JP4658781B2 - フィレットロール加工機 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばクランクシャフト等の棒状のワークにフィレットロール加工を施すフィレットロール加工機に関する。
棒状のワーク、例えば自動車に搭載されるエンジンに用いられるクランクシャフトのクランクピンやジャーナルの隅部外周には、強度確保のため丸み、いわゆるRがつけられている。この隅R部にフィレットロール加工機により冷間圧延加工を施して圧縮残留応力を発生させて疲労強度の向上を図るフィレットロール加工が行われている。
フィレットロール加工機は、例えば図7に概念図を示し、図8に要部拡大断面図を示すようにクランクシャフトWを支持するヘッドストック101に設けられたチャック機構102及びテールストック103の回転センタ104と、ヘッドストック101及びテールストック103の軸心、即ちクランクシャフトWの回転軸線方向に沿って並設された複数のフィレットロール装置110(1個のみ図示)を有している。一方、クランクシャフトWは、図9に示すように複数のジャーナルj、例えば第1〜第5ジャーナルj1〜j5と、各ジャーナルの間に配設されたクランクピンp及びウェブbが連続して形成され、各ジャーナルjの隅部外周に隅R部R1、R2が形成される。
ヘッドストック101に設けられるチャック機構102は、例えばクランクシャフトWの基端を把持すると共に図示しない駆動装置によって回転駆動される一方、テールストック103は回転センタ104をクランクシャフトWの先端に形成されたセンタ穴に係合してクランクシャフトWを回転自在に支持する。
フィレットロール装置110は、開閉用シリンダ機構によってクランプ及びアンクランプ動作する一対のクランプアーム111、112を有し、一方のクランプアーム111の先端にジャーナルjの隅R部R1、R2(図8においてはR2)に臨むフィレットロール113を回転自在に保持するフィレットロール治具115が設けられ、他方のクランプアーム112に把持ロール114を回転自在に軸支する把持ロール治具116が設けられている。
このように構成されたフィレットロール加工機において、開閉用シリンダ機構によってクランプアーム111、112をクランプ動作させてフィレットロール113と把持ロール114との間でジャーナルjを回転させることにより、公転及び自転するフィレットロール113により隅R部R1,R2にフィレットロール加工が施される。
このようなフィレットロール加工機によって第2ジャーナルj2や第3ジャーナルj3のように両側に形成された隅R部R1、R2(図9参照)にそれぞれフィレットロール加工する場合には、フィレットロール治具115に設けられた各フィレットロール113を両隅R部R1とR2に同時に押接することによって、両隅R部R1及びR2から各々フィレットロール113に作用する反力が互いに打ち消し合い各隅R部R1及びR2に開閉用シリンダ機構からのクランプ力によるフィレットロール113からのロール圧力を有効的に付与することができる。
しかし、図9に示すように第1ジャーナルj1は、第1ジャーナルj1のテールストック103側にのみ隅R部R2がある。この第1ジャーナルj1は片側にしか隅R部がないので、開閉用シリンダ機構によるクランプ力によって隅R部R2にロール圧力を付与すると、クランクシャフトWの隅R部R2からフィレットロール治具115に隅R部のないクランクシャフトWの軸方向、即ちヘッドストック101側に移動させる反力が発生する。
この反力によってフィレットロール治具115が第1ジャーナルj1の隅R部R2から軸方向に逃げてしまうと、フィレットロール113によるロール圧力が殆ど隅R部R2に付与されず良好なフィレットロール加工が行われない。
この対策として、ヘッドストック101に設けられるチャック機構102にフィレットロール治具115のヘッドストック101側の側面115aに当接するバックアップ面板118を設け、フィレットロール加工の際に、フィレットロール113からフィレットロール治具115に作用する反力を、フィレットロール治具115の側面115aからバックアップ面板118を介してヘッドストック101に設けられたチャック機構102によって受け止めてフィレットロール113によるロール圧力をジャーナルj1の隅R部R2に付与してフィレットロール加工を行うフィレットロール加工機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−264012号公報
上記特許文献1のフィレットロール加工機によると、上記クランクシャフトWの第1ジャーナルj1のように隅R部が片側にのみにある場合でも、フィレットロール113からフィレットロール治具115に作用する反力を、フィレットロール治具115からバックアップ面板118及びチャック機構102を介してヘッドストック101によって受け止めることによってフィレットロール113によるロール圧力をクランクシャフトWの隅R部に付与してフィレットロール加工を行うことができる。
しかし、フィレットロール治具115のヘッドストック101と対向する側面115aに対向してヘッドストック101にバックアップ面板118を配置することから、フィレットロール加工を施す隅R部がヘッドストック101側にのみある片フィレットロール加工を施す場合には、開閉用シリンダ機構によるクランプ力によって隅R部にロール圧力を付与すると、隅R部からフィレットロール治具115にヘッドストック101側から離れる方向に移動させる反力が発生し、フィレットロール治具115をヘッドストック101に設けたバックアップ面板118によって受け止めることができず、この反力によってフィレットロール治具115が軸方向に逃げてしまい、フィレットロール113によるロール圧力が隅R部に付与されずフィレットロール加工が行われない。同様のことはクランクシャフトに限らず他の棒状のワークに片フィレットロール加工を施す場合にも懸念される。
