以下、ここで提案される研削加工機を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、各図面は、一例を示すのみであり、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、一実施形態である研削加工機100の正面図である。図2は、図1のII−II断面図である。
ここでは、研削加工機100は加工工具104に対して、加工されるワーク201、202が配置される側を正面とし、図1に示すように、正面から見て上下、左右が定められている。さらに加工工具104を基準にワーク201、202側(手前側)を前(F)、加工工具104がワーク201、202から離れる方向を後(Rr)としている。上、下、左、右、前、後の向きは、図中、U、D、L、R、F、Rrの矢印でそれぞれ表されている。
研削加工機100は、図1および図2に示すように、土台101と、一対の第1ホルダー102,103と、加工工具104と、第1駆動装置104Aと、操作装置105と、一対の第2ホルダー106,107と、一対のベース108,109と、第2駆動装置110と、連動機構111とを備えている。研削加工機100は、同時に複数本(この例では、2本)のワーク201、202を研磨することができる。
この実施形態では、加工されるワーク201、202は、シャフト201a,202aの外周面にゴム201b,202bが円筒状に成形された成形体である。かかるワーク201、202は、例えば、各種プリンターやファクシミリなどのOA機器の給紙用のローラ(ゴムローラ)として用いられる。研削加工機100は、かかるワーク201,202のゴム201b,202bの外周面を研磨する。これによって、ワーク201、202の円筒形状が整えられるとともに、ワーク201、202のゴム201b,202bの外周面に所要の研磨目が形成される。2本のワーク201、202は、同じ製品である。ここでは、説明の便宜のために、一対の第1ホルダー102,103に保持されるワーク201を、適宜に、「第1ワーク」と称する。一対の第2ホルダー106,107に保持されるワーク202を、適宜に、「第2ワーク」と称する。
土台101は、研削加工機100の各構成部材を支持する台である。この実施形態では、土台101は、第1支持テーブル101aと、第2支持テーブル101bとを備えている。第1支持テーブル101aは、加工工具104を操作する操作装置105を移動可能に支持するテーブルである。第2支持テーブル101bは、一対のベース108,109、第2駆動装置110などが載せられるテーブルである。第1支持テーブル101aは、第2支持テーブル101bの後側にあり、図1では、第2支持テーブル101bの後に隠れている。第2支持テーブル101bには、一対のベース108,109が取り付けられる。この実施形態では、第2支持テーブル101bには、図2に示すように、左右方向に延びたガイド101b1が設けられている。ガイド101b1は、土台101において上方に突出し、左右方向に延びた所定幅を有する突条である。一対のベース108,109は、左右方向に沿って第2支持テーブル101bに取り付けられる位置が調整される。
一対の第1ホルダー102,103は、土台101の上方に設定された水平な第1軸L1に沿って間隔をあけて配置され、第1軸L1の周りに回転自在に設けられている。第1軸L1は、第1ホルダー102,103が配置される基準となる軸である。図3は、左側に配置された第1ホルダー102および第2ホルダー106を示す正面図である。一対の第1ホルダー102,103は、図1および図3に示すように、第1ワーク201を保持する部材である。一対の第1ホルダー102,103には、いわゆる外径把握型のコレットチャックが用いられている。なお、第1ホルダー102,103は、一対のベース108,109の後に配置されている(図2参照)。第1ホルダー102,103は、一対のベース108,109から独立している。第1ホルダー102は、第2駆動装置110に支持されている。第1ホルダー103は、第1芯押し機構213に支持されている。図3では、ベース108の一部を破断して、第1ホルダー102を保持するフランジ211が図示されている。
図1および図3に示すように、第1ホルダー102,103の基端102a,103aはテーパになっている。第1ホルダー102,103は、内部には、バネ102b,103bが内装された外筒102c,103cを有している。外筒102c,103cの先端部の内周面はテーパ状に開口しており、内部に向けて内径が絞られている。外筒102c,103cの先端部には、把持軸102d,103dが内装されている。把持軸102d,103dは、軸方向に沿ったスリ割りが周方向に複数形成されている。把持軸102d,103dは、バネ102b,103bの作用によって押し出されると、第1ワーク201のシャフト201aの端部が掴める程度に開く。そして、第1ワーク201のシャフト201aの端部が把持軸102d,103dに突き当てられると、把持軸102d,103dは、バネ102b,103bに抗して引っ込む。把持軸102d,103dは、引っ込む際に外筒102c,103cの内周面に沿って閉じ、第1ワーク201のシャフト201aの端部を掴む。第1ホルダー102,103としてのコレットチャックには、第1ワーク201のシャフト201aの端部の外径に応じたものを採用するとよい。
一対の第1ホルダー102,103は、第1軸L1に沿って把持軸102d,103dを向かい合わせて配置されている。第1ホルダー102,103の把持軸102d,103dの間隔は、第1ワーク201のシャフト201aの長さよりも少し広く調整されている。一対の第1ホルダー102,103の基端は、それぞれフランジ211,212のテーパ状の窪み211a,212aに装着されている。一方のフランジ211(図1では、左側のフランジ)は、第2駆動装置110に設けられている。フランジ211の基端部には、連動機構111の駆動プーリ111aが取り付けられている。他方のフランジ212は、第1芯押し機構213にベアリング(図示省略)を介して回転自在に設けられている。第1芯押し機構213は、図示は省略するがシリンダ機構を内装し、一方のフランジ211と、他方のフランジ212との距離を近づけたり離したり移動させる。図1は、他方のフランジ212を一方のフランジ211に近づけ、一対の第1ホルダー102,103としてのコレットチャックによって第1ワーク201が保持された状態が図示されている。第1芯押し機構213によって、第1軸L1に沿って他方のフランジ212を一方のフランジ211から離すことによって、一対の第1ホルダー102,103から第1ワーク201が脱落する。ここで、第1芯押し機構213に取り付けられるフランジ212には、例えば、カブト工業製のセンターヘッド(例えば、KS−3P)などを用いてもよい。
この実施形態では、一対の第1ホルダー102,103の近くに、それぞれ第1受部材214,215が配置されている。第1受部材214は、第1軸L1に沿って配置される第1ワーク201のシャフト201aの左端部の下方に配置されている。第1受部材215は、第1ワーク201のシャフト201aの右端部の下方に配置されている。一対の第1ホルダー102,103から脱落した第1ワーク201は、第1受部材214,215によって受け止められる。また、一対の第1ホルダー102,103に第1ワーク201を取り付ける際には、第1受部材214,215にシャフト201aを置き、第1受部材214,215間に第1ワーク201を渡す。そして、第1芯押し機構213によって右側の第1ホルダー103を左側に押し出す。第1受部材214,215に置かれた第1ワーク201のシャフト201aの端部は、把持軸102d,103dに突き当たり、把持軸102d,103dによって保持される。この状態で、第2駆動装置110によってフランジ211が回転すると、一対のフランジ211,212によって保持された第1ワーク201が回転する。
