JP4653052B2 - 濁りおよび沈殿が防止された植物ポリフェノールとコラーゲンを含む飲食品、並びに飲食品における濁りおよび沈殿の防止方法 - Google Patents

濁りおよび沈殿が防止された植物ポリフェノールとコラーゲンを含む飲食品、並びに飲食品における濁りおよび沈殿の防止方法 Download PDF

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Description

本発明は、濁りおよび沈殿が防止された植物ポリフェノールおよびコラーゲンを含む飲食品に関する。
コラーゲンは、真皮、靭帯、腱、軟骨および骨などを構成する成分の1つであり、近年、このコラーゲンが生体において種々の効果を有することが明らかになっている。例えば、コラーゲンを多く含む飲食品が、皮膚の張りや、関節の痛みの改善、血管老化の防止などあることが知られてきた。
一方、近年、植物性のポリフェノールは、抗酸化作用を初めとする生体に対して有益な種々の作用を有していることが知られるようになり、化粧品および飲食品など多岐に亘り利用されている。
このような状況の中、コラーゲンと植物ポリフェノールを同時に摂取することが可能な飲食品の開発が盛んに行われている。例えば、特開平10−337158号公報は、ポリフェノール含有液にゼラチンを添加し、沈殿を生じずに均一で清澄なゲル状食品を提供する技術を開示している(引用文献1)。また、特許第3416102号公報は、植物ポリフェノールとコラーゲンを含む液体にペクチンを添加することにより白濁および/または沈殿が防止された液体組成物を開示している(引用文献2)。
しかしながら、このような従来技術をもってしても、植物性のポリフェノールとコラーゲンまたはゼラチンなどを含有する飲料または食品であって、有効性だけではなく、見た目にも満足にいく、濁りのない透明性の維持された飲料および食品の提供は現在においても十分には得られていない。
特開平10−337158号公報 特許第3416102号公報
上記のような状況に鑑み、本発明の目的は、濁りおよび沈殿が防止された植物ポリフェノールとコラーゲンを含む飲食品、並びに飲食品における濁りおよび沈殿の防止方法を提供することである。
上記目的を解決するための手段が、本出願人の鋭意研究の結果見出された。即ち;
(1) 植物ポリフェノール、コラーゲン、および濁りおよび沈殿を防止するために有効な量の塩基性アミノ酸を含み、前記塩基性アミノ酸の作用により濁りおよび沈殿の防止された液体により形成された濁りおよび沈殿のない飲食品;
(2) 植物ポリフェノール、コラーゲン、および濁りおよび沈殿を防止するために有効な量の塩基性アミノ酸を含み、前記塩基性アミノ酸の作用により濁りおよび沈殿の防止された液体を含有する濁りおよび沈殿のない飲食品;
(3) 前記有効な量が、塩基性アミノ酸によって当該液体のpH値が7.5以上に調整される量である(1)または(2)の何れか1項に記載の飲食品;
(4) 前記植物ポリフェノールがその分子構造内にカテキン骨格および/またはピロガロール骨格を有する(1)〜(3)の何れか1項に記載の飲食品;
(5) 前記植物ポリフェノールが、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、縮合型タンニン、テアフラビン、テアフラビンガレート、テアフラビンジガレート、テアルビジン、プロアントシアニジン、加水分解型タンニン、テルフィジンおよびこれらの組み合わせである(1)〜(4)の何れか1項に記載の飲食品;
(6) 前記塩基性アミノ酸が、アルギニン、リジン、オルニチンおよびその何れかの組み合わせからなる群より選択される(1)〜(5)の何れか1項に記載の飲食品;
(7) 当該飲食品が、飲料、スープおよびゼリー状飲食品からなる群より選択される飲食品である(1)〜(6)の何れかに記載の飲食品;
(8) 当該飲食品が、緑茶、紅茶、ウーロン茶、グアバ茶、甜茶およびその何れかの組み合わせからなる群より選択された茶由来の植物ポリフェノールを含む茶飲料である(1)〜(7)の何れか1項に記載の飲食品;
(9) 植物ポリフェノール、コラーゲンおよび塩基性アミノ酸を含む液体により形成される飲食品において、前記塩基性アミノ酸の作用により前記液体のpH値が7.5以上に調整されることによって前記飲食品の濁りおよび沈殿を防止する方法;
(10) 植物ポリフェノール、コラーゲンおよび塩基性アミノ酸を含有する飲食品において、前記塩基性アミノ酸の作用によりpH値が7.5以上に調整されることによって前記飲食品の濁りおよび沈殿を防止する方法;
(11) 前記植物ポリフェノールがその分子構造内にカテキン骨格および/またはピロガロール骨格を有する(9)または(10)の何れか1項に記載の方法;
(12) 前記植物ポリフェノールが、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、縮合型タンニン、テアフラビン、テアフラビンガレート、テアフラビンジガレート、テアルビジン、プロアントシアニジン、加水分解型タンニン、テルフィジンおよびこれらの組み合わせである(9)〜(11)の何れか1項に記載の方法;
(13) 前記塩基性アミノ酸が、アルギニン、リジン、オルニチンおよびその何れかの組み合わせからなる群より選択される(9)〜(12)の何れか1項に記載の方法;
(14) 前記飲食品が、飲料、スープおよびゼリー状食品からなる群より選択される飲食品である(9)〜(13)の何れか1項に記載の方法;
(15) 当該飲食品が、緑茶、紅茶、ウーロン茶、グアバ茶、甜茶およびその何れかの組み合わせからなる群より選択された茶由来の植物ポリフェノールを含む茶飲料である(9)〜(14)の何れか1項に記載の方法;
