JP4660757B2 - 流動床炉及びその焼却方法 - Google Patents

流動床炉及びその焼却方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4660757B2
JP4660757B2 JP2005097321A JP2005097321A JP4660757B2 JP 4660757 B2 JP4660757 B2 JP 4660757B2 JP 2005097321 A JP2005097321 A JP 2005097321A JP 2005097321 A JP2005097321 A JP 2005097321A JP 4660757 B2 JP4660757 B2 JP 4660757B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluidized bed
bed furnace
fluidized
hearth
cooling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005097321A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005315565A (ja
Inventor
美洋 岡田
匠 山田
孝之 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Eco Systems Co Ltd
Original Assignee
Dowa Eco Systems Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Eco Systems Co Ltd filed Critical Dowa Eco Systems Co Ltd
Priority to JP2005097321A priority Critical patent/JP4660757B2/ja
Publication of JP2005315565A publication Critical patent/JP2005315565A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4660757B2 publication Critical patent/JP4660757B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fluidized-Bed Combustion And Resonant Combustion (AREA)

Description

本発明は,廃棄物などを焼却処理する流動床炉とその焼却方法に関する。
廃棄物などを焼却処理する焼却炉の一つとして,炉床の下方から流動床炉内にガスを吹込むことにより,流動床炉内において廃棄物などの原料を流動砂(流動媒体)によって攪拌させながら焼却処理を行う流動床炉が知られている。この流動床炉に投入された焼却原料は,流動砂が流動化している流動床炉内下部の流動層において,約600〜800℃程度の高温の流動砂と混合されて熱分解及び焼却され,投入とほぼ同時に熱分解された可燃ガスは,更にフリーボード(上部燃焼室)へ一気に放出されて燃焼させられる。
最近,かような流動床炉を,廃棄自動車を粉砕したシュレッダーダスト(ASR:Automobile Shredder Residue)の焼却処理に適用することが検討されている。しかしシュレッダーダストといっても,その成分には,金属,ガラス等の無機物,プラスチック,ウレタン,油などの有機物が混在し,カロリーはまちまちである。このシュレッダーダストのような焼却原料を流動床炉で焼却する場合,流動床炉内下方の流動層で流動化している流動砂やフリーボードの温度が焼却原料のカロリーによって変動し,安定した燃焼処理ができなくなることが懸念される。このため,特公平2−52168号公報に示されるように,発生熱量の減少に応じて炉床から吹き込むガスの風量と流動砂の粒径を小さくする方法が知られている。
特公平2−52168号公報
しかしながら,流動砂の粒径を変えるためには,流動砂の粒径を所望の大きさに揃えるための分級操作などが必要になり,状況に応じた迅速な対応ができない問題があり,焼却原料のカロリーが経時的に変動する場合,安定した燃焼処理ができなくなるおそれがある。
従って本発明の目的は,カロリーが経時的に変動するような焼却原料であっても安定して焼却処理できる流動床炉とその焼却方法を提供することにある。
本発明によれば,流動媒体を流動化させるためのガスの吹込み部が炉床の下方全体に形成された流動床炉であって,前記炉床を傾斜させて設け,前記流動床炉内において流動化された流動媒体に接して流動媒体を冷却する冷却部材を,前記流動床炉内に配置し,前記冷却部材は,冷媒を通す冷却管であり,前記冷却管を,上から見た状態において,炉床の傾斜する方向に沿って直線状に配置するように,前記炉床の低所側の上方において流動床炉内に挿入し,前記流動床炉内における冷却管の突出長さを可変にし,前記吹込み部から流動床炉内に吹き込むガスの速度を可変にし,前記吹込み部を,炉床の傾斜する方向および傾斜する方向と交差する幅方向に沿ってそれぞれ複数に分割して設け,前記幅方向において,中央部分におけるガスの吹込み速度と,両端部分におけるガスの吹込み速度を,それぞれ独立して可変に構成し,前記傾斜する方向において,前記吹込み部から流動床炉内に吹き込むガスの酸素量を,少なくとも2つに分けてそれぞれ独立して可変に構成し,前記流動媒体を前記流動床炉外に取り出す取出し口が,前記炉床の低所側と連通する前記流動床炉の後面に開口していることを特徴とする,流動床炉が提供される。流動媒体は,無機粒状物であり,例えば珪砂(流動砂)である。
前記冷却管を複数組合わせるか,前記冷却管を複数回折り曲げることにより,平板状の冷却部材を構成しても良い。その場合,前記平板状の冷却部材を,その平面が垂直となり,かつ,流動床炉の横断面において上から見た状態で,炉床の傾斜する方向に沿って各冷却部材が直線状に延びるように,複数の冷却部材を互いに平行に配置し,各冷却部材同士の間に,炉床の傾斜する方向に沿って直線状に延びる平行な隙間をそれぞれ形成させたことが好ましい。また,前記平板状の冷却部材を多段に配置しても良い。その場合,前記多段の冷却部材を同一平面状となるように配置することが好ましい。
また,前記吹込み部に,空気と流動床炉から排気された排ガスの混合ガスを供給する供給経路を接続し,前記供給経路から吹込み部に供給される混合ガスにおける,空気と排ガスの混合比を可変に構成しても良い。
