JP4656700B2 - 内視鏡外科手術システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は内視鏡下で外科的処置を行なう、内視鏡外科手術システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、開腹、開胸等を行なう外科手術に比べて患者への侵襲が小さいいわゆる内視鏡外科手術が盛んに行なわれている。特に腹腔鏡下外科手術は広く行なわれている。
【0003】
この内視鏡下外科手術は、内視鏡により得られる観察視野をTVモニターに映し出し、この画面を見ながら処置具を操作して患部の摘出等が行われる。この際、内視鏡は専用の内視鏡支持装置にまた処置具は手で保持するか専用の支持装置より固定支持されており、内視鏡の視野の移動は、内視鏡支持装置を移動操作し内視鏡全体の移動により行なわれている。この内視鏡支持装置の移動を電動で行なうものとして以下のものが開示されている。
【0004】
特開平10−118015号公報には、処置具に内視鏡の視野変更操作を支持する操作スイッチを接続した内視鏡下外科手術システムが開示されている。
【0005】
UPS5815640には、フットスイッチにより内視鏡を移動させる装置が開示されている。また、内視鏡本体を移動せずに視野のみを移動するものとして特開平10−118006号公報には、CCD(固体撮像素子)を光軸方向と直交する方向に移動するCCD移動機構を内蔵した装置が開示されている。
【0006】
内視鏡下で外科手術を行う際には、始めに処置の妨げにならず手術部位が見やすい角度、位置に内視鏡を内視鏡支持装置にて固定する。次に内視鏡から得られた手術部位のモニター像を観察しながら処置具を操作して患部の摘出などが行われる。このとき処置具を持ったままで観察視野から外れそうになった手術部位のモニター像をフットスイッチや処置具に取り付いたハンドスイッチで移動、変倍する必要がある。
【0007】
また患部の摘出などは、広範囲、患部周辺の臓器などの裏側などブラインド部にわたることが多く、このとき内視鏡を大きく動かし、観察角度や位置を変更する必要があり、体腔内で自在に内視鏡を動かせることが望まれている。
【0008】
この際、内視鏡を術者が手で動かして得られる抵抗力や触感の情報が大きな役目を果たす。つまり、術者は長年の経験で目では見えない内部の臓器などの情報が頭にインプットされており、内視鏡を伝達して得られる感覚の情報をもとに内部の重要な臓器などに障害を与えないように細心の注意を払いながら手術を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平10−118015号公報の処置具の操作スイッチは、処置具を患部の処置に応じ自在に移動した場合にスイッチの操作方向と視野移動方向が一致しない。また、操作時に処置具を持つ手の握り替えまたは指の移動など煩わしく、処置具の握り部の大型化、重量増を招き操作性を損ねるばかりでなく、術者の利き手、手の大きさなど個人差により、すべての医師が満足できる操作性は得られない。
【0010】
また、USP5815640のフットスイッチの使用においては、手術中には、エネルギー処置具等の多数のフットスイッチが床におかれており、フットスイッチを増やすことは邪魔になるばかりでなく、誤って違うスイッチを操作しないように注意が必要であり、素早い操作が行なえない。また、足で操作を行なうため、手での入力に比べ微妙な視野の調整が必要である。
【0011】
さらに、USP5815640記載の視野移動時は、内視鏡本体を電動で移動するものであるが、内視鏡を伝わって得られる触感や圧力などの体腔内臓器などの情報を得られないため、作業をより慎重に行なわなければならず素早い操作が行なえない。また、腹壁の挿入点を中心とした傾斜と内視鏡の伸縮の組み合わせによる視野移動では、患部を様々な角度から観察できることができない。
【0012】
また、特開平10−118006号公報の視野移動装置は、内視鏡本体は移動しないため迅速な視野移動が可能であるが、画像を取り込める範囲が狭く、大きな視野移動ができない。また、この視野移動は平面的な視野移動であり、患部を様々な角度から観察できることができない。これらにより、術者の疲労の増大および手術時間の延長を招いていた。
【0013】
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、術者の個人差の影響を受けず容易かつ迅速に内視鏡の視野を移動、変倍できる操作性の良い内視鏡手術システムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明は、体腔内に挿入され体腔内を撮像する内視鏡と、この内視鏡の観察像を表示する表示装置と、前記内視鏡の観察視野の移動及び変倍などを行なう視野変更手段と、前記体腔内に挿入して患部の摘出などを行なう処置具と、前記処置具を保持する処置具保持装置とを備えた内視鏡外科手術システムにおいて、
前記処置具保持装置に設けられ、前記処置具保持装置に保持した状態の前記処置具に加えられた力の向きを検出するための検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記処置具に加えられた力に応じて前記視野変更手段を駆動する制御手段と、