なお、第1ワーク201の取付方法は、上記の手法に限定されない。他の方法として、例えば、第1芯押し機構213が後退した状態で、一対の把持軸102d,103dの端面の間隔を調整し、第1ワークの長さよりも3〜4mm程度長くする。次に把持軸102d,103dのうち一方の把持軸に第1ワーク201の片端を挿し込み保持させる。そして、第1芯押し機構213を前進させて一対の把持軸102d,103dの端面間距離を詰める。これによって、第1ワーク201の両端を把持軸102d,103dに押し込む。このように第1ワーク201を把持軸102d,103dに取り付けてもよい。後述する第2ワーク202の取付方法も、同様に種々の方法が採用されうる。
なお、一対の第1ホルダー102,103としてのコレットチャックは、特に言及されない限りにおいて、図示された形態や上述の説明に限定されない。例えば、ワーク201、202の端部が、全く、異なる場合には、それに対応するコレットチャックを採用するとよい。一対の第1ホルダー102,103としてのコレットチャックは、ワーク201に応じて変更されうる。コレットチャックは、種々のタイプが提案されており、ワーク201、202に応じたものを入手するとよい。コレットチャックには、例えば、理研精機株式会社製、ユキワ精工株式会社製などのコレットチャックを採用することができる。
加工工具104は、円柱または円板状であり、中心に回転軸104a(図2参照)が設けられている。この実施形態では、加工工具104は、所要の厚さを有する円板状の部材である。加工工具104は、外側面に研磨面を有している。この実施形態では、加工工具104の回転軸104aの高さは、第1ホルダー102,103に保持される第1ワーク201の高さに合わせられている。図1に示された正面図では、加工工具104の回転軸104aは、第1ワーク201に高さが重なっており、第1ワーク201の後に隠れているために図示されていない。
第1駆動装置104Aは、加工工具104の回転軸104aを第1軸L1に対して平行に保持した状態で加工工具104を、回転軸104aの周りに回転させる装置である。この実施形態では、第1駆動装置104Aは、詳しい構造を省略しているが、例えば、ベアリングを介して回転軸104aを支持する構造と、プーリなどを介して、モータなどの駆動装置の動力を回転軸104aに伝達する動力伝達機構とを備えているとよい。第1駆動装置104Aは、例えば、予め定められた回転数で加工工具104を回転させうる。
操作装置105は、第1駆動装置104Aと、土台101とを相対的に動かす装置である。加工工具104の周側面は、一対の第1ホルダー102,103に保持された第1ワーク201の側面に押し当てられ、かつ、第1ワーク201の側面に沿って移動するとよい。例えば、操作装置105は、加工工具104を支持した第1駆動装置104Aを前後方向および左右方向に動かす機構を備えているとよい。加工工具104の周側面が一対の第1ホルダー102,103に保持される第1ワーク201の側面に押し当てられるように、操作装置105によって第1駆動装置104Aが前後に動かされる。また、この実施形態では、加工工具104が第1ワーク201の側面に沿って動くように、操作装置105によって第1駆動装置104Aが左右に動かされる。
この実施形態では、操作装置105は、土台101に対して第1駆動装置104Aを動かすための第1移動機構221と第2移動機構222とを備えている。第1移動機構221は、土台101に対して第1駆動装置104Aを前後に動かす機構である。第1移動機構221によって、加工工具104が第1軸L1に対して近づいたり離れたりする。第2移動機構222は、土台101に対して第1駆動装置104Aを左右に動かす機構である。この実施形態では、かかる第1移動機構221と第2移動機構222とによって、加工工具104は、第1ワーク201の側面に押し当てられつつ、第1軸L1に沿って左右に動かされる。
図1および図2に示す例では、第1移動機構221と第2移動機構222は、以下のように具現化されている。操作装置105は、ベースプレート105aに載せられている。ベースプレート105aは、土台101の第1支持テーブル101aに載せられている。第1支持テーブル101aには、第1軸L1に沿って左右に延びた第1ガイド105bが設けられている。操作装置105のベースプレート105aは、第1ガイド105bに取り付けられ、第1支持テーブル101aに対して第1軸L1に沿って左右に移動可能に取り付けられている。ベースプレート105aには、前後方向に延びた第2ガイド105c設けられている。操作装置105の本体部105dは、第2ガイド105cに取り付けられており、ベースプレート105aに対して前後に移動可能に取り付けられている。操作装置105の本体部105dおよび加工工具104は、ボールねじ機構やモータなどのアクチュエータ(図示省略)によって、第1ガイド105bに沿って左右に所定位置に動かされ、かつ、第2ガイド105cに沿って前後に所定の位置に動かされる。なお、第1移動機構221と第2移動機構222の具体的な構成は、特に言及されない限りにおいて、上記の形態に限定されない。
また、この実施形態では、操作装置105によって、土台101に対して第1駆動装置104Aが前後および左右に動かされる形態を例示した。その結果、加工工具104の周側面は、一対の第1ホルダー102,103に保持された第1ワーク201の側面に押し当てられ、かつ、第1ワーク201の側面に沿って移動する。操作装置105は、かかる形態に限定されない。操作装置105は、第1駆動装置104Aと、土台101とを相対的に動かす装置であるとよい。
操作装置105は、例えば、加工工具104を支持する第1駆動装置104Aを前後方向にのみ動かす第1機構と、一対の第1ホルダー102,103が配置される土台101を第1駆動装置104Aに対して左右方向にのみ動かす第2機構とを備えた構造としてもよい。
他の形態として、加工工具104を支持する第1駆動装置104Aが左右方向にのみ動かす第1機構と、一対の第1ホルダー102,103が配置される土台101が第1駆動装置104Aに対して前後方向にのみ動かす第2機構を備えていてもよい。
さらに他の形態として、加工工具104を支持する第1駆動装置104Aの位置を固定し、一対の第1ホルダー102,103が配置される土台101を、第1駆動装置104Aに対して前後方向および左右方向に動かす機構を備えていてもよい。
ここで、図示は省略するが、第2駆動装置110と第1芯押し機構213とは、それぞれが保持する一対の第1ホルダー102,103が第1軸L1に沿って対向するように、土台101に配置されている。ここで説明は省略するが、第2駆動装置110と第1芯押し機構213とは、第1ホルダー102,103を水平方向に回動させたり、垂直方向に回動させたりする機構を備えている。つまり、第1ホルダー102,103の向きは、第1軸L1に対して水平方向および垂直方向にそれぞれ微調整される。
加工時、第1ホルダー102,103に保持される第1ワーク201には、加工時に加工工具104が押し当てられる。第1ホルダー102,103に保持される第1ワーク201は、加工工具104から押される。このため、第1ホルダー102,103によって第1軸L1に沿って保持される第1ワーク201は、例えば、加工工具104に向けて少しだけ弓なりに予め曲げられた状態で保持されているとよい。これによって、加工時に、加工工具104に押されることによって、第1ワーク201は第1軸L1に沿う状態となる。このため第2駆動装置110と第1芯押し機構213とは、図示は省略するが、第1ホルダー102,103の向きを水平方向および垂直方向にそれぞれ微調整する機構を備えている。ここで向きを微調整する機構は、例えば、第2駆動装置110と第1芯押し機構213とにそれぞれターンテーブルのような機構を設けたり、シムを介在させて土台101に取り付けたりしてもよい。
