JP4654972B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式により画像を形成する複写機等に用いられる電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
近年、電子写真法は、複写機やプリンター等に幅広く利用されている。このような電子写真法を利用した画像形成装置に使用される電子写真感光体(以下、「感光体」と称す場合がある)は、装置内で、様々な接触やストレスに曝されるため、これらに起因して劣化を招くが、その一方で、画像形成装置のデジタル化やカラー化にともなって高画質とともに高い信頼性が求められている。
中でも、導電性基体上に有機感光層を設けた有機感光体は感度が高く、高帯電性でかつレーザ書き込み適性や低コストなど優れた特徴を有し広く使用されている。有機感光体は、通常は機能分離型の構成で負帯電型が多く、下層に電荷発生層を設け上層に電荷輸送層を設けたものが使用される。この場合、該電荷輸送層は大量の低分子輸送剤が含まれ比較的柔らかいため、繰り返し使用でのクリーニングなどの摺擦部によって電荷輸送層が磨耗してしまい、長期使用に耐えられないものである。
これに対し、有機感光体の長寿命化は色々な方法で検討され提案がされている。しかしながら、硬質の樹脂を用いて有機感光体上に表面層を設けて磨耗を低減させる場合、特に高湿環境時、画像ボケや画像ながれなどの画質欠陥を発生しやすいことが知られている。これらの現象は次のように解釈されている。
通常の有機感光体では、電荷輸送層の表面がオゾンにより酸化したり、表面に窒素酸化物が付着したりすることにより表面が低抵抗化した結果、画像ボケや画像抜けなどの画像欠陥が発生しやすい状態になるが、現在の電子写真システムの中では、画質欠陥の原因となる電荷輸送層の表面劣化部分が研磨されることによって除去され、常に新しい電荷輸送層表面が現れ、この上に画像形成を行うことにより正常な画像を提供できると考えられている。したがって、有機感光体の耐久性を向上させて表面が磨耗しなくなると、画像ボケなどの画像欠陥が発生しやすくなることとなり、耐久性と画質とはトレードオフの関係にあるとされる。
一方、アモルファスシリコン感光体の場合のような高硬度の表面を持つ感光体の場合には、感光体に付着した放電生成物を除去するために、例えば、現像剤中に研磨機能を持つ粒子を混合してクリーニング部でかきとるシステムが採用されたりする。この場合でも長期にわたって使用すると画像ボケが発生するため、感光体を加熱して感光体表面の水分量を減少させ、低抵抗化による画像ボケの発生を防いでいる。
また、近年、非接触帯電方式に代わって、低オゾン発生に特徴のある接触帯電方式が広く使用されている。しかし、微視的に見るとこの方式は感光体表面近傍での放電現象であり、感光体表面は直接イオンの衝撃を受けることは間接放電以上であり、感光体表面の劣化及び磨耗は加速される。
さらに、有機感光体の劣化は画像ボケのみならず、表面摩擦の増加によるクリーニング不良やクリーニング系の劣化など電子写真システム全体の信頼性に影響するものである。
このように、電子写真感光体の長寿命化高信頼性化への課題には、表面硬度を高くして耐磨耗性を向上させると同時に画像ボケや画像ながれが発生しにくいようにすることである。同時に表面は低摩擦であることが必要である。
このような問題の発生を抑制するために、感光層の表面層として、炭素系の材料が用いられることが多い(例えば、特許文献1参照)。
例えば、有機感光層上に、触媒CVD法を利用してアモルファスシリコンカーバイド表面保護層を形成する方法(例えば、特許文献2参照)、さらに耐湿性や耐刷性を改善することを目的としてアモルファス炭素中に微量のガリウム原子を含有させる技術(例えば、特許文献3参照)、ダイヤモンド結合を有するアモルファス窒化炭素を用いる技術(例えば、特許文献4参照)が提案されている。
しかしながら、上記炭素系の表面層、例えば水素化アモルファス炭素膜(a−C:H)では、膜の硬度を向上させると、その一方で膜が強く着色してしまう傾向にあり、着色させないようにすると耐磨耗性が低下するという問題があった。
一方、高湿時の画像ボケなどの問題を解決するため、フッ素化したダイヤモンド状炭素膜(a−C:H,F)が提案されている(例えば、特許文献5、6参照)。しかしながら、フッ素による撥水性の効果を引き出すためにフッ素化したダイヤモンド状炭素膜(a−C:H,F)膜はもとのダイヤモンド状炭素膜と比較すると大幅に柔らかくなり、クリーニングにより磨耗してしまい耐久性が不十分となってしまうものであった。
さらに、電子写真感光体の表面層をフッ素含有化合物のプラズマで改質する方法も開示されている(例えば、特許文献7参照)。この提案では、セレン感光層上に設けられた導電粉フィラーを分散した有機樹脂からなる表面層をCFのプラズマ放電で処理することによって、高湿下での画質を改善されたとしている。セレン感光体は正帯電であり、負帯電で使用される有機感光体の電荷輸送層に直接CFプラズマを適用する場合には、フッ素化は可能であるが硬度が不十分であり十分な耐刷性が得られない。
一方、上述したような気相中での成膜を利用して表面層を形成する方法に対して、塗布法により表面層を形成する方法も提案されている。中でも、耐磨耗性を向上させるために、硬化性のバインダーを用いたり、高分子型電荷輸送材を使用したり、無機フィラーを分散したり、シロキサン結合を有する高分子化合物を用いたものを表面層に用いることが知られている。しかしながら、このような材料からなる表面層は、気相成膜を利用して形成された表面層と比較すると硬度が低く、緻密性に欠ける。このため、経時的に、感光体表面に傷が発生したり磨耗が進行して、信頼性が不十分であるほか、表面から導電性物質が浸透したりして画像ボケが発生したり、磨耗表面の付着性が増加して、トナーが感光体表面に付着したクリーニング不良や画像欠陥などが発生することにより感光体の寿命やシステムの寿命が低下するという問題もある。
以上のように、有機感光体の高耐久化に関しては多くの問題があるが、低磨耗や低摩擦と高品質な画像とを両立し、あらゆる環境下で安定な画像を提供できる高信頼性で高耐久性の有機感光体は、メンテナンスフリー化などの新しいニーズから強く要求されている。
特開2001−330977号公報 特開2003−316053号公報 特開平2−110470号公報 特開2003−27238号公報 特開昭63−97963号公報 特開平2−132356号公報 特開昭62−280754号公報
このように、感光体の表面層としては、高い硬度と優れた透明性を両立させ、且つ、放電生成物の付着に起因する画像欠陥も抑制でき、さらに、これらの特性を経時的に高いレベルで維持できることが求められるが、上述したような従来から知られている材料では、これら全ての特性を高いレベルで両立させることは困難であった。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。
すなわち、本発明は、表面の機械的耐久性や耐酸化性に優れ、ドラムヒータなどを使用しなくとも放電生成物の付着に起因する画像欠陥も抑制できると共に、感度にも優れ、さらに、これらの特性を経時的に高いレベルで維持することが容易な電子写真用感光体及びこれを用いたプロセスカートリッジ、並びに画像形成装置を提供することを課題とする。
より具体的には、従来撥水性のみを改善するために行われていたフッ素プラズマ処理では実現できなかった、感光体表面の硬質化及び撥水性向上、さらに低摩擦化を同時に実現することを課題とする。
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 導電性基体上に有機感光層を含む感光層を設けた電子写真感光体であって、
前記感光層の最表面が、テトラフルオロメタンと、窒素または窒素及び希ガスと、を含む気体のプラズマにより、表面処理されてなる電子写真感光体である。
<2> X線光電子分光法による分析において、前記表面処理前に対する表面処理後の最表面の窒素元素含有量の増加量が0.1原子%以上20原子%以下の範囲であり、フッ素元素含有量の増加量が0.01原子%以上30原子%以下の範囲である<1>に記載の電子写真感光体である。
<3> 前記感光層が、有機感光層上にさらに表面層を有する<1>に記載の電子写真感光体である。
<4> 前記有機感光層が、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを有する<1>に記載の電子写真感光体である。
<5> 前記電荷輸送層がポリカーボネート樹脂を含む<4>に記載の電子写真感光体である。
<6> 電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段及び除電手段から選択される少なくとも一つとを一体に有し、画像形成装置に脱着自在であるプロセスカートリッジであって、
前記電子写真感光体が、<1>に記載の電子写真感光体であるプロセスカートリッジである。
<7> 電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、該帯電手段により帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、該静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を有する画像形成装置であって、
前記電子写真感光体が、<1>に記載の電子写真感光体である画像形成装置である。
以上に説明したように、本発明によれば、表面の機械的耐久性や耐酸化性に優れ、ドラムヒータなどを使用しなくとも放電生成物の付着に起因する画像欠陥も抑制できると共に、感度にも優れ、さらに、これらの特性を経時的に高いレベルで維持することが容易な電子写真用感光体及びこれを用いたプロセスカートリッジ、並びに画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<電子写真感光体>
本発明の電子写真感光体(以下、「感光体」という場合がある)は、導電性基体上に有機感光層を含む感光層を設けた電子写真感光体であって、前記感光層の最表面が、テトラフルオロメタンと、窒素または窒素及び希ガスと、を含む気体のプラズマにより、表面処理されてなることを特徴とする。
本発明の電子写真感光体は、その最表面が上記気体のプラズマにより表面処理されることにより、最表面部分に窒素元素とフッ素元素とを含む。具体的には、フッ素元素と窒素元素とを構成元素として含む最表面は、電荷輸送層の一部であって、電荷輸送層あるいは必要により設けられる表面層の一部が改質されたものである。このため、最表面は電荷輸送層や表面層を構成するバインダー樹脂成分及び電荷輸送材料成分を含むと同時に、フッ素原子と窒素原子とが追加されたか、あるいはバインダー樹脂成分及び電荷輸送材料成分の一部または全ての元素が置換されたものである。
なお、上記「最表面」とは、感光層表面からの深さが少なくとも数μmの範囲内(具体的には、表面から0.01μm以上3.0μm以下程度の範囲)の極薄い層を意味し、実質的にはXPS(X線光電子分光法)により固体表面を測定した際の、深さ方向の測定範囲に相当する部分の層を意味する。また、前記最表面は、感光層の表面から深さ方向に0.01μm以上の厚みを有していることが好ましく、0.05μm以上の厚みを有していることが更に好ましい。3μm以上で改質された最表面が存在する場合、感度や残留電位、繰り返しなどの電気特性が不良となる。
また、本発明における最表面は、塗布膜や堆積膜のような明確な界面を有する層ではなく、後述の顕微鏡写真で示すように、表面から一定の範囲において元素組成が変化している部分をいう。
電子写真感光体の最表面は、耐磨耗性や、傷の発生を防止し、放電生成物の付着を防止する上で最も重要な部分である。本発明における最表面に含まれる前記2つの元素は、電荷輸送層あるいは表面層の分子構造中に取り込まれ、二次元構造の樹脂では三次元架橋化が促進され、また硬化型樹脂の場合には未反応活性基との反応が進行することによって、これらの層において高硬度、透明で、かつ低エネルギーの表面とすることができる。従って、本発明の感光体では、表面の耐磨耗性に優れ、傷の発生を抑制し、良好な感度を得ることが容易である。また、感光体の最表面は本来の電荷輸送層や表面層の一部であるため、接着性に優れた改質層(改質部分)であり、クリーニングシステムや転写システムなどによる摺擦などによっても剥離などが起こらず、また低摩擦表面が持続でき、最表面の放電生成物の付着も抑制できるため、画像欠陥の発生も抑制できる。さらに、上述したように機械的耐久性に優れることから、これらの特性を長期に渡って高いレベルで維持することが容易である。