を具備したことを特徴とする。
【0016】
請求項1の構成によれば、表示装置に映し出された内視鏡の観察視野を移動させたい方向に処置具保持装置に保持された処置具を動かすことにより、入力手段は処置具の処置具保持装置に対する押圧方向を検出し、内視鏡の視野変更手段を駆動することにより、観察視野を所望の位置、倍率に変更できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の各実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1〜図3は第1の実施形態を示し、図1は内視鏡外科手術システムの概略構成図、図2は検出手段の斜視図、図3は同じく縦断側面図である。
【0020】
図1は患者の腹壁1の内側の体腔2には気腹針(図示せず)が刺入され、この気腹針により、体腔2内に炭酸ガスが送り込まれて膨張(気腹)されている状態を示す。3は体腔2の内側臓器などの生体組織の表面にできた患部で、本実施形態の内視鏡外科手術システムでこの患部3の摘出などの処置が行なわれるようになっている。
【0021】
さらに、腹壁1には第1のトラカール4及び第2のトラカール5がそれぞれ異なる場所から差し込まれている。そして第1のトラカール4の孔内には摘出などの処置を行なう処置具6が処置具保持装置8に固定保持されて挿入され、第2のトラカール5の孔内には腹腔鏡である内視鏡7が視野変更手段である3次元マニピュレータ9を使用した内視鏡保持装置14によって固定保持されて挿入されている。なお、この3次元マニピュレータ9には回転制御される複数の関節からなる保持アーム部9aが設けられている。
【0022】
また、処置具6の処置具保持装置8の連結部には処置具6に加えられた力の方向を検出するための検出手段11が設けられている。内視鏡7にはズーム機能付きのTVカメラ12が取付けられており、図示しないコントローラによりモニター(表示装置)13に体腔内の情報が映し出されている。制御手段15は、処置具6が処置具6のシャフト部10の軸線に対し垂直方向に動かされた際に、検出手段11により得られる処置具6に加えられた力の方向と同一の方向に内視鏡7の観察方向が移動するように保持アーム部9aを駆動させるべく3次元マニュピレータ9を制御する。さらに、検出手段11は、図示しないフットスイッチやハンドスイッチにより制御手段15への信号をON、OFF状態に切換え可能になっている。
【0023】
図2及び図3は処置具6に設けられた検出手段11の詳細を示した図である。
検出手段11は、処置具6のシャフト部10と一体で移動するスイッチ入力部18がバネ18a、18b、18c、18dにより処置具保持装置8に接続固定されるリング状の保持部16のほぼ中心位置に空間的に保持されるように構成されている。
【0024】
また、保持部16にはスイッチ入力部18とほぼ均等な空間を有しほぼ等分な円周方向に第1のスイッチ17a、第2スイッチ17b、第3スイッチ17c、第4スイッチ17dが配設されている。図3は、図2に示された軸線A−Aの断面図を示したものである。スイッチ入力部18にはフランジ部19が設けられ、このフランジ部19を挟んで保持部16の内壁には処置具6のシャフト10の軸方向に視野を拡大、縮小するためのスイッチ17e、17fが配設されている。
【0025】
次に本実施形態の作用について説明する。、
まず、術者が内視鏡7による観察下で処置具6を体腔2に挿入し、処置を行なうときにその処置部の映像は内視鏡7とTVカメラ12とによって検出される。
さらにこの映像はモニター13に映し出される。
【0026】
観察像を移動させたい場合、図示しないフットスイッチやハンドスイッチで検出手段11をON状態にし、処置具6のシャフト10に直交する平面内で移動することによりバネ18a、18b、18c、18dの均衡が崩れ処置具6のシャフト部10と一体で動くスイッチ入力部18がスイッチ17a、17b、17c、17dのいずれか1つまたは2つをON状態にする。
【0027】
ここで、ON状態の信号はスイッチからのケーブル及び制御手段15を経て内視鏡保持装置14の3次元マニピュレータ9に入力される。この3次元マニピュレータ9により保持アーム部9aの複数の関節が回転制御され内視鏡7が移動し観察視野を移動する。このとき、制御手段15により、術者から見たモニター13に映し出された観察視野移動方向と処置具6に力を加える向きとは一致する。
【0028】
同様に、処置具6のシャフト14を前後方向に移動することにより、フランジ部18によってスイッチ17e、17fが入力され視野を拡大または縮小することができる。
【0029】
例えば、モニター13に映し出された視察像に対して、右方向入力スイッチ17a、左方向入力スイッチ17b、上方向スイッチ17c、下方向入力スイッチ17dと視野移動方向を術前に決定し、また観察像の拡大入力スイッチ17e、縮小入力スイッチ17fに決定し、制御手段15を設定しておく。
【0030】
