JP4652531B2 - マーキング用耐熱インク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は速硬性で且つ耐熱性に優れたマーキング用インクに関し、例えば鉄鋼等の鉄基金属あるいはアルミニウム、チタンなどの非鉄金属のごとき金属製の板、帯、管、線材などの非破壊探傷法などで探知された探傷部をマークして下流工程での検知を容易にしたり、或いは1つの生産ラインで複数の製品を製造する様な場合に、中間部品としての品種分けを行なったりロット管理等を行なう際に、点、線、文字、図形などのマーキングに用いられる速硬性で耐熱性に優れたマーキング用インクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マーキング用インクは、各種金属製品や合成樹脂製品、ゴム製品(板や帯、管、線材などの中間製品を含む)などの表面に識別用のマークを付すために使用される液状の色材であり、最も汎用されているのは、金属材メーカーにおいて板や帯、管、線材の探傷試験などで検知された探傷部に目印を付け、次工程での選別や補修個所を明確にしたり、ロット管理などの選別に用いられるマーキングである。
【0003】
かかるマーキングは、探傷部分にマーキング用インクを付着させ、下流側の品質管理部分で当該探傷部分を抜き出して不良品の出荷防止を図ることにより、品質の信頼性を確保する上でも極めて重要な工程となる。
【0004】
こうした用途に用いられるマーキング用インクには
イ) マーキング信号に応じて探傷部に確実且つ速やかに付着させることができること、
ロ) 被マーク材がライン上を移行する際に、ローラーなどにマークが転写されたり、或いは帯状被マーク材の如くマーキング後に巻き取られるものでは、巻き取られた状態でマークが非マーク部に転写されることがない様、速硬性であること、
ハ) 例えば金属帯の如く、熱処理等の後十分に冷却していない状態で巻き取られることがある被マーク材に適用する際には、当該巻取り温度で軟化・溶融してマークが転写されることのない様、耐熱性に優れたものであること、
ニ) 超音波探傷等では被マーク材表面に水が付着していることも多いため、水に濡れた基体の表面にも容易に付着すること、
などが求められる。
【0005】
この様なマーキング用インクとして現在最も汎用されているのは、主たる硬化成分としてアルキッド樹脂を使用し、これに変性シリコーン樹脂や顔料およびアセトンなどの揮発性溶剤を混合したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記マーキング用インクは、通常のマーキング用インクに比べると速硬性や耐熱性に優れたものではあるが、その程度は硬化速度でせいぜい十数秒程度、耐熱性で60〜95℃程度であり、生産性向上のため一層の高速化を求める需要者の要求を満たすものとは言えない。
【0007】
従って、最近の高速連続生産に適合せしめ、且つ高温状態での使用にも適合可能にするには、速硬性と耐熱性の一層の向上が求められる。本発明はこの様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、高速連続操業にも十分適合できる速硬性を有し、且つ被マーク材が相当の高温状態にある場合でも軟化・溶融することのない高耐熱性のマーキング用インクを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明に係るマーキング用耐熱インクとは、(a)ストレートシリコーン樹脂、(b)変性シリコーン樹脂、(c)アミノ系架橋剤、(d)着色剤、(e)硬化触媒および(f)揮発性溶剤を含有するところに要旨を有しており、これら各成分の好ましい含有比率(特記しない限り質量%を意味する、以下同じ)は、(a)ストレートシリコーン樹脂が2%以上、20%以下、より好ましくは5%以上、15%以下、(b)変性シリコーン樹脂が0.2%以上、20%以下、より好ましくは0.5%以上、10%以下、(c)アミノ系架橋剤が0.3%以上、3%以下、より好ましくは0.5%以上、2%以下、(e)硬化触媒が0.02%以上、0.2%以下、より好ましくは0.05%以上、0.1%以下、(f)揮発性溶剤が70%以上、95%以下、より好ましくは80%以上、90%以下である。(d)着色剤の含有率はその種類によっても変わってくるので特に制限されないが、通常は2%以上、20%以下、より好ましくは4%以上、10%以下で配合される。
【0009】
なお硬化触媒は、主としてアミノ系架橋剤の硬化に用いられるもので、その含有量は、アミノ系架橋剤に対して2%以上、20%以下で使用することが望ましい。また本発明のインクは、保存安定性や取扱い性、マーキング作業性などを確保しつつ速硬性を高めるため、不揮発分濃度で3%以上、30%以下、より好ましくは5%以上、20%以下となるように揮発性溶剤の使用量を調整することが望ましい。