本発明の感光体の最表面は、テトラフルオロメタンと、窒素または窒素及び希ガスとを含む混合ガスのプラズマで処理されることで得られる。最表面は、前記のように電荷輸送層表面でも表面層表面でも良い。
テトラフルオロメタンのプラズマは、エッチング作用が強く重合膜を作らないことで知られている。しかしながら、テトラフルオロメタンのプラズマのみで表面処理した場合には、撥水性の改質層が形成されるが、この改質層は耐久性や接着性に乏しく、プリント中に表面改質層は磨耗してしまう。一方、窒素のプラズマのみで表面処理した場合には、改質層ができにくいだけでなく表面が親水性となってしまい、耐久性低下や画像劣化の原因となってしまう。
これに対して、本発明者等が鋭意検討した結果、テトラフルオロメタンと、窒素または窒素及び希ガスとの混合気体のプラズマで処理すると、膜はできずに電荷輸送層や表面層を高硬度化、緻密化し、低エネルギー表面に改質することができることが見出された。
具体的には、まず、プラズマ中でテトラフルオロメタンとの混合によってプラズマ重合膜を作製するものは、硬度が不十分なため混入は避けることとした。テトラフルオロメタンと水素を含む化合物との混合ガスで処理を行った場合にはフッ化炭素重合物が生成してしまい。この膜は柔らかい膜であり感光体の表面層として適さない。例えば水素、メタンなど、水素を含む化合物との混合ガスを用いたプラズマにおいてはフッ化炭素膜などを生成してしまう。また、単体でもプラズマ重合膜を作製するテトラフルオロエチレンは本発明においては不適であるとした。
そして上記検討から、テトラフルオロメタンと、重合膜を作らない窒素、希ガスなどとを混合して使用することにより、初めてフッ素元素を含み高硬質な改質層を得ることが可能となることが見出され、本発明を完成するに到った。
前記テトラフルオロメタンと混合する気体としては、特に窒素が好適であることがわかった。その理由は明らかではないが、窒素はラジカルとして直接バインダー樹脂の橋かけ構造を構築するのに利用されるとともに、バインダー樹脂を構成する元素、特に結合水素などをフッ素化するために補助的な作用をすると考えられる。一方、希ガスの場合には、CASING処理として知られているように、樹脂自体の橋かけ構造を促すための鎖の開裂などを引き起こすと考えられる。
したがって、窒素や希ガスをテトラフルオロメタンと共に用いることによって、感光層最表面のテトラフルオロメタンからのフッ素の取り込みと、架橋による硬質化及び低エネルギー表面化とを達成できることがわかった。
電荷輸送層表面等に新たに窒素元素が取り込まれる場合、その含有量の表面処理後の増加量として、0.1原子%以上20原子%以下の範囲であることが好ましく、1原子%以上15原子%以下の範囲であることがより好ましい。窒素元素含有量の増加量が20原子%を超えると、表面層の耐水性が不充分となるため実用性に欠ける場合がある。また、増加量が0.1原子%未満では、前記橋かけ構造を十分に構築することができない場合がある。
なお、最表面の厚み方向における窒素元素の濃度分布は、均一でも不均一でもよい。
また、最表面に含まれるフッ素元素としては、同様にその含有量の表面処理後の増加量として、0.01原子%以上30原子%以下の範囲であることが好ましく、0.1原子%以上15原子%以下の範囲であることがより好ましい。含有量の増加量が0.01原子%未満では、低エネルギー表面の形成自体が困難となる場合がある。また、含有量の増加量が30原子%を超えると、電荷輸送層等の表面部分(最表面)の十分な硬質化が得られない場合がある。
感光層の最表面における、窒素元素やフッ素元素等の含有量は、XPS(X線光電子分光法)により求めることができる。
具体的には、例えば、日本電子社製JPS9010MXを用い、X線ソースにはMgKαを用い、10kV,20mAで照射した。光電子の測定は1eVのステップで行い、元素量としてはフッ素元素及び窒素元素は1sスペクトルを測定し、スペトクルの面積強度と感度因子とにより元素量を求めた。なお、測定前にArイオンエッチングを500Vで10s程度行った。
また、感光体表面における各元素の含有量については、XPSのほかに二次電子質量分析法やラザフォードバックスキャタリング法などを用いることができる。
そして、前記窒素元素やフッ素元素含有量の表面処理後の増加量は、表面処理した感光体と表面処理していない感光体を基板から10×10mmの小片として切り出して、表面の前記XPS分析結果を比較することによって求めることができる。
以下、まず本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
本発明の感光体は、その構成が導電性基体上に有機感光層を含む感光層が設けられてなるものであれば特に限定されず、有機感光層の上下に必要に応じて下引層や表面層を設けてもよい。また、有機感光層は、2層以上であってもよく、更に、機能分離型であってもよい。以下、本発明の感光体の層構成の具体例について、図面を用いてより詳細に説明する。
図1は、本発明の感光体の層構成の一例を示す模式断面図であり、図1中、1は導電性基体、2は有機感光層、2Aは電荷発生層、2Bは電荷輸送層、3は改質層(最表面)を表す。図1に示す感光体は、導電性基体1上に、電荷発生層2A、電荷輸送層2Bがこの順に積層された層構成を有し、有機感光層2は電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの2層から構成される。
図2は、本発明の感光体の層構成の他の例を示す模式断面図であり、図2中、4は下引層、5は表面層を表し、他は、図1中に示したものと同様である。図2に示す感光体は、導電性基体1上に、下引層4、電荷発生層2A、電荷輸送層2B、表面層5がこの順に積層された層構成を有する。
図3は、本発明の感光体の層構成の他の例を示す模式断面図であり、図3中、6は感光層を表し、他は、図1、図2中に示したものと同様である。図3に示す感光体は、導電性基体1上に、有機感光層6が設けられた層構成を有し、有機感光層6は、図1や図2に示す電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの機能が一体となった層である。
そして、本発明においては有機感光層2、6と、必要に応じて設けられる下引層4や表面層5とを併せたものを感光層という。
本発明の電子写真感光体は、図1における電荷輸送層2Bや図2における表面層の表面を、テトラフルオロメタンと、窒素または窒素及び希ガスとを含む気体のプラズマにより表面処理することにより作製されるが、まず、この表面処理について説明する。
(表面処理)
感光層の表面処理に際しては、直流、交流、高周波、マイクロ波プラズマ等を用いることができる。装置は平行平板型電極や円筒型電極のプラズマCVD装置やリモートプラズマ装置などを用いることができる。以下、表面処理に用いる装置の図面を示しつつ具体例を挙げて説明する。
図4は、本発明の感光体の表面処理に用いる処理装置の一例を示す概略模式図であり、図4Aは、処理装置を側面から見た場合の模式断面図を表し、図4Bは、図4Aに示す処理装置のA1−A2間における模式断面図を表す。図4中、10は処理室、11は排気口、12は基体回転部、13は基体ホルダー、14は基体(導電性基体上に感光層を設けたもの)、15はガス導入部、16はシャワーノズル、17はプラズマ拡散部、18は高周波電力供給部、19は平板電極、20はガス導入管、21は高周波放電管部である。
図4に示す処理装置において、処理室10の一端には、不図示の真空排気装置に接続された排気口11が設けられており、処理室10の排気口11が設けられた側と反対側に、高周波電力供給部18、平板電極19および高周波放電管部21からなるプラズマ発生装置が設けられている。
このプラズマ発生装置は、高周波放電管部21と、高周波放電管部21内に配置され、放電面が排気口11側に設けられた平板電極19と、高周波放電管部21外に配置され、平板電極19の放電面と反対側の面に接続された高周波電力供給部18とから構成されたものである。なお、高周波放電管部21には、高周波放電管部21内にガスを供給するためのガス導入管20が接続されており、このガス導入管20のもう一方の端は、不図示の第1のガス供給源に接続されている。
なお、図4に示す処理装置に設けられたプラズマ発生装置の代わりに、図5に示すプラズマ発生装置を用いてもよい。図5は、図4に示す処理装置において利用することのできるプラズマ発生装置の他の例を示す概略模式図であり、プラズマ発生装置の側面図である。
図5中、22が高周波コイル、23が石英管を表し、20は、図4中に示すものと同様である。このプラズマ発生装置は、石英管23と、石英管23の外周面に沿って設けられた高周波コイル22とからなり、石英管23の一方の端は処理室10(図5中、不図示)と接続されている。また、石英管23のもう一方の端には、石英管23内にガスを導入するためのガス導入管20が接続されている。
平板電極19の放電面側には、放電面と略平行な棒状のシャワーノズル16が接続されており、シャワーノズル16の一端は、ガス導入管15と接続されており、このガス導入管15は処理室10外に設けられた不図示の第2のガス供給源と接続されている。
また、処理室10内には、基体回転部12が設けられており、円筒状の基体14が、シャワーノズルの長手方向と基体14の軸方向とが略平行に対面するように基体ホルダー13を介して基体回転部12に取りつけられるようになっている。表面処理に際しては、基体回転部12が回転することによって、基体14を軸方向に回転させることができる。なお、基体14としては、予め感光層まで積層された感光体が用いられる。
表面処理は、例えば以下のように実施することができる。まず、Nガスをガス導入管20から高周波放電管21内に導入すると共に、高周波電力供給部18から平板電極19に、13.56MHzのラジオ波を供給する。この際、平板電極19の放電面側から排気口11側へと放射状に広がるようにプラズマ拡散部17が形成される。
次に、テトラフルオロメタンを、100%テトラフルオロメタンあるいは希ガスで希釈して、ガス導入管15、シャワーノズル16を介して処理室10に導入することによって、テトラフルオロメタンと窒素とを含む気体のプラズマを得ることができる。
なお、上記においては、Nガス及びテトラフルオロメタンを導入するガス導入管を逆にしてもよい。また、Nガスとテトラフルオロメタンとを共にガス導入管20から導入してもよい(この場合には、ガス導入管15は装置に設けなくてもよい)。さらに、Nガスを用いる場合に希ガスで希釈して導入してもよい。
本発明においては、感光体表面を硬質で低表面エネルギーの改質層となるようにするために、前記窒素ガス及びテトラフルオロメタンガスの混合気体の処理室10内での混合比(窒素ガス:テトラフルオロメタンガス、体積比)を10:1〜1:2の範囲とすることが好ましい。混合比が10:1以下の場合には撥水性の効果をえることが出来ない。また1:2以上の場合にはテトラフルオロメタンガスによるエッチング作用が強く十分硬化した層が得られない。
また、窒素ガスに加えて希ガスを混合して用いると、例えば全体ガス流量と処理に用いられる窒素プラズマの量との制御などの幅を広げることができる。
表面処理時の感光体表面の温度は特に限定されないが、20〜150℃の範囲で処理を行うことが好ましい。また、表面処理を行う場合において、基体表面の温度は、100℃以下とすることがよりより好ましい。さらに、基体温度が150℃以下であっても、プラズマの影響で表面が150℃より高くなる場合には感光層が熱で損傷を受ける場合があるため、このような影響を考慮して基体温度を設定することが好ましい。
基体温度は図示していない方法で制御しても良いし、放電時の自然な温度の上昇に任せてもよい。基体14を加熱する場合にはヒータを基体14の外側や内側に設置しても良い。基体14を冷却する場合には基体14の内側に冷却用の気体または液体を循環させても良い。
放電による基体温度の上昇を避けたい場合には、基体14表面に当たる高エネルギーの気体流を調節することが効果的である。この場合、ガス流量や放電出力、圧力などの条件を所要温度となるように調整する。
図4に示す処理装置のプラズマ発生手段は、高周波発振装置を用いたものであるが、これに限定されるものではなく、例えば、マイクロ波発振装置を用いたり、エレクトロサイクロトロン共鳴方式やヘリコンプラズマ方式の装置を用いてもよい。また、高周波発振装置の場合は、誘導型でも容量型でも良い。
本発明においては、プラズマ発生手段としてこれらの装置を2種類以上組み合わせて用いてもよく、あるいは、同種の装置を2つ以上用いてもよい。この場合、テトラフロロメタンと窒素とを別々に活性化することもできる。さらに、円筒型の基体を取り囲むようにした円筒型電極を有する容量結合型のプラズマCVD装置でも良いし、平行平板電極と基体の間で放電を起こすものでも良い。