また本発明によれば,炉床の下方全体から流動床炉内にガスを吹込むことにより,流動床炉内で流動媒体を流動化させ,流動床炉内に投入したシュレッダーダストを流動化した流動媒体により攪拌させながら焼却する方法であって,前記炉床を傾斜させて設け,前記流動床炉内において流動化された流動媒体に接して流動媒体を冷却する冷却部材を,前記流動床炉内に配置し,前記流動媒体を前記流動床炉外に取り出す取出し口を,前記炉床の低所側と連通する前記流動床炉の後面に開口させ,前記冷却部材は,前記流動床炉内における突出長さを可変にし,前記炉床から流動床炉内に吹き込むガスの速度を変えることにより,冷却部材に接する流動媒体の量を変えて,流動媒体の温度を制御し,前記炉床の傾斜する方向と交差する幅方向での比較において,炉床の中央部分ではガスの吹込み速度を比較的小さくし,炉床の両端部分ではガスの吹込み速度を比較的大きくすることを特徴とする,流動床炉の焼却方法が提供される。
前記炉床から流動床炉内に吹き込むガスとして,空気と流動床炉から排気された排ガスとの混合ガスを用い,前記炉床から流動床炉内に吹き込むガスの速度またはガスの吹込み速度及び流量を変えるにあたり,前記炉床から流動床炉内に吹き込む混合ガスにおける,空気と排ガスの混合比を,前記傾斜する方向において少なくとも2つに分けて,それぞれ独立して変更しても良い。
本発明によれば,例えば焼却原料のカロリーが高い場合は,炉床から流動床炉内に吹込むガスの速度を速くする。これにより,流動媒体は高い位置まで吹上げられ,流動媒体が流動化している流動層の高さが高くなって,冷却部材に接する流動媒体の量が増え,流動媒体の冷却量が増えることになる。一方,例えば焼却原料のカロリーが低い場合は,炉床から流動床炉内に吹込むガスの速度を遅くする。これにより,流動媒体は低い位置までしか吹上げられなくなり,流動媒体が流動化している流動層の高さも低くなって,冷却部材に接する流動媒体の量が減り,流動媒体の冷却量が減ることになる。このように本発明によれば,炉床から流動床炉内に吹き込むガスの速度を変えることにより,冷却部材に接する流動媒体の量を変えて,流動媒体の冷却量を増減させ,流動媒体の温度を制御することができるようになる。これにより,流動層で流動化している流動媒体を所望の温度に制御でき,安定した燃焼処理ができるようになる。一方,ガス量及び速度を可変とすることで,床全体での流動層の流れが均質化される。
本発明によれば,炉床から流動床炉内に吹き込むガスの速度を変えることによって,焼却原料のカロリーの変動に対応できるので,状況に応じた迅速な対応が可能である。このため,シュレッダーダストのような焼却原料についても安定した燃焼処理ができるようになる。
以下,本発明の好ましい実施の形態を,図面を参照にして説明する。図1は,本発明の実施の形態にかかる流動床炉1の説明図である。この実施の形態の流動床炉1は,略長方形状の横断面形状を有している。
流動床炉1の炉床10は,流動床炉1の前面11から後面12に向って次第に低くなるように傾斜して設けられている。後述するように,この炉床10の上方に媒体としての流動砂aと,焼却原料bが供給される。
炉床10の下方には,複数に分割された各吹込み部15が形成されている。図2に示すように,この実施の形態では,各吹込み部15は,炉床10の傾斜する方向(即ち,流動床炉1の前面11から後面12に向かう方向)に沿って4つに分割されて配置されると共に,炉床10の傾斜する方向と交差する幅方向(即ち,流動床炉1の前面11及び後面12と平行な方向)に沿って3つに分割されて配置されることにより,合計で,傾斜方向に4×幅方向に3=12に分割された各吹込み部15が,炉床10の下方全体に取り付けられている。これにより,後述するように,各吹込み部15から炉床10を介して流動床炉1内にガスを吹込むことによって,流動床炉1内において流動砂を吹き上げて流動化させ,流動床炉内1の下部に流動層cを形成させるようになっている。
流動床炉1の前面11には,流動砂aと焼却原料bを流動床炉1内に投入する投入口16が,炉床10の高所側の上方となる位置に開口している。この投入口16には,流動砂aと焼却原料bの通路17が接続してあり,ホッパー18に投入された流動砂aと焼却原料bが,ブレンダ19で混合されてから,給塵装置20の稼動によって,所定の供給容量で,通路17及び投入口16を介して,流動床炉1内に連続的に供給される。
図3に示すように,投入口16は,炉床10の高所側の上方となる位置において流動床炉1の前面11のほぼ中央に配置される中央の投入口16aと,流動床炉1の前面11においてこの投入口16aの両側に配置される両側の投入口16b,16bからなっている。これら投入口16a及び投入口16b,16bのそれぞれに給塵装置20及び通路17が接続してあり,各給塵装置20の稼動を制御することによって,流動床炉1の前面11のほぼ中央の投入口16aから流動床炉1内に供給される流動砂aと焼却原料bの供給量と,流動床炉1の前面11において投入口16aの両側に配置される投入口16b,16bから流動床炉1内に供給される流動砂aと焼却原料bの供給量をそれぞれ任意に設定できるようになっている。
図1に示すように,流動床炉1の後面12の最下部には,焼却後に残った不燃物を流動砂aと共に流動床炉1外に取り出す取出し口21が,炉床10の低所側と連通する位置に開口している。この取出し口21には,流動砂aの通路22が接続してあり,流動床炉1内から取出し口21を通って通路22に落下した流動砂aが,排出装置23,砂コンベア24やスクリュー,気流搬送機(いずれも図示せず)の稼動によって,再びホッパー18に戻されるようになっている。
流動床炉1の後面12において取出し口21よりも上方となる位置には,流動砂aを冷却する冷却部材としての冷却管25が所定の高さにほぼ水平に配置してある。冷却管25は,例えばU字形状に折り曲げられた金属パイプなどで構成されており,その内部に水などの冷媒を通すようになっている。
冷却管25は,流動床炉内1の下部に形成される流動層cに冷却管25の一部もしくは全部が埋る高さに配置されており,これによって,冷却管25の表面に,流動床炉1内において流動化された流動砂aが接するようになっている。そして,冷却管25の内部に通水された冷媒と,冷却管25の表面に接した流動砂aが,冷却管25の内外面を介して熱交換し,これによって流動砂aが冷却されるようになっている。
図4に示すように,流動床炉1の後面12には,取出し口21よりも上方となる位置において上下に対をなす貫通孔26,26が形成されている。冷却管25は,この貫通孔26,26を通して流動床炉1内に挿入されている。そして,この貫通孔26,26内を摺動させて冷却管25を後面12に対して前後方向(図4において左右方向)に移動させることにより,流動床炉1内における冷却管25の突出長さを変えられるようになっている。
