JP4659290B2 - 送風支元管の取付け用調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉の羽口金物と、環状管に設けられる各支元管との間に共通の送風支管(ブローパイプや曲管等)を取付けるために使用する送風支元管の取付け用調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高温で圧力の高い熱風を高炉の羽口部に供給するために、高炉の周囲に設けられた環状管に取付けられた各支元管(送風支元管)と、この各支元管に対応する羽口金物との間を連結する送風支管(約40〜50箇所)は過酷な使用条件のもとにある。従って、トラブル時又は予防として、各送風支管を取り替えることを考慮して、これらは寸法形状を同一として共通化している。
即ち、各羽口において、それぞれに対応する支元管の下端フランジから羽口炉外側のブローパイプとの摺り合わせ部までを共通の寸法で据え付けることが必須の条件となっている。しかし、環状管は炉体櫓から吊り下げ支持されているが、一方、羽口が取付けられる炉体は、炉体櫓の基礎とは別の炉体基礎上に据え付けられるので、据え付け時に、環状管と各羽口との間の寸法を設計寸法通りとすることは、製作及び据付け精度上から極めて困難である。
この問題を解決する方法として、例えば、高炉の建設時のように、据え付けられた環状管に各支元管を取付ける場合には、羽口の基準点(羽口とブローパイプとの摺り合わせ部、又はこれに替わる羽口金物等)と支元管の下端フランジとの間の設計寸法と同一の寸法を備えた取付け調整用ゲージ(以下、単にゲージと呼ぶ)を作成しておき、該ゲージの下端を羽口の基準点にセットした後、設計図に従った水平度、倒れを保ってゲージを固定した状態で、ゲージの上端を、環状管に位置調整可能に仮固定された支元管の下端フランジに当接させてから、支元管を環状管に仮付けすることにより、支元管の位置決めを行っている。その後、ゲージは取り外されて、隣接する羽口に移送され、順次同様の作業を行うことによって、各羽口とそれに対応する支元管の下端フランジとの間は、各送風支管で図面上の共通の寸法を精度良く維持することができる。なお、支元管はその後、環状管に本溶接され、強固に固定されて据え付けられた後、内面に耐火物の施工が行われた後、羽口及び各送風支管構成部を取付けて取付け作業は終了する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の取付け調整方法においては、未だ解決すべき以下のような問題があった。
ゲージは長尺で、かつ重量も大きく、しかも寸法調整のためのスペースは狭いため、寸法調整作業は多くの工数を要し、作業性が極めて悪く、また、障害物が多く、各羽口間を炉周方向に沿ってゲージを移送する作業性が劣っていた。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、狭いスペースでしかも障害物が多くても、寸法調整作業及び移送作業が効率良くできる送風支元管の取付け用調整装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る送風支元管の取付け用調整装置は、環状管に複数形成された開口部にそれぞれ取付けられる支元管と、支元管に対応する高炉の羽口金物との間の相対据付け位置を寸法調整するゲージを備えた送風支元管の取付け用調整装置において、環状管の近傍の固定架台に、環状管に沿って円周方向に設けられた環状レールと、環状レールに懸架されてゲージを保持して走行する移送架台とを備え、ゲージは、先端部に支元管の下端フランジに当接する当接座が取付けられ、移送架台に対して前後、左右、上下方向に位置調整可能に設けられた位置調整部と、先端部に羽口金物の内面に当接可能な位置決め板が設けられ、位置調整部の下端部に取付けられた固定ガイド内を羽口金物に向けて進退する摺動ガイドを備えた進退部とを有する。これによって、ゲージは、位置調整部を移送架台に対して前後、左右、上下方向に位置調整でき、しかも、位置決め板を備えた進退部を羽口金物に対して進退することができる。
【0006】
本発明に係る送風支元管の取付け用調整装置において、摺動ガイドには、摺動ガイドの摺動方向に平行に複数のガイドロッドが設けられ、固定ガイドには、それぞれのガイドロッドを摺動、支持するロッド受けが設けられ、しかも、ガイドロッドの基端部には、ロッド受けに当接することによってガイドロッドのストロークを規制するストッパーが設けられるように構成することもできる。これによって、ゲージの進退部を軽量にでき、しかもゲージの進退部の剛性を大きくでき、また、進退部が進退した際のケージの寸法が一定になる。