2種類以上の異なるプラズマ発生装置(プラズマ発生手段)を用いる場合には、同じ圧力で同時に放電が生起できるようにする必要がある。また、放電する領域と、表面処理する領域(基体が設置された部分)とに圧力差を設けても良い。これらの装置は、処理装置内をガスが導入される部分から排出される部分へと形成されるガス流に対して直列に配置してもよいし、いずれの装置も基体の処理面に対向するように配置してもよい。
例えば、2種類のプラズマ発生手段をガス流に対して直列に設置する場合、図4に示す処理装置を例に挙げれば、シャワーノズル16を電極として処理室10内に放電を起こさせる第2のプラズマ発生装置として利用できる。この場合、ガス導入部15を介して、シャワーノズル16に高周波電圧を印加して、シャワーノズル16を電極として処理室10内に放電を起こさせることができる。あるいは、シャワーノズル16を電極として利用する代わりに、処理室10内の基体14と平板電極19との間に円筒状の電極を設けて、この円筒状電極を利用して、処理室10内に放電を起こさせることもできる。
また、異なる2種類のプラズマ発生装置を同一の圧力下で利用する場合、例えば、マイクロ波発振装置と高周波発振装置とを用いる場合、励起種の励起エネルギーを大きく変えることができ、表面処理による改質度の制御に有効である。
本発明においては、例えば高周波放電により放電する場合、硬質で低表面エネルギーの改質層とするために、周波数としては、10kHz〜50MHzの範囲とすることが好ましい。また、基体の面積に依存するが、出力は10〜2000Wの範囲とすることが好ましく、さらに、処理時間は所望の改質度にもよるが、5〜200分間の範囲とすることが好ましい。
また、放電は大気圧近傍で行っても良い。ここで、該大気圧近傍とは70000〜110000Paの範囲を意味する。なおこの場合には、希ガスとしてHe、Arガスを主として用い放電を行うのが放電の安定化に重要である。
以上述べた表面処理後、基体表面、すなわち、有機高分子樹脂中に分散された低分子電荷輸送材料を含んだ電荷輸送層の最表面、あるいは後述する表面層の最表面に、フッ素元素及び窒素元素が結合した改質層が形成される。
このような最表面に改質層を有する感光体は、透明且つ機械的強度に優れ、表面の撥水性やすべり性が高く低摩擦である。
上記撥水性は、水の接触角で測定することができ、本発明の感光体表面の接触角は80〜120度の範囲とすることが好ましい。
なお、前記表面の水接触角は、接触角計(協和界面科学(株)製:CA−X)を用い、25℃、50%RHの環境下で、純水を円筒状芯体の各部表面に約3.1μl滴下し、15秒後の接触角を求めた。なお、測定は端部で2点測定し、これらの平均値を接触角とした。
(導電性基体及び感光層)
次に、本発明の電子写真感光体を構成する導電性基体および感光層の詳細や、必要に応じて設けられる下引層や表面層の詳細について、本発明の電子写真感光体が機能分離型の有機感光層を有する有機感光体である場合(図1、2の構成)について説明する。
導電性基体1としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、亜鉛、ニッケル等の金属ドラム;シート、紙、プラスチック、ガラス等の基材上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅−インジウム等の金属を蒸着したもの;酸化インジウム、酸化スズ等の導電性金属化合物を上記基材に蒸着したもの;金属箔を上記基材にラミネートしたもの;カーボンブラック、酸化インジウム、酸化スズ−酸化アンチモン粉、金属粉、ヨウ化銅等を結着樹脂に分散し、上記基材に塗布することによって導電処理したもの等が挙げられる。また、導電性基体1の形状は、ドラム状、シート状、プレート状のいずれであってもよい。
また、導電性基体1として金属製パイプ基体を用いる場合、該金属製パイプ基体の表面は素管のままのものであってもよいが、予め表面処理により基体表面を粗面化しておくことも可能である。かかる粗面化により、露光光源としてレーザービーム等の可干渉光源を用いた場合に、感光体内部で発生し得る干渉光による木目状の濃度ムラを防止することができる。表面処理の方法としては、鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウェットホーニング等が挙げられる。
特に、感光層2との密着性向上や成膜性向上の点で、以下のようにアルミニウム基体の表面に陽極酸化処理を施したものを導電性基体1として用いることが好ましい。
以下、表面に陽極酸化処理を施した導電性基体1の製造方法について説明する。
まず、基体として純アルミ系あるいはアルミニウム合金(例えば、JIS1000番台、3000番台、6000番台のアルミニウムあるいはアルミニウム合金)を用意する。次に陽極酸化処理を行う。陽極酸化処理は、クロム酸、硫酸、蓚酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸などの酸性浴中において行うが、硫酸浴による処理がよく用いられる。陽極酸化処理は、例えば、硫酸濃度:10〜20質量%、浴温:5〜25℃、電流密度:1〜4A/dm、電解電圧:5〜30V、処理時間:5〜60分程度の条件で行われるが、これに限定するものではない。
このようにしてアルミニウム基体上に成膜された陽極酸化皮膜は、多孔質であり、又絶縁性が高く、表面が非常に不安定であるため、皮膜形成後にその物性値が経時的に変化しやすくなっている。この物性値の変化を防止するため、陽極酸化皮膜を更に封孔処理することが行われる。封孔処理の方法には、フッ化ニッケルや酢酸ニッケルを含有する水溶液に陽極酸化皮膜を浸漬する方法、陽極酸化皮膜を沸騰水に浸漬する方法、加圧水蒸気により処理する方法などがある。これらの方法のうち、酢酸ニッケルを含有する水溶液に浸漬する方法が最もよく用いられる。
このようにして封孔処理が行われた陽極酸化皮膜の表面には、封孔処理により付着した金属塩等が過剰に残留している。このような金属塩等が基体の陽極酸化皮膜上に過剰に残存すると、陽極酸化皮膜上に形成する塗膜の品質に悪影響を与えるだけでなく、一般的に低抵抗成分が残ってしまう傾向にあるため、この基体を感光体に用いて画像を形成した場合に地汚れの発生原因になる。
そこで、封孔処理に引き続き、封孔処理により付着した金属塩等を除去するために陽極酸化皮膜の洗浄処理が行われる。洗浄処理は純水により基体の洗浄を1回行うことでも構わないが、多段階の洗浄工程により基体の洗浄を行うのが好ましい。この際、最終の洗浄工程における洗浄液としては、可能な限りきれいな(脱イオンされた)洗浄液が用いられる。また、多段階の洗浄工程のうち、いずれか1工程において、ブラシ等の接触部材を用いた物理的なこすり洗浄を施すことがよりさらに好ましい。
以上のようにして形成される導電性基体表面の陽極酸化皮膜の膜厚は、3〜15μm程度の範囲内であることが好ましい。陽極酸化皮膜上には多孔質陽極酸化膜のポーラスな形状の極表面に沿ってバリア層といわれる層が存在する。バリア層の膜厚は、本発明の感光体においては1〜100nmの範囲内であることが好ましい。以上のようにして、陽極酸化処理された導電性基体1を得ることができる。
このように得られた導電性基体1は、陽極酸化処理により基体上に成膜された陽極酸化皮膜が高いキャリアブロッキング性を有している。そのため、この導電性基体を用いた感光体を画像形成装置に装着して反転現像(ネガ・ポジ現像)を行う場合に発生する点欠陥(黒ポチ、地汚れ)を防止することができるとともに、接触帯電時に生じやすい接触帯電器からの電流リーク現象を防止することができる。また、陽極酸化皮膜に封孔処理を施すことにより、陽極酸化皮膜の作製後における物性値の経時変化を防止することができる。また、封孔処理後に導電性基体の洗浄を行うことにより、封孔処理により導電性基体表面に付着した金属塩等を除去することができ、この導電性基体1を用いて作製した感光体を備えた画像形成装置により画像を形成した場合に地汚れの発生を十分に防止することができる。
次に、必要に応じて設けられる下引層4について説明する。
下引層4を構成する材料としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂;ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などが挙げられる。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。これらの中でも、ジルコニウムもしくはシリコンを含有する有機金属化合物は、残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないため好ましく使用される。また、有機金属化合物は、これを単独または2種以上を混合したり、さらに上述の結着樹脂と混合して用いることが可能である。
有機シリコン化合物(シリコン原子を含有する有機金属化合物)としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらの中でも、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が好ましく使用される。
有機ジルコニウム化合物(ジルコニウムを含有する有機金属化合物)としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。
有機チタン化合物(チタンを含有する有機金属化合物)としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
有機アルミニウム化合物(アルミニウムを含有する有機金属化合物)としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
また、下引層4を形成するための下引層形成用塗布液に用いる溶媒としては、公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。また、これらの溶剤は単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。なお2種以上の溶媒を混合する場合に使用できる溶媒としては、混合溶媒として結着樹脂を溶かす事ができる溶媒であれば、いかなるものでも使用することができる。
下引層4の形成は、まず、下引層用塗布剤および溶媒を分散及び混合して調合された下引層形成用塗布液を用意し、導電性基体表面に塗布することにより行う。下引層形成用塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布法、リング塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いることができる。下引層を形成する場合には、その膜厚は0.1〜3μmの範囲内となるように形成することが好ましい。下引層の膜厚をこのような膜厚範囲内とすることにより、電気的な障壁を過剰に強くすることなく減感及び繰り返しによる電位の上昇を防止することができる。
このようにして導電性基体上に下引層4を形成することにより、下引層上に形成される層を塗布形成する際の濡れ性の改善を図ることができるとともに、電気的なブロッキング層としての機能を十分に果たすことができる。
上記により形成された下引層4の表面粗さは、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)倍(但し、nは下引層よりも外周側に設けられる層の屈折率)〜1倍程度の範囲内の粗度を有するように調整することが可能である。表面粗さの調整は、下引層形成用塗布液中に樹脂粒子を添加することにより行われる。これにより下引層の表面粗さを調整して作製した感光体を画像形成装置に用いた場合に、レーザ光源による干渉縞像をより十分に防止することができる。
なお、樹脂粒子としては、シリコーン樹脂粒子、架橋型PMMA樹脂粒子等を用いることができる。また、表面粗さの調整のために下引層表面を研磨することもできる。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウェットホーニング、研削処理等を用いることができる。なお、正帯電構成の画像形成装置に用いられる感光体では、レーザ入射光は感光体の極表面近傍で吸収され、さらに感光層中で散乱されるため、下引層の表面粗さの調整は強くは必要とされない。