図4において,一点鎖線で示した冷却管25’は,冷却管25を流動床炉1の外側に引出すことにより,実線で示した冷却管25よりも流動床炉1内における突出長さを短くした状態を示している。また,二点鎖線で示した冷却管25”は,冷却管25を流動床炉1の内部に押し入れることにより,実線で示した冷却管25よりも流動床炉1内における突出長さを長くした状態を示している。このように流動床炉1内における冷却管25の突出長さを変えることにより,流動層cに埋められる冷却管25の有効長さが変り,流動床炉1内において流動化された流動砂aとの接触面積が変更されるようになっている。
図5に示すように,流動床炉1の後面12から複数本の(図5に示す例では4本の)冷却管25が横に並んで平行に突出するように配置されている。前述のように流動床炉1の炉床10は流動床炉1の前面11から後面12に向って次第に低くなるように傾斜して設けられているが,流動床炉1の断面において上から見た状態では,図5に示すように,これら複数本の冷却管25は,炉床10の傾斜する方向に沿ってそれぞれ直線状に延びるように互いに平行に配置されている。これにより,各冷却管25同士の間には,炉床10の傾斜する方向に沿って直線状に延びる平行な隙間27がそれぞれ形成されている。
図1に示すように,流動床炉1の上方はフリーボード(上部燃焼室)28となっており,流動床炉1の後面12の上方には,このフリーボード28に向って空気を吹き込む給気経路29が接続してある。なお給気経路29は,流動床炉1の後面12の複数箇所に開口している。このフリーボード28では,後述するように流動床炉1内に投入された焼却原料bから熱分解で生じた可燃性ガスが,所定の温度条件下(例えば800℃)で,所定時間(例えば2秒間)燃焼処理される。
流動床炉1の上面には,焼却によって発生した排ガスを流動床炉1外に排気させる排気経路30が接続してある。この排気経路30はバグフィルタ31に接続されており,バグフィルタ31で塵埃を捕捉した後,排ガスが外部に排気されるようになっている。また,バグフィルタ31で塵埃を捕捉された排ガスの一部は,戻し経路32を通って,給気経路33から供給された空気と混合され,こうして空気と排ガスとの混合ガスが,供給経路34から,前述の各吹込み部15に供給される。
図2に示すように,供給経路34は,各吹込み部15ごとに接続されている。流動床炉から排気された排ガスを供給する戻し経路32と空気を供給する給気経路33が2つの混合チャンバ40a,40bに接続してあり,これら混合チャンバ40a,40b内において排ガスと空気が混合され,その混合ガスが各供給経路34から各吹込み部15にそれぞれ供給されている。一方の混合チャンバ40aでは,炉床10の傾斜する方向において高所側となる位置に配置された半分の各吹込み部15(炉床10の高所側において幅方向に2列に並んで配置された6つの各吹込み部15)に供給される混合ガスが作られるようになっている。また他方の混合チャンバ40bでは,炉床10の傾斜する方向において低所側となる位置に配置された半分の各吹込み部15(炉床10の低所側において幅方向に2列に並んで配置された6つの各吹込み部15)に供給される混合ガスが作られるようになっている。戻し経路32には,混合チャンバ40a,40b内に供給する排ガスの供給量を調整する排ガス流量調整弁41が,各混合チャンバ40a,40bごとにそれぞれ装着され,同様に,給気経路33には,混合チャンバ40a,40b内に供給する空気の供給量を調整する空気流量調整弁42が,各混合チャンバ40a,40bごとにそれぞれ装着されている。そして,排ガス流量調整弁41と空気流量調整弁42を調整することによって,各混合チャンバ40a,40b内で作られる混合ガスにおける空気と排ガスの混合比がそれぞれ独立して可変に構成されている。流動床炉1の焼却によって発生した排ガスは焼却で酸素が消費されたことによって酸素濃度が空気よりも低くなっているので,このように各混合チャンバ40a,40b内で混合ガスを作る際に,空気と排ガスの混合比を変えることにより,各混合チャンバ40a,40bにおいて,混合ガス中の酸素量(即ち,ガスの酸素濃度)をそれぞれ任意に制御することが可能である。
また各供給経路34にも,各吹込み部15に供給する混合ガスの供給量を調整する混合ガス流量調整弁43がそれぞれ装着されている。これら混合ガス流量調整弁43を調整することによって,各吹込み部15に供給される混合ガスの流量がそれぞれ可変に構成されている。これにより,例えば各吹込み部15からのガスの吹込み速度をいずれも増やすことによって,流動床炉1内において流動砂を高い位置まで吹き上げて流動化させ,流動床炉内1の下部に高い流動層cを形成させることが可能であり,またその逆に,例えば各吹込み部15からのガスの吹込み速度をいずれも減らすことによって,流動床炉1内において流動砂を低い位置まで吹き上げて流動化させ,流動床炉内1の下部に低い流動層cを形成させることも可能である。このように,流動床炉内1の下部に形成される流動層cの高さを任意に変更できるようになっている。
また,前述のように,各吹込み部15は,炉床10の傾斜する方向と交差する幅方向に沿って3つに分割してされて配置されるが,各吹込み部15に設けられている混合ガス流量調整弁43を調整することによって,例えば幅方向において,中央部分に配置される吹込み部15からのガスの吹込み量を相対的に少なくし,両端部分に配置される吹込み部15からのガスの吹込み量を相対的に多くするなど,任意に制御できるように構成されている。
以上のように構成された本発明の実施の形態にかかる流動床炉1において,ホッパー18に投入された流動砂aと焼却原料bをブレンダ19で混合し,給塵装置20の稼動によって所定の供給容量で通路17及び投入口16を介して,炉床10の高所側の上方となる位置から流動床炉1内に流動砂aと焼却原料bを連続的に供給する。この時,例えば流動床炉1の前面11のほぼ中央に配置された投入口16aから流動床炉1内に供給する流動砂aと焼却原料bの供給量を,投入口16aの両側に配置された投入口16b,16bから流動床炉1内に供給する流動砂aと焼却原料bの供給量よりも多くすることにより,炉床10の傾斜する方向と交差する幅方向において,流動床炉1内の中央には比較的多く流動砂aと焼却原料bを供給し,流動床炉1内の両側となる位置には比較的少なく流動砂aと焼却原料bを供給する。
