JP4655849B2 - 鍵盤装置 - Google Patents

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Description

本発明は、押鍵時に鍵に対して押鍵感触特性を付与する鍵盤装置に関する。
従来、電子ピアノにおいては、アコースティックピアノのような押鍵感触乃至鍵タッチ感触が擬似的に実現されている。しかし、小型、低価格、低重量であることが求められるポータブルキーボード等の鍵盤装置では、上記のような鍵タッチ感触を実現する機構を設けることは容易でなく、設けるにしても、その機構は極力簡単な機構であることが望まれる。
そこで、下記特許文献1の鍵盤装置では、楽器本体に先端が「く」字状に折曲した板バネを取り付け、操作子の押下初期には操作子(鍵)と板バネとが係合し、押下するに伴ってその係合がはずれるように構成し、板バネの撓みと係合のはずれによって、比較的簡単な構成で所定の押鍵感触が生じるようにしている。
実公昭59−39740号公報
しかしながら、上記特許文献1の鍵盤装置では、押鍵反力の増加が、後端部の鍵復帰用バネを除けば、主として鍵前方の板バネの撓みによって生じるので、反力変化をより明瞭にする観点では改善の余地があった。また、急激な反力減少は、鍵と鍵前方の板バネとの係合はずれによってのみ生じるので、押鍵の強弱等の押鍵態様にかかわらず、静的レットオフに相当するクリック感が、常に押鍵往行程におけるほぼ同じ位置で生じ、アコースティックピアノのような自然な押鍵感触に近づける観点でも改善の余地があった。
ところで、鍵に対して所定の感触特性を与える鍵タッチ感触付加機構は、各鍵毎に個別に構成すると、各鍵感で押鍵感触がばらつきやすいので、鍵タッチ感触を実現する上で押鍵感触のばらつきも考慮することが望まれる。なお、鍵タッチ感触付加機構を設ける上では、重要な鍵機能部との干渉を避け、省スペースを考慮することが望まれる。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単な構成で、明瞭な負荷変化のある自然な押鍵感触を与えることができる鍵盤装置を提供することにある。
上記第1の目的を達成するために本発明の請求項1の鍵盤装置は、支持部材と、前記支持部材に設けられた複数の回動支点部と、前記複数の回動支点部を中心に各々回動自在に前記支持部材に支持された複数の鍵と、前記複数の各鍵の非押鍵時に前記鍵が非押鍵状態となるように該鍵に復帰習性を与える鍵復帰手段(37、5)と、前記鍵の押鍵時に該鍵に対して所定の感触特性を与える鍵タッチ感触付加手段(TC1、TC2、TC3)とを有し、前記各鍵は鍵操作部を有し、前記鍵タッチ感触付加手段は、前記支持部材に設けられた受け部(40、60aW、60aB、80aW、80aB)と、一端部が前記鍵の対応するものの鍵操作部に保持されると共に他端部が前記受け部に摺動可能に係合した弾性係合体(50、70、82)とを有してなり、前記弾性係合体は、押鍵操作による押鍵往行程において屈曲することで前記対応する鍵に反力を与えると共に、押鍵往行程途中で前記他端部と前記受け部との滑り摩擦状態の変化によりその屈曲量が急減して前記鍵に与える反力が減少するように配設されたことを特徴とする。
この構成によれば、押鍵往行程において、弾性係合体の屈曲による反力増加と屈曲量急減による急激な反力減少とにより明瞭な負荷変化を与えることができる。また、屈曲量急減は、弾性係合体の他端部と受け部との滑り摩擦状態の変化により生じるので、押鍵の強弱により弾性係合体の他端部と受け部との滑り摩擦状態の変化態様が異なるように構成すれば、押鍵態様に応じた自然な押鍵感触が得られる。また、鍵タッチ感触付加手段が弾性係合体と受け部とで構成されるので、重いアームを用いる必要がなく、構成が簡単である。よって、簡単な構成で、明瞭な負荷変化のある自然な押鍵感触を与えることができる。また、重いアームを用いる必要がないので、鍵盤装置を軽量化及びコンパクト化を図ることができる。
上記第1の目的を達成するために本発明の請求項2の鍵盤装置は、支持部材と、前記支持部材に設けられた複数の回動支点部と、前記複数の回動支点部を中心に各々回動自在に前記支持部材に支持された複数の白鍵及び複数の黒鍵からなる複数の鍵と、前記複数の各鍵の非押鍵時に前記複数の各鍵が非押鍵状態となるように該各鍵に復帰習性を与える鍵復帰手段と、前記複数の各鍵の押鍵時に該各鍵に対して所定の感触特性を与える鍵タッチ感触付加手段と、前記各鍵に対応して設けられ、対応する鍵の操作に連動する質量体(5)とを有し、前記鍵タッチ感触付加手段は、前記支持部材に設けられた受け部と、一端部が前記鍵の鍵操作部に保持されると共に他端部が前記受け部に摺動可能に係合した弾性係合体とを有してなり、前記弾性係合体は、押鍵操作による押鍵往行程において屈曲することで前記鍵に反力を与えると共に、押鍵往行程途中で前記他端部と前記受け部との滑り摩擦状態の変化によりその屈曲量が急減して前記鍵に与える反力が減少するように配設され、前記各鍵、前記質量体及び前記鍵タッチ感触付加機構は、前記反力と前記質量体の慣性とに起因するタッチ感触が前記質量体に対応する鍵の押鍵時に該鍵を介して指に伝達されるように、配置されることを特徴とする。
この構成によれば、簡単な構成で、明瞭な負荷変化のある自然な押鍵感触を与えることができる。また、反力発生手段による反力に加えて質量体の慣性により指にタッチ感触が伝達されるので、質量体の慣性がタッチ感触にさらに寄与することで、押鍵に連動して手応えのようなタッチ感が感じられ、動的タッチ感がピアノに近くなる。
上記各請求項において、好ましくは、前記弾性係合体は、前記他端部と前記受け部との静止摩擦状態で屈曲する一方、前記他端部と前記受け部との滑り摩擦状態が静止摩擦状態から動摩擦状態に遷移したときその屈曲量が急減するように配設される。この構成によれば、弱押鍵時では良好な静的レットオフ感を得、強押鍵時では弱押鍵時に比し軽いタッチにすることができる。さらに好ましくは、前記弾性係合体の前記他端部は、押鍵往行程の終期において前記受け部から脱落するように構成される。この構成によれば、脱落時に鍵に与えられる反力が減少することで、押鍵終了後に鍵にかかる負荷が減少し、指が疲れにくい。
また、好ましくは、前記弾性係合体は、前記鍵の非押鍵状態において一方向に屈曲して配設され、押鍵時においては、該一方向にさらに深く屈曲する。この構成によれば、屈曲方向が常に定まり、動作が安定する。
また、好ましくは、前記弾性係合体はバネ部材であり、該バネ部材は、前記受け部と前記弾性係合体の前記他端部が摩擦係合する場合には弾性エネルギーを蓄積し、押鍵往行程途中で前記他端部と前記受け部との摩擦状態の変化により前記弾性エネルギーを放出する。この構成によれば、弾性係合体の他端部と受け部との滑り摩擦状態の変化態様を制御することによって弾性エネルギーを放出するタイミングを制御することができ、もって、押鍵態様に応じたより自然な押鍵感触が得られる。
上記第の目的を達成するために本発明の請求項7の鍵盤装置は、支持部材と、前記支持部材に各々回動自在に支持され、複数の白鍵及び複数の黒鍵からなる複数の鍵と、前記複数の各鍵の非押鍵時に前記複数の各鍵が所定の位置まで復帰するように該各鍵に復帰習性を与える鍵復帰手段と、前記複数の各鍵の自由端部に対応して設けられ、対応する鍵と当接して該鍵の押鍵終了位置を規制する鍵ストッパ体と、前記複数の各鍵の非押鍵時に前記複数の各鍵が非押鍵状態となるように該各鍵に復帰習性を与える鍵タッチ感触付加手段と、前記複数の各鍵に対応して設けられ、対応する鍵により駆動されて該鍵の動作を検出する複数の鍵動作検出センサと、前記支持部材に保持され、前記複数の鍵動作検出センサを保持するセンサ保持部とを有し、前記各鍵は鍵操作部を有し、前記鍵タッチ感触付加手段は、前記支持部材に設けられた受け部と、一端部が前記鍵の対応するものの鍵操作部に保持されると共に他端部が前記受け部に摺動可能に係合した弾性係合体とを有してなり、鍵長手方向における前記鍵ストッパ体と前記センサ保持部との間に配置され、前記弾性係合体はバネ部材であり、該バネ部材は、前記受け部と前記弾性係合体の前記他端部が摩擦係合する場合には弾性エネルギーを蓄積し、押鍵往行程途中で前記他端部と前記受け部との摩擦状態の変化により前記弾性エネルギーを放出することを特徴とする。
