JP4658288B2 - ガス警報装置およびガスセンサの制御方法 - Google Patents

ガス警報装置およびガスセンサの制御方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガス警報装置およびガスセンサの制御方法に関し、例えば家庭用ガスセンサのようにガス供給箇所に近接して用いられるガス警報装置およびそのようなガスセンサの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3を参照して従来のガス警報装置300を説明する。
ガスセンサ110を備えた従来のガス警報装置300は、ガス管330につながれたガス機器におけるガス漏れを検出するために、ガスセンサ110を常時動作させていた。その際、ガス機器に延びるガス管330におけるガスの流量はガスセンサ110の動作に関して考慮されないため、ガス機器を使用していない場合にもガスセンサ110は通電されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ガスの使用状態に関わらず常にガスセンサが通電されているため、従来のガス警報装置において以下のような問題が発生していた。第一に、ガスが使用されていない間にも電力が消費されることで装置の消費電力が大きくなるため、電力の浪費をしていた。また、電池式警報器の場合は、電池寿命を短くしていた。第二に、ガスセンサが常に通電され使用状態に置かれるため、短い期間でガスセンサの劣化が発生し、センサ寿命の低下の原因となっていた。第三に、ガスを使用していなくてもガスの検出動作を行っているため、殺虫剤などのガスを誤検出して警報(誤報)を発する場合があり、やはり電力の消費やセンサ寿命の低下につながっていた。
【0004】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、ガスセンサの低電力化および長寿命化および誤報の防止を図ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係るガス警報装置の第一の特徴構成は、ガス機器におけるガス漏れを検出することによって警報を発するガス警報装置において、前記ガス機器から漏れ出したガスを検出するガスセンサと、前記ガスセンサを通電作動させる電源部と、前記ガス機器に供給されるガスの流量を計測するガス流量監視部から送信されるガス流量に基づいて前記電源部を作動制御するための制御情報を生成する電源制御部とを備え、前記電源制御部が、ガス流量の増大に伴って前記電源部の単位時間当たりの動作時間が長くなる制御情報、及びガス流量の増大に伴って前記電源部の単位時間当たりの動作間隔が短くなる制御情報のうち、少なくともいずれか一方の制御情報を生成する点にある。
【0006】
同第二の特徴構成は、前記ガスセンサの通電作動を、1時間当たりの前記ガス流量が0.1リットル未満では1時間に1回とし、0.1リットル以上10リットル未満では1分間に1回とし、10リットル以上では10秒間に1回とする点にある。
【0007】
同第三の特徴構成は、前記ガスセンサの通電作動を、1時間当たりの前記ガス流量が0.1リットル未満では10時間毎に5分間連続して行い、0.1リットル以上10リットル未満では30分間毎に5分間連続して行い、10リットル以上では常時行う点にある。
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係るガスセンサの制御方法の特徴構成は、ガス機器から漏れ出したガスを検出するガスセンサと、前記ガスセンサを通電作動する電源部と、前記ガス機器に供給されるガスの流量を計測するガス流量監視部から送信されるガス流量に基づいて前記電源部を作動制御するための制御情報を生成する電源制御部とを備え、前記ガス機器におけるガス漏れを検出することによって警報を発するガス警報装置において、前記電源制御部が、ガス流量の増大に伴って前記電源部の単位時間当たりの動作時間が長くなる制御情報、及びガス流量の増大に伴って前記電源部の単位時間当たりの動作間隔が短くなる制御情報のうち、少なくともいずれか一方の制御情報を生成する工程と、前記制御情報を前記電源制御部から前記電源部へ送信する工程と、前記電源部が、前記制御情報に従って前記ガスセンサの通電作動を行う工程とを含む点にある。
【0009】
上記の構成により、常時ガスセンサを動作させるのではなく、ガスの流量を監視し、その流量に基づいてガスセンサの動作頻度を調整できるため、ガス流量が極めて少ない場合は、ガスセンサの動作頻度を低く、ガス流量が多い場合は、ガスセンサの動作頻度を高くすることができ、効率的なガス検出動作を行うガス警報装置を提供できる。従って、ガスセンサを常時通電させていた場合と比較してガスセンサの動作時間が短いため、消費電力を低減することが可能である。また、ガスセンサは通電されることで劣化が進行するため、ガスセンサの通電時間を短縮することでガスセンサの寿命を長くすることができる。さらに、ガス流量に基づいてガス漏れの検出を行うため、ガスが使用されており、ガス流量が多い場合には確実にガス漏れの検出を行えると共に、ガス流量が少ない時はガス漏れの検出がほとんど試みられないように制御を行うことができる。従って、ガスが流れていない場合に、殺虫剤などのスプレーまたは他の気体を検出することによりガス漏れ警報を発するという誤報をなくすことができる。
【0010】