従って、かかる事情に鑑みなされた本発明の目的は、フィレットロール加工を施す隅R部がヘッドストック側にのみあり、フィレットロール治具にヘッドストック側から離れる方向の反力が発生する片フィレットロール加工を可能にするフィレットロール加工機を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載のフィレットロール加工機の発明は、棒状のワークの先端を回転センタで支持するテールストックと、上記ワークの基端近傍に形成されたワーク把持部を把持して上記ワークを回転駆動するヘッドストックと、片フィレットロール治具に支持されて上記ワークの基端近傍に形成されたジャーナルの上記基端側に形成された隅R部にフィレットロール加工を施すフィレットロールと、把持ロール治具に支持されて上記ジャーナルに押接すると共に上記フィレットロールと協働して上記ワークのジャーナルをクランプする把持ロールと、上記ヘッドストックの外周に支持され上記テールストックと反対側にバックアップ面が形成されたバックアップと、上記片フィレットロール治具のテールストック側の側面及び上記バックアップのバックアップ面にそれぞれフィレットロール治具当接部及びバックアップ当接部が当接して上記ワークの軸方向に対する上記片フィレットロール治具の移動を規制するバックアップブロックを備えたフィレットロール治具保持機構とを有すること特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1のフィレットロール加工機において、上記ヘッドストックは、上記ワーク把持部を把持するチャック機構を備え、上記バックアップは、上記チャック機構のチャックボディの外周に沿って延在する環状で周方向に回転自在に支持されたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のフィレットロール加工機において、上記フィレットロール治具当接部のフィレットロール治具に当接する接触部に硬質材料の当接部材を配設したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項のフィレットロール加工機において、上記バックアップ当接部のバックアップに当接する接触部に硬質材料の当接部材を配設したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項のフィレットロール加工機において、上記バックアップブロックは、2分割された上記フィレットロール治具当接部を具備するフィレットロール治具保持部材とバックアップ当接部を備えたバックアップ当接部材とを結合して形成されたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項のフィレットロール加工機において、上記フィレットロール治具保持機構は、上記バックアップブロックのフィレットロール治具当接部が上記片フィレットロール治具のテールストック側の側面に当接しバックアップ当接部がバックアップのバックアップ面に当接して上記ワークの軸方向に対する上記片フィレットロール治具の移動を規制するセット位置と、フィレットロール治具当接部及びバックアップ当接部がそれぞれ片フィレットロール治具の上記側面及びバックアップのバックアップ面から離れる後退位置との間で移動させるバックアップブロック移動手段を備えたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6のフィレットロール加工機において、上記バックアップブロックは、上記片フィレットロール治具及びバックアップに対して相対移動可能にフローティング支持されたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6または7のフィレットロール加工機において、バックアップブロックを後退位置からセット位置にセットする前後において、上記フィレットロールと把持ロールとによるクランプ圧を低圧と高圧に切り換えるクランプ圧切り換え制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項1の発明によると、フィレットロール加工を施す隅R部がヘッドストック側にのみあり、フィレットロール治具にヘッドストック側から離れる方向の反力が発生する場合であっても、フィレットロール加工の際、フィレットロールから片フィレットロール治具に作用する軸方向の反力は、片フィレットロール治具の側面が当接するバックアップブロックのフィレットロール治具当接部に伝達され、バックアップブロックのバックアップ当接部が当接するバックアップを介してヘッドストックによって受け止められる。これによりワークの軸方向に対する片フィレットロール治具の移動が規制されてフィレットロールによる所期のロール圧力が隅R部に付与されて良好なフィレットロール加工が行われる。
請求項2の発明によると、バックアップをチャック機構のチャックボディの外周に回転自在に支持することによって、バックアップを容易にヘッドストックに設けることができる。
請求項3の発明によると、フィレットロール治具当接部のフィレットロール治具と当接する接触部に硬質材料の当接部材を配設することによって、耐摩耗性が確保されてバックアップブロックの耐久性が向上する。
請求項4の発明によると、バックアップ当接部のバックアップと当接する接触部に硬質材料の当接部材を配設することによって、耐摩耗性が確保されてバックアップブロックの耐久性が向上する。
請求項5の発明によると、バックアップブロックをフィレットロール治具当接部を備えたフィレットロール治具保持部材と、バックアップ当接部を備えたバックアップ当接部材とによって形成することで、フィレットロール治具保持部材及びバックアップ当接部材を成形性に優れた簡素な形状で実現でき、かつ小型化が図れる。この結果、バックアップブロックの成形性が向上し、製造コストの低減が得られる。
請求項6の発明によると、フィレットロール治具保持機構のバックアップブロックをセット位置に移動させることによってワークの軸方向に対する片フィレットロール治具の移動を規制してフィレットロールによる所期のロール圧力が隅R部に付与されて良好なフィレットロール加工が行われる一方、バックアップブロックをセット位置から後退位置に移動することによってバックアップブロックに影響されることなくワークをフィレットロール加工機へ装着或いは取り出すことができる。
