JP4654986B2 - 車両用シートのケーブル連結構造 - Google Patents

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本発明は、車両用シートのケーブル連結構造に関する。詳しくは、車両用シートのヘッドレストの内部に配索された第1のケーブル部材と、シートバックの内部に配索された第2のケーブル部材と、を連結するための車両用シートのケーブル連結構造に関する。
従来、自動車の座席用シートには、車両の後面衝突の発生時にヘッドレストを瞬時に前方移動させて乗員の頭部をサポートすることのできるアクティブヘッドレストが採用されているものがある。例えば、下記特許文献1には、4節リンク機構の動きを利用して、ヘッドレストの頭受部となる支承部を前方移動させる技術が開示されている。この開示では、シートバックに組み付けられて固定されるヘッドレスト基部と支承部との間に4節リンク機構が設けられている。そして、この4節リンク機構のヘッドレスト基部側に固定される固定リンクと他の可動リンクとの間には、ばね部材が設定されている。これにより、4節リンク機構は、常時は支承部を前方移動させる回動方向に附勢を受けている。ここで、4節リンク機構は、車両衝突が発生する前の常時は、支承部をヘッドレスト基部側に引き込まれた初期位置の姿勢状態で保持されている。そして、車両衝突が発生することにより、この保持状態が解除されて、支承部が前方に附勢移動するようになっている。
ところで、上記した4節リンク機構の保持状態を解除する操作は、シートバックの内部に配設された加圧板の動きに連動して行われるようになっている。この加圧板は、シートバックの内部で回動可能に軸支されており、後面衝突の発生時に乗員の背凭れ荷重を受けて押し動かされるようになっている。そして、この加圧板と4節リンク機構の保持機構との間には、ケーブル部材が掛け渡されている。このケーブル部材は、加圧板の動きに合わせて牽引操作されるようになっており、その牽引された動きを保持機構に伝えて解除操作する。ここで、ケーブル部材は、管状のアウターケーブルの内部にインナーケーブルが抜き挿し動可能に挿通された2重構造となっている。
このケーブル部材は、ヘッドレストの内部とシートバックの内部とを通って配索される。したがって、ヘッドレストがシートバックに対して着脱式に構成されている場合には、ケーブル部材を予めそれぞれの内部に分けて配索しておき、ヘッドレストの装着時にこれらの端部同士を連結する構成とすれば、かかる配索作業を比較的容易に行うことができる。
ここで、下記特許文献2には、ヘッドレストの内部に配索された電気配線とシートバックの内部に配索された電気配線とを連結する構造に関する技術が開示されている。この開示技術では、ヘッドレストのステーをシートバックの上面部に挿し込む装着作業を行うことにより、それぞれの内部に配索された電気配線同士が自動的に連結されるようになっている。
特開2002−142910号公報 特開2003−299549号公報
しかし、上記特許文献2に開示された従来技術では、ケーブル部材のように2重構造となっている部材同士を連結するための技術として適用することはできない。すなわち、2重構造のケーブル部材の場合には、インナーケーブルがアウターケーブルに対して相対運動可能となる状態に各ケーブル同士を連結しなければならないからである。
本発明は、上記した問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、ヘッドレストをシートバックに装着することにより、それぞれの内部に配索された2重構造のケーブル部材同士を自動的に連結できるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の車両用シートのケーブル連結構造は次の手段をとる。
先ず、第1の発明は、車両用シートのヘッドレストの内部に配索された第1ケーブル部材と、シートバックの内部に配索された第2ケーブル部材と、を連結するための車両用シートのケーブル連結構造である。第1ケーブル部材及び第2ケーブル部材は、共に、線状のインナー部材が管状のアウター部材の内部に軸線方向に相対運動可能な状態に挿通された2重構造となっている。ヘッドレストの内部に配索された第1ケーブル部材は、その連結端部がヘッドレストの下部に立設された管状のステーの内部に配索された状態で保持されている。シートバックの内部に配索された第2ケーブル部材は、その連結端部がシートバックに形成されたヘッドレストのステーを挿し込むための挿込口の延長線上の位置まで配索されている。第1及び第2ケーブル部材の双方の連結端部には、両ケーブル部材の連結端部が軸方向に重ね合わされる相対的な軸方向移動によって互いに軸方向に一体的な係合状態となるロック構造が形成されている。ロック構造は、両アウター部材の連結端部に形成されたアウターロック構造と、両インナー部材の連結端部に形成されたインナーロック構造と、を有する。ヘッドレストに設けられたステーをシートバックに形成された挿込口に挿し込むことにより、第1及び第2ケーブル部材のアウター部材の両連結端部が重合して軸方向に対して一体的な係合状態とされる。そして、第1及び第2ケーブル部材のインナー部材の両連結端部が重合して軸方向に対して一体的な係合状態とされる。シートバックの内部に配索された第2ケーブル部材は、シートバックに設けられた保持装置によりインナー部材及びアウター部材のシートバックに対する相対運動が規制された状態で保持可能とされており、この保持状態で第1ケーブル部材と第2ケーブル部材の両連結端部の連結が行われ、両連結端部が連結された状態で保持装置による保持状態が解除される。
この第1の発明によれば、シートバックに設けられた保持装置は、第2ケーブル部材のインナー部材及びアウター部材のシートバックに対する相対運動を規制した状態として、その連結端部を挿込口の延長線上の位置に保持している。そして、この保持状態で、ヘッドレストに設けられたステーをシートバックに形成された挿込口に挿し込むことにより、アウターロック構造によって、両ケーブル部材のアウター部材同士が連結される。そして、インナーロック構造によって、両ケーブル部材のインナー部材同士が連結される。そして、この連結状態で、保持装置による保持状態が解除されることにより、第2ケーブル部材のアウター部材及びインナー部材は、それぞれ、シートバックに対する保持状態が解除される。これにより、第2ケーブル部材は、挿込口に対するステーの抜き挿し移動に追従可能な状態となる。そして、各ケーブル部材は、インナー部材をアウター部材に対して軸線方向に相対運動させることのできる状態となる。
更に、第2の発明は、上述した第1の発明において、ロック構造は、ステーの挿込口への挿し込みにより、先に、アウターロック構造が係合してアウター部材同士が連結される。そして、このアウターロック構造の係合状態から更にステーを挿し込むことにより、インナーロック構造が係合してインナー部材同士が連結されることを特徴とする。
この第2の発明によれば、ステーを挿込口に挿し込むことにより、先ず、アウターロック構造が係合してアウター部材同士が連結される。そして、この状態からステーを更に挿し込むことにより、次に、インナーロック構造が係合してインナー部材同士が連結される。
次に、第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、ヘッドレストの内部に配索された第1ケーブル部材のアウター部材は、ヘッドレストの下部に立設された管状のステーであることを特徴とする。
この第3の発明によれば、第1ケーブルは、管状に形成されたステーをアウター部材として、その内部にインナー部材が挿し通された2重構造となる。
次に、第4の発明は、上述した第1から第3のいずれかの発明において、ヘッドレストに設けられた管状のステーは、その周面部に窓部が貫通して形成されており、ステーの内部に引き込まれた第1ケーブル部材の連結端部が窓部から視認可能となっていることを特徴とする。
この第4の発明によれば、ステーに形成された窓部により、第1ケーブル部材と第2ケーブル部材との連結状態を視認することができる。
次に、第5の発明は、上述した第1から第4のいずれかの発明において、アウターロック構造は、第2ケーブル部材のアウター部材の連結端部に設けられ、径方向外方に突出し、かつ、径方向の内方に撓み変形可能とされた外掛爪と、第1ケーブル部材のアウター部材の内周面部に形成された凹状の内掛部と、を有する。ステーの挿込口への挿し込みにより、第2ケーブル部材のアウター部材に設けられた外掛爪が第1ケーブル部材のアウター部材の内周面に押圧されて窄められた後に復元し内掛部に弾性的に掛着する。