この構成によれば、簡単な構成で、明瞭な負荷変化のある自然な押鍵感触を与えることができる。また、鍵タッチ感触付加手段を鍵長手方向における鍵ストッパ体とセンサ保持部との間に配置したので、上下限ストッパ、鍵支点部等の重要な鍵機能部との干渉を避けつつ、スペースを有効に利用して鍵タッチ感触付加手段を配置でき、鍵盤装置をコンパクトにすることができる。また、弾性係合体の他端部と受け部との滑り摩擦状態の変化態様を制御することによって弾性エネルギーを放出するタイミングを制御することができ、もって、押鍵態様に応じたより自然な押鍵感触が得られる。
上記第1の目的を達成するために本発明の請求項8の鍵盤装置は、支持部材と、前記支持部材に設けられた複数の回動支点部と、前記複数の回動支点部を中心に各々回動自在に前記支持部材に支持された複数の鍵と、前記複数の各鍵の非押鍵時に前記鍵が非押鍵状態となるように該鍵に復帰習性を与える鍵復帰手段と、前記鍵の押鍵時に該鍵に対して所定の感触特性を与える鍵タッチ感触付加手段とを有し、前記各鍵は鍵操作部を有し、前記鍵タッチ感触付加手段は、前記支持部材に設けられた受け部と、一端部が前記鍵の対応するものの鍵操作部に保持される弾性係合体とを有してなり、前記弾性係合体は、弾性エネルギーを蓄積可能な部材と、他端部に配された前記受け部と摺動可能に係合する摩擦部材(52)とを備え、前記弾性係合体は、前記受け部と前記摩擦部材が摩擦結合する場合には弾性エネルギーを蓄積し、押鍵往行程途中で前記摩擦部材と前記受け部との摩擦状態の変化により前記蓄積された弾性エネルギーを放出するように配設されたことを特徴とする。
この構成によれば、押鍵往行程において、弾性エネルギーの蓄積と該弾性エネルギーの放出とにより明瞭な負荷変化を与えることができる。また、弾性エネルギーの放出は、弾性係合体の摩擦部材と受け部との滑り摩擦状態の変化により生じるので、押鍵の強弱により弾性係合体の摩擦部材と受け部との滑り摩擦状態の変化態様が異なるように構成すれば、押鍵態様に応じた自然な押鍵感触、具体的にはアコースティックピアノのようなレットオフ感が得られる。
好ましくは、前記弾性係合体は、前記摩擦部材が前記受け部に対して摺動し始めたときに、前記蓄積された弾性エネルギーを放出する。
この構成によれば、明瞭な負荷変化のある自然な押鍵感触を与えることができる。特に、蓄積された弾性エネルギーを、摩擦部材が受け部に対して摺動し始めると同時に放出するので、より自然なレットオフ感が得られる。
より好ましくは、前記弾性係合体は、押鍵態様に応じて前記蓄積された弾性エネルギーの放出度合いを変化させる。
この構成によれば、弱押鍵時には静的レットオフ感を得、強押鍵時には動的レットオフ感を得ることができる。
上記第1の目的を達成するために本発明の請求項11の鍵盤装置は、支持部材と、前記支持部材に設けられた複数の回動支点部と、前記複数の回動支点部を中心に各々回動自在に前記支持部材に支持された複数の鍵と、前記複数の各鍵の非押鍵時に前記鍵が非押鍵状態となるように該鍵に復帰習性を与える鍵復帰手段と、前記鍵の押鍵時に該鍵に対して所定の感触特性を与える鍵タッチ感触付加手段とを有し、前記各鍵は鍵操作部を有し、前記鍵タッチ感触付加手段は、前記支持部材に設けられた受け部と、一端部が前記鍵の対応するものの鍵操作部に保持される弾性係合体とを有してなり、前記受け部は押鍵方向に対して傾斜し、前記弾性係合体は、弾性エネルギーを蓄積可能な部材と、他端部に配された前記受け部と摺動可能に係合する摩擦部材とを備え、前記受け部及び前記弾性係合体は、押鍵往行程において、前記受け部及び前記摩擦部材の当接点と前記弾性係合体の一端部とを結ぶ線分と、前記受け部とがなす角度が押鍵往行程の進行に応じて漸減するように配設され、且つ、前記受け部及び前記弾性係合体は、押鍵往行程途中で前記摩擦部材が前記受け部に対して摺動し始め、前記摩擦部材が前記受け部に対して摺動し始めるまでは、前記弾性係合体の弾性エネルギーの蓄積を促進するように前記角度は漸減せず、前記摩擦部材が前記受け部に対して摺動し始めた後は、前記角度が押鍵往行程の進行に応じて漸減するように配設されていることを特徴とする。
この構成によれば、押鍵往行程において、受け部及び摩擦部材の当接点と弾性係合体の一端部とを結ぶ線分と、受け部とがなす角度の漸減により円滑な負荷変化を与えることができる。特に、上記角度は押鍵往行程の後半で小さくなるので、円滑なレットオフ感が得られる。また、押鍵往行程途中で蓄積された弾性エネルギーが放出され、その後、上記角度が漸減するので、特に静的レットオフ感が得られる。
上記第1の目的を達成するために本発明の請求項12の鍵盤装置は、支持部材と、前記支持部材に設けられた複数の回動支点部と、前記複数の回動支点部を中心に各々回動自在に前記支持部材に支持された複数の鍵と、前記複数の各鍵の非押鍵時に前記鍵が非押鍵状態となるように該鍵に復帰習性を与える鍵復帰手段と、前記鍵の押鍵時に該鍵に対して所定の感触特性を与える鍵タッチ感触付加手段とを有し、前記各鍵は鍵操作部を有し、前記鍵タッチ感触付加手段は、一端部が前記鍵の対応するものの鍵操作部に保持され且つ他端部が質量体を保持する弾性係合体と、前記支持部材に設けられた受け部とを有してなり、前記受け部は押鍵方向に対して傾斜し、前記弾性係合体の他端部は前記受け部と摺動可能に係合し、前記弾性係合体は弾性エネルギーを蓄積可能な部材であり、前記受け部及び前記弾性係合体は、押鍵往行程において、前記受け部及び前記他端部の当接点と前記弾性係合体の一端部とを結ぶ線分と、前記受け部とがなす角度が押鍵往行程の進行に応じて漸減するように配設され、且つ、前記受け部及び前記弾性係合体は、押鍵往行程途中で前記他端部が前記受け部に対して摺動し始め、前記他端部が前記受け部に対して摺動し始めるまでは、前記弾性係合体の弾性エネルギーの蓄積を促進するように前記角度は漸減せず、前記他端部が前記受け部に対して摺動し始めた後は、前記角度が押鍵往行程の進行に応じて漸減するように配設されていることを特徴とする。
この構成によれば、押鍵往行程において、弾性エネルギーの蓄積と該弾性エネルギーの放出とにより明瞭な負荷変化を与えることができる。また、弾性エネルギーの放出は、弾性係合体の他端部と受け部との滑り摩擦状態の変化により生じるが、滑り摩擦状態の変化は質量体の慣性力に応じて異なる。また、質量体の慣性力は押鍵の強弱により異なる。さらに、押鍵往行程において、受け部及び弾性係合体の他端部の当接点と弾性係合体の一端部とを結ぶ線分と、受け部とがなす角度の漸減により円滑な負荷変化を与えることができる。したがって、押鍵態様に応じた良好なレットオフ感が得られる。また、押鍵往行程途中で蓄積された弾性エネルギーが放出され、その後、上記角度が漸減するので、特に静的レットオフ感が得られる。
なお、上記括弧内の符号は例示である。
本発明の請求項1、2、3、8、11、13、15、17、18、19に係る鍵盤装置によれば、簡単な構成で、明瞭な負荷変化のある自然な押鍵感触を与えることができる。
本発明の請求項7に係る鍵盤装置によれば、簡単な構成で、複数鍵間でばらつきの少ない押鍵感触を与えることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1(a)〜(d)は、本発明の第1の実施の形態に係る鍵盤装置の縦断面図であり、同図(a)は、非押鍵状態(離鍵状態)、同図(b)、(c)は押鍵途中の状態、同図(d)は押鍵終了状態をそれぞれ示す。同図(a)に示すように、支持部材30には鍵支持部である支柱35が設けられ、支柱35の図中上方に設けられた回動支点部36を中心に、鍵体31が上下方向に揺動自在にされる。以降、鍵体31の自由端部側(同図右側)を「前方」と称する。図1(a)〜(d)では、鍵体31として白鍵が例示されている。
鍵体31の、回動支点部36より後方に延びる延設部32には、支持部材30との間に鍵復帰手段としての鍵復帰用スプリング37が設けられ、鍵体31が図(a)の反時計方向に常に付勢されている。なお、延設部32の先端部に錘部材を設けることで、これを、鍵復帰用スプリング37に代えて鍵復帰手段としてもよい。鍵体31は、その前部が鍵操作部31aとされ、鍵操作部31aにて押離鍵操作される。鍵体31の前端部下部からはストッパ当接部33が垂下して設けられている。
支持部材30の、ストッパ当接部33に対応する位置には、上限ストッパ34と、下限ストッパ38とが支持部材30に対して固定的に設けられている。図1(a)に示す非押鍵状態においては、鍵復帰用スプリング37の付勢力により、ストッパ当接部33が上限ストッパ34に当接して、鍵体31の非押鍵位置(すなわち、押鍵往行程初期位置)が規制される。一方、押鍵時においては、鍵体31の押し切りにより、ストッパ当接部33が下限ストッパ38に当接して、鍵体31の押鍵往行程終了位置が規制される(図1(d)参照)。