請求項7の発明によると、バックアップブロックをフローティング支持することによってワークの装着位置にズレがある場合でも容易にバックアップブロックをセット位置に移動することができる。
請求項8の発明によると、フィレットロールと把持ロールによるクランプ圧を低圧にすることで、片フィレットロール治具の移動が若干許容され、容易にバックアップブロックをセット位置に移動することができる。
以下、本発明によるフィレットロール加工機の実施の形態を棒状のワークがクランクシャフトの場合を例に図1乃至図6を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係るフィレットロール加工機の全体側面図であり、図2は図1の要部を示すA矢視図、図3は図2のB部拡大図、図4は図2のC−C線断面図、図5は図4のD部拡大図である。また、図6は本実施の形態においてフィレットロール加工が施されるクランクシャフトの説明図である。
本実施の形態においてフィレットロール加工が施されるクランクシャフトWは、図6に示すように基端側から順に配置された第1〜第4ジャーナルj1〜j4と、各ジャーナルjの間に配設されたクランクピンp及びウェブbが連続して形成されて先端及び基端にそれぞれセンタ穴Waが形成され、かつ基端近傍にワーク把持部Wbが形成されている。本実施の形態では第1ジャーナルj1においては隅R部R1及びR2のうち基端側の隅R部R1にのみフィレットロール加工を施し他方の隅R部R2にはフィレットロール加工を施さない片フィレットロール加工となり、他の各第2〜第4ジャーナルj2〜j4は両側の隅R部R1及びR2にフィレットロール加工を共に施す両フィレットロール加工となる。
図1及び図2において符号1は基枠であり、基枠1は基部1a、基部1aの端部に立設された複数の側枠1b、基部1aと対向して側枠1bの上部に架設された上枠1cを有している。
基枠1の基部1aにワーク昇降装置90を隔ててテールストック側架台2及びヘッドストック側架台6が対向配置されている。
テールストック側架台2上にテールストック3が設けられ、テールストック3にその軸方向に移動自在に回転センタ4が配置され、回転センタ4は回転センタ用油圧シリンダ5の伸縮によってその軸心方向に移動する。この回転センタ4がクランクシャフトWの先端に形成されたセンタ穴Waに係合してクランクシャフトWの先端を回転自在に支持する。
一方、ヘッドストック側架台6に固設された案内用レール7上に移動可能にスライダ8が載置され、スライダ8は予め設定された数値指令に従いヘッドストック用油圧シリンダ9によって駆動機構を介して案内レール7上をテールストック3と接離する方向に往復移動する。
スライダ8上にヘッドストック10が設けられている。このヘッドストック10は、スライダ8上に固定されて軸方向に同心状の中空部11a(図5参照)が貫通する略円筒状の主軸11を有している。
主軸11内には、円筒状のスピンドル12が貫通し、かつベアリング13によって回転自在に支持されている。主軸11からテールストック3側に突出するスピンドル12の先端部12aは円板状に拡径される一方、主軸11の他方に突出する基部12bにタイミングベルト用プーリ14が取り付けられている。スピンドル12はタイミングベルト用プーリ14及びタイミングベルト15を介して駆動モータ16によって回転駆動される。
次に、スピンドル12の先端部12a側に設けられるチャック機構20について図5によって説明する。
略円筒状に形成されたスピンドル12の先端部12a側には、先端部21aが略円板状に拡径形成された円筒状のジョー21が、円筒状のガイド23によってスライド可能に嵌挿して支持され、ジョー21の基端部はドローバー24を介在して主軸11の後端に配設された回転油圧シリンダ25に連結されている。ジョー21の先端部21aには主軸11の軸心と平行に延在して突出する回転止めピン27が圧入されて取り付けられている。
スピンドル12の先端部12aの端部12cにジョー21の先端部21aを主軸11と同軸上に保持する、いわゆる軸心案内と各種の主軸に対応してチャック機構20を取り付け可能にする各種主軸への対応を兼ねたアダプタ29がボルト30によって取り付けられている。
アダプタ29の端面に、ジョー21の先端部21aを間隔をもって覆うチャックベース32がボルト31によって取り付けられている。このチャックベース32の中央には主軸11と同軸上に円筒状のホルダ26が貫通するホルダ貫通孔32bが開口し、かつジョー21に設けられた回転止めピン27の先端に嵌合するピン挿入孔32cが穿設されている。回転止めピン27の先端がピン挿入孔32cに嵌入することによってジョー21の回転が防止される。更に端面32aにはスペーサ挿入孔32dが穿設されている。
チャックベース32の端面32aにコレット33がボルト34によって取り付けられている。コレット33は、チャックベース32の端面32aに取り付けられてホルダ26の外周を囲むリング状の基部33aと、基部33aから薄肉のコレットベント部33bを介して内周がクランクシャフトWの基部に形成されたワーク把持部Wbを把持するオステーパ33cが延設されている。オステーパ33cは、外周がその先端側からスピンドル12側に移行するに従って漸次大径になるテーパ状、換言するとヘッドストック10側からテールストック3側に移行するに従って小径になる先細のテーパ状であって、コレットベント部33b及びオステーパ33cは、放射状のすり割りによって複数に分割されて撓み易く形成されている。