この第5の発明によれば、第2ケーブル部材に設けられたアウターロック構造の外掛爪は、第1ケーブル部材のアウター部材が挿し込まれることにより、その内周面に押圧されて径方向に窄められる。そして、この外掛爪は、アウター部材が更に挿し込まれることにより、その内周面部に形成された凹状の内掛部において復元しこれに弾性的に掛着する。
次に、第6の発明は、上述した第1から第5のいずれかの発明において、インナーロック構造は、第2ケーブル部材のインナー部材の連結端部に設けられ、径方向内方に突出し、かつ、径方向の外方に撓み変形可能とされた内掛爪と、第1ケーブル部材のインナー部材の外周面部に形成された凹状の外掛部と、を有する。ステーの挿込口への挿し込みにより、第2ケーブル部材のインナー部材に設けられた内掛爪が第1ケーブル部材のインナー部材の外周面に押圧されて広げられた後に復元し外掛部に弾性的に掛着する。
この第6の発明によれば、第2ケーブル部材に設けられたインナーロック構造の内掛爪は、第1ケーブル部材のインナー部材が挿し込まれることにより、その外周面に押圧されて径方向に広げられる。そして、この内掛爪は、インナー部材が更に挿し込まれることにより、その外周面部に形成された凹状の外掛部において復元しこれに弾性的に掛着する。
次に、第7の発明は、上述した第6の発明において、ヘッドレストの下部にはその幅長方向に複数本のステーが立設されており、第1ケーブル部材を内部に配索している管状のステーはその他のステーよりも長尺に形成されている。長尺のステーを挿込口に挿し込んだ状態で、かつ、その他のステーを挿込口から引き抜いた状態では、長尺のステーを基軸としてヘッドレストをシートバックに対して軸回動させられるようになっている。第2ケーブル部材のアウター部材の連結端部には、径方向外方に突出した掛突部が形成されている。第1ケーブル部材のアウター部材の連結端部における内周面部には、軸方向と周方向とに折れ曲がり状に延びた凹状の掛入溝が形成されている。ヘッドレストをシートバックへの装着時の姿勢向きに対して一方向に軸回動させた姿勢状態で長尺のステーを挿込口に差し込むことにより、第2ケーブル部材のアウター部材に形成された掛突部が第1ケーブル部材のアウター部材に形成された掛入溝に軸方向に受け入れられるようになっており、受け入れられた状態から長尺のステーを基軸としてヘッドレストをシートバックに対する装着時の姿勢向きに戻す方向に軸回動させることにより、掛突部が掛入溝の周方向に受け入れられて掛入溝に対する軸方向への相対移動が規制された連結状態に切り換えられるようになっている。一方、第2ケーブル部材のインナー部材の連結端部に設けられた内掛爪は、互いに離間した軸対称位置に対で配置されている。第1ケーブル部材のインナー部材の連結端部には、板面が面一状か若しくは内掛爪間の離間幅よりも薄い板厚を有する板形状の外掛板部が形成されていて、その外周面部を成す板状の両肩部分において凹状の外掛部が形成されている。ヘッドレストをシートバックへの装着時の姿勢向きに対して一方向に軸回動させた姿勢状態で長尺のステーを挿込口に差し込むことにより、第2ケーブル部材のインナー部材に形成された内掛爪間に第1ケーブル部材のインナー部材に形成された外掛板部が板厚方向に挟み込まれた状態として軸方向に受け入れられるようになっており、受け入れられた状態から長尺のステーを基軸としてヘッドレストをシートバックに対する装着時の姿勢向きに戻す方向に軸回動させることにより、外掛板部の両肩部分に形成された凹状の外掛部に内掛爪がそれぞれ周方向に受け入れられて内掛爪に対する軸方向への相対移動が規制された連結状態に切り換えられるようになっている。第1及び第2ケーブル部材のアウター部材同士及びインナー部材同士が連結された状態で、長尺のステーを基軸としてヘッドレストをシートバックへの装着時の姿勢向きに対して一方向に軸回動させることにより、各連結状態が解除されて軸方向への引抜き移動が可能となる。
この第7の発明によれば、ヘッドレストをシートバックへの装着時の姿勢向きに対して一方向に軸回動させた姿勢状態で長尺のステーを挿込口に差し込み、その後に長尺のステーを基軸としてヘッドレストをシートバックに対する装着時の姿勢向きに戻す方向に軸回動させることにより、第1及び第2ケーブル部材のアウター部材同士及びインナー部材同士がそれぞれ連結された状態となる。そして、この連結状態から、今度は長尺のステーを基軸としてヘッドレストをシートバックへの装着時の姿勢向きに対して一方向に軸回動させることにより、各連結状態が解除されて軸方向への引抜き移動が可能となる。
次に、第8の発明は、上述した第1から第7のいずれかの発明において、シートバックに形成された挿込口には、挿込口に挿し込まれたヘッドレストのステーの外周面部に係止することのできる出没動可能な係止爪が設けられている。第2ケーブル部材に形成されたアウターロック構造及びインナーロック構造は、それぞれ、係止爪の上面に載置可能な座面を有する。保持装置による第2ケーブル部材のシートバックに対する保持は、両ロック構造の座面を挿込口の口内に突出した係止爪にそれぞれ載置させて係止させることによって行われる。
この第8の発明によれば、第2ケーブル部材に形成されたアウターロック構造及びインナーロック構造は、それぞれ、シートバックの挿込口に設けられた係止爪の上面に載置されることにより重力方向への移動が規制される。これにより、第2ケーブル部材は、アウター部材に対するインナー部材の軸線方向の相対運動(シートバックの内部への落込み移動)が規制された状態として、その連結端部が挿込口上の位置に保持される。
本発明は上述した手段をとることにより、次の効果を得ることができる。
先ず、第1の発明によれば、アウター部材同士とインナー部材同士とをそれぞれに連結することのできるロック構造を設けたことにより、ヘッドレストをシートバックに装着することによって、それぞれの内部に配索された2重構造のケーブル部材同士を自動的に連結することができる。そして、第2ケーブル部材のシートバックに対する保持状態を切り換えることのできる保持装置を設けたことにより、ステーの挿込口への挿し込み動作を妨げずに上記の連結を行うことができる。
更に、第2の発明によれば、アウター部材同士が連結された後にインナー部材同士が連結されるようにしたことで、各連結操作を一つずつ順番に行うことができる。
更に、第3の発明によれば、ヘッドレストのステーを第1ケーブル部材のアウター部材としたことにより、かかる構成を合理化し、部品点数を削減することができる。
更に、第4の発明によれば、ステーに両ケーブル部材の連結状態を視認することのできる窓部を形成したことにより、連結操作を確認しながら行うことができる。
更に、第5の発明によれば、アウターロック構造を双方の連結端部の挿し込みによって弾性的に掛着する爪構造としたことにより、かかる構成を比較的簡単に具現化することができる。
更に、第6の発明によれば、インナーロック構造を双方の連結端部の挿し込みによって弾性的に掛着する爪構造としたことにより、かかる構成を比較的簡単に具現化することができる。
更に、第7の発明によれば、ヘッドレストをシートバックへの装着時の姿勢向きに対して軸回動させる操作によって、第1及び第2ケーブル部材の連結状態を切り換えることができる。したがって、ヘッドレストをシートバックに対して自在に取付け取外しをすることができる。
更に、第8の発明によれば、ヘッドレストのステーを係止させるために設けられた係止爪により、第2ケーブル部材を挿込口に露出させた状態として保持することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態の実施例について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1の車両用シートのケーブル連結構造について図1〜図20を用いて説明する。
ここで、図1は本実施例のケーブル連結構造の概略構成を表した斜視図であり、図2は第1ケーブル部材100及び第2ケーブル部材200の配索状態を表した斜視図である。
そして、図3はヘッドレスト3の概略構成を側面視によって表した構成図であり、図4はヘッドレスト3及びシートバック2の骨格構造を背面側から見た斜視図である。
そして、図5は4節リンク機構10の初期の姿勢状態を表した斜視図であり、図6は4節リンク機構10の回動後の姿勢状態を表した斜視図である。そして、図7は4節リンク機構10の回動前後の動きを側面視によって表した構成図である。
