JP4657501B2 - チップドレッサ用切粉回収装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極チップを整形する際に発生する切粉を回収するチップドレッサ用切粉回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スポット溶接等に使用される電極チップは、溶接作業を繰り返すと損耗(変形或いは磨耗等)する。損耗した電極チップで溶接作業を行うと、所望の溶接品質を得ることができなくなるため、電極チップを周期的に整形(ドレッシング)して、溶接品質を維持するようにしている。
【0003】
例えば、特開平6−122082号公報には、溶接ガンの互いに対向する先端部に設けた一対の電極チップにて、整形体の上下面を狭圧した後、溶接ガンを電極チップの軸心を中心に揺動させて研磨することで、電極チップを整形するチップドレッサが開示されている。
【0004】
ところで、近年、材料費の削減や環境問題から、切粉を再利用することが検討されており、整形体の下方に収集容器を配設し、この収集容器にて回収された切粉を再利用するようにしている。
【0005】
しかし、切粉は研磨作業の際の整形体と電極チップとの相対揺動或いは回転により飛散され易く、全ての切粉が収集容器に回収される訳ではなく、回収率が低いという問題がある。
【0006】
その上、整形体の目詰まりを防止するために、整形体にエアーが吹き付けられている場合は、この吹き付けたエアーにより切粉が飛散されてしまうため、切粉の回収率は一層低くなってしまう。
【0007】
一般に、スポット溶接等に使用される電極チップとしては、銅が多く用いられているが、適正な溶接品質を保持しようとすれば、研磨頻度が高まり、電極チップの研削屑或いは研磨屑(切粉)は増加するので、材料費の削減を図るためには切粉の回収率を高め、有効に再利用できるようにする必要がある。
【0008】
そのため、整形体を保持するドレッサ本体に切粉回収装置を取付け、この切粉回収装置により電極チップを整形する際に発生する切粉を回収する技術が種々提案されている。
【0009】
例えば、実公平3-18067号公報には、ドレッサ本体にカバー本体を装着することで、このカバー本体とドレッサ本体の上面及び下面との間に、空気導入路と空気導出路とを形成し、ホルダに保持されている整形体を駆動させた後の圧縮空気を、空気導入路を経てホルダへ導き、又、ホルダを通過した圧縮空気を空気導出路を経て、カバー本体の端部に接続されている切粉収集容器へ導くことで、チップ研磨或いは研削時に発生した切粉を切粉収集容器に回収する技術が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この先行技術に開示されている切粉回収装置は、圧縮空気を利用して切粉を回収するようにしているため、整形体の周囲に圧縮空気を導くための、空気導入路と空気導出路とを形成する必要があり、構造が複雑化してしまう問題がある。
【0011】
又、整形体を駆動させた後の圧縮空気を利用しているため、圧縮空気を駆動源としていないチップドレッサに対しては組み付けることができないため、使い勝手が悪い。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑み、簡単な構造で、小型化が実現でき、しかも汎用性に優れたチップドレッサ用切粉回収装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による第1のチップドレッサ用切粉回収装置は、対向一対の電極チップでドレッサ本体に保持されている整形体を狭圧し、該整形体と上記一対の電極チップとの相対摺動により該電極チップを整形するチップドレッサにおいて、上記ドレッサ本体を上記整形体を略水平方向へ指向させた姿勢で支持し、上記ドレッサ本体に上記整形体を覆う切粉捕捉ケースを装着固定し、上記切粉捕捉ケースの上記一対の電極チップを挿入する位置にチップ挿入口をそれぞれ開口すると共に、上記切粉捕捉ケースの上記チップ挿入口を開口する面を、上記一対の電極チップの進入方向に対し前端位から後端位方向へ拡開する楔状に形成し、上記各チップ挿入口に弾性変形により上記電極チップの挿入を許容する遮蔽部材を配設し、上記切粉捕捉ケースの下部に切粉排出口を設けたことを特徴とする。