一対の第2ホルダー106,107は、図1に示すように、第1軸L1に対して平行で、かつ、第1駆動装置104Aに保持された加工工具104の加工範囲に設定された第2軸L2に沿って間隔をあけて配置されている。第2軸L2は、第2ホルダー106,107が配置される基準となる軸である。第2ホルダー106,107は、それぞれ第2軸L2の周りに回転自在に設けられている。この実施形態では、一対の第1ホルダー102,103と一対の第2ホルダー106,107は、同じ形状のワークを保持する。一対の第2ホルダー106,107には、一対の第1ホルダー102,103と同型のコレットチャックが採用されている。つまり、一対の第2ホルダー106,107の基端106a,107aはテーパになっている。第2ホルダー106,107は、バネ106b,107bが内装された外筒106c,107cを有している。第2ホルダー106,107の先端には、軸方向に沿ったスリ割りが周方向に複数形成された把持軸106d,107dが装着されている。把持軸106d,107dは、バネ106b,107bの作用で押し出されて開く。第2ワーク202のシャフト202aの先端が把持軸106d,107dに突き当てられると、把持軸106d,107dは閉じて第2ワーク202のシャフト202aを掴む。
この実施形態では、図2に示すように、加工工具104は円板状である。一対の第1ホルダー102,103に保持された第1ワーク201を加工する際の加工工具104の移動に対して、加工工具104の外周の軌跡104bが定まる。ここでは、加工工具104が回転軸104a周りに回転しつつ、第2軸L2に沿って動くため、円筒状の軌跡104bが定められる。加工工具104の加工範囲は、加工工具104の軌跡によって定められる。第2軸L2は、加工工具104の軌跡104bに対し、一対の第2ホルダー106,107に保持された第2ワーク202が、第1ワーク201と同じように加工されるために配置されるべき基準となる位置を定める。
この実施形態では、図2に示すように、加工工具104の回転軸104aを中心として、第1軸L1に対して周方向上方に移動させた位置に第2軸L2が定められている。なお、図2では、加工工具104の外周の軌跡104bが、第1軸L1に重ねられている。また第2軸L2は、加工工具104の回転軸104aを中心として周方向に上方にずれており、第1軸L1よりも径方向に少し外側に配置されている。図示は省略するが、実際には、加工工具104の外周の軌跡104bに対して、第1軸L1に沿って配置される第1ワーク201の外周面と、第2軸L2に沿って配置される第2ワーク202の外周面とが合わせられる。このため、加工工具104の位置、第1ワーク201を支持する一対の第1ホルダー102,103の位置、および、第2ワーク202を支持する一対の第2ホルダー106,107の位置が調整される。つまり、図2は、加工工具104の位置、第1ワーク201を支持する一対の第1ホルダー102,103の位置、および、第2ワーク202を支持する一対の第2ホルダー106,107の位置は、加工時の位置を表していない。
また、この実施形態では、加工工具104の回転軸104aの中心に高さを合わせて、第1軸L1が配置されている。加工工具104の回転軸104aを中心として、第1軸L1に対して周方向上方に移動させた位置に第2軸L2が配置されている。加工工具104に対する第1軸L1と第2軸L2の位置は、かかる形態に限定されない。
例えば、第2軸L2は、加工工具104の回転軸104aを中心として、第1軸L1に対して周方向下方に移動させた位置に配置してもよい。
また、加工工具104の回転軸104aの中心の高さを基準に、周方向に同じ距離を離して第1軸と第2軸を配置してもよい。例えば、周方向の上側に第1軸L1を配置し、周方向下方に第2軸L2を配置するとよい。この場合、加工工具104が前後に移動したときに、加工工具104の外周の軌跡104bと第1軸L1との距離と、加工工具104の外周の軌跡104bと第2軸L2との距離とが同じように変化しうる。この形態では、例えば、第1ワーク201と第2ワーク202にそれぞれ軸方向に沿って外径が変化する形状に外径を研削、研磨する場合において、2本同時に同形状に加工できうる。
第2ホルダー106,107は、図1に示すように、第2軸L2に沿って把持軸106d,107dを向かい合わせて配置されている。第2ホルダー106,107の把持軸106d,107dの間隔は、第2ワーク202のシャフト202aの長さよりも少し広く調整されている。一対の第2ホルダー106,107の基端106a,107aは、それぞれ一対のベース108,109に回転自在に設けられたフランジ216,217に装着されている。
(一対のベース108,109)
一対のベース108,109は、第2軸L2に沿って間隔をあけて土台101に取り付けられている。一対のベース108,109は、一対の第2ホルダー106,107をそれぞれ保持している。この実施形態では、左側のベース108には、第2ホルダー106が取り付けられるフランジ216が設けられている。右側のベース109には、第2ホルダー107が取り付けられるフランジ217が設けられている。
左側のベース108は、図2に示すように、基部108aと、ポール部108bと、フランジ支持部108cとを備えている。
基部108aは、土台101の第2支持テーブル101bに取り付けられる部位である。ポール部108bは、基部108aから上方に立ち上がった部位である。フランジ支持部108cは、ポール部108bの上部に設けられ後方に突出している。フランジ216は、フランジ支持部108cに支持されている。
ここで、図4は、図3のIV−IV断面図である。図4は、左側のフランジ216が取り付けられる部位を示しており、円筒状のフランジ216の中心線を通り水平な面に沿った断面が図示されている。
ベース108に設けられるフランジ支持部108cは、図4に示すように、延出軸108c1と、ベアリング108c2,108c3とを備えている。延出軸108c1は、ポール部108bに取り付けられ、ポール部108bから後方に延びた部材である。延出軸108c1の先端部には、フランジ216およびベアリング108c2,108c3が装着される孔108c4が形成されている。この実施形態では、孔108c4は、ベアリング108c2,108c3が装着できるようにベアリング108c2,108c3の外径に合わせられている。孔108c4の左側には、ベアリング108c2,108c3を位置決めする段差108c5およびシール231を装着する装着部108c6が設けられている。フランジ支持部108cの孔108c4には、シール231、円筒状のフランジ216が装着されたベアリング108c2,108c3が装着されている。
