JP4654340B1 - 靴下 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩行時の足底接地時に、足底部外側面に体重を多くかけることで現れていた膝痛・腰痛を、足底接地時に足底母趾球部に体重を多くかけるように足部を矯正することで、これらの軽減、解消、予防を目的とした靴下の提供
【解決手段】 靴下に伸縮強度の異なる編成領域を設け、第5中足骨全体部から足背中央部を通過し、足底アーチ部に到達する部分、足背中央部で左右足首部に分かれる部分、第1中足骨頭足背部から足底母趾球部にそれぞれ難伸縮性領域を設ける
【選択図】図1

Description

本発明は、足底接地時に足底外側部に体重を多くかける歩き方によって発生する、距腿関節周辺筋の不均衡に起因する膝痛や腰痛の軽減、解消、予防を目的とし、距腿関節周辺筋の異常による足首部の変形を防止、改善すべく、歩行時における足底接地時の足部の矯正に適した靴下の形状に関する。
従来、膝痛の多くは膝関節部の関節軟骨減少に起因するとされている。これは、加齢などにより膝部の関節軟骨が減少することで、大腿骨や脛骨の破壊が進み、疼痛が発生すると考えられているものであり、ヒアルロン酸の膝部への注射やサプリメントとしての摂取による対処、また、靴の中敷きを調節することによる対処法が主流となっている。
また腰痛治療については、現在のところ確実な治療法はなく、腰部の筋に対する電気療法や手技療法、コルセットなどの補助器具によるサポートにとどまっている。
しかしながら、膝痛や腰痛が、距腿関節周辺筋の異常による足首部の変形に起因するとしている文献は存在していない。この理論は、0011、0012、0013に挙げるように、解剖学的根拠と臨床治療上のデータから得られた仮説である。
この仮説をもとにすれば、足部の矯正をすることで、歩行時の足部が正しい位置で固定されれば膝痛、腰痛は解消されることになるが、従来、足部の機能や活動時の足部を守り、疲労を軽減する靴下は存在している。
ブリヂストンスポーツ株式会社プレスリリース2008年1月
例えば上記非特許文献1には、足底の母趾球や小趾球を保護し、活動時には土踏まずの形状を保持、保護する靴下が提案されている。
具体的には、上記非特許文献1では、靴下の爪先部分と踵部分が立体的に編み立てされたことを特徴とし、さらに難伸縮性領域(図10−1、図10・図11−2、図10−3)を設けた靴下が提案されている。
しかしながら、上記非特許文献1の靴下は、立体的に靴下を編み立てることにより足部の負担を軽減し、長時間の活動を可能にするというものである。具体的には、母趾球と小趾球の形に合わせた立体設計によって摩擦や圧迫を抑制し、その結果母趾球と小趾球を保護するものであり、足背部と足底部に設けられた難伸縮性領域により足底部のアーチの形状を保持、保護するものである。さらにクッション性の高い足底のパイルにより、疲労を軽減し、長時間の活動を助けることを目的とするものであるが、それによる膝痛、腰痛の改善には言及されていない。
なおヒアルロン酸注射については治療に使用されるものであり、予防という観点では非現実的である上、注射を打っても効果のない場合も多い。
またサプリメント摂取については効能が出るまでに長期間を要する点や高価であるという点から継続摂取は困難であることが多く、膝痛予防、軽減、解消という幅広い効果は期待できない。
さらに靴の中敷きについては、足底小趾球部より末梢側が浮いているというだけであり、0015に述べるように、足底母趾球部に体重がかかるものではないため、膝痛の根本的な解消につながらない。
臨床上の治療データから、膝痛を訴える患者の大部分に共通して、常に下腿腓腹筋外側が伸張、内側が収縮した状態となり、前脛骨筋も常に収縮した状態となるというゆがみを見ることができた。
これは、歩行時などに足底部外側に体重を多くかけ続けたことで徐々に形成された筋の異常状態である。この筋の異常により、膝蓋骨が正常よりも外旋位で固定され、骨アラインメントが崩れた状態となる。その結果、膝関節軟骨が異常な位置での摩擦を起こすことにより関節軟骨が減少し、疼痛・炎症発生につながる。