【0014】
このような構成では、ドレッサ本体に整形体を覆う切粉捕捉ケースを装着し、この切粉捕捉ケースに電極チップを挿入するチップ挿入口を開口し、このチップ挿入口に弾性変形により電極チップの挿入を許容する遮蔽部材を配設し、又切粉捕捉ケースの下部に切粉排出口を設けた簡単な構造であるため、小型化が実現でき、汎用性に優れる。
【0016】
この場合、好ましくは、1)上記一対の電極チップの進入方向が水平方向であり、上記切粉捕捉ケースの上記チップ挿入口を開口する両面が、上記電極チップの進入方向に対して前方から後方へ拡開する楔状に形成したことを特徴とする。
【0017】
2)上記一対の電極チップの進入方向が上方であり、上記切粉捕捉ケースの上記チップ挿入口を開口する両面を、上部から下部方向へ拡開する楔状に形成したことを特徴とする。
【0018】
3)上記切粉捕捉ケースの上記整形体に対する対向面を該整形体に近接させ、上記対向面に上記チップ挿入口を開口し、上記切粉捕捉ケースの後部に上記ドレッサ本体の挿入口を開口したことを特徴とする。
【0019】
本発明による第2のチップドレッサ用切粉回収装置は、対向一対の電極チップでドレッサ本体に保持されている整形体を狭圧し、該整形体と上記一対の電極チップとの相対摺動により該電極チップを整形するチップドレッサにおいて、上記ドレッサ本体を上記整形体を斜め上下方向へ指向させた姿勢で支持し、上記ドレッサ本体に上記整形体を覆う切粉捕捉ケースを装着固定し、上記切粉捕捉ケースの上部を上記ドレッサ本体の傾斜方向に沿って屈曲させ、上記切粉捕捉ケース上面の上記整形体に対向する面と上記切粉捕捉ケースの外側面とに上記電極チップを挿入するチップ挿入口を各々開口し、上記各チップ挿入口に弾性変形により上記電極チップの挿入を許容する遮蔽部材を配設し、上記切粉捕捉ケースの下部に切粉排出口を設けたことを特徴とする。
【0020】
本発明による第3のチップドレッサ用切粉回収装置は、対向一対の電極チップでドレッサ本体に保持されている整形体を狭圧し、該整形体と上記一対の電極チップとの相対摺動により該電極チップを整形するチップドレッサにおいて、上記ドレッサ本体に上記整形体を覆う切粉捕捉ケースを装着固定し、上記切粉捕捉ケースの少なくとも上部内周を円筒状に形成し、上記切粉捕捉ケースの上部内周に側方から挿通する上記ドレッサ本体の先端面に、該切粉捕捉ケースの上部内周と略同一の曲率を有する当接面を設け、上記切粉捕捉ケースの上記一対の電極チップを挿入する位置にチップ挿入口をそれぞれ開口し、上記各チップ挿入口に弾性変形により上記電極チップの挿入を許容する遮蔽部材を配設し、上記切粉捕捉ケースの下部に切粉排出口を設けたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1、図2に本発明の第1実施の形態による切粉回収装置を示す。ここで、図1は切粉回収装置の斜視図、図2は図1の要部断面平面図である。
【0022】
図2の符号1は溶接ロボットに連設する溶接ガンで、この溶接ガン1に第1、第2のガンアーム2,3が設けられ、この両ガンアーム2,3の先端に電極チップ4,5が互いに対向した状態で着脱自在に取付けられている。この両電極チップ4,5は同軸上に配設されており、両ガンアーム2,3の少なくとも一方の進退動作により、両電極チップ4,5が相対的に近接離間される。
【0023】
又、図1の符号6は、電極チップ4,5の先端を整形(ドレッシング)するチップドレッサであり、溶接ロボットの稼働範囲で、溶接作業に支障を来さない位置に配設されている。このチップドレッサ6から側方へドレッサ本体6aが延在されている。このドレッサ本体6aの先部に、整形体7を回動或いは揺動自在に保持するホルダ部6bが設けられている。ドレッサ本体6aは、直方体の平板状に形成されており、互いに平行なテーブル面6c,6dを略垂直方向に配設した、いわゆる横向きの姿勢で固設されている。