そして、図8は加圧板21の移動前後の動きを前面側から見た斜視図であり、図9は図8の側面図である。
そして、図10は原動リンク13を拡大して表した構成図である。
そして、図11はステー50が挿込口61に挿し込まれていく状態を図2のXI−XI線切断面から見た断面図であり、図12は図11の状態を図2のXII−XII線切断面から見た断面図である。
そして、図13はアウター部材110,210同士が連結された状態を図2のXI−XI線切断面から見た断面図であり、図14は図13の状態を図2のXII−XII線切断面から見た断面図である。
そして、図15はインナー部材120,220同士が連結された状態を図2のXI−XI線切断面から見た断面図であり、図16は図15の状態を図2のXII−XII線切断面から見た断面図である。
そして、図17は図15の状態からステー50が更に挿し込まれた状態を図2のXI−XI線切断面から見た断面図であり、図18は図17の状態を図2のXII−XII線切断面から見た断面図である。
そして、図19は図17の状態でケーブル部材Kが牽引操作された状態を図2のXI−XI線切断面から見た断面図であり、図20は図19の状態を図2のXII−XII線切断面から見た断面図である。
ここで、図4〜図9では、本実施例の構成を分かり易く表すために、ヘッドレスト3やシートバック2の表皮構造を省略し内部の骨組み構造のみを表している。したがって、以下の説明において、ヘッドレスト3やシートバック2の表皮構造について述べる場合には、適宜図3を参照するものとする。
本実施例のヘッドレスト3は、図3に示されるように、車両用シート1の一部を構成しており、シート1に着座した乗員の頭部をその後方側から支持するようになっている。このヘッドレスト3は、シートバック2の上部に設置されており、常時はこの設置された姿勢状態を維持するようになっている。しかし、このヘッドレスト3は、車両の後面衝突発生時には、乗員の頭部を受け止める曲板形状の支承部3aを瞬時に前進移動させられるようになっている。これにより、車両の後面衝突発生時において、シートバック2やヘッドレスト3から体を前方に浮かした着座姿勢となっている乗員に対し、支承部3aだけを単独で後頭部の直ぐ後ろまで接近移動させることができる。したがって、後面衝突の発生時には、頭部がその勢いによって後傾し過ぎないようにサポートすることができ、頸部にかかる負荷を軽減することができる。
ここで、上記した支承部3aの前進移動は、ヘッドレスト3の内部に組み込まれた4節リンク機構10の回動に伴って行われる。この4節リンク機構10は、支承部3aとヘッドレスト3の支柱であるステー50,50との間に設けられている。この4節リンク機構10は、常時は、図7の実線で示されている姿勢状態に保持されており、曲板形状の支承部3a(図3参照)を初期位置の状態に保持している。そして、4節リンク機構10は、車両の後面衝突の発生によって上記の保持状態が解除されることにより、附勢によって支承部3aを前進移動させる方向(矢印で示されている進行方向)に回動する。これにより、4節リンク機構10は、同図の仮想線で示されるように、支承部3aを、ステー50,50に対する通常時の初期位置の状態(実線状態)から相対的に前方かつ上方に移動させる。ここで、4節リンク機構10の進行方向への附勢回動は、仮想線で示されている状態位置で規制されるようになっている。そして、これにより、支承部3aを頭部の直ぐ後ろの衝突対応位置に接近移動させた状態として保持することができる。ここで、4節リンク機構10の初期の姿勢状態は図5において斜視図で表されており、回動後の姿勢状態は図6において斜視図で表されている。
ところで、上記した4節リンク機構10の保持状態を解除する操作は、図4に示されている解除操作機構20の作動によって行われる。この解除操作機構20は、シートバック2の内部に配設されている。そして、この解除操作機構20は、4節リンク機構10を初期位置の状態に係合によって保持している保持部材30の解除操作を行う押動カム40に連結されている。ここで、解除操作機構20は、車両の後面衝突の発生により、その勢いで乗員の背部がシートバック2に大きく圧し掛かろうとする背凭れ荷重を受けて後方側に押し動かされる構造となっている。そして、解除操作機構20は、この押動によって、押動カム40を操作し、保持部材30と4節リンク機構10との係止状態を解除させるようになっている。
以下、4節リンク機構10や解除操作機構20等の各構成について詳しく説明する。
先ず、4節リンク機構10について説明する。
すなわち、4節リンク機構10は、図6に示されるように、可動リンク11、固定リンク12、原動リンク13及び従動リンク14を有する。これら各リンクは、樹脂によって形成されている。
詳しくは、可動リンク11は、前述した曲板形状の支承部3aとして構成されている。そして、固定リンク12は、厚板状に形成されており、ヘッドレスト3の各ステー50,50と一体的に連結されている。そして、原動リンク13,13及び従動リンク14,14は、可動リンク11と固定リンク12とを繋ぐかたちでこれらにリンク連結されている。これら原動リンク13,13や従動リンク14,14は、ヘッドレスト3の幅長方向に左右一対の構成となっている。そして、原動リンク13,13や従動リンク14,14は、可動リンク11や固定リンク12に対して長尺棒状の連結軸10a〜10dによってそれぞれリンク連結されており、左右の動きが同期して行われるようになっている。
また、4節リンク機構10の連結軸10aと連結軸10cとの間には、引張ばねSaが掛け渡されている。この引張ばねSaにより、4節リンク機構10は、常時は、その進行の回動方向に附勢されている。ここで、4節リンク機構10の進行の回動方向とは、図7で見て、原動リンク13,13が連結軸10dを中心として時計回りに回動する方向のことである。
ここで、図3に示されるように、前述したステー50,50は、ヘッドレスト3の下部に立設されており、その中程から上側の部分がくの字上に前傾した屈曲形状に形成されている。そして、図4に示されるように、ステー50,50は、シートバック2の骨格を成すバックフレーム2fのアッパフレームFuに固定されたサポート60,60に挿し込まれている。これにより、ヘッドレスト3がシートバック2の上部に設置された状態として保持されている。なお、ステー50,50のサポート60,60に対する挿し込み構造については後に詳しく説明する。
また、図7の紙面に表されている側(ヘッドレスト3の幅長方向の左側)に配された原動リンク13には、そのリンクの長手方向に沿って長孔13aが形成されている。そして、この長孔13aには、保持部材30に設けられた係合ピン31がスライド移動自在に嵌め込まれている。なお、原動リンク13の構成は、図10において詳しく表されている。
ここで、保持部材30は、樹脂によってリンク形状に形成されている。そして、保持部材30は、前述した各連結軸10a〜10dと平行な連結軸30aにより、その一端が固定リンク12に回動可能に軸支されている。詳しくは、連結軸30aは、連結軸10dに対してその前方かつ上方に離間した位置に配設されている。また、この保持部材30の他端には、軸方向に突出した係合ピン31が設けられている。この係合ピン31は、上述したように、原動リンク13の長孔13a内を長手方向にスライド移動自在に嵌め込まれている(図10参照)。これにより、保持部材30は、4節リンク機構10が進行方向(時計回り方向)に回動するときには、係合ピン31を長孔13a内で長手方向にスライド移動させながら、それ自身も進行方向に回動するようになっている。
ところで、図10に示されるように、前述した長孔13aは、連結軸10dにより軸支されている側の端部(一端)において、その長手方向に対して垂直方向に屈折した引込み形状の引込溝13bが形成されている。この引込溝13bは、同図の実線で示されているように、原動リンク13が初期位置の状態となったときに、係合ピン31をその内部に引き込めるように形成されている。そして、図7の実線で示されるように、係合ピン31が引込溝13bに引き込まれた状態では、4節リンク機構10が引張ばねSaによって進行方向に回動附勢されることにより、係合ピン31によって保持部材30が原動リンク13に突き当てられた状態となる。