術者は、処置開始前に配置した内視鏡7のモニター13に映し出された観察像を確認しながら患部3の処置を処置具6にて行なう。このとき、患部3が広範囲にわたったり、別の観察位置を確認する場合にはモニター13に映し出された観察像を移動する必要がある。
【0031】
ここで、検出手段11をON状態に設定し、例えば観察像を右方向に移動しようとしたとき処置具6を右方向に移動することによりシャフト10と一体で移動するスイッチ入力部18が移動し、スイッチ17aを押し付け、制御手段15に信号を入力し、制御手段15からマニピュレータ9に入力され、内視鏡保持装置14の保持アーム部9aの複数の関節が回転制御されて右方向に内視鏡7が移動する。
【0032】
次に視野を拡大したい場合、処置具6をシャフト10の軸に沿って術者側に引っ張ることによりスイッチ入力部16が移動してスイッチ17eをON状態にして制御手段15に信号が入力され、TVカメラ12の図示しないコントローラに入力され視野を拡大する。これらの視野移動及び視野変倍操作は、処置具6のシャフト14と垂直に交わる平面内に移動する視野移動と処置具6のシャフト14の軸方向に移動させる視野変倍を同時に行なう場合もある。
【0033】
本実施形態によれば、次の効果がある。
【0034】
a.処置具を持ったまま且つ握り換えることなく、術者の個人差の影響を受けず容易かつ迅速に微少な範囲の視野移動及び変倍(拡大縮小)操作をおこなえる。
【0035】
b.処置具を移動させる方向と観察像の方向が一致しており、術者が混乱せず迅速な視野移動が可能である。
【0036】
c.処置具に視野変更手段を駆動する入力手段を有しているため、処置具の握り部を小型にでき操作性が良く、一般的な処置具保持装置に取り付けることにより視野変更が可能である。
【0037】
図4〜図6は第2の実施形態を示す内視鏡外科手術システムであり、第1の実施形態と同一の構成及び作用については同一の番号を付記し説明は省略する。
【0038】
図4は、内視鏡外科手術システムの概略を示した図である。腹壁1には第1のトラカール4及び第2のトラカール5がそれぞれ異なる場所から差し込まれている。そして第1のトラカール4の孔内には摘出などの処置を行なう処置具26が処置具保持装置20に固定保持されて挿入され、第2のトラカール5の孔内には腹腔鏡である内視鏡21がバネ33を介して回動自在に内視鏡支持装置22により空間的に保持されている。なお、内視鏡21は、対物レンズ28、撮像素子27及び変倍レンズ29を有している。
【0039】
撮像素子27には、図示しないモーターなどの駆動素子を用いて視野移動できる公知の撮像素子27駆動機構が具備されており、変倍レンズ29には、図示しないモーターなどの駆動素子によるズーム機構が具備されている。また、内視鏡21は体腔2の中で視野移動及び観察角度変更を任意に行われるよう第1の関節30及び第2の関節31を有し、撮像部32が移動可能に構成されている。
【0040】
さらに内視鏡21は、内視鏡21の体腔2での動きを体腔外に伝達する運動機構23を経て運動体24と等価な動きをするようになっている。また、処置具保持装置20の処置具26のシャフト部25との連結部には制御手段15を介して撮像素子27駆動機構を駆動するための検出手段53が設けられている。
【0041】
図5は処置具保持装置20に設けられた検出手段53の詳細を示した図である。検出手段53は、処置具26のシャフト部25を固定し処置具26を空間的に保持する。検出手段53には、ベースリング53aと、このベースリング53aの中央部位に配設された小径な中心円盤53bと、この中心円盤53bとベースリング53aとの間に架設された4つの薄板部61a,61b,61c,61dとが設けられている。
【0042】
また、中心円板53bにシャフト部25が固定されている。さらに、各薄板部61a,61b,61c,61dと中心円盤53bとの間の連結部には歪みゲージ62a,62b,62c,62dがそれぞれ貼られている。
【0043】
そして、処置具26のシャフト部25に力を加えることにより、薄板部61a,61b,61c,61dが弾性変形し、この変形に応じて出力される各歪みゲージ62a,62b,62c,62dからの出力信号を測定することによって、処置具26に加わった力を検知するようになっている。すなわち、処置具26のシャフト部25に図5の矢印Z1,Z2、X1,X2、Y1(紙面の手前側),Y2(紙面の向こう側)の各方向の力を加えたときに、それぞれの力に応じた信号が出力されるようになっている。
【0044】
例えば、処置具26に図5中の矢印Z1に示すように左方向に引っ張る力が加わると4枚の歪みゲージ62a,62b,62c,62dからは伸びの信号が出力される。さらに、処置具26に図5中の矢印Z2に示すように右方向に押し込む力が加わると4枚の歪みゲージ62a,62b,62c,62dからは縮みの信号が出力される。また、処置具26上向きの力が加わると歪みゲージ62bからは縮みの信号が出力され、歪みゲージ62dからは伸びの信号が出力される。
【0045】
また、検出手段53は制御手段15に接続されている。そして、4枚の歪みゲージ62a,62b,62c,62dからの出力信号は、制御手段15に送られ、ここでその信号を解析することによって、処置具26にどちらの方向にどれだけの大きさの操作力が加わったかを検出するようになっている。