コレットホルダ35がコレット33の外周を囲むように配置されている。コレットホルダ35は、内周にコレット33の基部33aの外周に摺接可能に嵌合するコレットガイド部35bが形成された基部35a、及び基部35aから延設されてコレット33のオステーパ33cの外周に、ヘッドストック10側からテールストック3側に移行するに従って小径になるテーパ状の内周が圧接及び嵌合可能なメステーパ35cが一体形成されている。更に、コレットホルダ35の基部35aが、チャックベース32に穿設されたスペーサ挿入孔32dに摺動自在に嵌挿されたスペーサ36を介在させて連結ボルト37によってジョー21の先端部21aに結合されている。これらコレット33とコレットホルダ35によってクランクシャフトWの基端近傍に形成されたワーク把持部Wbをチャックするコレットチャックを構成している。
ホルダ26の内周にはスリーブ26aを介して持ち込みセンタ40を軸方向にスライド自在に支持し、かつスプリング39によって持ち込みセンタ40を、その先端がホルダ26の先端から突出する方向、即ちテールストック3側に付勢している。
この構成により、回転油圧シリンダ25によりドローバー24を介してジョー21をテールストック3側からヘッドストック10側に引くことによってコレットホルダ35が連動して同方向に移動し、コレットホルダ35の先端に形成されたメステーパ35cの内周がコレット33のオステーパ33cの外周に圧接してオステーパ33cを縮径してワーク把持部Wbをチャックし、かつ回転油圧シリンダ25によってドローバー24を介してジョー21をテールストック3側に押し出し移動させることによってメステーパ35cによる縮径が解除乃至緩和されてオステーパ33cが拡径してワーク把持部Wbをアンチャックする。なお、コレットホルダ35には微細な切粉や異物等を排出する通路が形成されている。
これらコレット33及びコレットホルダ35は、ボルト43によってチャックベース32に取り付けられて主軸11と同心状に延在する略円筒状のチャックボディ42によって囲まれて収容されている。
チャックボディ42の先端外周に、取付ボルト50によって取り付けられるリング状の基部51a及び基部51aの外周から主軸11側に延在する円筒状に形成されたベアリング保持部51bが一体形成された断面略L字状で環状に連続するバックアップホルダ51が同軸心上に設けられている。
一方、内周がチャックボディ42の外周との間に間隙を有して配置されてバックアップホルダ51の基部51aと対峙する円板状のバックアップ本体52a及びバックアップ本体52aの外周からテールストック3側に延在する円筒状に形成されたベアリング保持部52bが一体形成された断面略L字状でチャックボディ42の外周に沿って環状に延在するバックアップ52を有している。このバックアップ52は、バックアップホルダ51のベアリング保持部51bとベアリング保持部52bとの間にラジアルベアリング53が介在してバックアップホルダ51内にバックアップ本体52aに形成された平面状のバックアップ面52cが突出した状態でバックアップ52がバックアップホルダ51内に周方向に回転自在に支持されて収容されている。これによりバックアップ52をチャック機構20を介して容易にヘッドストック10に設けられる。
バックアップ52のバックアップ本体52aのガイド面52dと対向するバックアップホルダ51の基部51aのガイド面51dに硬質材からなる平板で環状のガイド54が張設されている。この対向するガイド54とバックアップ52のガイド面52dとの間に環状のリテーナ56に転動自在に保持された転動体となる複数のローラ57からなるスラストベアリング55が介装されている。なお、符号58はラジアルベアリング53をベアリング保持部51bに保持するベアリング押さえである。
図1〜図3に示すように基枠1の上枠1cには、クランクシャフトWの第1〜第4ジャーナルj1〜j4に対応して第1〜第4フィレットロール装置61−1〜61−4が設けられている。
第1ジャーナルj1の隅R部R1にフィレットロール加工を施す第1フィレットロール装置61−1は、開閉用シリンダ機構62によってクランプ及びアンクランプ動作する一対のクランプアーム63、64を有し、一方のクランプアーム63の先端に第1ジャーナルj1の隅R部R1に臨むフィレットロール66を回転自在に保持する片フィレットロール加工用の第1フィレットロール治具(片フィレットロール治具)65−1が設けられ、他方のクランプアーム64に第1ジャーナルj1に押接する把持ロール68を回転自在に保持する第1把持ロール治具67−1が設けられている。開閉用シリンダ機構62によってクランプアーム63、64をクランプ動作させてフィレットロール66と把持ロール68との間でクランクシャフトWの第1ジャーナルj1をクランプした状態でクランクシャフトWを回転させることによりフィレットロール66を公転及び自転させてフィレットロール66により第1ジャーナルj1の隅R部R1にフィレットロール加工が施される。この開閉用シリンダ機構62のクランプ動作による第1フィレットロール治具65−1のフィレットロール66と第1把持ロール治具67−1の把持ロール68による第1ジャーナルj1のクランプ力は、図示しない制御盤及び油圧回路等から構成されるクランプ圧切り換え制御手段による開閉用シリンダ機構62の切換制御によって、フィレットロール66及び把持ロール68がそれぞれ隅R部R1及び第1ジャーナルj1に極めて小さな接触圧で接触する低圧の第1クランプ力と、通常のフィレットロール加工に要求されるフィレットロール圧となる高圧の第2クランプ力に切り換えることができる。
第2〜第4ジャーナルj2〜j4の各隅R部R1及びR2にフィレットロール加工を施す第2〜第4フィレットロール装置61−2〜61−4も同様に開閉用シリンダ機構62によってクランプ及びアンクランプ動作する一対のクランプアーム63、64を有し、一方のクランプアーム63の先端に対応する第2〜第4ジャーナルj2〜j4の隅R部R1及びR2にそれぞれ臨むフィレットロール66を回転自在に支持する両フィレットロール加工用のフィレットロール治具(両フィレットロール治具)65−2〜65−4が設けられ、他方のクランプアーム64に把持ロール68を回転自在に保持する第2〜第4把持ロール治具67−2〜67−4が設けられている。第2〜第4フィレットロール装置61−2〜61−4の各開閉用シリンダ機構62によってそれぞれのクランプアーム63、64をクランプ動作させて各フィレットロール66と把持ロール68との間でクランクシャフトWの第2〜第4ジャーナル部j2〜j4をそれぞれクランプした状態でクランクシャフトWを回転させることにより各フィレットロール66を公転及び自転させて各フィレットロール66により第2〜第4ジャーナルj2〜j4の隅R部R1及びR2にフィレットロール加工が施される。