すなわち、保持部材30は、原動リンク13の軸支位置(連結軸10d)から径方向に離間した位置(連結軸30a)で軸支されており、原動リンク13とは異なる回動軌跡を有している。したがって、保持部材30は、係合ピン31が引込溝13bに引き込まれていない状態(長孔13a内にある状態)であれば、原動リンク13の回動に伴って、係合ピン31を長孔13a内でスライド移動させながら共に回動する。しかし、保持部材30は、係合ピン31が引込溝13bに引き込まれた状態では、係合ピン31の長手方向へのスライド移動が規制された状態となる。これにより、保持部材30は、進行方向に回動しようとする原動リンク13に突き当てられてその回動を規制した係止状態となる。
また、図10に示されるように、長孔13aの終端13c、すなわち、前述した回動中心とは反対側の端部は、係合ピン31のスライド移動を当接によって係止できるようになっている。この長孔13aの終端13cは、図7の仮想線で示されるように、4節リンク機構10の進行方向への回動により、支承部3aが衝突対応位置に到達したときに、係合ピン31が当接するようになっている。これにより、係合ピン31の長手方向へのスライド移動が規制された状態となり、保持部材30は、進行方向に回動しようとする原動リンク13に突き当てられてその回動を規制した係止状態となる。
次に、押動カム40の構成について説明する。すなわち、図6に示されるように、押動カム40は、固定リンク12の幅長方向の左側部に配されており、前述した連結軸10dによって固定リンク12に回動可能に軸支されている。
この押動カム40は、樹脂によって形成されており、図7に良く示されるように、連結軸10dとの連結部を頂点とした略三角形状に形成されている。この押動カム40には、湾曲形状の案内孔41が形成されている。この案内孔41は、同図の実線で示さている押動カム40の紙面内右下方向に滑らかに湾曲した形状に形成されている。そして、この案内孔41には、後述する第1ケーブル部材100のインナー部材120の上端部が案内孔41内をスライド移動自在な状態として掛け入れられている。
これにより、押動カム40は、インナー部材120が紙面内下方向に牽引操作されると、案内孔41の内周面がこのインナー部材120の掛け入れられた上端部によって押圧されるかたちで時計回り方向に押し動かされるようになっている。そして、この時計回り方向への回動により、押動カム40は、前述した引込溝13bの内部に引き込まれている保持部材30を下方側から押圧して引込溝13bから押し出す(図10参照)。これにより、係合ピン31は、長孔13a内での長手方向へのスライド移動が許容される状態となる。すなわち、原動リンク13(4節リンク機構10)の進行方向への回動が許容される状態となる。
ここで、図3に示されるように、4節リンク機構10の進行方向(矢印方向)への回動が長孔13aの終端13cと保持部材30の係合ピン31との当接によって規制された状態、すなわち支承部3aが衝突対応位置まで移動した状態では、4節リンク機構10の姿勢状態は次のようになっている。すなわち、原動リンク13や従動リンク14は、各々の固定リンク12に対する連結軸10dまたは連結軸10aに対し、水平よりも上を向いた姿勢状態となっている。これにより、支承部3aとして構成された可動リンク11は、乗員の頭部を受け止める受止荷重を、4節リンク機構10を長孔13aの終端13cと保持部材30の係合ピン31との当接によって規制されている進行方向に回動させる押圧力として作用させる姿勢状態となっている。
したがって、車両の後面衝突の発生時には、支承部3aに後傾した乗員の頭部を受け止める受止荷重が作用しても、支承部3aは、進行方向とは逆方向(矢印の逆方向)に押し戻されない状態として保持される。
次に、解除操作機構20について説明する。
すなわち、解除操作機構20は、図8に示されるように、加圧板21と、軸支部材22と、腕部材23と、ケーブル部材Kと、を有する。これら各部材は、シートバック2の形状内部に配設されている。詳しくは、各部材は、図9に示されるように、シートバック2の骨格を成すバックフレーム2fのサイドフレームFsの前後幅に収まるように配設されている。ここで、ケーブル部材Kは、ヘッドレスト3の内部に配索された第1ケーブル部材100とシートバック2の内部に配索された第2ケーブル部材200とに分かれて構成されており、これらが連結されることで1本のケーブル部材Kとして構成されている。この第1ケーブル部材100と第2ケーブル部材200との連結構造については後に詳しく説明する。
詳しくは、先ず、加圧板21は、図8に示されるように、その上側と下側の縁部がシートバック2の後方側に反り返った湾曲形状に形成されている。この加圧板21は、その後方下側の位置で、サイドフレームFs,Fsに対して軸回動可能に連結された軸支部材22と一体に固定されている。詳しくは、軸支部材22は、両サイドフレームFs,Fs間に掛け渡されて固定された補強部材Rfに対し、これに更に固定して設けられた軸支ブラケットRbによって軸回動可能に連結されている。これにより、加圧板21は、シートバック2に対して、その形状内部で前後方向に押引動可能な状態とされている。この加圧板21は、常時は図8や図9の実線で示されている前側の姿勢位置に保持されている。そして、車両の後面衝突の発生により、その勢いで乗員の背部がシートバック2に大きく圧し掛かろうとする背凭れ荷重を受けることにより、同図の仮想線で示されるように後方側に押し動かされる。
次に、腕部材23は、図9に示されるように、軸支部材22と一体に固定されており、加圧板21や軸支部材22と回動を共にするようになっている。詳しくは、腕部材23は、軸支部材22の前方に向けて腕を延び出す形状に形成されている。これにより、加圧板21、軸支部材22及び腕部材23の一体構成より成る全体形状が、折曲点である軸支部材22を回動中心としたL字フレーム状に形成されている。この腕部材23には、第2ケーブル部材200のアウター部材210の下端部が一体に固定されている。
ここで、図1に示されるように、ケーブル部材Kは、ヘッドレスト3の内部に配索された第1ケーブル部材100と、シートバック2の内部に配索された第2ケーブル部材200と、に分かれて構成されている。そして、これら第1ケーブル部材100や第2ケーブル部材200は、ヘッドレスト3をシートバック2の上面部に装着する際に、互いの連結端部同士が1本に連結されるようになっている。
このヘッドレスト3の内部に配索された第1ケーブル部材100は、その第2ケーブル部材200と連結される側(紙面内下側)の端部が、ヘッドレスト3の下部に立設された一方側(ヘッドレスト3の幅長方向左側)のステー50の内部に配索された状態で保持されている。ここで、第1ケーブル部材100が配索されている左側のステー50は、管状に形成されている。
そして、シートバック2の内部に配索された第2ケーブル部材200は、その第1ケーブル部材100と連結される側(紙面内上側)の端部が、シートバック2の上面部に設けられた一方側(シートバック2の幅長方向左側)のサポート60の挿込口61の上側まで配索された状態として保持されている。
ここで、図1では、第1ケーブル部材100及び第2ケーブル部材200の各連結端部の構成を分かり易く示すために、これらがステー50やサポート60から引き出された状態として表されている。これらは、実際には、図2で示された配索状態で保持されている。
以下、第1ケーブル部材100及び第2ケーブル部材200の構成について詳しく説明する。
すなわち、第1ケーブル部材100は、図2に示されるように、線状のインナー部材120が管状のアウター部材110の内部に軸線方向に相対運動可能な状態に挿通された2重構造となっている。ここで、本実施例では、上記管状のアウター部材110が、ステー50自体によって構成されている。すなわち、第1ケーブル部材100は、管状のステー50の内部にインナー部材120が挿通された2重構造となっている。
このインナー部材120は、比較的剛性が高く撓み変形し難いワイヤー状の部材によって構成されている。そして、インナー部材120は、図5に示されるように、その上端部が押動カム40の案内孔41に掛け入れられている。これにより、インナー部材120は、常時は押動カム40に垂れ下げられた状態として保持されている。この状態では、インナー部材120の下端部は、図2に示されるように、ステー50の内部の下端位置で保持されている。
ここで、インナー部材120の下端部は、図1に示されるように、その先端(下端)が球状に形成されている。そして、この下端部の少し上側の外周面部には、径方向内方に凹状に窪んだ外掛部121が形成されている。この外掛部121は、全周方向に亘って連続的にひと繋ぎに形成されている。