(16) (9)〜(15)の何れかの方法を具備する飲食品の製造方法;
(17) 植物ポリフェノールとコラーゲンを含む液体のpH値を7.5以上にすることで活性を生ずる塩基性アミノ酸からなる、飲食品の濁りおよび沈殿の防止剤。
本発明により、濁りおよび沈殿が防止された植物ポリフェノールとコラーゲンを含む飲食品、並びに飲食品における濁りおよび沈殿の防止方法が提供された。
本発明の態様に従うと、本発明に従う飲食品は、植物ポリフェノール、コラーゲンおよび濁りおよび沈殿を防止するために有効な量の塩基性アミノ酸を含み、当該塩基性アミノ酸の作用によって濁りおよび沈殿のない飲食品が提供される。
このような本発明に従う飲食品は、コラーゲンを含有する濁りおよび沈殿が防止された飲食品であり、特に、透明な飲食品である。即ち、本発明の態様に従うと、従来、植物ポリフェノールとコラーゲンを混合した場合に一般的に観察されるような濁り若しくは沈殿、または沈殿はないものの透明感に欠けるような状態を防止することが可能である。
本発明の態様に従う飲食品は、沈殿もなく、濁りもなく、透明であるため、消費者に対して品質や機能性ばかりではなく、清涼感を演出することが可能であり、それにより美的感覚に訴えることのできる商品価値の高い製品を提供することが可能である。
1.成分
(1)植物ポリフェノール
本発明の態様において使用される植物ポリフェノールは、従来の公知の何れの植物性ポリフェノールであってもよい。例えば、以下の化学式(I)により示されるカテキン骨格および/または以下の化学式(II)により示されるピロガロール骨格を分子構造内に有する植物ポリフェノールが好ましい。
Figure 0004653052

Figure 0004653052
前記カテキン骨格および/またはピロガロール骨格を分子構造内に有する植物ポリフェノールの例は、これに限定されるものではないが、以下からなる群より少なくとも1以上で選択されてよい;例えば、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、縮合型タンニン、テアフラビン、テアフラビンガレート、テアフラビンジガレート、テアルビジン、プロアントシアニジン、加水分解型タンニン、テルフィジンおよびこれらの組み合わせ。
本発明の態様において使用される植物ポリフェノールは、例えば、天然の植物より得られたものであっても、それ自身公知の何れかの手段によって人工的に合成されたものであってもよい。
これに限定されるものではないが、本発明に従う植物ポリフェノールを採取および/または抽出するための天然の植物は、植物ポリフェノールを含む何れの植物由来の物質であってもよい。例えば、植物の葉、茎、花弁および根などから採取および/または抽出されてよい。或いは、茶葉および茎、並びにその加工品である不発酵茶、例えば、緑茶、例えば、抹茶、玉露、かぶせ茶、煎茶、玉緑茶、番茶など;半発酵茶、例えば、ウーロン茶、白茶、青茶、包種茶など;発酵茶、例えば、紅茶、中国紅茶、イギリス紅茶、例えば、ダージリン、アッサム、スリランカなど;微生物発酵茶、例えば、黒茶類、例えば、漬物茶、後発酵茶、例えば、碁石茶、阿波晩茶、ニエン、ラペソウミエンなど、ハーブティーなど;その他の何れの加工茶、例えば、焙じ茶、緊圧茶、例えば、緑磚茶、紅磚茶、黒磚茶など;着香茶、例えば、ジャスミン茶、フレーバーリングティーなどから採取および/または抽出などにより得られてもよい。また、それらの混合物から得られてもよい。更にまた、ブドウ科、例えば、ブドウ、マスカット、その加工類であるワイン;柑橘類、例えば、温州ミカン、オレンジなど;リンゴ;豆科、ダイズ、ソラマメなど;シソ科植物など茶以外の植物由来のポリフェノールであってもよい。しかしながら、これらに限定されるものではない。
本発明の態様において使用される植物ポリフェノールは、例えば、50mg/L〜2000mg/L、より好ましくは100mg/L〜1000mg/Lの量で本発明の飲食品において含まれてよい。
(2)コラーゲン
コラーゲンは、人や動物の皮膚、骨などに存在する不溶性構造タンパク質である。
しかし本発明の態様において使用される「コラーゲン」とは、水溶性コラーゲンを意味し、不溶性の天然コラーゲンを熱処理して変性させたゼラチンあるいは天然コラーゲン又はゼラチンを酸および/または酵素により加水分解され、分子量数百〜数万にされたコラーゲンペプチドあるいはこれらを化学的、酵素的に修飾したものの何れであってもよい。ここで加水分解および修飾に用いる酵素は公知の何れの酵素であってもよい。
これらのコラーゲンの供給源は、牛、豚、馬および羊などの哺乳動物類、鶏、ガチョウ、七面鳥、鴨、家鴨などの鳥類または、鱈、鯉、鮫、平目および鱸などの魚類に由来するものであればよい。例えば、魚類に由来する場合、骨、皮および鱗などから調製されてよい。
本発明の態様において使用されるコラーゲンの量は、本発明に従う液体において1L当たり1g〜10gであればよく、例えば2g〜5gであるが、これに限定されるものではない。
(3)塩基性アミノ酸
本発明の態様に従えば、本発明の飲食品は、上述したような植物ポリフェノールとコラーゲンを含んでいながら、沈殿も濁りも防止されるものである。このような効果は、植物ポリフェノールとコラーゲンと共に、更に、塩基性アミノ酸を存在させ、その存在によってpH値を適切な値に調整することによる。
ここで使用される「濁りおよび沈殿を防止するために有効な量」、「有効な量」または「有効量」とは、植物ポリフェノールとコラーゲンと共に溶液中に当該塩基性アミノ酸が存在した場合に、前記植物ポリフェノールとコラーゲンとの共存による濁りおよび沈殿を防止するために必要な量の塩基性アミノ酸の量をいう。