本発明に係る送風支元管の取付け用調整装置において、位置調整部はボルト・ナットを備えたアジャスター機構により位置調整することもできる。これによって、簡単な調整機構で、かつ位置調整部の移動及び固定作業が簡単になる。
【0007】
本発明に係る送風支元管の取付け用調整装置において、固定ガイド及び摺動ガイドは主として鋼管からなるように構成することもできる。これによって、固定ガイド及び摺動ガイドを軽量にでき、しかも固定ガイド及び摺動ガイドの剛性を大きくできる。
本発明に係る送風支元管の取付け用調整装置において、進退部を吊り上げる吊り上げ手段を設けように構成することもできる。これによって、ゲージの進退部の進退動作を確実にできる。
本発明に係る送風支元管の取付け用調整装置において、環状レールには、本溶接手段を設けた溶接架台を懸架し、本溶接手段により環状管に仮溶接された各支元管を順次本溶接することもできる。これによって、支元管の環状管への取付作業の能率が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る送風支元管の取付け用調整装置を適用する送風支元管、羽口金物及び送風支管の関係図、図2は同送風支元管の取付け用調整装置の正断面図、図3は図2の矢視A−A断面図、図4は本発明の一実施の形態に係る送風支元管の取付け用調整装置の要部拡大断面図、図5は図4の矢視B−B断面図、図6は図4の矢視C−C断面図、図7は図4の矢視D−D断面図、図8は図4の矢視E−E断面図、図9は支元管の仮セット前の落下養生した状態を示す説明図である。
【0009】
図1及び図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る送風支元管の取付け用調整装置(以下、単に調整装置と呼ぶ)10は、高炉11の周囲に設けられた環状管12に取付けられる支元管(送風支元管)13と、この支元管13に対応する羽口金物14との間に連結される送風支管(ブローパイプ、曲管等で構成されており、一つの環状管に約40〜50箇所設けられる)15の共通性を確保するために用いるものであり、環状管12の下部の円周に所定のピッチで形成された複数の開口部16に取付けられる支元管13と、支元管13に対応する高炉11の羽口金物14との間の相対据付け位置を寸法調整するためのゲージ17を備えている。以下、これらについて詳しく説明する。
【0010】
図2に示すように、調整装置10は、環状管12の下部近傍に高炉11の回りに所定の間隔で配置された固定架台18、19の下部に、環状管12に沿って円周方向に設けられた環状レール20、21と、環状レール20、21にそれぞれギヤードトロリー22、23を介して懸架され、しかもゲージ17を保持して環状レール20、21に沿って走行する移送架台24とを備えている。
移送架台24は、ギヤードトロリー22、23の保持部に垂直に連結された形鋼からなる保持部材25、26と、保持部材25、26の下端部に固着され、複数の形鋼材を左右に組み合わせて剛性を有する水平枠材27、28とを有して構成成されている。
【0011】
図2に示すように、ゲージ17は先端部に、支元管13の下端フランジ29にパッキン30を介してボルト固定される円形フランジ状の当接座31が取付けられた位置調整部32を備えている。下端フランジ29に対応して、傾斜して配置された当接座31の下面には鋼管からなる垂直部材33が溶接されており、垂直部材33の下端には矩形状の端板34が水平に固定されている。当接座31の下面及び垂直部材33の上端部外周には補強リブ35〜38が設けられている。垂直部材33の下端部の端板34上には矩形状の切り欠き39が一か所形成されている。当接座31の下面の中心には下げ振り40の上端部が固定されており、端板34の上面には、垂直部材33が鉛直に配置された際に、下げ振り40の逆円錐形に取付けられた重り41の先端が一致するように中心位置が明記されている。
【0012】
