請求項4のコンプライアンス評価装置によれば、操作者の選択によってコンプライアンス評価の方法が変えられる。
請求項5のコンプライアンス評価プログラムによれば、単に法令等への適合度に基づいてコンプライアンス評価を行う場合に比して、実質的なコンプライアンス評価が行われるようになる。
図1は、本実施の形態のコンプライアンス評価システムの構成を例示する図である。コンプライアンス評価システム10は、ユーザー端末2へ送信された(例えばアンケートのような)質問に対する回答を当該ユーザー端末2から収集してコンプライアンス評価を行うコンプライアンス評価装置1と、コンプライアンス評価を行うために受信した質問に対して入力した回答をコンプライアンス評価装置1へWi−Fi(登録商標)のような無線通信回線6を介して送信するユーザー端末2と、クラウド7を介してアクセスすることが可能であって、コンプライアンス評価のための質問を蓄積する質問DB3、質問に対する回答によって抽出されるコンプライアンス評価に関連するコメントを蓄積するコメントDB4、そして質問に対する回答に割り当てられる評価点を算出するための評価点情報を蓄積する評価点DB5と、から構成されている。なお、以下において「コンプライアンス評価システム」を単に「システム」と表記する場合がある。
ユーザー端末2を操作する「ユーザー」とは、コンプライアンス評価を行いたい企業に属する社員や役員であってもよいし、コンプライアンス評価を行いたい企業からの依頼を受けた中小企業診断士や社会保険労務士等の専門職であってもよい。
図2は、コンプライアンス評価システム10の処理例を示すフローチャートである。コンプライアンス評価を行うための処理が開始されると(S200)、ユーザーはユーザー端末2の図示しない表示画面に表示されている複数の質問区分Cの中から回答を入力したい質問区分C’を選択し、ユーザー端末2はユーザーが選択した質問区分C’を特定する情報をコンプライアンス評価装置1に送信する(S201)。ここで「質問区分C」とは、コンプライアンス評価に係る法令等の種類、評価の観点、評価対象となる社内規定等の種類、同じ評価点基準で評価されるべき回答等、複数の質問を予め分類しておくことで都合がよい区分(カテゴリ)のことをいう。コンプライアンス評価に係る質問の数は少なくない場合が多く、ユーザーの視点からすれば、一度に大量の質問に回答するのではなく、一定量に区分けされた質問に順次回答するほうが好ましい場合がある。あるいは、コンプライアンスを否定する結果が得られた場合に、特にコンプライアンスの達成度を低く評価することとなった回答が含まれる質問区分Cがユーザーに対して明示されるようにしておけば、ユーザーにとっては今後の改善点を絞り込むことが容易にもなる。質問内容に応じて質問区分Cを設定すると、同じ質問区分Cに属する質問に対してユーザーが機械的に回答してしまうことで回答に対する正確性が損なわれてしまう状況も想定されるのであれば、質問区分Cを設けることなく、複数の質問をランダムに提示して回答させるようにしてもよい。
選択リスト62に含まれているアンケートは6種類であるが、ユーザーの職制、所属部門、役職等の属性に応じてこれら6種類のアンケートの中から回答させるべきアンケート名(質問区分C)を絞り込んだ上でメインメニュー画面60に表示させるようにしてもよい。ユーザーはログイン画面50で所定のログインIDを使用しており、当該ログインIDにユーザーの属性を割り当ててシステム上に記憶保存しておけば、ログイン操作が行われるときにユーザーに応じて絞り込まれる質問区分Cは特定されることになる。
選択リスト62に示されているアンケート名からも理解されるように、以下の説明では特に労務管理に関連するコンプライアンス評価を行うシステムについて例示するが、当業者であれば労務管理を安全管理等に置き換え、選択リスト62に示されているアンケート名を他のコンプライアンス評価に必要なアンケート名に変更することは容易である。
回答に対する評価点を求める処理(S206)と、回答に対するコメントを抽出する処理(S207)は別の処理として図2では例示しているが、いずれの処理も回答収集部13により収集された回答を用いる点で共通していることから、一つの回答に対する評価点とコメントを同時に求めるようにしてもよい。
質問テーブル90には、質問番号を指定する質問番号欄91と、質問内容を指定する質問内容欄92と、質問に対する回答をどのように受け付けるかを指定する複数の回答指定欄93,94,95,96が含まれている。回答指定欄を複数設けているのは、ユーザーのような回答者が選択し得る回答の選択肢の数だけ予め用意していることによる。具体的には、回答が自由入力でよい質問に対する回答指定欄は1つ、回答が二択となる質問に対する回答指定欄は2つということになる。図9の場合は、例示した複数の質問のうち、質問番号3の質問に対する選択肢の数が一番多い4つであることから、他の質問に対する回答指定欄も予め4つ用意することとしている。回答選択肢の数が4以上となる質問があれば、それに合わせて回答指定欄の予め用意する数も増えていく。