一方、アウター部材110であるステー50には、その下端部における周面部の軸対称の位置に、窓部51,51が貫通して形成されている。これら窓部51,51は、ステー50の下端側に開口して形成されている。これにより、ステー50の内部に配索されたインナー部材120の下端部(連結端部)が、各窓部51,51によって外部から視認できるようになっている。
また、ステー50の内周面部には、上記窓部51,51の形成された位置から周方向に垂直となる軸対称の位置に、内掛部52,52が形成されている。これら内掛部52,52は、ステー50の周面部に貫通して形成されている。これにより、各内掛部52,52が、ステー50の内周面部から径方向外方に凹状に窪んだ形状として形成されている。
次に、第2ケーブル部材200について説明する。すなわち、第2ケーブル部材200は、図1に示されるように、前述した第1ケーブル部材100と同様に、線状のインナー部材220が管状のアウター部材210の内部に軸線方向に相対運動可能な状態に挿通された2重構造となっている。
そして、この第2ケーブル部材200の上端部(連結端部)には、第1ケーブル部材100の下端部(連結端部)と係合することのできるロック装置300が設けられている。このロック装置300は、第2ケーブル部材200のアウター部材210の連結端部に設けられたアウターロック部310と、インナー部材220の連結端部に設けられたインナーロック部320と、を有する。
前者のアウターロック部310は、樹脂製の一体成形品として形成されており、サポート60の挿込口61の内部に入り込むことのできる大きさの有底筒形状に形成されている。そして、このアウターロック部310は、第1ケーブル部材100のアウター部材110を構成するステー50と係合することのできる構成を備えている。
後者のインナーロック部320は、図12に示されるように、上記有底筒形状のアウターロック部310の内部(受入凹部312)に設けられており、第1ケーブル部材100のインナー部材120と係合することのできる構成を備えている。このインナーロック部320は、インナー部材220の連結端部と一体的に固定された円柱形状の受止部材321に対し、コ字状に折り曲げられた薄板部材322が挟み込み状に取り付けられた構成となっている。
これらアウターロック部310及びインナーロック部320は、互いに軸線方向に相対運動可能な構成関係となっているが、常時は図1に示されているサポート60の挿込口61に設けられた係止爪62と係止して、上記軸線方向の相対運動が規制された一体的な状態として保持されている(図2参照)。
なお、インナーロック部320は、図19や図20に示されるように、上記係止爪62による規制が解除されることにより、アウターロック部310に形成された受入凹部312の底面部312aと当接する位置まで、その相対的な下方向への移動が可能となる。
ここで、図1に示されるように、第2ケーブル部材200が配索されている側のサポート60には、挿込口61に挿し込まれたステー50を係止することのできる板状の係止爪62が設けられている。この係止爪62は、挿込口61に対して出没動可能に構成されており、常時は図示しない附勢ばねにより、挿込口61の内部に突出した姿勢状態(図示状態)として保持されている。そして、この係止爪62は、サポート60の側部に設けられたツマミ63と一体に形成されており、ツマミ63を図1の矢印方向に押し込む操作によって挿込口61の外側へ押し出されるようになっている。このように構成された係止爪62は、ステー50を挿込口61に挿し込むことにより、このステー50の外周面部に形成された係止溝Vに自動的に入り込む。これにより、ステー50は、係止爪62と係止して、その挿込方向への移動が規制された状態となる。そして、係止爪62によるステー50の係止状態は、ツマミ63の押込操作を行うことによって解除することができる。これにより、ステー50は、係止爪62による規制が解除され、その抜差方向への移動が可能となる。
そして、前述したロック装置300のアウターロック部310やインナーロック部320は、ステー50が挿込口61に挿し込まれる前の状態では、この挿込口61に突出している係止爪62にそれぞれ係止されて、互いに軸方向への相対移動が規制された状態として保持されている(図2参照)。
ここで、アウターロック部310の外周面部には、板状の係止爪62を挿し込むことのできる長孔状の嵌合穴310aが貫通して形成されている。したがって、図12に示されるように、この嵌合穴310aに係止爪62が嵌め込まれることにより、アウターロック部310が係止爪62に係止した状態として保持される。すなわち、この状態では、アウターロック部310は、その重力の作用方向に対する移動が嵌合穴310aの上面(座面)と係止爪62の上面との当接によって規制された係止状態として保持される。
この係止爪62は、嵌合穴310aに嵌め込まれた状態では、アウターロック部310の受入凹部312の内部に突出した状態となる。したがって、この突出した係止爪62の上面部にインナーロック部320を載置することにより、インナーロック部320が係止爪62に係止した状態として保持される。すなわち、この状態では、インナーロック部320は、その重力の作用方向に対する移動が底面320b(座面)と係止爪62の上面との当接によって規制された係止状態として保持される。
そして、この係止爪62によるロック装置300の係止状態により、第2ケーブル部材200のアウター部材210及びインナー部材220は、この係止位置においてそれぞれ垂れ下げられた状態として保持されている。
また、インナー部材220の下端部は、図8に示されるように、バックフレーム2fと一体的に固定されている。そして、アウター部材210の下端部は、図9に示されるように、腕部材23と一体的に固定されている。
次に、アウターロック部310及びインナーロック部320の構成を更に詳しく説明する。
すなわち、図1に示されるように、有底筒形状のアウターロック部310は、その上面部の両側部に、径方向の外方に突出した外掛爪311,311を有する。これら外掛爪311,311は、アウターロック部310の周面部の軸対称の位置に形成されており、それぞれ、樹脂の弾性によって径方向の内方に撓み変形可能に構成されている。そして、これら外掛爪311,311は、ステー50が挿込口61に挿し込まれることにより、その下端部に形成された各内掛部52,52と弾性的に掛着するようになっている。
次に、インナーロック部320は、前述したコ字状に折り曲げられた薄板部材322の両上端部に、径方向の内方に突出状に折り曲げられて成る内掛爪322a,322aが形成されている。これら内掛爪322a,322aは、薄板部材322の弾性によって、径方向の内方に撓み変形可能に構成されている。そして、これら内掛爪322a,322aは、ステー50が挿込口61に挿し込まれることにより、その内部に配索されて保持されている第1ケーブル部材100のインナー部材120の下端部に形成された外掛部121と弾性的に掛着するようになっている。
次に、上記ステー50の挿し込み操作に伴って各部材が掛着していく様子を、図11〜図20を用いて段階的に詳しく説明する。ここで、図11、図13、図15、図17、図19は、それぞれ、図2のXI−XI線切断面から見た断面図が表されており、順にステー50の挿込移動が進行していく様子が表されている。これらの図では、主として、アウターロック部310の掛着構造がよく表されている。また、図12、図14、図16、図18、図20は、それぞれ、図2のXII−XII線切断面から見た断面図が表されており、順にステー50の挿込移動が進行していく様子が表されている。これらの図では、主として、インナーロック部320の掛着構造がよく表されている。
先ず、図11に示されるように、ステー50が挿込口61に挿し込まれると、アウターロック部310の各外掛爪311,311がステー50の内周面50aに押圧されて径方向の内方に窄められる。このとき、図12に示されるように、インナーロック部320は、第1ケーブル部材100のインナー部材120の下端部が入り込む前の状態となっている。
次に、図13に示されるように、ステー50が挿込口61に更に挿し込まれると、アウターロック部310は、径方向の内方に窄められていた各外掛爪311,311がステー50に形成された内掛部52,52の空間内部に復元するかたちで弾性的に入り込みこれに掛着する。このとき、図14に示されるように、インナーロック部320は、各内掛爪322a,322aがインナー部材120の球状に形成された下端部の外周面120aに押圧されて径方向の外方に押し広げられる。