なお、足底部外側に体重を多くかけ続けて歩行すると、第5趾外側面が着地することとなり、本来両踝部に均等に体重がかかるところ、外踝部に多くの体重がかかることとなり、外踝部に激痛が走り、最終的には歩行不能となる。
次に腰痛を訴える患者の大部分に共通して、同じく臨床上の治療データから、大腿骨大転子部が正常位置より背部へ移動しているという共通の状態を見ることができた。これもまた、歩行時に足底部外側へ体重をかけ続けたことによって大腿骨が外旋したままとなり、その結果としての状態である。
さらにその結果として、大転子部に付着する大・中・小臀筋、外旋六筋(梨状筋、上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋、外閉鎖筋、大腿方形筋)がすべて常に収縮した状態となり、筋肉の働きが低下していることを見つけることができた。この筋力低下とともに腰痛が発生する。
ただし腰痛については、この場合、ぎっくり腰などを含む腸骨上縁より末梢側(臀部)での腰痛を言い、上半身のひねりによる動きから発生する腸骨上縁より中枢側の腰痛については除外するものとする。
臨床データから0011、0013にあるような膝痛、腰痛発生過程に関する仮説が得られたため、これをもとに次のような治療方法を試みた。
歩行時の足底接地時に、足底母趾球部に体重が多くかかるように、キネシオテープで足部を矯正して、持続的に距腿関節部を矯正した状態を作り出した。
その結果、膝関節部に疼痛を訴える患者の大部分に、症状の改善が見られた。
これは解剖学的事実に照らし合わせれば、距腿関節部の矯正によって下腿腓腹筋や前脛骨筋の異常状態が正常化され、それに関連して膝蓋骨や膝関節部の骨アラインメントが正常化された結果、膝関節軟骨の異常な位置での摩擦はなくなり、膝関節部の疼痛、炎症が起きることがなくなったものである。
腰痛に関しても、腰部の疼痛を訴える患者に対し、歩行時の足底接地時に、足底母趾球部に体重を多くかけるようにキネシオテープで足部を矯正して、持続的な距腿関節部の矯正状態を作り出した。
その結果、腰部に疼痛を訴える患者の大部分に症状の改善が見られた。
これも、解剖学的事実に照らし合わせれば、距腿関節部の矯正によって下腿両骨が正常位置に戻り、その結果大腿骨は外旋することはなくなり、大転子部も正常位置にもどる。すると、大転子部に付着する大・中・小臀筋、外旋六筋(梨状筋、上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋、外閉鎖筋、大腿方形筋)の異常な収縮状態が解消され、筋力が回復してくる。その結果として、腸骨上縁より末梢側の腰痛は解消されるものである。
これらのことから、足底接地時に足底母趾球部に多く体重をかける歩き方をすることで、膝痛、腰痛は改善、解消されることが導き出せたのだが、従来の一般的な足部矯正靴下の中には、歩行時の足底接地時に足底母趾球部に体重を多くかけることを特徴とするような靴下は存在していない。
そこで本発明は、歩行時の足底接地時に足底母趾球部に体重を多くかけるように足部を矯正することで、持続的に距腿関節部を矯正した状態を作り出し、0016、0017の流れにもとづき、膝・腰それぞれについて痛みの軽減、解消、防止を目的とする靴下を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するために、本発明の靴下は、次の領域に難伸縮性領域を設けることで、靴下着用時に歩行する際、足底接地時の足底母趾球部に体重の多くがかかる形となることを特徴とした。
1.足背〜足首部
(図1−b)
足背より見た母趾球膨隆部内側縁が踵側に終止する点(図1−d)よりさらに約6cm踵側の点を始点とし、さらに踵側6cmの点を終点とする線を上底とし、足背より見た小趾球膨隆部外側縁が踵側に終止する点(図1−c)よりさらに踵側約5mmの点を始点とし、さらに踵側3.5cmの点を終点とする線を下底とする台形の領域。
(図1−e)