【0046】
従って、処置具26に図中X1,X2、Y1,Y2の力を加えた場合、検出手段53からの信号は、制御手段15を経て公知の撮像素子27駆動機構を所望の方向に移動するようになっている。また、処置具26に図中Z1,Z2の力を加えた場合、制御手段15を通った信号は、図示しない公知のズーム機構により変倍レンズ29を所望の方向に移動するようになっている。つまり、処置具26に力を加えるとモニター13に映し出された画像が、処置具26に加えた力の方向に対応し移動及び拡大、縮小などの視野変更を行なえるようになっている。また、検出手段53のON状態及びOFF状態への切換えは図示しないフットスイッチやハンドスイッチでおこなえるようになっている。
【0047】
図6に従い内視鏡21及び内視鏡支持装置22及び運動機構23及び運動体24の詳細を説明する。
【0048】
内視鏡21の第1の関節30及び第2の関節31は、撮像部32と一体で変位する第1リンク34と第1リンク34と常に平行で変位する第2リンク35と、第3リンク36と第3リンク36と平行移動する第4リンク37と、軸38a〜38dで構成される平行リンクから構成されている。
【0049】
すなわち第1の関節30は軸38c、第2の関節31は軸38dからなり、軸38dは回転体39に固定されている。運動機構23は、内視鏡支持装置22との接続部の嵌合孔22aにバネ33を介して挿入される嵌合軸部39aを有した回転体39と、回転体39に内蔵され軸38aに回動自在に連結されている第5リンク40と、回転体39に内蔵され第4リンク37の撮像部32とは逆側に設けられた軸42に回動自在に連結された第6リンク41とから構成されている。
【0050】
そして、第5リンク40と第6リンク41は図6の紙面手前及び奥方向で位置がずれているため干渉しないようになっている。運動体24は、撮像部32と全く同一形状からなる操作部49と一体で変位する第1リンク34と全く同一の形状の第7リンク43と、第7リンク43と常に平行で変位する第2リンク35と全く同一形状の第8リンク44と、第3リンク36と全く同一形状の第9リンク45と第9リンク45と平行移動する第4リンク37と全く同一形状の第10リンクと、軸38a〜38dに相対する軸47a〜47dとで平行リンクが構成されている。
【0051】
ここで、軸47dは回転体39に固定され、前記平行リンクの運動を規制している。また、軸47aには第5リンク40が回動自在に連結されており軸38aの移動軌跡と全く等価な変位を示すようになっている。更に、第10リンク46には軸48が固定されており軸48に回動自在に第6リンク41が回動自在に連結されており、軸48は軸42と全く等価な変位で移動することになる。従って、内視鏡21の平行リンクと運動体24の平行リンクは同一形状であり、常に同一傾斜角度を有しており、撮像部32の図中A1方向の傾斜は操作部49の図中A2方向の傾斜と全く同一の移動軌跡を示す。
【0052】
バネ33は、内視鏡部21と運動機構23と運動体24の重量の和を重力方向に保持し、図中B方向の変位に追従し中立を保ち空間的に保持できるようバネ定数などが設定されている。
【0053】
さらに、内視鏡支持装置22の嵌合孔22aに挿入された回転体39aの嵌合軸部39aが図中C方向に回転可能になっている。
【0054】
従って、図中平行リンクとB、Cの方向の変位を組合せることにより、任意の視野移動が可能である。また、操作部49と体腔2内の撮像部32が全く等価な動きをするようになっている。
【0055】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0056】
はじめに術者は図4に示されたように処置具26及び内視鏡21をそれぞれトラカール4及び5を介して体腔2内に挿入し、患部3にアプローチし易い位置に内視鏡21及び処置具26をそれぞれ複数の関節を有し自在に移動固定の可能な内視鏡支持装置22及び処置具保持装置20にて設置する。
【0057】
ここで内視鏡21にて得られた患部3の映像をモニター13にて観察しながら処置具26にて摘出などの処置を行なう。このとき術者は、処置が進むにつれてモニター13の中心から外れていく微少な視野変更や視野の拡大縮小と、別の患部の観察や観察角度を変更するなど大きく内視鏡26を動かす視野変更の2つの使い方が存在する。
【0058】
処置を行いながら微少な視野移動や視野拡大縮小を行なう場合、フットスイッチやハンドスイッチにより検出手段53をON状態にし、処置具26を視野変更したい方向に力を加えることにより、処置具保持装置20の処置具26連結部近傍に配設された検出手段53から発せられたスイッチ信号が、制御手段15を介して内視鏡21の撮像部32に配設された図示しない撮像素子27駆動機構に入力される。
【0059】
撮像素子27駆動機構によって撮像素子27を移動することにより微少な視野移動を行なう。また同様に変倍レンズ29を駆動することにより視野の拡大及び縮小を行なう。
【0060】
例えば、現在観察している観察視野の中心を右側に微少な範囲移動する場合を以下に記す。