ここで、上記電源制御部がガス警報装置の内部または外部のいずれに設置されていても、上述した本願発明の効果を得ることができる。上記電源制御部がガス警報装置の内部に設置された場合は、計測したガス流量をガス警報装置に送信すれば、ガス流量に基づいてガスセンサの通電時間を制御することができる。上記電源制御部がガス警報装置の外部に設置された場合は、ガス警報装置自体が電源制御部を備えない従来型のガス警報装置であってもよいことから、従来の設備資源を有効に利用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1を参照して本発明のガス警報装置100の動作を説明する。
図1における本発明のガス警報装置100は、ガスセンサ110と、ガスセンサ110を通電作動させる電源部170と、前記電源部170を作動制御するための制御情報150を生成する電源制御部160とからなる。ガス流量監視部120は流量計121を備え、それによりガス流量140が計測される。ガス機器がガス管130に接続されており、ガス警報装置100がガス機器におけるガス漏れを検出するように構成される。これらは以下のように動作する。
【0012】
まず、流量計121で計測したガス管130に流れるガス流量140を、ガス流量監視部120からガス警報装置100に送信する。次に、ガス警報装置100の電源制御部160は、ガス流量140に基づいて電源部170の作動時間を制御するための制御情報150を作成する。制御情報150はガスセンサ110の動作頻度を制御するために電源部170に与えられる情報であり、ガスセンサ110がどれだけの時間動作するかを示す動作時間と、その動作時間がどれだけの間隔をおいて繰り返し行われるかを示す動作間隔といった情報、即ち、単位時間当たりのガスセンサ110の作動時間がどれほどかを表す情報を含む。動作間隔および動作時間はガス流量140に基づいて決定され、ガス流量140が多い場合はガスセンサの1回の動作時間が長く、動作間隔が短くなる傾向にあり、ガス流量140が少ない場合はガスセンサの動作間隔が短く、動作間隔が長くなる傾向にある。次に、ガスセンサ110の作動時間を制御する電源部170は、受け取った制御情報150に従ってガスセンサ110を通電制御し、上記のような作動態様でガス検出を行う。
【0013】
第1の実施形態として、ガス警報装置100が設置された空間が2畳の広さである場合を例にとって、ガスセンサ110が間欠動作をする場合の動作間隔を説明する。間欠動作では動作間隔のみが設定され、所定の動作間隔毎に一回だけガスセンサ110が駆動される。
ガスの流量が0.1リットル/時間より少ない場合、ガスセンサ110は1時間に1回だけガス検出動作を行う。残りの時間はガス検出動作が行われないため、ガスセンサ110は通電されない。ガスの流量が0.1リットル/時間以上であり10リットル/時間より少ない場合、ガスセンサ110は1分間に1回動作する。ガスの流量が10リットル/時間以上である場合、ガスセンサ110は10秒間に1回作動する。これらの場合も同様に、ガスセンサ110が動作しない期間はガスセンサ110には通電されない。
【0014】
第2の実施形態として、ガスセンサ110が連続動作する場合の動作頻度を説明する。ガス警報装置100が設置された空間の広さは第1の実施形態と同じ2畳とする。
連続動作では動作間隔および動作時間が設定され、ガスの流量が0.1リットル/時間より少ない場合、ガスセンサ110は10時間毎に5分間だけ連続して動作する。残りの9時間55分間はガス検出動作が行われないため、ガスセンサ110は通電されない。ガスの流量が0.1リットル/時間以上であり10リットル/時間より少ない場合、ガスセンサ110は30分毎に5分間だけ連続して動作する。残りの25分間はガス検出動作が行われないため、ガスセンサ110は通電されない。ガスの流量が10リットル/時間以上である場合、ガスセンサ110は常時連続して検出動作を行う。すなわち、ガスセンサ110は常に通電されている。
【0015】
図2を参照して、実施形態1および実施形態2とは異なるガス警報装置100の動作を説明する。
上記の実施形態1および実施形態2では電源制御部160がガス警報装置100に設置されていたが、以下の実施形態においては電源制御部160をガス流量監視部120に設置する。このように、電源制御部160がガス警報装置100の外部にあることで、ガス警報装置100に対して外部からガスセンサ110の作動態様を指示することのできる装置が構成される。その結果、ガス警報装置100自体が従来型のものであっても、ガス流量140に基づいてガスセンサ110の作動態様を指示することができるという本願発明の効果を得ることができるため、従来からの設備資源を有効に利用することができる。
【0016】
ガス警報装置100は、ガスセンサ110と、ガスセンサ110を通電作動させる電源部170とを備えてなり、制御情報150が、ガス流量監視部120において計測されたガス流量140に基づいて、ガス流量監視部120の電源制御部160において作成される。ガス機器がガス管130に接続されており、ガス警報装置100がガス機器におけるガス漏れを検出するように構成される。これらは以下のように動作する。
【0017】