フランジ216には中心軸に沿って第2ホルダー106の基端106aを装着するための孔216aが形成されている。孔216aは、第2ホルダー106の基端106aが装着される右側の開口が外側から内側に向けてテーパ状に徐々に狭くなっている。フランジ216の外周面には、2つのベアリング108c2,108c3がスペーサ232を介在させて装着されている。フランジ216の外周面には、ベアリング108c2,108c3を所定の位置に位置決めするための段差216bが設けられている。フランジ支持部108cの孔108c4の右側には、皿バネ233が装着され、カバー234が取り付けられている。カバー234の内周面には、シール235が装着されている。フランジ216の左側には、連動機構111に接続される従動プーリ111bのボス部111b1が装着されており、フランジ216の左端にはプレート237がボルト238によって固定されている。プレート237は、従動プーリ111bをフランジ216に固定している。かかる構造によって、フランジ216は、フランジ支持部108cにおいてベアリング108c2,108c3を介して回転自在に支持されており、従動プーリ111bに連れ回る。
図5は、右側のベース109を示す正面図である。ベース109は、基部109aと、ポール部109bと、フランジ支持部109cとを備えている。
基部109aは、図1に示すように、土台101の第2支持テーブル101bに取り付けられる部位である。ポール部109bは、基部109aから上方に立ち上がった部位である。フランジ支持部109cは、ポール部109bの上部から後方(加工工具104が設けられる側)に突出している。フランジ217は、フランジ支持部109cに支持されている。
ここで、図6は、図5のVI−VI断面図である。図6は、右側のフランジ217が取り付けられる部位を示しており、フランジ217の中心線を通り水平な面に沿った断面が図示されている。
ベース109に設けられるフランジ支持部109cは、図6に示すように、延出軸109c1と、ベアリング109c2,109c3とを備えている。延出軸109c1は、ベース109のポール部109bに取り付けられ、ポール部109bから後方に延びた部材である。延出軸109c1の先端部には、フランジ217およびベアリング109c2,109c3が装着される孔109c4が形成されている。この実施形態では、孔109c4は、ベアリング109c2,109c3が装着できるようにベアリング109c2,109c3の外径に合わせられている。孔109c4の右側には、ベアリング109c2,109c3を位置決めする段差109c5およびシール241を装着する装着部109c6が設けられている。フランジ支持部109cの孔109c4には、シール241、円筒状のフランジ217が装着されたベアリング109c2,109c3が装着されている。
フランジ217には中心軸に沿って第2ホルダー107の基端107aを装着するための孔217aが形成されている。孔217aは、第2ホルダー107の基端107aが装着される左側の開口が外側から内側に向けてテーパ状に徐々に狭くなっている。フランジ217の外周面には、2つのベアリング109c2,109c3がスペーサ242を介在させて装着されている。フランジ217の外周面には、ベアリング109c2,109c3を所定の位置に位置決めするための段差217bが設けられている。フランジ支持部109cの孔109c4の左側には、皿バネ243が装着され、カバー244が取り付けられている。カバー244の内周面には、シール245が装着されている。フランジ217の右側には、ベアリング止材246が装着されており、フランジ217の右端にはプレート247がボルト248によって固定されている。プレート247は、フランジ217に固定している。かかる構造によって、フランジ217は、フランジ支持部109cにおいてベアリング109c2,109c3を介して回転自在に支持されている。ここで、フランジ支持部109cに支持されるフランジ217には、例えば、カブト工業製のセンターヘッド(例えば、KS−3P)などを用いてもよい。
このようにフランジ217が取り付けられた右側のベース109は、図5に示すように、第2芯押し機構218に取り付けられている。第2芯押し機構218は、台座218aと、スライドテーブル218bと、シリンダ機構218cとを備えている。台座218aは、第2支持テーブル101bに載せられて固定される部材である。この実施形態では、台座218aの右側にスライドテーブル218bが設けられている。スライドテーブル218bの上には、ベース109の基部109aが設置されている。スライドテーブル218bは、左右に延びたガイド218b1に沿って、台座218aの上を動く。台座218aの左側には、シリンダ機構218cが設置されている。シリンダ機構218cのピストン218c1の先端には、スライドテーブル218bに載せられたベース109の基部109aが取り付けられている。第2芯押し機構218は、フランジ217をベース109ごと移動させる。図1に示すように、第2ホルダー106,107が取り付けられた左右のフランジ216,217の距離は、近づいたり離れたりする。
図1は、右側のフランジ217を左側のフランジ216に近づけ、一対の第2ホルダー106,107としてのコレットチャックによって第2ワーク202が保持された状態が図示されている。第2芯押し機構218によって、右側のフランジ217を左側のフランジ216から離すことによって、一対の第2ホルダー106,107から第2ワーク202が脱落する。
この実施形態では、一対の第2ホルダー106,107の間で第2軸L2の下方に第2受部材219,220が配置されている。第2受部材219は、第2軸L2に沿って配置される第2ワーク202のシャフト202aの左端の下方に配置されている。第2受部材220は、第2ワーク202のシャフト202aの右端の下方に配置されている。一対の第2ホルダー106,107から脱落した第2ワーク202は、第2受部材219,220によって受け止められる。一対の第2ホルダー106,107に第2ワーク202を取り付ける際には、第2受部材219,220にシャフト202aを置き、受部材219,220間に第2ワーク202を渡す。そして、第2芯押し機構218によって右側の第2ホルダー107を左側に押し出す。第2受部材219,220に置かれた第2ワーク202のシャフト202aの端部は、把持軸106d,107dに突き当たり、把持軸106d,107dによって保持される。なお、第2ホルダー106,107への第2ワーク202の取付方法や取り外し方法は、上記に限定されない。
この実施形態では、図1および図2に示すように、第1ホルダー102,103と第2ホルダー106,107とで同じコレットチャックが用いられている。また、第1ホルダー102,103と第2ホルダー106,107は、同じワークを保持する。このため、第2ホルダー106,107と第1ホルダー102,103とが同じ間隔になるように、第2ホルダー106,107を保持する一対のベース108,109の間隔が調整される。
第2駆動装置110は、一対の第1ホルダー102,103のうち一方の第1ホルダー102(この実施形態では、左側のホルダー102)を第1軸L1の周りに回転させる装置である。第2駆動装置110は、例えば、図示は省略するが、モータおよびチャックを内蔵し、第1ホルダー102が装着されたフランジ211を把持するチャックをモータによって回転させる機構を備えているとよい。これによって、第1ホルダー102を回転させることができる。