【0024】
従って、図2に示すように、整形体7は、この整形体7の両面に設けられている、電極チップ4,5の先端を研磨或いは研削にて所定形状に整形可能な凹形状のカッタ7a,7bを略水平方向に指向させた状態で、ホルダ部6bに保持されている。
【0025】
又、ドレッサ本体6aの基部にモータ8が固設されており、このモータ8にて整形体7が回転或いは揺動駆動される。尚、モータ8は、圧縮空気を駆動源とするエアモータに限らず、通常の電動モータであっても良い。
【0026】
又、符号11は切粉回収装置で、ドレッサ本体6aの先部に装着されてホルダ部6bの周囲を覆う切粉捕捉ケース12Bと、この切粉捕捉ケース12Bから落下された切粉を回収する切粉収集容器13とを有している。
【0027】
切粉捕捉ケース12Bの、ドレッサ本体6aのテーブル面6c,6dに対向するチップ挿入面12a,12bが、ドレッサ本体6aの先部から基部方向へ拡開する楔状に形成されており、この両チップ挿入面12a,12bにチップ挿入口12cが開口されている。
【0028】
更に、切粉捕捉ケース12Bの両チップ挿入面12a,12bの収束方向端面12dが、ドレッサ本体6aの先端面にねじ等の締結具を介して固定されている。更に、切粉捕捉ケース12Bの背面に、ドレッサ本体6aを挿通する逃げ孔12eが開口されている。又、切粉捕捉ケース12Bの下部に、切粉ガイド面12fが下方へ収束するテーパ状に形成され、この切粉ガイド面12fの下端に切粉排出口12gが形成されている。
【0029】
チップ挿入口12cに遮蔽部材14が配設されている。この遮蔽部材14はチップ挿入口12cの上下に対向配設する一対のブラシ14a,14bで構成されている。この各ブラシ14a,14bはナイロン製等、弾力性を有する材料を素材に形成されており、その基部がチップ挿入口12cの上下縁部にプレート15a,15bを介してねじ止めされている。
【0030】
両ブラシ14a,14bの先端が、チップ挿入口12cのほぼ中央で当接されて、チップ挿入口12cが遮蔽されている。尚、遮蔽部材14は、電極チップ4,5を整形する際に発生する切粉がチップ挿入口12cから外部に飛散するのを阻止するためのものであるため、気密性が要求されるものではない。
【0031】
一方、切粉捕捉ケース12Bの下端に開口された切粉排出口12gの下方に、切粉収集容器13が設置されている。尚、この切粉収集容器13は切粉排出口12gに吊り下げられていても良い。この切粉捕捉ケース12Bを吊り下げる場合、この切粉収集容器13は軽量なものが好ましく、例えばペットボトルの上部をカットして、その下部側を切粉収集容器13として流用することも可能である。
【0032】
次に、このような構成による本実施の形態の作用について説明する。溶接ロボットを用いたスポット溶接作業が所定に終了した後、電極チップ4,5の先端を整形する場合は、先ず、溶接ガン1に設けられている一対のガンアーム2,3を予めティーチングされている動作に従い、ドレッサ本体6aに対し、互いに対向する電極チップ4,5を水平状態に維持した姿勢でドレッサ本体6aの前方(図1の矢印方向)から進入させる。
【0033】
切粉捕捉ケース12Bの両面に形成されているチップ挿入面12a,12bが、一対のガンアーム2,3の進入方向に対し、前端位から後端位方向へ拡開する楔状に形成されているため、各ガンアーム2,3の先端に装着されている電極チップ4,5間を必要以上に広げることなく、この電極チップ4,5を各チップ挿入面12a,12bに開口されているチップ挿入口12cへスムーズに導くことができる。
【0034】
そして、両電極チップ4,5を各チップ挿入口12cから、切粉捕捉ケース12B内に侵入させる。この各チップ挿入口12cは上下から延出するブラシ14a,14bにより遮蔽されており、両ガンアーム2,3の先端に装着されている電極チップ4,5を挿入すると、ブラシ14a,14bが電極チップ4,5の基部、及びこの基部を保持するガンアーム2,3の先端部に沿って弾性変形し、この電極チップ4,5の基部及び、この基部を保持するガンアーム2,3の先端部の周辺を閉塞する。
