JP4657954B2 - 地図データ管理方法 - Google Patents

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Description

本発明は地図データ配信システムに関わり、その地図データ管理方式に関する。
特許文献1には、サーバからナビゲーション装置などの端末へ、地図データを差分更新する技術が示されている。ここでは、サーバ側の地図データの要素(道路・背景など)毎に割り付けられるパーマネントIDが開示されている。また、ナビゲーション端末側では、地図データの要素を地図データの区画番号と区画内格納位置情報で識別する方法が開示されている。そして、サーバ側のパーマネントIDと、ナビゲーション端末側における区画番号と区画内格納位置情報との組み合わせとの対応表を管理することにより、変更のあったパーマネントID情報からナビゲーション端末向けの地図差分情報を生成する技術が開示されている。
特開2001−75967号公報
特許文献1に記載の技術は、CD/DVD内に格納された地図データの要素を識別するために、地図をメッシュに分割したデータ区画のID番号と、各区画内における格納位置情報を組み合わせて識別する方法をとっている。しかし、地図データの差分更新を行う場合、更新すべき地図データ要素の管理が複雑になる問題がある。例えば、地図データ管理の実装にも因るが、道路が追加されたことに起因して、他の地図データ要素の格納位置情報を変更せざるを得なくなった場合や、他の地図データ要素の格納位置を動かせないために道路の追加の処理が複雑になる等の問題が発生する。また、区画内の格納位置が枯渇した場合に、管理が複雑になるといった問題がある。
一方、地図データの要素をユニークに管理する方法として、地図データ要素に識別IDを付加する技術がある。ただし、地図データ要素のそれぞれに対して完全にユニークなIDを付加する場合、ID情報のサイズが数十バイトになる可能性がある。大きなサイズのID情報をナビゲーション端末で用いると、地図データサイズの増加やナビゲーション処理スピードの劣化を招く恐れがある。
又、使われなくなったID情報を再利用することで、ID情報のサイズを削減することは可能であるが、地図の部分更新を可能にして地図更新を特定地域のみ更新可能とするシステムでは、以下の問題が発生する。例えば、あるユーザが東京都の地図だけを10年間更新し、他の地域の地図を更新しなかった場合、ID情報の重複が発生する。即ち、更新されない地域の地図データ要素のID情報は、10年間変更されずに古いまま残ってしまう。一方、継続的に更新される地域である東京都の地図データは、追加された地図データ要素に再利用されたID情報割り当てられ、更新されないエリアに残ったままのID情報と重複が発生する可能性がある。
本発明の目的は、上記従来技術の事情に鑑みてなされたものであり、ナビゲーション端末で用いられる地図データの各要素の管理を容易にし、小サイズのID情報によってユニークに識別できるようにし、地図の差分更新を実現する地図データ管理方法及び地図データ配信システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、ナビゲーション端末に搭載される地図データをデータ要素単位にテーブルで管理するデータ管理方式としてリレーショナルデータベースシステムを用いる。また、地図データの要素毎に、ユニークな識別IDを付加する。識別IDは、地図データのデータ種別(道路リンク、ノード、背景など)毎に、ユニークに割り当てる。更に地図サーバ側でも、地図データの全ての要素に識別IDを付加し、地図サーバ側識別IDとナビゲーション側識別IDの対応表を管理することで、更新された要素データを特定する方式とする。ナビゲーション端末側では、リレーショナルデータベースなどのデータ管理方式により、ナビゲーション側識別IDを指定することで、地図データ要素を特定して、更新・削除する方式とする。
また、ナビゲーション端末に搭載される地図データの識別IDは、再利用されることを前提とする。ただし、車載機内で同一のIDが存在することの無いよう、使われなくなった識別IDは一定期間使用禁止とし、その後再利用する方式とする。
また、ナビゲーション端末の地図更新において、都道府県単位等に更新単位が分割される場合には、対象となる更新単位毎に識別IDの使用範囲を分割する。例えば、北海道の識別IDは0〜10000番、青森県の識別IDは、10001番〜20000番などの範囲を設ける。
本発明によれば、ナビゲーション端末に搭載される地図データの要素を識別IDによって一意に特定でき、地図差分更新の管理が容易になる。ユニークな車載IDを指定することで、直接的に対応データを修正・追加・削除することが可能となる。例えば、地図更新で道路を追加する場合など、地図の格納場所にこだわらず、自由な場所にデータをおくことができる。そのデータの識別は、識別IDで行う。
また、本発明によれば、地図データの要素の識別IDを再利用することが可能となり、識別IDのサイズを削減でき、ナビゲーション端末の地図データサイズ削減及び処理スピード向上の効果がある。