【0010】
本発明にかかる上記インクにおいて、速硬性と耐熱性を高める上で極めて重要な成分はアミノ系架橋剤であり、中でも該アミノ系架橋剤としてポリメチロールグリコールウリル化合物を用いたものは、速硬性と耐熱性において一層優れた性能を示すものとなるので好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のマーキング用速硬性耐熱インクは、上記の様に(a)ストレートシリコン樹脂、(b)変性シリコーン樹脂、(c)アミノ系架橋剤、(d)着色剤、(e)硬化触媒、および(f)揮発性溶剤を含有するところに特徴を有しており、以下、これら各成分の作用および種類、好ましい配合割合について詳細に説明していく。
【0012】
(a)ストレートシリコーン樹脂
ストレートシリコーン樹脂は、本発明の速硬性耐熱インクにおいて、特に塗膜の耐熱性の向上に寄与する成分であり、こうした作用を有効に発揮させるには、インク中に占める含有比率で2%以上、20%以下、より好ましくは5%以上、15%以下となる様に含有させることが望ましい。ちなみに含有比率が2%未満では、被マーク材に対して密着性を有する塗膜形成が困難となり、逆に20%を越えると、塗膜の乾燥性(速硬性)が悪くなる傾向が生じてくる。
【0013】
上記ストレートシリコン樹脂とは、炭化水素基を主たる有機基とするオルガノポリシロキサンであり、該分子中に水酸基を含むものであっても構わない。上記炭化水素基としては、脂肪族および芳香族の炭化水素基があり、その中でも炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基および炭素数6〜12の芳香族炭化水素が好ましく使用される。
【0014】
炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基などが挙げられ、炭素数6〜16の芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ブチルフェニル基、ターシャリーブチルフェニル基、ナフチル基、スチリル基、アリルフェニル基、プロペニルフェニル基などが例示され、これらは単独で使用し得る他、必要により2種以上を適宜選択して併用することができる。
【0015】
該ストレートシリコーン樹脂は、通常、上記の炭化水素基を有するクロロシラン化合物やアルコキシシラン化合物などのシラン化合物を加水分解して縮合させるか、上記シラン化合物にテトラクロロシランやテトラアルコキシシランを加えた混合物を加水分解して共縮合させることによって得ることができる。
【0016】
上記クロロシラン化合物としては、例えばメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メチルエチルジクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ビニルフェニルジクロロシランなどが例示され、
アルコキシシラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ビニルメチルメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジプロポキシシラン、ビニルフェニルジメトキシシランなどが例示される。
【0017】
(b)変性シリコーン樹脂
該変性シリコーン樹脂は、本発明の速硬性耐熱インクにおいて、特に塗膜の耐熱性向上に寄与する成分であり、こうした作用を有効に発揮させるには、インク中に占める含有比率で0.2%以上、20%以下、より好ましくは0.5%以上、10%以下となる様に含有させることが望ましい。ちなみに含有比率が0.2%未満では、インク塗膜が被マーク材に対して密着性不足になる傾向が生じ、逆に20%を越えると塗膜の乾燥性が悪くなり速硬性不足になる傾向が生じてくる。
【0018】
上記変性シリコーン樹脂とは、炭化水素基以外の有機基を含むオルガノポリシロキサンであって、例えばメトキシ基含有シリコーン樹脂、エトキシ基含有シリコーン樹脂、エポキシ基含有シリコーン樹脂、水酸基含有シリコーン樹脂、アルキド樹脂変性シリコーン樹脂、アクリル樹脂変性シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂等が例示され、これらも単独で使用し得る他、必要により2種以上を適宜組合わせて使用することができる。
【0019】
これらの変性シリコーン樹脂は、前述した様なストレートシリコーン樹脂中に含まれる水酸基と、該水酸基と反応し得る官能基(カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アルデヒド基、エポキシ基、クロリド基など)を有する有機化合物とを反応させる方法、ビニル基などの不飽和基を有するストレートシリコーン樹脂と不飽和2重結合を有する化合物を共重合させる方法、前記シラン化合物と他の有機化合物とを反応させて得た変性シラン化合物を加水分解し縮合または共縮合させる方法、などによって得ることができる。
