JP4659452B2 - 自動ダンパー - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のダンパーは、弁体を回動動作させるための操作板に特徴があり、弁体の回動軸の上端部に円板状の操作板を設けて、この操作板の外周に中心から半径方向外側に伸びる把手を対称位置に設けたものである。使用者は、この操作板の把手に手を引っ掛けて回動させることにより弁体を所望開放位置に、又は閉鎖位置に配置させることが出来るものである。
特許文献2に記載のダンパーは、弁体の外周縁部全体に合成樹脂製の被覆部を形成して、弁体の気密性を向上させた気密ダンパーである。この気密ダンパーにおいては、弁体の気密性故に弁体の回動のためにより大きいトルクが必要となり、電動モータ等の回転駆動機を付加する自動ダンパーが要請されることとなる。
この気密ダンパーは、管体50内に円板状の弁体51が配備され、弁体51の外周縁部全体には合成樹脂製の被覆部52が設けられ、弁体の略中央部上下方向には弁体51を回動するための回動軸53が位置し、この回動軸53は、管体50上部の回動軸案内筒体54内を貫通して、その上方端部で操作板55と連結している。
この自動ダンパーは、管体50内に弁体51が配され、弁体51には回動軸53が配され、回動軸53は管体50の外側に設けられた回動軸案内筒体54内を貫通し、その端部で電動モータ60の回転部61と連結する。電動モータ60は、管体50に固定された横断面略コ字形状の(電動モータ60の取付面は正面図において右方向に延長している)取付金具65に固定されている。
また図7に図示した従来の手動ダンパーにおいては、その弁体として気密性の高いものを使用しているために、高い回動トルクが要求され、自動化することが要請されていた。しかし、上記自動ダンパーの構成を利用して上記手動ダンパーに適用することも容易にできない状況であった。
更に、従来から存在する図7に図示したような手動ダンパーにも容易に電動モータ等を組み合わせて、自動ダンパーに改変、改良することができるようにすることもその第二の課題である。
また、回転駆動部として二位置制御方式の電動モータを使用した場合には、即ち、この電動モータの場合、全閉状態と全開状態との二つの位置(0度と90度)で、弁体を停止させることができるが、この二位置制御電動モータを使用した場合であっても、その二位置を0度から90度の間の任意の範囲に設定することができるようにすることも本願発明の課題である。
また、連結軸を介して回動軸と回転駆動部の回転部とを連結している関係上、連結点での両軸のセンタリングの不一致や、両軸の軸芯線に角度が生じても問題はなく、これらセンタリングの不一致等をその連結点にて解消することができ、センタリングの位置あわせにおいてそれ程注意が要求されることなく、容易に組み立てることが出来る。
図1は、本願発明の第一の実施形態を図示する全体斜視図であり、本願発明の概略をこの図によって説明する。
本願発明に係る自動ダンパーは、ダンパー本体部Dと、取付金具部Tと、電動モータ等の回転駆動部Mとから構成されている。
ダンパー本体部Dは、管体50と、この管体50内に配置されている弁体51と、弁体51の中央部上下方向に配備されている回動軸53と、回動軸53が貫通するところの管体の外側面に設けられた案内筒体54と、図には明瞭に現れていないが、案内筒体54の上端部に設けられた平面視略円形形状のフランジ部56とから形成され、案内筒体54の上端開口部からは、回動軸53の上端部が少し外部に突出した状態となっている。
このダンパー本体部Dの構成は、図7に図示した従来の手動ダンパーにおいて、操作板57を取り除いたものと同一の構成である。
この取付金具部Tは、前記フランジ部56の下方に位置する下取付金具10と、上取付金具20とからなる。
下取付金具10は、この図には明瞭に現れていないが、相互に対称形の2つの金属製の下取付金具からなり、案内筒体54と直交する方向で両側から案内筒体54を挟持するように固定されるものである。
そして、上取付金具20には、この図には現れていないが、弁体51の回動軸53と連結しうる連結軸30が貫通する貫通孔が形成されている。
この上取付金具20に電動モータ等の回転駆動部60が螺子によって螺着され、上記連結軸30が回転駆動部60の回転部61に螺子により固着されうるのである。
この下取付金具10a,10bは、左右対称形状のもの2つで1組となっており、半円形の切欠部15の部分で回動軸案内筒体54を両側から挟持して、ボルト・ナットにより固定することができる。
この下取付金具10a,10bは、横断面略コ字形状のものからなり、その両端部には案内筒体54を挟持する方向と逆方向に折曲された折曲部11,11が形成され、この部分には螺子穴12が形成され、この螺子穴12を利用して次に説明する上取付金具20が螺着される。