連動機構111は、第2駆動装置110に連動し、一対の第2ホルダー106,107のうち一方の第2ホルダー106(この実施形態では、左側の第2ホルダー106)を、一方の第1ホルダー102に同期させて第2軸L2の周りに回転させる機構である。この実施形態では、第1ホルダー102を保持するフランジ211に取り付けられた駆動プーリ111aと、第2ホルダー106を保持するフランジ216に取り付けられた従動プーリ111bとを、伝動ベルト111cとで接続した機構である。ここでは、伝動ベルト111cには、Vベルトや平ベルト(例えば、三ツ星ベルト製のVリブドベルトなど)が用いられうる。また、図2に示すように、伝動ベルト111cには、テンショナー111dが取り付けられている。テンショナー111dは、例えば、左側のベース108に取り付けられているとよい。この実施形態では、テンショナー111dは、図2に示すように、ベース108のフランジ支持部108cに取り付けられたブラケット111d1にボルト111d2で取り付けられている。ベース108のポール部108bにテンショナー111dを操作する操作軸111d3が取り付けられている。操作軸111d3は、ポール部108bにねじ止めされている。操作軸111d3を回すことによって、テンショナー111dが前後に動く。この操作によって伝動ベルト111cに対するテンショナー111dの当たり具合が調整される。図1では、テンショナー111dの図示は省略されている。また、伝動ベルト111cの一部が破断され、従動プーリ111bが露見している。
この研削加工機100では、第1ホルダー102,103は、土台101の上方に設定された第1軸L1に沿って間隔をあけて配置されている。加工工具104は、円柱または円板状で、中心に回転軸が設けられている。第1駆動装置104Aは、加工工具104の回転軸104aを第1軸L1に対して平行に保持した状態で加工工具104を回転軸104aの周りに回転させる。さらに操作装置105は、加工工具104の周側面が一対の第1ホルダー102,103に保持された第1ワーク201の側面に押し当てられ、かつ、第1ワーク201の側面に沿って移動するように、第1駆動装置104Aと土台101とを相対的に動かす。
第2ホルダー106,107は、第1軸L1に対して平行で、かつ、第1駆動装置104Aに保持された加工工具104の加工範囲に設定された第2軸L2に沿って間隔をあけて配置されている。一対のベース108,109は、第2軸L2に沿って間隔をあけて土台101に取り付けられ、一対の第2ホルダー106,107をそれぞれ保持している。第2駆動装置110は、一対の第1ホルダー102,103のうち一方の第1ホルダー102を第1軸L1の周りに回転させる。連動機構111は、第2駆動装置110に連動し、一対の第2ホルダー106,107のうち一方の第2ホルダー106を、一方の第1ホルダー102に同期させて第2軸L2の周りに回転させる。かかる研削加工機100によれば、一台で、複数のワーク(この実施形態では、2本のゴムローラ)を同時に研削(研磨)できる。
ここでは、第1軸L1に対して平行で、かつ、第1駆動装置104Aに保持された加工工具104の加工範囲に設定された第2軸L2に沿って間隔をあけて、第2ホルダー106,107が配置されている。さらに同様に、第1駆動装置104Aに保持された加工工具104の加工範囲に設定された他の軸に沿って、一対の第3ホルダー、一対の第4ホルダーを配置し、さらに多くのワークを同時に加工できるようにしてもよい。また、ここでは、ワークとしてゴムローラが例示されているが、ワークは、ゴムローラ以外にも、金属ローラとしてもよい。この場合、加工工具104は、ワークに応じて適宜に変更されうる。つまり、加工時には、加工工具104がワーク201、202に押し当てられる。その際、加工工具104が押し当てられるために、ワーク201、202が変位する。ホルダーの位置や向きは、ワーク201、202の変位を考慮して調整されるとよい。
この際、加工工具104の加工動作は、例えば、第1ホルダー102,103に把持された第1ワーク201が適切に加工されるように、第1軸L1に対してどのように加工工具104が動作するかが決定される。土台101に対して、一対のベース108,109の位置や各部材を調整し、第2ホルダー106,107の位置や向きを適切に調整するとよい。このことによって、第2ホルダー106,107に把持された第2ワーク202を、第1ワーク201と同様の精度で加工することができる。
この実施形態では、研削加工機100は、一対の第2ホルダー106,107の位置および向きを調整するための機構として、第1位置調整機構301と、第2位置調整機構302と、第1方向調整機構303と、第2方向調整機構304とをそれぞれ備えている。
第1位置調整機構301は、第2ホルダー106,107を土台101に対して上下方向に移動させ、第2ホルダー106,107の上下方向の位置を調整する機構である。かかる第1位置調整機構301が設けられていることによって、第2ホルダー106,107の上下方向の位置調整が容易になる。第1位置調整機構301の構造は、第2ホルダー106,107の位置を上下方向に調整できる構造であればよく、特に限定されない。
第1位置調整機構301は、例えば、第1スライド機構と第1ねじ機構とを備えているとよい。第1スライド機構は、ベース108,109に上下方向に配置された第1ガイドと、ガイドを摺動するスライダーとを備えているとよい。ねじ機構は、ガイドに対するスライダーの位置を調整するねじを備えているとよい。そして、かかるスライド機構を介在させて、一対のベース108,109に第2ホルダー106,107がそれぞれ支持されるように構成されているとよい。これにより、第2ホルダー106,107の上下方向の位置を高精度に調整することができる。例えば、後述する実施形態において、第1ガイドは長孔504であり、スライダーはボルト512である。ねじ機構のねじは、ボルト507,508である。なお、かかる第1位置調整機構301は、後述する実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、第1スライド機構や第1ねじ機構の構成は、後述する実施形態に限定されない。
第2位置調整機構302は、平面視において第2ホルダー106,107と加工工具104の回転軸104aとの距離を調整する機構である。例えば、第2ホルダー106,107を支持するベース108,109の基部108a、109aが、それぞれ土台101に対して前後方向に移動する機構を備えているとよい。かかる第2位置調整機構302が設けられていることによって、第2ホルダー106,107の前後方向の位置調整が容易になる。第2位置調整機構302の構造は、第2ホルダー106,107の位置を前後方向に調整できる構造であればよく、特に限定されない。
第2位置調整機構302は、例えば、第2スライド機構と第2ねじ機構とを備えているとよい。第2スライド機構は、ベース108,109に前後方向に配置されたガイドと、ガイドを摺動するスライダーとを備えているとよい。換言すれば、ガイドは、一対のベースに対し、平面視において第2軸に直行する方向に配置されているとよい。第2ねじ機構は、ガイドに対するスライダーの位置を調整するねじを備えているとよい。そして、かかるスライド機構を介在させて、一対のベース108,109に第2ホルダー106,107がそれぞれ支持されるように構成されているとよい。これにより、第2ホルダー106,107の前後方向の位置を高精度に調整することができる。例えば、後述する実施形態において、第2ガイドはガイドプレート404,405であり、スライダーはスライド部材407である。第2ねじ機構のねじは、調整ボルト406bである。なお、かかる第2位置調整機構302は、後述する実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、第2スライド機構や第2ねじ機構の構成は、後述する実施形態に限定されない。
第1方向調整機構303は、第2ホルダー106,107の向きを水平な面に沿って調整する機構である。例えば、第2ホルダー106,107を支持するベース108,109の基部108a、109aの向きを、それぞれ土台101に対して水平方向に回転させる機構を備えているとよい。かかる第1方向調整機構303が設けられていることによって、第2ホルダー106,107の向きを水平な面に沿って調整することが容易になる。第1方向調整機構303の構造は、第2ホルダー106,107の向きを水平な面に沿って調整できる構造であればよく、特に限定されない。