各回答指定欄93,94,95,96には、さらに回答の選択肢を指定する選択肢欄931,941,951,961と、回答の入力形式を指定する入力形式欄932,942,952,962と、次に回答の入力を要求する質問番号を指定する次質問番号欄933,943,953,963がそれぞれ含まれている。選択肢欄931,941,951,961で指定される選択肢毎に次質問番号欄933,943,953,963を設けたことで、ユーザーの回答内容によって質問が変えられるようにしている。選択肢を指定できない質問、例えば自由入力による回答を要求する質問や、電話番号・時間範囲等のような数値入力を要求する質問に対する選択肢欄(例えば質問番号1に対する選択肢欄931)は空欄になる。質問番号1の回答指定欄94等のように、入力形式が指定されていない回答指定欄は無視され、対応する質問番号の質問はその直前の回答指定欄までの内容で生成される。
図10(a)は、質問番号1に対応する質問表示欄1010と回答欄1015を示している。質問表示欄1010の「就業時間」という質問は、質問番号1の質問内容欄92の内容と同じである。回答欄1015は、就業時間の開始時刻を0乃至23(24時間制表記)時のいずれかの時刻を分刻みで、終了時刻も同様に0乃至23時のいずれかの時刻を分刻みで指定することができるプルダウンメニュー形式で示されており、質問番号1の入力形式欄932の内容である「時間範囲選択」が表現されている。
図10(b)は、質問番号3に対応する質問表示欄1020と回答欄1025を示している。質問表示欄1020の「労働時間の管理方法」という質問は、質問番号3の質問内容欄92の内容と同じである。回答欄1025は、選択肢欄931の「勤怠システム」と選択肢欄941の「タイムカード」と選択肢欄951の「自己申告」と選択肢欄961の「その他」を入力形式欄932,942,952,962でそれぞれ指定されている「プルダウン」、つまりプルダウンメニュー形式で列挙し、そのうちのいずれか一つを選択可能にすると同時に、選択肢欄961の「その他」が選択された場合に入力形式欄962で指定されている「自由入力」で回答を入力可能とするための入力欄を含んでいる。
図10(c)は、質問番号4に対応する質問表示欄1030と回答欄1035を示している。質問表示欄1030の「残業申請はありますか?」という質問は、質問番号4の質問内容欄92の内容と同じである。回答欄1035は、選択肢欄931の「はい」と選択肢欄941の「いいえ」を入力形式欄932,942でそれぞれ指定されている「ラジオボタン」形式でいずか一つを選択可能として示されている。
回答評価部14が回答評価処理を開始すると(S300)、区分コンプライアンス評価を行う質問区分Cが選択される(S301)。そして選択された質問区分Cに分類されている質問に対応した回答を、質問番号1の回答より(S302)回答DB16から順次読み出していく(S303)。回答DB16には、コンプライアンス評価のために収集した回答が図11に示すようなテーブルに格納・管理されている。
評価点テーブル120には、質問番号qを格納する質問番号欄121、質問番号qの回答Aqを格納する選択肢欄122、回答Aqに対する点数(評価点)Pqを格納する点数欄124が含まれている。ここで、一つの質問に対する回答が複数の選択肢から選択されて確定するような場合、選択された回答によって評価点も変わり得る。そのような場合は、一つの質問番号qに対し、評価点Pqが回答Aqを識別子として複数割り当てられていることになる。その他、評価点テーブル120には、点数欄124の点数を算出するためのデータを格納する点数計算欄123と、点数計算欄123に記憶されているデータの根拠となる情報を格納する根拠欄125とが含まれている。回答評価部14が評価点DB5より評価点Pqを読み出す処理は、質問番号欄121と選択肢欄122の質問番号qと回答Aqが一致する行を特定し、当該行の点数欄124に記憶されている数値を評価点Pqとする処理ということになる。
