JP4655892B2 - 記録再生装置、記録方法 - Google Patents
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Description
この記録条件の決定要素としては、再生信号のゼロクロス点もしくは2値化後のタイミングエッジ誤差を統計した平均値と分散値が一般的であったが、最尤復号を用いた信号再生系にとって十分に余裕度を上げることが出来ないという事情があった。
また、上記特許文献2には最尤復号における差メトリックを用いて算出した評価値を 記録条件にフィードバックして利用する技術が提案されている。ところがこの特許文献2に記載の技術は、差メトリックによる評価値が、その誤差が時間軸と一致した評価値ではなく、記録マークのエッジ誤差と捉えられないため、マークエッジの適正化のための記録条件の調整という観点からは不都合があった。
例えば最小ランレングスを制限した最尤復号処理で得られる記録系列のうち、ユークリッド距離が最小であるパスの存在するパス、つまり1ビットシフトエラーの可能性があるパスについての差メトリックから評価値を生成する際に、差メトリックの理想値との誤差をあらわす差メトリック誤差値を、マークエッジの時間軸上のエッジシフト方向に応じて演算方式を選択して算出する。そして、得られた差メトリック誤差値を、合流点の状態毎(更には前後のマーク/スペース長に応じて)に分類して統計することで評価値を得る。
これは、ある状態から分岐した1組のパスが次の最も早い機会に合流する合流点の差メトリックを選んで統計処理する際に、理想値からの誤差をエッジシフト量として捉えたときの符号を時間軸上であわせるように算出した値(差メトリック誤差値)を、合流点の状態により分類して統計処理するものといえる。
また記録媒体上のマークエッジを評価する手法として、再生信号のゼロクロス点もしくは2値化後のタイミングエッジ誤差を統計して評価する手法からの置き換えが容易であり、従来からの記録条件最適化手法を用いて、最尤復号系にとって誤り率の低い再生信号品質を得ることが容易に可能となる。
まず、ユークリッド距離が最小であるパスの記録系列に相当する再生信号系列パスの尤度の差を求める処理について説明する。なお、ここでは、パーシャルレスポンス方式での記録/再生を行ない、ビタビ復号等の最尤復号を行なうPRML(Partial-Response Maximum-Likelihood)方式において、パーシャルレスポンス特性を図1に示すように、(B/2,A,B/2)に選び、かつ、RLL(1,7)符号等のランレングスリミテッド(Run Length Limited)符号を用い、最小ランレングスを1に制限した場合を例に説明する。
各状態は、次の記録ビットの値によって次の状態に遷移する。このときの状態遷移を示すトレリス線図を図3に示す。図3中の○印が各時刻における状態を、矢印が記録ビットによる状態遷移を示す。矢印で示す状態遷移をブランチと呼び、ブランチの識別子としてa,b,c,d,e,fの各文字をあてる。
各ブランチと、記録ビット系列bk、前後の状態Sk-1,Sk、期待値yk、ブランチメトリック(zk−yk)2の関係を図4に示す。
図3,図4では、最小ランレングスを1に制限した場合の禁止パターン{…0,1,0…},{…1,0,1…}に相当するブランチが除かれている。
状態S1,S3では、ブランチc,fが選択なしに残る。この結果、途切れることなく残ったひと続きのパスに相当する記録系列を、実際に記録された系列として検出するものである。
この選択条件を図5に示す。
図5において、メトリックm0k-1は、k−1サンプルにおける状態S0に残ったパスのブランチメトリックの累積値である。kサンプルにおいては、ブランチa,bからのメトリックの小さい方を選択し、その値をm0kとして、次のk+1サンプルでの選択に用いる。状態S2についても同様の処理を行なう。状態S1,S3については、最小ランレングスの制限により、図3に示すように状態S0,S2のメトリックを選択なしに引き継ぐ。
前述の選択では生き残りパスのメトリックを最小になるように処理するので、mxkは最小値である。したがって、記録系列ベクトルに最も距離の近いパスが生き残ることになる。これは上記(数2)より、実際の再生系列zkが真の記録系列に相当する真の期待値列ykに一致すれば0、一致しないものが1つでもあれば非零の正の値をとることによりあきらかである。
m3k-1+bmbk−(m0k-1+bmak)<0