次に、図15に示されるように、ステー50が挿込口61に更に挿し込まれると、アウターロック部310の各外掛爪311,311がステー50の内掛部52,52の空間内部を移動するかたちとなり、アウターロック部310の位置は固定されたままで、ステー50のみが相対的に下方向に移動する態様となる。このとき、図16に示されるように、インナーロック部320は、径方向の外方に押し広げられていた各内掛爪322a,322aがステー50に形成された凹状の外掛部121に復元するかたちで弾性的に入り込みこれに掛着する。
これにより、アウターロック部310がステー50と係合し、インナーロック部320が第1ケーブル部材100のインナー部材120と係合した状態となる。すなわち、第1ケーブル部材100及び第2ケーブル部材200のアウター部材110,210同士とインナー部材120,220同士とがそれぞれ連結された状態となる。なお、この状態では、ステー50を更に挿込口61に挿し込もうとしても、ステー50の下端部がアウターロック部310に形成された受止面310bに突き当てられるため、その移動が規制されるようになっている。
したがって、次に、サポート60のツマミ63によって、係止爪62を挿込口61の外側に押し出す押込操作を行う。これにより、係止爪62に対するアウターロック部310やインナーロック部320の係止状態が解除される。したがって、図17や図18に示されるように、ステー50を更に挿込口61に挿し込むことにより、アウターロック部310やインナーロック部320がこれと一体的な状態となって挿込方向に押し動かされる。なお、ステー50は、図18に示されるように、挿込口61への挿し込みを進めることにより、その外周面部に形成された係止溝Vに係止爪62が自動的に入り込むため、この位置で挿込方向への移動が規制された係止状態となる。
以上により、ヘッドレスト3がシートバック2の上面部に装着されると共に、第1ケーブル部材100及び第2ケーブル部材200が1本のケーブル部材Kとして連結される。
したがって、図9に戻って、ケーブル部材Kは、加圧板21が後方側に押し動かされる動作によって牽引操作される。すなわち、加圧板21が後方側に押し動かされると、腕部材23によって第2ケーブル部材200のアウター部材210の下端が上方側に持ち上げられる。これにより、その内部に挿通されているインナー部材220の下端側が相対的に引き出されるかたちとなり、第1ケーブル部材100の上端側のインナー部材120のアウター部材110(ステー50)に対する引き出し長さが短くなる。すなわち、上端側のインナー部材120が牽引される。そして、図7に示されるように、上端側のインナー部材120が牽引されることにより、押動カム40が紙面内時計回り方向に押し動かされる。これにより、図10に示されるように、係合ピン31が引込溝13bから押し出され、保持部材30と原動リンク13との係止状態が解除される。なお、押動カム40は、インナー部材120による牽引状態が解かれることにより、重力の作用によって自動的に押し動かされる前の姿勢状態に戻される。したがって、進行方向に回動した4節リンク機構10を初期位置の状態に戻し込む操作を行うことにより、係合ピン31が重力の作用によって自動的に引込溝13bに入り込み、保持部材30と原動リンク13とが再び係止状態となる。
次に、本実施例の使用方法について説明する。
先ず、ヘッドレスト3の下側に立設された各ステー50をシートバック2の上面部に形成された各挿込口61,61に挿し込む。これにより、各々の内部に配索された第1ケーブル部材100及び第2ケーブル部材200がケーブル部材Kとして1本に連結される。
このとき、図3の仮想線に示されるように、ヘッドレスト3は、その通常時の初期状態として、支承部3aが初期位置の状態で保持されている。そして、図8を参照して、車両の後面衝突が発生すると、その勢いで乗員の背部がシートバック2に大きく圧し掛かり、加圧板21が後方側に押し動かされる。これにより、図7に示されるように、ケーブル部材Kが牽引操作され、保持部材30による4節リンク機構10の保持状態が解除される。そして、これにより、4節リンク機構10は、引張ばねSaの附勢によって、保持部材30の係合ピン31が長孔13aの終端13cと当接する位置まで進行方向(矢印方向)に回動する。これにより、同図の仮想線で示されるように、支承部3aが初期位置の状態(実線状態)から前方かつ上方に移動した衝突対応位置の状態となり、同位置で頭部が後傾してくるのを待ち受ける状態となる。そして、図3に戻って、支承部3aが衝突対応位置(実線位置)まで移動したことにより、支承部3aにかかる頭部の後傾に伴う受止荷重は、4節リンク機構10を進行方向に回動させる押圧力、すなわち係合ピン31を長孔13aの終端13cによって規制されている長手方向にスライド移動させる押圧力として作用する。したがって、支承部3aは、上記の受止荷重を受けても進行方向とは逆方向に押し戻されることはなく、乗員の頭部を衝突対応位置で受け止める。
なお、衝突対応位置(実線位置)まで移動させた支承部3aを元の初期位置(仮想線位置)の状態に戻すには、4節リンク機構10を引張ばねSaの附勢に抗して進行方向(矢印方向)とは逆の回動方向に戻し込むように操作すればよい。これにより、図7に示されるように、係合ピン31が自動的に引込溝13bに落ち込むため、支承部3aを再び初期位置の状態に保持することができる。
このように、本実施例の車両用シートのケーブル連結構造によれば、アウター部材110,210同士とインナー部材120,220同士とをそれぞれに連結することのできるロック構造を設けたことにより、ヘッドレスト3をシートバック2に装着することによって、それぞれの内部に配索された2重構造の第1ケーブル部材100と第2ケーブル部材200とを自動的に連結することができる。そして、サポート60に設けられた係止爪62により、第2ケーブル部材200のシートバック2に対する保持状態を切り換え可能としたことにより、ステー50の挿込口61への挿し込み動作を妨げずに上記の連結を行うことができる。
更に、アウター部材110,210同士が連結された後にインナー部材120,220同士が連結されるようにしたことで、各連結操作を一つずつ順番に行うことができる。更に、ヘッドレスト3のステー50を第1ケーブル部材100のアウター部材110としたことにより、かかる構成を合理化し、部品点数を削減することができる。更に、ステー50に第1ケーブル部材100と第2ケーブル部材200との連結状態を視認することのできる窓部51,51を形成したことにより、連結操作を確認しながら行うことができる。更に、アウターロック部310を双方の連結端部の挿し込みによって弾性的に掛着する爪構造(外掛爪311,311)として比較的簡単に具現化することができる。更に、インナーロック部320を双方の連結端部の挿し込みによって弾性的に掛着する爪構造(内掛爪322a,322a)として比較的簡単に具現化することができる。
続いて、実施例2の車両用シートのケーブル連結構造について図21〜図25を用いて説明する。なお、本実施例では、実施例1の車両用シートのケーブル連結構造と実質的に同じ構成及び作用となる箇所については説明を省略し、異なる箇所について詳しく説明する。
ここで、図21は本実施例のケーブル連結構造の概略構成を表した斜視図である。
そして、図22はアウターロック部310の掛突部313,313にステー50の掛入溝53,53を挿し込んだ状態を表した構成図であり、図23は図22の状態からステー50を90度回し込んだ状態を表した状態を表した構成図である。
そして、図24は、ステー50,50の構成関係を表した構成図である。
そして、図25は、第1ケーブル部材100のインナー部材120とインナーロック部320との係合構造を表した斜視図である。
本実施例では、図21に示されるように、アウターロック部310の上面部の両側部に、径方向の外方に突出した掛突部313,313が形成されている。これら掛突部313,313は、アウターロック部310の周面部の軸対称の位置に形成されている。