判例基準欄1210は、質問番号欄121で特定される質問に対する回答(選択肢欄122に格納されている回答)の場合に違反する法令等に関連する判例について、最高裁判所主管の判例数を最高裁欄1211に、高等裁判所主幹の判例数を高裁欄1212に、地方裁判所主幹の判例数を地裁欄1213に区分してそれぞれの上段に格納するようにしている。例えば、質問番号yyの判例基準欄1210の高裁欄1212の上段に格納されている「1」は、質問番号yyの選択肢欄122に格納されている回答が「A」であることに関連した判例が高等裁判所で1つ出ていることを示し、地裁欄1213の上段に格納されている「2」は地方裁判所で2つの判例が出ていることを示している。最高裁欄1211、高裁欄1212、地裁欄1213それぞれの下段は、判例数を用いて算出した評価点を示している。ここでは、より上位の裁判所が主管した判例ほど評価点が大きくなるように重み付けし、判例数に最高裁欄1211では1を、高裁欄では0.5を、地裁欄では0.1を乗じて評価点を算出している。このような重みづけ処理は、判例の数を用いて評価点を算出する方法の一例である。
法令基準欄1220は、質問番号欄121で特定される質問に対する回答(選択肢欄122に格納されている回答)の場合に違反する法令等の数を格納する違反欄1223を有している。さらに法令基準欄1220は、当該法令等を違反することで法的に課される罰則について、1年を単位とする懲役期間に応じた数値を格納する懲役欄1221と、100万円を単位とする罰金額に応じた数値を格納する罰金欄1222を有している。判例基準欄1210以下の各欄同様、懲役欄1221、罰金欄1222、違反欄1223の上段に格納された数値を用いて算出した評価点を、それぞれの下段に格納している。例えば、質問番号zzの選択肢欄122に格納されている回答が「C」である場合の懲役欄1221上段の「0.25」は懲役期間が最大3か月であることを、罰金欄1222上段の「0.5」は罰金が最大50万円であることを示し、違反欄1223上段の「1」は違反する法令等が1件であることを示している。それぞれの下段に格納されている数値は法令等を基準に求めた評価点であって、ここでは上段に格納されている数値と同じなるように重み付け係数1を乗じて算出している。勿論、罰金刑と懲役刑で重み付け値を変更してもよいし、罰金や懲役期間の単位を変更してもよい。
判例基準欄1210および法令基準欄1220以下の各欄下段に格納されている評価点は合計し、その合計値が対応する選択肢欄122に格納されている回答に対する評価点として点数欄124に格納されている。以上説明してきた評価点は、法令等違反があれば高い数値になり、評価点あるいはその合計点が高いほどコンプライアンスの達成度は低いことを意味している。
根拠欄125以下の内容が更新されて点数欄124に格納される評価点の算出根拠としている判例数が増えるということは、対応する回答に関連している(順守していない)法令等の改正に影響を及ぼす場合のある最高裁判所判例が増えたり、法令等違反によって(地方裁判所に)訴訟を起こされる可能性が高いということが推定される。いずれの場合も、根拠とされている法令等はコンプライアンスの達成度を高める上で影響が大きいといえる。従って、判例数が増えた場合にコンプライアンス評価の基準を(厳しい方向に)変更することが望ましい。図12に例示した評価点テーブル120のように、判例件数を直接評価点に反映させる仕組みを予め組み込んでおけば、判例件数の増加に伴って評価点も自動的に増やすことができる。あるいは、ある質問番号qの回答Aqに関連する法令等に関して最高裁欄1211上段の数値が増えた(最高裁判所の判例が増えた)場合に、当該回答Aqの高裁欄1212や地裁欄1213下段の評価点を算出するために設定している重み付け値を変更することにより、当該回答Aqに対するコンプライアンス評価の基準を変更してもよい。また、評価点DB5に評価点算出の根拠となるデータを保存せずに評価点のみを記憶させているような場合には、判例件数の増加を確認したコンプライアンス評価システム10の管理者が手動で評価点を変更すればよい。
評価を終了した質問区分Cの合計点Tcのうち、適合評価区分に分類されている質問区分Caの合計点Tcaは、環境評価区分に分類されている質問区分Ceの合計点Tceに応じた補正が行われる(S309)。具体的には、回答評価部14は図13に例示したような補正係数テーブルを合計点Tceを用いて参照することで評価点を補正するための補正係数を求め、その補正係数を合計点Tcaに乗ずることで合計点Tcaを補正する。
図13は、適合評価の結果を補正するための補正係数を格納する補正係数テーブルの一例を示す図である。図中、Tcemaxは環境評価区分に分類されている質問区分Ceの最大合計点を示している。補正係数値Rは1.00を最大に、合計点Tceの最大合計点Tcemaxに対する大きさに応じて最小0.85まで変化させている。適合評価区分に分類される質問に対する回答は、図12で例示したように、法令等を順守しないことを示す回答の場合に評価点が付与されてコンプライアンスの達成度を低くすることから、補正係数値Rは低く評価されたコンプライアンスの達成度を上げる方向に作用する。以下、その理由を説明する。