の場合である。逆に記録系列の状態がS3であるならば、
m0k-1+bmak−(m3k-1+bmbk)≦0
の時に誤りが発生する。この差を差メトリックΔmkとし、各遷移に対しエラーが発生する場合に負の値をとるようにするため、図6のように設定する。
この分布は再生信号振幅のばらつきを反映したものであり、多くの記録媒体においては、ノイズ等が原因になることから、平均値を中心とした正規分布を示し、平均値がμ、標準偏差がσである場合、確率密度分布関数は、次の(数3)で表わされる。
”1”側を記録マークレベルとすると、この図8(a)は前方マークエッジ、図8(b)は後方マークエッジを示している。
図9に示すパスの内で、例えばkサンプル目の記録状態が状態S2で、1サンプル前が状態S1、2サンプル前が状態S0、3サンプル前が状態S0である場合、状態S0で図3のブランチaを選択するものとして、図6にしたがって差メトリックΔmを演算し、その平均値μ_Δmと標準偏差σ_Δmを求めていけばよく、これが誤り率最小化のための1つの指標となる。
そこで本例では、上記PathA、PathB、PathC、PathDという特定の記録系列の差メトリック、つまりこの場合は、最小ランレングスを制限した最尤復号処理におけるユークリッド距離が最小であるパスの存在する記録系列についての差メトリックに対して、マークの時間軸上のエッジシフト方向に応じて演算方式を選択し、差メトリックの理想値からの誤差を時間軸上のエッジシフト方向とともに表現する差メトリック誤差値を算出する。そして差メトリック誤差値を、合流点の状態毎に分類して統計することで、評価値を生成するようにするものである。
情報を記録する記録媒体としての光ディスク1は、記録/再生時にはスピンドルモータ2によって回転される。
光学ヘッド3(光ピックアップ)は、レーザダイオードから出力したレーザ光を、所定の光学系により対物レンズから光ディスク1に照射する。また光ディスク1からの反射光を、所定の光学系を介してフォトディテクタに導き、反射光量に応じた電気信号を得る。また複数のフォトディテクタで検出された各光量信号に対して演算処理をおこない、記録された情報の再生信号sA(再生RF信号)や、トラッキング、フォーカスなどの各種サーボエラー信号を生成する。
記録時には、光ディスク1に記録しようとする記録データが、記録データエンコーダ13で、例えばRLL(1,7)変調等のエンコード処理が施され、そのエンコード信号sGが記録信号発生器12に供給される。記録信号発生器12では、エンコード信号sGに応じたレーザ駆動信号としての記録信号sJを生成する。
なお、レーザ駆動信号としてのパルスレベルやパルス幅は、後述するようにスイッチ10を介して供給される記録条件(sI又はsK)に応じて設定される。つまり記録信号発生器12は、レーザを発光させる強度を設定する機能と、発光時間を設定する機能を備えており、レーザ駆動信号としての記録信号sJを調整することで、光ディスク1に対する記録条件を調整することが可能である。
サンプリング信号sCは、最尤復号器5に供給され、パーシャルレスポンス等化処理やビタビ復号が行われる。最尤復号器5での復号処理で得られた推定記録系列sDは、記録状態検出器6に供給され、記録状態検出器6で記録状態系列sFが生成される。
また最尤復号器5での復号過程において差メトリックsEが算出される。
記録条件設定に関する処理のため、CPU11はスイッチ10の切換制御や、初回記録条件sIの供給を行う。初回記録条件sIとは、記録条件調整が行われる前のデフォルトの記録条件として記録信号発生器12に設定する記録条件である。
また最適な記録条件設定のために、CPU11には評価値演算器8からの第1の評価値sHと、標準偏差演算器9からの第2の評価値sLが供給される。CPU11は、第2の評価値sLにより、その時点での記録条件が適正であるか否かの判断を行う。またCPU11は第1の評価値sHに基づいて記録条件を適正化するための補正量を決定し、修正記録条件sKを発生させる。
記録条件調整前の時点では、CPU11はスイッチ10でta端子を選択させた状態で初回記録条件sIを出力し、記録信号発生器12に供給する。この場合記録信号発生器12からの記録信号sJは、初回記録条件sIに応じたものとなる。
またCPU11は、修正記録条件sKを発生させる際には、スイッチ10にtb端子を選択させる。これにより記録信号発生器12に修正記録条件sKを設定する。この場合記録信号発生器12からの記録信号sJは、修正記録条件sKに応じたものとなる。
