JP2005196964A - 情報記録再生装置及びその信号評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】PRML識別方式を用いて識別信号を得る情報記録再生装置において、正パターンとその理想信号、これに対応する誤パターンとその理想信号、正パターンと誤パターンとのユークリッド距離のテーブル204と、識別信号が上記テーブルの何れかのパターンと一致した場合、正パターンの理想信号と再生信号のユークリッド距離と、誤パターンの理想信号と再生信号のユークリッド距離との差を算出する手段202と、差の分布の平均、標準偏差を用いて識別信号を評価する手段202とを具備する。これにより、少ない計算量で高精度な評価をすることができる。
【選択図】図1
Description
図15にSAMER計算の概略を示す。光ディスク11に記録されている情報は光ヘッド装置(PUH)12により光学的に読取られ、電気信号に変換されて出力される。この信号は、増幅器13で増幅されてアナログデジタル(AD)変換器14で2値化され、等化器15に入力され、波形等化される。等化器15の出力は、ビタビ復号器16、SAM(Sequenced AmplitudeMargin)計算器17に入力される。ビタビ復号器16の出力が識別データとなり外部に出力される。SAM計算器17の出力SAM値は外部に出力されるととともに、SAMER(SAM Error Rate)計算器18にも入力される。
S2 = [5.8 6.0 5.8 4.7 2.7 1.1 0.2 0.1 0.2]
この2つの再生信号S1、S2に対して、全パターンの理想信号のユークリッド距離を計算する。ユークリッド距離を比較した結果、S1、S2のユークリッド距離が最小の理想信号が[6 6 6 5 3 1 0 0 0](これは[1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 0 0]の上記FIRフィルタの出力)、次に小さい理想信号が[6 6 5 3 1 0 0 0 0](同様に[1 1 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0]の出力)になったとするとユークリッド距離はそれぞれ
S1については、
Emin 2= (6−5.9)2 + (6−6.1)2 + (6−5.9)2 + … + (0−0.1)2 = 0.08
Enext2 = (6−5.9)2 + (6−6.1)2 + (5−5.9)2 + … + (0−0.1)2 = 8.88
S2については、 Emin 2 = (6−5.8)2 + (6−6.0)2 + (6−5.8)2 + … + (0−0.2)2 = 0.36
Enext 2 = (6−5.8)2 + (6−6.0)2 + (5−5.8)2 + …+ (0−0.2)2 = 7.76
となり、S1はEnext 2−Emin 2 = 8.8、S2はEnext 2−Emin 2 =7.4となる。この結果S1の方が大きいためこちらのほうが誤りにくいと言える。このようにSAM計算器17は等化器15から再生信号が入力されるたびに、上記の手順で計算を行い、Enext 2−Emin 2の計算結果を累積し、その分布をとることで信号の評価を行なう。
Technical Digest ISOM’01(International Symposium On Optical Memory 2001), P272, "A Method for Evaluating PRML System Reliability Using Sequenced Amplitude Margin", Tetsuya Okumura et al.
正パターンと、これに対応する誤パターンとの表5に示すテーブルと、
前記差の分布の平均、標準偏差を用いて再生信号を評価する手段と、
を具備する情報記録再生装置。
正パターンと、これに対応する誤パターンと、前記正パターンと誤パターンとのハミング距離の表6に示すテーブルと、
前記差の分布の平均、標準偏差を用いて再生信号を評価する手段と、
を具備する情報記録再生装置。
正パターンと、これに対応する誤パターンと、前記正パターンと誤パターンとのハミング距離の表7に示すテーブルを参照し、
前記差の分布の平均、標準偏差を用いて再生信号を評価する信号評価方法。
正パターンと、これに対応する誤パターンと、前記正パターンと誤パターンとのハミング距離の表8に示すテーブルを参照し、
前記差の分布の平均、標準偏差を用いて再生信号を評価する信号評価方法。
推定bER = ΣCT・F(0)・HT,F (5)