このように流動砂aと一緒に流動床炉1内に供給される焼却原料bは,例えば廃棄自動車からリサイクル備品を取除いた残りを粉砕したシュレッダーダスト(ASR)である。このようなシュレッダーダストは,例えば廃棄自動車処理場などで粉砕され発生する。また,そのようなシュレッダーダストに,廃棄家電品の粉砕物などを混ぜたものを焼却原料bとしても良い。シュレッダーダストの如き焼却原料bは,無機物としてFe,Cu,Zn,Pb等の金属,ガラス等を含み,また,有機化合物として,ゴム,繊維くずやウレタンなどの軟質樹脂,塩ビなどの硬質プラスチック等を含む。また,シュレッダーダストの如き焼却原料bは大きさや形状はまちまちであるので,焼却を安定させるために,破砕機やローラーミルによる粉砕などの前処理し,廃棄物の最大の粒径を50mm以下としておくことが望ましい。また,振動ふるい機,風力選別機等による分級によって焼却原料中から微細に粉砕されたガラスを選択的に除去し,廃棄物の粒径のばらつきを小さくしておくことが望ましい。その他,磁選や渦電流選別,比重選別等によって,焼却原料中からFe,Cu,Alなどの金属成分を除去してから焼却することが望ましい。
そして,このように流動床炉1内に流動砂aと焼却原料bを連続的に供給する一方で,流動床炉1の炉床10の下方に形成された各吹込み部15から,空気と流動床炉1から排気された排ガスの混合ガスを流動床炉1内に上向きに吹込み,流動床炉1内において流動砂aを吹き上げて流動化させる。これにより,投入口16から流動砂aと一緒に流動床炉1内に投入した焼却原料bを,流動化した流動砂aにより攪拌させながら焼却する。
流動床炉1の後面12からは,冷却管25が流動床炉1内に挿入されており,このように混合ガスの吹込みによって流動砂aを流動化させることにより流動床炉1の下部に形成された流動層cには,冷却管25の一部もしくは全部が埋って配置されることとなる。これにより,流動砂aが冷却管25の表面に接触し,冷却管25の内部に通水された冷媒により流動砂aが冷却される。
この場合,例えば流動床炉1内に投入された焼却原料bのカロリーが高い場合は,各吹込み部15に装着されている混合ガス流量調整弁43を調整することによって,各吹込み部15から炉床10を通して流動床炉1内に吹込むガスの速度を速くする。これにより,流動砂aは高い位置まで吹上げられ,流動砂aが流動化している流動層cの高さが高くなって,冷却管25に接する流動砂aの量が増え,流動砂aの冷却量が増えることになる。これにより,焼却原料bのカロリーが高い場合であっても,流動層cの温度(流動砂aの温度)が過度に高くなることが防止され,安定した燃焼処理ができるようになる。
また一方,例えば流動床炉1内に投入された焼却原料bのカロリーが低い場合は,各吹込み部15に装着されている混合ガス流量調整弁43を調整することによって,各吹込み部15から炉床10を通して流動床炉1内に吹込むガスの速度を遅くする。これにより,流動砂aは低い位置までしか吹上げられなくなり,流動砂aが流動化している流動層cの高さも低くなって,冷却管25に接する流動砂aの量が減り,流動砂aの冷却量が減ることになる。これにより,焼却原料bのカロリーが低い場合は,流動層cの温度(流動砂aの温度)が過度に低くなることが防止され,同様に安定した燃焼処理ができるようになる。なお,流動砂aの温度と流動砂aの粘性には相関関係があるので,このように流動砂aの冷却量を増減することにより,流動砂aの流動性も制御できるようになる。
更に,前述したように流動床炉1内における冷却管25の突出長さも変えられるため,その突出量を変えることによって,冷却管25による流動砂aに対する冷却能力も調整できる。即ち,図4中の一点鎖線で示した冷却管25’のように,流動床炉1内における突出長さを短くした状態では,流動層cの高さが同じでも,流動砂aに対する冷却管25の接触面積が小さくなるので,必然的に流動砂aに対する冷却能力も小さくなる。一方,図4中の二点鎖線で示した冷却管25”のように,流動床炉1内における突出長さを長くした状態では,流動層cの高さが同じでも,流動砂aに対する冷却管25の接触面積が大きくなるので,必然的に流動砂aに対する冷却能力も高くなる。このように,炉床10から流動床炉1内に吹込むガスの速度と流動床炉1内における冷却管25の突出長さの両方によって,流動層cの温度(流動砂aの温度)を所望の温度に制御することが可能である。
そして,各吹込み部15に装着されている混合ガス流量調整弁43を調整して,炉床10から流動床炉1内に吹き込むガスの速度を変えることにより,冷却管25に接する流動砂aの量を変えて,流動砂aの冷却量を増減し,流動砂aの温度を制御することができる。これにより,流動層cで流動化している流動砂aを所望の温度に制御でき,焼却原料bのカロリーの変動に影響されずに安定した燃焼処理ができるようになる。また,各吹込み部15に装着されている混合ガス流量調整弁43を調整して,炉床10から流動床炉1内に吹き込むガスの速度を容易に変えることができるので,燃焼処理中でも流動砂aの温度を迅速に制御できる。このため,焼却原料bのカロリーの変動に容易に対応できるので,状況に応じた迅速な対応が可能である。このため,シュレッダーダストのような焼却原料bについても安定した燃焼処理ができ,焼却後の残渣を低減し,COを少なくすることができる。
なお,このように焼却原料bのカロリーの変動に対応して炉床10から流動床炉1内に吹き込むガスの速度を変える場合,流動床炉1内に吹き込むガスである空気と流動床炉1から排気された排ガスとの混合ガスにおいて,空気と排ガスの混合比を変更することによって,流動床炉1内の酸素量も任意に制御することが可能である。即ち,排ガス流量調整弁41と空気流量調整弁42を調整することによって,混合チャンバ40a,40bで作られる混合ガスにおいて,排ガスの混合比を高くすれば(空気の混合比を低くすれば),各吹込み部15から炉床10を通じて流動床炉1内に,排ガスを多く含む混合ガス(即ち,空気を少なく含むことにより,酸素量の少ない状態の混合ガス)を流動床炉1内に吹込むことができるようになる。また逆に,排ガス流量調整弁41と空気流量調整弁42を調整することによって,混合チャンバ40a,40bで作られる混合ガスにおいて,排ガスの混合比を低くすれば(空気の混合比を高くすれば),各吹込み部15から炉床10を通じて流動床炉1内に,空気を多く含む混合ガス(即ち,空気を多く含むことにより,酸素量の多い状態の混合ガス)を流動床炉1内に吹込むことができるようになる。また例えば,一方の混合チャンバ40aについては,排ガス流量調整弁41と空気流量調整弁42を調整することによって,排ガスの混合比を高くし(空気の混合比を低くし),炉床10の傾斜する方向において高所側となる位置に配置された半分の各吹込み部15(炉床10の高所側において幅方向に2列に並んで配置された6つの各吹込み部15)からは,排ガスを多く含む混合ガス(即ち,空気を少なく含むことにより,酸素量の少ない状態の混合ガス)を流動床炉1内に吹込む。