また、ナビゲーション端末の地図更新の単位が、都道府県単位等に更新単位が分割される場合には、識別IDを地域毎に割り当て範囲を限定することにより、特定のエリアのみが更新され続けたとしても、識別IDの重複が発生しない効果がある。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本発明が適用された地図データ配信システムの概略図である。図示するように、本実施形態の地図データ配信システムは、ネットワーク40に接続された地図配信サーバ10と、ナビゲーション端末20とを有する。ナビゲーション端末20には、無線通信装置30が接続されている。ナビゲーション端末20は、無線通信装置30により無線基地局50を経由してネットワーク40に接続される。なお、無線通信装置30は、ナビゲーション端末20に内蔵しても構わない。また、無線通信装置30に代わり、有線通信装置を用いてネットワーク40に接続してもかまわない。
地図配信サーバ10は、ナビゲーション端末20から受信した地図配信要求に従い、地図データ全体あるいは、地図データの更新部分をナビゲーション端末20に配信する。地図配信サーバ10の機能を以下に説明する。地図データ記憶部102は、地図生成の基となる地図データ全体を記憶する。車載地図データ記憶部106は、ナビゲーション端末20に記録される地図データを複数世代保持する記憶部である。地図ID変換処理部103は、地図データ記憶部102の地図要素(道路リンク、ノード、背景オブジェクトなど)毎に割り当てられた恒久IDを、車載地図データ記憶部106の地図要素ごとの車載IDに変換する処理を行う。
地図ID管理部104は、地図データ記憶部102の恒久IDを、車載地図データ記憶部106の車載IDに変換するための情報を管理する。オーサリング処理部105は、地図データ記憶部102のデータから、車載地図データ記憶部106のデータを生成する処理を行う。オーサリング処理の例としては、形状補完点の間引き処理や、複数の道路リンクを1つの道路リンク列にまとめる処理や、背景ポリゴン要素の形状補完点を間引きするなどの処理を行う。
差分生成処理部107は、車載地図データ記憶部106の新たに作成した車載地図データNと1世代前に作成した車載地図データN−1を比較することで、地図差分データを作成する。差分データ記憶部108は、生成された差分データを保持する。ネットワークIF部は、地図配信サーバ10をネットワーク40に接続する。
地図データ記憶部102には、地図上の道路や背景などを構成するデータが記憶されている。道路リンクを例にとると、地図データ記憶部102には、各道路リンク(以下リンクと呼ぶ)のリンクデータが記憶されている。
図2は地図データ記憶部102におけるリンクの登録内容を示す例である。リンクデータのレコード1020は、リンクを識別するためのIDを登録するための恒久IDフィールド1021と、リンクの幅員を登録するためのフィールド1022と、この幅員の修正日時を登録するためのフィールド1023と、一般道路,有料道路といったリンクの道路種別を示すフラグを登録するためのフィールド1024と、この道路種別の修正日時を登録するためのフィールド1025を有する。さらに、リンクの位置・形状を示す点列(開始ノード、終了ノード、および、リンクの屈折地点等に所在する中間ノードからなる点列)の座標データである点列データを登録するためのフィールド1026と、点列データの修正日時を登録するためのフィールド1027と、レコード1020の生成日時を登録するためのフィールド1029と、レコード1020の削除日時を登録するためのフィールド1030を有する。
恒久IDフィールド1021に記憶される恒久IDは、地図データを構成する全ての要素に付加される識別用IDである。恒久IDの割り当て例として、最も簡易なID管理方法は、地図データを構成する過去・現在・未来の全ての要素をユニークに識別できるようにユニバーサルユニークID(1つの要素に割り当てられる唯1つの恒久ID)を割り当てる方法である。この場合、ユニバーサルユニークIDのデータサイズは数十バイトと大きくなる。一方、地図のデータ種別(リンク、ノード、背景ポリゴン、POIなど)毎に分けて、データ種別の中で一意に識別できるユニークIDを割り当てる方式もある。この場合、IDのデータサイズは削減可能だが、データ種別間では、同じIDが存在しうる。また、使われなくなった地図要素のIDを、ある程度の期間(例えば10年間)で再利用する方法も考えられる。本実施例では、地図データを構成する全ての要素にユニバーサルユニークIDを割り当てる例に基づいて説明する。
ナビゲーション端末20は、自身が保持する地図データを用いて、地図表示、ルート探索、ルート誘導等のナビゲーション処理を行う。また、地図配信要求を、地図配信サーバ10に送信して、地図配信サーバ10から地図データを入手し、これをナビゲーション端末20自身が保持する地図データに反映させる。
