JP4658375B2 - 流し台等の流し口構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は流し台や洗面台(以下、双方を合わせて流し台等という)の流し口の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
流し台等のシンクの排水口には、その下方にゴミかごが取付けられ、野菜屑や残飯、あるいは包装袋やラップ類などのゴミ(以下、単にゴミという)をため込んで、パイプの詰まりを防止しているのが一般的である。
【0003】
ところで、前記排水口にはゴミかごに溜まったゴミが見えないように蓋を冠せるのが一般的である。また、ゴミの大きさに関係なく無制限にゴミをゴミかごにため込んだのでは、すぐにゴミかごが一杯になり、その編み目を目詰まりさせて排水機能を失わせることになる。この点、近年では、家庭用排水を少しでも汚染の少ないものとして、下水処理の効率化を図り、引いては地球環境を保全するため、ゴミのため込み量を小さくした嵩の低い(底の浅い)ゴミかごが採用される傾向にあることも無視できないのである。
【0004】
そこで従来は、ゴミかごを遮蔽し、且つ、一定以上の大きさのゴミは流し口で止め、これより小さいゴミだけをゴミかごにためる制限手段として、一般的には菊割り状に形成したゴム製蓋体を採用していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
確かに、このゴム製蓋体によれば大きなゴミの多くを流し口で堰き止めることができる。しかし、この制限機能は主としてゴム素材による弾性力により発揮されるもので、該弾性力を上回る重量がかかれば結果としてゴム製蓋体は開口する。このため、当該ゴム製蓋体では、例えば根菜類の切屑など、大きさ、重量ともに大なるゴミはもちろんのこと、スプーンなどの小物食器や、イチゴあるいは豆類などの小粒の食物なども不用意にゴミかごに落とし込んでしまうという課題があった。
【0006】
一方、前記ゴム製の菊割り状蓋体の欠点を補うために、通水孔を複数形成したプラスチック製あるいはステンレス製の蓋体もある。確かに、この蓋体によれば、その通水孔によって、大きなゴミ、小物の食器、小粒の食物が不用意に落下することを確実に制限できるが、それ以前に、全ての通水孔を塞ぐようにゴミが集まると排水機能そのものが失われるという課題があったのである。
【0007】
このようなことから、流し台等の流し口構造としては、適当な排水機能を発揮することはもちろんであるが、大きなゴミ等は一旦堰き止めておいて、この結果、排水機能が失われるようなときには、利用者が選択的に、前記ゴミをゴミかごに落とし込めるような構成を採用することが最も好ましい。小物の食器や洗浄中の食べ物が不用意に落下することを防止できるからである。
【0008】
この点、前記した菊割り状の蓋体はゴミ等を確実に堰き止める機能はなく、また、通水孔付きの蓋体は当該堰き止める機能は有するものの、利用者が選択的に堰き止めの状態を解除する機能はない。
【0009】
こうした課題に鑑み本発明はなされたもので、その目的とするところは、ゴミ等のゴミかごへの不用意な流出を制限しておく一方、排水口付近にゴミが溜まったときは随時開口して堰き止められていたゴミをゴミかごに落とし込み、常に一定の排水機能を維持できる流し台等の流し口構造を開示することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために本発明では、流し台等の排水口に着脱自在に取付けられるドーナッツ状(円形に限らない)のフレームと、該フレームの開口を所定のクリアランスを確保して閉塞する蓋体とからなり、該蓋体はその側縁から横方向に突出する回動軸を介して前記開口に回転可能に取り付けるという手段を用いた。この手段によれば、開口の閉塞時でも前記クリアランスによって一定の排水機能が得られる。また、該クリアランスからは小さなゴミ等も排水と同時にゴミかごに落とし込むことができる。一方、クリアランスを通過しないゴミ等は排水口に溜まることになるが、その重さが一定となったとき、あるいは、利用者の選択によって、蓋体は回転し、フレームの開口を開くことができる。なお、利用者の選択による開作業は、指で積極的に蓋体を回転させることをいう。この一連の機能によって、本発明では常に一定の排水機能が発揮されるのである。