更に、基枠1の上枠1cには、第1フィレットロール装置61−1の第1フィレットロール治具65−1の軸方向移動を規制して第1フィレットロール治具65−1を保持するフィレットロール治具保持機構70が設けられている。
フィレットロール治具保持機構70は、図2乃至図4に示すように、昇降用油圧シリンダ72及び一対の昇降用ガイド73によって上枠1cに吊下支持されて水平方向に延在するベース部71を有し、昇降用シリンダ72の昇降動作によって昇降用ガイド73に案内されてベース部71は上昇位置と下降位置との間で昇降する。
ベース部71にバックアップブロック80を退避位置とセット位置との間で移動させるバックアップブロック移動手段が設けられている。バックアップブロック移動手段は、ベース部71の下面に設けられて水平方向に延在する案内レール74を有し、この案内レール74にヘッドストック10のチャックボディ42に配設されたバックアップホルダ51と接離する水平方向に往復移動自在にスライダ75が支持され、スライダ75の先端にバックアップブロック80が設けられており、バックアップブロック80にスライダ75を介してシリンダロッド先端が接続固定されたバックアップブロック用油圧シリンダ76がベース部71に配設されて構成されている。ベース部71に配設されたバックアップブロック用油圧シリンダ76の伸縮動作によって案内レール74に案内されるスライダ75を介してバックアップブロック80が図3に一点鎖線80aで示す後退位置と実線で示すセット位置との間で往復移動する。
なお、バックアップブロック80等を支持するベース部71を昇降用油圧シリンダ72及び昇降用ガイド73を介して上枠1cに吊下支持することによってベース部71の支持剛性が抑制されバックアップブロック80の揺動が若干許容される、いわゆるフローティング支持構造が採用されている。すなわち、バックアップブロック80は、第1フィレットロール治具(片フィレットロール治具)65−1、及びバックアップ52に対して相対移動可能にフローティング支持される。また、通常使用時には昇降用油圧シリンダ72によりベース部71は下降位置に保持された状態で、バックアップブロック用油圧シリンダ76の伸縮動作によってバックアップブロック80が後退位置とセット位置との間で往復移動し、メンテナンス等の際にはバックアップブロック80を後退位置に保持した状態で昇降用油圧シリンダ72によりベース部71を上昇位置に上昇させてバックアップブロック80を図3に二点鎖線80bで示すように退避させて作業スペースを確保することによって作業性の向上を図っている。
バックアップブロック80は、図3乃至図5に示すようにスライダ75に結合されるフィレットロール治具保持部材81及びフィレットロール治具保持部材81の側面81aに取付ボルト88によって結合されるバックアップ当接部材85を主要部として構成される。
フィレットロール治具保持部材81は、図3及び図4に示すように基端がスライダ75に取付ボルト(図示せず)によって結合されている。フィレットロール治具保持部材81の先端側には、バックアップブロック80がセット位置において第1フィレットロール治具65−1を間隙を有して収容するフィレットロール治具収容部82a及びバックアップホルダ51を間隙を有して収容するバックアップホルダ収容部82bが連続して切欠形成され、フィレットロール治具収容部82aに連続して第1フィレットロール治具65−1と第2フィレットロール治具65−2との間に間隙をもって挿入可能で第1フィレットロール治具65−1の側面65−1aに側面83aが対向するフィレットロール治具当接部83が延設されたブロック状に形成されている。
フィレットロール治具当接部83の先端はクランクシャフトWとの当接を回避すべく円弧状に凹設され、第1フィレットロール治具当接部83における第1フィレットロール治具65−1との接触部となる側面83aにフィレットロール治具当接部83の先端に沿って円弧状に連続する硬質材料からなる平板状の当接部材84が第1フィレットロール治具65−1の側面65−1aに当接及び摺接可能に張設されている。この当接部材84の端縁にテーパ状の面取りが施されている。この硬質材料からなる当接部材84を配設することによってフィレットロール治具当接部83の耐摩耗性を確保してフィレットロール治具当接部83の耐久性の向上を図っている。
バックアップ当接部材85は、基部が取付ボルト88によってフィレットロール治具保持部材81のバックアップホルダ収容部82b側の側面81aに結合された板状であって、フィレットロール治具保持部材81から突出する先端側に側面86aがバックアップ52のバックアップ面52cと対向するバックアップ当接部86が形成されている。バックアップ当接部86の先端はチャックボディ42との当接を回避すべく円弧状に凹設され、バックアップ52との接触部となる側面86aにはバックアップ当接部86の先端に沿って円弧状に連続する硬質材料からなる平板状の当接部材87がバックアップ52のバックアップ面52cと当接及び摺接可能に張設されている。この当接部材87の端縁にテーパ状の面取りが施されている。この硬質材料からなる当接部材87を配設することによってバックアップ当接部86の耐摩耗性を確保してバックアップ当接部材85の耐久性の向上を図っている。
また、2分割されて取付ボルト88によって互いに結合されるフィレットロール治具保持部材81と、バックアップ当接部材85とよってバックアップブロック80を形成することで、フィレットロール治具保持部材81及びバックアップ当接部材85を成形性に優れた簡素な形状で実現でき、かつ小型化することが可能になる。この結果、バックアップブロック80の成形性が向上し、製造コストの低減が得られる。