【0061】
図5中に示されたX1,X2、Y1,Y2,Z1,Z2はそれぞれ視野変更の右側移動、左側移動、上測移動、下測移動、ズームUP、ズームDOWNに対応するよう制御手段15の設定されている。処置具26をX1方向に力を加えると、処置具26のシャフト部25と一体で移動する中心円板53bに同様の力が加わる。
【0062】
従って、処置具保持装置20により空間的に固定保持されている検出手段53のベースリング53aに対して薄板部61a、61dが弾性変形し、歪みゲージ62aは縮みの信号が出力され、歪みゲージ62dからは伸びの信号が出力され、図示しない検出手段53からの信号は制御手段15を介して撮像素子27駆動機構にて撮像素子27を所望の方向に移動することにより、TVモニター上の観察範囲を右側に移動する。
【0063】
次に大きく視野を移動させたり観察角度を変更するなど処置を中断し、内視鏡21を移動させる場合について説明する。
【0064】
例えば、図6に示すように内視鏡21の撮像部32を用いて患部3のO1点を視野中心に観察している場合、O2点が患部3の陰になって観察できない。このような場合、術者は内視鏡21の撮像部32を図中2点鎖線の32b位置に持っていく必要がある。このとき術者は操作部49を移動して図中49aの位置に移動するように、C方向の単位として180度回転し、B方向の変異としてB1方向に移動し、A2の角度を合わせる。これらの操作は、モニター13上の映像を確認しながら行なう。
【0065】
つまり図6の紙面上で表現すると、回転軸Pに対してC方向の回転変位にて患部3の見たい方向を決定し、次に患部3の深度方向の位置及び角度をB方向及びA2方向の変位の組み合わせで観察位置を合わせる。操作部49のA2方向の変位は、運動体24の平行リンクと全く同一形状の内視鏡21の平行リンクを繋ぐ第5リンク40と第6リンク41とにより内視鏡21のA1の変位と全く同一となる。また、B方向の変位は移動後もバネ33にて手を放しても移動しない。
【0066】
本実施形態によれば、次の効果がある。
【0067】
a.体腔内の内視鏡と全く同じ大きさ移動をする運動体が体腔外にあり、体腔内での内視鏡の向きや角度などが明確に認識できるため、様々な観察方向からの素早い観察が可能である。
【0068】
b.患者から離れたところで内視鏡の視野変更操作ができるので、作業空間が確保でき操作性が良い。
【0069】
c.実際に手で移動させることにより、体腔内部の臓器などに触れている圧力を感じながら移動できる。
【0070】
図7及び図8は第3の実施形態を示す内視鏡外科手術システムであり、第1及び第2の実施形態と同一の構成及び作用については同一の番号を付記し説明は省略する。
【0071】
図7は、内視鏡外科手術システムの概略を示した図である。処置具26を保持する処置具保持装置71の関節部71a及び72bには各々図示しない公知の電磁ロックが内蔵されており、図示しないフットスイッチやハンドスイッチによりクラッチ解除可能になっている。ここで処置具保持装置71の処置具位置固定状態またはフリー状態を検知し検出手段53をON、OFFする図示しない制御手段が備えられている。
【0072】
また、第1の関節30及び第2の関節31を有した内視鏡21は内視鏡支持装置22にて体腔内に空間的に保持されている。内視鏡支持装置22には自在に曲げが可能な自在アーム73を有した指標72が具備されている。
【0073】
また、体腔2内の内視鏡21の動きを体腔外に伝達するために運動機構76を経て第1の関節74a及び第2の関節74bを有した運動体74が具備されている。ここで、内視鏡21の第1のアーム21a及び第2のアーム21bの長さをそれぞれN1、N2とすると、運動体74の第1のアーム74c及び第2のアーム74dの長さS1、S2はそれぞれN1,N2の2倍の長さになっている。
【0074】
更に、運動機構76には体腔2内での内視鏡21の移動可能範囲を制限する可動範囲規制手段78が具備されている。
【0075】
図8は、運動体74及び運動機構76及び可動範囲規制手段78の詳細を示した図である。
【0076】
内視鏡21の第1の関節30及び第2の関節31は、撮像部32と一体で変位する第1リンク34と第1リンク34と常に平行で変位する第2リンク35と、第3リンク36と第3リンク36と平行移動する第4リンク37と、軸38a〜38dとで平行リンクが構成されている。ここで、軸38dは回転体39に固定されている。
【0077】
運動機構76は、内視鏡保持装置22との接続部の嵌合孔22aにバネ33を介して挿入される嵌合軸部39aを有した回転体39と、回転体39に内蔵され軸38aに回転自在に連結されている第5リンク78と、回転体39に内蔵され第4リンク37の撮像部32とは逆側に設けられた軸42に回動自在に連結された第6リンク79とから構成されている。ここで第5リンク78と第6リンク79は図6の紙面手前及び奥方向で位置がずれているため干渉しないようになっている。
【0078】