ナビゲーション端末20は下記の機能を有する。ネットワークIF部201は、ナビゲーション端末20を、無線通信装置30及び無線基地局50を介してネットワーク40に接続する。データ管理部210は、地図データ記憶部206の地図データを管理し、ユニバーサルユニークIDを指定することで地図要素を特定し、更新や追加・削除を行うことができる。地図データ記憶部206は、ナビゲーションに用いる地図データを保持する。地図全体更新処理部202は、ネットワークIF部201から地図データ全体を受信し、データ管理部210を経由して地図データ記憶部206の全ての地図を入れ替える処理を行う。差分更新処理部204は、ネットワークIF部201から地図差分データを受信し、データ管理部210を経由して、地図データ要素のユニバーサルユニークIDを指定することにより、地図データ記憶部206に前回の地図更新との変更部分だけを更新する処理を行う。ナビゲーション処理部207とGUI(Graphical User Interface)部209は、地図データ記憶部206のデータを用いて、ナビゲーション処理を行う。
差分更新処理部204は、ナビゲーション端末20のユーザからの指示に従って、全国の地図を対象に差分を更新する機能及び、特定エリアを対象に差分を更新する機能を有する。例えば、特定エリアとして都道府県単位で更新する際に、特定エリアを対象に差分を更新する機能により、東京都だけの差分更新を可能にする。この場合、ナビゲーション端末20では、ユーザからの指示に基づく更新対象エリアを東京都と指定し、地図配信サーバ10に差分データを要求する。この要求を受けた地図配信サーバ10は、差分データ記憶部108から、東京都に関する差分データを読み出し、ナビゲーション端末20に配信する。
地図データ記憶部206には、地図上の道路を構成する各要素のデータが記録される。道路リンクを例にとると、要素のデータとしてはリンクのリンクデータが記憶される。
図3は地図データ記憶部206のリンク登録内容例である。リンクデータのレコード2060は、リンクを識別するためのIDを登録するための車載IDフィールド2061と、リンクの幅員を登録するためのフィールド2062、一般道路、有料道路といったリンクの道路種別を示すフラグを登録するためのフィールド2063を有する。さらに、リンクの形状を示す点列(開始ノード、終了ノード、及びリンクの屈折地点等に所在する中間ノードからなる点列)の座標データである点列データを登録するためのフィールド2064を有する。
ナビゲーション処理部207は、この地図データ記憶部206に記憶されているリンクデータを用いて、地図表示、ルート探索、ルート誘導等のナビゲーション処理を行う。
車載IDフィールド2061に記憶される車載IDは、車載地図データを構成する要素に付加される識別用IDである。車載IDの割り当て例として最も簡易なID管理方法は、地図配信サーバの場合と同様に、地図データを構成する過去・現在・未来の全ての要素をユニークに識別できるようにユニバーサルユニークIDを割り当てる方法である。ただし、この場合も、ユニバーサルユニークIDのデータサイズは数十バイトと大きくなり、ナビゲーション端末のID割付方法としては適切ではない。一方、地図のデータ種別(リンク、ノード、背景ポリゴン、POIなど)毎に分けて、データ種別の中で一意に識別できるユニークIDを割り当てる方式もある。この場合、IDのデータサイズは削減可能となる。
図4は車載IDの再使用に関する概念図である。更にIDのデータサイズを削減する方式としては、使われなくなった地図要素のIDを、ある程度の期間(この例では6年間)使用禁止とし、その後再利用する方法も考えられる。本実施例では、最もIDサイズを削減できる方式として、データ種別毎に一意に識別できるIDを割り当てかつ、使われなくなったIDは一定期間後に再利用可能とする方法に基づいて説明する。
図5は恒久IDを車載IDへ変換する処理の説明図である、地図配信サーバ10の地図データ記憶部102に保持される地図要素の恒久IDが、ナビゲーション端末20の地図データ記憶部206に保持される地図要素毎の車載IDに変換される概念を示している。
地図データ記憶部102では、地図の各要素に対して各々を一意に識別できるユニバーサルユニークIDが割り当てられている。これは、データ種別にかかわらず、全ての要素にユニークなIDを割り当てる方法である。従って、恒久IDは数十バイトのサイズとなる。恒久IDは、ナビゲーション端末の地図データ記憶部206の地図要素の車載IDに変換される。
地図データ記憶部206では、データ種別毎にテーブルが存在する。図5の例では、道路リンクテーブル2065、ノードテーブル2066、背景テーブル2067である。各データ種別毎に車載IDが割り当てられる。車載IDは、各データ種別毎にユニークであればよいので、IDのデータサイズを削減できる。また、車載IDは、使用されなくなって6年後には再利用可能とするため、更にデータサイズを削減できる。本実施例では、恒久IDが36バイトのサイズに対して、車載IDは4バイトのサイズに削減できる。