【0035】
そして、この両電極チップ4,5の軸心が、ホルダ部6bに保持されている整形体7の中心軸上に臨まされたとき、この両電極チップ4,5を互いに近接させる方向へ相対移動させて、この両電極チップ4,5を整形体7の両面に各々設けられているカッタ7a,7bに当接させ、この両電極チップ4,5により整形体7を狭圧する。
【0036】
整形体7は、ドレッサ本体6aに設けられているエアモータ等のモータ8にて回転或いは揺動駆動されており、この整形体7に設けられているカッタ7a,7bにて、電極チップ4,5の先端を研磨或いは研削して所定に整形する。
【0037】
この場合、ドレッサ本体6aがテーブル面6c,6dを垂立させた姿勢で支持されているため、電極チップ4,5を整形する際に発生する切粉は、テーブル面6c,6dと切粉捕捉ケース12Bの内周面とで形成された空隙から、下方へ落下され、落下された切粉は、切粉捕捉ケース12Bの下部に形成されている切粉ガイド面12fに沿って収束されて切粉排出口12gから、この切粉排出口12gの下方に設置されている切粉収集容器13に集積される。
【0038】
一方、電極チップ4,5の整形が所定に終了すると、溶接ロボットにより第1、第2のガンアーム2,3を、挿入時とは逆の動作でドレッサ本体6aから離間させ、次のスポット溶接に備えて待機させる。
【0039】
そして、切粉収集容器13に集積された切粉が所定量に達したとき、或いは定期的に、この切粉収集容器13に集積されている切粉を回収し再利用する。
【0040】
このように、本実施の形態によれば、ドレッサ本体6aのテーブル面6c,6dを垂立させると共に、整形体7を保持するホルダ部6bの周囲を切粉捕捉ケース12Bで覆ったので、電極チップ4,5を整形する際に発生する切粉は、ドレッサ本体6aの両テーブル面6c,6d側から下方へ落下させて、回収することができるようになるため、切粉回収装置11の構造が簡素化され、軽量且つコンパクト化を実現することができる。
【0041】
又、切粉捕捉ケース12Bのチップ挿入面12a,12bを溶接ガン1の進入方向に対して、前端位から後端位方向へ拡開する楔状に形成したので、両ガンアーム2,3に保持されている電極チップ4,5の間隔を必要以上に広げることなく、チップ挿入口12cへスムーズに導くことができるので、作業性が向上する。そのため、例えば一対の電極チップ4,5間の間隔を余り広げることのできないX型溶接ガンであっても、この電極チップ4,5をチップ挿入口12cへスムーズに導くことができる。
【0042】
又、図3、図4に、本発明の第2実施の形態を示す。ここで、図3は切粉回収装置の斜視図、図4は図3の要部断面正面図である。
【0043】
上述した第1実施の形態では、溶接ガン1をドレッサ本体6aに対し、互いに対向する電極チップ4,5をドレッサ本体6aの前方から水平状態を維持した姿勢で進入させる場合について説明したが、本実施の形態では、互いに対向する電極チップ4,5を、水平状態を維持した姿勢で、ドレッサ本体6aの上方から下降させる場合の態様について説明する。
【0044】
切粉捕捉ケース12Bのチップ挿入面12a,12bは、ドレッサ本体6の上面(溶接ガン1の進入方向に対する前端位)から下方(溶接ガン1の進入方向に対する後端位方向)へ拡開する楔状に形成されており、この両チップ挿入面12a,12bの上端面12hがドレッサ本体6aの上面にねじ等の締結具を介して固定されている。
【0045】
更に、チップ挿入面12a,12bに開口されているチップ挿入口12cに、遮蔽部材14を構成する一対のブラシ14a,14bが前後方向に対向配設され、プレート15a,15bにて挟着固定されている。
【0046】
このような構成によれば、切粉捕捉ケース12Bに設けたチップ挿入面12a,12bを、一対のガンアーム2,3の進入方向(図3の矢印方向)に対し、前端位から後端位方向へ拡開する楔状に形成したので、各ガンアーム2,3の先端に装着されている電極チップ4,5間を必要以上に広げることなく、この電極チップ4,5をチップ挿入口12cへスムーズに導くことができる。それ以外の作用効果は第1実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0047】