図2及び図3に示すように、移送架台24の水平枠材27には、垂直部材33の中間部が挿通する開口部42が形成されており、開口部42の近傍の水平枠材27上には、垂直部材33の中心Oに対して前後、左右方向に対向して、2組の一対の短尺の溝形鋼からなる調整ブラケット43、43a及び44、44aが溝部側を外側に向けて設けられている。調整ブラケット43、43a及び44、44aのウェブ部の高さ方向の中間位置には、ボルト45が挿通する挿通孔が形成されており、この挿通孔に一致してウェブ部の外面には、ボルト45と螺合するナット45aが溶接されている。従って、調整ブラケット43、43aのそれぞれのボルト45を調整することによって、垂直部材33を前後方向に位置を微調整することができ、一方、調整ブラケット44、44aのそれぞれのボルト45を調整することによって、垂直部材33を左右方向に位置を微調整することができる。
【0013】
図2及び図3に示すように、垂直部材33の外周面で調整ブラケット43、43a及び44、44aの上方には、調整ブラケット43、43a及び44、44aに対応して調整アーム46が4個取付けられており、各調整アーム46は垂直部材33に水平に配置された略矩形状の座板47と、座板47の幅方向の両端に平行間隔を開けて垂直に配置された略三角形状の補強板48、48aとを備えている。
【0014】
図2及び図3に示すように、座板47の中央にはボルト49が挿通する挿通孔が形成されており、ボルト49の下端は調整ブラケット43、43a及び44、44aの上端面に当接されている。座板47の挿通孔に一致して座板47の下面には、ボルト49と螺合するナット50が溶接されているので、調整アーム46のそれぞれのボルト49を調整することによって、垂直部材33を上下方向に位置を微調整することができる。
図2に示すように、垂直部材33の下端部の羽口金物14側には、主として鋼管からなる固定ガイド51が略水平に連結されており、固定ガイド51の中間位置の上端と、垂直部材33の高さ方向の中間位置の羽口金物14側との間には、形鋼からなる斜め補強材51aが設けられている。
【0015】
図2及び図4に示すように、固定ガイド51には、固定ガイド51内を摺動して羽口金物14に向けて進退する鋼管からなる摺動ガイド52が取付けられている。摺動ガイド52の先端部には、羽口金物14の端部の内面53に当接可能な位置決め板54が設けられている。
図2、図4及び図5に示すように、位置決め板54は摺動ガイド52の先端部の外面52aに所定の平行間隔を開けて設けられ、しかも周方向に所定のピッチを開けて6箇所形成された円形の孔55を有する環状のフランジ56、57と、フランジ56、57の外周面に当接する内周面58を備え、先端側に縮径し、羽口金物14の内側端部の内面53に当接する外周面59が形成された断面が台形でリング状の当接部60とを有している。
【0016】
図2、図4及び図6〜図8に示すように、摺動ガイド52の中間位置の外面52aの外側には、摺動ガイド52の摺動方向に平行に複数(本実施の形態では、3本)のガイドロッド61の一端部がそれぞれロッド受け62を介して設けられており、固定ガイド51の先端には、それぞれのガイドロッド61の他端側を摺動、支持するロッド受け63が厚肉でスリーブ状の軸受部材64を介して設けられている。軸受部材64の基端は固定ガイド51の先端に外径を一致させて溶接されており、軸受部材64の羽口金物14側の内側には、摺動ガイド52の後退側に鋼管の肉部の外側を半分程度切削して形成された摺動面65を摺動、支持するスリーブ状の軸受メタル66が嵌入されている。
【0017】
なお、ロッド受け62は摺動ガイド52の中間位置の外面52aに所定の平行間隔を開けて配置された一対のフランジ状で、円周方向に所定のピッチで取付け孔が3箇所形成された固定部材67、68と、固定部材67、68の取付け孔にそれぞれ嵌入、固定された円筒状の軸受部材69とを備えている。また、ロッド受け63は軸受部材64の外面64aに所定の平行間隔を開けて配置された一対のフランジ状で、円周方向に固定部材67、68と同一のピッチで取付け孔が3箇所形成された固定部材70、71と、固定部材70、71の取付け孔にそれぞれ嵌入された円筒状の軸受部材72とを備えている。また、軸受部材72の両端部の内周面には、ガイドロッド61の外周面が摺動するためのスリーブ状の軸受メタル73が嵌入されている。
ガイドロッド61の軸受部材69に挿通する部分は縮径しており、しかもガイドロッド61の端部には雄ねじ部が形成され、この雄ねじ部に螺合するナット74により、3本のガイドロッド61はロッド受け62に固定されている。
【0018】