図6は地図ID変換処理部及び地図ID管理部の機能ブロック図である。地図ID変換処理部103は、地図データ記憶部102から地図データを受け取り、恒久IDを車載IDに変換する。地図データ記憶部102から受け付けるデータは、地図データの恒久ID1031、恒久ID変更リスト1032、データ種別1037である。恒久ID変更リスト1032は、地図データ記憶部102において、前回から変更のあった恒久IDのリストである。
変更内容は、追加(INSERT)、更新(UPDATE)、削除(DELETE)の3種類の属性を持つ。追加は、新しい道路や背景が追加されて、恒久IDが追加されたことを意味する。更新は、道路の属性変更など、恒久IDは同じで内容が変更されたことを意味する。削除は、道路が無くなった等の理由で恒久IDが削除されたことを意味する。データ種別1037は、各恒久IDに関連する地図データの道路種別を意味する。
無変更ID/更新ID変換処理部1033は、恒久IDの内、変更の無かった恒久ID及び恒久ID変更リスト1032における更新された恒久IDに対して車載IDの変換処理を行う。具体的には、地図ID管理部104に依頼して、前回割り当てたものと同じ車載IDを割り当てる処理を行う。新規追加ID処理部1034は、恒久IDの内、新規追加された恒久IDに対して、新たに車載IDを割り当てるための変換処理を行う。具体的には、地図ID管理部104に依頼して、該当する恒久IDの道路属性に従って、新規車載IDを割り当ててもらう。削除ID処理部1035は、恒久IDの内、削除された恒久IDに対して、車載IDの削除処理を行う。具体的には、地図DI管理部104に依頼して、削除された車載IDを期限付きの使用禁止リストに登録してもらう。以上のID割り当て処理により、車載地図データ記憶部106の新旧データの同一IDを比較することにより、地図差分データを生成することが可能となる。
地図ID管理部104は、恒久IDを車載IDに変換する処理を管理するための情報を保持する。ID管理受付部1041は、地図ID変換処理部103からのID変換処理の依頼を受け付ける。ID対応テーブル管理部1042は、各データ種別毎に恒久IDとこれに割り当てられた車載IDの対応関係を保持するID対応テーブル1045、1046、1047を管理する。ID対応テーブルは、データ種別ごとに管理される。
図6の例では、道路リンクID1047、ノードID1046、背景ID1047に分類されて管理されている。道理リンクIDのID対応テーブル1047の例を見ると、恒久ID1060に対して割り当てられた車載ID1061がセットで登録されている。これらのID対応テーブルを用いることにより、変更のなかった恒久IDや、更新された恒久IDについては、本テーブルを検索することにより、前回割り当てられたものと同じ車載IDを割り当てることが可能となる。
使用可能車載ID管理部1043は、各データ種別毎に、割り当て可能な車載IDのリストを管理する。図6の例では、道路リンクID1050、ノードID1049、背景ID1048の各テーブルである。地図ID変換処理部103から、新規追加された恒久IDを車載IDへ変換するように求められた時は、対象となるデータ種別に従って、対応する使用可能車載IDテーブルから、1つの車載IDを割り当てる。
使用禁止車載ID管理部1044は、削除された車載IDの再利用を実現するために、一定期間使用禁止にした車載IDをテーブルで管理している。図6の例では、道路リンクID1053、ノードID1052、背景ID1051の各テーブルで管理している。道路リンクID1053の例では、使用禁止車載ID1062がテーブル1053に登録されている。また、対応する車載IDが使用禁止とされる期限1063が登録される。地図ID変換処理部103から削除となる恒久ID情報を受信した場合、最初にID対応テーブル管理部1042に対象となる恒久IDのエントリをID対応テーブルから削除する。
削除されたエントリの車載IDは、一旦使用禁止車載ID管理部1044によって使用禁止テーブルに、使用禁止の期限とともに登録される。使用禁止の期限が過ぎた場合、使用禁止車載ID管理部1044は、該当する車載IDを使用禁止車載IDテーブル1051,1052,1053から削除するとともに、使用可能車載ID管理部の対応する使用可能テーブル1048,1049,1050に登録する。以上の恒久IDから車載IDの割り当て処理により、車載地図データ記憶部106の新旧データの同一車載IDを比較することにより、地図差分データを生成することが可能となる。
図9は、道路リンクの例として、恒久IDから車載IDへの変換フローを示したものである。最初に、変換対象となる恒久IDの種別が道路IDかどうかの判定を行う(300)。道路リンクでない場合は、他データ種別の処理に進む。道路リンクである場合、恒久ID変更リスト1032に対象となる恒久IDが含まれるかを判定する(301)。含まれない場合、地図ID管理部104に恒久IDから車載IDの変換を依頼する。地図ID管理部は、道路リンクのID対応テーブル1047を検索し、対応する車載IDに変換する(306)。これによって、変更が無かった地図要素に関しては、同じ車載IDが割り当てられることが保障される。