又、図5、図6に本発明の第3実施の形態を示す。ここで図5は切粉回収装置の斜視図、図6は図5の要部断面平面図である。
【0048】
本実施の形態による切粉捕捉ケース12Cは、直方体状に形成されており、その底部に切粉排出口12jを開口し、又、背面にドレッサ本体6aを挿通する逃げ孔12eを穿設し、更にドレッサ本体6aの先端面を切粉捕捉ケース12Cの内面にボルト等を介して固設したものである。
【0049】
又、ドレッサ本体6aに設けたホルダ部6bに保持されている整形体7に設けたカッタ7a,7bが露呈されているテーブル面6c,6dに対設するチップ挿入面12a,12bには、カッタ7a,7bに対応して、チップ挿入口12cが突設されており、このチップ挿入口12cに、キャップ状に形成したゴム製等の弾性を有する遮蔽部材21が外装され、その外周がリング状クリップ22で抜け止めされている。
【0050】
このように、本実施の形態によれば、切粉捕捉ケース12Cの形状を直方体とし、底部と背面とに、切粉排出口12j及び逃げ孔12eを穿設すると共に、チップ挿入面12a,12bにチップ挿入口12cを突設しただけの単純な形状であるため、製造が容易で、しかもチップ挿入口12cにキャップ状に形成した遮蔽部材21を装着しただけの単純な構造であるため、上述した各実施の形態に比し、より軽量且つコンパクト化を実現することができる。
【0051】
又、図7、図8に本発明の第4実施の形態を示す。ここで、図7は切粉回収装置の分解斜視図、図8は図7の縦断面側面図である。本実施の形態による切粉回収装置は、ガンアーム2が比較的長尺であっても、場所を広く占有することなく、電極チップ4,5の先端を研磨或いは研削できるようにしたものである。
【0052】
すなわち、本実施の形態によるドレッサ本体6aは、図8に示すように、斜めに傾斜した姿勢で延出されている。一方、このドレッサ本体6aに設けられているホルダ部6bの周辺を覆う切粉捕捉ケース25は、縦長の筒状に形成されており、その上部が、ドレッサ本体6aの傾斜に沿って斜め後方へ指向されており、その上面がドレッサ本体6aの上側テーブル面6dとほぼ並行に対設されており、この上面に円形のチップ挿入口25aが突設されている。又、切粉捕捉ケース25の外側面にチップ挿入口25bが開口されている。
【0053】
ドレッサ本体6aは切粉捕捉ケース25の一側面に穿設されている逃げ孔12eから挿通され、その先端が、切粉捕捉ケース25の他側面にねじ止めされている。又、円形のチップ挿入口25bにキャップ状に形成されたゴム製などの弾力性を有する遮蔽部材21が装着され、図示しないリング状クリップで抜け止めされている。又、外側面に開口されているチップ挿入口25aに、遮蔽部材26を構成する一対のブラシ26a,26bが、左右方向に対向配設され、その基部がプレート27a,27bでチップ挿入口25aの外縁に挟着固定されている。
【0054】
更に、切粉捕捉ケース25の底面に切粉排出口25cが開口され、この切粉排出口25cの排出方向に切粉収集容器13が配設されている。
【0055】
このような構成では、第1のガンアーム2が比較的長尺であっても、第1のガンアーム2を、ドレッサ本体6aの下側テーブル面6cに対して斜め下方から臨ませることができるため場所を広く占有することなく、先端に装着されている電極チップ4,5を研磨或いは研削することができる。勿論、本実施の形態による切粉回収装置は、第1のガンアーム2の長さが短い場合にも適用できることは云うまでもない。
【0056】
又、図9、図10に本発明の第5実施の形態を示す。ここで、図9は切粉捕捉ケースの分解斜視図、図10は切粉捕捉ケースを態様別に示す上部断面平面図である。本実施の形態では、切粉捕捉ケース30に対し、ドレッサ本体6aを挿通する逃げ孔30eを後加工により穿設するようにしたものである。