図1−bの踵側縁における足関節中央部の点(図1−f)から内側2cmを底辺とし、その最内側点から直角に足首の編みしろ部末梢側縁(図1−g)に引いた線を高さとする三角形の領域。
(図1−h)
図1−bの踵側縁における足関節中央部の点(図1−f)外側約3cmの幅が、靴下の足首編みしろ部末梢側縁(図1−g)から約5mm末梢側まで、最終的に幅2cmとなるような、長い台形様の領域。ただし、この領域の足首部側は直線ではなく、曲線で囲まれるものとする。
(図1−i)
足背より見た母趾球膨隆部内側縁が踵側に終止する点(図1−d)を始点とし、つま先側へ約2.5cmの部分を終点とした線を長軸とする。その中点を始点とし、内側へ約2cmの点を終点とした線を短軸とする。これらにより作られる半楕円形の領域。
2.足底部
(図1−j)
第1趾、第2趾境界部と靴下つま先縫いしろ部踵側縁(図1−n)との交点を始点とし、それよりさらに踵側約4cmの点を終点とする線を上底とする。靴下つま先縫いしろ部踵側縁(図1−n)最外側点を始点とし、それよりさらに踵側約4.5cmの点を終点とする線を下底とする。靴下つま先縫いしろ部踵側縁(図1−n)最外側点から内側へ約3cmを高さとする。これらを要素とする台形様領域。この領域は図1−iの領域と連続する。
(図1−k)
図1−jの台形上底の踵側終点よりさらに約2cm踵側の点から、靴下踵部編みしろつま先側縁(図1−l)まで引いた垂線を上底とする。図1−jの台形下底の踵側終点よりさらに約2cm踵側の点から靴下踵部編みしろつま先側縁(図1−l)に引いた垂線を下底とする。靴下踵部編みしろつま先側縁(図1−l)に沿った約3cmを高さとする。これらを要素とする台形領域。この領域は図1−bの領域と連続する。
(図1−m)
靴下つま先部編みしろ部踵側縁(図1−n)最外側地点から3.5cm踵側の点を始点とし、さらに踵側へ3cmの部分を終点とした線を長軸とする。この長軸の中点を始点とし、靴下踵部編みしろつま先側縁(図1−l)に平行に引いた線と、第4趾、第5趾境界部から踵側に引いた線(図1−o)との交点を終点とする線を短軸とする。これらにより作られる半楕円形領域。この領域は、図1−bの領域と連続する。
上記の靴下を着用、歩行するとき、図2のように、足の母趾球部を足底部に回り込ませる力(I)と、その力を補強する力(E)、(K)と、足の小趾球側を足背部に上げる力(B)と、その力をさらに上方向に引っ張り上げることで足の小趾球側を足背部に上げる力を補強する力(H)とが働く。この結果、図3のように、足底母趾球部(p)に体重の多くがかかり、小趾付け根付近から第5中足足根関節付近までの部分(q)が地面からやや浮く状態となる。
足部がこのような状態となることにより、それまで過収縮していた内側腓腹筋と前脛骨筋は伸張され、過伸張されていた外側腓腹筋は弛緩され、これらの筋があるべき均衡状態に戻る。これにより、下肢帯の骨アラインメントが正常化されることで、骨アラインメントの崩れにより誘発されていた膝痛が解消されることとなる。
腰痛については、距腿関節部の矯正により大腿骨が外旋せず正常な位置に戻り、それと共に大転子部も正常位置に戻る。その結果、大転子部に付着する大・中・小臀筋、外旋六筋(梨状筋、上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋、外閉鎖筋、大腿方形筋)の収縮が取り除かれる。
この状態でウォーキングなどの意識的な歩行をすることによってこれらの筋力が回復された結果として、腰痛の軽減、解消、防止となる。
また、従来品の靴下と本発明の靴下の比較において、従来品の図10−2は本発明靴下の図1−kに類似しているように見える。
しかし、図10−2の領域が足部に与える力は足底部アーチの形状を保持、保護する力であるのに対し、図1−kの領域は母趾球部が足底部に回りこむ力を補助する役割を担うものである。
これらのことからこの領域について、両靴下では類似はしているものの、足部が受ける力は異なるといえる。
また従来品の靴下が足部に与える力は、図10−2の領域による足底部アーチの形状を保持、保護する力である。