なお、図示はしないが、支持部材30には、押鍵スイッチが設けられ、押鍵時に鍵体31により押鍵スイッチが駆動されて、鍵体31の押離鍵動作が検出される。鍵体31の前端部であって、ストッパ当接部33よりやや後方には、後述する弾性係合体50が垂下して取り付けられている。また、この弾性係合体50と協働して鍵体31に対して押鍵に対する負荷を与える後述する受け部40が、支持部材30に固定的に設けられている。
図2は、1つの鍵体31に対応する鍵タッチ感触付加手段の構成を示す断面図である。弾性係合体50及び受け部40は、各鍵体31に対応して設けられる。各鍵体31は、白鍵用と黒鍵用とで形状が異なるが、基本的構成は同様である。また、各鍵体31に対応する弾性係合体50及び受け部40は、配置位置が異なるが、構成は同様である。各鍵体31に対応する上記鍵タッチ感触付加手段TC1は、図2に示すように、1つの弾性係合体50と1つの受け部40とで構成される。なお、受け部40は、複数の鍵体31に共通に構成してもよい。
図3(a)〜(d)は、押鍵往行程における弾性係合体50と受け部40との係合関係の遷移を模式的に示す断面図であり、同図(a)は、非押鍵状態、同図(b)、(c)は押鍵途中の状態、同図(d)は押鍵終了状態をそれぞれ示す。図3(a)〜(d)は、図1(a)〜(d)に示す状態に対応している。
図1(a)〜(d)、図3(a)〜(d)は、ゆっくり押鍵(以下、「弱押鍵」と称する)した場合における動作の遷移を例示するものである。ここで、「弱押鍵」は、アコースティックピアノでいえば、ハンマが弦を打弦するかしないかという程度の極めて弱い押鍵強さから、比較的弱い押鍵強さまでの押鍵態様である。これに対して、弱押鍵より十分に強く、通常の発音から強い発音がなされるまでの押鍵強さ範囲に相当する押鍵態様を「強押鍵」と呼称する。
図2に示すように、弾性係合体50は、コイルスプリング51とピン52とから成り、コイルスプリング51の下端部51aにピン52が圧入され且つ接着等で固定されている。弾性係合体50の上端部50bにも相当するコイルスプリング51の上端部51bは、鍵体31の鍵操作部31aの取付穴31abに圧入され且つ接着等で固定され、鍵操作部31aの下面31aaからコイルスプリング51が下方に延びている。ピン52は適当な摩擦を発生させ得る樹脂や木質部材等の摩擦部材で構成される。
受け部40には、前後方向(鍵体31のほぼ長手方向)に沿って、溝状凹部であるガイドレール40aが形成されている。受け部40は複数種類の部材で構成してもよいが、少なくとも、ガイドレール40aの部分は、ピン52との間に適当な摩擦を生じさせるようなフェルト等の部材で構成される。
図3(a)に示すように、受け部40のガイドレール40aは、後方にいくにつれて下方に傾斜している。コイルスプリング51は、上端部51b近傍に限っていえば、鍵操作部31aの下面31aaからほぼ真っ直ぐ下方に延びるが、非押鍵状態において、弾性係合体50の下端部50aにも相当するピン52の先端部52aがガイドレール40aに当接している(図2も参照)。これにより、コイルスプリング51は、その長手方向中間部分が前方に凸となるように予め少し屈曲(乃至湾曲)した状態となっている。しかも、押鍵に伴いピン52の先端部52aがガイドレール40a上を摺動可能になっている。ここで、コイルスプリング51は、単独(自由状態)では真直なものである。従って、仮に、受け部40が存在していないとしたら、真っ直ぐに延びた状態を呈するものである。
かかる構成において、まず、弱押鍵の場合の動作を説明する。図1(a)、図3(a)に示す非押鍵状態から押鍵を開始すると、図1(b)〜(d)、図3(b)〜(d)に示すように、動作が遷移していく。すなわち、まず、図1(a)に示す非押鍵状態においては、図3図(a)に示すように、弾性係合体50の下端部50aが受け部40のガイドレール40aに当接点P0で当接しており、鍵操作部31aをこれより少し押下した、図1(b)に示すような押鍵往行程の比較的初期においては、図3(b)に示すように、弾性係合体50の下端部50aはガイドレール40aに対して同じ当接点P0で当接を維持する。
すなわち、弾性係合体50の下端部50aとガイドレール40aとは、適当な滑り摩擦が生じるように構成されており、図3(a)の状態から図3(b)の状態までは、両者の静止摩擦状態が維持される。また、鍵操作部31aの位置は図3(a)の場合に比し下がっているので、結局、弾性係合体50(厳密にはコイルスプリング51)は、予め屈曲させられていた方向と同じ方向(前方)に凸となるようにさらに屈曲する。以下、このように屈曲状態において屈曲量が増大することを、第1、第2の実施の形態において「加屈曲」と呼称する。これにより、コイルスプリング51の加屈曲による反力が鍵体31に加わり、弾性係合体50の下端部50aとガイドレール40aとの静止摩擦状態が維持されている間は、鍵操作部31aの押下が進むにつれて押鍵反力が増大していく。
その後、鍵操作部31aをさらに押下すると、やがて、図1(c)に示す押鍵往行程の後期において、弾性係合体50の下端部50aとガイドレール40aとの滑り摩擦状態が、静止摩擦状態から、図3(c)に示すように動摩擦状態へと移行する。従って、図3(b)、(c)の間に静止摩擦状態と動摩擦状態との境界の状態がある。両者が動摩擦状態になると、弾性係合体50の下端部50aはガイドレール40aに対して摺動状態となり、当接点P0より後方の当接点P1で摺接し、その当接点P1が後方に移動していく。実際には、静止摩擦状態から動摩擦状態に移行した瞬間、コイルスプリング51の加屈曲は瞬時に解放、すなわち、コイルスプリング51の屈曲量が急減する。これにより、加屈曲により鍵体31に与えられていた反力が急激に減少する。
その後、さらに鍵操作部31aが押下されて、図1(d)に示す押鍵終了状態になると、弾性係合体50の下端部50aはガイドレール40aの後端から脱落する。実際には、弾性係合体50の下端部50aとガイドレール40aとが静止摩擦状態から動摩擦状態へ移行した後、下端部50aがガイドレール40aから脱落するまでの時間は極めて短く、瞬時である。これにより、静的レットオフ感と同じような感触が得られる。また、押鍵終了後に鍵体31にかかる反力が小さくなって、押鍵を継続している指に大きな負荷がかからず指が疲れにくい。
一方、強押鍵時は次のように動作する。すなわち、強押鍵の場合は、弱押鍵の場合に比し、弾性係合体50の下端部50aとガイドレール40aとの滑り摩擦状態が静止摩擦状態から動摩擦状態へと極めて速やかに移行する。静止摩擦状態の期間が短いことから、図3(b)に示すようなコイルスプリング51の加屈曲はあまり生じず、押鍵往行程のほぼ当初から弾性係合体50の下端部50aとガイドレール40aとが摺動状態となる。従って、コイルスプリング51の加屈曲による反力は鍵体31にあまり加わることなく、図3(d)に示すように、弾性係合体50の下端部50aはガイドレール40aの後端から脱落する。ここで、鍵体31は大きな質量を有しているため、強押鍵時には鍵体31の慣性質量が増大し、コイルスプリング51の反力と、弾性係合体50の下端部50a及びガイドレール40aの摩擦力とが打ち消され(マスキングされ)、演奏者の指に伝わりにくくなる。また、弾性係合体50の下端部50aがガイドレール40aの後端から脱落すると、演奏者の指への反力は鍵復帰用スプリング37の復帰力のみとなり、脱進感が得られる。従って、強押鍵時は、弱押鍵時に比し、軽いタッチとなる。但し、強押鍵時の押鍵往行程の初期では、増大した鍵体31の慣性力の反作用力が演奏者の指に伝わるため、弱押鍵時に比し、軽いタッチとはならず、重量感のあるタッチとなる。
また、下端部50aとガイドレール40aとの摩擦状態を適宜変更、例えば、下端部50aがガイドレール40aに対して滑りやすくすることにより、弱押鍵時であっても、静摩擦状態をほとんど経ることなく、押鍵往行程の初期において滑り摩擦状態を静止摩擦状態から動摩擦状態へ移行させることができる。
また、同じ鍵が繰り返し押鍵(連打)される場合は、次の押鍵開始の状態が、図3(c)に示す状態にほぼ近いことから、弾性係合体50の下端部50aとガイドレール40aとは、押鍵開始当初から静止摩擦状態をほとんど経ることなく動摩擦状態となる。従って、円滑な連打動作が可能となる。