また、下引層形成用塗布液に、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加物を加えることも好ましい。添加物としては、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾールなどのオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物などの電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。
ここで用いられるシランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジルコニウムキレート化合物の具体例としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。
チタニウムキレート化合物の具体例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
アルミニウムキレート化合物の具体例としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
これらの添加物は、単独で用いることもできるが、複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることもできる。
また、上述した下引層形成用塗布液には、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させておくことが好ましい。電子受容性物質の具体例としては、無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸などが挙げられる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl,CN,NO等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体がより好ましく用いられる。これにより、感光層における光感度の向上や残留電位の低減を図るとともに、繰り返し使用した場合の光感度の劣化を低減することができ、下引層4に電子受容性物質を含む感光体を備えた画像形成装置により形成したトナー像の濃度ムラを十分に防止することができる。
また、上述した下引層用塗布剤の代わりに、下記のような分散型下引層用塗布剤を用いることも好ましい。これにより、適度に下引層4の抵抗値を調整することにより残留電荷の蓄積を防ぐことができるとともに、下引層4の膜厚をより厚くすることが可能となるため感光体の耐リーク性、とくに接触帯電時のリークの防止を図ることができる。
この分散型下引層用塗布剤としては、アルミニウム、銅、ニッケル、銀などの金属粉体や、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの導電性金属酸化物や、カーボンファイバ、カーボンブラック、グラファイト粉末などの導電性物質等を結着樹脂に分散したものが挙げられる。導電性金属酸化物としては、平均1次粒径0.5μm以下の金属酸化物微粒子が好ましく用いられる。平均1次粒径が大きすぎる場合には局部的な導電路形成を起こしやすく、電流のリークが発生しやすく、その結果かぶりの発生や帯電器からの大電流のリークが生じる場合がある。下引層4はリーク耐性の向上のために適切な抵抗値に調整されることが必要である。そのため、上述の金属酸化物微粒子は、10〜1011Ω・cm程度の粉体抵抗を有することが好ましい。
なお、上記範囲の下限よりも金属酸化物微粒子の抵抗値が低いと十分なリーク耐性が得られず、この範囲の上限よりも高いと残留電位上昇を引き起こす場合ある。従って、中でも上記の範囲内の抵抗値を有する酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物微粒子がより好ましく用いられる。また、金属酸化物微粒子は2種以上混合して用いることもできる。さらに、金属酸化物微粒子にカップリング剤による表面処理を行うことで、粉体の抵抗を制御することができる。この際使用可能なカップリング剤としては上述の下引層形成用塗布液と同様の材料を用いることができる。また、これらのカップリング剤は2種以上を混合して用いることもできる。
この金属酸化物微粒子の表面処理においては、公知の方法であればいかなる方法でも使用可能であるが、乾式法あるいは湿式法を用いることができる。
乾式法を用いる場合においては、まず、金属酸化物微粒子を加熱乾燥して表面吸着水を除去する。表面吸着水を除去することによって、金属酸化物微粒子表面に均一にカップリング剤を吸着させることができる。次に、金属酸化物微粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接あるいは有機溶媒または水に溶解させたカップリング剤を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによって均一に処理される。カップリング剤を添下あるいは噴霧する際には、50℃以上の温度で行われることが好ましい。カップリング剤を添加あるいは噴霧した後、さらに100℃以上で焼き付けを行うことが好ましい。焼き付けの効果によりカップリング剤を硬化させ金属酸化物微粒子と堅固な化学反応を起こさせることができる。焼き付けは、所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施できる。
湿式法を用いる場合においては、乾式法と同様に、まず、金属酸化物微粒子の表面吸着水を除去する。この表面吸着水を除去する方法として、乾式法と同様の加熱乾燥の他に、表面処理に用いる溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法等が実施できる。次に、金属酸化物微粒子を溶剤中に攪拌、超音波、サンドミルやアトライター、ボールミルなどを用いて分散し、カップリング剤溶液を添加し攪拌あるいは分散したのち、溶剤除去することで均一に処理される。溶剤除去した後、さらに100℃以上で焼き付けを行うことができる。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施できる。
金属酸化物微粒子に対する表面処理剤の量は所望の電子写真特性が得られる量であることが必須である。電子写真特性は表面処理後に金属酸化物微粒子に表面処理剤が付着している量によって影響される。シランカップリング剤の場合、その付着量は蛍光X線分析により測定される(シランカップリング剤に起因する)Si強度と、使用されている金属酸化物の主たる金属元素強度とから求められる。この蛍光X線分析により測定されるSi強度は用いられる金属酸化物の主たる金属元素強度の1.0×10−5〜1.0×10−3倍の範囲であることが好ましい。この範囲を下回った場合、かぶりなどの画質欠陥が発生しやすく、この範囲を上回った場合、残留電位の上昇による濃度低下が発生しやすくなる場合がある。
分散型下引層用塗布剤に含まれる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などの公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などが挙げられる。
中でも下引層上に形成される層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく用いられる。分散型下引層形成用塗布液中の金属酸化物微粒子と結着樹脂との比率は所望する感光体特性を得られる範囲で任意に設定できる。
上述した方法により表面処理された金属酸化物微粒子を結着樹脂に分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が用いた方法が挙げられる。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
この分散型下引層用塗布剤により下引層を形成する方法は、上述した下引層用塗布剤を用いて下引層4を形成する方法と同様に行うことができる。
−有機感光層−
次に、有機感光層2について、電荷輸送層2Bと電荷発生層2Aとに分けて、この順に以下説明する。
電荷輸送層2Bに用いられる電荷輸送材料としては、下記に示すものが例示できる。即ち、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリンなどのピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(p−メチル)フェニルアミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミンなどの芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジンなどの1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾン、1−ピレンジフェニルヒドラゾン、9−エチル−3−[(2メチル−1−インドリニルイミノ)メチル]カルバゾール、4−(2−メチル−1−インドリニルイミノメチル)トリフェニルアミン、9−メチル−3−カルバゾールジフェニルヒドラゾン、1,1−ジ−(4,4’−メトキシフェニル)アクリルアルデヒドジフェニルヒドラゾン、β,β−ビス(メトキシフェニル)ビニルジフェニルヒドラゾンなどのヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリンなどのキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフランなどのベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリンなどのα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体などの正孔輸送物質が用いられる。あるいは、上記化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、単独又は2種以上を組み合せて使用できる。
電荷輸送層2Bに用いられる結着樹脂には任意のものを用いることができるが、結着樹脂は、特に電荷輸送材料と相溶性を有し適当な強度を有するものであることが望ましい。
この結着樹脂の例として、ビスフェノールAやビスフェノールZ,ビスフェノールC,ビスフェノールTPなどからなる各種のポリカーボネート樹脂やその共重合体、ポリアリレート樹脂やその共重合体、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独あるいは2種以上の混合物として使用することができる。
これらの中では、本発明における表面処理による硬質化、撥水性向上等の効果がより有効に得られるという点で、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
電荷輸送層2Bに用いられる結着樹脂の分子量は、感光層2の膜厚や溶剤などの成膜条件によって適宜選択されるが、通常は粘度平均分子量で3000〜30万の範囲内が好ましく、2万〜20万の範囲内がより好ましい。
また、前記電荷輸送材料と上記結着樹脂との配合比は10:1〜1:5の範囲内が好ましい。
電荷輸送層2B及び/または後述する電荷発生層2Aは、画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤などの添加剤を含んでもよい。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン又はそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。
酸化防止剤の具体的な化合物例として、フェノール系酸化防止剤では、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチル−フェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート]−メタン、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチル エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリルなどが挙げられる。
ヒンダードアミン系化合物では、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイミル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,3,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物などが挙げられる。