このように構成されたバックアップブロック80は、フィレットロール治具収容部82a及びバックアップホルダ収容部82bを隔ててフィレットロール治具当接部83とバックアップ当接部86が対向する平面視略コ字状に形成され、セット位置においてフィレットロール治具当接部83に張設された当接部材84を第1フィレットロール治具65−1の側面65−1aに当接すると共にバックアップ当接部86に張設された当接部材87をバックアップ52のバックアップ面52cに当接することによって、第1フィレットロール治具65−1の側面65−1aとバックアップ52のバックアップ面52cにおける軸方向の離反が規制される。
また、後退位置においてフィレットロール治具当接部83及びバックアップ当接部86がそれぞれ第1フィレットロール治具65−1及びバックアップ52から離れ、バックアップブロック80に影響されることなくクランクシャフトWをテールストック3とヘッドストック10との間に装着或いは取り出すことができる。
なお、テールストック側架台2とヘッドストック側架台6の間に配置されるワーク昇降装置90は、テールストック3とヘッドストック10との間にクランクシャフトWを供給すると共に搬出するリフタである。
次に、このように形成されたフィレットロール加工機の作動について説明する。
センタ穴Waが形成された先端側をテールストック3側に、基端となるワーク把持部Wb側をヘッドストック10側となるように延在させてクランクシャフトWをワーク昇降装置90上に載置して準備し、ワーク昇降装置90によりクランクシャフトWをその軸心がテールストック3の軸心及び主軸11の軸心、即ち回転センタ4及び持ち込みセンタ40の軸心より若干下方位置まで上昇させる。
このクランクシャフトWを持ち上げた状態で回転センタ油圧シリンダ5の伸長によって回転センタ4を前進させる。回転センタ4の前進によって回転センタ4がクランクシャフトWのセンタ穴Waを拾いクランクシャフトWの先端を若干持ち上げながら前端位置まで回転センタ4を移動させる。
次に、ヘッドストック用油圧シリンダ9の伸長によってスライダ8上に配置されたヘッドストック10を前進させる。ヘッドストック10の前進によって主軸11に保持された持ち込みセンタ40の先端がクランクシャフトWの基端に形成されたセンタ穴Waを拾いクランクシャフトWの軸心を水平に保持する。
更に、主軸11を前進させると、持ち込みセンタ40を付勢するスプリング39が縮小して持ち込みセンタ40がその位置に保持された状態でチャック機構20がクランクシャフトWの基端部を覆うように前進し、クランクシャフトWのワーク把持部Wbはコレット33の先端に形成されたオステーパ33c内に円滑に挿入される。
次に、回転油圧シリンダ25によってドローバー24を引き込む。ドローバー24の引き込みにより、ドローバー24に連結されたジョー21を介して、ジョー21にスペーサ36を介在してボルト37によって連結されたコレットホルダ35が連動して主軸11の方向に移動し、コレットホルダ35のメステーパ35cの内周面によってコレット33のオステーパ33cの外周面を押圧し、オステーパ33cの内径を収縮させる。このオステーパ33cの縮径によってクランクシャフトWのワーク把持部Wbをチャック、即ち把持し、クランクシャフトWと主軸11がコレット33、チャックベース32等を介して連結状態となり、クランクシャフトWとスピンドル12との間のトルク(回転力)及びスラスト荷重の伝達が可能になり、且つ、ベアリング13を介してヘッドストック10でスラスト荷重を受けることが可能になる。
続いて、第1フィレットロール装置61−1の開閉用シリンダ機構62によりクランプアーム63、64を閉じ、第1ジャーナルj1の端部に形成された隅R部R1とウェブbとの間に第1フィレットロール治具65−1及び第1把持ロール治具67−1を挿入して、第1フィレットロール治具65−1に支持されたフィレットロール66を隅R部R1に接触させかつ第1把持ロール治具67−1の把持ロール68を第1ジャーナルj1の周面に接触する低圧の第1クランプ力P1で第1ジャーナルj1をクランプする。このとき第1フィレットロール治具65−1の挿入にあたりフィレットロール66は第1フィレットロール治具65−1に遊びをもって支持されていることから、隅R部R1に倣いながら入り込む。
同様に、第2〜第4フィレットロール装置61−2〜61−4の各開閉用シリンダ機構62により各クランプアーム63、64を閉じ、第2〜第4ジャーナルj2〜j4の各端部に形成された各ウェブb間にそれぞれ第2〜第4フィレットロール治具65−2〜65−4及び第2〜第4把持ロール治具67−2〜67−4を挿入して、第2〜第4フィレットロール治具65−2〜65−4に支持された各フィレットロール66を第2〜第4ジャーナルj2〜j4の端部に形成された各隅R部R1及びR2に接触させ、かつ第2〜第4把持ロール治具67−2〜67−4の各把持ロール68を第2〜第4ジャーナルj2〜j4の周面に接触する低圧力の第1クランプ力P1で第2〜第4ジャーナルj2〜j4をクランプする。このとき第2〜第4フィレットロール治具65−2〜65−4の挿入にあたり各フィレットロール66はそれぞれ各隅R部R1、R2に倣いながら入り込む。
続いて、フィレットロール治具保持機構70のバックアップブロック用油圧シリンダ76の伸長動作によってバックアップブロック80を後退位置からセット位置に前進移動させる。