本実施の形態によれば、押鍵往行程において、弾性係合体50が、その下端部50aとガイドレール40aとの静止摩擦状態では弾性係合体50の屈曲量が増大(加屈曲)する一方、静止摩擦状態から動摩擦状態に遷移したとき加屈曲が解消するので、加屈曲による反力増加と屈曲量急減による急激な反力減少とにより明瞭な負荷変化を鍵体31に与えることができる。特に、押鍵の強弱により上記摩擦状態の変化態様が異なるので、弱押鍵時には良好な静的レットオフ感を得ることができ、強押鍵時には、強押鍵時の押鍵往行程の初期を除き、弱押鍵時に比し軽いタッチが実現でき、アコースティックピアノのような、押鍵態様に応じた自然な押鍵感触が得られる。
ここで、上述した本実施の形態を弾性エネルギーの観点から説明する。
弾性係合体50の下端部50aとガイドレール40aとの滑り摩擦状態が静止摩擦状態である場合、コイルスプリング51の加屈曲により、該コイルスプリング51に弾性エネルギーが蓄積する。その後、弾性係合体50の下端部50a(ピン52)とガイドレール40aとの滑り摩擦状態が、静止摩擦状態から動摩擦状態へと移行して、ピン52の先端部52aがガイドレール40a上を摺動し始めたときに、コイルスプリング51は蓄積された弾性エネルギーを放出する。放出された弾性エネルギーは反力として演奏者の指に伝えられる。その後、弾性係合体50の下端部50a(ピン52)がガイドレール40aの後端から脱落すると、コイルスプリング51に蓄積された弾性エネルギーはほとんど放出されるため、演奏者の指への反力は鍵復帰用スプリング37の復帰力のみとなり、脱進感が得られる。
以上のように、押鍵往行程において、弾性エネルギーの蓄積と該弾性エネルギーの放出とにより指への反力を明瞭に変化させることができる。また、弾性エネルギーの放出は、ピン52とガイドレール40aとの滑り摩擦状態の変化により生じるので、押鍵の強弱により弾性係合体の摩擦部材と受け部との滑り摩擦状態の変化態様が異なるように構成すれば、押鍵態様に応じた自然な押鍵感触が得られる。
例えば、ピン52とガイドレール40aとの最大静止摩擦力を大きく設定すると、強押鍵時であっても、ピン52とガイドレール40aとの滑り摩擦状態が静止摩擦状態から動摩擦状態へと速やかに移行せず、コイルスプリング51は弾性エネルギーを蓄積する。該蓄積されたエネルギーは静止摩擦状態から動摩擦状態へと移行した後に放出されるため、ピン52のガイドレール40aからの脱落に起因するクリック感がマスキングされ、良好な動的レットオフ感を得ることができる。
また、弱押鍵時では、鍵体31の慣性力が小さいため、蓄積される弾性エネルギーが小さい。したがって、静止摩擦状態から動摩擦状態へと移行した後に放出される弾性エネルギーも小さいため、クリック感がマスキングされず、良好な静的レットオフ感を得ることができる。
次に、上述した本実施の形態を下記に定義する係合角度の観点から説明する。
本実施の形態における係合角度とは、ガイドレール40a及びピン52の当接点P0(P1、P2)(図3(a)〜(d)を参照。)とコイルスプリング51の上端部51bである点P(図3(a)〜(d)を参照。)とを結ぶ線分と、ガイドレール40aとがなす角度θである。
ピン52とガイドレール40aとの滑り摩擦状態が静止摩擦状態である場合、コイルスプリング51の加屈曲により、点Pは下方へ移動するため、係合角度は漸減する。その後、ピン52とガイドレール40aとの滑り摩擦状態が、静止摩擦状態から動摩擦状態へと移行して、ピン52の先端部52aがガイドレール40a上を摺動し始めたときに、当接点P1が後方に移動することによって係合角度は急激に減少する。
係合角度が減少するとコイルスプリング51による指への反力は減少するので、係合角度の漸減により指への反力を円滑に変化させることができる。また、係合角度の急激な減少はピン52とガイドレール40aとの滑り摩擦状態の変化により生じるので、押鍵の強弱によりピン52とガイドレール40aとの滑り摩擦状態の変化態様が異なるように構成すれば、指への反力を明瞭に変化させることができる。特に、係合角度は押鍵往行程の後半で小さくなるので、脱進感が得られて円滑なレットオフ感が得られる。
また、ピン52がガイドレール40aに対して摺動し始めるまでは、コイルスプリング51の弾性エネルギーの蓄積を促進するように係合角度はほとんど漸減せず、ピン52がガイドレール40aに対して摺動し始めた後は、係合角度が押鍵往行程の進行に応じて漸減するように構成してもよい。これにより、指への反力の明瞭な変化とその後の脱進感を得ることができるため、良好な静的レットオフ感が得られる。
さらに、上述した本実施の形態を下記に定義する接触角度の観点から説明する。
本実施の形態における接触角度とは、ピン52とガイドレール40aとがなす角度、より具体的には、ピン52の側面とガイドレール40aとがなす角度θ’である(図3(a)〜(d)を参照。)。
ピン52とガイドレール40aとの滑り摩擦状態が静止摩擦状態である場合、コイルスプリング51は予め屈曲させられていた方向と同じ方向(前方)に凸となるように屈曲する。このとき、ピン52の側面はガイドレール40aに近づくため、接触角度は漸減する。その後、ピン52とガイドレール40aとの滑り摩擦状態が、静止摩擦状態から動摩擦状態へと移行して、ピン52の先端部52aがガイドレール40a上を摺動し始めたときに、ピン52が後方に移動することによって接触角度は急激に減少する。
接触角度が減少すると、コイルスプリング51がガイドレール40aに作用する力のうち後方へ作用する力の割合が増大するため、コイルスプリング51に蓄積された弾性エネルギーの大部分を指が反力を受けない方向に放出することができ、コイルスプリング51による指への反力は減少する。これにより、接触角度の漸減により指への反力を円滑に変化させることができる。また、接触角度の急激な減少はピン52とガイドレール40aとの滑り摩擦状態の変化により生じるので、押鍵の強弱によりピン52とガイドレール40aとの滑り摩擦状態の変化態様が異なるように構成すれば、指への反力を明瞭に変化させることができる。特に、接触角度は押鍵往行程の後半で小さくなるので、脱進感が得られて円滑なレットオフ感が得られる。
また、鍵タッチ感触付加手段TC1は、弾性係合体50と受け部40とで構成されるので、押鍵感触を付加する上で、重いハンマアーム等を用いる必要がなく、構成が簡単であるだけでなく、鍵盤装置全体の重量も軽くて済み、鍵盤装置もコンパクトに構成できる。
また、受け部40のガイドレール40aは後傾され、弾性係合体50は、単独では真直なものが付勢により予め屈曲して配設されて、その下端部50aがガイドレール40a内に係合しているので、屈曲方向が常に定まっており、弾性係合体50の加屈曲とその復帰が円滑である。
なお、弾性係合体50は単独では真直としたが、単独で予め前方に凸となるように塑性変形等で屈曲形成されたものを用いてもよい。
なお、弾性係合体50は、予め屈曲して配設されたが、これに限られず、座屈方向が一義的に定まるようにわずかに屈曲して配設し、押鍵当初に弾性係合体50が座屈するように構成してもよい。これにより、押鍵反力の変化がより明瞭になる。
また、ピン52の質量を大きくして、押鍵時にコイルスプリング51へピン52の慣性力が負荷されるようにしてもよい。強押鍵時に大きくなる慣性力により、押鍵往行程の初期においてコイルスプリング51が屈曲される。これにより、演奏者の指への反力を吸収することができる。また、大きな弾性エネルギーをコイルスプリング51に蓄積することができる。大きな弾性エネルギーを蓄積すると、静止摩擦状態から動摩擦状態へと移行した後に放出される弾性エネルギーにより、上述したクリック感を確実にマスキングすることができるため、良好な動的レットオフ感を得ることができる。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る鍵盤装置の縦断面図である。本実施の形態の鍵盤装置は、上記第1の実施の形態に対して、鍵復帰手段として復帰用スプリング37に代えてハンマアーム5を設けた点、及び、複数の受け部40に相当する共通台60を白鍵及び黒鍵のすべてに共通に一体的に構成した点が主に相違する。同図右方を「前方」とする。
図4に示すように、この鍵盤装置は、鍵盤シャーシ1を備え、この鍵盤シャーシ1上には、複数の白鍵2Wと複数の黒鍵2Bとを含む複数の鍵2が並列に配置されている。以降、白鍵2W、黒鍵2Bに対応する構成要素であって、同様に構成されるものには、適宜、「W」、「B」を付記する。白鍵2Wと黒鍵2Bとは形状は異なるが基本的構成は同様であり、また、各白鍵2Wは同様に構成されるので、以降、代表して1つの白鍵2Wの構成について説明する。