判定処理(301)において、対象恒久IDが恒久ID変更リスト1032に含まれる場合、恒久ID変更リスト1032の変更種別を判定し(302)、この判定結果に従って処理を行う。更新(UPDATE)であった場合、地図ID管理部104に恒久IDから車載IDの変換を依頼する。地図ID管理部104は、道路リンクのID対応テーブル1047を検索し、対応する車載IDに変換する(306)。これによって、更新の場合は、前回割り当てたものと同一の車載IDが割り当てられることを保障する。
判定処理(302)において、変更種別が追加(INSERT)であった場合、地図ID管理部104に恒久IDから車載IDの変換を依頼する。地図ID管理部104は、使用可能車載IDテーブル1050を検索し、新規車載IDを割り当てる(305)。また、対応付けされた恒久IDと車載IDの組は、ID対応テーブル1047に登録される(307)。
判定処理(302)において、変更種別が削除(DELETE)であった場合、地図ID管理部104に恒久IDの削除を依頼する。地図ID管理部104は、ID対応テーブル1047から対応する恒久IDのエントリを削除する(303)。また、削除されたエントリに関連する車載IDを、使用禁止車載IDテーブル1053に登録する(304)。このとき、使用禁止期間(たとえば6年)の情報も同時に登録する。使用期限を過ぎたエントリは、使用可能車載IDテーブル1050に移動する。
図7は、POI(Point of interest、レストラン情報などの施設情報)を対象として扱う際の、地図ID変換処理部103及び地図ID管理部104の機能ブロックを示した図である。ナビゲーション端末の地図更新において、更新単位が都道府県単位などに分割される場合には、対象となる更新単位毎に識別IDの範囲を分割する方式とする。これは、使われなくなったID情報を再利用する管理方式において、エリアを分割して更新を行う場合には、以下の問題が発生するためである。
例えば、あるユーザが東京都の地図だけを10年間更新し、他の地域の地図を更新しなかった場合、ID情報の重複が発生する。即ち、更新されない地域の地図データ要素のID情報は、10年間変更されず古いまま残る。一方、継続的に更新される東京都は、追加された地図データ要素に再利用されたID情報割り当てられ、更新されないエリアに残ったままのID情報と重複が発生する可能性がある。ここでは、POIを例に挙げて示すが、それ以外の地図データに関しても、エリアや種別で分割して更新する場合に、同様の処理になる。図7に示すPOIの例は、都道府県毎に車載IDの範囲を指定することにより、車載IDからPOI情報の都道府県を認識できるようにしている。
図8にPOIに関して、車載IDの範囲を指定する例を示している。501は、都道府県コード、502は都道府県名、503は車載IDの割り当て範囲を示す。割り当て範囲は、各都道府県ごとに、最小値504と最大値505で指定される。
図7の地図ID変換処理部103は、地図データ記憶部102から地図データを受け取り、この地図データの恒久IDを車載IDに変換する。地図データ記憶部102から受け付けるデータは、地図データの恒久ID1031、恒久ID変更リスト1032、データ種別1037、エリア情報1038である。
恒久ID変更リスト1032は、地図データ記憶部102において、前回の地図データ記憶部の更新から変更のあった恒久IDのリストである。変更内容は、追加(INSERT)、更新(UPDATE)、削除(DELETE)の3種類の属性を持つ。追加は、新しい道路や背景が追加されて、恒久IDが追加されたことを意味する。更新は、道路の属性変更など、恒久IDは同じで内容が変更されたことを意味する。削除は、道路が無くなった等の理由で恒久IDが削除されたことを意味する。データ種別1037は、各恒久IDに関連する地図データの道路種別を意味する。エリア情報1038は、該当する地図要素がどのエリアに属すかを示す情報であり。これは、緯度経度情報でも良いし、また都道府県コードのようなものでも良い。
無変更ID/更新ID変換処理部1033は、恒久IDの内、変更の無かった恒久ID及び恒久ID変更リスト1032より更新された恒久IDに対して車載IDの変換処理を行う。具体的には、地図ID管理部104に依頼して、前回割り当てた車載IDと同じ車載IDを割り当てる処理を行う。
新規追加ID処理部1034は、恒久IDの内、新規追加された恒久IDに対して車載IDの変換処理を行う。具体的には、地図ID管理部104に依頼して、該当する恒久ID新規車載IDを割り当ててもらう。
削除ID処理部1035は、恒久IDの内、削除された恒久IDに対して車載IDの削除処理を行う。具体的には、地図ID管理部104に依頼して、削除された車載IDを期限付きの使用禁止リストに登録してもらう。
地図ID管理部104は、恒久IDを車載IDに変換する処理を管理するための情報を保持する。ID管理受付部1041は、地図ID変換処理部103からのID変換処理の依頼を受け付ける。ID対応テーブル管理部1042は、各データ種別ごとに恒久IDと割り当てられた車載IDの対応関係を保持するID対応テーブル1070を管理する。