当該有効な量は、例えば、塩基性アミノ酸を添加することにより当該溶液がpH7.5以上になるような量であればよく、或いは、例えば、当該溶液のpH値が7.8以上になるような量であればよい。また、本発明に従うと、塩基性アミノ酸を添加することにより、前記植物ポリフェノールとコラーゲンの共存により生成する濁りおよび沈殿を防止するのみならず、前記植物ポリフェノールとコラーゲンの共存によって既に生成してしまっている濁りおよび沈殿を消失することも可能である。
本発明に従う塩基性アミノ酸の例は、本発明の飲食品を、十分な効果を得るために必要な程度に塩基性とすることが可能なアミノ酸であればよく、例えば、それ自身公知の何れの塩基性アミノ酸であればよい。好ましくは、これらに限定されるものではないが、アルギニン、リジン、オルニチンおよびその何れかの組み合わせからなる群より少なくとも1以上で選択されればよい。本発明において使用される好ましい塩基性アミノ酸は、例えば、アルギニン、リジンおよびオルニチンであり、より好ましい塩基性アミノ酸は、アルギニンおよびリジンである。
更に、本発明に従う効果を得るために本発明の飲食品に含まれる塩基性アミノ酸の量は、常温、即ち、15℃〜25℃においては、これに限定されるものではないが、例えば、0.04%以上であればよい。また塩基性アミノ酸の量は、共存する植物ポリフェノールおよび/またはコラーゲンの量に応じて、それらを含む液体のpH値を、例えば、7.5以上にするように適宜塩基性アミノ酸の添加量を増減してもよい。また、本発明に従う飲料物の維持されるであろう温度によって当該塩基性アミノ酸の量を増減してもよい。このような当該塩基性アミノ酸の量の増減の調節は当業者であれば容易に行うことが可能であろう。更に、必要に応じて所望の何れかの添加物が添加されてもよい。そのような変更された構成によりなる飲食類、また、そのような方法により得られた飲食類も本発明の範囲内に入ることは当業者には容易に理解されるであろう。
本発明の態様において、塩基性アミノ酸を用いてpH値を7.5以上に調整することが重要である。従って、塩基性アミノ酸の代わりにそれ以外のpH調整剤、例えば、炭酸ナトリウムなどの塩基性溶液によって、pH値を7.5以上に調整し、飲食品を製造しても、本発明によって得られるような効果は得られない。即ち、例えば、そのような製造物では、十分な濁りおよび/または沈殿防止効果が得られなかったり、風味が悪くなるので、製品としての価値が落ちる。それに対して、本発明に従う塩基性アミノ酸の使用により、コラーゲンを含む植物ポリフェノール飲食品において、風味に悪影響を与えずに、濁りおよび沈殿を防止する顕著な効果が得られる。
2.好ましい態様
従来の技術を用いて、コラーゲンとカテキンなどの植物ポリフェノールを液体中で混合した場合、その液体中でこれらが相互作用を生じ、凝集して濁りが生じる。そのため、従来では、液体原料および飲食品では、コラーゲンとカテキンとを含んだ場合、沈殿と共に濁りが生じたり、沈殿を含まなくとも濁りが生じたりしている。この現象は、栄養および美容など、その機能性の面から見た場合には問題は少ないが、より高い商品価値を提供するためには美観を損ねる。従って、凝集、濁りおよび沈殿を含まないように美観を向上することが産業上重要である。
ここで使用される「飲食品」とは、飲料形態の食品、咀嚼を必要としない、例えば、緑茶、ジュースなどの清涼飲料水、コンソメスープおよびお吸い物などのスープ類、同じく咀嚼を必要としない、ある程度の硬度および/または粘度を有するゼリー状食品、ある程度の咀嚼を必要とする、ある程度の硬度および/または粘度を有するゼリー状食品、或いは非飲料形態の食品、例えば、咀嚼を必要とする何れかの硬度および/または粘度を有するゼリー状食品などを含む。
ここで使用される「ゼリー状飲食品」とは、ゾルおよびゲルを含む何れの硬度および/または粘度を有する状態の咀嚼不要の飲食品、ある程度の咀嚼を要する飲食品、および咀嚼を要する飲食品であってもよく、このようなゼリー状飲食品は当業分野において公知であり、また、本発明に従う当該液体から目的とするゼリー状食品を製造する方法は当業分野において公知の何れの手段が用いられて達成されてよい。そのような手段には、例えば、ゲル化剤の添加が含まれてもよい。本発明において適切なゲル化剤の例は、これらに限定されるものではないが、ゼラチン、寒天およびカラギーナンなどである。尚、ゲル化剤としてゼラチンを用いる場合には、飲食品中のコラーゲンの量を上述されたよりもさらに多くしてもよい。
当該飲食品は、上述された何れかの植物ポリフェノールの単独または組み合わせと、上述したコラーゲンと、塩基性アミノ酸とを含む飲食品であればよい。例えば、そのような飲食品は、緑茶、紅茶、ウーロン茶、グアバ茶、甜茶およびその何れか単独の茶飲食品であっても、またはそれらの組み合わせからなる混合茶飲食品であってもよい。また、植物ポリフェノールの何れか単独または何れかの組み合わせと、上述したコラーゲンと、塩基性アミノ酸とを含むフルーツジュース、ミネラル補給用飲料、イオン補給用飲料、スポーツ飲料および水分補給用飲料などの清涼飲料水、並びに温製または冷性コンソメスープまたはお吸い物などのスープ類など、また、ゼリー状飲食品など、特に、透明であることが消費者に対して清涼感を与え、美観的にも味覚的にも良好な影響を与えることが予測されるような何れの飲食品であってもよい。
本発明に従う飲料は以下の工程を具備する製造方法により製造されてもよい:
(a)植物ポリフェノールとコラーゲンを混合して第1の混合物を得ることと、
(b)第1の混合物と有効量の塩基性アミノ酸を混合して第2の混合物を得ることと、