【0020】
(c)アミノ系架橋剤
該アミノ系架橋剤は、本発明の速硬性耐熱インクにおいて、それ自身の重縮合、あるいは上記変性シリコーン樹脂との架橋反応により速硬性を与えると共に耐熱性を与えるための主たる成分であり、こうした作用を有効に発揮させるには、インク中に占める含有比率で0.3%以上、3%以下、より好ましくは0.5%以上、2%以下となる様に含有させることが望ましい。ちなみに含有比率が0.3%未満では、インクの速硬性および耐熱性が不足気味となり、逆に3%を越えるとポットライフが短くなり、あるいはインクがゲル化を起こし易くなって取扱い性が悪くなる傾向が生じてくる。
【0021】
アミノ系架橋剤の具体例としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、グリコールウリル樹脂などの特に初期縮合物が好ましく使用され、これらの中でも分子中に2以上のメチロール基を有するポリメチロール化物およびその低級アルコキシ化物は好ましいものとして推奨される。本発明者らが実験によって確認したところでは、中でもポリメチロールグリコールウリル樹脂は、硬化剤として卓越した効果を示し、インクの速硬性と耐熱性をより高レベルに高め得ると共に、特に金属材に対して優れた密着性を有するインクを与えるので好ましい。
【0022】
上記ポリメチロールグリコールウリル樹脂とは下記一般式
【0023】
【化1】
【0024】
で示される2環構造の重縮合性樹脂であり、式中、Rは水素または炭素数1〜3程度のアルキル基を示し、全てのRが水素であるものが最善であるが、その一部もしくは全部がアルキル基で置換されたものであっても、本発明の目的は十分に達成できる。このグリコールウリル樹脂は、硬化触媒の存在下で速やかに硬化すると共に、硬化反応時の放出ホルマリン量が少なく、硬化後は優れた耐熱性を示し、更には金属材に対する密着性も優れているので、本発明にかかるマーキング用インクの硬化剤として格別優れた性能を発揮する。
【0025】
(d)着色剤
この着色剤は、マーキング用インクの色付けを目的として配合される成分で、無機系または有機系の着色剤が任意に選択して使用される。具体的には、一般のインクや塗料に使用される顔料や染料などが全て使用可能であるが、目印を目的とする本発明インクにおいて最も一般的なのはチタン白や亜鉛華などの如き分散安定性に優れた微粒子状の白色無機顔料である。被マーク材の種類(地色)によっては、白色インクでは目印の作用が有効に発揮され難いこともあるので、この様な場合は、カーボンブラックや有機系染料などの着色剤を併用して任意の色に着色すればよい。これら着色剤の配合量は、種類によっても変わってくるので一律に決めることはできず、要はインクに目印にふさわしい着色を与え得る量であれば特に制限されない。
【0026】
(e)硬化触媒
この硬化触媒は、主としてアミノ系架橋剤の硬化に用いられるもので、その含有量は、アミノ系架橋剤に対して2%以上、20%以下、より好ましくは5%以上〜15%以下の範囲で使用することが望ましい。2%未満では、マーキング時の硬化速度が遅くなって本発明で意図するような速硬性が得られ難くなり、20%を越えるとインクとしてのポットライフが短くなって取扱い性に悪影響が現われてくる。またインクの分散安定性も低下し、良好な塗膜形成が困難になることがある。
【0027】
硬化触媒の具体例としては、酸性アルキル燐酸エステル、芳香族スルホン酸アミン塩、芳香族スルホン酸などが例示されるが、これらの中でも特に好ましいのは芳香族スルホン酸などである。
【0028】
(f)揮発性溶剤
該揮発性溶剤は、マーキング用インクとしての塗装性を与える上で欠くことのできない成分であり、且つ速硬性を与えるため揮発性であることを必須とする。本発明のマーキング用インクは、保存安定性や取扱い性、マーキング作業性などを確保しつつ速硬性を高めるには、不揮発分濃度で5%以上30%以下、より好ましくは10%以上、20%以下の範囲となるように揮発性溶剤の使用量を調整することが望ましい。ちなみにインクとしての不揮発分濃度が5%未満の低濃度になると、塗膜の乾燥に時間がかかって速硬性が害される恐れがあり、逆に30%を越えると保存安定性が低下したりマーキング安定性が損なわれる傾向が生じてくる。
【0029】
揮発性溶剤の種類は特に制限されないが、好ましいものとしては、ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン;メタノール、エタノールなどのアルコール;ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル;酢酸エチル、アセト酢酸エチルなどのエステル;