また、下取付金具10aの切欠部15の両側の位置で、折曲部11が形成されている側面には、ボルト挿通孔13,13が形成され、他方の下取付金具10bの対応位置にはナットが溶接着されている。これにより両下取付金具10a,10bは、ボルトにより相互に駆動軸案内筒体を挟持しつつ固定されることとなる。
この上取付金具20は、平面視略矩形形状の金属板からなり、その両端部が下方に折曲された折曲部21、21を有する。この折曲部21のそれぞれには、螺子挿通孔22,22が設けられ、前記下取付金具10の折曲部11に形成された螺子穴12と合致させ、螺子により螺着されうる。この螺子挿通孔22は、横に少し長い長孔に形成されており、下取付金具10の螺子穴12同士の間隔が多少広がっても対応できるように構成している。
平面部24に設けられた貫通孔25の周囲には、同一半径距離に2つの円弧状の長孔26、26が形成されている。この長孔26、26は、ダンパー本体Dの回動軸案内筒体54の上端部に設けられたフランジ部56の上面に刻印された弁体の角度目盛り等を視認できるように設けたものである。これにより本願発明に係る自動ダンパーを組み立てる際に、弁体の開閉位置(開放角度)と回転駆動部60の回転部61における弁体の開放角度目盛りとを合致させる際に利用できることとなる。
平面部24の四隅に形成した上方に突出する突出部28、28、・・・は、上取付金具20に取り付ける電動モータ等の回転駆動部60を取り付ける際のスペーサーの役割を担っている。29は、その回転駆動部を上取付金具20に螺着するための螺子穴を図示している。
この連結軸30は、金属製の筒体の下面にその筒体の外径よりも大きい外径の円板31を溶接着したものであり、その円板の中央部には、横長略矩形形状の接続孔部32が形成されている。この接続孔部32に弁体の回動軸53の上端部に形成された突起部(図6の説明における突起部53tが対応する)が遊嵌合するのである。
尚、上記接続孔部32の形状及び回動軸の上端部の突起部53tの形状は、両者が適切に相互に嵌合して、回転駆動部の回転力が有効に伝達されうるものであれば、どのような形状、形態であってもよい。
これらの図から解る通り、弁体の回動軸案内筒体54の上方側で、フランジ部56の下面で案内筒体54と直交する両側から案内筒体54を下取付金具10、10がその切欠部において挟持し、図示していないボルトを溶接着されたナット18,18と締着して、下取付金具10,10を案内筒体54に固定することができる。この際下取付金具の取り付け方向は、管体の送風気体の流通方向と並行にも、直角にも取り付け可能で、360度の何れの方向にも任意に自由に設定することができる。
これによりダンパー本体部Dへの上下の取付金具10,20と連結軸30との組立てが完了し、螺子等により適宜固定し、その後回転駆動部を上取付金具20に螺着し、連結軸30と回転駆動部の回転部とを螺子等により固定して本願発明に係る自動ダンパーの組み立てが完了する。その後分解するときには螺子等の固定手段を緩めて取り外すことにより、簡単に分解することができるものである。
この実施形態においては、弁体の回動軸の回動角度の範囲を調整することの出来る回動範囲調整板40を連結軸の下端部に設けたことが特徴となっている。その他の構成は、前記実施形態と同様である。
即ち、管体50の側面から上方に伸びる回動軸案内筒体54の上端には、フランジ部56が形成され、このフランジ部56の下方で下取付金具10,10が取り付け固定される。案内筒体54の上端開口部からは、回動軸の上端の突起部53tが突出した状態となっている。
この回動範囲調整板40には、連結軸30の軸芯を中心として、中心角が略90度の円弧状の長孔41が形成されており、この長孔41に係合するストッパーとしてのストッパーネジ42がフランジ部56に形成されている螺子穴43と螺合する。
即ち、この回動範囲調整板40は、フランジ部56に螺着されたストッパーネジ42の存在によって、これが長孔41と適合することにより、略90度の範囲内で回動軸の回動を制約することができる。
弁体の回動軸に連結軸30を連結し、回動範囲調整板40の長孔41の上方からストッパーネジ42をフランジ部56の螺子穴43に螺合し、その後、上取付金具20の貫通孔25を連結軸30に挿通させ、上取付金具20を下取付金具10,10に取り付け、固定することができる。
具体的に一例を挙げれば、弁体を全閉位置から略30度開放した状態の位置で、電動モータの側では0度の位置に合致させて、連結軸30を電動モータの回転軸61に固定することにより、弁体は30度開放位置から90度の全開位置の範囲で、これら30度と90度の二位置で停止することとなる。というのも、電動モータの回転部が60度回転したときにストッパーネジ42が長孔41の一方の端部と当接して回動が阻止されるからである。
ストッパーとしてのストッパーネジ42の構成は全く自由であって、回動範囲調整板40の回動を阻止できるものであればよく、スペーサーとネジによって構成することもできる。
また、回動範囲調整板40は、連結軸30と一体的に形成したが、これらを別体にして実施することもできるが、その強度等を考慮すると、本実施形態のように一体的に形成することが好ましい。