また,他方の混合チャンバ40bについては,排ガス流量調整弁41と空気流量調整弁42を調整することによって,排ガスの混合比を低くし(空気の混合比を高くし),炉床10の傾斜する方向において低所側となる位置に配置された半分の各吹込み部15(炉床10の低所側において幅方向に2列に並んで配置された6つの各吹込み部15)からは,空気を多く含む混合ガス(即ち,空気を多く含むことにより,酸素量の多い状態の混合ガス)を流動床炉1内に吹込む。こうすることにより,流動床炉1内において,投入口16近傍の酸素濃度を相対的に低くすることができる。これにより,シュレーダーダストのようなプラスチックなどを多く含む焼却原料bを処理する場合であれば,投入口16の近傍の酸素量を低くすることにより,流動床炉1内に投入された直後において,焼却原料bを低酸素雰囲気で熱分解させ,可燃性ガスとしてフリーボード25(上部燃焼室)へ放出させることができるようになる。また,排気ガスを混合したガスを流動床炉1内に吹込んで空気量をなるべく少なくすることにより,NOxの発生も低減できる。
前述したように,粉砕などの前処理によって焼却原料bの大きさや形状を揃えておけば,流動床炉1内に焼却原料bを投入した際,焼却原料b中に含まれる有機化合物の粒径も揃っているため,その熱分解に要する時間のばらつきも少なく,焼却原料bを安定して可燃性ガスに熱分解させることができる。そして,投入口16の近傍箇所で熱分解させた後の焼却原料b(投入口16の近傍箇所で可燃性ガスとならなかった残りの焼却原料b)は,更に流動化した流動砂aにより攪拌させながら,流動床炉1下部の流動層cにおいて所望の酸素雰囲気で燃焼させることができる。また前述したように,粉砕などの前処理によって焼却原料bの大きさや形状を揃えておけば,熱分解させた後の焼却原料bを流動床炉1の下部に確実に到達させ,その間に燃焼させることができるため燃焼が安定する。予め前処理することによって焼却原料b中からガラスやFe,Cu,Alなどの金属成分を選択的に除去し,焼却原料bの粒径のばらつきを小さくしておくことにより,可燃物の割合が高められているので,焼却原料bの単位容量当たりの熱量も増量して高効率化がはかれる。加えて,焼却原料bの大きさが揃っていることと金属成分が低減されていることにより,銅が触媒となったダイオキシンの発生抑制,未回収金属の低減が図れる他,処理量の向上が図れる。また,ガラスや金属成分が低減されていることにより,設備の磨耗も低減される。
また,このように流動床炉1内において焼却原料bを焼却するに際し,各吹込み部15に装着されている混合ガス流量調整弁43を調整することによって,例えば,炉床10の傾斜する方向と交差する幅方向に沿って3つに分割して配置された各吹込み部15のうち,中央部分に配置される吹込み部15からのガスの吹込み速度を相対的に(両端部分に配置される吹込み部15からのガスの吹込み速度よりも)小さくし,両端部分に配置される吹込み部15からのガスの吹込み速度を相対的に(中央部分に配置される吹込み部15からのガスの吹込み速度よりも)速くする。これにより,図6に示すように,流動床炉1内において側壁面(流動床炉1の前面11及び後面12と直交する側壁面)の内側に沿って流動砂aを勢いよく吹上げて,焼却原料bを効果的に攪拌することができ,未燃物を含む可燃ガスの流れが流動床炉1内における側壁面付近に局所的に形成されることを抑制でき,クリンカの付着防止がはかれる。また,側壁面近傍に不燃物が溜まるのも防止できるようになる。
また前述したように,流動砂aと焼却原料bを予め混合して流動床炉1内に供給することにより,流動床炉1内の側壁面におけるクリンカの生成がよくせいされる。また,熱分解させた後の焼却原料bを流動床炉1の下部に確実に到達させ,フリーボード25に放出させないで燃焼させることができるため燃焼が安定する。
更に,流動砂aと焼却原料bを投入口16から流動床炉1内に供給する場合,例えば流動床炉1の前面11のほぼ中央に配置される中央の投入口16aからは相対的に多い供給量で(即ち,両側の投入口16b,16bから投入される流動砂aと焼却原料bよりも多い供給量で)流動砂aと焼却原料bを流動床炉1内に投入し,流動床炉1の前面11において投入口16aの両側に配置される両側の投入口16b,16bからは相対的に少ない供給量で(即ち,中央の投入口16aから投入される流動砂aと焼却原料bよりも少ない供給量で)流動砂aと焼却原料bを流動床炉1内に投入する。これにより,特に流動床炉1内の中央でより多くの焼却原料bを安定して可燃性ガスに熱分解させることができ,また,流動床炉1の側壁面付近に不燃物が溜まることも防止できる。
そして,焼却後に残った不燃物は,流動床炉1の後面12の最下部において炉床10の低所側と連通して開口している取出し口21から,流動砂aと共に流動床炉1外に取り出す。この場合,前述のように流動床炉1の後面12から横に並べて突出させた複数本の冷却管25を,炉床10の傾斜する方向に沿って直線状に延びるように配置していることにより,流動層cで燃焼できなかった不燃物は,各冷却管25同士の間に形成された隙間27によって,炉床10の傾斜する方向に沿って直線状にガイドされることになる。これにより,不燃物は,流動砂aと共に流動床炉1の後面12に形成された取出し口21に向って円滑に送られることになる。また,各冷却管25は,このように取出し口21に向って送られる流動砂aや不燃物の流れを邪魔しないので,冷却管25の磨耗も少なくなる。この場合,隙間27の間隔を変えることによって,流動砂aと共に炉床10の傾斜する方向に送られる不燃物の速度を調整することも可能である。なお,このように隙間27によってガイドされながら炉床10の傾斜する方向に送られる間に,流動砂aと不燃物が冷却されることになる。そして,こうして不燃物と一緒に取出し口21から取り出された流動砂aは,篩等によって不燃物を選別除去された後,排出装置23及び砂コンベア24,スクリューなどの稼動によって,再びホッパー18に戻される。
以上,本発明の好ましい実施の形態を説明したが,本発明は以上に例示した形態に限定されない。図示の形態では,炉床10の下方に形成された吹込み部15を,炉床10の傾斜する方向に沿って4つに分割し,炉床10の傾斜する方向と交差する幅方向に沿って3つに分割した例を示したが,吹込み部15は必ずしも分割しなくても良く,炉床10全体から同様の条件で流動床炉1内にガスを吹き込んでも良い。また,炉床10の傾斜する方向に沿って吹込み部15を2または3に分割して設けても良いし,5以上に分割して設けても良い。一方,炉床10の傾斜する方向と交差する幅方向にも,吹込み部15は必ずしも分割しなくても良いし,2または4以上に分割して設けても良い。