これに対し、本発明の靴下は、図2−(I)、(E)、(K)の力により、足底母趾球部に体重の多くをかけて接地させ、図2−(B)、(H)の力により足の小趾球側を足背部に上げるという力を足部に与えている。
したがって、図3のように、足底母趾球部(p)に体重の多くをかけ、小趾付け根付近から第5中足足根関節付近までの部分(q)を地面からやや浮く状態とする効果について、その程度は従来品の靴下よりも本発明の靴下の方が高いことが説明できる。
そして全体的な効果について、従来品は母趾球と小趾球の形に合わせて立体的に靴下を編み立てることで母趾球と小趾球への摩擦や圧迫を抑制し、足部の負担を軽減するものである。そして、足背部と足底部の難伸縮性領域により足底部のアーチの形状を保持、保護し、クッション性の高い足底のパイルにより、疲労を軽減することを目的とするものである。
これに対して本発明の靴下は、0020に説明したとおりの力が働くことで、図3のように足底母趾球部に体重の多くがかかり、小趾球部がやや浮き上がる形となる。これにより0020、0021で説明した理由から膝痛、腰痛が改善されることを可能としている。
このような点で、本発明の靴下は従来品の靴下とは目的を異にしており、膝痛、腰痛を改善するための足部矯正効果については本発明の靴下の方が高いといえる。
本発明の実施形態を表す全体図(左足用靴下) 本発明の靴下の難伸縮性領域により足部が受ける力を示した図 本発明の靴下着用時における、足部の体重分布の特徴を示した図(左足) 本発明の靴下を内側から見た図 本発明の靴下を外側から見た図 本発明の靴下の難伸縮性領域Iと足部の骨との位置関係を示した図 本発明の靴下の難伸縮性領域IIと足部の骨との位置関係を示した図 本発明の靴下の難伸縮性領域IIIと足部の骨との位置関係を示した図 本発明の靴下の難伸縮性領域IVと足部の骨との位置関係を示した図 従来の靴下を側面から見た図(左足用) 従来の靴下の足底図
本発明の靴下実施形態を図面の図1に示す。靴下本体aの素材は通常の靴下に用いられる素材でよいが、次のb、e、h、i、j、k、mのような難収縮性領域を設けるものとする。
足背〜足首部
b… 足背より見た母趾球膨隆部内側縁が踵側に終止する点(図1−d)よりさらに約6cm踵側の点を始点とし、さらに踵側6cmの点を終点とする線を上底とし、足背より見た小趾球膨隆部外側縁が踵側に終止する点(図1−c)よりさらに踵側約5mmの点を始点とし、さらに踵側3.5cmの点を終点とする線を下底とする台形の領域。
e… 図1−bの踵側縁における足関節中央部の点(図1−f)から内側2cmを底辺とし、その最内側点から直角に足首の編みしろ部末梢側縁(図1−g)に引いた線を高さとする三角形の領域。
h… 図1−bの踵側縁における足関節中央部の点(図1−f)外側約3cmの幅が、靴下の足首編みしろ部末梢側縁(図1−g)から約5mm末梢側まで、最終的に幅2cmとなるような、長い台形様の領域。ただし、この領域の足首部側は直線ではなく、曲線で囲まれるものとする。
i… 足背より見た母趾球膨隆部内側縁が踵側に終止する点(図1−d)を始点とし、つま先側へ約2.5cmの部分を終点とした線を長軸とする。その中点を始点とし、内側へ約2cmの点を終点とした線を短軸とする。これらにより作られる半楕円形の領域。
足底部
j… 第1趾、第2趾境界部と靴下つま先縫いしろ部踵側縁(図1−n)との交点を始点とし、それよりさらに踵側約4cmの点を終点とする線を上底とする。靴下つま先縫いしろ部踵側縁(図1−n)最外側点を始点とし、それよりさらに踵側約4.5cmの点を終点とする線を下底とする。靴下つま先縫いしろ部踵側縁(図1−n)最外側点から内側へ約3cmを高さとする。これらを要素とする台形様領域。この領域は図1−iの領域と連続する。
k… 図1−jの台形上底の踵側終点よりさらに約2cm踵側の点から、靴下踵部編みしろつま先側縁(図1−l)まで引いた垂線を上底とする。図1−jの台形下底の踵側終点よりさらに約2cm踵側の点から靴下踵部編みしろつま先側縁(図1−l)に引いた垂線を下底とする。靴下踵部編みしろつま先側縁(図1−l)に沿った約3cmを高さとする。これらを要素とする台形領域。この領域は図1−bの領域と連続する。