(c)第2の混合物から、濁りおよび沈殿が防止された液体を得ることと、
(d)(c)の溶液から、飲食品としての最終製品を得ること。
工程(a)の混合は、当該植物ポリフェノールとコラーゲンを混合して第1の混合物を得る工程である。当該植物ポリフェノールとコラーゲンは混合時に液体であってもよく、または固体であってもよい。液体である場合は、所望の天然の植物ポリフェノールを水またはお湯などで抽出採取した抽出液であってもよく、また、人工の固体植物ポリフェノールを所望の液体に溶解して調製してもよい。両物質が固体である場合には、第1の混合物を得た前後の何れかに所望の液体に溶解してもよい。また、両物質が固体のまま混合されてもよく、その場合、必ずしも均等に混合された混合物を工程(a)において得る必要はなく、1つの容器などの空間に共存された状態で得られればよい。
工程(b)は、工程(a)で得られた第1の混合物に対して有効量の塩基性アミノ酸を混合して第2の混合物を得る工程である。使用される塩基性アミノ酸は固体でも液体でもよい。
工程(c)は、工程(b)の混合物から濁りおよび沈殿が防止された溶液を得ることであるが、仮に工程(b)までの工程で得られた何れかの混合物が液体である場合は、すでに濁りおよび沈殿が防止された溶液が得られているので、工程(c)は省略されてもよい。
工程(d)は、所望する最終製品を得ることである。この工程において、適切な容器に工程(c)までに得られた液体を添加してよい。また、当該濁りおよび沈殿が防止された液体が、所望の粘度および/または強度を有してもよい。そのための添加物は何れの工程において添加されていてもよく、工程(d)において所望の粘度および/または強度が得られるように処理されてもよい。その他の例えば、甘味料、香料、保存料、pH調整剤および酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸ナトリウムなどの添加物が何れの段階で添加されてもよい。また、何れの工程において何れの添加剤も添加されなくてもよい。
または、本発明に従う飲料は、以下の工程を具備する製造方法により製造されてもよい:
(a)植物ポリフェノールと有効量の塩基性アミノ酸を混合して第1の混合物を得ることと、
(b)(a)で得られた混合物にコラーゲンを添加して第2の混合物を得ることと、
(c)第2の混合物から、濁りおよび沈殿が防止された溶液を得ることと、
(d)(c)の溶液から、飲食品としての最終製品を得ること。
工程(a)の混合は、当該植物ポリフェノールと有効量の塩基性アミノ酸を混合して第1の混合物を得る工程である。当該植物ポリフェノールと有効量の塩基性アミノ酸は混合時に液体であってもよく、または固体であってもよい。液体である場合は、所望の天然の植物ポリフェノールを水またはお湯などで抽出採取した抽出液であってもよく、また、人工の固体植物ポリフェノールを所望の液体に溶解して調製してもよい。両物質が固体である場合には、第1の混合物を得た前後の何れかに所望の液体に溶解してもよい。また、両物質が固体のまま混合されてもよく、その場合、必ずしも均等に混合された混合物を工程(a)において得る必要はなく、1つの容器などの空間に共存された状態で得られればよい。
工程(b)は、工程(a)で得られた第1の混合物に対してコラーゲンを混合して第2の混合物を得る工程である。使用されるコラーゲンは固体でも液体でもよい。
工程(c)は、工程(b)の混合物から濁りおよび沈殿が防止された溶液を得ることであるが、仮に工程(b)までの工程で得られた何れかの混合物が液体である場合は、すでに濁りおよび沈殿が防止された溶液が得られているので、工程(c)は省略されてもよい。
工程(d)は、所望する最終製品を得ることである。この工程において、適切な容器に工程(c)までに得られた液体を添加してよい。また、当該濁りおよび沈殿が防止された液体が、所望の粘度および/または強度を有してもよい。そのための添加物は何れの工程において添加されていてもよく、工程(d)において所望の粘度および/または強度が得られるように処理されてもよい。その他の例えば、甘味料、香料、保存料、pH調整剤および酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸ナトリウムなどの添加物が何れの段階で添加されてもよい。また、何れの工程において何れの添加剤も添加されなくてもよい。
または、本発明に従う飲料は、以下の工程を具備する製造方法により製造されてもよい:
(a)有効量の塩基性アミノ酸とコラーゲンを混合して第1の混合物を得ることと、
(b)(a)で得られた混合物に植物ポリフェノールを添加して第2の混合物を得ることと、
(c)第2の混合物から、濁りおよび沈殿が防止された溶液を得ることと、
(d)(c)の溶液から、飲食品としての最終製品を得ること。
工程(a)の混合は、有効量の塩基性アミノ酸とコラーゲンを混合して第1の混合物を得る工程である。当該有効量の塩基性アミノ酸とコラーゲンは混合時に、何れか一方または両方が液体であってもよく、または固体であってもよい。両物質が固体である場合には、第1の混合物を得た前後の何れかに所望の液体に溶解してもよい。また、両物質が固体のまま混合されてもよく、その場合、必ずしも均等に混合された混合物を工程(a)において得る必要はなく、1つの容器などの空間に共存された状態で得られればよい。
工程(b)は、工程(a)で得られた第1の混合物に対して植物ポリフェノールを混合して第2の混合物を得る工程である。使用される植物ポリフェノールは固体でも液体でもよい。液体である場合は、所望の天然の植物ポリフェノールを水またはお湯などで抽出採取した抽出液であってもよく、また、人工の固体植物ポリフェノールを所望の液体に溶解して調製してもよい。工程(a)において固体で得られた第1の混合物を液体の植物ポリフェノールに溶解してもよい。