上述したように、最小ランレングスを制限した最尤復号におけるユークリッド距離が最小であるパスの存在する記録系列に相当する再生信号系列パスの尤度の差を求め、その尤度の差をある状態から分岐した1組のパスが次の最も早い機会に合流する合流点の差メトリックを統計処理し、標準偏差σ_Δmと平均値μ_Δmを求め、標準偏差を平均値で除算した評価指標σ_Δm/μ_Δmを用いることで、再生時の誤り率が評価可能であることが分かっている。よって再生信号のσ_Δm/μ_Δmが最小となる記録条件を求めれば、再生時の誤り率が低い再生信号が得られるが、その為には、再生信号の理想値からの誤差量とその方向を検出する必要がある。
・σ_Δm/μ_Δmの評価対象パスは、図8(a)(b)に示す2組の4つのパス(PathA、PathB、PathC、PathD)である。上述のように”1”側を記録マークレベルとすれば、図8(a)は前方マークエッジ、図8(b)は後方マークエッジの場合に相当する。よって、合流点の状態によって分類し、差メトリックの統計処理結果を集計することで、マークエッジにより分類することが出来る。
・また、評価対象パスの差メトリックΔmの理想値からの誤差で、マークエッジのシフト量を評価することが可能であるが、組となっているパスの差メトリックの極性は、時間軸上で見たマークエッジシフト方向は逆となるパスが存在するため、評価対象パスの差メトリックを合流点の状態により集計するだけでは、マークエッジのシフト方向までは判断が出来ない。
例えば、前方マークエッジが時間上で進む方向にシフトすると、PathAの場合、差メトリックは+となるが、PathBの差メトリックは−となる。
また、後方マークエッジが時間上で進む方向にシフトすると、PathCの場合、差メトリックは+となるが、PathDの差メトリックは−となる。
再生信号としては、組となるパスの差メトリックのバランスが取れていることが重要である。
差メトリック誤差値DM_MEPは、次のように算出される。
・PathA又はPathCの場合、
DM_MEP=Δm−DMopt
・PathB又はPathDの場合、
DM_MEP=DMopt−Δm
但し、DMoptは差メトリックの理想値である。
つまり、パスの合流点が状態S2となるPathA、PathBの差メトリック誤差値DM_MEPについては、前方マークエッジの差メトリック誤差値「DM_MEPFRONT」とし、またパスの合流点が状態S0となるPathC、Pathdの差メトリック誤差値DM_MEPについては、後方マークエッジの差メトリック誤差値「DM_MEPREAR」としたすると、
ΣDM_MEPFRONT=ΣDM_MEP(PathA)+ΣDM_MEP(PathB)
ΣDM_MEPREAR=ΣDM_MEP(PathC)+ΣDM_MEP(PathD)
として集計する。これらの集計結果の平均値をとった値からマークエッジのシフト量を評価することができる。
即ち、評価値演算器8は、エッジの前後のマーク長、スペース長に応じて分類し統計したDM_MEP積算結果と積算数、もしくは、DM_MEPの平均値を出力する機能を持った演算器としてもよい。
差メトリック選択器21は、最小ランレングスを制限した最尤復号処理で得られる記録系列のうち、ユークリッド距離が最小であるパスの存在する記録系列についての差メトリックを選択する。つまり、最尤復号器5から遅延器7を介して差メトリックsEが供給されてくるが、記録状態検出器6からの記録状態系列sFによって、対象パスである、PathA、PathB、PathC、PathDについての差メトリックであるか否かを判断し、これらを選択してDM_MEP演算器22に供給する。
つまり、差メトリック選択器21で選択された差メトリックsEについて、記録状態系列sFから、PathA、PathB、PathC、PathDのいずれの差メトリックsEであるかを判断する。そしてPathA又はPathCの場合は、DM_MEP=Δm−DMopt の演算により差メトリック誤差値DM_MEPを算出し、またPathB又はPathDの場合は、DM_MEP=DMopt−Δmの演算により差メトリック誤差値DM_MEPを算出する。
算出された差メトリック誤差値DM_MEPは、DM_MEP統計器24に供給される。
例えばマーク/スペース長として、2T、3T、4T、5T以上を判断する(Tはチャネルクロック長)。従って前方マークエッジの場合は、エッジ直前のスペース長が2T、3T、4T、5T以上のいずれであるか、及びエッジ直後のマーク長が2T、3T、4T、5T以上のいずれであるかを判断し、それをエッジ情報として出力する。また、後方マークエッジの場合は、エッジ直前のマーク長が2T、3T、4T、5T以上のいずれであるか、及びエッジ直後のスペース長が2T、3T、4T、5T以上のいずれであるかを判断し、それをエッジ情報として出力する。