このバックアップブロック80の前進移動に伴って、図5に示すようにフィレットロール治具保持部材81の先端側に形成されたフィレットロール治具当接部83が、その側面83aに張設された当接部材84のテーパ状に形成された端縁84a側から当接部材84が第1フィレットロール治具65−1の側面65−1aに摺接誘導されつつ第1フィレットロール治具65−1と第2フィレットロール治具65−2との間に挿入して当接部材84が第1フィレットロール治具65−1の側面65−1aに接する一方、バックアップ当接部材85の先端側に形成されたバックアップ当接部86が、その側面86aに張設された当接部材87のテーパ状に形成された端縁87a側から当接部材87がバックアップ52のバックアップ面52cに摺接誘導されつつ前進移動して当接部材87がバックアップ52のバックアップ面52cに接する。このバックアップブロック80の前進移動にあたりバックアップブロック80を支持するベース部71を昇降用油圧シリンダ72及び昇降用ガイド73を介して上枠1cに吊下支持することによってベース部71の支持剛性が抑制されてフローティング支持され、かつ低圧でクランプされた第1フィレットロール治具65−1の移動が若干許容されることから、バックアップブロック80が当接部材84及び87が摺接する第1フィレットロール治具65−1の側面65−1a及びバックアップ52バックアップ面52cに倣って揺動してバックアップブロック80を円滑にセット位置に移動することができる。
これにより第1フィレットロール治具65−1の側面65−1aとバックアップ52のバックアップ面52cが軸方向両側からフィレットロール治具当接部83とバックアップ当接部86によって挟持されて第1フィレットロール治具65−1がバックアップ52から軸方向に離反するのが規制される。
このバックアップブロック80によって第1フィレットロール治具65−1の軸方向移動が規制され、かつ第1〜第4フィレットロール治具65−1〜65−4にそれぞれ支持されたフィレットロール66が対応する隅R部R1及びR2に納まった状態から、第1〜第4フィレットロール装置61−1の各開閉用シリンダ機構62によってクランプアーム63にクランプ動作させると、各クランプアーム64が引き寄せられ、把持ロール治具67−1に支持された把持ロール68がそれぞれ第1〜第4ジャーナルj1〜j4の周面に当接する。これにより第1フィレットロール治具65−1のフィレットロール66が隅R部R1に圧接して第1ジャーナルj1をクランプし、第2〜第4フィレットロール治具65−2〜65−4の各フィレットロール66がそれぞれ各隅R部R1、R2に圧接して第2〜第4ジャーナルj2〜j4をクランプする。
ここで、片フィレットロール加工を施す第1フィレットロール装置61−1においては、このクランプ力Pに応じてフィレットロール66にロール圧力F1と分力F2、換言すると軸方向の反力F2が発生し、第1フィレットロール治具65−1の側面65−1aがフィレットロール治具保持部材81のフィレットロール治具当接部83に張設された当接部材84に反力F2で押し付けられて接触し、フィレットロール66は所定のロール角に保持されると共に、フィレットロール治具保持部材81、及び、このフィレットロール治具保持部81と一体結合されたバックアップ当接部材85を介してバックアップ当接部材85のバックアップ当接部86に張設された当接部材87が反力F2でバックアップ52のバックアップ面52cに押し付けられて接触し、スラストベアリング55を介してチャックボディ42に結合されたバックアップホルダ51によって受け止められる。なお、バックアップ52は、ラジアルベアリング53及びスラストベアリング55によってチャックボディ42に設けられたバックアップホルダ51に回転自在に支持されることから、スピンドル12の回転によりチャックボディ42及びコレット33等を介してクランクシャフトWを円滑に回転させることができる。
続いて、駆動モータ16によってスピンドル12を回転駆動する。スピンドル12の回転によってチャックベース32及びコレット33等を介してクランクシャフトWを回転駆動すると共に、第1〜第4フィレットロール装置61−1〜61−4の各開閉用シリンダ機構62によりクランプアーム63と64によるクランプ力を徐々に高圧の第2クランプ力P2に高め、所要のロール圧力によるフィレットロール66によって各隅R部R1及びR2にフィレットロール加工を施す。
このフィレットロール加工の際、第1フィレットロール装置61−1のクランプアーム63、64のクランプ力Pを所期のロール圧力F1となるようにクランプ力P2に高めるに従って、第1フィレットロール治具65−1に作用する反力F2は比例して高まるが、第1フィレットロール治具65−1の側面65−1aが当接部材84を介在してフィレットロール治具当接部83に反力F2で押し付けられ、この反力F2がフィレットロール治具保持部材81と一体結合されたバックアップ当接部材85及び当接部材87からスラストベアリング55を介してチャックボディ42に結合されたバックアップホルダ51によって受け止められる。そして、この反力F2は、チャックボディ42、チャックベース32、アダプタ29、スピンドル12、ベアリング13等を介してヘッドストック10によって受け止められる。これにより、第1フィレットロール治具65−1の軸方向の移動が規制されて第1フィレットロール治具65−1が軸方向に逃げることが確実に防止され、フィレットロール66による所期のロール圧力F1が隅R部R1に付与されて良好なフィレットロール加工が行われる。
クランクシャフトWのフィレットロール加工が終了すると、駆動モータ16によるスピンドル12の回転を停止してクランクシャフトWの回転を停止し、第1〜第4フィレットロール装置61−1〜61−4の各開閉用シリンダ機構62によって各フィレットロール66及び把持ロール68によるクランクシャフトWのクランプを解除する。
そして、フィレットロール治具保持機構70のバックアップブロック用油圧シリンダ76の縮小動作によってバックアップブロック80をセット位置から後退移動させる。このバックアップブロック80の後退移動に伴ってフィレットロール治具当接部83が第1フィレットロール治具65−1と第2フィレットロール治具65−2との間から抜け出し、かつバックアップ当接部86に設けられた当接部材87がバックアップ52から離れてバックアップブロック80が後退位置に停止する。
続いて、回転油圧シリンダ25によりドローバー24を押動してコレット33及びコレットホルダ35によるクランクシャフトWのチャックを解除し、回転センタ油圧シリンダ5により回転センタ4を後退させ、かつヘッドストック用油圧シリンダ9によってヘッドストック10を後退させてクランクシャフトWをワーク昇降装置90上に載置し、フィレットロール加工が終了したクランクシャフトWをワーク昇降装置90によってフィレットロール加工機から搬出する。