第1方向調整機構303は、例えば、ベース108,109に対し、それぞれ垂直に設けられた第1回動軸を有する第1回動機構と、第1回動軸の向きを調整するねじを備えた第3ねじ機構とが備えていてもよい。そして、かかる第1回動機構を介在させて、一対のベース108,109に第2ホルダー106,107がそれぞれ支持されるように構成されているとよい。これにより、第2ホルダー106,107の水平な面に対する第2ホルダー106,107の向きを高精度に調整することができる。例えば、後述する実施形態において、第1回動軸はターン軸412であり、第3ねじ機構のねじは、調整ボルト414bである。なお、かかる第1方向調整機構303は、後述する実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、第1回動機構や第3ねじ機構の構成は、後述する実施形態に限定されない。
第2方向調整機構304は、第2ホルダー106,107の向きを垂直な面に沿って調整する機構である。例えば、第2方向調整機構304は、第2ホルダー106,107が取り付けられるフランジ216,217を支持するフランジ支持部108c,109cの向きを、上下に回動させる機構で構成されているとよい。かかる第2方向調整機構304が設けられていることによって、第2ホルダー106,107の向きを上下に調整することが容易になる。第2方向調整機構304の構造は、第2ホルダー106,107の向きを、垂直な面に沿って調整できる構造であればよく、特に限定されない。
第2方向調整機構304は、例えば、ベース108,109に対して水平に設けられた第2回動軸を有する第2回動機構と、第2回動軸の向きを調整するねじを備えたねじ機構とを備えていてもよい。そして、かかる第2回動機構を介在させて、一対のベース108,109に第2ホルダー106,107がそれぞれ支持されるように構成されているとよい。これにより、第2ホルダー106,107の垂直な面に対する第2ホルダー106,107の向きを高精度に調整することができる。例えば、後述する実施形態において、第2回動軸はボルト512であり、第4ねじ機構のねじは、ボルト507,508である。なお、かかる第2方向調整機構304は、後述する実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、第2回動機構や第4ねじ機構の構成は、後述する実施形態に限定されない。
以下に、研削加工機100に組み込まれた第1位置調整機構301と、第2位置調整機構302と、第1方向調整機構303と、第2方向調整機構304との構造をより詳しく説明する。
ここではまず、第2ホルダー106,107の前後方向の位置を調整する第2位置調整機構302と、第2ホルダー106,107の向きを水平な面に沿って調整する第1方向調整機構303とを説明する。
第2位置調整機構302と、第1方向調整機構303とは、左右のベース108,109の基部108a、109aにそれぞれ設けられている。ここでは、左側のベース108の基部108aを基に、第2位置調整機構302と第1方向調整機構303とを説明する。図7は、基部108aの平面図であり、図3のVIIーVII断面図である。図8は、図7のVIIIーVIII断面図である。ここでは、図示は省略するが、右側のベース109の基部109aにも同様の構造の第2位置調整機構302と第1方向調整機構303とが組み込まれている。右側のベース109についても、同じ作用を奏する部材、部位には、適宜に同じ符号を付す。
左側のベース108の基部108aは、図2および図8に示すように、第1ベースプレート401と、固定材402と、第2ベースプレート403と、2枚のガイドプレート404,405と、第1支持材406と、スライド部材407と、エンドプレート408と、ターンプレート411と、ターン軸412と、連結ボルト413と、第2支持材414とを備えている。
左側のベース108の基部108aでは、図2に示すように、第1ベースプレート401は、土台101の第2支持テーブル101bに設置されている。この実施形態では、図2に示すように、第1ベースプレート401の前側には下方に延びた取付片401aを有している。第1ベースプレート401は、第2支持テーブル101bに対して位置が調整されている。第1ベースプレート401の後側に沿って固定材402が取り付けられている。第1ベースプレート401の取付片401aと固定材402とは、第2支持テーブル101bを前後に挟んだ状態で、ボルト402aによって締め付けられている。これによって第1ベースプレート401は、第2支持テーブル101bに固定されている。
第2ベースプレート403は、第1ベースプレート401の上に取り付けられている。図示は省略するが、第2ベースプレート403は、複数のボルトによって第1ベースプレート401に固定されている。図8に示すように、第2ベースプレート403の左側部には、上方に立ち上がった第1基準壁403aが設けられている。第2ベースプレート403の右側部には、上方に立ち上がった第2基準壁403bが設けられている。第2ベースプレート403には、スライド部材407が前後方向に沿って配置されている。スライド部材407の左右両側には、ガイドプレート404,405がボルト404a,405aによって取り付けられている。ガイドプレート404,405は下方に向いた傾斜面404c,405cを有している。傾斜面404c,405cによって、スライド部材407は第2ベースプレート403に押さえつけられている。これによって、第2ベースプレート403に対するスライド部材407の左右方向および上下方向のガタ付きが抑えられている。
左側のガイドプレート404は、左側の第1基準壁403aに沿って取り付けられている。右側のガイドプレート405は、右側の第2基準壁403bに沿って配置されている。スライド部材407は、左側のガイドプレート404と右側のガイドプレート405とに挟まれている。スライド部材407の位置調整は、この実施形態では、右側のガイドプレート405を固定する固定ボルト405aを緩め、右側のガイドプレート405を前後に調整する。右側のガイドプレート405の位置を調整した後、固定ボルト405aを締め付ける。この際、スライド部材407が適切にガイドされ、前後に動くように、ガイドプレート404,405の間隔が適切に調整する必要がある。この実施形態では、左側のガイドプレート404の位置が、第1基準壁403aに対して調整される。ここでは、左側のガイドプレート404は、第1基準壁403aに取り付けられた複数のボルトナット403a1によって右側に押し付けられている。ここで、ボルトナット403a1のナットは、第1基準壁403aに溶着されており、ボルトナット403a1のボルトの先端が、左側のガイドプレート404に押し当てられている。また、左側のガイドプレート404と第1基準壁403aとには、ボルト403a2が装着されている。当該ボルト403a2を締めることによって、左側のガイドプレート404を第1基準壁403aの方へ寄せることができる。このため、第1基準壁403aに対する左側のガイドプレート404の位置を、ボルトナット403a1とボルト403a2とによって調整することができる。