灯油、軽油などの石油系低沸点溶剤などが例示される。
【0030】
これらの溶剤についても、単独で使用し得る他、他の配合成分との溶解性によっては2種以上の混合溶媒として使用することも勿論可能である。これら揮発性溶剤の中でも特に好ましいのは、上記(a)ストレートシリコーン樹脂、(b)変性シリコーン樹脂、(c)アミノ系架橋剤などに対して優れた溶解性を示し、且つ揮発性の高いアセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤や、トルエン、キシレン等の芳香族性溶剤などである。
【0031】
本発明にかかるマーキング用インクを構成する必須の成分は上記の通りであるが、これらに加えて、マーキング皮膜の被マーク材への密着性を高めるため、適量の密着性改善成分、例えばガムロジン、エステルガム、テルペン樹脂、石油樹脂あるいはそれらの水素化物等を含有させることも有効であり、またマークに適度の柔軟性を与えて亀裂脱落などを抑えるため、少量の可塑剤、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、エポキシ化油、トリクレジルホスフェート、ロジン誘導体などを配合することも可能である。但しこれら可塑剤は、該して速硬性や耐熱性を害することが多いので、配合するにしてもその量は極力少なく抑えることが望ましい。
【0032】
上記各原料成分を用いたマーキング用インクの調製法は特に制限されないが、通常は、上記配合原料を任意の順序で混合し、ディスパー、ボールミル、サンドミル、ロールミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカーなど任意の装置を用いて均一に混合すればよい。この時、当初から硬化触媒を配合すると、混合時にアミノ系架橋剤による架橋反応が進行して増粘したりゲル化し、マーキング作業性が害されることがあるので、硬化触媒はできるだけ最後に配合することが望まれる。またマーキング用インクとして販売する場合は、硬化触媒のみを分割して2液型インクとして提供し、使用直前に硬化剤溶液を配合するようにすれば、保管時にゲル化したり増粘する恐れもなくなるので好ましい。
【0033】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0034】
尚、下記実施例で採用した速硬性および耐熱性の評価法は下記の通りである。
【0035】
[速硬性評価法]
被マーク材としてのアルミニウム板(20℃)の表面に、供試インクをアプリケータで1.5ミルの厚さに塗付してから、20℃、60%RHの雰囲気で放置し、指触でインクが付着しなくなるまでの時間を測定する。
【0036】
[耐熱性]
供試インクを塗付した上記アルミニウム板をヒーターで加熱し、塗膜が軟化する温度を接触式センサーによって測定する。
【0037】
実施例1
ストレートシリコン樹脂として東レダウコーニングシリコーン社製商品名「SH806A」、変性シリコーン樹脂として信越化学社製商品名「KR216」、アミノ系架橋剤として三井サイテック社製商品名「サイメル1170」、着色剤として大日精化社製商品名「クロムファインレッド6820」、硬化触媒として三井サイテック社製の商品名「キャタリスト4040」、溶剤としてアセトンをそれぞれ使用し、これらを表1に示す比率でペイントシェーカーにより均一に混合して、マーキング用インクを調製する。但し、硬化剤は少量のイソプロピルアルコールに溶かして最後に配合した。
【0038】
得られたインクを、厚さ0.3mmのアルミニウム板表面に1.5ミルの厚さで塗付し、前記した方法で速硬性を調べると共に耐熱性を評価した。結果は表1に示す通りであり、マークの着色状態は良好で速硬性および耐熱性のいずれにおいても非常に優れていることを確認できる。
【0039】
実施例2
アミノ系架橋剤を三井サイテック社製商品名「サイメル325」に、また硬化触媒を三井サイテック社製商品名「キャタリスト296−9」に変更し、配合量を表1に示す如く若干変更した以外は前記実施例1と同様にしてインクを調製し、その速硬性および耐熱性を評価した。結果は表1に示す通りであり、マークの着色状態は良好で速硬性および耐熱性のいずれにおいても非常に優れていることを確認できる。
【0040】
比較例1
上記実施例1において、アミノ系架橋剤と硬化触媒を省略した以外は全く同様にしてインクを調製し、同様にして速硬性と耐熱性を調べた。結果は表1に示す通りであり、マークの着色状態は良好であるが、速硬性および耐熱性は前記実施例1,2に比べて格段に劣ることが分かる。
【0041】
【表1】
【0042】
比較例2