図7の例では、POIの対応テーブルのみ記載されている。POIのID対応テーブル1070の例を見ると、恒久ID1060に対して割り当てられた車載ID1061がセットで登録されている。この様なID対応テーブルを用いることにより、変更の無かった恒久IDや、更新された恒久IDは、ID対応テーブル1070を検索することにより、前回割り当てられたものと同じ車載IDを割り当てることが可能となる。
使用可能車載ID管理部1043は、各都道府県ごとに、割り当て可能な車載IDのリストを管理する。図7の例では、北海道エリアID1073、青森県エリアID1072、岩手県エリアID1071のテーブルである。地図ID変換処理部103から、新規追加された恒久IDへの変換を求められた時は、対象となる都道府県情報に従って、対応する使用可能車載IDテーブルから、1つの車載IDを割り当てる。
使用禁止車載ID管理部1044は、削除された車載IDの再使用を実現するために、一定期間使用禁止にした車載IDをテーブルで管理している。図7の例では、北海道エリアID1076、青森県エリアID1075、岩手県エリアID1074のテーブルで管理している。北海道エリアID1076の例では、使用禁止車載ID1062が登録されている。また、対応する車載IDを使用禁止にする期限1063が登録される。地図ID変換処理部103から削除する恒久ID情報を受信した場合、最初にID対応テーブル管理部1042により、対象となる恒久IDのエントリをID対応テーブル1070から削除する。削除されたエントリの車載IDは、一旦使用禁止車載ID管理部1044によって使用禁止テーブルに、使用禁止の期限とともに登録される。使用禁止の期限が過ぎた場合、使用禁止車載ID管理部1044は、該当する車載IDを使用禁止車載IDテーブル1051,1052,1053から削除するとともに、使用可能車載ID管理部の対応する使用可能テーブル1048,1049,1050に登録する。
以上のように、恒久IDを車載IDに割り当てる処理により、車載地図データ記憶部106の新旧データについて同一車載IDを比較することにより、地図差分データを生成することが可能となる。
図10は、POIの例として、恒久IDから車載IDへの変換フローを示したものである。最初に変換対象となる恒久IDの種別がPOIかどうかの判定をおこなう(400)。恒久IDの種別がPOIではない場合は、他データ種別の処理に進む。恒久IDの種別がPOIである場合、恒久ID変更リスト1032に対象となる恒久IDが含まれるかを判定する(401)。含まれない場合、地図ID管理部104に恒久IDから車載IDへの変換を依頼する。地図ID管理部104は、POIのID対応テーブル1047を検索し、対応する車載IDに変換する(406)。これによって、変更が無かった地図要素に対しては、同じ車載IDが割り当てられることが保障される。
判定処理(401)において、対象恒久IDが恒久ID変更リスト1032に含まれる場合、既にこの恒久IDに対して車載IDが割り当てられていることから、対応する車載IDを求めた上で、恒久ID変更リスト1032の変更種別に従って処理を行う(402)。
変更種別が更新(UPDATE)であった場合、地図ID管理部104に恒久IDから車載IDへの変換を依頼する。地図ID管理部はID対応テーブル1047を検索し、POIの恒久IDを対応する車載IDに変換する(406)。これによって、データ更新の場合は、前回割り当てたものと同一の車載IDが割り当てられることを保障する。
判定処理(402)において、変更種別が追加(INSERT)であった場合、地図ID管理部104に恒久IDから車載IDへの変換を依頼する。地図ID管理部104は、エリア情報1038から、対象地域を限定する(405)。ここでは、対象地域が北海道エリアであった例を示す。使用可能車載ID管理部1043は、対象地域の使用可能車載IDテーブル1050を検索し、新規車載IDを割り当てる(408)。また、対応付けされた恒久IDと車載IDの組は、ID対応テーブル1047に登録される(409)。
判定処理(402)において、変更種別が削除(DELETE)であった場合、地図ID管理部104に恒久IDの削除を依頼する。地図ID管理部104は、ID対応テーブル1047から対応する恒久IDのエントリを削除する(403)。次に、エリア情報1038から、対象地域を限定する(404)。そして、削除されたエントリに関連する車載IDを、対象地域の使用禁止車載IDテーブル1053に登録する(407)。このとき、使用禁止期間(たとえば6年)の情報も同時に登録する。使用期限を過ぎたエントリは、使用可能車載IDテーブル1050に移動する。
図11は、地図配信サーバ10において、上記実施例で説明した車載ID割り当て方法を用いて、差分データを生成する処理の概要を示した図である。図11には、車載地図データ記憶部106、差分生成処理部107、差分データ記憶部108の内容も示している。