また,2つの混合チャンバ40a,40bを設けることによって,炉床10の傾斜する方向において高所側となる位置に配置された半分の各吹込み部15に供給される混合ガスと,炉床10の傾斜する方向において低所側となる位置に配置された半分の各吹込み部15に供給される混合ガスについて,空気と排ガスの混合比を2種類に調整できるように構成したが,混合チャンバを3つ以上設けることにより,空気と排ガスの混合比を3種類以上に調整できるように構成しても良い。また,戻し経路32から供給される排ガスの酸素濃度と,給気経路33から供給される空気の酸素濃度を測定し,燃焼状況にあわせて,各吹込み部15から炉床10内に吹き込む混合ガスの酸素濃度を決定しても良い。例えば流動床炉1内の下部(流動層)での燃焼温度を下げ,流動床炉1の上部のフリーボード25での燃焼温度を上げたい場合は,各吹込み部15から炉床10内に吹き込む混合ガスについては,排ガスの混合比を低くし(空気の混合比を高くし),排ガスを少なく含む混合ガス(即ち,空気を多く含むことにより,酸素量の多い状態の混合ガス)を炉床10から流動床炉1内に吹込み,また,給気経路26から流動床炉1上部のフリーボード25に吹き込む空気量を増加させると良い。一方,流動床炉1内の下部(流動層)での燃焼温度を上げ,流動床炉1の上部のフリーボード25での燃焼温度を下げたい場合は,各吹込み部15から炉床10内に吹き込む混合ガスについては,排ガスの混合比を高くし(空気の混合比を低くし),排ガスを多く含む混合ガス(即ち,空気を少なく含むことにより,酸素量の少ない状態の混合ガス)を炉床10から流動床炉1内に吹込み,また,給気経路26から流動床炉1上部のフリーボード25に吹き込む空気量を低減させると良い。
流動砂aを冷却する冷却部材は,図示の形態で説明した冷却管25に限られない。例えば図7に示すように,複数の大きさの異なる冷却管45,51,52,53,54を組合わせることにより,平板状の冷却部材55を構成しても良い。また例えば図8に示すように,冷却管60を複数回折り曲げることにより,平板状の冷却部材61を構成しても良い。このような平板状の冷却部材55,61を,その平面が垂直となり,かつ,流動床炉1の横断面において上から見た状態で,炉床10の傾斜する方向に沿って各冷却部材55,61が直線状に延びるように,複数の冷却部材55,61を互いに平行に配置し,各冷却部材55,61同士の間に,炉床10の傾斜する方向に沿って直線状に延びる平行な隙間をそれぞれ形成させることが好ましい。
また例えば図9に示すように,冷却管65を複数回折り曲げることにより,平板状の冷却部材66を構成するに際し,下部の冷却管65の折り曲げ間隔を短くすることにより,流動床炉1の後面12からの冷却管65の突出長さを下方ほど短くして,冷却部材66の下面を炉床10とほぼ並行に傾斜させても良い。そうすれば,冷却部材66をより低い位置に配置できるようになる。
また例えば冷却管あるいは冷却管によって構成される冷却部材を多段に配置しても良い。図10は,下方に図9で説明した冷却部材66を配置し,上方に図8で説明した冷却部材61を配置した例である。この場合,下方にある冷却部材66と上方にある冷却部材61が同一平面状となるように配置すると良い。このように複数の冷却部材を多段に配置して冷却部材を上下方向に広げれば,流動床炉1内に吹込むガスの速度で流動層cの高さを変えて冷却部材に対する流動砂aの接触面積を調節する際に,制御がしやすくなり,流動層cの温度(流動砂aの温度)を制御しやすいといった利点がある。また,冷却部材を上下方向に広げて配置することにより,流動砂aや流動層cで燃焼できなかった不燃物が炉床10の傾斜する方向に沿って円滑に流れるようになり,温度制御が容易になるとともに,炉内壁等へのクリンカ付着防止作用(燃焼性が向上したため)等の効果が得られる。また,冷却部材の面積を広げれば,熱容量が多くなり冷却能力も高くなる。なお,2段に限らず,冷却部材を1段,あるいは3段以上に配置して良いことはもちろんである。
いずれの場合も,先に図5で説明した場合と同様に,流動床炉1の後面12から複数枚の平板形状の冷却部材55,61を,流動床炉1の横断面において上から見た状態で,炉床10の傾斜する方向に沿って直線状に延びるように互いに平行に配置し,各冷却部材55,61同士の間に,炉床10の傾斜する方向に沿って直線状に延びる平行な隙間をそれぞれ形成させることが好ましい。そうすれば,流動層cで燃焼できなかった不燃物を,冷却部材55,61によって,炉床10の傾斜する方向に沿って直線状にガイドし,流動砂aと共に流動床炉1の後面12に形成された取出し口21に向って円滑に送ることができるようになる。なお,先に図5で説明した場合では,上から見た状態において,4本の冷却管25が平行に配置された例を示したが,冷却管の本数は任意であり,1本でも良いし,任意の複数本の冷却管を平行に配置しても良いことはもちろんである。いずれの場合も,複数の冷却管(あるいは冷却管によって構成される複数の冷却部材)を,上から見た状態において炉床10の傾斜する方向に沿ってそれぞれ直線状に延びるように互いに平行に配置することにより,流動層cで燃焼できなかった不燃物を,冷却管(あるいは冷却管によって構成される冷却部材)によって,炉床10の傾斜する方向に沿って直線状にガイドして円滑に送ることが可能となる。
また,流動床炉1の前面11に配置された投入口16を,中央の投入口16aとその両側の投入口16b,16bの3つで構成した例を示したが,投入口16は1箇所のみでも良いし,2または4以上に配置しても良い。なお,図示の形態で説明したように流動床炉1の前面11に複数の投入口16を横に並べて配置すれば,炉床10の幅方向に渡って流動砂aと焼却原料bを均一に供給しやすい。
また,ホッパー18に投入された流動砂aと焼却原料bをブレンダ19で混合して流動床炉1内に投入していたが,ブレンダ19を省略し,流動砂aと焼却原料bを混合せずに流動床炉1内に投入しても良い。また,ホッパー18を省略することもできる。更に,流動床炉1内には流動砂aと焼却原料bを一緒に投入しなくても良く,流動砂aと焼却原料bを別の箇所から流動床炉1内に供給しても良い。なお,流動砂aと焼却原料bを別の箇所から流動床炉1内に供給する場合は,流動砂aを焼却原料bよりも上方から供給すれば,焼却原料bを上から流動砂aで抑えることにより,熱分解させた後の焼却原料bを流動床炉1の下部に確実に到達させることができ,焼却原料bの飛散も防止できる。