白鍵2Wは、その後端部が鍵盤シャーシ1の後端部1b上に設けられた鍵支持部3の回動支点部4に回動自在に取り付けられ、この回動支点部4を中心に上下方向に回動するように構成されている。また、鍵盤シャーシ1のシャーシ中間部1cには、ハンマアーム5を上下方向に回動自在に支持するハンマ支持軸6が設けられている。ハンマアーム5は、上端部5a、中間部5b及び下端部5cからなり、中間部5bがハンマ支持軸6に回動自在に支持され、下端部5cに錘7が設けられ、この錘7の質量によって、上端部5aが白鍵2Wの下面に当接し、同図反時計方向に白鍵2Wを常に付勢している。
図4に示す非押鍵状態においては、ハンマアーム5の下端部5cの後端に設けられた突起部5dの下面が、鍵盤シャーシ1に設けられた下限ストッパ8に当接し、これにより、非押鍵状態に対応するハンマアーム5の初期位置が規制される。また、ハンマアーム5は、錘7の重量に抗して白鍵2Wが押鍵されたとき、ハンマアーム5の突起部5dの上面が鍵盤シャーシ1の後端部1bに設けられた上限ストッパ9に当接し、これにより、押鍵終了状態に対応するハンマアーム5の回動終了位置が規制される。
鍵盤シャーシ1の前端部1aには、上限ストッパ14と下限ストッパ15とが設けられる。白鍵2Wの前端部には、L字状のストッパ片13が垂設されている。白鍵2Wは、ストッパ片13が上限ストッパ14に当接することにより、白鍵2Wの前端部の上限位置、すなわち、非押鍵位置が規制され、ストッパ片13が下限ストッパ15に当接することにより、強押鍵時における白鍵2Wの前端部の下限位置、すなわち、回動終了位置が規制される。さらに、白鍵2Wは、鍵盤シャーシ1の前端部1a上に設けられた鍵ガイド16により、横振れしないようにガイドされる。
鍵盤シャーシ1の前後方向略中間部には、鍵スイッチ基台部1dに保持された回路基板19が配設され、この回路基板19上に、押離鍵状態及び押鍵途中状態を検出するためのセンサとしての押鍵スイッチ17が設けられる。また、白鍵2Wには、押鍵スイッチ17に対向して、該押鍵スイッチ17を押圧するためのスイッチ押圧部18が設けられている。押鍵スイッチ17により白鍵2Wの押離鍵動作が検出される。黒鍵2Bに対応する構成要素は、図示していないものもあるが、白鍵2Wに対応するものと同様に構成される。
ところで、上記共通台60は、鍵盤シャーシ1のシャーシ中間部1cと前端部1aとの間において、鍵体31の長手方向における鍵スイッチ基台部1dと下限ストッパ15との間に配設される。しかも、上下方向において、共通台60は、鍵スイッチ基台部1d乃至回路基板19とオーバーラップして配置されている。これらにより、上限ストッパ9、ストッパ片13、回動支点部4等の重要な鍵機能部との干渉を避けつつ、スペースを有効に利用して共通台60を配置でき、省スペースにより鍵盤装置をコンパクトにすることができる。
鍵スイッチ基台部1d上の第1取り付け部1daと、第1取り付け部1daより前方の第2取り付け部1eとが、鍵盤シャーシ1を隆起させた突条または平面視円状のボスで構成される。そして、これら第1取り付け部1daと第2取り付け部1eに、支持部材61がネジ75、76で螺着されることで(図5(a)も参照)、共通台60が鍵盤シャーシ1に保持される。従って、共通台60と回路基板19の取り付け部の機能を鍵スイッチ基台部1dが共に果たしている。なお、第1取り付け部1daと第2取り付け部1eは、突条に形成され且つ図中奥行き方向に沿って延設された場合は、鍵並び方向における鍵盤シャーシ1の補強の役割も果たす。
また、白鍵2W、黒鍵2Bの各鍵操作部2Wa、2Baの下部には、垂下部21W、21Bが垂下して設けられている。垂下部21W、21Bの各下部には、固定部材22W、22Bが設けられ、固定部材22W、22Bからは、それぞれ、弾性係合体50に相当する弾性係合体70(70W、70B)が垂下して取り付けられている。
図5(a)は、共通台60の斜視図である。図5(b)は、鍵タッチ感触付加手段TC2の1つの白鍵2Wに対応する部分の構成を示す部分断面図である。図5(c)は、鍵タッチ感触付加手段TC2の1つの白鍵2Wに対応する部分の、固定部材22Wに対する取り付け部分を示す側面図である。
共通台60は、複数の(例えば、1オクターブ分の)白鍵2W及び黒鍵2Bに対応して構成され、複数の共通台60で鍵盤装置内のすべての白鍵2W及び黒鍵2Bに対応する。なお、共通台60は、全鍵共通に単体で構成してもよい。
本実施の形態においては、鍵タッチ感触付加手段TC2は、すべての共通台60と、すべての弾性係合体70W、70Bとで成る。まず、図5(a)、(b)に示すように、1つの共通台60は、板状の支持部材61、ベース体62、フェルト等の第1貼着部材63(63W、63B)、及びフェルト等の第2貼着部材64(64W、64B)で構成される。支持部材61及びベース体62は、1つの共通台60に対応している複数の白鍵2W及び黒鍵2Bに共通に構成される。第1貼着部材63W及び第2貼着部材64Wは上記複数の白鍵2Wに共通に、第1貼着部材63B及び第2貼着部材64Bは上記複数の黒鍵2Bに共通にそれぞれ構成される。
支持部材61は、例えば金属等の丈夫な部材で構成され、図4に示すように、下記のベース体62等の部品を取り付けた後、鍵盤シャーシ1に固定される。ベース体62は、支持部材61上に接着剤、並びにネジ75、76で固定される。図5(a)に示すように、ベース体62には、白鍵用突条部62aW及び黒鍵用突条部62aBが形成されている。白鍵用突条部62aW、黒鍵用突条部62aBは、それぞれ、白鍵2Wの鍵操作部2Waの下方及び黒鍵2Bの鍵操作部2Baの下方において、鍵並び方向に沿って並列的に形成されている。そして、これら白鍵用突条部62aW、黒鍵用突条部62aB上に、第1貼着部材63W、63Bがそれぞれ接着等で固定される。さらに、第1貼着部材63W、63B上に、第2貼着部材64W、64Bが、それぞれ弾性を有する接着剤あるいは両面テープ等で接着固定される。
第2貼着部材64W、64Bには、ガイドレール40aと同様の溝状凹部であるガイドレール64a(64Wa、64Ba)が、それぞれ各白鍵2W及び黒鍵2Bに対応して形成されている。従って、白鍵用、黒鍵用突条部62aW、62aB、第1貼着部材63W、63B及び第2貼着部材64W、64Bで構成される部分をそれぞれ白鍵用受け部60aW、黒鍵用受け部60aBと呼称すると、これら白鍵用、黒鍵用受け部60aW、60aBは、第1の実施の形態における受け部40が複数一体となったものに相当する。
第1貼着部材63W、第2貼着部材64Wは、例えば、次のようにして製作される。すなわち、長くて幅広の不織布を所定の幅に切断したものを、ガイドレール64Wa、64Baに対応した凹凸のある下側金型の上面に載置して、該下側金型に対して嵌合的な凹凸を有する上側金型と上記下側金型とでプレス成形する。ガイドレール64Wa、64Baの深さは、各金型の凹凸の大きさと、プレス時の圧力度合いによっても調節できる。
一方、図5(b)に示すように、弾性係合体70Wは、第1の実施の形態における弾性係合体50と同様に、コイルスプリング71Wとピン72Wとから成る。図5(b)に示すように、固定部材22Wには、取り付け用突起部23Wが設けられ、この取り付け用突起部23Wが垂下部21Wに圧入され、且つ、ネジ24Wで固定部材22Wが垂下部21Wに固定される。また、弾性係合体70Wの上端部を固定部材22Wの取付穴22Waに固定する手法は、第1の実施の形態における、弾性係合体50の上端部50b(上端部51b)を、鍵体31の鍵操作部31aの取付穴31abに固定する手法と同様であるが、この手法に限るものではない。
また、弾性係合体70Wの下半部の構成は、第1の実施の形態における弾性係合体50と全く同様であり、弾性係合体70Wの下端部70Waにも相当するピン72Wの先端部72Waがガイドレール64Waに摺動可能に当接している。黒鍵2Bに対応する弾性係合体70B及びそれに関連する部分については、図示はしないが、弾性係合体70Wと同様に構成される。
かかる構成において、押鍵時における弾性係合体70Wとガイドレール64Waとの係合関係は、第1の実施の形態における弾性係合体50とガイドレール40aとの係合関係と同様である。