【0011】
また、前記回動軸は前記蓋体の重心から外れた場所に設け、前記蓋体を自重バランスで回動可能とする一方、該蓋体の自然落下側に相当する前記フレームの一部には蓋体の回り止め用ストッパーを備えるという手段も用いた。この手段によれば、回動軸は蓋体の重心を外して設けられるため、蓋体の水平バランスが失われ、回動軸を境としてその前あるいは後が事前落下により回転しようとする。そこで、ストッパーにより該回転を規制することによって、蓋体を一方向にのみ回転させることができると同時に、常態では蓋体を水平常態としてフレームの開口を閉塞することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に従って本発明の最も好ましい実施の形態を説明する。図1において、1は流し台の排水口、2は排水口1の下方に設けたゴミかごである。ゴミかご2は網かご2aに取っ手2bを設けた構造で、排水口1に一体とされたポケット1aに落とし込まれる。当該排水口1やゴミかご2の構造は従来と何ら変わるところはない。
【0014】
図中、3は本発明の一実施形態に係る流し口構造を示し、フレーム4と蓋体5とからなる。フレーム4は円形状の開口4aを有するドーナッツ状の形状を呈し、流し台の排水口1に着脱自在に取付けられる。蓋体5はフレーム4の開口4aより小径の円盤状に成型され、その側縁から横方向に突出した回動軸5aによって該開口4aに回転可能に取付けられる。また、蓋体5は開口4aを閉塞した状態で、所定のクリアランス6をもって取付けられ、該クリアランス6によって蓋体5による開口4aの閉塞時でも小さなゴミの排出機能と排水機能を同時に確保している。また、当該流し口構造3によれば、蓋体5の上面がシンクの底面と一致する面一の状態となるので、蓋体5をシンクと同素材のステンレスから成型することによってその光沢感による審美性にも優れるという利点がある。さらに、蓋体5による開口4aの閉塞時はゴミかご2の中がほぼ完全に遮蔽されるため、これまた見た目に優れるのである。
【0015】
なお、本発明においてクリアランスをどの程度とするかは、少なくとも蓋体5がフレーム4の内周縁と干渉せず回転可能に取り付けられ、短時間でシンクに水が溜まってしまわない適当な排水が実施される程度に設定すればよい。ただし、炊事の効率を高めるのであれば、米粒(食べ残したご飯粒を含む)程度の小さなゴミは排出できる程度にクリアランスを確保することが好ましい。
【0016】
次に、フレーム4の開口4aには、図2に示すように、回動軸5aを境とした蓋体5の後方円弧体5bを下方支持するように回り止め用のストッパー7が設けられている。つまり、このストッパー7によって蓋体5は後方円弧体5bが下がるような回転動作が規制されるから、蓋体5は前方円弧体5cがゴミかご2に前倒するように一方向(図中矢印Aの方向)のみに回転するように構成されている。
【0017】
さらに、この実施形態では回動軸5aを蓋体5の直径、即ち重心とは一致させず、若干前方に位置させて設けている。従って、蓋体5は水平バランスが失われ、後方が重くなるため、蓋体5はその自重バランスによって後方円弧体5bが下方に自然落下するようにして回転しようとするものの、該回転は後方円弧体5bがストッパー7と当接することによって規制され、結果、常態ではフレーム4の開口4aを閉塞するのである。
【0018】
一方、蓋体5の前方円弧体5cに重みがかかれば上述のように蓋体5は前倒回転し、フレーム4の開口4aを一部開く。なお、ここで重みとは、ゴミ等の重量の他、利用者が指で前方円弧体5cを押し下げる力をも含む概念である。このとき前方円弧体5cに相当する開口4aの開き具合は回動軸5aの位置に応じて小さくなるため、大きなゴミは通過できず、ゴミかご2への落とし込みを防ぐことができる。さらに、本実施形態のように軸5aを前方に位置させた構成の他の利点は、前方円弧体5cの回転軌跡Bが小さくなる。このため、図示したような、底の浅いゴミかごに対しても適用することができるのである。