m… 靴下つま先部編みしろ部踵側縁(図1−n)最外側地点から3.5cm踵側の点を始点とし、さらに踵側へ3cmの部分を終点とした線を長軸とする。この長軸の中点を始点とし、靴下踵部編みしろつま先側縁(図1−l)に平行に引いた線と、第4趾、第5趾境界部から踵側に引いた線(図1−o)との交点を終点とする線を短軸とする。これらにより作られる半楕円形領域。この領域は、図1−bの領域と連続する。
「実施形態の効果」
本発明の靴下と0006に非特許文献1として挙げた従来品の靴下との比較アンケート調査を行った。
〈対象〉足首部の変形が見られ、膝痛、腰痛の自覚症状を持つ9歳〜84歳の男女50名
〈方法〉ウォーキング時やスポーツ時などの活動時を中心に従来品の靴下を約2週間着用後、本発明の靴下を2週間着用
Figure 0004654340
疲労度軽減を実感できなかった20%の人については、足の形が甲高や幅広であるなど、本発明の靴下を長時間(2〜3時間以上)履いていると圧迫感や違和感を覚える人たちであったため、実感が薄いようであった。
上図から、本発明の靴下は、足関節部の安定感や足の疲労度という点に関しては従来品と同等な効果を持つものの、足底母趾球部を重点的に接地させ、膝痛や腰痛を軽減、解消させるという効果は従来品の靴下には無いものということができる。
また膝痛・腰痛に関しては、本発明品の靴下着用後、次のように年齢に応じて改良されることがわかった。
Figure 0004654340
9歳から20歳代の学生については、筋肉の細さは見られず、筋力の低下のみのためか、靴下着用後、腰痛については90%の人に何らかの改善が見られた。
改善が見られなかった10%の人については、靴下爪先部分を足の爪先部分にきちんと合わせない、靴下を引っ張りすぎる、などの誤った着用方法をしていることがわかった。
特に膝に対しては、靴下を正しく着用したすべての人に、着用直後から痛みの軽減や解消が見られた。
ただしオスグッド・シュラッター病の人に関しては、膝痛の改善は見られていない。
30歳代から50歳代の人たちについては、歩行時に杖を必要とするなどの筋力の低下がない限り、足首のゆがみに起因する膝痛に関しては、全員に着用直後から痛みが軽減された、しゃがめなかった人がしゃがみこめた、などの即効性が見られた。
60歳代以上の人については、筋肉も細く、筋力も弱いためか、2週間ですべての痛みが解消されたわけではないが、膝痛の改善が85%の人に、腰痛の改善が70%の人に見られた。
痛みの改善が見られなかった人については、やはり誤った着用方法をしていることがわかった。
a 靴下本体(左足)
b 足背部難収縮性領域
c 足背小趾球膨隆部外側縁が踵側に終止する点
d 足背母趾球球膨隆部内側縁が踵側に終止する点
e 足背部〜足首部難収縮性領域
f bの踵側縁における足関節中央部の点
g 靴下の足首編みしろ部つま先側縁
h 足背部〜足首部難収縮性領域
i 足背部難収縮性領域
j 足底部難収縮性領域
k 足底部難収縮性領域
l 靴下踵部編みしろ部つま先側縁
m 足底部難収縮性領域
n 靴下つま先部編みしろ部踵側縁
o 第4趾、第5趾境界部から踵側に引いた線
I 本発明の靴下着用時に、図1−iの領域によって足部が受ける力の方向
B 本発明の靴下着用時に、図1−b,mの連続領域によって足部が受ける力の方向
E 本発明の靴下着用時に、図1−eの領域によって足部が受ける力の方向
H 本発明の靴下着用時に、図1−hの領域によって足部が受ける力の方向
K 本発明の靴下着用時に、図1−kの領域によって足部が受ける力の方向
p 本発明の靴下着用時に、足底部において体重の多くがかかる部分
q 本発明の靴下着用時に、足底部が地面から少し浮く部分
(小趾付け根付近〜第5中足足根関節付近)
ア 第1中足骨
イ 第1中足骨頭内側部
ウ イから第1中足骨を3等分した長さ分ほど踵側に進んだ点
エ イ、ウの中点から第1中足骨の太さの半分だけ進んだ点
オ 第5中足骨