車載地図データ記憶部106は、地図データ記憶部102の地図データが、本実施例で示した方法で恒久IDから車載IDに変換された後、オーサリング処理105を行った結果生成された車載地図データを記憶している。車載地図データ記憶部106は、前回作成された車載地図データの旧データ1065と新規に作成された車載地図データの新データ1066を記録している。各車載地図データは、データ種別毎にテーブルを持つ。例えば、道路リンクデータ1063、ノードデータ1064などである。各データの地図要素には本実施例で示した車載ID変換方式により、車載IDが割り当てられている。
差分生成処理部107は、車載地図データ記憶部106の旧データ1065、新データ1066をデータ種別毎に比較することにより、差分データを生成する。この時、車載IDをキーにして、比較を行い、比較結果1071を求める。この比較結果1071に基づき、データ種別毎の差分データを差分データ記憶部108に記憶する。この例では、道路リンク差分データ1081と、ノード差分データ1082が差分データとして記憶される。
差分データは、全国一括の差分データでも良いし、メッシュ単位に分割された差分データでも良い。差分データとしては、データ種別毎に車載IDをキーとして比較し、旧データに有って新データに無い場合は、該当するIDを削除するコマンド(delete 車載ID)が生成される。また、新データに有って、旧データに無い場合は、該当するIDを追加するコマンド(insert 車載ID)が生成される。また、新旧データに存在するが、内容に変更がある場合は、該当するIDを更新するコマンド(update 車載ID)が生成される。
図12は、ナビゲーション端末20において、本実施例で説明した車載ID割り当て方式を用いて、地図更新処理を行う概要を示した。全体更新データ210の内容、差分更新データ220の内容、地図データ記憶部206の内容を示している。
ナビゲーション端末20は、地図配信サーバ10から、全体更新データ210を受け取った場合、地図全体更新処理部202によって、地図データ記憶部206の内容を全て書き換える処理を行う。この時、全体更新データ210は、地図配信サーバ10で生成された車載地図データ記憶部106の地図データに相当する。
地図全体更新処理部202は、地図配信サーバ10から受け取った全体更新データ210の内、データ種別毎に、地図データ記憶部206を全面更新する。この場合、車載IDをキーにして、一エントリづつ更新しても良いし、地図データを構成するテーブルそのものを置き換えても良い。
次に、ナビゲーション端末20が、地図配信サーバ10から差分更新データ220を受け取った場合、差分更新処理部204によって、地図データ記憶部206の該当する車載IDのエントリのみ変更する。このとき差分更新データ220は、地図配信サーバ19で生成された差分データ記憶部108のデータに相当する。
差分更新処理部204は、地図配信サーバ10から受け取った差分更新データ220の内、データ種別毎に地図データ記憶部206の地図データを差分更新する。即ち、車載IDが削除される場合は、該当車載IDを削除する。また、車載IDが追加される場合は、該当車載IDを追加する。また、車載IDが更新される場合には、該当車載IDを更新する処理を行う。
以上の本発明によれば、ナビゲーション端末に搭載される地図データの要素を識別IDによって一意に特定でき、地図差分更新の管理が容易になる。ユニークな車載IDを指定することで、直接的に対応データを修正・追加・削除することが可能となる。例えば、地図更新で道路を追加する場合など、地図の格納場所にこだわらず、自由な場所にデータをおくことができる。そのデータの識別は、識別IDで行う。
また、本発明によれば、地図データの要素の識別IDを再利用することが可能となり、識別IDのサイズを削減でき、ナビゲーション端末の地図データサイズ削減及び処理スピード向上の効果がある。
また、また、ナビゲーション端末の地図更新の単位が、都道府県単位など更新単位が分割される場合には、識別IDを地域毎に割り当て範囲を限定することにより、特定のエリアのみが更新され続けたとしても、識別IDの重複が発生しない効果がある。
本発明の一実施例における地図データ配信システムの構成図。 地図配信サーバにおける地図データ記憶部の登録内容を示すデータ構成図。 ナビゲーション端末の地図データ記憶部の登録内容を示すデータ構成図。 車載IDの再使用に関する概念を示す説明図。 恒久IDを車載IDへ変換する処理の概念を示す説明図。 地図ID変換処理部と地図ID管理部の構成図である。 POI情報に関する地図ID変換処理部と地図ID管理部の構成図。 POI情報に対して都道府県別に車載IDを割り当てる例を示すデータ図。 道路リンクの恒久IDを車載IDへ変換する処理のフロー図。 POIデータの恒久IDを車載IDへ変換する処理のフロー図。 地図配信サーバにおける差分データ生成の流れを示す機能図。 ナビゲーション端末における地図データ更新の流れを示す機能図。
符号の説明