ただし、CTは、パターンTの発生確率、HT,Fは、パターンTとパターンFのハミング距離を示す。
以上の原理に基づいた本発明の第1実施形態による情報記録再生装置の一実施形態を図1に示す。光ディスク11にマーク、スペースとして記録された情報は、光ヘッド装置(PUH)12を通して微弱なアナログ信号として読み出される。微弱なアナログ信号はプリ増幅器13で十分な大きさに増幅される。増幅されたアナログ再生信号は、アナログデジタル(AD)変換器14でデジタル再生信号に変換される。
図1の参照テーブル204(図2のステップB1で参照される)は変調符号及びPR特性に応じた誤りやすいパターンについて作成する。参照テーブル204はパターンAとその理想信号、パターンBとその理想信号、パターンAとパターンBのユークリッド距離E2 AB、パターン番号から構成され、パターンA、パターンBのビット長は各変調符号とPR特性に従い変わる。今、符号ビット1がn個のものをnTマーク、また符号ビット0がn個のものをnTスペースと呼ぶと、ビット長は各変調符号における最短のTと最長のTによって変わる。以下の実施形態では、一例として、変調符号にRLL(1,7)符号(RLL:Run−Length Limited)を用いるとすると、記録データ中に現われる系列は2T〜8Tのマークとスペースになる。参照テーブル204のビット長はこのTの範囲を考慮し決定する。パターンAとパターンBのペアを考えるとき、前後のnビットが同じパターン同士を考える。nの値は各PR特性の拘束長kによって変わり、n=k−1とする。PR[1221]は拘束長が4であることから、前後3ビットについて同じものから考える。例えば、[011111010]のビット列に対して[011101010]の様に前3ビット[011]、後ろ3ビット[010]が一致することである。上記条件におけるパターンAとパターンBの最小ユークリッド距離はPR特性、変調符号によって変わる。例えばPR[1221]、RLL(1,7)符号の場合、最小ユークリッド距離は10であり、12,14,16,…と続く。これらの内、参照テーブル204にはエラーの発生確率が高いものについて記載する。パターン数を増やすとより正確な値が得られるが、処理が多く反面もある。このパターン数は要求される仕様に応じて決定すればよい。本実施形態においてはPR[1221]、RLL(1,7)を用いており、この場合ユークリッド距離E2 ABが10,12,14のパターンを記載するのが適当であるので、このユークリッド距離を持つペアを参照テーブルに記載する。具体的には図3のようになる。この参照テーブル204は変調符号及びPR特性に応じて作成する。
図2のステップB2のD値の計算を図5を用いて説明する。評価値算出器200には等化器15から再生信号が、またビタビ復号器16からは復号した識別データが入力される。入力データはテーブル内における最長のビット長分メモリに蓄えられる。本実施形態では再生信号は8ビット、識別データは11ビットである。処理が進む度に、新たな再生信号と復号された識別データがメモリ領域に追加される。それに従い、メモリのデータは1ビットシフトして更新を行なう。このビット系列に対しテーブルを参照し、パターンA、もしくはパターンBと一致するパターン全てに関して判定を行なう。今、ビタビ復号器16より入力された識別データのビット系列が[11111111000]だとすると、テーブル内で該当するものはパターン番号2の1111000(パターンA)、6532(理想信号)、1110000(パターンB)、5310(理想信号)、10(E2 AB)のエッジシフトのパターンとなる。テーブル内に記載されるパターンは各ユークリッド距離E2 AB毎にビット長が異なるが、各パターンのビット長分がメモリ内のビット系列と一致したときには同様に検出を行なう。
各パターン毎に算出したD値は等化器15、ビタビ復号器16からの入力が終了した時点で、以下の3通りいずれかの方法に従い分布をとり、評価値、推定bERを算出する。
(1−2)において算出したD値はユークリッド距離毎に区別され、それぞれ分布をとり評価値、推定bERを算出する。ユークリッド距離毎に区別された分布はそれぞれ図6に示すような正規分布とほぼ一致する。これらの分布において式(1)よりエラーに相当する部分はD<0の範囲となる。よって、各分布をガウスの確率密度関数で近似し、その近似式をD<0範囲で積分することにより、式(3)に示すユークリッド距離の種類毎の誤識別発生確率F(0)と、μ/σを求める。いま、ユークリッド距離は(10,12,14)の3種類であるので、D値の分布は3つである。それぞれの分布より評価値算出のためにμ/σを、推定bERの算出ためにF(0)を求める。これらを用いて式(4)により評価値を、式(5)により推定bERを算出する。