ガイドロッド61の軸受部材72に挿通する部分の固定ガイド51側は縮径し雄ねじ部が形成された軸端部61aとなっており、図4及び図8に示すように、軸受部材72の後面に当接するストッパー75が、軸端部61aにナット74を介して固定されている。従って、図4に示すように、前進限位置にある摺動ガイド52が後退すると、ロッド受け63の軸受部材72の後面とストッパー75の前面との間隔Gが次第に大きくなり、摺動ガイド52の後退限位置ではこの間隔Gが進退ストロークSとなる。逆に、摺動ガイド52の後退限位置から前進限位置に摺動ガイド52が前進すると、ストッパー75の前面がロッド受け63の軸受部材72の後面と当接することによって、ガイドロッド61の進退ストロークSを規制すると共に、位置決め板54の当接部60の外周面59が羽口金物14の内側端部の内面53に当接するように構成されている。
【0019】
図4及び図6に詳細に示すように、ロッド受け62の固定部材67、68間には、摺動ガイド52の軸心位置を中心にして水平に対向する位置に、固定部材67、68に形成された一対のピン孔に軸支され、両端部に一対のピン76を備えた側面視して正方形で板状の回動部材77が回動自在に設けられ、回動部材77の一辺には細いパイプからなる進退用の一対の手動ハンドル78が取付けられている。手動ハンドル78を介して、摺動ガイド52を固定ガイド51に対して進退させることができる。
図2、図4及び図6に示すように、ロッド受け62の固定部材68の上部には雌ねじが形成されており、雌ねじが螺合するアイボルト79が取付けられている。
【0020】
図2に示すように、移送架台24の水平枠材28はI形鋼からなり、ギヤードトロリー80が水平枠材28に懸架された吊り上げ手段の一例であるチェーンブロック81の吊り部が、ロッド受け62の固定部材68に設けられたアイボルト79に係合するようになっている。なお、固定ガイド51に対して進退する部分(摺動ガイド52、位置決め板54、ロッド受け62及びガイドロッド61)を進退部52bと呼ぶ。進退部52bが固定ガイド51を介して位置調整部32に対して片持ち支持されているので、摺動ガイド52及びガイドロッド61の摺動を円滑に行うために、必要に応じて、進退部52bの移動に追随させてチェーンブロック81により進退部52bを吊り上げ調整している。
【0021】
図9で支元管13の仮セット前の落下養生した状態を説明する。図に示すように、環状管12の開口部16の開口径Dの大きさは支元管13の外径dより100mm程度大きく形成されており、支元管13を環状管12に位置調整する際に、クリアランスK(50mm程度)を支元管13の径方向の調整代としている。
支元管13を環状管12に位置調整する前に、環状のダブリング82が支元管13の外周に装着され、ダブリング82の落下養生を行うリング状の落下養生ピース83が支元管13に仮溶接されており、更に、環状管12の開口部16から、支元管13の落下養生を行う仮固定ピース84が支元管13の円周方向に4か所仮溶接されている。かかる構成によって、支元管13が環状管12にぶら下がっている状態で、調整装置10を該当箇所に移動させ、位置の調整を実施するようになっている。
【0022】
なお、図2に示すように、支元管13の下端フランジ29は、環状管12に位置調整する前には、パッキン30を介して位置調整部32の当接座31とボルトにより仮固定されている。
支元管13を環状管12に位置調整する場合には、開口部16の開口径Dと支元管13の外径dとのクリアランスKを利用して、支元管13の径方向を調整すると共に、落下養生ピース83と仮固定ピース84との間で支元管13の軸方向の調整を行い、ダブリング82を環状管12に位置決め仮溶接し、更に、ダブリング82と支元管13との位置決め仮溶接を実施(仮セット)し、最終的には本溶接を行うようにしている。
【0023】
次いで、本発明の一実施の形態に係る送風支元管の取付け用調整装置10を用いた支元管の取付け作業について、主として図2を参照しながら説明する。
(1)事前にアジャスター機構や下げ振り40を用いて、ゲージ17の位置調整部32の移送架台24に対する位置調整(前後、左右、上下方向の位置調整)を行っておく。
(2)ゲージ17の進退部52bのロッド受け62に設けられた手動ハンドル78を操作して、ゲージ17の進退部52bを後退限位置にセットする(図4において位置決め板54を二点鎖線で示す位置)。
(3)ギヤードトロリー22、23を操作して、事前に仮固定した支元管13との障害に留意ながら、ゲージ17を載置した移送架台24を環状レール20、21に沿って調整する羽口金物14の中心部に移動させる。