有機イオウ系酸化防止剤では、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
有機燐系酸化防止剤では、トリスノニルフェニルフォスフィート、トリフェニルフォスフィート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスフィートなどが挙げられる。
なお、有機硫黄系および有機燐系酸化防止剤は2次酸化防止剤と言われるもので、フェノール系あるいはアミン系などの1次酸化防止剤と併用することにより酸化防止効果を相乗的により高めることができる。
光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン系などの誘導体が挙げられる。
ベンゾフェノン系光安定剤として、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系光安定剤として、2−(2’−ヒドロキシ−5’メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラ−ヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチルフェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル 5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロ ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
その他の光安定剤としては、2,4,ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ニッケルジブチル−ジチオカルバメートなどがある。
電荷輸送層2Bは、上記に示した電荷輸送材料及び結着樹脂を適当な溶媒に溶解させた溶液を塗布し、乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送層形成用塗布液の調整に用いられる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素系、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状或るいは直鎖状エーテル等、あるいはこれ等の混合溶媒を用いることができる。
また電荷輸送層形成用塗布液には、塗布形成される塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加することもできる。
電荷輸送層形成用塗布液の塗布は、感光体の形状や用途に応じて、浸漬塗布法、リング塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布法、ブレード塗布法、ローラー塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法などの塗布法を用いて行うことが出来る。乾燥は、室温での指触乾燥の後に加熱乾燥することが好ましい。加熱乾燥は、30℃〜200℃の温度域で5分〜2時間の範囲の時間で行うことが望ましい。
なお、電荷輸送層2Bの膜厚は一般に5〜50μmの範囲内であることが好ましく、10〜40μmの範囲であることがより好ましい。
電荷発生層2Aは、電荷発生材料を真空蒸着法により蒸着させて形成するか、有機溶剤及び結着樹脂を含む溶液を塗布することにより形成される。
電荷発生材料としては、非晶質セレン、結晶性セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、その他のセレン化合物;セレン合金、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系光導電体;又はこれらを色素増感したもの、無金属フタロシアニン,チタニルフタロシアニン,銅フタロシアニン,錫フタロシアニン,ガリウムフタロシアニンなどの各種フタロシアニン化合物;スクエアリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の各種有機顔料;又は染料が用いられる。
また、これらの有機顔料は一般に数種の結晶型を有しており、特にフタロシアニン化合物ではα型、β型などをはじめとしてさまざまな結晶型が知られているが、目的にあった感度その他の特性が得られる顔料であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることが可能である。
なお、上述した電荷発生材料の中でも、フタロシアニン化合物が好ましい。この場合、感光層に光が照射されると、感光層に含まれるフタロシアニン化合物がフォトンを吸収してキャリアを発生させる。このとき、フタロシアニン化合物は、高い量子効率を有するため、吸収したフォトンを効率よく吸収してキャリアを発生させることができる。
更にフタロシアニン化合物の中でも、下記(1)〜(3)に示すようなフタロシアニンがより好ましい。すなわち、
(1)電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.6°,10.0°,25.2°,28.0°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン。
(2)電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.3°,16.5°,25.4°,28.1°の位置に回折ピークを有するクロルガリウムフタロシアニン、
(3)電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも9.5°,24.2°,27.3°の位置に回折ピークを有するチタニルフタロシアニン。
これらのフタロシアニン化合物は、特に、光感度が高いだけでなく、その光感度の安定性も高いため、これらフタロシアニン化合物を含む感光層を有する感光体は、高速な画像形成及び繰り返し再現性が要求されるカラー画像形成装置の感光体として好適である。
なお、結晶の形状や測定方法によりこれらのピーク強度や位置が微妙にこれらの値から外れることも有るが、X線回折パターンが基本的に一致しているものであれば同じ結晶型であると判断できる。
電荷発生層2Aに用いられる結着樹脂としては、以下のものを例示することができる。即ちビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプなどのポリカーボネート樹脂およびその共重合体、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾールなどである。
これらの結着樹脂は、単独であるいは2種以上混合して用いることが可能である。電荷発生材料と結着樹脂との配合比(電荷発生材料:結着樹脂)は、質量比で、10:1〜1:10の範囲が望ましい。また電荷発生層2Aの厚みは、一般には0.01〜5μmの範囲内であることが好ましく0.05〜2.0μmの範囲内であることがより好ましい。
また電荷発生層2Aは、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として少なくとも1種の電子受容性物質を含有してもよい。電荷発生層に用いられる電子受容性物質としては、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸などを挙げることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl,CN,NO等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特によい。
電荷発生材料を樹脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、ダイノーミル、サンドミル、コロイドミルなどの方法を用いることができる。
電荷発生層2Aを形成する為の塗布液の溶媒として公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。
また、これらの溶媒は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。2種類以上の溶媒を混合して用いる場合には、混合溶媒として結着樹脂を溶かす事ができる溶媒であれば使用することができる。但し、感光層が、導電性基体側から、電荷輸送層2Bと電荷発生層2Aとをこの順に形成した層構成を有する場合に、浸漬塗布のように下層を溶解しやすい塗布方法を利用して電荷発生層2Aを形成する際には、電荷輸送層等の下層を溶解しないような溶媒を用いることが望ましい。また、比較的下層の侵食性の少ないスプレー塗布法やリング塗布法を利用して電荷発生層2Aを形成する場合には溶媒の選択範囲を広げることができる。
中間層としては、例えば、帯電器により感光体表面を帯電させる際に、帯電電荷が感光体表面から対抗電極である感光体の導電性基体にまで注入して帯電電位が得られなくなることを防止するために、例えば必要に応じて表面層5と電荷発生層2Aとの間に電荷注入阻止層を形成することができる。
電荷注入阻止層の材料としては上記に列挙したようなシランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、その他の有機金属化合物、ポリエステル、ポリビニルブチラールなどの汎用樹脂を用いることができる。電荷注入阻止層の膜厚は0.001〜5μm程度の範囲内で成膜性及びキャリアブロッキング性を考慮して適宜設定される。
−表面層−
次に、必要に応じて設けられる表面層について説明する。
本発明の感光体に適用可能な表面層5としては、架橋構造を有する樹脂を含むものであることが好ましい。架橋構造を有する樹脂としてはフェノール樹脂、ウレタン樹脂、シロキサン系樹脂が利用できるが、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂が好ましく、フェノール系樹脂が最も好ましい。
表面層5として架橋構造を有する樹脂を含む感光体は、その表面強度が高いため、それのみで磨耗や傷に対する耐久性が高く感光体の長寿命化が可能である。本発明においては、このような表面層5に前記のような表面処理を施すことにより、感光体表面をさらに撥水性とすることができ、より硬質で低表面エネルギーとすることが可能となることが見出された。
表面層5としては、バインダー樹脂中に導電性微粒子を分散したもの、通常の電荷輸送層材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性微粒子を分散させたもの、シリコーンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができるが、強度、電気特性、画質維持性などの観点から、前記のように架橋構造を有するものが好まく、さらに電荷輸送性材料を含むものがより好ましい。架橋構造を形成するものとしては種々の材料を用いることができるが、特性上フェノール系樹脂、ウレタン樹脂、シロキサン系樹脂などが好ましく、特にシロキサン系樹脂、フェノール系樹脂を含むものが好ましい。
上記シロキサン系樹脂に関しては、特に、一般式(I)や(II)で示される化合物から誘導される構造を有するものが強度、安定性に優れ特に好ましい。
F−[D−Si (R(3−a) ・・・ (I)
一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは2価の基、Rは水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。
なお、一般式(I)中のDで示される2価の基としては、−(CH)n−基を必ず含み、これに−COO−、−O−、−CH=CH−、−CH=N−基を組み合わせた2価の直鎖基であってもよい。なお、−(CH)n−基のnは1〜5の整数を表す。また、Qで表される加水分解性基としては、−OR基(但し、Rはアルキル基を表す)を表す。
F−((X)nR−ZH)m ・・・ (II)
一般式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Rはアルキレン基、Zは、−O−、−S−、−NH−、又は、−COO−、mは1〜4の整数を示す。Xは、−O−、又は、−S−を表し、nは0または1を示す。