また,排気経路30にボイラーなどを設置して,排ガスの熱を回収することも可能である。その場合,ボイラーを流動床炉1から排気される排ガスの出口において熱回収して排ガスを冷却し,その後,バグフィルタ31で塵埃を捕捉すると良い。
また,流動床炉1内に水分を供給することによって,焼却温度を調整することも可能である。その場合,流動床炉1内に水分を供給すると,流動床炉1内において高温となっている流動砂aを急激に冷却することにより,流動砂aを破損する心配があるので,これから流動床炉1内に供給する流動砂aもしくは焼却原料bに水分を含ませるようにすると良い。
本発明は,各種焼却原料を焼却処理する流動床炉に利用できる。
本発明の実施の形態にかかる流動床炉の説明図である。 吹込み部の斜視図である。 投入口を説明するための流動床炉の横断面図である。 流動床炉の後面から挿入されている冷却管の説明図である。 後面から流動床炉内に向って平行に突出するように横に並べて配置された複数本の冷却管を説明するための流動床炉の横断面図である。 炉床の幅方向の中央部分に配置される吹込み部からのガスの吹込み速度を小さくし,両端部分に配置される吹込み部からのガスの吹込み速度を大きくした状態の説明図である。 複数の大きさの異なる冷却管を組合わせることにより,平板状に構成した冷却部材の説明図である。 冷却管を複数回折り曲げることにより,平板状に構成した冷却部材の説明図である。 下面を炉床とほぼ並行に傾斜させて形成した冷却部材の説明図である。 冷却部材を多段に配置した実施の形態の説明図であり,下方に図9で説明した冷却部材を配置し,上方に図8で説明した冷却部材を配置した例である。
符号の説明
a 流動砂
b 焼却原料
c 流動層
1 流動床炉
10 炉床
15 吹込み部
16 投入口
18 ホッパー
21 取出し口
24 砂コンベア
25 冷却管
28 フリーボード
31 バグフィルタ
33 給気経路

Claims (8)

  1. 流動媒体を流動化させるためのガスの吹込み部が炉床の下方全体に形成された流動床炉であって,
    前記炉床を傾斜させて設け,
    前記流動床炉内において流動化された流動媒体に接して流動媒体を冷却する冷却部材を,前記流動床炉内に配置し,
    前記冷却部材は,冷媒を通す冷却管であり,前記冷却管を,上から見た状態において,炉床の傾斜する方向に沿って直線状に配置するように,前記炉床の低所側の上方において流動床炉内に挿入し,前記流動床炉内における冷却管の突出長さを可変にし,
    前記吹込み部から流動床炉内に吹き込むガスの速度を可変にし,
    前記吹込み部を,炉床の傾斜する方向および傾斜する方向と交差する幅方向に沿ってそれぞれ複数に分割して設け,前記幅方向において,中央部分におけるガスの吹込み速度と,両端部分におけるガスの吹込み速度を,それぞれ独立して可変に構成し,前記傾斜する方向において,前記吹込み部から流動床炉内に吹き込むガスの酸素量を,少なくとも2つに分けてそれぞれ独立して可変に構成し,
    前記流動媒体を前記流動床炉外に取り出す取出し口が,前記炉床の低所側と連通する前記流動床炉の後面に開口していることを特徴とする,流動床炉。
  2. 前記冷却管を複数組合わせるか,前記冷却管を複数回折り曲げることにより,平板状の冷却部材を構成したことを特徴とする,請求項1に記載の流動床炉。
  3. 前記平板状の冷却部材を,その平面が垂直となり,かつ,流動床炉の横断面において上から見た状態で,炉床の傾斜する方向に沿って各冷却部材が直線状に延びるように,複数の冷却部材を互いに平行に配置し,各冷却部材同士の間に,炉床の傾斜する方向に沿って直線状に延びる平行な隙間をそれぞれ形成させたことを特徴とする,請求項2に記載の流動床炉。
  4. 前記平板状の冷却部材を多段に配置したことを特徴とする,請求項2または3に記載の流動床炉。
  5. 前記多段の冷却部材を同一平面状となるように配置したことを特徴とする,請求項4に記載の流動床炉。
  6. 前記吹込み部に,空気と流動床炉から排気された排ガスの混合ガスを供給する供給経路を接続し,前記供給経路から吹込み部に供給される混合ガスにおける,空気と排ガスの混合比を可変に構成したことを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の流動床炉。
  7. 炉床の下方全体から流動床炉内にガスを吹込むことにより,流動床炉内で流動媒体を流動化させ,流動床炉内に投入したシュレッダーダストを流動化した流動媒体により攪拌させながら焼却する方法であって,
    前記炉床を傾斜させて設け,
    前記流動床炉内において流動化された流動媒体に接して流動媒体を冷却する冷却部材を,前記流動床炉内に配置し,
    前記流動媒体を前記流動床炉外に取り出す取出し口を,前記炉床の低所側と連通する前記流動床炉の後面に開口させ,
    前記冷却部材は,前記流動床炉内における突出長さを可変にし,
    前記炉床から流動床炉内に吹き込むガスの速度を変えることにより,冷却部材に接する流動媒体の量を変えて,流動媒体の温度を制御し,
    前記炉床の傾斜する方向と交差する幅方向での比較において,炉床の中央部分ではガスの吹込み速度を比較的小さくし,炉床の両端部分ではガスの吹込み速度を比較的大きくすることを特徴とする,流動床炉の焼却方法。
  8. 前記炉床から流動床炉内に吹き込むガスとして,空気と流動床炉から排気された排ガスとの混合ガスを用い,前記炉床から流動床炉内に吹き込むガスの速度を変えるにあたり,前記炉床から流動床炉内に吹き込む混合ガスにおける,空気と排ガスの混合比を,前記傾斜する方向において少なくとも2つに分けて,それぞれ独立して変更することを特徴とする,請求項7に記載の流動床炉の焼却方法。
JP2005097321A 2004-03-30 2005-03-30 流動床炉及びその焼却方法 Active JP4660757B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005097321A JP4660757B2 (ja) 2004-03-30 2005-03-30 流動床炉及びその焼却方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004100260 2004-03-30
JP2005097321A JP4660757B2 (ja) 2004-03-30 2005-03-30 流動床炉及びその焼却方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005315565A JP2005315565A (ja) 2005-11-10