評価点テーブル160は、質問番号を格納する質問番号欄161と、質問番号に対する質問内容を格納する質問内容欄162と、質問内容に対して予め用意されている回答の内容等を格納する選択肢欄163,164,165を有している。さらに選択肢欄163,164,165は、それぞれ回答内容を格納する回答内容欄1631,1641,1651と、回答内容に対する評価点を格納する評価点欄1632,1642,1652を有している。評価点テーブル160では、例えば質問番号1の「人事考課以外に、上司と部下の定期的な面談は行っていますか?」という質問に対する回答が、「はい」という上司(企業側の管理職)と部下(従業員)との人間関係を肯定する回答に対して評価点「1」を付与し、逆に「いいえ」という人間関係を肯定しない回答に対して評価点「0」を付与している。例えば質問番号4の「その(休職の)原因は業務によるメンタル不調ですか?」という質問に対する回答が、「いいえ」という上司又は職場の同僚等との関係を否定しない回答に対して評価点「1」を付与し、逆に「はい」という上司や職場の同僚等と関係を肯定できない回答に対して評価点「0」を付与している。このように評価点テーブル160では、企業が従業員の健康に配慮し、それにかかわる人間関係も良好(否定されない)であるほど評価点が高くなるような設定がされている。
なお、コンプライアンス評価において順守しなければならない法令等を順守していない旨を示す回答がある(コンプライアンスを達成する上での社内規定等の仕組みに問題がある)場合は、たとえ環境評価の結果を考慮して適合評価区分の評価を良い方向に補正したとしても、順守していない事実は変わるものではない。コンプライアンスを達成する上で整えるべき社内規定等の仕組みについて評価したい旨ユーザーやシステム管理者が望んだりする場合は、環境評価の結果を用いた適合評価の結果について補正を行わないよう、ユーザーまたはシステム管理者のようなコンプライアンス評価システム10の操作者によって選択可能にしておけばよい。
図17は、コンプライアンスの達成度を評価するための評価テーブルの一例を示す図である。質問区分Caの合計点Tcaの最大値Tmaxは、質問区分Ca毎に決定される。この評価テーブルでは、合計点Tcaが当該質問区分Caの最大合計点Tmaxのどれだけの比率に相当するかによって、例えばレベル1/レベル2/…/レベル5という5段階の評語を用いて達成度を評価するようにしている。前述したように、各質問区分Caでの評価点あるいはその合計点が高いほどコンプライアンスの達成度は低くなり、コンプライアンス評価も低いものになるので、図17の評語ではレベルが高いほどコンプライアンスの達成度が低い旨評価していることになる。本実施の形態では、図17に例示する評価テーブルを共通に用いて質問区分Caそれぞれの合計点Tcaに対する評語を求めるようにしているが、質問区分Caによって異なる評価点テーブルを用いてもよい。同様に、適合評価区分に分類される質問区分Caそれぞれの合計点Tcaを全て合算して総合評価点Ttotを算出し、総合評価点Ttotについても図17に例示する評価テーブルを用いて標語を求めるものとしているが、総合評価点Ttotに対しては質問区分Cの合計点Tcaとは異なる評価テーブルを用いるようにしてもよい。
コメント生成部15がコメント出力処理を開始すると(S400)、区分コンプライアンス評価を行う質問区分Cが選択される(S401)。そしてコメント生成部15は、選択された質問区分Cに分類されている質問に対応した回答を、質問番号1の回答(S402)から回答DB16より順次読み出すことで、質問区分Cの質問番号q(ここではq=1)に対応する回答Aqを取得する。そしてコメント生成部15は、取得した回答Aqを用いてコメントDB4を参照し、当該回答Aqに付与されているコメントMqがあれば、コメントDB4から読み出す(S403)。さらにコメントDB4から読み出し抽出したコメントMqは、当該質問区分Cに関するコメント全てをまとめて出力できるよう、出力コメントMoに追加される(S404)。