一般式(I)、(II)で示される化合物のさらに好ましいものとして、有機基Fが特に下記一般式(III)で示されるものを用いたものを挙げることができる。
一般式(III)中、Ar〜Arはそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Arは置換若しくは未置換のアリール基又はアリ−レン基を示し、且つ、Ar〜Arのうち2〜4個は、一般式(I)中の−D−Si(R(3−a)で表される結合手を有する。Dは2価の基、Rは水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を表わす。また、kは0または1を表す。
また、感光体表面の耐汚染物付着性、潤滑性を改善するために、表面層5には各種微粒子を添加することもできる。それらは、単独で用いることもできるが、併用してもよい。微粒子の一例として、ケイ素含有微粒子を挙げることができる。ケイ素含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカおよびシリコーン微粒子等が挙げられる。ケイ素含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒子径1〜100nm、好ましくは10〜30の酸性もしくはアルカリ性の水分散液、あるいはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。最表面層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、製膜性、電気特性、強度の面から最表面層の全固形分中の0.1〜50質量%の範囲、好ましくは0.1〜30質量%の範囲で用いられる。
また、その他の微粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系微粒子や“第8回ポリマー材料フォ−ラム講演予稿集 p89”に示される様な、前記フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂からなる微粒子、ZnO−Al、SnO−Sb、In−SnO、ZnO−TiO、MgO−Al、FeO−TiO、TiO、SnO、In、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物をあげることができる。
また、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。シリコーンオイルとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル等をあげることができる。
また、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使用することもできる。可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
表面層5の形成に用いるコーティング液や、このコーティング液作製時に触媒を添加もしくは用いることが好ましい。用いられる触媒としては塩酸、酢酸、リン酸、硫酸などの無機酸、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸などの有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリエチルアミンなどのアルカリ触媒、さらにいかに示すような系に不溶な固体触媒を用いることもできる。
例えば、アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)などの陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ロ−ム・アンド・ハ−ス社製)などの陰イオン交換樹脂;Zr(OPCHCH SOH) ,Th(OPCHCHCOOH)などのプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサンなどのプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸などのイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgOなどの単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類など複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイトなどの粘土鉱物;LiSO ,MgSOなどの金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタンなどの金属リン酸塩;LiNO ,Mn(NOなどの金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体などのアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂などのアミノ基を含有するポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。
コーティング液の製造は、無溶媒下で行うこともできるが、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;等の他、種々の溶媒が使用できる。このような溶媒としては、沸点が100℃以下のものが好ましく、任意に混合して使用することができる。溶媒量は任意に設定できるが、少なすぎると有機ケイ素化合物が析出しやすくなるため、有機ケイ素化合物1質量部に対し0.5〜30質量部、好ましくは、1〜20質量部とするのが好ましい。
塗工液を硬化させる際の反応温度及び反応時間は特に制限されないが、得られるケイ素樹脂の機械的強度及び化学的安定性の点から、反応温度は好ましくは60℃以上、より好ましくは80〜200℃であり、反応時間は好ましくは10分〜5時間である。また、塗工液の硬化により得られる有機層を高湿度状態に保つことは、有機層の特性の安定化を図る上で有効である。さらには、用途に応じてヘキサメチルジシラザンやトリメチルクロロシランなどを用いて有機層に表面処理を施して疎水化することもできる。
一方、前記フェノール系樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種の電荷輸送性材料(電荷輸送能を有する構造単位)を含むフェノール系樹脂であるであることがより好ましい。
なお、フェノール系樹脂の合成に用いられるフェノール誘導体としては、レゾルシン、ビスフェノール等、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール等の水酸基を1個含む置換フェノール類、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の水酸基を2個含む置換フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールZ等のビスフェノール類、ビフェノール類等、フェノール構造を有する化合物が利用でき、一般にフェノール樹脂の合成用原料として市販されているものが利用できる。
また、フェノール誘導体は、メチロール基を含むものも利用でき、例えば、モノメチロールフェノール類、ジメチロールフェノール類若しくはトリメチロールフェノール類のモノマー、それらの混合物、それらがオリゴマー化されたもの、又はそれらモノマーとオリゴマーとの混合物が挙げられる。
なお、本明細書においては、分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子をオリゴマーといい、それ以下のものをモノマーという。
また、フェノール系樹脂の合成に用いられるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒドやパラホルムアルデヒド等が利用できる。フェノール系樹脂の合成にさいしては、これら原料を、酸触媒又はアルカリ触媒下で反応させることで得ることができるが、一般にフェノール樹脂として市販されているものも使用できる。
上記酸触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、リン酸等が用いられる。また、アルカリ触媒としては、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Ba(OH)2等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物やアミン系触媒が用いられる。
アミン系触媒としては、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塩基性触媒を使用した場合には、残留する触媒によりキャリアが著しくトラップされ、電子写真特性を悪化させる場合がある。このため、塩基性触媒を利用した場合は、触媒を利用した反応終了後に、酸で中和するか、シリカゲル等の吸着剤や、イオン交換樹脂等と接触させることにより不活性化又は除去することが好ましい。
本発明に用いられる架橋構造を有するフェノール系樹脂としては、上述したような公知のフェノール系樹脂を更に架橋反応させたものであってもよく、ノボラック型のようにフェノール系樹脂自体が架橋構造を有しているものであってもよい。なお、前者の場合は、レゾール型フェノール樹脂を用いることがより好ましい。
以上述べたような電荷輸送性を有し、架橋構造を有する表面層5は、優れた機械強度を有する上に光電特性も十分であるため、これをそのまま積層型感光体の電荷輸送層として用いることもできる。その場合、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。ただし、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。複数回の重ね塗布を行なう場合、加熱処理は塗布の度に行なっても良いし、複数回重ね塗布した後でも良い。
表面層5の膜厚は、1〜10μmの範囲が好ましく、1〜6μmの範囲がより好ましい。
<プロセスカートリッジ及び画像形成装置>
次に、本発明の感光体を用いたプロセスカートリッジおよび画像形成装置について説明する。
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の感光体を用いたものであれば特に限定されないが、具体的には、本発明の感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段および除電手段からなる群より選択される少なくとも一つとを一体に有し、画像形成装置本体に脱着自在である構成を有するものであることが好ましい。
また、本発明の画像形成装置は、本発明の感光体を用いたものであれば特に限定されないが、具体的には、本発明の感光体と、この感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電手段により帯電される感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段とを備えた構成を有するものであることが好ましい。なお、本発明の画像形成装置は、各色のトナーに対応した感光体を複数有するいわゆるタンデム機であってもよく、この場合、全ての感光体が本発明の感光体であることが好ましい。また、トナー像の転写は、中間転写体を利用した中間転写方式であってもよい。
本発明のプロセスカートリッジや、画像形成装置の感光体のクリーニング手段としては特に限定されるものではないが、クリーニングブレードであることが好ましい。クリーニングブレードは、他のクリーニング手段と比べると感光体表面を傷つけ、また、磨耗を促進しやすいものである。しかし、本発明のプロセスカートリッジや、画像形成装置においては、感光体として本発明の感光体を用いているため、長期に渡る使用においても、感光体表面の傷の発生や磨耗を抑制することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
<実施例1>
(電子写真感光体の作製)
まず、以下に説明する手順により、Al基体上に、下引層と電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層形成した有機感光体を作製した。
−下引層の形成−