ユークリッド距離毎に区別する理由はハミング距離(符号間の距離)が違うためである。具体的にはユークリッド距離dが10の場合、例えば0000111が0001111に誤るパターンについてハミング距離は1となり、ユークリッド距離dが12の場合、例えば000011000が000110000に誤るパターンについてハミング距離は2となり、ユークリッド距離dが14の場合、例えば00001100111が00011001111が誤るパターンについてハミング距離は3となる。下記の算出方法にあるようにガウスの確率密度関数は非線型な関数であるため、ハミング距離にしたがってD値の分布を区別する必要がある。また式(4),(5)におけるCTはPR特性、変調符号に応じて決定する。これはPR特性、変調符号によって記録データ中の各パターンの発生確率が違うためである。こうして決定される係数CT,HT,Fは計算器によってその都度算出しても良いし、あらかじめメモリに用意しても良い。以上の(1−3−1)における推定bER算出方法の流れを図12のブロック図に示す。ビタビ復号器から入力された識別データに対し、まずパターン比較器203が識別データと参照テーブル204とを比較する。参照テーブル204内に識別データと一致するパターン(AもしくはB)がある場合、理想信号生成器301はそのパターンの理想信号を生成、もしくは理想信号取得器302は参照テーブル204内の理想信号を取得する。D値計算器303は遅延器201を介して等化器から入力された再生信号(等化信号)と理想信号からD値を計算する。算出したD値はD値選別器304によって、識別データと一致した参照テーブル内のパターンにおけるEAB 2毎(10or12or14)にD値メモリ305に格納する。各D値メモリ305内のサンプル数が十分となった場合、計算器308はそれぞれのμ/σと、式(3)に示すユークリッド距離の種類毎の誤識別発生確率F(0)とを求める。算出器309はこれらの合計を評価値あるいは推定bERを算出する。
(1−2)において算出したD値はエラーのタイプ毎に区別され、それぞれ分布をとり、評価値、推定bERを算出する。エラーのタイプ毎に区別された分布はそれぞれ図7にあるような正規分布とほぼ一致する。エラーのタイプについて説明する。ユークリッド距離dが10、または14の場合、図3にあるようにパターンAがパターンBに誤る場合は、マークのエッジが短くなるエラーであり、逆の場合は長くなるエラーとなる。信号にオフセットがのっている場合、D =E2 FS − E2 TS = E2 BS − E2 ASの分布と、D = E2 FS − E2 TS = E2 AS − E2 BSの分布は中心が異なる。この場合、分布の正規性が悪くなる。よってこの場合、E2 ABが10、14のD値は、図7に示すようにそれぞれD = E2 FS − E2 TS = E2 BS − E2 ASとD = E2 FS − E2 TS = E2 AS − E2 BSに区別し、分布は計4つとなる。また、E2 ABが12のパターンの場合、図3にあるように2Tのシフトエラーに関するものであるが、これらは図7に示すように2Tマークのものと2Tスペースのものに分類できる。具体的にはパターン番号11,12,15,16が2Tマークに関し、パターン番号9,10,13,14が2Tスペースに関する。再生信号に非対称などが存在すると、2Tマークと2TスペースのDの分布の中心が異なる。この場合分布の正規性が悪くなる。このためD値は、2Tマークのパターンと2Tスペースのパターンに区別され、分布は2つとなる。よって本実施形態においては、E2 ABは10,12,14の3種類であるので計6通りの評価値、推定bERが算出される。各評価値、推定bERの算出方法は1−3−1と同様である。以上の(1−3−2)における推定bER算出方法の流れを図13のブロック図に示す。
(1−2)において算出したD値は各パターン番号毎に区別され、それらの分布より評価値、推定bERを算出する。D値は更にパターン番号ごとにパターンAがパターンBに誤識別されるものとパターンBがパターンAに誤識別されるものに区別する。本実施形態においてはパターン総数は24である。各分布は図8にあるような正規分布となる。本実施形態においては、パターン総数は24であるので計48通りの評価値、推定bERが算出される。各評価値、推定bERの算出方法は考え方は1−3−1と同様である。以上の(1−3−3)における推定bER算出方法の流れを図14のブロック図に示す。ビタビ復号器から入力された識別データに対し、まずパターン比較器203が識別データと参照テーブル204とを比較する。