コメント生成部15は、コメントDB4を参照して現在処理中の質問区分Cに分類されている全ての質問についてコメントがあるかどうかの確認を行い(S405)、未確認の回答Aqがある場合(S405:NO)は質問番号qを更新して(S406)S403に戻り、更新された質問番号q(直前に処理した質問番号に1を加算することで更新)に対応する回答Aqを読み出して評価する処理を継続する。全ての質問について確認している場合(S405:YES)、出力コメントMoを当該質問区分に関するコメントとして出力する。質問区分Cに関するコメントを出力したコメント生成部15は、全ての質問区分Cの回答についてコメント有無の確認を終えたかどうかの確認を行い(S408)、未評価の質問区分Cがある場合(S408:NO)はS401に戻り、コメント生成部15は未評価の質問区分Cを選択してS402以下の処理を継続する。全ての質問区分Cの回答を評価し終えると(S408:YES)、コメント出力処理を終了する(S409)。
図15は、コンプライアンス評価の結果を示す結果報告書を表示する表示画面150の一例を示す図である。表示画面150には、総合コンプライアンス評価の結果を示す総合評価結果表示欄151と、質問区分C毎の評価結果(区分コンプライアンス評価の結果)を示す評価結果表示欄152,154と質問区分C毎の評価結果に対するコメントを表示するコメント表示欄153,155を有している。総合評価結果表示欄151および評価結果表示欄152,154には、評価点(の合計値)1511,1521,1541と評価点に応じた評語1512,1522,1542が含まれている。そしてコンプライアンス評価の結果を閲覧するユーザーの便宜を図るために、標語の意味を説明する説明欄156を有している。さらに当該評価結果をプリンタ装置等へ送信して印刷するための印刷ボタン157を有している。ここで、コメント表示欄155を参照すると、「みなし労働時間制」という質問区分Cに関する回答により、「電話やメール等で指示を受けながら業務を行っている」旨のコメントと「業務に上司が同行している」旨のコメントがコメントDB4から抽出され、これらのコメントはまとめられ、当該質問区分Cに対応付けて出力されていることが示されている。つまり、評価結果表示欄152,154やコメント表示欄153,155のように、コンプライアンス評価の結果を質問区分C毎に分けて出力するようにしたので、ユーザーにとってはどの社内規定等の仕組みにコンプライアンスの達成度を高くする上で問題があるのか、コンプライアンスの達成度を向上するために講じるべき対策が分かりやすく提示されていることになる。
図15では明示していないが、総合コンプライアンス評価に対するコメント、例えばコンプライアンスの達成度を向上させる上で優先して改善に取り組むべき評価観点(質問区分C)に関連する社内規定等を総合評価点や標語とともに出力するようにしてもよい。
判例を基準にして評価点を算出するに際し、判例により確定した損害賠償金額や懲役期間を用いることも考えられるが、損害賠償金額の場合は原告と被告との力関係や判決確定前の和解交渉によって変動する可能性があり、懲役期間の場合はコンプライアンス評価で問題とする法令等とは別の法令(刑法)によるものであることから、本実施の形態で説明したように、判例の数を用いるものを好適であるとした。
〔A〕 企業が定めた社内規定と前記企業が順守すべき法令等との適合度を評価するための質問に対する回答を予め定めた評価基準と照合することで求めた評価点を用いてコンプライアンスの達成度を評価する評価手段と、
前記質問を複数の評価観点により複数の区分のいずれかに分類する質問区分毎に、前記評価手段が評価した評価結果を分けて出力する出力手段と、
を備えることを特徴とするコンプライアンス評価装置。
〔B〕 前記出力手段が出力する評価結果が、前記評価点を用いた評価結果と前記回答に関連して予め定められたコメント情報とからなることを特徴とする〔A〕に記載のコンプライアンス評価装置。
〔A〕に記載の発明によれば、コンプライアンス評価の結果が質問区分毎に分けられて出力される。
〔B〕に記載の発明によれば、コンプライアンス評価のための質問に対する評価点とコメントが合わせて出力されるようになる。
2…ユーザー端末
3…質問DB
4…コメントDB
5…評価点DB
6…無線通信回線
7…クラウド
10…コンプライアンス評価システム
11…通信制御部
12…質問生成部
14…回答収集部
15…コメント生成部
請求項2の発明は、前記回答評価手段は、前記第1の回答に関連する判例の数が増加した場合に、前記第1の評価基準を変更することを特徴とする請求項1に記載のコンプライアンス評価装置である。
請求項3の発明は、前記回答評価手段は、操作者の選択操作に応じて前記第2の評価点に応じた前記第1の評価点の補正を行うかどうかを決定することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンプライアンス評価装置である。