スライド部材407の片側(この実施形態では、前方側)には、第2ベースプレート403に支持材406がボルト406a(図2および図3参照)によって固定されている。支持材406には、スライド部材407に向けて延びた調整ボルト406bが取り付けられている。調整ボルト406bの先端406cは、図7に示すように、スライド部材407の前側に設けられた押し当て部407aに押し当たっている。スライド部材407の反対側(この実施形態では、後方側)には、エンドプレート408がボルト408aによって第2ベースプレート403に固定されている。エンドプレート408とスライド部材407との間には、バネ408bが前後方向において圧縮された状態で配置されている。この実施形態では、調整ボルト406bには、マイクロメータヘッドが採用されている。このため、スライド部材407(換言すると、第2ホルダー106)の前後方向の位置を高い精度で微調整することができる。このように第2ホルダー106の前後方向の位置を調整する第2位置調整機構302には、ねじ機構が採用されているとよい。
以上、前後方向の位置を調整する第2位置調整機構302の具体的な構成例を例示した。かかる第2位置調整機構302は、従動側のベース109にも設けられている。これにより、第2ホルダー106,107の先端の前後方向の位置を、例えば、マイクロメータ単位の高い精度で微調整することができる。第2位置調整機構302は、第2ホルダー106,107を前後方向に位置調整する機構であればよく、かかる形態に限定されない。
次に、第1方向調整機構303の具体的な構成例を説明する。この実施形態では、上述したスライド部材407に、ターンプレート411と、第2支持材414が取り付けられている。ターンプレート411は、図7に示すように、ターン軸412および連結ボルト413を介して、スライド部材407に水平な面に沿って回動可能な状態で固定されている。
ここで、ターン軸412は、いわゆるボス付フランジで形成されている。図8に示すように、ターンプレート411には、ターン軸412が装着される装着孔411aが形成されている。スライド部材407の上面には、ターン軸412のボス部412bが嵌まる窪み407cが形成されている。さらに窪み407cの中心には、連結ボルト413が装着されるボルト穴407eが形成されている。ターン軸412のフランジ部412aには、ターン軸412をターンプレート411に固定するために複数のボルト412a1が装着されている。ターン軸412のボス部412bには、連結ボルト413が装着されるボルト穴412b1が形成されている。
ターンプレート411の前側には、ターンプレート411に対向するように第2支持材414がボルト414aによってスライド部材407に取り付けられている。第2支持材414には、ターンプレート411に向けて延びた調整ボルト414bが取り付けられている。調整ボルト414bの先端414cは、ターンプレート411の前側面411bに押し当たっている。ここで、調整ボルト414bの軸は、ターンプレート411に取り付けられるターン軸412の中心からずれた方向に延びている。また、調整ボルト414bの軸とは、反対側にずれた位置において、ターンプレート411と第2支持材414との間に、バネ414dが前後方向において圧縮された状態で配置されている(図8参照)。バネ414dは、第2支持材414に取り付けられた軸414eに装着されており、他方、ターンプレート411の前面に形成されたバネ座411eに嵌められている。
この実施形態では、図7に示すように、ターンプレート411に取り付けられるターン軸412の中心に対して、左側に調整ボルト414bの先端414cが当たり、右側にバネ414dが圧縮された状態で装着されている。調整ボルト414bの先端414cを後方に伸ばすと、ターンプレート411は、ターン軸412を中心として右周りに回動する。調整ボルト414bの先端414cを前方に引っ込めると、バネ414dの作用によって、ターンプレート411はターン軸412を中心として左周りに回動する。図2および図3に示すように、ターンプレート411には、ベース108のポール部108bが取り付けられている。ベース108のポール部108bの上部に設けられたフランジ支持部108cに第2ホルダー106が保持されている。このため、第2ホルダー106の向きが調整される。この実施形態では、調整ボルト414bには、マイクロメータヘッドが採用されている。このため、ターンプレート411(換言すると、第2ホルダー106)の水平な面に沿った向きを高い精度で微調整することができる。このように第2ホルダー106の向きを調整する第1方向調整機構303には、ねじ機構が採用されているとよい。
以上、第2ホルダー106の水平な面に沿った向きを調整する第1方向調整機構303の具体的な構成例を例示した。かかる第1方向調整機構303は、従動側のベース109にも設けられている。これにより、第2ホルダー106,107の先端の水平な面に沿った向きを、例えば、マイクロメータ単位の高い精度で微調整することができる。第1方向調整機構303は、第2ホルダー106,107の向きを水平な面に沿って調整する機構であればよく、かかる形態に限定されない。
次に、第1位置調整機構301と第2方向調整機構304とを説明する。この実施形態では、第1位置調整機構301と第2方向調整機構304とは、ポール部108bとフランジ支持部108cとを組付けた部分に設けられている。第1位置調整機構301は、第2ホルダー106,107の位置を上下に調整する機構である。第2方向調整機構304は、第2ホルダー106,107の向きを垂直な面に沿って調整する機構である。
この実施形態では、第1位置調整機構301は、一対のベース108,109にそれぞれ組み込まれている。右側のベース109に組み込まれた第1位置調整機構301は、左側のベース108に組み込まれた第1位置調整機構301と同じ構造である。ここで、第1位置調整機構301は、ベース108のポール部108bに対して、第1ホルダー102を保持するフランジ支持部108cの位置を上下方向に調整する機構である。
図9は、ベース108のポール部108bにフランジ支持部108cを装着した状態を示す正面図である。図10は、ポール部108bの背面図である。図11は、フランジ支持部108cの正面図である。
ベース108のポール部108bの上部には、図2、図9および図10に示すように、左右幅方向の中央部において後方に突出し、かつ、上下方向に延びたガイド部501が設けられている。ガイド501の両側は後方から見て窪んだ段差502,503が形成されている。当該ガイド501には、上下方向に長い長孔504が形成されている。
図11に示すように、フランジ支持部108cの基端(前側に配置される端部)には、上下方向に沿って溝521が形成されている。溝521の幅は、上下が少し広くなっている。また、溝521には、上下方向に3つのボルト穴531,532,533が形成されている。また、フランジ支持部108cの基端において、溝521の左右両側に設けられた突出部522,523には、それぞれフランジ支持部108cの上面から下方に向けてボルト穴522a,523aが形成されている。
図9に示すように、フランジ支持部108cは、ポール部108bの後側に取り付けられている。この際、フランジ支持部108cの溝521が、ポール部108bのガイド501に装着されている。ポール部108bの長孔504には、フランジ支持部108cに形成された3つのボルト穴531,532,533が露見する。
ポール部108bには、図2および図3に示すように、上下方向に3本のボルト511,512,513が取り付けられる。3本のボルト511,512,513の軸径は、同じである。真ん中のボルト512は、長孔504を貫通してフランジ支持部108cに装着される先端側の部分がねじを切られている。長孔504に装着される部分は、長孔504の横幅に合致しうる所要の太さを有している。フランジ支持部108cに装着される部分だけでなく長孔504に装着される部分にもねじが切られている。この分、フランジ支持部108cに装着される部分では、上下の2本のボルト511,513の実質的な軸径は、長穴504の横幅よりも細い。真ん中のボルト512は、長孔504に対して上下にのみ動き、左右にはほとんど動かない。上下の2本のボルト511,513は、長孔504に対して左右に少し動く。