(4)図4に示すように、手動ハンドル78を操作してゲージ17の進退部52bを前進させ、ストッパー75の前面がロッド受け63の軸受部材72の後面に当接するまで操作し、ゲージ17の進退部52bが前進限位置に来るようにする。
【0024】
(5)位置決め板54の当接部60の外周面59が羽口金物14の端部の内面53に均一に当接したことを、例えば、隙見ゲージにて確認した後、ゲージ17の進退部52bをガイドロッド61に対して固定する。これによって、ゲージ17は設計上の寸法になる。
(6)この状態のゲージ17の位置調整部32の当接座31と支元管13の下端フランジ29とをパッキン30を介して固定し、上述した通り、支元管13の径方向及び軸方向の位置を調整した後、ダブリング82を環状管12に仮溶接し、更に、ダブリング82と支元管13との仮溶接を行う。
(7)位置調整部32の当接座31と支元管13の下端フランジ29との固定を解除した後、手動ハンドル78を操作して、ゲージ17の進退部52bを後退限位置にする。
(8)以降、前記(3)〜(7)を全ての支元管13の仮溶接が終了するまで繰り返す。
(9)本溶接手段を設けた溶接架台を、移送架台24の走行に支障のない範囲で環状レール20、21に沿って走行させ、仮溶接された支元管13に対応する羽口金物14の中心部に移動させ、その後、環状管12に仮溶接された支元管13を本溶接する。
【0025】
前記実施の形態の調整装置10においては、垂直部材33、固定ガイド51、摺動ガイド52は鋼管を用いたが、これに限定されず、その他の材料であっても構わない。また、必要に応じて、中実材であってもよく、また、断面が円形ではなく、その他の形状、例えば、3角形以上であってもよい。
環状レール20、21を2組設けたが、これに限定されず、必要に応じて、1組又は3組以上でも構わない。
ゲージ17の進退部52bを吊り上げる吊り上げ手段としてチェーンブロック81を設けたが、これに限定されず、ゲージ17の剛性が問題無ければ、設けなくてもよい。
【0026】
ゲージ17の進退部52bには、摺動ガイド52の摺動方向に平行に3本のガイドロッド61を設けたが、これに限定されず、2本又は4本以上のガイドロッドを設けることもできる。また、ガイドロッド61及びガイドロッド61を支持するロッド受け62、63を設けたが、これに限定されず、その他の方法により摺動ガイド52の摺動が可能であれば、ガイドロッド61等を使用しなくてもよい。
ゲージ17の位置調整部32の前後、左右、上下方向の位置調整を、ボルト、ナットによるアジャスター機構により行ったが、これに限定されず、その他の方法によって行うこともできる。
【0027】
【発明の効果】
請求項1〜6記載の送風支元管の取付け用調整装置においては、ゲージは、位置調整部を移送架台に対して前後、左右、上下方向に位置調整でき、しかも、位置決め板を備えた進退部を羽口金物に対して進退することができるので、寸法調整のための狭いスペースで、しかも障害物が多くても、寸法調整作業及び移送架台の移送作業が効率良くできる。
特に、請求項2記載の送風支元管の取付け用調整装置においては、ゲージの進退部を軽量にでき、しかもゲージの進退部の剛性を大きくできるので、ゲージの強度が増すと共に、また、進退部が進退した際のケージの寸法が一定になるので、調整作業が極めて簡単になる。
請求項3記載の送風支元管の取付け用調整装置においては、簡単な調整機構で、かつ位置調整部の移動及び固定作業が簡単になるので、作業性が向上する。
【0028】
請求項4記載の送風支元管の取付け用調整装置においては、固定ガイド及び摺動ガイドを軽量にでき、しかも固定ガイド及び摺動ガイドの剛性を大きくできるので、ゲージの信頼性が向上すると共に、ゲージのハンドリング性も向上する。
請求項5記載の送風支元管の取付け用調整装置においては、ケージの進退部の進退動作を確実にできるので、ゲージの信頼性がさらに向上する。
請求項6記載の送風支元管の取付け用調整装置においては、支元管の環状管への取付作業の能率が向上するので、作業期間が短縮でき、作業費も軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る送風支元管の取付け用調整装置を適用する送風支元管、羽口金物及び送風支管の関係図である。
【図2】同送風支元管の取付け用調整装置の正断面図である。