請求項4の発明は、コンピュータを、企業が定めた社内規定と前記企業が順守すべきコンプライアンスの対象となる規則との適合度を評価するための第1の質問に対する第1の回答と、企業活動が遂行される環境を評価するための第2の質問に対する第2の回答と、を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記第1の回答と前記第2の回答を予め定めた第1の評価基準と第2の評価基準とでそれぞれ照合し、第1の回答に対する第1の評価点と第2の回答に対する第2の評価点をそれぞれ求め、前記第2の評価点に応じて前記第1の評価点を補正する回答評価手段と、少なくとも前記第1の回答に関連するコメント情報を前記第1の回答を用いて抽出する抽出手段と、前記回答評価手段により補正された補正後の前記第1の評価点を用いてコンプライアンスの達成度を評価したコンプライアンス評価の結果と、前記抽出手段により抽出された前記コメント情報と、を出力する出力手段と、として機能させるためのコンプライアンス評価プログラムであって、前記回答評価手段は、前記第1の回答に関連する法令の数と、より上位の裁判所が主管した判例ほど評価点が大きくなるように重み付けした判例の数を用いて前記第1の評価基準を定めることを特徴とするコンプライアンス評価プログラムである。
請求項2のコンプライアンス評価装置によれば、判例の数が増加したことによってコンプライアンス評価の評価基準が変えられる。
請求項3のコンプライアンス評価装置によれば、操作者の選択によってコンプライアンス評価の方法が変えられる。
請求項4のコンプライアンス評価プログラムによれば、単に法令等への適合度に基づいてコンプライアンス評価を行う場合に比して、実質的なコンプライアンス評価が行われるようになり、法令の数と判例の数を用いてコンプライアンス評価が行われるようになる。
Claims (5)
- 企業が定めた社内規定と前記企業が順守すべき法令等との適合度を評価するための第1の質問に対する第1の回答と、企業活動が遂行される環境を評価するための第2の質問に対する第2の回答と、を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記第1の回答と前記第2の回答を予め定めた第1の評価基準と第2の評価基準とでそれぞれ照合し、第1の回答に対する第1の評価点と第2の回答に対する第2の評価点をそれぞれ求め、前記第2の評価点に応じて前記第1の評価点を補正する回答評価手段と、
少なくとも前記第1の回答に関連するコメント情報を前記第1の回答を用いて抽出する抽出手段と、
前記回答評価手段により補正された補正後の前記第1の評価点を用いてコンプライアンスの達成度を評価したコンプライアンス評価の結果と、前記抽出手段により抽出された前記コメント情報と、を出力する出力手段と、
を備えたコンプライアンス評価装置。
- 前記回答評価手段は、前記第1の回答に関連する法令の数と判例の数を用いて前記第1の評価基準を定めることを特徴とする請求項1に記載のコンプライアンス評価装置。
- 前記回答評価手段は、前記第1の回答に関連する判例の数が増加した場合に、前記第1の評価基準を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンプライアンス評価装置。
- 前記回答評価手段は、操作者の選択操作に応じて前記第2の評価点に応じた前記第1の評価点の補正を行うかどうかを決定することを特徴とする請求項1乃至3に記載のコンプライアンス評価装置。
- コンピュータを、
企業が定めた社内規定と前記企業が順守すべき法令等との適合度を評価するための第1の質問に対する第1の回答と、企業活動が遂行される環境を評価するための第2の質問に対する第2の回答と、を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記第1の回答と前記第2の回答を予め定めた第1の評価基準と第2の評価基準とでそれぞれ照合し、第1の回答に対する第1の評価点と第2の回答に対する第2の評価点をそれぞれ求め、前記第2の評価点に応じて前記第1の評価点を補正する回答評価手段と、
少なくとも前記第1の回答に関連するコメント情報を前記第1の回答を用いて抽出する抽出手段と、
前記回答評価手段により補正された補正後の前記第1の評価点を用いてコンプライアンスの達成度を評価したコンプライアンス評価の結果と、前記抽出手段により抽出された前記コメント情報と、を出力する出力手段と、
として機能させるためのコンプライアンス評価プログラム。
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