運動体74は、撮像部32の全長32aの2倍の長さからなる操作部80と、第1リンク34の軸38cから撮像部32までの長さ32aの2倍の長さの81aを有した第7リンク81と、第2リンク35と全く同一形状の第8リンク82と、第3リンク36の軸38aと38bとの間隔の長さ36aの2倍の長さの83aを有した第9リンク83と、第4リンク37の軸38cと軸38dの間隔37aの2倍の長さの84aを有した第10リンク84と、軸38a〜38dに相対する軸85a〜85dとで平行リンクが構成されている。ここで、軸85dは回転体39に固定されている。また、軸85aには第5リンク78が回動自在に連結されており軸38aの移動軌跡と全く等価な軌跡を示すようになっている。
【0079】
更に、第10リンク84には軸86が固定され軸86に回動自在に第6リンク79が回転自在に連結されており、軸86は軸42と全く等価な変位で移動する。従って、撮像部32のA1の移動軌跡は操作部49の図中A2の移動軌跡と傾斜角度は同一の縮小系で示される。
【0080】
次に可動範囲規制手段78の構成について説明する。
【0081】
可動範囲規制手段78は、体腔2内の内視鏡21の動きを体腔外に伝達する運動機構23に内蔵された第5リンク78及び第6リンク79から運動体83と同様な構成で他の場所に導き出されている運動体88と前記運動体の移動を規制するストッパー89a〜89cで構成されている。
【0082】
運動体88の構成については第2の実施形態及び運動体74と同一の構成であるため説明は省略する。ストッパー89a〜89cはそれぞれに取り付いたツマミ91a〜91cにより枠90に対してねじ込むことにより位置を移動できるようになっている。ストッパー89a〜89cは、紙面上前後方向にも設けられている。
【0083】
次に本実施形態の作用について説明する。
【0084】
本システムで内視鏡下外科手術を行なう場合、手術を行なう前に患部3の場所を見失わないように体腔外の内視鏡保持装置22に取り付けられた指標72を自在に移動可能なアーム73にて内視鏡21に対する患部3の位置と同等になるように運動体74に対しセッティングする。
【0085】
次に内視鏡21の移動範囲を制限する目的で可動範囲規制手段78のツマミ91a〜91cをねじ込み、緩めることによりストッパー89a〜89cを位置を移動させる。このとき運動体88はストッパー91a〜91cにより移動範囲が制限される。同様に内視鏡21の体腔2内の移動範囲も制限される。ここでストッパー89a〜89cの位置は、術前に得られた情報をもとに臓器や重要組織に内視鏡21が触れない位置に設定することにより、手術中に内視鏡21が不用意に臓器や重要組織に触れないようにする。
【0086】
次に、内視鏡21の画像をモニター13で観察しながら処置を行なう場合、微少な視野の場合には処置具26に移動させたい方向の力を加えることにより行なうが、患部3が広範囲にわたる場合、処置具26を移動させる必要がある。このような場合、処置具保持装置71の関節部71a及び72bの電磁ロックを解除し、所望の位置に処置具26を移動させる。このとき、検出手段53に接続されている制御手段77により処置具保持装置71の関節部71a及び72bの電磁ロック解除時には検出手段53の信号はOFF状態になる。同様に電磁ロック固定時には検出手段53の信号はONになる。
【0087】
また、本実施形態においては、構成で述べたように運動体74の操作部80は、移動範囲が内視鏡21の拡大された移動をする。
【0088】
本実施形態によれば、第2の実施形態の効果に加え、次の効果がある。
【0089】
a.処置具保持装置による処置具の移動時には、視野移動の入力がOFFになるため、フットスイッチやハンドスイッチで都度ON、OFF設定する必要がなく、術者の疲労を軽減し手術時間の短縮になる。
【0090】
b.内視鏡の視野が狭く患部を見失った場合でも、体腔外の指標があるため短時間で手術部位を探し出せるため、手術時間短縮になる。
【0091】
c.体腔内の内視鏡の可動範囲を規制することが容易に行なえるため、手術中の迅速な内視鏡の移動が可能となり、術者の疲労を軽減し手術時間の短縮になる。
【0092】
c.内視鏡の観察部位を移動する場合、内視鏡の移動量が操作部に対して縮小されているため、より細かい視野移動が簡単に行なえ、術者の疲労を軽減し手術時間の短縮になる。
【0093】
図9及び図10は第4の実施形態を示し、図9は内視鏡外科手術システムにおける内視鏡92と内視鏡支持装置93と体腔内の内視鏡の動きを体腔外へ伝達する運動機構と運動体94を示した概略図である。
【0094】
内視鏡92は第1プーリー95と一体で回転軸96を有しており、継ぎ手97には回転軸96が嵌合する孔及び第2プーリー98と一体の第1ギア99の軸100が嵌合する孔を有している。第2プーリー98は第1ギア99の軸100に対し同軸上に配置している。更に継ぎ手97には、第1ギア99と噛み合い回転自在な第2ギア101の軸102が嵌合する孔を有しており、運動機構103と着脱可能なネジ124がねじ込まれる雌ネジ97aが設けられている。
【0095】
運動機構103には、第3プーリー104と一体で第2ギア101と噛み合い回動自在な第3ギア105の軸106が嵌合する孔、及び運動体94と一体の第4プーリー108の軸109が回動自在に嵌合する孔を有している。ここで、第1プーリー95と第2プーリー98には第1のタイミングベルトが掛け渡されており、第3プーリー104と第4プーリー108には第2のタイミングベルト110が遊び車107a〜107fを介して掛けられている。