変性シリコーン樹脂として信越化学社製商品名「KR216」、硬化性成分としてのアルキド樹脂として日立化成社製の「フタルキッド樹脂926−80A」、着色剤として東洋インク社製の黒色顔料「ANC−C−914」、溶剤としてアセトンを使用し、これらを表2に示す比率で用い前記実施例1と同様にしてインクを調製し、その性能を評価した。
【0043】
比較例3
変性シリコーン樹脂として信越化学社製のシリコーンアルキッド樹脂(商品名「KR5206」)、硬化性成分としてのアルキッド樹脂として日立化成社製の「フタルキッド樹脂926−80A」、着色剤として東洋インク社製の黒色顔料「ANC−C−914」、溶剤としてアセトンを使用し、これらを表2に示す比率で用い前記実施例1と同様にしてインクを調製し、その性能を評価した。
【0044】
比較例4
変性シリコーン樹脂として信越化学社製のシリコーンエポキシ樹脂(商品名「ES−1001N」)、硬化性成分としてのアルキッド樹脂として日立化成社製の「フタルキッド樹脂926−80A」、着色剤として東洋インク社製の黒色顔料「ANC−C−914」、溶剤としてアセトンを使用し、これらを表2に示す比率で用い前記実施例1と同様にしてインクを調製し、その性能を評価した。
【0045】
比較例5
短油アルキッド樹脂として大日本インキ社製の商品名「ベッコゾールET−3061−P」、ブチル化メラミン樹脂として大日本インク社製の商品名「スーパーベッカミンL−121−60」、前記と同じフタルキッド樹脂、黒色顔料として前記と同じ「ANC−C−914」、および溶剤としてアセトンを使用し、これらを表2に示す比率で用いて前記実施例1と同様にインクを調製し、その性能を評価した。
【0046】
比較例6
短油アルキッド樹脂として前述の「ベッコゾールET−3061−P」、ブチル化メラミン樹脂として前述した「スーパーベッカミンL−121−60」、前記と同じフタルキッド樹脂、着色剤として前述した赤色顔料「クロムファインレッド6820」、および溶剤としてアセトンを使用し、これらを表2に示す比率で用い前記実施例1と同様にしてインクを調製し、その性能を評価した。
【0047】
上記比較例2〜6の性能評価結果は表2に一括して示す通りであり、乾燥が速く且つ耐熱性に優れたものとされているこれらのマーキング用インクも速硬性において表1に示した本発明のインクに比べて劣っており、また耐熱性も高々95℃までであって、本発明インクの耐熱性には遠く及ばない。
【0048】
【表2】
【0049】
参考例1〜8
前記実施例1に示した方法に準拠し、下記表3に示す配合のマーキング用インクを調製し、それぞれの性能を同様にして評価した。結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】
表3において、参考例1はストレートシリコーン樹脂の配合量が好適範囲よりも多過ぎる例、参考例2は変性シリコーン樹脂が好適範囲よりも多過ぎる例であり、何れも速硬性がやや乏しい。参考例3は逆にストレートシリコーン樹脂の配合量がやや少なく、また参考例4は変性シリコーン樹脂がやや不足する例であり、いずれもインク塗膜の密着性が不足する。参考例5,6はアミノ系架橋剤の配合量が好適範囲に対してやや不足し、或いは多過ぎる例であり、耐熱性がやや不足するか或いはインク状態がやや悪い。参考例7は硬化触媒が好適範囲に対してやや不足する例で、耐熱性がやや不良であり、参考例8は逆に硬化触媒量が好適範囲に対して多過ぎる例であり、インク分散性に問題がある。
【0052】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、(a)ストレートシリコーン樹脂、(b)変性シリコーン樹脂、(c)アミノ系架橋剤、(d)着色剤、(e)硬化触媒および(f)揮発性溶剤を適正比率で配合することにより、従来のマーキング用インクに比べて速硬性および耐熱性に卓越した性能を示すマーキング用インクを提供し得ることになった。
Claims (3)
- (a)ストレートシリコーン樹脂、(b)変性シリコーン樹脂、(c)アミノ系架橋剤、(d)着色剤、(e)硬化触媒および(f)揮発性溶剤を含有するインクであって、
上記インク中に占める(a)ストレートシリコーン樹脂の含有量が2〜20質量%、(b)変性シリコーン樹脂の含有量が0.2〜20質量%、(c)アミノ系架橋剤の含有量が0.3〜3質量%、(e)硬化触媒の含有量が0.02〜0.2質量%、(f)揮発性溶剤の含有量が70〜95質量%であることを特徴とする速硬性のマーキング用耐熱インク。 - (d)着色剤の含有量が2〜20質量%である請求項1に記載のマーキング用耐熱インク。
- アミノ系架橋剤が、ポリメチロールグリコールウリル化合物である請求項1または2に記載のマーキング用耐熱インク。
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