参照テーブル204内に識別データと一致するパターン(AもしくはB)がある場合、理想信号生成器301はそのパターンの理想信号を生成、もしくは理想信号取得器302は参照テーブル204内の理想信号を取得する。D値計算器303は遅延器201を介して等化器から入力された再生信号(等化信号)と理想信号からD値を計算する。算出したD値はD値選別器304によって、識別データと一致した参照テーブル内のパターン毎(パターン番号1のパターンAがパターンBに誤る場合、パターン番号1のパターンBがパターンAに誤る場合、パターン番号2のパターンAがパターンBに誤る場合、・・・)にD値メモリ307に格納する。各D値メモリ307内のサンプル数が十分となった場合、計算器308はそれぞれのμ/σと、式(3)に示すユークリッド距離の種類毎の誤識別発生確率F(0)とを求める。算出器309はこれらの合計を評価値あるいは推定bERを算出する。
図9に本発明の構成を示す。光ディスク11にマーク、スペースとして記録された情報は、PUH12を通して微弱なアナログ信号として読み出される。微弱なアナログ信号はプリ増幅器13で十分な大きさに増幅される。増幅されたアナログ再生信号は、AD変換器14でデジタル再生信号へと変換される。デジタル再生信号は等化器15によって使用するPR特性に応じた波形へと等化され、ビタビ復号器及び評価値算出器200Bへ送られる。復号された識別データは、図示しない後段回路へ送られ、必要に応じて復調、誤り訂正等の処理を施された後、ユーザへと渡される。
参照テーブル204(図10のステップC2で参照される)は、図第1実施形態と同様にユークリッド距離を用いて、変調符号及びPR特性に応じた誤りやすいパターンについて作成する。参照テーブル204の内容は、ディスク(記録媒体)に記録されていても良く、これを読み出して使用してもよい。またこの装置自体が自動生成してもよい。
図10のステップC3のD値の計算を図11を用いて説明する。評価値計算器202には等化器15から再生信号が、また等化信号と同期した記録データ17が入力される。このとき入力データはテーブル内における最長のビット長分メモリに蓄えられる。今の場合、再生信号は8ビット、記録データは11ビットである。処理が進む度に、新たな再生信号と識別データと同期した記録データがメモリ領域に追加される。それに従いメモリのデータは1ビットシフトして更新を行なう。このビット系列に対しテーブルを参照し、パターンAもしくはパターンBと一致するパターン全てに関して判定を行なう。今、ビタビ復号器16より入力された識別データのビット系列が[11111111000]だとすると、テーブル内で該当するものはパターン番号2の1111000(パターンA)、6531(理想信号)、1110000(パターンB)、5310(理想信号)、10(E2 AB)のパターンとなる。テーブル内に記載されるパターンは各ユークリッド距離E2 AB毎にビット長が異なるが、各パターンのビット長分がメモリ内のビット系列と一致したときには同様に検出を行なう。このようにビット系列とテーブル内のパターンA、もしくはパターンBが一致したとき、パターンAと再生信号のユークリッド距離EASとパターンBと再生信号のユークリッド距離EBSを計算しD値を算出する。算出したD値は、第1実施形態と同様な評価値、推定bER算出方法に従い、パターン毎もしくはユークリッド距離毎(本実施形態ではE2 AB =10,12,14の3種類)に区別してメモリに格納する。この手順を等化器15からの入力が終了するまで行なう。
各パターン毎に算出したD値は等化器15、ビタビ復号器16からの入力が終了した時点で、第1実施形態と同様な3通りいずれかの方法に従い分布をとり、評価値、推定bERを算出する。
Claims (14)
- 前記評価手段は、さらに
評価値 = ΣCT・μ/σ・HT,F
を求めるものである請求項2記載の情報記録再生装置。 - 前記識別信号は再生信号を復号した信号である請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載の情報記録再生装置。
- 前記評価手段は、さらに
評価値 = ΣCT・μ/σ・HT,F
を求めるものである請求項6記載の情報記録再生装置。 - 前記評価ステップは、さらに評価値 = ΣCT・μ/σ・HT,Fを求めるものである請求項9記載の信号評価方法。
- 前記識別信号は再生信号を復号した信号である請求項8乃至請求項10のいずれか一項記載の信号評価方法。
- 前記評価ステップは、さらに評価値 = ΣCT・μ/σ・HT,Fを求めるものである請求項13記載の信号評価方法。
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