【0096】
ここで、第1プーリー95と第2プーリー98と第3プーリー104と第4プーリー108は同一の歯数を有しており、また第1ギア99と第3ギア105は同一モジュール、同一ピッチ円直径を有しており、第2ギア101は第1ギア99と第3ギア105と同一のモジュールを有している。また、運動機構部103には、継ぎ手97に取り付けたときに位置が決定されるように各々嵌合孔103bと嵌合軸97bが設けられている。ここで、操作部94の全長94aは、内視鏡92の全長92aの1/2になっている。
【0097】
図10は、図9のX−X線に沿う断面の拡大図であり、軸109に設けられたピン111と運動機構103に設けられた電磁ブレーキ112のアーマチュア113に設けられたピン114が、関節部の回転ストッパーとなっている。
【0098】
次に本実施形態の作用について説明する。
【0099】
初めに、術者は手術を行なう前に継ぎ手97と一体になっている内視鏡92をばね33を介して内視鏡支持装置93に取り付け患者の体腔内に挿入する。次に継ぎ手97の嵌合軸97bに運動機構103の嵌合孔103bを挿入し、ネジ124で固定する。このとき、第3のギア105と第2のギア101が噛み合う。
【0100】
次に、電磁クラッチ112の電源をON状態にし、術前に得られた情報をもとに体腔内での内視鏡92の可動範囲の境界部まで運動体94を移動させ、電磁クラッチ112の電源をOFFにする。軸109に固定されたピン111はアーマーチュア113に固定されたピン114を介して電磁クラッチ112から自在に回転可能になっている。
【0101】
アーマーチュア113を回転し、電源OFFに伴いアーマーチュア113及び114の位置を固定する。本操作は、術前や術中に体腔2内の臓器の抵抗を操作部94で感じながら慎重におこなっても良い。従って、運動体94の移動範囲は、ピン111とピン114の接触により制限される。
【0102】
手術場面において、第2及び第3の実施形態と同様に体腔内の内視鏡を操作するために術者は運動体94を所望の位置に移動する。このとき運動体94と一体の第4のプーリー108が軸109を中心に回転運動をし、タイミングベルト110が第4のプーリー108の回転を第3のプーリー104に伝達する。遊び車107a〜107fはタイミングベルト110の張力を調整しバックラッシのないようにかつ運動機構103内の方向を自在に変更し、タイミングベルト110の回転を手助けしている。
【0103】
第3のプーリー104は第3のギア105と一体で軸106を回転中心に回転し、第2のギア101が軸102を回転中心に回転する。また、第2のギア101の回転は、第1のギア99に伝達され第2のプーリー98が軸100を中心に回転する。第2のプーリー98の回転はタイミングベルト115を経て第1のプーリー95を回転し、内視鏡92を移動させる。従って、運動体94の移動は、体腔内の内視鏡92の移動と常に等しい角度で移動する。
【0104】
ここで、運動体94の軸109からの全長94aは、内視鏡92の軸96からの全長92aの1/2になっているため、運動体94の移動量A2は、内視鏡92の移動量A1の縮小系になる。
【0105】
本実施形態によれば、次の効果がある。
【0106】
a.運動機構部と体腔内に挿入する内視鏡とが別体で構成されているため、内視鏡を体腔内に挿入するときの操作が行い易く短時間で作業できる。
【0107】
b.術者が内視鏡を操作する運動体が体腔内の内視鏡の縮小系になっているため、小型にでき術者の作業空間が広がる。
【0108】
c.可動範囲規制手段に電磁クラッチなどを用いており、ワンタッチで体腔内の内視鏡の移動範囲を制限できるため、術前のセッティングが容易で短時間で行なえる。
【0109】
前記各実施形態によれば、次のような構成が得られる。
【0110】
(付記1)体腔内に挿入され体腔内を撮像する内視鏡と、この内視鏡の観察像を表示する表示装置と、前記内視鏡の観察視野の移動及び変倍などの視野変更手段と、体腔内に挿入し患部の摘出などを行なう処置具と、前記処置具を保持する処置具保持装置とを備えた内視鏡外科手術システムにおいて、前記処置具に加えられた力を検出するための検出手段を備え、前記検出手段の検出結果に基づき前記視野変更手段が駆動することを特徴とする内視鏡外科手術システム。
【0111】
(付記2)体腔内に挿入され体腔内を撮像する内視鏡と、前記内視鏡を支持する内視鏡支持装置とを備えた内視鏡外科手術システムにおいて、前記内視鏡の体腔内の動きを体腔外に伝達する運動機構と、前記運動機構により前記内視鏡と相似な動きをする運動体とを具備したことを特徴とする内視鏡外科手術システム。
【0112】
(付記3)前記検出手段が前記処置具に加えられた力の方向を検出し、前記検出手段の検出結果に基づき前記内視鏡の視野変更手段の駆動を制御するための制御手段を備えたことを特徴とする付記1記載の内視鏡外科手術システム。
【0113】