なお、マークエッジ判別器23は、DM_MEP統計器24でマーク/スペース長に応じた分類を行う場合に必要となるものであり、DM_MEP統計器24でマーク/スペース長に応じた分類を行なわない構成の場合は、マークエッジ判別器23は設けられなくて良い。
即ち、供給される差メトリック誤差値DM_MEPについて、前方マークエッジ、後方マークエッジの分類を行って統計する。即ちPathA、PathBとしての前方マークエッジにかかる差メトリック誤差値DM_MEPについては、
ΣDM_MEPFRONT=ΣDM_MEP(PathA)+ΣDM_MEP(PathB)
として集計処理を行う。
またPathC、PathDとしての前方マークエッジにかかる差メトリック誤差値DM_MEPについては、
ΣDM_MEPREAR=ΣDM_MEP(PathC)+ΣDM_MEP(PathD)
として集計処理を行う。
そしてこれらの集計結果の平均値を評価値sHとする。また、さらに、マークエッジ前後のマーク/スペース長に応じて分類して集計する場合もある。
図12(a)は、合流点の状態により分類する場合の例である。即ち、前方マークエッジの差メトリック誤差値DM_MEPであるDM_MEPFRONTの統計(ΣDM_MEPFRONT)をとり、その平均値を評価値sH1とする。
また後方マークエッジの差メトリック誤差値DM_MEPの統計(ΣDM_MEPREAR)をとり、その平均値を評価値sH2とする。
この評価値sH1、sH2を、評価値sHとしてCPU11に供給する。
マークエッジ判別器23により、マーク/スペース長は、例えば2T、3T、4T、5T以上に判別されるとすると、マーク長とスペース長としてこれらの長さの組み合わせ毎に分類される。
前方マークエッジの差メトリック誤差値DM_MEPであるDM_MEPFRONTについては、そのエッジ前のスペース長とエッジ後のマーク長により、15とおりに分類する。
例えば、エッジ前が2Tスペース、エッジ後が3Tマークの場合のDM_MEPFRONTを集計してその平均値を評価値sH1−1とする。
また、エッジ前が2Tスペース、エッジ後が4Tマークの場合のDM_MEPFRONTを集計してその平均値を評価値sH1−2とする。
さらに図示するように、エッジ前のスペース長、エッジ後のマーク長でDM_MEPFRONTを分類して集計し、それぞれの平均値を評価値sH1−3・・・sH1−15とする。
例えば、エッジ前が2Tマーク、エッジ後が3Tスペースの場合のDM_MEPREARを集計してその平均値を評価値sH2−1とする。
また、エッジ前が2Tマーク、エッジ後が4Tスペースの場合のDM_MEPREARを集計してその平均値を評価値sH2−2とする。
さらに、図示は省略しているが、エッジ前のマーク長、エッジ後のスペース長でDM_MEPREARを分類して集計し、それぞれの平均値を評価値sH2−3・・・sH2−15とする。
なお、2T、3T、4T、5T以上として4種類のマーク長/スペース長の組み合わせとしては16とおりがあるが、マーク、スペースが2T−2Tとなる組み合わせを除いて、15とおりとなる。詳述は避けるが、2T−2Tの連続パターンの状態遷移では、分岐したパスが最も早い機会に合流するという条件を満たさないためである。
この評価値sHはCPU11に供給される。評価値sHは、再生信号の理想値からの誤差量とその方向をあらわす評価値となっているため、CPU11は評価値sHを用いて誤差を解消するように、記録条件を補正する。
ステップF101として、CPU11は初回記録条件sIをスイッチ10を介して記録信号発生器12に与え、実行する記録条件として設定させる。
その状態でステップF102で、光ディスク1に情報を記録させる。この場合、記録データとして、例えば記録条件調整用のテストパターンを発生させ、これを記録信号発生器12に記録データsGとして与える。記録信号発生器12は、テストパターンとしての記録データsGに応じてレーザ駆動信号を生成する。このときのレーザ駆動信号としてのパルスレベルやパルス幅は、初回記録条件sIに応じたものとされる。
テストパターンの記録後は、その記録したテストパターンを再生して、ステップF103以降の処理を行う。