本実施の形態によれば、簡単な構成で、明瞭な負荷変化のある自然な押鍵感触を与えることに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
しかも、弾性係合体70による反力に加えて、ハンマアーム5による慣性が指に与えるタッチ感触に寄与することで、押鍵に連動して手応えのようなタッチ感が感じられ、動的タッチ感がピアノに一層近くなる。また、強押鍵時には、強押鍵時に大きくなるハンマアーム5による慣性力が、ピン72W,72Bのガイドレール64Wa,64Baからの脱落に起因するクリック感をマスキングすることができ、もって、良好な動的レットオフ感を得ることができる。
本実施の形態によればまた、上記第1の実施の形態における受け部40が複数一体となったものに相当する白鍵用、黒鍵用受け部60aW、60aBを設け、これらを複数の白鍵2W間及び複数の黒鍵2B間で共用化したので、受け部を個別に製作する場合に比し、構成が簡単になる。それだけでなく、白鍵用、黒鍵用受け部60aW、60aBはそれぞれ鍵並び方向に沿って一体的に構成されるので、各ガイドレール64aの高さ位置が均一となり、対応する各白鍵2W間及び各黒鍵2B間で押鍵感触のばらつきを抑えることができる。
なお、第1、第2の実施の形態において、ガイドレールは後傾させたが、傾ける方向はこれに限定されない。例えば、これとは逆に、前傾させると共に、弾性係合体50の屈曲及び加屈曲方向もこれに合わせて後方となるように配設してもよい。
なお、上記第1の実施の形態においても、第2の実施の形態と同様に、受け部40を各鍵体31毎でなく、複数の鍵体31に共通に一体的に構成してもよい。
また、ピン72W,72Bの質量を大きくして、押鍵時にコイルスプリング71W,71Bへ慣性力が負荷されるようにしてもよい。強押鍵時に大きくなる慣性力により、押鍵往行程の初期においてコイルスプリング71W,71Bが屈曲される。これにより、演奏者の指への反力を吸収することができる。また、大きな弾性エネルギーをコイルスプリング71W,71Bに蓄積することができる。大きな弾性エネルギーを蓄積すると、静止摩擦状態から動摩擦状態へと移行した後に放出される弾性エネルギーにより、上述したクリック感を確実にマスキングすることができるため、良好な動的レットオフ感を得ることができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態の鍵盤装置は、上記第2の実施の形態に対して、鍵タッチ感触付加手段及びこれに関連する固定部材等の構成が異なるのみであり、その他は第2の実施の形態と同様である。
図6(a)は、第3の実施の形態の鍵盤装置の鍵タッチ感触付加手段TC3の構成を示す側面図である。図6(b)は、第3の実施の形態の変形例を示す鍵タッチ感触付加手段TC4の部分側面図である。
図6(a)に示す共通台80は第2の実施の形態における共通台60と同様に構成され、第2の実施の形態における白鍵用受け部60aW、黒鍵用受け部60aBに相当する白鍵用受け部80aW、黒鍵用受け部80aBを有し、白鍵用受け部80aW、黒鍵用受け部80aBには、第2の実施の形態におけるガイドレール64Wa、64Baと同様のガイドレール80b(80bW、80bB)が形成されている。
また、弾性係合体70に代えて、平板バネ82(82W、82B)が設けられる。平板バネ82W、82Bは上端部が「く」字状に屈折し、下半部はJ字状に形成されている。そして、それらのJ字状部分の下部であって弧状部分82Wa、82Baに、円盤状の錘体84W、84Bが保持固定されている。錘体84W、84Bの大きさ及び重さは異なり、白鍵2Wと黒鍵2Bとの間の押鍵感触を均一にするため、錘体84Bの方が大きく、重くなっている。
平板バネ82W、82Bの上端部は、垂下部21W、21Bに相当する垂下部81W、81Bにネジ83W、83Bで固定されている。平板バネ82W、82Bの弧状部分82Wa、82Baの下部は、第2の実施の形態におけるピン72Wとガイドレール64Waとの関係と同様に、共通台80のガイドレール80bW、80bBに摺動可能に当接している。
かかる構成では、前述した各実施の形態と異なり、弾性係合体の構成要素としてコイルスプリングではなく平板バネが用いられているため、押鍵態様に応じた反力の変化が大きい。また、かかる構成において、押鍵操作されると、前述した各実施の形態と同様に、平板バネ82W、82Bの弧状部分82Wa、82Baが当初は静止摩擦状態でガイドレール80bW、80bBと係合し、平板バネ82W、82Bが前方に凸となるように屈曲するが、その後、動摩擦状態へと移行し、最後にガイドレール80bW、80bBから脱落する。従って、平板バネ82W、82Bの屈曲による押鍵に対する反力の発生態様は第2の実施の形態と同様である。ただし、平板バネ82W、82Bの上端部と弧状部分82Wa、82Baとの間の部分は配設当初からほとんど真直であり、押鍵時における屈曲は、座屈現象に近いものである。
しかし、本実施の形態ではさらに、弧状部分82Wa、82Baに錘体84W、84Bを保持させたので、鍵2に慣性が与えられ、慣性を伴った押鍵感触が得られる。また、弾性係合体として平板バネ82W、82Bを用いたので、屈曲方向が安定的に定まっていて横方向に屈曲することがなく、屈曲動作がよりスムーズになる。この観点から、同じ鍵が繰り返し押鍵(連打)される時においても指が痛くなりにくい。なお、屈曲方向が安定的に定まっているので、本実施の形態においては、ガイドレール80bW、80bBは溝状に形成する必要はなく、摺接面だけを提供するように構成してもよい。
本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の効果を奏するだけでなく、鍵2自体に慣性を付与して、より自然な押鍵感触を実現することができる。
ここで、上述した本実施の形態を弾性エネルギーの観点から説明する。
平板バネ82の弧状部分82aとガイドレール64aとの滑り摩擦状態が静止摩擦状態である場合、平板バネ82の屈曲により、該平板バネ82に弾性エネルギーが蓄積する。その後、平板バネ82の弧状部分82aとガイドレール64aとの滑り摩擦状態が、静止摩擦状態から動摩擦状態へと移行して、弧状部分82aがガイドレール64a上を摺動し始めたときに、平板バネ82は蓄積された弾性エネルギーを放出する。放出された弾性エネルギーは反力として演奏者の指に伝えられる。その後、平板バネ82の弧状部分82aがガイドレール64aの後端から脱落すると、平板バネ82に蓄積された弾性エネルギーはほとんど放出されるため、演奏者の指への反力は錘7の重量に起因する復帰力のみとなり、脱進感が得られる。
以上のように、押鍵往行程において、弾性エネルギーの蓄積と該弾性エネルギーの放出とにより指への反力を明瞭に変化させることができる。また、弾性エネルギーの放出は、弧状部分82aとガイドレール64aとの滑り摩擦状態の変化により生じるので、押鍵の強弱により弾性係合体の摩擦部材と受け部との滑り摩擦状態の変化態様が異なるように構成すれば、押鍵態様に応じた自然な押鍵感触が得られる。
例えば、錘体84の質量を大きく設定する(例えば、5〜100g重)と、強押鍵時において、押鍵往行程において錘体84の慣性質量が平板バネ82に作用して該平板バネ82の移動を阻止するため、弧状部分82aとガイドレール64aとの滑り摩擦状態が静止摩擦状態から動摩擦状態へと速やかに移行せず、平板バネ82は弾性エネルギーを蓄積する。該蓄積されたエネルギーは静止摩擦状態から動摩擦状態へと移行した後に放出されるため、弧状部分82aのガイドレール64aからの脱落に起因するクリック感がマスキングされる。また、このとき、押鍵往行程の初期において平板バネ82は屈曲しやすくなるため、演奏者の指への反力を吸収することができる。その後、弧状部分82aがガイドレール64aから脱落すると、演奏者の指への反力は錘7の重量に起因する復帰力のみとなり、脱進感が得られる。
以上により、強押鍵時では良好な動的レットオフ感を得ることができる。
一方、弱押鍵時では、錘体84の慣性力が小さいため、平板バネ82の屈曲量も小さい。押鍵往行程の初期において演奏者の指に負荷される反力は、錘7の重量に起因する復帰力と小さな屈曲量に起因する平板バネ82の反発力のみで構成される。また、弱押鍵時では、平板バネ82の屈曲量が小さいため、蓄積される弾性エネルギーが小さい。したがって、静止摩擦状態から動摩擦状態へと移行した後に放出される弾性エネルギーも小さいため、クリック感がマスキングされない。その後、弧状部分82aがガイドレール64aから脱落すると、演奏者の指への反力は錘7の重量に起因する復帰力のみとなり、脱進感が得られる。