工程(c)は、工程(b)の混合物から濁りおよび沈殿が防止された溶液を得ることであるが、仮に工程(b)までの工程で得られた何れかの混合物が液体である場合は、すでに濁りおよび沈殿が防止された溶液が得られているので、工程(c)は省略されてもよい。
工程(d)は、所望する最終製品を得ることである。この工程において、適切な容器に工程(c)までに得られた液体を添加してよい。また、当該濁りおよび沈殿が防止された液体が、所望の粘度および/または強度を有してもよい。そのための添加物は何れの工程において添加されていてもよく、工程(d)において所望の粘度および/または強度が得られるように処理されてもよい。その他の例えば、甘味料、香料、保存料、pH調整剤および酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸ナトリウムなどの添加物が何れの段階で添加されてもよい。また、何れの工程において何れの添加剤も添加されなくてもよい。
また、本発明に従う飲食品は、例えば、適切な容器に充填された製品として適用されてもよい。そのような容器は、これらに限定されるものではないが、例えば、ペットボトルなどのプラスチックボトル、例えば、ブリックパック、フジパックおよびピュアパックなどの紙容器、ガラス瓶、例えば、軽量瓶および超軽量多用途瓶など、スチール缶およびアルミ缶などを当業者に公知の何れの容器を使用してもよい。
本発明の好ましい態様に従うと、所望の容器への本願発明に従う飲料の充填はホットパック法により行ってもよい。ポットパック法は、それ自体当業者に公知の方法である。より好ましくは、100℃以下の比較的高い温度で当該容器に本願発明に従う飲料の充填を行う。
更に、本発明の態様に従って、当該飲料をゲル化および固形化するための手段は、それ自体当業者に公知の何れの手段を用いてもよい。
例1:塩基性アミノ酸による濁りおよび沈殿防止効果
塩基性アミノ酸の濁りおよび沈殿防止効果を確認するために以下の試験を行った。
まず、液体緑茶飲料(商品名;おーいお茶(登録商標)伊藤園株式会社製)の100mLに対してアルギニン(商品名;L−アルギニン、味の素株式会社製)またはリジン(商品名;L−リジン、東京化成工業株式会社製)を、当該液のpH値を8.5程度となるように、表1に記載する濃度で、即ち、0.1gのアルギニンまたは0.2gのリジンを添加した。更に、それに対してタラ由来コラーゲン(東洋水産株式会社製;コラーゲン含量90%以上)を0.2g溶解し、各段階での濁りや沈殿の有無を目視およびOD660nm(即ち、吸光度の測定)にて確認した。実験は何れも24℃〜25℃の室内の温度において行った。
Figure 0004653052
表1に示した通り、塩基性アミノ酸を添加せずにコラーゲンのみを液体緑茶飲料に添加した場合には、液体緑茶飲料の透明性は完全に失われ全体に白濁した状態となった。この時、OD660nmは0.749であり、他の検体と比較して明らかに大きな値を示した。また、pH値についても、コラーゲンを含まない液体緑茶飲料と、コラーゲンを含む液体緑茶飲料とでは、同程度のpH値であったにもかかわらず、コラーゲンを含む液体緑茶飲料では白濁が生じていた。
それに対して、0.1%のアルギニンおよび0.2%のリジンの塩基性アミノ酸を単独でそれぞれ添加した場合、また、コラーゲンと併用して添加した場合の何れにも濁り、沈殿は観察されなかった。この時のpH値は何れも8.0以上であった。
この結果から、コラーゲンのみをポリフェノールを含む液体緑茶飲料に添加すると透明性の全くない白濁した液体となり、商品としての価値、美観が損なわれる状態となるが、塩基性アミノ酸を併用しpH値を上げることで濁りを防止し、透明度が完全に維持された商品価値の高い液体飲料が得られることがわかった。
また、上述の例1においては、植物ポリフェノールとしての液体緑茶飲料と塩基性アミノ酸としてのアルギニンまたはリジンを混合した後に、コラーゲンを添加した場合の結果を示した。しかしながら、植物ポリフェノールとしての液体緑茶飲料とコラーゲンを先に混合し、その混合液に塩基性アミノ酸としてのアルギニンまたはリジンを混合した場合であっても同様な効果が得られた。
例2:各種コラーゲンに対する塩基性アミノ酸による濁りおよび沈殿防止効果
各種コラーゲンに対する塩基性アミノ酸による濁りおよび沈殿防止効果を確認するために以下の試験を行った。
液体緑茶飲料(商品名;おーいお茶(登録商標)伊藤園株式会社製)の100mLに対してアルギニン(商品名;L−アルギニン、味の素株式会社製)を0.1g添加して混合した。その後、各種コラーゲン、即ち、魚コラーゲン1(タラ由来コラーゲン、東洋水産株式会社製;コラーゲン含量90%以上)、魚コラーゲン2(商品名;マリンマトリックス(登録商標)、焼津水産化学工業株式会社製)、ブタコラーゲン(商品名;P−LAP、日本ハム株式会社製)、鶏コラーゲン(商品名;C−LAP(登録商標)、日本ハム株式会社製)をアルギニン含有する群と含有しない群とを比較した。
Figure 0004653052
表2の結果から、コラーゲンの原料の種類によらず、ポリフェノールを含む液体緑茶飲料にコラーゲンを添加することにより白濁が生成されることと共に、それに対して、本発明の態様に従い塩基性アミノ酸を添加することによってpH値を上げることで、何れのコラーゲンの種類についても全く濁りのない液体が得られ、濁りおよび沈殿防止効果が発揮されていることが明らかとなった。