【0057】
すなわち、切粉捕捉ケース30は縦長の円柱状に形成されており、溶接ガン1(図2参照)は、電極チップ4,5を保持する対向一対のガンアーム2,3を垂直状態を維持した姿勢で切粉捕捉ケース30に進入する。
【0058】
この切粉捕捉ケース30の一側面に、第1のガンアーム2の先端に保持されている電極チップ5を侵入させる縦長のチップ挿入口30aが開口され、上部に、第2のガンアーム3の先端に装着されている電極チップ5を侵入させる円形のチップ挿入口30bが突設され、更に、底部に切粉排出口30cが開口されている。
【0059】
図10に示すように、切粉捕捉ケース30の上部の内周面と外周面とは、同軸状の円形に形成されている。又、チップ挿入口30aは平坦に形成されており、遮蔽部材14を構成する一対のブラシ14a,14bが、左右方向に対向配設され、プレート15a,15bで挟着固定されている。更に、上部に形成されたチップ挿入口30bにキャップ状に形成されたゴム製等の弾力性を有する遮蔽部材21が装着され、リング状クリップ22で抜け止めされている。
【0060】
ドレッサ本体6aの先端面は、切粉捕捉ケース30の上部内周とほぼ同一の曲率で形成された凸面状の当接面31aを有する内部スペーサ31を介して、切粉捕捉ケース30の上部内周面に当接される。一方、その外周面には、この外周とほぼ同一の曲率で形成された凹面状の当接面32aを有する外部スペーサ32が当接されており、この両スペーサ31,32を介して、切粉捕捉ケース30がドレッサ本体6aの先端面に固設される。
【0061】
ところで、溶接ロボットとチップドレッサとの位置関係は、ステーション毎に相違しており、従って、ドレッサ本体6aに対する溶接ガン1の進入方向もステーション毎に相違する。
【0062】
本実施の形態では、製造組み立ての際には、切粉捕捉ケース30に対し逃げ孔30e及びねじ挿通孔30fを穿設せず、装着対象となる特定のドレッサ本体6aが決定したとき、このドレッサ本体6aと、このドレッサ本体6aに対する溶接ガン1の進入方向とを調べ、チップ挿入口30bが溶接ガン1の進入方向に対して最良の方向へ指向するように、逃げ孔30e及びねじ挿通孔30fを後加工する。
【0063】
すなわち、例えば、溶接ガン1が、図10(a)に示すように、ドレッサ本体6aの前方から進入する場合は、切粉捕捉ケース30の側面に開口されているチップ挿入口30aを、ドレッサ本体6aの前方へ指向させ、その背面上部に逃げ孔30eを穿設し、この逃げ孔30eの前方にねじ挿通孔30fを穿設する。
【0064】
そして、この逃げ孔30eからドレッサ本体6aの先端面を挿通し、この先端面を内部スペーサ31を介して、切粉捕捉ケース30の内周面に当接する。又、その外周面には外部スペーサ32を当接し、この両スペーサ31,32を介して、切粉捕捉ケース30をドレッサ本体6aの前端面にねじ止めする。
【0065】
又、溶接ガン1が、図10(b)に示すように、ドレッサ本体6aに対し側方から進入する場合は、チップ挿入口30aを溶接ガン1の進入方向へ指向させ、そのときのドレッサ本体6aが挿入される位置に逃げ孔30eを穿設すると共に、この逃げ孔30eの前方にねじ挿通孔30fを穿設する。そして、上述と同様の手順で、切粉捕捉ケース30をドレッサ本体6aの前端面に固設する。
【0066】
この場合、内部スペーサ31と外部スペーサ32との当接面31a,32aが、切粉捕捉ケース30の上部内周面、及び上部外周面とほぼ同一の曲率で形成されているため、この切粉捕捉ケース30をドレッサ本体6aの先部に対して、360°何れの方向へも取付けることが可能となる。又、簡単な構造であるため、極めて安価に製造することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、電極チップを整形する際に発生する切粉の回収率を高め、再利用率の向上を図ることができる。
【0068】
又、切粉捕捉ケースの構造が簡単で小型化が実現できるばかりでなく、優れた汎用性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態による切粉回収装置の斜視図