JP4660757B2 true JP4660757B2 (ja) 2011-03-30

Family

ID=35443170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005097321A Active JP4660757B2 (ja) 2004-03-30 2005-03-30 流動床炉及びその焼却方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4660757B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101091014B1 (ko) * 2011-05-23 2011-12-09 지이큐솔루션 주식회사 유동층 연소실 보일러의 유동사 냉각수 순환장치
KR101145934B1 (ko) 2011-10-13 2012-05-15 지이큐솔루션 주식회사 유동층 연소로 하부호퍼 열교환장치와 유동사 냉각장치를 구비한 폐열 재활용시스템

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5310565A (en) * 1976-07-16 1978-01-31 Babcock Hitachi Kk Fluidic combustion system
JPS5661586A (en) * 1979-10-22 1981-05-27 Babcock Hitachi Kk Heat conduction controlling system
JPS6042242Y2 (ja) * 1981-03-27 1985-12-25 バブコツク日立株式会社 流動層燃焼装置
JPS61173017A (ja) * 1985-01-24 1986-08-04 Ebara Corp 流動床による焼却方法及び流動床焼却炉
JPH01203801A (ja) * 1988-02-09 1989-08-16 Ube Ind Ltd 垂直伝熱管を有した流動床ボイラおよび該ボイラを用いた流動床温水ボイラ
JPH03241207A (ja) * 1990-02-20 1991-10-28 Electric Power Dev Co Ltd 加圧流動床ボイラ
JP3037134B2 (ja) * 1996-04-26 2000-04-24 日立造船株式会社 流動床式焼却炉

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101091014B1 (ko) * 2011-05-23 2011-12-09 지이큐솔루션 주식회사 유동층 연소실 보일러의 유동사 냉각수 순환장치
KR101145934B1 (ko) 2011-10-13 2012-05-15 지이큐솔루션 주식회사 유동층 연소로 하부호퍼 열교환장치와 유동사 냉각장치를 구비한 폐열 재활용시스템

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005315565A (ja) 2005-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4565279B2 (ja) 流動床炉及びその焼却方法
JP4361890B2 (ja) ガス化溶融炉のスラグ塩基度調整方法及びその装置
US5395596A (en) Fluidized bed reactor and method utilizing refuse derived fuel
JP4830140B2 (ja) 燃焼制御方法及び焼却装置
JP2007247962A (ja) 可燃物処理装置
JP4660757B2 (ja) 流動床炉及びその焼却方法
WO2012137307A1 (ja) ガス化溶融設備
JP4707435B2 (ja) ストーカー型熱分解炉
US6764642B2 (en) Shredder dust feeding device, reverberatory furnace provided with this feeding device, and furnace for burning shredder dust
JP4321823B2 (ja) 流動床ガス化炉の流動媒体分離装置、及び該装置を備えた流動媒体循環機構
JPS625242B2 (ja)
JP2006308226A (ja) 流動床炉及び流動床炉の焼却方法
JP2016169426A (ja) 廃棄物焼却灰からの金属製錬原料回収装置及び方法並びに廃棄物焼却灰からの金属回収装置及び方法
JP4378528B2 (ja) 流動床炉及びその焼却方法。
WO1995014194A1 (fr) Procede et appareil d'elimination de cendres residuelles d'incineration
KR20010067438A (ko) 폐기물 소각설비로부터의 화격자 재를 열처리하는 방법
JP2003074819A (ja) 廃棄物溶融設備及びその操業方法
JP4036826B2 (ja) 焼却熔融冷却方法
JP2006052931A (ja) 塵芥と汚泥とを合わせて処理する廃棄物処理炉および廃棄物処理装置
JP2003074817A (ja) 廃棄物ガス化溶融設備及びその操業方法
JP2007147135A (ja) 流動床炉
JP3779681B2 (ja) 焼却炉
JP3831569B2 (ja) 流動床式燃焼装置
EP0381195B1 (en) Incinerating furnace
JPH0755123A (ja) 廃棄物焼却方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100223

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101130

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20101209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20101209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4660757

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140114

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250