また、上述の例2においては、植物ポリフェノールとしての液体緑茶飲料と塩基性アミノ酸としてのアルギニンを混合した後に、各コラーゲンを添加した場合の結果を示した。しかしながら、植物ポリフェノールとしての液体緑茶飲料とコラーゲンとを先に混合し、その混合液に塩基性アミノ酸としてのアルギニンまたはリジンを混合した場合であっても同様な効果が得られた。
例3:各種ポリフェノール製剤とコラーゲンに対する塩基性アミノ酸による濁りおよび沈殿防止効果
各種のポリフェノール製剤を使用して塩基性アミノ酸の濁りおよび沈殿防止効果について検討した。
各種のポリフェノール製剤は、それぞれ、0.2gを200mLのイオン交換水に溶解し、次にアルギニン(商品名;L−アルギニン、味の素株式会社製)を、当該液体がpH値8〜9になるように添加して混合した。
その後、タラ由来コラーゲン(東洋水産株式会社製;コラーゲン含量90%以上)の0.2gを溶解し、各段階での濁りや沈殿の有無を目視およびOD660nmにて確認した。
使用したポリフェノールは、緑茶カテキン製剤(商品名;サンフェノン(登録商標)BG−3、太陽化学株式会社製)、グアバ葉ポリフェノール製剤(商品名:グアバフェノン(登録商標)、備前化成株式会社製)、ブドウ種子ポリフェノール製剤(商品名;グラヴィノール(登録商標)、キッコーマン株式会社製)であった。
Figure 0004653052
表3の結果から、ポリフェノールの種類によらず、コラーゲンと植物ポリフェノールの相互作用により白濁または沈殿が生成されることと共に、それに対して、本発明の態様に従って塩基性アミノ酸を添加することによりpH値を上げることで、何れのポリフェノールの種類についても濁りまたは沈殿を防止できることがわかった。
また、上述の例3においては、種々の植物ポリフェノールと塩基性アミノ酸としてのアルギニンを混合した後に、コラーゲンを添加した場合の結果を示した。しかしながら、前記植物ポリフェノールとコラーゲンを先に混合し、その混合液に塩基性アミノ酸を混合した場合であっても同様な効果が得られた。
例4:各種飲料における塩基性アミノ酸による濁りおよび沈殿防止効果
緑茶以外の飲料におけるアルギニンの濁りおよび沈殿防止効果について検討した。
使用した飲料は次の通りである。紅茶(商品名;午後の紅茶、キリンビバレッジ株式会社製)、グアバ茶(商品名:蕃爽麗茶(登録商標)、株式会社ヤクルト本社製)を使用した。
これらの各種液体飲料100mLに対して、アルギニン(商品名;L−アルギニン、味の素株式会社製)を0.1g添加混合し、続いて、タラ由来コラーゲン(東洋水産株式会社製;コラーゲン含量90%以上)を0.2g溶解した。各々のサンプルについて濁りおよび沈殿の有無を目視およびOD660nmにて確認した。
結果を表4に示す。
Figure 0004653052
表4の結果から、本発明が緑茶系飲料だけでなく紅茶またはグアバ茶など、他の茶系飲料などのポリフェノールを含む飲料に対しても有効な効果を発揮することが明らかとなった。
また、上述の例4においては、植物ポリフェノールとしての各種茶類と塩基性アミノ酸としてのアルギニンを混合した後に、コラーゲンを添加した場合の結果を示した。しかしながら、当該植物ポリフェノールとコラーゲンを先に混合し、その混合液に当該塩基性アミノ酸を混合した場合であっても同様な効果が得られた。
例5:各種茶葉抽出液における塩基性アミノ酸による濁りおよび沈殿防止効果
各種茶葉から湯を用いて直接抽出した抽出液を使用して、塩基性アミノ酸による濁りおよび沈殿の防止効果について検討した。各種茶葉は、緑茶葉(京都産やぶ北茶)35g、ウーロン茶葉(中国産)15g、紅茶葉(ケニア産)15gを使用した。
それぞれの茶葉ごとに80℃のイオン交換水1000mLで60秒間抽出し、緑茶、ウーロン茶および紅茶、それぞれに抽出液を得た。それらを濾紙(No.1)で濾過し、その抽出液を試料とした。
常温(即ち、24〜25℃)までに冷却した各種茶葉抽出液の100mLに、アルギニン(商品名:L−アルギニン、味の素株式会社製)を以下の通り添加した。即ち、緑茶抽出物には0.2g、他の茶出物には0.1gで添加した。それぞれを混合し、その後、タラ由来コラーゲン(東洋水産株式会社製;コラーゲン含量90%以上)を0.2gで溶解した。これらの試料について、目視による濁りおよび沈殿の有無と吸光度(660nm)による濁度試験を行った。
その結果を表5に示す。
Figure 0004653052
表5の結果から、茶葉から直接抽出したポリフェノールを含んだ茶抽出液についても、ポリフェノールの種類によらず、コラーゲンと植物ポリフェノールの相互作用により白濁が生成されるが、本発明の態様に従うように塩基性アミノ酸を添加することによってpH値を上げることで、何れのポリフェノールの種類についても濁りを防止できることがわかった。
また、上述の例5においては、種々の植物ポリフェノールと塩基性アミノ酸を混合した後に、コラーゲンを添加した場合の結果を示した。しかしながら、前記植物ポリフェノールとコラーゲンを先に混合し、その混合液に塩基性アミノ酸を混合した場合であっても同様な効果が得られた。
例6:濁りおよび沈殿防止におけるpH値と塩基性アミノ酸の添加量の検討
(1)液体緑茶飲料
pH値と塩基性アミノ酸の添加量の違いによる当該防止効果に関する評価を行った。
液体緑茶飲料(商品名;おーいお茶、伊藤園株式会社製)の100mLに、アルギニン(商品名;L−アルギニン、味の素株式会社製)を、0.01%、0.03%、0.04%、0.05%、0.07%および0.1%で添加して混合し、次にタラ由来コラーゲン(東洋水産株式会社製;コラーゲン含量90%以上)を0.2g溶解した。これらについて、濁りや沈殿の有無を目視およびOD660nmにて確認した。