10…地図配信サーバ、20…ナビゲーション端末、102…地図データ記憶部、103…地図ID変換処理部、104…地図ID管理部、105…オーサリング処理部、106…車載地図データ記憶部、107…差分生成処理部、108…差分データ記憶部、202…地図全体更新処理部、204…差分更新処理部、206…地図データ記憶部、207…ナビゲーション処理部、1032…恒久ID変更リスト、1033…無効ID/更新ID変換処理部、1034…新規追加ID処理部、1035…削除ID処理部、1041…ID管理受付部、1042…ID対応テーブル管理部、1043…使用可能車載ID管理部、1044…使用禁止車載ID管理部。

Claims (5)

  1. 車載端末用の地図データを作る地図配信センタと、該地図データの差分を取得して地図を表示する車載端末とからなり、前記地図配信センタの地図データベースに含まれる各要素には、唯一度だけ割り当てられる不変の識別番号が付加される地図データ配信システムにおける地図データ管理方法において、
    前記地図データの差分は、前記地図配信センタの地図データベースから作られる車載端末用の地図データの差分であり、
    前記地図配信センタにおいては、車載端末用の地図データに含まれる各要素に対し、その要素に割り当てられた不変の識別番号に対応して、該要素のデータ種別毎に車載端末用の地図データ内で唯一の車載端末側識別番号を設定し、該要素のデータ種別で定まる所定の範囲内に対応付け、不変の識別番号と車載端末側識別番号との対応関係を記憶し、
    地図配信センタから車載端末に送る車載端末用の地図データとしては、当該対応関係に基づき、不変の識別番号が割り当てられた地図要素に対応する車載端末側識別番号と、該地図要素のデータ種別毎の情報とを送ると共に、前記車載端末で使用する車載端末側識別番号のサイズは、地図配信センタに記憶する不変の識別番号のサイズよりも小さくされ、
    また前記地図配信センタにおいては、前記車載端末用の地図データの差分を作る際に、前回作成した車載端末用の地図データで用いられていた車載端末側識別番号が使用されなくなった場合、所定期間の間、不変の識別番号に対する対応付けを禁止するため、当該使用されなくなった車載端末側識別番号には対応付け再開期限あるいは対応付け禁止期間の情報を付与することを特徴とする地図データ管理方法。
  2. 請求項1に記載の地図データ管理方法において、
    前記車載端末に搭載される地図データの車載端末側識別番号のうち、地図を構成する道路に対して割り当てられる車載端末側識別番号は地域毎に所定の割り当て範囲が定められ、道路に対して割り当てられた不変の識別番号に対しては、当該道路が属する地域の割り当て範囲内の車載端末側識別番号を対応付けることを特徴とする地図データ管理方法。
  3. 請求項1に記載の地図データ管理方法において、
    不変の識別番号に対する対応付けを禁止された車載端末側識別番号は、当該車載端末側識別番号に付与された前記再開期限あるいは対応付け禁止期間を経過した後に、対応付け可能な識別番号として扱われることを特徴とする地図データ管理方法。
  4. 請求項2に記載の地図データ管理方法において、
    前記地域として都道府県を単位とし、都道府県毎に不変の識別番号の割り当て範囲を定めることを特徴とする地図データ管理方法。
  5. 車載端末用の地図データを作る地図配信サーバと、該地図データの差分を取得して地図を表示する車載端末とからなり、前記地図配信サーバの地図データベースに含まれる各要素には、唯一度だけ割り当てられる不変の識別番号が付加される地図データ配信システムにおいて、
    前記地図データの差分は、前記地図配信サーバの地図データベースから作られる車載端末用の地図データの差分であり、
    前記地図配信センタにおいては、車載端末用の地図データに含まれる各要素に対し、その要素に割り当てられた不変の識別番号に対応して、該要素のデータ種別毎に車載端末用の地図データ内で唯一の車載端末側識別番号を設定し、該要素のデータ種別で定まる所定の範囲内に対応付け、不変の識別番号と車載端末側識別番号との対応関係を記憶し、
    地図配信センタから車載端末に送る車載端末用の地図データとしては、当該対応関係に基づき、不変の識別番号が割り当てられた地図要素に対応する車載端末側識別番号と、該地図要素のデータ種別毎の情報とを送ると共に、前記車載端末で使用する車載端末側識別番号のサイズは、地図配信センタに記憶する不変の識別番号のサイズよりも小さくされ、
    また前記地図配信センタにおいては、前記車載端末用の地図データの差分を作る際に、前回作成した車載端末用の地図データで用いられていた車載端末側識別番号が使用されなくなった場合、所定期間の間、不変の識別番号に対する対応付けを禁止するため、当該使用されなくなった車載端末側識別番号には対応付け再開期限あるいは対応付け禁止期間の情報を付与することを特徴とする地図データ配信システム。
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