ジルコニウム化合物(商品名:マツモト製薬社製オルガノチックスZC540)20質量部、シラン化合物(商品名:日本ユニカー社製A1100)2.5質量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:積水化学社製エスレックBM−S)10質量部およびブタノール45質量部を攪拌混合して得た溶液を、外径84mmのAl製基体表面に塗布し、150℃10分間加熱乾燥することにより、膜厚1.0μmの下引層を形成した。
−電荷発生層の形成−
次に、電荷発生材料としてクロロガリウムフタロシアニン1質量部を、ポリビニルブチラール(商品名:積水化学社製エスレックBM−S)1質量部および酢酸n−ブチル100質量部と混合して得られた混合物をガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間分散し、電荷発生層形成用分散液を得た。
この分散液を浸漬法により下引層の上に塗布した後、100℃で10分間乾燥させ、膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
−電荷輸送層の形成−
次に、下記構造式(1)で表される化合物を2質量部、および、下記構造式(2)で表される高分子化合物(粘度平均分子量:39000)3質量部をクロロベンゼン20質量部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を得た。
この塗布液を、浸漬法により電荷発生層上に塗布し、110℃で40分間加熱して膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、Al基体上に、下引層と電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層形成した有機感光体(以下、「未処理感光体」と称す場合がある)を得た。
−表面処理−
未処理感光体表面への表面処理は、図4に示す構成を有する処理装置を用いて行った。
まず、未処理感光体を、処理装置の処理室10内の基体ホルダー13に載せ、排気口11を介して処理室10内を、圧力が0.1Pa程度になるまで真空排気した。次に、窒素ガス250sccmとテトラフロロメタンガス80sccmとを混合したガスを、ガス導入管20から、直径50mmの平板電極19が設けられた高周波放電管部21内に導入し、高周波電力供給部18およびマッチング回路(図1中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力200Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極19から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。またこの時、バラトロン真空計で測定した処理室10内の反応圧力は20Paであった。
この状態で、未処理感光体を8rpmの速度で回転させながら20分間表面処理して、電荷輸送層の最表面が改質された電子写真感光体を得た。なお、表面処理に際しては、未処理感光体の加熱処理は行わなかった。表面処理を行った感光体表面は、光沢に富み、少し黄色に着色していた。
−表面の分析・評価−
・最表面の元素組成分析、接触角
前記未処理感光体への表面処理と同時に、10mm×10mmのAl板上に電荷輸送層のみを形成した試料にも同様な方法で表面処理を行った。この試料の表面の元素組成をXPS(X線光電子分光法)により測定し、表面処理を行っていない電荷輸送層についても同様にXPSにより表面の元素組成分析を行った、その結果、表面処理前に比べ表面処理後では、窒素元素が5原子%、フッ素元素が10原子%各々増加していることがわかった。
また、表面処理前の感光体表面の水との接触角は80度であったが、表面処理後の表面の接触角は92度となった。
・表面処理状態(断面観察)
次に、表面処理後の感光体上にPt−Pdの薄膜を蒸着して界面を明確にしたのち高分子樹脂で表面を覆い埋め込んだ後に、表面と垂直方向にミクロトームにより切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM、日本電子社製、JSM6340F、倍率:2万倍)で観察したところ、図6の写真に示すように、表面から深さ約0.2μmの範囲にプラズマで改質されたと思われる部分(最表面)が元の電荷輸送層とは異なる形態構造で存在することが確認された。
(評価)
次に、この表面処理を行った電子写真感光体の電子写真特性を評価した。
まず、前述の表面処理前の未処理感光体と、表面処理を行った感光体とに対して、スコロトロン帯電器により−700Vに負帯電させた後、露光用の光(光源:半導体レーザー、波長:780nm、出力:5mW)を用いて、40rpmで回転させながら感光体の表面を走査し、照射した後の表面の残留電位を測定した。その結果、未処理感光体が−20Vであるの対し、表面処理を行った電子写真感光体は−20V以下であり誤差の範囲で一致した。
また、感度に対する影響については、光源の波長を赤外領域から可視領域全体にわたって評価したが、未処理感光体と表面処理を行った感光体とでは殆ど差異は見られず、表面処理を行ったことによる感度の低下が無いことがわかった。
さらに、表面処理を行った感光体の表面に対して、貼りつけた粘着テープを剥がす剥離試験を行ったが、表面からの剥離物は全くなく、前記断面写真で観察された改質部分の接着性は良好であることがわかった。
次に、この表面処理を行った感光体を、富士ゼロックス社製DocuCentre Colar 500用のプロセスカートリッジに搭載し、これをDocuCentre Colar 500に取り付けて、高温高湿環境(28℃、80%RH)下で、連続10000枚のプリント評価を行った。なお、画質評価を行うためのリファレンスとして、ノンコート感光体についてもDocuCentre Colar 500に取り付けて、同様の画像を形成した。
その結果、プリントテスト初期およびプリントテスト終了後のいずれにおいても未処理感光体を用いて形成されたプリントテスト初期の画像と同様の、鮮明で網点部での画像ボケがない画像で10本/mmの解像度を得ることができた。また、プリントテスト後の感光体表面を目視により観察したところ、傷の発生はなく、プリントテスト実施の感光体と参照用の感光体の感光層とをSEM断面測定した結果を比較することによる磨耗量は0μmであった。さらに、放電生成物の付着も確認されなかった。これに対し、未処理感光体では、プリントテスト後の感光体表面に傷が発生し、磨耗量は0.3μmであった。
以上の結果から、表面処理を行った感光体は、耐久性が向上すると共に、感度や画像ボケのように画質の点では実用上問題ないレベルであることがわかった。
<実施例2>
(電子写真感光体の作製)
実施例1と同様にして作製した未処理感光体に対して、実施例1と同様の図4に示す構成を有する処理装置を用いて、以下に示す手順にて表面処理を行った。
まず、未処理感光体を、処理装置の真空槽10内の基体ホルダー13に載せ、排気口11を介して処理室10内を、圧力が0.1Pa程度になるまで真空排気した。次に、窒素ガス70sccmとテトラフロロメタンガス20sccmとを混合したガスを、ガス導入管20から直径50mmの平板電極19が設けられた高周波放電管部21内に導入し、高周波電力供給部18およびマッチング回路(図1中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力200Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極19から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。またこの時、バラトロン真空計で測定した処理室10内の反応圧力は10Paであった。
この状態で、未処理感光体を20rpmの速度で回転をさせながら30分間表面処理して、電荷輸送層の最表面が改質された電子写真感光体を作製した。なお、表面処理に際しては、実施例1と同様に未処理感光体の加熱処理は行わなかった。
その後、表面処理を行った感光体を処理室10から取り出した。表面処理を行った感光体表面は、光沢に富み、少し黄色に着色していた。
−表面層の分析・評価−
前記未処理感光体への表面処理と同時に、10mm×10mmのAl板上に電荷輸送層のみを形成した試料にも同様な方法で表面処理を行った。この試料の表面の元素組成をXPS(X線光電子分光法)により測定し、表面処理を行っていない電荷輸送層表面についても同様にXPSにより表面の元素組成分析を行った、その結果、表面処理前に比べ表面処理後では、窒素元素が7原子%、フッ素元素が12原子%各々増加していることがわかった。
また、表面処理後の表面の水との接触角は95度であった。なお、SEMによる断面観察では、表面から深さ約0.2μmの範囲に実施例1と同様の改質部分が見られた。
(評価)
次に、この表面処理を行った電子写真感光体の電子写真特性を評価した。
まず、実施例1における評価と同様にして、帯電、露光後の残留電位を測定したところ、未処理感光体が−20Vであるの対し、表面処理を行った電子写真感光体は−20V以下であり誤差レベルで一致した。
また、感度に対する影響についても、光源の波長を赤外領域から可視領域全体にわたって評価したが、未処理感光体と表面処理を行った感光体とでは殆ど差異は見られず、表面処理を行ったことによる感度の低下が無いことがわかった。
さらに、表面処理を行った感光体の表面に対して、貼りつけた粘着テープを剥がす剥離試験を行ったが、表面からの剥離物は全くなく、前記断面写真で観察された改質部分の接着性は良好であることがわかった。
次に、この表面処理を行った感光体を、富士ゼロックス社製DocuCentre Colar 500に取り付けて、実施例1と同様にしてプリント評価を行った。
その結果、プリントテスト初期およびプリントテスト終了後のいずれにおいても未処理感光体を用いて形成されたプリントテスト初期の画像と同様の、鮮明で網点部での画像ボケがない画像で10本/mmの解像度を得ることができた。また、プリントテスト後の感光体表面を目視により観察したところ、傷の発生はなく、プリントテスト実施の感光体と参照用の感光体の感光層をSEM断面測定した結果を比較することによる磨耗量は0μmであった。さらに、放電生成物の付着も確認されなかった。これに対し、未処理感光体では、プリントテスト後の感光体表面に傷が発生し、磨耗量は0.3μmであった。
以上の結果から、この表面処理を行った感光体も、耐久性が向上すると共に、感度や画像ボケのように画質の点では実用上問題ないレベルであることがわかった。
<実施例3>
(電子写真感光体の作製)
実施例1と同様にして作製した未処理感光体に対して、実施例1と同様の図4に示す構成を有する処理装置を用いて、以下に示す手順にて表面処理を行った。
まず、未処理感光体を、処理装置の真空槽10内の基体ホルダー13に載せ、排気口11を介して処理室10内を、圧力が0.1Pa程度になるまで真空排気した。次に、窒素ガス50sccm及びヘリウムガス50sccmとテトラフロロメタンガス20sccmとを混合したガスを、ガス導入管20から直径50mmの平板電極19が設けられた高周波放電管部21内に導入し、高周波電力供給部18およびマッチング回路(図1中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力200Wにセットしチューナでマッチングを取り電極19から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。またこの時、バラトロン真空計で測定した処理室10内の反応圧力は10Paであった。
この状態で、未処理感光体を20rpmの速度で回転をさせながら30分間表面処理して、電荷輸送層の最表面が改質された電子写真感光体を得た。なお、表面処理に際しては、実施例1と同様に未処理感光体の加熱処理は行わなかった。
その後、表面処理を行った感光体を処理室10から取り出した。表面処理を行った感光体表面は、光沢に富み、少し黄色に着色していた。
−表面層の分析・評価−
前記未処理感光体への表面処理と同時に、10mm×10mmのAl板上に電荷輸送層のみを形成した試料にも同様な方法で表面処理を行った。この試料の表面の元素組成をXPS(X線光電子分光法)により測定し、表面処理を行っていない電荷輸送層表面についても同様にXPSにより表面の元素組成分析を行った、その結果、表面処理前に比べ表面処理後では、窒素元素が5原子%、フッ素元素が13原子%各々増加していることがわかった。
また、表面処理後の表面の水との接触角は90度であった。なお、SEMによる断面観察では、表面から深さ約0.2μmの範囲に実施例1と同様の改質部分が見られた。
(評価)
次に、この表面処理を行った電子写真感光体の電子写真特性を評価した。