その結果を表6−1に示す。
Figure 0004653052
表6−1に示した通り、0.01%のアルギニンの添加では白濁が観察され、0.03%のアルギニンの添加では僅かな白濁が観察された。また、アルギニンの添加により添加後のpH値を7.4にした場合には、まだ僅かに白濁が見られた。しかしながら、それ以上のpH値では濁りは全く観察されなかった。この際、pH値の変化は添加された塩基性アミノ酸の濃度によって濃度依存的に上昇した。
また、0.04%のアルギニンを添加したサンプルにおいて、当該アルギニン添加直後のpH値は表6−1に示す通り、7.8であったが、このサンプルを放置するとpH値は7.5となった。pH7.5の当該溶液においても濁りおよび沈殿は全く観察されなかった。
従って、以上の結果から、塩基性アミノ酸を添加することにより、十分な濁り防止効果を得えるためには、塩基性アミノ酸の添加量を当該液体のpH値を7.5以上にすることが必要であることがわかった。
(2)液体ウーロン茶飲料
次に、同様な試験を液体ウーロン茶飲料を用いて行った。液体ウーロン茶飲料(商品名;ウーロン茶、サントリー株式会社製)の100mLにアルギニン(商品名;L−アルギニン、味の素株式会社製)を0%、0.01%、0.02%、0.04%、0.05%で添加して混合し、次に、タラ由来コラーゲン(東洋水産株式会社製;コラーゲン含量90%以上)を0.3g溶解し、濁りや沈殿の有無を目視およびOD660nmにて確認した。
その結果を表6−2に示す。
Figure 0004653052
表6−2に示した通り、0.01%および0.02%のアルギニンの添加では白濁が観察された。しかしながら、アルギニンの添加により添加後のpH値を7.49以上にした場合には、濁りおよび沈殿は全く観察されなかった。また、pH値の変化は添加された塩基性アミノ酸の濃度によって濃度依存的に上昇した。
以上の結果から、本発明に従う方法、即ち、塩基性アミノ酸の添加によって、液体緑茶飲料ばかりではなく、他の植物ポリフェノールとコラーゲンによる濁りおよび沈殿を十分に防止することが明らかとなった。
また、上述の例6においては、植物ポリフェノールと種々の濃度の塩基性アミノ酸とを混合した後に、コラーゲンを添加した場合の結果を示した。しかしながら、前記植物ポリフェノールとコラーゲンを先に混合し、その混合液に塩基性アミノ酸を混合した場合であっても同様な効果が得られた。
例7:官能試験
pH調整剤添加と塩基性アミノ酸添加の味に対する影響を検討するために、官能評価をパネラーによる比較試験により評価した。
液体緑茶飲料(商品名;おーいお茶、伊藤園株式会社製)100mLに、アルギニン(商品名;L−アルギニン、味の素株式会社製)を0.1g添加混合し、その後、コラーゲン(タラ由来の90%以上のコラーゲン、東洋水産株式会社製)を0.2g溶解させたものを本願発明の1態様としてのアルギニンサンプルとした。それに対して、液体緑茶飲料(商品名;おーいお茶、伊藤園株式会社製)100mLに、炭酸ナトリウム(商品名;(無水)炭酸ナトリウム、オルガノ株式会社製)を0.04g添加混合し、その後、コラーゲン(タラ由来の90%以上のコラーゲン、東洋水産株式会社製)を0.2g溶解させたものを対照サンプルとした。
官能パネラーは12名であり、それぞれ、本発明の態様に従うサンプルと、対照サンプルの香り、味、後味について評価した。
その結果を表7に示した。
Figure 0004653052
表7の結果から、単にpH調整剤を使用するよりも、本発明の態様に従うようにアルギニン等の塩基性アミノ酸を使用した方が、緑茶本来の香りや味を損なわずに、飲食品としての品質を維持できることが明らかとなった。また、アルギニン自体にも例えば美肌効果など機能性成分として有効な効果を発揮することが知られており、そのような機能の側面からもpH調整剤を用いることよりも塩基性アミノ酸を使用した方がはるかに優れた効果が得られる。
例8:従来例との比較
本願発明に従う態様と、従来例を比較するための検討を行った。
特許3416102に記載の通りのサンプルを調製し、上記の試験と同様の試験を行った。
緑茶カテキン製剤(商品名;サンフェノンBG−3(カテキン含量70%)、太陽化学株式会社製)の0.4gに対して、ペクチン(商品名;UNIPECTINE SS150、ユニテックフーズ株式会社製)0.8gを混合し、沸騰したイオン交換水100mLに溶解した後、水道水で十分に冷却した。
この水溶液に、タラ由来コラーゲン(東洋水産株式会社製;コラーゲン含量90%以上)を0.4g溶解させてサンプルを作成した。また更に比較サンプルとして、緑茶カテキン製剤、ペクチンおよびコラーゲンを含有するサンプルについて炭酸ナトリウムを添加することにより、pHを8.33に調整した。
次いで、各サンプルについての評価を、濁りおよび沈殿の有無について目視により行い、OD660nmの吸光度を測定した。
結果は表8に示した。
Figure 0004653052
表8から明らかであるように、pH調整剤を添加した比較サンプル以外の何れのサンプルもpH値は4.0より低かった。また、この時の濁りおよび沈殿の有無を観察すると、コラーゲンを含むサンプルでは、全てのサンプルについて白濁が観察された。また、OD660nmでの吸光度に関しても、ペクチンとコラーゲンが共存する緑茶カテキン製剤を含む水溶液サンプルでは高い値を示した。同様に、ペクチンとコラーゲンと共存する緑茶カテキン製剤を含む水溶液をpH調整剤でpH値を8.33に調整したサンプルでも、若干の白濁が観察され、且つOD660nmでの吸光度も高い値となった。この結果から、上記のサンプルの調製法では、十分な濁り防止効果が得られないことが明らかになった。