カ 第5末節骨
キ 第5中足骨(オ)頭部より第5末節骨(カ)の長さ分ほど踵側の点
ク 第3中足骨
ケ 舟状骨結節部
コ キ、第3中足骨(ク)底部、ケを結ぶ線が延長されて足底部で第1、2趾の境界線と 交わる点
サ 第5中足骨(オ)底部より第5末節骨(カ)の長さ分ほどつま先側の点
シ 距舟関節
ス 第2中足骨
セ 第2中足骨(ス)の中心に引いた線の延長線と距舟関節(シ)との交点
ソ サ、セを結ぶ線がそのまま靴下の踵編み部と靴下本体の境界線に沿って足底部に回り こみ、踵編み部と靴下本体の境界線と第1、2趾境界線の延長線との交点
タ サ、セを結ぶ線の延長線と靴下踵編み部との交点
チ 内踝
ツ タから内踝(チ)内側縁を通り靴下足首部網み目と交わる点
テ 第4中足骨
ト サ、セを結ぶ線が第4中足骨(テ)底部と第5中足骨(オ)底部の境界付近で交わる 点
ナ 第4中足骨(テ)外側縁延長線上で、足部から足首部に移行する点
ニ 外踝
ヌ 第1末節骨
ネ 外踝(ニ)の頂点から第1末節骨(ヌ)の長さ分ほど上の点
I 靴下母趾部足背足底部難伸縮性領域
II 靴下小趾球側足底部〜靴下足背部〜靴下内側足底部難伸縮性領域
III 靴下足首内側部難伸縮性領域
IV 靴下足首外側部難伸縮性領域
1 従来の靴下足背部と足首部内側の難伸縮性領域
2 従来の靴下足底部から土踏まず部を包む難伸縮性領域
3 従来の靴下足背部における、すべり防止のための突起状編み立て部
4 従来の靴下足底部の難伸縮性の線状領域
5 従来の靴下足底部における踵編み部との境界線
6 従来の靴下足底部における、すべり防止のための突起状編み立て部

Claims (1)

  1. 着用して歩行し、足底が接地する際に、足底の母趾球部に重点的に体重がかかるよう、足部の姿勢を矯正するために、下記に示す難伸縮性領域I、II、III、およびIVを設け、他の領域は伸縮性領域とすることを特徴とする靴下。
    難伸縮性領域1は、靴下の足背部における第1中足骨(ア)頭部内側部を点イとし、この点イから第1中足骨(ア)を三等分した長さほど踵側へ進んだ点を点ウとし、前記点イと前記点ウの中点から小趾側へ第1中足骨(ア)の太さの半分だけ進んだ点を点エとするとき、前記点イと前記点ウをつなぐ線分を長軸とし、前記点イと前記点ウの中点と前記点エをつなぐ線分を短軸とする半楕円形の領域iと、この領域iに連続して足底部に回りこみ、足底母趾球部を台形様に包み込む領域jを合体させた領域。
    難伸縮性領域IIは、靴下の足背部における第5中足骨(オ)頭部より第5末節骨(カ)の長さ分ほど踵側の点をキとし、この点キと第3中足骨(ク)底部と舟状骨結節部(ケ)を結ぶ線が足底部に回りこみ、第1、2趾の境界線と交わる点をコとし、同じく靴下の足背部において第5中足骨(オ)底部より第5末節骨(カ)の長さ分ほどつま先側の点を点サとし、第2中足骨(ス)の中心に引いた線の延長線と距舟関節(シ)との交点をセとし、これらの点サ、点セを結ぶ線がそのまま靴下の踵編み部と靴下本体の境界線に沿って足底部に回り込み、踵編み部と靴下本体との境界線と第1、2趾境界線の延長線と交点ソを作るとき、前記点キ、ク、ケ、コ、サ、セ、ソで囲まれた領域b、kと、この領域bに連続して小趾側で足底に回り込み、第4、5趾境界線上で曲線を描いて終止する領域mを合体させた領域。
    難伸縮性領域IIIは、靴下の足背部における前記点サと前記点セを結ぶ線の延長線と靴下踵編み部との交点を点タとし、前記点タから内踝(チ)内側縁を通り靴下足首部網み目との交点を点ツとするとき、これらの点セ、タ、ツで囲まれる領域(e)。
    難伸縮性領域IVは、靴下の足背部における前記点サと前記点セを結ぶ線が第4中足骨(テ)底部と第5中足骨(オ)底部の境界付近で交わる点を点トとし、第4中足骨(テ)外側縁延長線上で、足部から足首部に移行する点を点ナとし、外踝(ニ)の頂点から第1末節骨(ヌ)の長さ分ほど上の点を点ネとするとき、これらの点ト、セ、ネで囲まれる領域(h)。
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