【図3】図2の矢視A−A断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る送風支元管の取付け用調整装置の要部拡大断面図である。
【図5】図4の矢視B−B断面図である。
【図6】図4の矢視C−C断面図である。
【図7】図4の矢視D−D断面図である。
【図8】図4の矢視E−E断面図である。
【図9】支元管の仮セット前の落下養生した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10:送風支元管の取付け用調整装置、11:高炉、12:環状管、13:支元管、14:羽口金物、15:送風支管、16:開口部、17:ゲージ、18、19:固定架台、20、21:環状レール、22、23:ギヤードトロリー、24:移送架台、25、26:保持部材、27、28:水平枠材、29:下端フランジ、30:パッキン、31:当接座、32:位置調整部、33:垂直部材、34:端板、35〜38:補強リブ、39:切り欠き、40:下げ振り、41:重り、42:開口部、43、43a:調整ブラケット、44、44a:調整ブラケット、45:ボルト、45a:ナット、46:調整アーム、47:座板、48、48a:補強板、49:ボルト、50:ナット、51:固定ガイド、51a:斜め補強材、52:摺動ガイド、52a:外面、52b:進退部、53:内面、54:位置決め板、55:孔、56、57:フランジ、58:内周面、59:外周面、60:当接部、61:ガイドロッド、61a:軸端部、62:ロッド受け、63:ロッド受け、64:軸受部材、64a:外面、65:摺動面、66:軸受メタル、67、68:固定部材、69:軸受部材、70、71:固定部材、72:軸受部材、73:軸受メタル、74:ナット、75:ストッパー、76:ピン、77:回動部材、78:手動ハンドル、79:アイボルト、80:ギヤードトロリー、81:チェーンブロック(吊り上げ手段)、82:ダブリング、83:落下養生ピース、84:仮固定ピース
Claims (6)
- 環状管に複数形成された開口部にそれぞれ取付けられる支元管と、該支元管に対応する高炉の羽口金物との間の相対据付け位置を寸法調整するゲージを備えた送風支元管の取付け用調整装置において、
前記環状管の近傍の固定架台に、前記環状管に沿って円周方向に設けられた環状レールと、該環状レールに懸架されて前記ゲージを保持して走行する移送架台とを備え、
前記ゲージは、先端部に前記支元管の下端フランジに当接する当接座が取付けられ、前記移送架台に対して前後、左右、上下方向に位置調整可能に設けられた位置調整部と、先端部に前記羽口金物の内面に当接可能な位置決め板が設けられ、前記位置調整部の下端部に取付けられた固定ガイド内を前記羽口金物に向けて進退する摺動ガイドを備えた進退部とを有することを特徴とする送風支元管の取付け用調整装置。 - 請求項1記載の送風支元管の取付け用調整装置において、前記摺動ガイドには、該摺動ガイドの摺動方向に平行に複数のガイドロッドが設けられ、前記固定ガイドには、それぞれの前記ガイドロッドを摺動、支持するロッド受けが設けられ、しかも、前記ガイドロッドの基端部には、前記ロッド受けに当接することによって前記ガイドロッドのストロークを規制するストッパーが設けられたことを特徴とする送風支元管の取付け用調整装置。
- 請求項1又は2記載の送風支元管の取付け用調整装置において、前記位置調整部はボルト・ナットを備えたアジャスター機構により位置調整することを特徴とする送風支元管の取付け用調整装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の送風支元管の取付け用調整装置において、前記固定ガイド及び摺動ガイドは主として鋼管からなることを特徴とする送風支元管の取付け用調整装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の送風支元管の取付け用調整装置において、前記進退部を吊り上げる吊り上げ手段を設けたことを特徴とする送風支元管の取付け用調整装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の送風支元管の取付け用調整装置において、前記環状レールには、本溶接手段を設けた溶接架台を懸架し、前記本溶接手段により前記環状管に仮溶接された前記各支元管を順次本溶接することを特徴とする送風支元管の取付け用調整装置。
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