以上により、弱押鍵時では良好な静的レットオフ感を得ることができる。
次に、上述した本実施の形態を下記に定義する係合角度の観点から説明する。
本実施の形態における係合角度とは、ガイドレール64a及び弧状部分82aの当接点P4(図6(a)を参照。)と平板バネ82の上端部である点P5(図6(a)を参照。)とを結ぶ線分と、ガイドレール64aとがなす角度θである。
弧状部分82aとガイドレール64aとの滑り摩擦状態が静止摩擦状態である場合、平板バネ82の屈曲により、点P5は下方へ移動するため、係合角度は漸減する。その後、弧状部分82aとガイドレール64aとの滑り摩擦状態が、静止摩擦状態から動摩擦状態へと移行して、弧状部分82aがガイドレール64a上を摺動し始めたときに、当接点P4が後方に移動することによって係合角度は急激に減少する。
係合角度が減少すると平板バネ82による指への反力は減少するので、係合角度の漸減により指への反力を円滑に変化させることができる。また、係合角度の急激な減少は弧状部分82aとガイドレール64aとの滑り摩擦状態の変化により生じる。ここで、錘体84の質量を調整することによって平板バネ82に作用する慣性力を調整し、これにより、押鍵の強弱に応じた弧状部分82aとガイドレール64aとの滑り摩擦状態の変化態様を制御することができる。したがって、錘体84の質量を調整することにより、指への反力を明瞭に変化させることができる。特に、係合角度は押鍵往行程の後半で小さくなるので、脱進感が得られて円滑なレットオフ感が得られる。
また、弧状部分82aがガイドレール64aに対して摺動し始めるまでは、平板バネ82の弾性エネルギーの蓄積を促進するように係合角度はほとんど漸減せず、弧状部分82aがガイドレール64aに対して摺動し始めた後は、係合角度が押鍵往行程の進行に応じて漸減するように構成してもよい。これにより、指への反力の明瞭な変化とその後の脱進感を得ることができるため、良好な静的レットオフ感が得られる。
さらに、上述した本実施の形態を下記に定義する接触角度の観点から説明する。
本実施の形態における接触角度とは、平板バネ82とガイドレール64aとがなす角度、より具体的には、平板バネ82における弧状部分82aの上部及び弧状部分82aの間の部分とガイドレール64aとがなす角度θ’である(図6(a)を参照。)。
弧状部分82aとガイドレール64aとの滑り摩擦状態が静止摩擦状態である場合、平板バネ82は前方に凸となるように屈曲する。このとき、接触角度は漸減する。その後、弧状部分82aとガイドレール64aとの滑り摩擦状態が、静止摩擦状態から動摩擦状態へと移行して、弧状部分82aがガイドレール64a上を摺動し始めたときに、弧状部分82aが後方に移動することによって接触角度は急激に減少する。
接触角度が減少すると平板バネ82による指への反力は減少するので、接触角度の漸減により指への反力を円滑に変化させることができる。また、接触角度の急激な減少は弧状部分82aとガイドレール64aとの滑り摩擦状態の変化により生じる。ここで、錘体84の質量を調整することによって平板バネ82に作用する慣性力を調整し、これにより、押鍵の強弱に応じた弧状部分82aとガイドレール64aとの滑り摩擦状態の変化態様を制御することができる。したがって、錘体84の質量を調整することにより、指への反力を明瞭に変化させることができる。特に、接触角度は押鍵往行程の後半で小さくなるので、脱進感が得られて円滑なレットオフ感が得られる。
なお、平板バネ82W、82Bの屈曲をより安定させる観点からは、平板バネ82W、82Bは、上記第2の実施の形態と同様に、後方に凸となるように予め屈曲させておいてもよい。この場合、平板バネ82W、82Bは、単独で真直であってもよし、予め塑性変形等により屈曲させておいてもよい。
なお、白鍵用及び黒鍵用のいずれも、図6(b)に示す鍵タッチ感触付加手段TC4のように、一体の平板バネ82W、82Bに代えて、いずれも剛体に近い部材で別体に構成した第1板85と第2板86とを蝶番87で回動自在に連結してもよい。この構成によれば、押鍵されても第2板86の座屈乃至屈曲は起こらず、蝶番87における回動により、錘体84を保持した弧状部分85aがガイドレール80b上をスライドし、その摩擦により反力が発生する。そして、弧状部分85aがガイドレール80bから脱落することで、反力が急激に減少する。弧状部分85aとガイドレール80bとの摩擦を適当に設定することで、押鍵感触の調節が可能である。また、鍵2自体に慣性が付与されているので、自然な押鍵感触を実現することができる。
なお、第1板85と第2板86を、蝶番87に代えて、バネ性の小さい薄板体を用いて連結してもよい。
また、垂下部81と第2板86とは第1板85を介して連結され、第2板86は垂下部81からオフセットして配置されるが、第2板86を垂下部81に直接連結し、且つ第2板86と垂下部81を直線上に配置してもよい。これにより、押鍵時において静摩擦状態を長く維持することができ、もってクリック感がより強調される。
なお、上記第1、第2の実施の形態においても、第3の実施の形態の図6(a)の例と同様に、弾性係合体として弾性係合体50、70に代えて平板バネを適用することで、ガイドレール40a、64aを不要にしてもよい。
なお、上記第1、第2の実施の形態においても、第3の実施の形態における錘体84と同様の錘を設けてもよい。
なお、第1〜第3の実施の形態において、弾性係合体に採用される座屈乃至屈曲する弾性部材は、コイルスプリングや平板バネに限定されず、ゴム、針金状の部材を多数組合わせたもの等、屈曲乃至湾曲可能なものであればよい。
なお、第1〜第3の実施の形態において、ガイドレールは溝状凹部であるが、凸レール部であってもよく、この場合、該ガイドレールと係合する係合体は該ガイドレールが摺動可能に嵌合する溝を有する。
本発明の第1の実施の形態に係る鍵盤装置の縦断面図である。 1つの鍵体に対応する鍵タッチ感触付加手段の構成を示す断面図である。 押鍵往行程における弾性係合体と受け部との係合関係の遷移を模式的に示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る鍵盤装置の縦断面図である。 共通台の斜視図(図(a))、鍵タッチ感触付加手段の1つの白鍵に対応する部分の構成を示す部分断面図(図(b))、及び鍵タッチ感触付加手段の1つの白鍵に対応する部分の、固定部材に対する取り付け部分を示す側面図(図(c))である。 本発明の第3の実施の形態の鍵盤装置の鍵タッチ感触付加手段の構成を示す側面図(図(a))、及び同実施の形態の変形例を示す鍵タッチ感触付加手段の部分側面図(図(b))である。
符号の説明
1 鍵盤シャーシ(支持部材)、 1d 鍵スイッチ基台部(センサ保持部)、 2 鍵、 2Wa、2Ba 鍵操作部、 4、36 回動支点部、 5 ハンマアーム(鍵復帰手段、質量体)、 15 下限ストッパ(鍵ストッパ体)、 17 押鍵スイッチ(鍵動作検出センサ)、 30 支持部材(支持部材)、 31 鍵体(鍵)、 37 復帰用スプリング(鍵復帰手段)、 40 受け部、 50 弾性係合体、 50b 上端部(一端部)、 50a 下端部(他端部)、 51 コイルスプリング、 52 ピン、 60、80 共通台(受け部材)、 60aW、80aW 白鍵用受け部(受け部)、 60aB、80aB 黒鍵用受け部(受け部)、 70 弾性係合体(反力付与部材)、 82 弾性係合体(反力付与部材)、86 第2板(係合体) TC1〜TC4 鍵タッチ感触付加手段

Claims (12)

  1. 支持部材と、
    前記支持部材に設けられた複数の回動支点部と、
    前記複数の回動支点部を中心に各々回動自在に前記支持部材に支持された複数の鍵と、
    前記複数の各鍵の非押鍵時に前記鍵が非押鍵状態となるように該鍵に復帰習性を与える鍵復帰手段と、
    前記鍵の押鍵時に該鍵に対して所定の感触特性を与える鍵タッチ感触付加手段とを有し、
    前記各鍵は鍵操作部を有し、
    前記鍵タッチ感触付加手段は、前記支持部材に設けられた受け部と、一端部が前記鍵の対応するものの鍵操作部に保持されると共に他端部が前記受け部に摺動可能に係合した弾性係合体とを有してなり、
    前記弾性係合体は、押鍵操作による押鍵往行程において屈曲することで前記対応する鍵に反力を与えると共に、押鍵往行程途中で前記他端部と前記受け部との滑り摩擦状態の変化によりその屈曲量が急減して前記鍵に与える反力が減少するように配設されたことを特徴とする鍵盤装置。