そして、ステー50(第1ケーブル部材100のアウター部材110)の下端部の周面部には、折れ曲がり状に掛入溝53,53が貫通して形成されている。これら掛入溝53,53は、ステー50の周面部の軸対称の位置に形成されており、共に、その下端部から軸線方向上方に延びてその後に同じ円周方向に曲がった折れ曲がり形状となっている。そして、掛入溝53,53は、上記ステー50を挿込口61に挿し込むのに伴って、アウターロック部310に形成された掛突部313,313をそれぞれ受け入れられるようになっている。ここで、掛入溝53,53は、図示されている幅長方向左側のステー50を基軸として、ヘッドレスト3をシートバック2に対する装着時の姿勢向きから90度左方向(平面視で反時計回り方向)に回した姿勢状態(図示状態)のときに、その延長線上の位置に掛突部313,313が配置されるようになっている。したがって、この姿勢状態で、ステー50を挿込口61に挿し込むと、図22に示されるように、掛突部313,313が掛入溝53,53に軸線方向に入り込む。そして、この状態から、図示されているステー50を基軸として、ヘッドレスト3をシートバック2に対する装着時の姿勢向きに戻すように90度右方向(平面視で時計回り方向)に回すことにより、掛突部313,313を掛入溝53,53の円周方向の奥の方に入れ込むことができる(図23参照)。これにより、アウターロック部310がステー50に対して軸線方向に一体的に係止した状態となる。
ここで、図24に示されるように、本実施例では、幅長方向右側のステー50が、左側のステー50よりも短く形成されている。これにより、上記した左側のステー50を挿込口61に挿し込んだ状態でヘッドレスト3をシートバック2に対する装着時の姿勢向きに戻す操作が行えるようになっている。すなわち、このような操作を行っても、右側のステー50が右側のサポート60と干渉しないようになっている。
また、本実施例では、図21に示されるように、インナー部材120の下端部が、実施例1で示した球状部分が板状にカットされた面一形状となっている。これにより、インナー部材120の下端部は、板部材の両端部分が径方向内方に凹状に窪んだ外掛板部122が形成されている。この外掛板部122は、図25に示されるように、ステー50を挿込口61に挿し込んで、掛突部313,313が掛入溝53,53に軸線方向に入り込んだ状態(図22参照)では、面一状の両板面がインナーロック部320の両内掛爪322a,322aに挟み込まれた状態となっている。したがって、この状態(仮想線状態)で、ステー50を挿込口61から引き抜くことにより、外掛板部122はインナーロック部320からそのまま引き抜くことができる。しかし、上記の挿し込み状態(仮想線状態)で、掛突部313,313を掛入溝53,53の円周方向の奥の方に入れ込む方向に回転させる(図23参照)と、外掛板部122も同方向に回転し、両内掛爪322a,322aの下側に両肩部分を配置させる。これにより、ステー50を挿込口61から引き抜いても、外掛板部122がインナーロック部320から引き抜かれない係止状態となる。
したがって、本実施例の場合には、図24の状態から幅長方向左側のステー50を基軸として、ヘッドレスト3を90度左方向(平面視で反時計回り方向)に回し、その後にステー50を挿込口61から引き抜く操作を行うことにより、ステー50とアウターロック部310との係止状態やインナー部材120とインナーロック部320との係止状態を解除することができる。
このように、本実施例の車両用シートのケーブル連結構造によれば、ステー50を回し込む操作によって、第1ケーブル部材100と第2ケーブル部材200とを簡単に連結することができる。また、ステー50をこれとは反対方向に回し込む操作によって、一旦連結した第1ケーブル部材100と第2ケーブル部材200との連結状態を解除することができる。したがって、ヘッドレスト3をシートバック2に対して自在に取付け取外しをすることができる。
以上、本発明の実施形態を2つの実施例によって説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施できるものである。
例えば、4節リンク機構は、加圧板によって牽引操作されるケーブル部材によって、直接、進行方向に回動操作される構成であってもよい。このようなケーブル部材によって4節リンク機構を直接回動操作する構成は、特開2005−104259号公報等の文献に開示されている。
また、ロック装置の係合構造について、インナーロック部が係合した後にアウターロック部が係合するようにしてもよい。
また、第1ケーブル部材のアウター部材は、ステーによって構成されていなくてもよく、別途の管状部材によって構成されていてもよい。
また、ステーに形成された窓部は必ずしも必要ではない。
また、アウターロック部やインナーロック部は、第1ケーブル部材側に設けられていてもよい。また、これらロック部は、上記実施例で示した爪の掛着構造に限定されるものではなく、種々の係合構造を適用することができる。
また、第2ケーブル部材をヘッドレストの挿込口の延長線上の位置に保持する装置としてサポートを用いたものを示したが、別途に保持装置を設けてもよい。この場合において、第2ケーブルの連結端部は、挿込口の延長線上の位置に保持されていればよく、必ずしも上記実施例で示したような挿込口の上側に保持される必要はない。
また、実施例2において、外掛板部は、両板面が面一となっているものを示したが、例えば内掛爪間の離間幅よりも薄い板厚を有する板形状となっていれば、必ずしも面一となっていなくても良い。
実施例1の車両用シートのケーブル連結構造の概略構成を表した斜視図である。 第1ケーブル部材及び第2ケーブル部材の配索状態を表した斜視図である。 ヘッドレストの概略構成を側面視によって表した構成図である。 ヘッドレスト及びシートバックの骨格構造を背面側から見た斜視図である。 4節リンク機構の初期の姿勢状態を表した斜視図である。 4節リンク機構の回動後の姿勢状態を表した斜視図である。 4節リンク機構の回動前後の動きを側面視によって表した構成図である。 加圧板の移動前後の動きを前面側から見た斜視図である。 図8の側面図である。 原動リンクを拡大して表した構成図である。 ステーが挿込口に挿し込まれていく状態を図2のXI−XI線切断面から見た断面図である。 図11の状態を図2のXII−XII線切断面から見た断面図である。 アウター部材同士が連結された状態を図2のXI−XI線切断面から見た断面図である。 図13の状態を図2のXII−XII線切断面から見た断面図である。 インナー部材同士が連結された状態を図2のXI−XI線切断面から見た断面図である。 図15の状態を図2のXII−XII線切断面から見た断面図である。 図15の状態からステーが更に挿し込まれた状態を図2のXI−XI線切断面から見た断面図である。 図17の状態を図2のXII−XII線切断面から見た断面図である。 図17の状態でケーブル部材が牽引操作された状態を図2のXI−XI線切断面から見た断面図である。 図19の状態を図2のXII−XII線切断面から見た断面図である。 実施例2の車両用シートのケーブル連結構造の概略構成を表した斜視図である。 アウターロック部の掛突部にステーの掛入溝を挿し込んだ状態を表した構成図である。 図22の状態からステーを90度回し込んだ状態を表した状態を表した構成図である。 ステーの構成関係を表した構成図である。 第1ケーブル部材のインナー部材とインナーロック部との係合構造を表した斜視図である。
符号の説明
1 シート
2 シートバック
2f バックフレーム
Fs サイドフレーム
Fu アッパフレーム
Rf 補強部材
Rb 軸支ブラケット
3 ヘッドレスト
3a 支承部
10 4節リンク機構
10a〜10d 連結軸
11 可動リンク
12 固定リンク
13 原動リンク
13a 長孔
13b 引込溝
13c 終端
14 従動リンク
Sa 引張ばね
20 解除操作機構
21 加圧板
22 軸支部材
23 腕部材
K ケーブル部材
30 保持部材
30a 連結軸
31 係合ピン
40 押動カム
41 案内孔
50 ステー
50a 内周面
51 窓部
52 内掛部
V 係止溝
53 掛入溝
60 サポート(保持装置)
61 挿込口
62 係止爪
63 ツマミ
100 第1ケーブル部材
110 アウター部材
120 インナー部材
120a 外周面
121 外掛部
122 外掛板部
200 第2ケーブル部材
210 アウター部材
220 インナー部材
300 ロック装置
310 アウターロック部
310a 嵌合穴
310b 受止面
311 外掛爪
312 受入凹部
312a 底面部
313 掛突部
320 インナーロック部
320b 底面
321 受止部材
322 薄板部材
322a 内掛爪

Claims (8)