まず、ガス流量監視部120の電源制御部160が、流量計121で計測したガス管130に流れるガス流量140に基づいて、電源部170の作動時間を制御するための制御情報150を作成する。制御情報150は、ガスセンサ110の動作頻度を制御するために電源部170に与えられる情報であり、ガスセンサ110がどれだけの時間動作するかを示す動作時間と、その動作時間がどれだけの間隔をおいて繰り返し行われるかを示す動作間隔といった情報、即ち、単位時間当たりのガスセンサ110の作動時間がどれほどかを表す情報を含む。動作間隔および動作時間はガス流量140に基づいて決定され、ガス流量140が多い場合はガスセンサの1回の動作時間が長く、動作間隔が短くなる傾向にあり、ガス流量140が少ない場合はガスセンサの動作間隔が短く、動作間隔が長くなる傾向にある。次に、制御情報150はガス警報装置100に送信される。ガス警報装置100の電源部170は、受け取った制御情報150に従ってガスセンサ110を通電制御し、ガス検出を行う。
【0018】
第3の実施形態として、ガス警報装置100が設置された空間が2畳の広さである場合を例にとって、ガスセンサ110が間欠動作をする場合の動作間隔を説明する。
ガスの流量が0.1リットル/時間より少ない場合、ガスセンサ110は1時間に1回だけガス検出動作を行う。残りの時間はガス検出動作が行われないため、ガスセンサ110は通電されない。ガスの流量が0.1リットル/時間以上であり10リットル/時間より少ない場合、ガスセンサ110は1分間に1回動作する。ガスの流量が10リットル/時間以上である場合、ガスセンサ110は10秒間に1回作動する。これらの場合も同様に、ガスセンサ110が動作しない期間はガスセンサ110には通電されない。
【0019】
第4の実施形態として、ガスセンサ110が連続動作する場合の動作時間を説明する。ガス警報装置100が設置された空間の広さは第1の実施形態と同じ2畳とする。
ガスの流量が0.1リットル/時間より少ない場合、ガスセンサ110は10時間毎に5分間だけ連続して動作する。残りの9時間55分間はガス検出動作が行われないため、ガスセンサ110は通電されない。ガスの流量が0.1リットル/時間以上であり10リットル/時間より少ない場合、ガスセンサ110は30分毎に5分間だけ連続して動作する。残りの25分間はガス検出動作が行われないため、ガスセンサ110は通電されない。ガスの流量が10リットル/時間以上である場合、ガスセンサ110は常時連続して検出動作を行う。すなわち、ガスセンサ110は常に通電されている。
【0020】
本願においてガスセンサが設置された空間の広さを2畳として、例示的にガス流量とガスセンサの動作頻度との関係を示した。しかしながら、空間の大きさは限定的なものではなく、空間が大きくなればガスセンサの動作頻度は疎になり、空間が小さくなればガスセンサの動作頻度は密になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1および第2の実施形態におけるガス警報装置を示す図である。
【図2】 本発明の第3および第4の実施形態におけるガス警報装置を示す図である。
【図3】 従来のガス警報装置を示す図である。
【符号の説明】
100 ガス警報装置
110 ガスセンサ
120 ガス流量監視部
121 流量計
130 ガス管
140 ガス流量
150 制御情報
160 電源制御部
170 電源部
300 ガス警報装置
330 ガス管

Claims (4)

  1. ガス機器におけるガス漏れを検出することによって警報を発するガス警報装置において、
    前記ガス機器から漏れ出したガスを検出するガスセンサと、前記ガスセンサを通電作動させる電源部と、前記ガス機器に供給されるガスの流量を計測するガス流量監視部から送信されるガス流量に基づいて前記電源部を作動制御するための制御情報を生成する電源制御部とを備え、
    前記電源制御部が、ガス流量の増大に伴って前記電源部の単位時間当たりの動作時間が長くなる制御情報、及びガス流量の増大に伴って前記電源部の単位時間当たりの動作間隔が短くなる制御情報のうち、少なくともいずれか一方の制御情報を生成するガス警報装置。
  2. 前記ガスセンサの通電作動を、1時間当たりの前記ガス流量が0.1リットル未満では1時間に1回とし、0.1リットル以上10リットル未満では1分間に1回とし、10リットル以上では10秒間に1回とする請求項1に記載のガス警報装置。
  3. 前記ガスセンサの通電作動を、1時間当たりの前記ガス流量が0.1リットル未満では10時間毎に5分間連続して行い、0.1リットル以上10リットル未満では30分間毎に5分間連続して行い、10リットル以上では常時行う請求項1に記載のガス警報装置。
  4. ガス機器から漏れ出したガスを検出するガスセンサと、前記ガスセンサを通電作動する電源部と、前記ガス機器に供給されるガスの流量を計測するガス流量監視部から送信されるガス流量に基づいて前記電源部を作動制御するための制御情報を生成する電源制御部とを備え、前記ガス機器におけるガス漏れを検出することによって警報を発するガス警報装置において、
    前記電源制御部が、ガス流量の増大に伴って前記電源部の単位時間当たりの動作時間が長くなる制御情報、及びガス流量の増大に伴って前記電源部の単位時間当たりの動作間隔が短くなる制御情報のうち、少なくともいずれか一方の制御情報を生成する工程と、
    前記制御情報を前記電源制御部から前記電源部へ送信する工程と、
    前記電源部が、前記制御情報に従って前記ガスセンサの通電作動を行う工程とを含むガスセンサの制御方法。
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