本願発明に係るダンパーの管体の外径又は内径は、自由に設定できる。その内径等により弁体の外径も適宜設定できる。機密性を高めるための弁体の外周縁部に設けたシリコン樹脂等の合成樹脂被覆部は、これを設けずに実施することも可能である。
回動軸案内筒体の上端部に設けられたフランジ部は、本実施形態においては、平面視円形形状の金属製板材を使用しているが、平面視形状は略四角形であってもよく、その形状は全く自由に設定することができる。
この下取付金具においては、駆動軸案内筒体に取り付け固定する関係上、その半円形の切欠部(組み合わせたときには円形の貫通孔を形成する)が必要となるが(切欠部の平面視形状は必ずしも半円形でなくとも実施は可能である。)、この下取付金具は、一対の対称形のものを利用して案内筒体を両側から挟持するように取り付けられるため、両者の間に多少の隙間が存在しても良い。即ち、切欠部が横断面円形の案内筒体の外径と完全同一である必要はなく、多少の径の相違は、この隙間により調整でき、しかも、上取付金具の折曲部に設けられた螺子挿通孔を横長の長孔に形成することにより、この径の相違の問題も解消する。
上取付金具の大きさや形状も自由に設計でき、その上に固定される回転駆動部の大きさ等に適宜適合させて自由に設計できる。この上取付金具においては、下取付金具と固定される下方への折曲部が存在していれば、その形状等は自由である。
連結軸30に関しても、その構成は、回動軸の上端部と適切に連結して、回転駆動力が伝達できるものであれば、どのような構成のものであってもよい。上記実施形態では、略矩形形状の接続孔部32が形成されているが、その形状は全く自由である。
また、円板31の溶接着により連結軸の下端に鍔部の如き形状を呈することとなっているが、この鍔部は特に設ける必要はない。単なる製作上の都合からこのような形状が採用されたものである。
尚、上記第二の実施形態で提示した回動範囲調整板40は、連結軸30の下端に鍔部として一体的に形成したが、その鍔部の平面視形状は円形形状でなく、適宜必要に応じて各種形状のものを採用することができる。
Claims (3)
- エアーが流通する管体(50)と、その管体(50)内部に配設される回動自在の風量調節用弁体(51)とからなるダンパー本体と、このダンパー本体の外側に組み付けられる電動モータ等の回転駆動部(60)とからなり、ダンパー本体の弁体(51)の回動軸(53)を回転駆動部(60)の回転部(61)と連結して、弁体(51)を開閉自在に回動させることができ、
取付金具を螺子等の固定手段によって組立て及び解体可能にダンパー本体に組み付け、この取付金具に回転駆動部を固定することができ、
且つ、弁体(51)の回動軸(53)に連結軸(30)を連結して、この連結軸(30)を介して回転駆動部(60)の回転部(61)と前記弁体(51)の回動軸(53)とを連結した自動ダンパーにおいて、
前記取付金具が、エアーが流通する管体(50)の外側面に植設され、弁体(51)の回動軸(53)をその内部で挿通案内する案内筒体(54)の端部に形成されたフランジ部(56)の両側に位置する2つの取付金具からなり、
一方の取付金具(10, 10)は前記案内筒体(54)に取り付けられ、他方の取付金具(20)が前記一方の取付金具(10, 10)に取り付けられ、この他方の取付金具(20)に回転駆動部(60)を取り付けることができ、
前記一方の取付金具(10, 10)は、案内筒体(54)と直交する方向で、その両側から案内筒体(54)を挟持できるような切欠部(15)をそれぞれ有する2つの部材からなることを特徴とする自動ダンパー。 - 前記一方の取付金具(10, 10)に設けられた切欠部(15)のそれぞれの内周縁には、半径方向に突出する複数の突起(16, 16, …)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動ダンパー。
- 回転駆動部(60)として0度と90度の二位置、即ち全閉位置と全開位置でのみ停止する二位置制御方式の電動モータを使用した場合において、連結軸(30)の回動軸側端部に鍔部を形成し、この鍔部に中心角が略90度の円弧状の長孔(41)を形成し、この長孔(41)と係合するストッパー(42)を前記弁体(51)の回動軸(53)を案内する案内筒体(54)の端部に形成されたフランジ部(56)に設けることにより、当該鍔部を弁体の回動範囲調整板(40)とすることができ、回転駆動部(60)の回転部(61)への連結軸(30)の取り付け固定位置を適宜選択することにより、弁体(51)の回動範囲を0度から90度の間の任意範囲の二位置に決定することができることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動ダンパー。
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