例9:従来例との比較
本願発明に従う態様と、従来例を比較するための検討を行った。
特開平10−337158号公報に記載の通りのサンプルを調製し、上記の試験と同様の試験を行った。
液体緑茶飲料(商品名;おーいお茶、伊藤園株式会社製)100mLに、アルカリ金属塩、即ち、アスコルビン酸ナトリウム(商品名;L−アスコルビン酸ナトリウム、武田キリン食品株式会社製)、クエン酸ナトリウム(商品名;クエン酸三ナトリウム、田辺製薬株式会社製)、塩化ナトリウム(商品名;精製塩、日本食塩製造株式会社製)、乳酸ナトリウム(商品名;シーラック(登録商標)U−6、ベーガン通商株式会社製)を、各2gずつ添加、溶解し、その後にコラーゲン(タラ由来の90%以上のコラーゲン、東洋水産株式会社製)を0.2g溶解させた。これらのサンプルについて、濁りおよび沈殿の有無を目視およびOD660nmにより測定した。
その結果を表9に示す。
Figure 0004653052
表9から明らかであるように、何れのアルカリ金属塩を添加しても、濁り防止効果は得られなかった。また、アルカリ金属塩とコラーゲンが共存する液体緑茶飲料にpH調整剤を添加してみたが、僅かに白濁が残り、十分な濁り防止結果は得られなかった。
以上の実施例の結果および従来例との比較の結果が示すように、本発明によれば、植物ポリフェノールとコラーゲンが共存する飲食品において、極めて有効に濁りおよび沈殿が防止できることがわかった。従って、本発明によれば、植物ポリフェノールとコラーゲンを混合した場合に、風味や香りなどの品質を損なうことなく、従来の方法で一般的に観察される凝集、濁りおよび沈殿を防止することができ、透明感のある商品価値の高い製品を提供することが可能となった。本発明に従うと、沈殿もなく、濁りもなく、透明である飲食品が提供されるため、消費者に対して品質や機能性ばかりでなく、清涼感も演出することができ、美的感覚にも訴えることのできる商品価値の高い製品を提供することができる。

Claims (15)

  1. 植物ポリフェノール、コラーゲン、および濁りおよび沈殿を防止するために有効な量の塩基性アミノ酸を含み、前記塩基性アミノ酸の作用により濁りおよび沈殿の防止された液体により形成された濁りおよび沈殿のない飲食品であって、前記有効な量が、塩基性アミノ酸によって当該液体のpH値が7.5以上に調整される量である飲食品
  2. 植物ポリフェノール、コラーゲン、および濁りおよび沈殿を防止するために有効な量の塩基性アミノ酸を含み、前記塩基性アミノ酸の作用により濁りおよび沈殿の防止された液体を含有する濁りおよび沈殿のない飲食品であって、前記有効な量が、塩基性アミノ酸によって当該液体のpH値が7.5以上に調整される量である飲食品
  3. 前記植物ポリフェノールがその分子構造内にカテキン骨格および/またはピロガロール骨格を有する請求項1または2に記載の飲食品。
  4. 前記植物ポリフェノールが、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、縮合型タンニン、テアフラビン、テアフラビンガレート、テアフラビンジガレート、テアルビジン、プロアントシアニジン、加水分解型タンニン、テルフィジンおよびこれらの組み合わせである請求項1〜3の何れか1項に記載の飲食品。
  5. 前記塩基性アミノ酸が、アルギニン、リジン、オルニチンおよびその何れかの組み合わせからなる群より選択される請求項1〜4の何れか1項に記載の飲食品。
  6. 当該飲食品が、飲料、スープおよびゼリー状飲食品からなる群より選択される飲食品である請求項1〜5の何れか1項に記載の飲食品。
  7. 当該飲食品が、緑茶、紅茶、ウーロン茶、グアバ茶、甜茶およびその何れかの組み合わせからなる群より選択された茶由来の植物ポリフェノールを含む茶飲料である請求項1〜6の何れか1項に記載の飲食品。
  8. 植物ポリフェノール、コラーゲンおよび塩基性アミノ酸を含む液体により形成される飲食品において、前記塩基性アミノ酸の作用により前記液体のpH値が7.5以上に調整されることによって前記飲食品の濁りおよび沈殿を防止する方法。
  9. 植物ポリフェノール、コラーゲンおよび塩基性アミノ酸を含有する飲食品において、前記塩基性アミノ酸の作用によりpH値が7.5以上に調整されることによって前記飲食品の濁りおよび沈殿を防止する方法。
  10. 前記植物ポリフェノールがその分子構造内にカテキン骨格および/またはピロガロール骨格を有する請求項8または9に記載の方法。
  11. 前記植物ポリフェノールが、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、縮合型タンニン、テアフラビン、テアフラビンガレート、テアフラビンジガレート、テアルビジン、プロアントシアニジン、加水分解型タンニン、テルフィジンおよびこれらの組み合わせである請求項8〜10の何れか1項に記載の方法。
  12. 前記塩基性アミノ酸が、アルギニン、リジン、オルニチンおよびその何れかの組み合わせからなる群より選択される請求項8〜11の何れか1項に記載の方法。
  13. 前記飲食品が、飲料、スープおよびゼリー状食品からなる群より選択される飲食品である請求項8〜12の何れか1項に記載の方法。
  14. 当該飲食品が、緑茶、紅茶、ウーロン茶、グアバ茶、甜茶およびその何れかの組み合わせからなる群より選択された茶由来の植物ポリフェノールを含む茶飲料である請求項8〜13の何れか1項に記載の方法。
  15. 請求項8〜14の何れかの1項に記載の方法を具備する飲食品の製造方法。
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