まず、実施例1の評価と同様にして、帯電、露光後の残留電位を測定したところ、未処理感光体が−20Vであるの対し、表面処理を行った電子写真感光体は−20V以下であり誤差レベルで一致した。
また、感度に対する影響についても、光源の波長を赤外領域から可視領域全体にわたって評価したが、未処理感光体と表面処理を行った感光体とでは殆ど差異は見られず、表面処理を行ったことによる感度の低下が無いことがわかった。
さらに、表面処理を行った感光体の表面に対して、貼りつけた粘着テープを剥がす剥離試験を行ったが、表面からの剥離物は全くなく、前記断面写真で観察された改質部分の接着性は良好であることがわかった。
次に、この表面処理を行った感光体を、富士ゼロックス社製DocuCentre Colar 500に取り付けて、実施例1と同様にしてプリント評価を行った。
その結果、プリントテスト初期およびプリントテスト終了後のいずれにおいても未処理感光体を用いて形成されたプリントテスト初期の画像と同様の、鮮明で網点部での画像ボケがない画像で10本/mmの解像度を得ることができた。また、プリントテスト後の感光体表面を目視により観察したところ、傷の発生はなく、感光体の外径測定による磨耗量は0μmであった。さらに、放電生成物の付着も確認されなかった。これに対し、未処理感光体では、プリントテスト後の感光体表面に傷が発生し、磨耗量は0.3μmであった。
以上の結果から、この表面処理を行った感光体も、耐久性が向上すると共に、感度や画像ボケのように画質の点では実用上問題ないレベルであることがわかった。
<実施例4>
(電子写真感光体の作製)
実施例1と同様にして作製した未処理感光体に対して、まず表面層の形成を行った。
下記構造式(3)に示す化合物を5質量部、レゾール型フェノール樹脂(PL−4852、群栄化学社製)を7質量部、メチルフェニルポリシロキサンを0.03質量部、及びイソプロパノールを20質量部を混合して溶解し、表面層形成用塗布液を得た。この塗布液を、浸漬コーティング法で前記未処理感光体の電荷輸送層上に塗布し、130℃で40分乾燥させ、膜厚3μmのフェノール樹脂からなる表面層を形成した表面コート感光体を得た。
次に、実施例1と同様の図4に示す構成を有する処理装置を用いて、以下に示す手順にて表面処理を行った。
まず、前記表面コート感光体を、処理装置の真空槽10内の基体ホルダー13に載せ、排気口11を介して処理室10内を、圧力が0.1Pa程度になるまで真空排気した。次に、窒素ガス250sccmとテトラフロロメタンガス80sccmとを混合したガスを、ガス導入管20から直径50mmの平板電極19が設けられた高周波放電管部21内に導入し、高周波電力供給部18およびマッチング回路(図1中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力200Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極19から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。またこの時、バラトロン真空計で測定した処理室10内の反応圧力は20Paであった。
この状態で、表面コート感光体を8rpmの速度で回転をさせながら20分間表面処理して、表面層の最表面が改質された電子写真感光体を作製した。なお、表面処理に際しては、実施例1と同様に未処理感光体の加熱処理は行わなかった。
その後、表面処理を行った感光体を処理室10から取り出した。表面処理を行った感光体表面は、光沢に富み、少し黄色に着色していた。
−表面層の分析・評価−
前記表面コート感光体への表面処理と同時に、10mm×10mmのAl板上にフェノール樹脂の表面層のみを形成した試料にも同様な方法で表面処理を行った。この試料の表面の元素組成をXPS(X線光電子分光法)により測定し、表面処理を行っていない表面層についても同様にXPSにより表面の元素組成分析を行った、その結果、表面処理前に比べ表面処理後では、窒素元素が10原子%、フッ素元素が10原子%各々増加していることがわかった。
また、表面処理前の感光体表面の水との接触角は85度であったが、表面処理後の表面の水との接触角は95度となった。なお、SEMによる断面観察では、表面から深さ約0.2μmの範囲に実施例1と同様の改質部分が見られた。
(評価)
次に、この表面処理を行った電子写真感光体の電子写真特性を評価した。
まず、実施例1の評価と同様にして、帯電、露光後の残留電位を測定したところ、表面コート感光体が−50Vであるの対し、表面処理を行った電子写真感光体は−55V以下であり、実用上問題ないレベルであった。
また、感度に対する影響についても、光源の波長を赤外領域から可視領域全体にわたって評価したが、未処理の表面コート感光体と表面処理を行った感光体とでは殆ど差異は見られず、表面処理を行ったことによる感度の低下が無いことがわかった。
さらに、表面処理を行った感光体の表面に対して、貼りつけた粘着テープを剥がす剥離試験を行ったが、表面からの剥離物は全くなく、前記断面写真で観察された改質部分及び表面層の接着性は良好であることがわかった。
次に、この表面処理を行った感光体を、富士ゼロックス社製DocuCentre Colar 500に取り付けて、実施例1と同様の条件で10000枚のプリント評価を行った。
その結果、プリントテスト初期およびプリントテスト終了後のいずれにおいても未処理感光体を用いて形成されたプリントテスト初期の画像と同様の、鮮明で網点部での画像ボケがない画像で10本/mmの解像度を得ることができた。また、プリントテスト後の感光体表面を目視により観察したところ、傷の発生はなく、プリントテスト実施の感光体と参照用の感光体の感光層をSEM断面測定した結果を比較することによる磨耗量は0μmであった。さらに、放電生成物の付着も確認されなかった。これに対し、未処理の表面コート感光体では、プリントテスト後の感光体表面にわずかに傷が発生し、磨耗量は0.1μmであった。
以上の結果から、この表面処理を行った感光体も、耐久性が向上すると共に、感度や画像ボケのように画質の点では実用上問題ないレベルであることがわかった。
<比較例1>
(感光体の作製)
実施例1と同様にして作製した未処理感光体に対して、実施例1と同様の図4に示す構成を有する装置を用いて、以下に示す手順にて表面処理を行った。
まず、未処理感光体を、処理装置の真空槽10内の基体ホルダー13に載せ、排気口11を介して処理室10内を、圧力が0.1Pa程度になるまで真空排気した。次に、テトラフロロメタンガス20sccmを、ガス導入管20から直径50mmの平板電極19が設けられた高周波放電管部21内に導入し、高周波電力供給部18およびマッチング回路(図1中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力200Wにセットしチューナでマッチングを取り電極19から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。またこの時、バラトロン真空計で測定した処理室10内の反応圧力は7.0Paであった。
この状態で、未処理感光体を20rpmの速度で回転をさせながら、30分間表面処理した。なお、表面処理に際しては、実施例1と同様に未処理感光体の加熱処理は行わなかった。
その後、表面処理を行った感光体を処理室10から取り出した。表面処理を行った感光体表面は、光沢に富み、少し黄色に着色していた。
−表面層の分析・評価−
前記未処理感光体への表面処理と同時に、10mm×10mmのAl板上に電荷輸送層のみを形成した試料にも同様な方法で表面処理を行った。この試料の表面の元素組成をXPS(X線光電子分光法)により測定し、表面処理を行っていない電荷輸送層についても同様にXPSにより表面の元素組成分析を行った、その結果、表面処理前に比べ表面処理後では、フッ素元素が10原子%増加しているのみであった。
また、表面処理前の感光体表面の水との接触角は80度であったが、表面処理後の表面の接触角は95度となった。
(評価)
次に、この表面処理を行った感光体の電子写真特性を評価した。
まず、実施例1における評価と同様にして、帯電、露光後の残留電位を測定したところ、未処理感光体が−20Vであるの対し、表面処理を行った感光体は−20V以下であり、同等レベルであった。
また、感度に対する影響についても、光源の波長を赤外領域から可視領域全体にわたって評価したが、未処理感光体と表面処理を行った感光体とでは殆ど差異は見られず、表面処理による感度の低下が無いことがわかった。
さらに、表面処理を行った感光体の表面に対して、貼りつけた粘着テープを剥がす剥離試験を行ったが、表面からの剥離物は全くなかった。
次に、この表面処理を行った感光体を、富士ゼロックス社製DocuCentre Colar 500に取り付けて、実施例1と同様にしてプリント評価を行った。
その結果、プリントテスト初期は未処理感光体を用いて形成されたプリントテスト初期の画像と同様の、鮮明で10本/mmの解像度であり、画像ボケの無い画像を得ることができた。しかしながら、1000枚のプリントテスト後に感光体表面には多くの傷の発生が見られた。また、2000枚目には前記表面処理後の光沢に富み黄色に着色した表面部分は完全に磨耗して無くなっていることが目視でわかった。なお、この時点での磨耗量は0.1μmであった。
以上の結果から、テトラフロロメタンのみのプラズマで表面処理した感光体は、表面の撥水性は向上するものの耐刷性が不十分であることがわかった。
本発明の感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。 本発明の感光体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。 本発明の感光体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。 本発明の感光体の表面層の形成に用いる処理装置の一例を示す概略模式図である。 本発明に用いることが可能な他のプラズマ発生装置の一例を示す概略模式図である。 本発明における表面処理後の電荷輸送層の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1 導電性基体
2、6 有機感光層
2A 電荷発生層
2B 電荷輸送層
3 改質層(最表面)
4 下引層
5 表面層
10 処理室
11 排気口
12 基体回転部
13 基体ホルダー
14 基体
15 ガス導入部
16 シャワーノズル
17 プラズマ拡散部
18 高周波電力供給部
19 平板電極
20 ガス導入管
21 高周波放電管部
22 高周波コイル
23 石英管

Claims (5)

  1. 導電性基体上に有機感光層を含む感光層を設けた電子写真感光体であって、
    前記感光層の最表面が、テトラフルオロメタンと、窒素または窒素及び希ガスと、を含む気体のプラズマにより、表面処理されてなることを特徴とする電子写真感光体。
  2. X線光電子分光法による分析において、前記表面処理前に対する表面処理後の最表面の窒素元素含有量の増加量が0.1原子%以上20原子%以下の範囲であり、フッ素元素含有量の増加量が0.01原子%以上30原子%以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記感光層が、前記有機感光層上にさらに表面層を有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  4. 電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段及び除電手段から選択される少なくとも一つとを一体に有し、画像形成装置に脱着自在であるプロセスカートリッジであって、
    前記電子写真感光体が、請求項1に記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  5. 電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、該帯電手段により帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、該静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を有する画像形成装置であって、
    前記電子写真感光体が、請求項1に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
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