3本のボルト511,512,513は、フランジ支持部108cに形成されたボルト穴531,532,533にねじ込まれる。フランジ支持部108cに形成される真ん中のボルト穴532は、フランジ支持部108cに支持されたフランジ216に第1ホルダー102が装着される位置に合わされている。このため、真ん中のボルト512の高さは、第2ホルダー106が装着される位置に合っている。
また、フランジ支持部108cに設けられた溝521の幅は、上下が少し広くなっている。真ん中のボルト512の軸径は、長孔504の横幅に合致しうる所要の太さを有している。上下の2本のボルト511,513の軸径は、長穴の横幅よりも細い。このため真ん中のボルト512は、長孔504に対して上下にのみ動き、左右にはほとんど動かない。上下の2本のボルト511,513は、長孔504に対して左右に少し動く。このため、フランジ支持部108cは、ポール部108bに対して垂直な面に沿って真ん中のボルト512を中心に振れ動きうる。フランジ支持部108cが垂直な面に沿って振れ動くと、第2ホルダー106の向きも同様に垂直な面に沿って振れ動く。
この実施形態では、ポール部108bの上部にプレート506が複数のボルト506aで取り付けられている。プレート506は、フランジ支持部108cの延出軸108c1の上方に至るように後方に延びている。当該プレート506の左右の両側部には、2本のボルト507,508が取り付けられている(図2参照)。当該ボルト507,508は、下方に延びており、それぞれフランジ支持部108cの延出軸108c1の上部に形成されたボルト穴522a,523aにねじ込まれている。なお、図1,図3,図5,図9では、第1位置調整機構301の理解のため、便宜上、プレート506の上のボルト506aの図示が省略され、ボルト507,508が描かれている。この実施形態では、図3において、図示は省略するが、プレート506は、図2に示すように、フランジ支持部108cの上方に延びている。そして、フランジ支持部108cの上方の位置にねじ穴が開けられている。ねじ穴には、ボルト509が装着されている。ボルト509の先端は、フランジ支持部108cの上部に当てられている。
第2ホルダー106の上下方向の高さおよび垂直な面に沿った向きの調整は、プレート506の左右の両側部に設けられた、2本のボルト507,508を操作して、2本のボルト507,508がフランジ支持部108cにねじ込まれた量を調整する。例えば、左右のボルト507,508をそれぞれ締め込んで行くと、ポール部108bに対するフランジ支持部108cの位置が高くなる。左右のボルト507,508をそれぞれ緩めると、フランジ支持部108cの位置が低くなる。左側のボルト507だけ締めるとフランジ支持部108cは左側が高くなるように傾く。このため、左側の第2ホルダー106は、下向きに振れる(図3参照)。右側のボルト508だけ締めるとフランジ支持部108cは右側が高くなるように傾く。このため、右側の第2ホルダー106は、上向きに振れる(図3参照)。このように、2本のボルト507,508を操作することによって、フランジ支持部108cに支持された第2ホルダー106の高さと、垂直な面に沿った向きを調整することができる。この際、図2に示すように、ボルト509の先端がフランジ支持部108cの上部に押し当てられた状態で、2本のボルト507,508が操作されることによって、フランジ支持部108cがスムーズに動く。
図1および図9に示すように、右側のベース109では、ボルト507は、右側に取り付けられており、ボルト508は左側に取り付けられている。ここで、ボルト507が緩められると、フランジ支持部108cのボルト507が装着された側が下がる。ボルト508が緩められると、フランジ支持部108cの当該ボルト508が装着された側が下がる。この実施形態では、図1に示すように、ボルト507を緩めると第2ホルダー106,107の先端が垂直な面に沿って高くなる。ボルト508を緩めると第2ホルダー106,107の先端が垂直な面に沿って低くなる。
また、この実施形態では、3本のボルト511,512,513をベース108のポール部108bの長孔504に通して、フランジ支持部108cの上下方向の位置が調整される。この際、真ん中のボルト512を基準に第2ホルダー106が水平に向いているときの高さを調整するとよい。この実施形態では、上下2本のボルト511,513を緩めるとともにボルト509を緩めてボルト507,508を共に締めると、第2ホルダー106,107が高くなる。ボルト507,508を共に緩めると第2ホルダー106,107が低くなる。そして、位置が決まった状態で上下2本のボルト511,513を締め付けるとよい。上下2本のボルト511,513を締め付けると、ポール部108bに対して、フランジ支持部108cの上下方向の所定の位置で位置決めされる。この実施形態では、上下2本のボルト511,513には、ボルト511,513の頭部と、ポール部108b側に取り付けられるワッシャとの間に、スラスト軸受け516が装着されている。かかるスラスト軸受け516が装着されていることによって、締め付け力がボルト511,513の軸方向にのみ作用するようになり、フランジ支持部108cの取り付け精度が向上する。これらの調整には、ねじ機構が採用されており、第2ホルダー106の先端の上下方向の位置および垂直面に沿った向きを、マイクロメータ単位の高い精度で微調整することができる。このように第1位置調整機構301と第2方向調整機構304とには、それぞれねじ機構が採用されているとよい。
この実施形態では、上述のようにボルト507,508を回転させる操作によって、第2ホルダー106,107の先端の垂直な面に沿った向きや上下方向の位置が調整される。かかる機構によればマイクロメータ単位での微調整が容易に行える。
以上、駆動側のベース108に設けられた第1位置調整機構301と第2方向調整機構304との具体的な構成例を例示した。かかる第1位置調整機構301と第2方向調整機構304は、従動側のベース109にも設けられている。これにより、第2ホルダー106,107の先端の垂直な面に沿った向きを、例えば、マイクロメータ単位の高い精度で微調整することができる。第1位置調整機構301は、第2ホルダー106,107の向きを上下方向の位置を調整できる機構であればよく、上述した形態に限定されない。第2方向調整機構304は、第2ホルダー106,107の向きを上下方向の位置を調整できる機構であればよく、上述した形態に限定されない。
例えば、上述した実施形態では、第1位置調整機構301と第2方向調整機構304とが、一つの機構で実現している。ベース108およびベース109は、第2ホルダー106,107の向きを上下方向の位置を調整する第1位置調整機構301と、垂直な面に沿った向きを調整する第2方向調整機構304とは、それぞれ別々の機構で組み込んでもよい。また、上述した第2位置調整機構302や第1方向調整機構303についても上述した実施形態に限定されない。
以上のとおり、ここで提案される研削加工機の一実施形態について、種々説明した。ここで提案される研削加工機は、特に言及されない限りにおいて、上述した実施形態や変形例に限定されない。
例えば、研削加工機100に組み込まれた第1位置調整機構301と、第2位置調整機構302と、第1方向調整機構303と、第2方向調整機構304との構造は、特に限定されない限りにおいて、上記に限定されない。研削加工機100の各構成要素は、種々変更が可能である。