  2. 支持部材と、
    前記支持部材に設けられた複数の回動支点部と、
    前記複数の回動支点部を中心に各々回動自在に前記支持部材に支持された複数の白鍵及び複数の黒鍵からなる複数の鍵と、
    前記複数の各鍵の非押鍵時に前記複数の各鍵が非押鍵状態となるように該各鍵に復帰習性を与える鍵復帰手段と、
    前記複数の各鍵の押鍵時に該各鍵に対して所定の感触特性を与える鍵タッチ感触付加手段と、
    前記各鍵に対応して設けられ、対応する鍵の操作に連動する質量体とを有し、
    前記鍵タッチ感触付加手段は、前記支持部材に設けられた受け部と、一端部が前記鍵の鍵操作部に保持されると共に他端部が前記受け部に摺動可能に係合した弾性係合体とを有してなり、
    前記弾性係合体は、押鍵操作による押鍵往行程において屈曲することで前記鍵に反力を与えると共に、押鍵往行程途中で前記他端部と前記受け部との滑り摩擦状態の変化によりその屈曲量が急減して前記鍵に与える反力が減少するように配設され、
    前記各鍵、前記質量体及び前記鍵タッチ感触付加機構は、前記反力と前記質量体の慣性とに起因するタッチ感触が前記質量体に対応する鍵の押鍵時に該鍵を介して指に伝達されるように、配置されることを特徴とする鍵盤装置。
  3. 前記弾性係合体は、前記他端部と前記受け部との静止摩擦状態で屈曲する一方、前記他端部と前記受け部との滑り摩擦状態が静止摩擦状態から動摩擦状態に遷移したときその屈曲量が急減するように配設されたことを特徴とする請求項1または2記載の鍵盤装置。
  4. 前記弾性係合体は、前記鍵の非押鍵状態において一方向に屈曲し、押鍵時に前記一方向にさらに深く屈曲するように配設されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鍵盤装置。
  5. 前記弾性係合体はバネ部材であり、該バネ部材は、前記受け部と前記弾性係合体の前記他端部が摩擦係合する場合には弾性エネルギーを蓄積し、押鍵往行程途中で前記他端部と前記受け部との摩擦状態の変化により前記弾性エネルギーを放出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鍵盤装置。
  6. 前記受け部は、前記複数の鍵のうち複数の鍵に共通に一体的に構成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の鍵盤装置。
  7. 支持部材と、
    前記支持部材に各々回動自在に支持され、複数の白鍵及び複数の黒鍵からなる複数の鍵と、
    前記複数の各鍵の非押鍵時に前記複数の各鍵が所定の位置まで復帰するように該各鍵に復帰習性を与える鍵復帰手段と、
    前記複数の各鍵の自由端部に対応して設けられ、対応する鍵と当接して該鍵の押鍵終了位置を規制する鍵ストッパ体と、
    前記複数の各鍵の非押鍵時に前記複数の各鍵が非押鍵状態となるように該各鍵に復帰習性を与える鍵タッチ感触付加手段と、
    前記複数の各鍵に対応して設けられ、対応する鍵により駆動されて該鍵の動作を検出する複数の鍵動作検出センサと、
    前記支持部材に保持され、前記複数の鍵動作検出センサを保持するセンサ保持部とを有し、
    前記各鍵は鍵操作部を有し、
    前記鍵タッチ感触付加手段は、前記支持部材に設けられた受け部と、一端部が前記鍵の対応するものの鍵操作部に保持されると共に他端部が前記受け部に摺動可能に係合した弾性係合体とを有してなり、鍵長手方向における前記鍵ストッパ体と前記センサ保持部との間に配置され、
    前記弾性係合体はバネ部材であり、該バネ部材は、前記受け部と前記弾性係合体の前記他端部が摩擦係合する場合には弾性エネルギーを蓄積し、押鍵往行程途中で前記他端部と前記受け部との摩擦状態の変化により前記弾性エネルギーを放出することを特徴とする鍵盤装置。
  8. 支持部材と、
    前記支持部材に設けられた複数の回動支点部と、
    前記複数の回動支点部を中心に各々回動自在に前記支持部材に支持された複数の鍵と、
    前記複数の各鍵の非押鍵時に前記鍵が非押鍵状態となるように該鍵に復帰習性を与える鍵復帰手段と、
    前記鍵の押鍵時に該鍵に対して所定の感触特性を与える鍵タッチ感触付加手段とを有し、
    前記各鍵は鍵操作部を有し、
    前記鍵タッチ感触付加手段は、前記支持部材に設けられた受け部と、一端部が前記鍵の対応するものの鍵操作部に保持される弾性係合体とを有してなり、
    前記弾性係合体は、弾性エネルギーを蓄積可能な部材と、他端部に配された前記受け部と摺動可能に係合する摩擦部材とを備え、
    前記弾性係合体は、前記受け部と前記摩擦部材が摩擦結合する場合には弾性エネルギーを蓄積し、押鍵往行程途中で前記摩擦部材と前記受け部との摩擦状態の変化により前記蓄積された弾性エネルギーを放出するように配設されたことを特徴とする鍵盤装置。
  9. 前記弾性係合体は、前記摩擦部材が前記受け部に対して摺動し始めたときに、前記蓄積された弾性エネルギーを放出することを特徴とする請求項8記載の鍵盤装置。
  10. 前記弾性係合体は、押鍵態様に応じて前記蓄積された弾性エネルギーの放出度合いを変化させることを特徴とする請求項9記載の鍵盤装置。
  11. 支持部材と、
    前記支持部材に設けられた複数の回動支点部と、
    前記複数の回動支点部を中心に各々回動自在に前記支持部材に支持された複数の鍵と、
    前記複数の各鍵の非押鍵時に前記鍵が非押鍵状態となるように該鍵に復帰習性を与える鍵復帰手段と、
    前記鍵の押鍵時に該鍵に対して所定の感触特性を与える鍵タッチ感触付加手段とを有し、
    前記各鍵は鍵操作部を有し、
    前記鍵タッチ感触付加手段は、前記支持部材に設けられた受け部と、一端部が前記鍵の対応するものの鍵操作部に保持される弾性係合体とを有してなり、
    前記受け部は押鍵方向に対して傾斜し、
    前記弾性係合体は、弾性エネルギーを蓄積可能な部材と、他端部に配された前記受け部と摺動可能に係合する摩擦部材とを備え、
    前記受け部及び前記弾性係合体は、押鍵往行程において、前記受け部及び前記摩擦部材の当接点と前記弾性係合体の一端部とを結ぶ線分と、前記受け部とがなす角度が押鍵往行程の進行に応じて漸減するように配設され
    且つ、前記受け部及び前記弾性係合体は、押鍵往行程途中で前記摩擦部材が前記受け部に対して摺動し始め、前記摩擦部材が前記受け部に対して摺動し始めるまでは、前記弾性係合体の弾性エネルギーの蓄積を促進するように前記角度は漸減せず、前記摩擦部材が前記受け部に対して摺動し始めた後は、前記角度が押鍵往行程の進行に応じて漸減するように配設されていることを特徴とする鍵盤装置。
  12. 支持部材と、
    前記支持部材に設けられた複数の回動支点部と、
    前記複数の回動支点部を中心に各々回動自在に前記支持部材に支持された複数の鍵と、
    前記複数の各鍵の非押鍵時に前記鍵が非押鍵状態となるように該鍵に復帰習性を与える鍵復帰手段と、
    前記鍵の押鍵時に該鍵に対して所定の感触特性を与える鍵タッチ感触付加手段とを有し、
    前記各鍵は鍵操作部を有し、
    前記鍵タッチ感触付加手段は、一端部が前記鍵の対応するものの鍵操作部に保持され且つ他端部が質量体を保持する弾性係合体と、前記支持部材に設けられた受け部とを有してなり、
    前記受け部は押鍵方向に対して傾斜し、
    前記弾性係合体の他端部は前記受け部と摺動可能に係合し、
    前記弾性係合体は弾性エネルギーを蓄積可能な部材であり、
    前記受け部及び前記弾性係合体は、押鍵往行程において、前記受け部及び前記他端部の当接点と前記弾性係合体の一端部とを結ぶ線分と、前記受け部とがなす角度が押鍵往行程の進行に応じて漸減するように配設され
    且つ、前記受け部及び前記弾性係合体は、押鍵往行程途中で前記他端部が前記受け部に対して摺動し始め、前記他端部が前記受け部に対して摺動し始めるまでは、前記弾性係合体の弾性エネルギーの蓄積を促進するように前記角度は漸減せず、前記他端部が前記受け部に対して摺動し始めた後は、前記角度が押鍵往行程の進行に応じて漸減するように配設されていることを特徴とする鍵盤装置。
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