テストパターンの再生時には、図10の再生クロック生成/サンプリング回路4、最尤復号器5、記録状態検出器6、遅延器7、評価値演算器8、標準偏差演算器9が上述の動作を行う。CPU11は、ステップF103では、テストパターンを再生したときに標準偏差演算器9で得られる評価値sL(=σ_Δm/μ_Δm)を取得する。
σ_Δm/μ_Δmは、記録条件が適切か否かの判断指標となるため、ステップF104で、σ_Δm/μ_Δmの値から記録状態の適否を判断する。即ち評価値sLとして取得したσ_Δm/μ_Δmの値が規定の範囲内であれば、現在の記録条件は適切であるとして処理を終了する。もちろん初回記録条件sIでの記録再生によって記録条件が適切と判断される場合もあるが、そのときがそのまま初回記録条件sIを最適記録条件として処理を終了する。
そしてCPU11は、ステップF106で、評価値sHから再生信号の理想値からの誤差量とその方向を判断し、誤差を解消する方向に記録条件の補正量を決定する。ステップF107では、決定した補正量を反映させた修正記録条件sKを出力し、記録信号発生器12に設定させる。
このように記録信号発生器12の記録条件を変更したら、ステップF102に戻って光ディスク1への記録動作を実行させる。そしてステップF103,F104でσ_Δm/μ_Δmの値により記録条件は適切であるか否かを判断し、適切であれば処理を終える。
図14は、記録再生装置の構成の変形例であり、上記図10の構成に加えて記録条件算出器14を設けた例である。
評価値演算器8で得られた評価値sHは、記録条件算出器14に供給され、記録条件算出器14は、評価値sHに応じて修正記録条件sKを生成する。
この場合、CPU11は初回記録条件sIの設定、スイッチ10の制御、及び評価値sLによる記録条件の適否判別を行うことになる。つまり、修正記録条件sKの生成をCPU11ではなく記録条件算出器14で実行するようにした例である。
記録条件調整の全体の処理としては上記図13と同様になる。但し、ステップF105,F106の処理は記録条件算出器14で実行し、ステップF107では、CPU11がスイッチ10をtb端子に接続することで、記録条件算出器14から発生された修正記録条件sKが記録信号発生器12に供給されるようにする。
標準偏差演算器25は、差メトリック選択器21で選択された差メトリックsE、つまり上記PathA、PathB、PathC、PathDの2組4つのパスの合流点の差メトリックについて、平均値と標準偏差を演算し、標準偏差を平均値で除算してσ_Δm/μ_Δmを得、これを評価値sLとして出力する。
CPU11の機能及び処理は上記図10の構成の場合と同様であり、記録条件調整処理は上記図13と同様になる。
この場合、CPU11には、評価値演算器8からの評価値sHが供給されるが、CPU11は、評価値sHを用いて記録条件が適切か否かの判断と、適切でない場合の修正記録条件sKの生成を行う。
CPU11の記録条件調整処理は図18のようになる。
図18のステップF201、F202は上記図13のステップF101,F102と同様であり、初回記録条件sIを記録信号発生器12に設定した状態でテストパターンの記録を行う。ステップF203以降では、記録したテストパターンを再生させるが、このときCPU11は、評価値演算器8で得られる評価値sHを取得し、ステップF204で、この評価値sH、つまり差メトリック誤差値DM_MEPを分類して集計して得た評価値が、規定の範囲内にあるか否かにより、その時点の記録条件が適切であるか否かを判断する。
上述したように差メトリック誤差値DM_MEPを分類して集計して得た評価値sHは、誤差量を示すものであり、またその誤差が0となるように記録条件を修正していくものであるため、この評価値sHによっても、記録条件の適否を判断できる。
この構成例によれば、標準偏差演算器を無くすことで構成を簡易化できるという利点が得られる。
評価値演算器8からの評価値sHは、記録条件算出器14とCPU11に供給される。
CPU11は初回記録条件sIの設定、スイッチ10の制御、及び評価値sHによる記録条件の適否判別を行う。修正記録条件sKの生成はCPU11ではなく記録条件算出器14で実行する。
この場合、記録条件調整処理の全体としては上記図18と同様となる。但し、ステップF205の処理は記録条件算出器14で実行し、ステップF206では、CPU11がスイッチ10をtb端子に接続することで、記録条件算出器14から発生された修正記録条件sKが記録信号発生器12に供給されるようにする。