(付記4)前記制御手段は、前記処置具に加えられた力の加圧方向と略同一方向に前記内視鏡の視野状態を変更するべく前記視野状態変更手段を制御することを特徴とする付記1記載の内視鏡外科手術システム。
【0114】
(付記5)前記検出手段は、前記処置具の前記処置具保持装置に対する相対位置を検出する変位検出手段であることを特徴とする付記1記載の内視鏡外科手術システム。
【0115】
(付記6)前記検出手段は、前記処置具の前記処置具保持装置に対する力を検出する力量検出手段であることを特徴とする付記1記載の内視鏡外科手術システム。
【0116】
(付記7)前記検出手段は、前記処置具と前記処置具保持装置との結合部近傍に設けられたことを特徴とする付記1,3,5.6のいずれか一つに記載の内視鏡外科手術システム。
【0117】
(付記8)前記処置具の前記処置具保持装置に対する相対位置を検出する変位検出手段は、前記処置具保持装置に接続固定される保持部と、前記処置具と一体で移動するスイッチ入力部と、前記スイッチ入力部を前記保持部に対して空間的に中立位置に保つ弾性部材と、ON、OFFを検知するスイッチからなることを特徴とする付記5記載の内視鏡外科手術システム。
【0118】
(付記9)前記処置具の前記処置具保持装置に対する力を検出する力量検出手段は、歪みゲージであることを特徴とする付記6記載の内視鏡外科手術システム。
【0119】
(付記10)前記検出手段は、制御手段により入力をONまたはOFF状態に選択可能にしたことを特徴とする付記1,3,5.6.7のいずれか一つに記載の内視鏡外科手術システム。
【0120】
(付記11)前記体腔内の内視鏡は、体腔内に少なくとも1つ以上の関節を有したことを特徴とする付記2の記載の内視鏡外科手術システム。
【0121】
(付記12)前記運動機構は、平行リンクの組み合わせからなることを特徴とする付記2記載の内視鏡外科手術システム。
【0122】
(付記13)前記運動機構は、タイミングベルトからなることを特徴とする付記2記載の内視鏡外科手術システム。
【0123】
(付記14)前記運動機構は、体腔内の内視鏡の動きを縮小または拡大して前記運動体の動きに伝達することを特徴とする付記2記載の内視鏡外科手術システム。
【0124】
(付記15)前記内視鏡に対する患部の位置に対して、前記運動体に対し等価になる位置に指標を備えたことを特徴とする付記2記載の内視鏡外科手術システム。
【0125】
(付記16)前記内視鏡の移動可能範囲を制限する可動範囲規制手段を前記運動機構あるいは前記運動体に具備したことを特徴とする付記2記載の内視鏡外科手術システム。
【0126】
(付記17)前記可動範囲規制手段は、可動範囲を任意に変更できるストッパーを有することを特徴とする付記16記載の内視鏡外科手術システム。
【0127】
(付記18)前記運動機構及び前記運動体及び前記可動範囲規制手段は、前記内視鏡に対して着脱可能にしたことを特徴とする付記2.16または17記載の内視鏡外科手術システム。
【0128】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、処置具を持ったまま且つ握り換えることなく、術者の個人差の影響を受けず容易かつ迅速に視野変更(視野移動、変倍)を行なえるため、術者の疲労を軽減するとともに内視鏡の観察視野移動に必要な時間を大幅に短縮し手術の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す内視鏡外科手術システムの概略的構成図。
【図2】同実施形態の検出手段の斜視図。
【図3】同実施形態を示し、図2のA−A線に沿う断面図。
【図4】この発明の第2の実施形態を示す内視鏡外科手術システムの概略的構成図。
【図5】同実施形態の検出手段の斜視図。
【図6】同実施形態の内視鏡支持装置及び運動機構の縦断側面図。
【図7】この発明の第3の実施形態を示す内視鏡外科手術システムの概略的構成図。
【図8】同実施形態の運動機構及び可動範囲規制手段の縦断側面図。
【図9】この発明の第4の実施形態を示す内視鏡支持装置と運動機構の縦断側面図。
【図10】同実施形態を示し図9のX−X線に沿う拡大した断面図。
【符号の説明】
6…処置具
7…内視鏡
8…処置具保持装置
9…3次元マニピュレータ(視野変更手段)
11…検出手段
13…モニター(表示装置)
15…制御手段
23…運動機構
24…運動体
Claims (1)
- 体腔内に挿入され体腔内を撮像する内視鏡と、この内視鏡の観察像を表示する表示装置と、前記内視鏡の観察視野の移動及び変倍などを行なう視野変更手段と、前記体腔内に挿入して患部の摘出などを行なう処置具と、前記処置具を保持する処置具保持装置とを備えた内視鏡外科手術システムにおいて、
前記処置具保持装置に設けられ、前記処置具保持装置に保持した状態の前記処置具に加えられた力の向きを検出するための検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記処置具に加えられた力に応じて前記視野変更手段を駆動する制御手段と、
を具備したことを特徴とする内視鏡外科手術システム。
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