【図2】同、図1の要部断面平面図
【図3】本発明の第2実施の形態による切粉回収装置の斜視図
【図4】同、図3の要部断面正面図
【図5】本発明の第3実施の形態による切粉回収装置の斜視図
【図6】同、図5の要部断面平面図
【図7】本発明の第4実施の形態による切粉回収装置の分解斜視図
【図8】同、図7の縦断面側面図
【図9】本発明の第5実施の形態による切粉捕捉ケースの分解斜視図
【図10】同、切粉捕捉ケースを態様別に示す上部断面平面図
【符号の説明】
4,5 電極チップ
6 チップドレッサ
6a ドレッサ本体
7 整形体
12A,12B,25,30 切粉捕捉ケース
12g,30c 切粉排出口
31a 当接面
Claims (6)
- 対向一対の電極チップでドレッサ本体に保持されている整形体を狭圧し、該整形体と上記一対の電極チップとの相対摺動により該電極チップを整形するチップドレッサにおいて、
上記ドレッサ本体を上記整形体を略水平方向へ指向させた姿勢で支持し、
上記ドレッサ本体に上記整形体を覆う切粉捕捉ケースを装着固定し、
上記切粉捕捉ケースの上記一対の電極チップを挿入する位置にチップ挿入口をそれぞれ開口すると共に、上記切粉捕捉ケースの上記チップ挿入口を開口する面を、上記一対の電極チップの進入方向に対し前端位から後端位方向へ拡開する楔状に形成し、
上記各チップ挿入口に弾性変形により上記電極チップの挿入を許容する遮蔽部材を配設し、
上記切粉捕捉ケースの下部に切粉排出口を設けたことを特徴とするチップドレッサ用切粉回収装置。 - 上記一対の電極チップの進入方向が水平方向であり、上記切粉捕捉ケースの上記チップ挿入口を開口する両面が、上記電極チップの進入方向に対して前方から後方へ拡開する楔状に形成したことを特徴とする請求項1記載のチップドレッサ用切粉回収装置。
- 上記一対の電極チップの進入方向が上方であり、上記切粉捕捉ケースの上記チップ挿入口を開口する両面を、上部から下部方向へ拡開する楔状に形成したことを特徴とする請求項1記載のチップドレッサ用切粉回収装置。
- 上記切粉捕捉ケースの上記整形体に対する対向面を該整形体に近接させ、
上記対向面に上記チップ挿入口を開口し、
上記切粉捕捉ケースの後部に上記ドレッサ本体の挿入口を開口したことを特徴とする請求項1記載のチップドレッサ用切粉回収装置。 - 対向一対の電極チップでドレッサ本体に保持されている整形体を狭圧し、該整形体と上記一対の電極チップとの相対摺動により該電極チップを整形するチップドレッサにおいて、
上記ドレッサ本体を上記整形体を斜め上下方向へ指向させた姿勢で支持し、
上記ドレッサ本体に上記整形体を覆う切粉捕捉ケースを装着固定し、
上記切粉捕捉ケースの上部を上記ドレッサ本体の傾斜方向に沿って屈曲させ、上記切粉捕捉ケース上面の上記整形体に対向する面と上記切粉捕捉ケースの外側面とに上記電極チップを挿入するチップ挿入口を各々開口し、
上記各チップ挿入口に弾性変形により上記電極チップの挿入を許容する遮蔽部材を配設し、
上記切粉捕捉ケースの下部に切粉排出口を設けたことを特徴とするチップドレッサ用切粉回収装置。 - 対向一対の電極チップでドレッサ本体に保持されている整形体を狭圧し、該整形体と上記一対の電極チップとの相対摺動により該電極チップを整形するチップドレッサにおいて、
上記ドレッサ本体に上記整形体を覆う切粉捕捉ケースを装着固定し、
上記切粉捕捉ケースの少なくとも上部内周を円筒状に形成し、
上記切粉捕捉ケースの上部内周に側方から挿通する上記ドレッサ本体の先端面に、該切粉捕捉ケースの上部内周と略同一の曲率を有する当接面を設け、
上記切粉捕捉ケースの上記一対の電極チップを挿入する位置にチップ挿入口をそれぞれ開口し、
上記各チップ挿入口に弾性変形により上記電極チップの挿入を許容する遮蔽部材を配設し、
上記切粉捕捉ケースの下部に切粉排出口を設けたことを特徴とするチップドレッサ用切粉回収装置。
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