  1. 車両用シートのヘッドレストの内部に配索された第1ケーブル部材と、シートバックの内部に配索された第2ケーブル部材と、を連結するための車両用シートのケーブル連結構造であって、
    前記第1ケーブル部材及び第2ケーブル部材は、共に、線状のインナー部材が管状のアウター部材の内部に軸線方向に相対運動可能な状態に挿通された2重構造となっており、
    前記ヘッドレストの内部に配索された第1ケーブル部材は、その連結端部が該ヘッドレストの下部に立設された管状のステーの内部に配索された状態で保持されており、
    前記シートバックの内部に配索された第2ケーブル部材は、その連結端部が前記シートバックに形成されたヘッドレストのステーを挿し込むための挿込口の延長線上の位置まで配索されており、
    前記第1及び第2ケーブル部材の双方の連結端部には、当該両ケーブル部材の連結端部が軸方向に重ね合わされる相対的な軸方向移動によって互いに軸方向に一体的な係合状態となるロック構造が形成されており、
    該ロック構造は、
    前記両アウター部材の連結端部に形成されたアウターロック構造と、
    前記両インナー部材の連結端部に形成されたインナーロック構造と、を有し、
    前記ヘッドレストに設けられたステーを前記シートバックに形成された挿込口に挿し込むことにより、前記第1及び第2ケーブル部材のアウター部材の両連結端部が重合して軸方向に対して一体的な係合状態とされると共に、前記第1及び第2ケーブル部材のインナー部材の両連結端部が重合して軸方向に対して一体的な係合状態とされるようになっており、
    前記シートバックの内部に配索された第2ケーブル部材は、該シートバックに設けられた保持装置によりインナー部材及びアウター部材のシートバックに対する相対運動が規制された状態で保持可能とされており、該保持状態で第1ケーブル部材と第2ケーブル部材の両連結端部の連結が行われ、当該両連結端部が連結された状態で前記保持装置による保持状態が解除されることを特徴とする車両用シートのケーブル連結構造。
  2. 請求項1に記載の車両用シートのケーブル連結構造であって、
    前記ロック構造は、前記ステーの挿込口への挿し込みにより、先に、前記アウターロック構造が係合してアウター部材同士が連結され、このアウターロック構造の係合状態から更にステーを挿し込むことにより、前記インナーロック構造が係合してインナー部材同士が連結されることを特徴とする車両用シートのケーブル連結構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用シートのケーブル連結構造であって、
    前記ヘッドレストの内部に配索された第1ケーブル部材のアウター部材は、該ヘッドレストの下部に立設された管状のステーであることを特徴とする車両用シートのケーブル連結構造。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用シートのケーブル連結構造であって、
    前記ヘッドレストに設けられた管状のステーは、その周面部に窓部が貫通して形成されており、該ステーの内部に引き込まれた第1ケーブル部材の連結端部が窓部から視認可能となっていることを特徴とする車両用シートのケーブル連結構造。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両用シートのケーブル連結構造であって、
    前記アウターロック構造は、
    前記第2ケーブル部材のアウター部材の連結端部に設けられ、径方向外方に突出し、かつ、径方向の内方に撓み変形可能とされた外掛爪と、
    前記第1ケーブル部材のアウター部材の内周面部に形成された凹状の内掛部と、を有し、
    前記ステーの挿込口への挿し込みにより、前記第2ケーブル部材のアウター部材に設けられた外掛爪が前記第1ケーブル部材のアウター部材の内周面に押圧されて窄められた後に復元し前記内掛部に弾性的に掛着することを特徴とする車両用シートのケーブル連結構造。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両用シートのケーブル連結構造であって、
    前記インナーロック構造は、
    前記第2ケーブル部材のインナー部材の連結端部に設けられ、径方向内方に突出し、かつ、径方向の外方に撓み変形可能とされた内掛爪と、
    前記第1ケーブル部材のインナー部材の外周面部に形成された凹状の外掛部と、を有し、
    前記ステーの挿込口への挿し込みにより、前記第2ケーブル部材のインナー部材に設けられた内掛爪が前記第1ケーブル部材のインナー部材の外周面に押圧されて広げられた後に復元し前記外掛部に弾性的に掛着することを特徴とする車両用シートのケーブル連結構造。
  7. 請求項6に記載の車両用シートのケーブル連結構造であって、
    前記ヘッドレストの下部にはその幅長方向に複数本のステーが立設されており、前記第1ケーブル部材を内部に配索している管状のステーはその他のステーよりも長尺に形成されていて、該長尺のステーを挿込口に挿し込んだ状態で、かつ、その他のステーを挿込口から引き抜いた状態では該長尺のステーを基軸としてヘッドレストをシートバックに対して軸回動させられるようになっており、
    前記第2ケーブル部材のアウター部材の連結端部には、径方向外方に突出した掛突部が形成されており、
    前記第1ケーブル部材のアウター部材の連結端部における内周面部には、軸方向と周方向とに折れ曲がり状に延びた凹状の掛入溝が形成されており、
    前記ヘッドレストをシートバックへの装着時の姿勢向きに対して一方向に軸回動させた姿勢状態で前記長尺のステーを挿込口に差し込むことにより、前記第2ケーブル部材のアウター部材に形成された掛突部が前記第1ケーブル部材のアウター部材に形成された掛入溝に軸方向に受け入れられるようになっており、該受け入れられた状態から前記長尺のステーを基軸としてヘッドレストをシートバックに対する装着時の姿勢向きに戻す方向に軸回動させることにより、前記掛突部が前記掛入溝の周方向に受け入れられて該掛入溝に対する軸方向への相対移動が規制された連結状態に切り換えられるようになっており、
    一方、前記第2ケーブル部材のインナー部材の連結端部に設けられた内掛爪は、互いに離間した軸対称位置に対で配置されており、
    前記第1ケーブル部材のインナー部材の連結端部には、板面が面一状か若しくは前記内掛爪間の離間幅よりも薄い板厚を有する板形状の外掛板部が形成されていて、その外周面部を成す板状の両肩部分において凹状の外掛部が形成されており、
    前記ヘッドレストをシートバックへの装着時の姿勢向きに対して一方向に軸回動させた姿勢状態で前記長尺のステーを挿込口に差し込むことにより、前記第2ケーブル部材のインナー部材に形成された内掛爪間に前記第1ケーブル部材のインナー部材に形成された外掛板部が板厚方向に挟み込まれた状態として軸方向に受け入れられるようになっており、該受け入れられた状態から前記長尺のステーを基軸としてヘッドレストをシートバックに対する装着時の姿勢向きに戻す方向に軸回動させることにより、前記外掛板部の両肩部分に形成された凹状の外掛部に前記内掛爪がそれぞれ周方向に受け入れられて該内掛爪に対する軸方向への相対移動が規制された連結状態に切り換えられるようになっており、
    前記第1及び第2ケーブル部材のアウター部材同士及びインナー部材同士が連結された状態で、前記長尺のステーを基軸として前記ヘッドレストをシートバックへの装着時の姿勢向きに対して一方向に軸回動させることにより、各連結状態が解除されて軸方向への引抜き移動が可能となることを特徴とする車両用シートのケーブル連結構造。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の車両用シートのケーブル連結構造であって、
    前記シートバックに形成された挿込口には、該挿込口に挿し込まれたヘッドレストのステーの外周面部に係止することのできる出没動可能な係止爪が設けられており、
    前記第2ケーブル部材に形成されたアウターロック構造及びインナーロック構造は、それぞれ、前記係止爪の上面に載置可能な座面を有し、
    前記保持装置による第2ケーブル部材のシートバックに対する保持は、前記両ロック構造の座面を前記挿込口の口内に突出した係止爪にそれぞれ載置させて係止させることによって行われることを特徴とする車両用シートのケーブル連結構造。
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