従って、このように構成されたフィレットロール加工機によると、フィレットロール加工の際、片フィレットロール加工を施す第1フィレットロール治具65−1のワークの軸方向に対する移動が規制されて第1フィレットロール治具65−1が軸方向に逃げることが確実に防止され、フィレットロール66による所期のロール圧力F1が隅R部R1に付与されて良好なフィレットロール加工が行われる。
なお、上記実施の形態ではクランクシャフトWの隅R部にフィレットロール加工を施す場合を例に説明したが、クランクシャフトWに限定されることなくカムシャフト等の隅R部にフィレットロール加工を施す等、他の棒状ワークのフィレットロール加工に適用することもできる。
本発明の実施の形態に係るフィレットロール加工機の全体側面図である。 図1のA矢視図である。 図3は図2のB部拡大図である。 図4は図2のC−C線断面図である。 図5は図4のD部拡大図である。 本実施の形態においてフィレットロール加工が施されるクランクシャフトの説明図である。 従来のフィレットロール加工機の概念図である。 図7の要部拡大断面図である。 クランクシャフトの説明図である。
符号の説明
3 テールストック
4 回転センタ
10 ヘッドストック
20 チャック機構
42 チャックボディ
51 バックアップホルダ
52 バックアップ
52c バックアップ面
61−1〜61−4 第1〜第4フィレットロール装置
63、64 クランプアーム
65−1 第1フィレットロール治具(片フィレットロール治具)
65−2〜65−3 第2〜第4フィレットロール治具(両フィレットロール治具)
66 フィレットロール
67−1〜67−4 第1〜第4把持ロール治具
68 把持ロール
70 フィレットロール治具保持機構
71 ベース部(バックアップブロック移動手段)
74 案内レール
75 スライダ
76 バックアップブロック用油圧シリンダ(バックアップブロック移動手段)
80 バックアップブロック
81 フィレットロール治具保持部材
81a 側面
83 フィレットロール治具当接部
83a 側面
84 当接部材
85 バックアップ当接部材
86 バックアップ当接部
87 当接部材
W クランクシャフト(棒状ワーク)
Wb ワーク把持部
j1〜j4 第1〜第4ジャーナル
R1、R2 隅R部

Claims (8)

  1. 棒状のワークの先端を回転センタで支持するテールストックと、
    上記ワークの基端近傍に形成されたワーク把持部を把持して上記ワークを回転駆動するヘッドストックと、
    片フィレットロール治具に支持されて上記ワークの基端近傍に形成されたジャーナルの上記基端側に形成された隅R部にフィレットロール加工を施すフィレットロールと、
    把持ロール治具に支持されて上記ジャーナルに押接すると共に上記フィレットロールと協働して上記ワークのジャーナルをクランプする把持ロールと、
    上記ヘッドストックの外周に支持され上記テールストックと反対側にバックアップ面が形成されたバックアップと、
    上記片フィレットロール治具のテールストック側の側面及び上記バックアップのバックアップ面にそれぞれフィレットロール治具当接部及びバックアップ当接部が当接して上記ワークの軸方向に対する上記片フィレットロール治具の移動を規制するバックアップブロックを備えたフィレットロール治具保持機構と、
    を有すること特徴とするフィレットロール加工機。
  2. 上記ヘッドストックは、上記ワーク把持部を把持するチャック機構を備え、
    上記バックアップは、上記チャック機構のチャックボディの外周に沿って延在する環状で周方向に回転自在に支持されたことを特徴とする請求項1に記載のフィレットロール加工機。
  3. 上記フィレットロール治具当接部のフィレットロール治具に当接する接触部に硬質材料の当接部材を配設したことを特徴とする請求項1または2に記載のフィレットロール加工機。
  4. 上記バックアップ当接部のバックアップに当接する接触部に硬質材料の当接部材を配設したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィレットロール加工機。
  5. 上記バックアップブロックは、
    2分割された上記フィレットロール治具当接部を具備するフィレットロール治具保持部材とバックアップ当接部を備えたバックアップ当接部材とを結合して形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィレットロール加工機。
  6. 上記フィレットロール治具保持機構は、
    上記バックアップブロックのフィレットロール治具当接部が上記片フィレットロール治具のテールストック側の側面に当接しバックアップ当接部がバックアップのバックアップ面に当接して上記ワークの軸方向に対する上記片フィレットロール治具の移動を規制するセット位置とフィレットロール治具当接部及びバックアップ当接部がそれぞれ片フィレットロール治具の上記側面及びバックアップのバックアップ面から離れる後退位置との間で移動させるバックアップブロック移動手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィレットロール加工機。
  7. 上記バックアップブロックは、上記片フィレットロール治具及びバックアップに対して相対移動可能にフローティング支持されたことを特徴とする請求項6に記載のフィレットロール加工機。
  8. バックアップブロックを後退位置からセット位置にセットする前後において、上記フィレットロールと把持ロールとによるクランプ圧を低圧と高圧に切り換えるクランプ圧切り換え制御手段を備えたことを特徴とする請求項6または7に記載のフィレットロール加工機。
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