評価値演算器8(8A)は対象パスをエッジの前後のマーク長、スペース長に応じて分類し統計するようにしてもよいと説明したが、対象パスの前後の状態検出をさらに拡張して、前々、後々のマーク長、スペース長に応じて分類してもよい。
また上記各例はPR(1,2,1)を前提に記載をしているが、例えばPR(1,2,2,1)など、他のパーシャルレスポンス等化方式においても本発明が適用可能である。
また評価値sHを生成する評価値演算器8は、記録再生装置内に組み込まれるものとしても良いが、記録再生装置の外部機器として構成してもよい。
また光ディスク以外の記録媒体に対するシステムでの記録再生装置、評価値演算装置、記録方法、評価値演算方法としても本発明は適用できる。
Claims (2)
- 記録媒体に対して、マーク及びスペースで表現される情報を書き込み、又読み出す書込/読出手段と、
上記書込/読出手段により上記記録媒体から読み出される信号について最尤復号処理を行う最尤復号手段と、
上記最尤復号手段における最尤復号処理で得られる記録系列のうち最尤復号処理におけるユークリッド距離が最小であるパスの存在する記録系列である特定の記録系列についての、上記最尤復号処理過程で得られる差メトリックを抽出する差メトリック選択手段と、
上記差メトリック選択手段で選択された差メトリックについて、上記マークの時間軸上のエッジシフト方向に応じて演算方式を選択し、差メトリックの理想値からの誤差を時間軸上のエッジシフト方向とともに表現する差メトリック誤差値を算出する差メトリック誤差値演算手段と、
上記記録系列について、上記マークのエッジ前後のマーク/スペース長を判別するマークエッジ判別手段と、
上記差メトリック誤差値演算手段で算出された差メトリック誤差値を、合流点の状態毎に分類し、該合流点の状態毎の分類に、さらに、エッジ前後のマーク/スペース長の分類も加えて統計処理を行うことで、第1の評価値を生成する統計処理手段と、
上記統計処理手段で得られる上記第1の評価値を用いて記録条件を算出する記録条件算出手段と、
上記記録条件算出手段で算出された記録条件で、上記書込/読出手段における書込動作のための記録信号を発生する記録信号発生手段と、
を備え、
上記最尤復号手段における最尤復号処理で得られる記録系列のうち上記特定の記録系列についての差メトリックの標準偏差を算出し、算出した標準偏差を用いて第2の評価値を生成する標準偏差演算手段と、
上記第2の評価値から、上記記録信号発生手段に設定されている記録条件の適否を判定するとともに、上記統計処理手段で得られた上記第1の評価値から、記録条件を適正化するための補正量を決定する適否判定手段とを、更に備えた
記録再生装置。 - 記録媒体上でマーク及びスペースで表現された情報を再生した際に、最尤復号処理で得られる記録系列のうち最尤復号処理におけるユークリッド距離が最小であるパスの存在する記録系列である特定の記録系列についての、上記最尤復号処理過程で得られる差メトリックを抽出する差メトリック選択ステップと、
上記差メトリック選択ステップで選択された差メトリックについて、上記マークの時間軸上のエッジシフト方向に応じて演算方式を選択し、差メトリックの理想値からの誤差を時間軸上のエッジシフト方向とともに表現する差メトリック誤差値を算出する差メトリック誤差値演算ステップと、
上記記録系列について、上記マークのエッジ前後のマーク/スペース長を判別するマークエッジ判別ステップと、
上記差メトリック誤差値演算ステップで算出された差メトリック誤差値を、合流点の状態毎に分類し、該合流点の状態毎の分類に、さらに、エッジ前後のマーク/スペース長の分類も加えて統計処理を行うことで、第1の評価値を生成する統計処理ステップと、
上記統計処理ステップで得られる上記第1の評価値を用いて記録条件を算出する記録条件算出ステップと、
上記記録条件算出ステップで算出された記録条件で、上記記録媒体への記録が行われるように設定する記録条件設定ステップと、
を備え、
上記最尤復号処理で得られる記録系列のうち上記特定の記録系列についての差メトリックの標準偏差を算出し、算出した標準偏差を用いて第2の評価値を生成する標準偏差演算ステップと、
上記第2の評価値から、上記設定されている記録条件の適否を判定するとともに、上記統計処理ステップで得られた上記第1の評価値から、記録条件を適正化するための補正量を決定する適否判定ステップとを、
更に備えた記録方法。
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