【0019】
なお、この実施形態では蓋体5が前倒回転したとき、当然に後方円弧体側5bの開口4aも開くこととなり、当該開きは前方円弧体5c側よりも大きいため、仮にゴミが蓋体5の後ろ側に回り込んでいた場合は、大きなゴミが後ろの開口から落とし込まれる可能性もある。
【0020】
積極的に後方円弧体5b側の開口を利用する場合は問題ないが、大きなゴミの流出制限をするならば、図3に示したように、蓋体5の後方円弧体5bの下方に1/4球状の遮蔽ドーム8を設けておくことが好ましい。つまり、この構造であれば、蓋体5の回転を妨害することなく、開口4aを開いたときに後方円弧体5b側の開口4aは遮蔽ドーム8によって塞がれ、大きなゴミの落とし込みが防止される。ただし、上述のように遮蔽ドーム8は必須の要件ではない。なぜなら、大きなゴミであっても積極的にゴミかごに落とし込みたい場合もあるからである。
【0021】
なお、より排水機能を高めるのであれば、蓋体5を網状に成型する、あるいは多数の透水孔を設けておく。また、同時に遮蔽部8も同様の構造とする。
【0023】
また、軸5aの位置はゴミかご2の深さに応じて調整することができる。つまり、比較的底の深いゴミかご2を用いた場合、軸5aの位置は蓋体5の直径上あるいはその近傍に設けることができるが、前記実施形態のように比較的底の浅いゴミかご2が使用される場合、軸5aを蓋体5の直径から離すようにして前方円弧体の大きさを小さくする。こうすることで、蓋体5が前倒回転したときでも前方円弧体がゴミかご2の底と干渉することを防止することができる。
【0024】
さらに、本発明の流し口構造は、流し台や洗面台の排水口に応じた形状および大きさに形成できることはもちろんである。つまり、排水口が円形ではなく、楕円、長方形、その他の多角形であれば、これに合わせて本発明の流し口構造を形成することが可能である。ただし、蓋体は軸回転しなければならないため、楕円であれば軸を長軸あるいは短軸と平行に設ける必要等がある。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、流し台等の排水口に一方向のみに回転する蓋体を設けることとしたので、前記排水口は最大でも半開きしかせず、大きなゴミがゴミかごに落下することを防止することができる。また、蓋体による閉塞時にクリアランスを通過する以外のものは一旦堰き止められるが、その重さが一定以上となったときや、利用者の操作によって、蓋体は開くため、随時フレームの開口を開くことができるため、常に一定の排水機能を確保することができるし、ゴミ処理も容易になし得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る流し台の流し口構造を含む斜視図
【図2】同、縦断面図
【図3】他の実施形態を示した流し台の流し口構造を含む縦断面図
【符号の説明】
1 排水口
2 ゴミかご
3 流し口構造
4 フレーム
5 蓋体
6 クリアランス
7 ストッパー
8 遮蔽ドーム
Claims (1)
- 流し台等の排水口に着脱自在に取付けられる開口フレームと、該フレームの開口を所定のクリアランスを確保して閉塞する蓋体とからなり、該蓋体はその側縁から横方向に突出する回動軸を介して前記開口に取り付けると共に、前記回動軸は前記蓋体の重心から外れた場所に設け、前記蓋体を自重バランスで回動可能とする一方、該蓋体の自然落下側に相当する前記フレームの一部には蓋体の回り止め用ストッパーを備えたことを特徴とする流し台等の流し口構造。
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- 2001-05-11 JP JP2001141874A patent/JP4658375B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
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