JP4651875B2 - 殺菌抗菌剤、殺菌抗菌用のカルシウム粉末及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然物由来のカルシウム粉末を使用した安全性の高い殺菌抗菌剤、殺菌抗菌用のカルシウム粉末、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の殺菌剤は化学合成品を使用したもの、酸性のものがほとんどである。例えば、塩素を水に溶かした殺菌水などが広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、塩素は強い酸性を有しているため素人が安易に扱うと塩素濃度が高くなって塩素ガスが噴出して人体に重大な被害を及ぼしてしまうなどの問題がある。また、従来の化学合成品を多用する殺菌剤に関しては、化学合成品の使用による人体や地球環境への悪影響などが近年大きな問題となっている。
【0004】
また、従来より、カキやアサリなどの貝殻、カニやエビなどの甲殻類の殻、捕獲したヒトデの体(ヒトデが大量発生すると漁業被害などが生じるため捕獲している)、鳥類の卵の殻、魚類や家畜の骨などの廃棄物については、その処理が大きな問題となっている。特に、これらは、貴重な生物資源であることから、単に廃棄処理するだけではない有効な再利用の方策が求められている。
【0005】
本発明はこのような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、生物資源の有効な再利用を可能にし且つ天然物由来であるために安全性が高いアルカリ性の殺菌抗菌剤、殺菌抗菌用のカルシウム粉末及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような従来技術の課題を解決するための本発明による殺菌抗菌剤は、貝類の殻、甲殻類の殻、鳥類の卵の殻、ヒトデの体、及び、魚類又は家畜の骨の中の少なくともいずれかを約800℃〜約1350℃の高温下で燃焼させて得られるカルシウム粉末であって、この粉末を水に混ぜて25℃の飽和水溶液としたときのpHが12以上であるようなカルシウム粉末を有効成分として含むことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の殺菌抗菌剤は、貝類の殻、甲殻類の殻、鳥類の卵の殻、ヒトデの体、及び、魚類又は家畜の骨の中の少なくともいずれかを約1000℃〜約1350℃(より望ましくは、約1100℃〜約1350℃、又は、約1100℃〜約1300℃)の高温下で燃焼させて得られるカルシウム粉末であって、この粉末を水に混ぜて25℃の飽和水溶液としたときのpHが12以上であるようなカルシウム粉末を有効成分として含むことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の殺菌抗菌用のカルシウム粉末は、貝類の殻、甲殻類の殻、鳥類の卵の殻、ヒトデの体、及び、魚類又は家畜の骨の中の少なくともいずれかを約800℃〜約1350℃の高温下で燃焼させて得られるカルシウム粉末であって、この粉末を水に混ぜて25℃の飽和水溶液としたときのpHが12以上であるようなカルシウム粉末である。
【0009】
また、本発明の殺菌抗菌用のカルシウム粉末は、貝類の殻、甲殻類の殻、鳥類の卵の殻、ヒトデの体、及び、魚類又は家畜の骨の中の少なくともいずれかを約1000℃〜約1350℃(より望ましくは、約1100℃〜約1350℃、又は、約1100℃〜約1300℃)の高温下で燃焼させて得られるカルシウム粉末であって、この粉末を水に混ぜて25℃の飽和水溶液としたときのpHが12以上であるようなカルシウム粉末である。
【0010】
また、本発明の25℃の飽和水溶液としたときのpHが12以上であるような殺菌抗菌用のカルシウム粉末の製造方法は、貝類の殻、甲殻類の殻、鳥類の卵の殻、ヒトデの体、及び、魚類又は家畜の骨の中の少なくともいずれかを、約800℃〜約1350℃の高温下で所定時間、燃焼させる工程と、前記燃焼工程の後に得られた焼却灰を微小な粉末に加工する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0011】
さらに、本発明の25℃の飽和水溶液としたときのpHが12以上であるような殺菌抗菌用のカルシウム粉末の製造方法は、貝類の殻、甲殻類の殻、鳥類の卵の殻、ヒトデの体、及び、魚類又は家畜の骨の中の少なくともいずれかを、約1000℃〜約1350℃(より望ましくは、約1100℃〜約1350℃、又は、約1100℃〜約1300℃)の高温下で所定時間、燃焼させる工程と、前記燃焼工程の後に得られた焼却灰を微小な粉末に加工する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0012】
貝類の殻、甲殻類の殻、鳥類の卵の殻、ヒトデの体、及び、魚類又は家畜の骨は、そのほとんどがカルシウム成分で構成されている。また、カルシウム成分は1380℃以上の高温で燃焼させないと熱分解しないので、例えば約800℃以上約1350℃以下(より望ましくは、約1000℃以上約1350℃以下)の高温で貝類の殻、甲殻類の殻、鳥類の卵の殻、ヒトデの体、及び、魚類又は家畜の骨を所定時間燃焼させると、その後に残る焼却灰の中にはほとんどカルシウム成分しか存在しないことになる(他の成分は燃焼の過程で熱分解されてしまう)。
【0013】
本発明者は、例えば、カキ殻、アサリ貝殻、ホタテ貝殻、ヒトデなどの様々な生物資源について、それらを約800℃〜約1350℃(より望ましくは、約1000℃から約1350℃)の高温で所定時間燃焼させ、焼却灰(元の殻の形状を保っている)を手や機械ですり潰す等の方法でカルシウム粉末を得て、その性質を調べた。具体的には、それらのカルシウム粉末を水に溶かして25℃の飽和水溶液にしたときのpHを調べた。その結果、いずれの場合もpH12以上の強いアルカリ性が確認された。
【0014】
そして、本発明者は、pH12以上の強いアルカリ性の水溶液は殺菌・抗菌作用を有していることから、前記水溶液又は前記カルシウム粉末を、殺菌・抗菌用に使用するというアイデアを創作するに至った。
【0015】
本発明者は、前記のカキ殻、アサリ貝殻、ホタテ貝殻、ヒトデなどについて、それらを800℃〜1350℃(より望ましくは、1000℃から1350℃)の高温で所定時間燃焼させ、その焼却灰(元の殻の形状を保っている)から得られたカルシウム粉末及びその水溶液の性質を実験などで調べたところ、前記カルシウム粉末及びその水溶液が、殺菌・抗菌用に使用するのに適していることを確認した。
【0016】
なお、一般に、甲殻類の殻、魚類や家畜の骨、鳥類の卵の殻も、貝類の殻と同様のカルシウム成分で構成されていることは公知の事実であるから、甲殻類の殻、魚類や家畜の骨、鳥類の卵の殻を約800℃〜約1350℃(より望ましくは、約1000℃〜約1350℃、又は、約1100℃〜約1350℃)の高温で燃焼させた焼却灰から得られるカルシウム粉末は、貝類の殻を約800℃〜約1350℃(より望ましくは、約1000℃〜1350℃、又は、約1100℃〜約1350℃)の高温で燃焼させた焼却灰から得られるカルシウム粉末と同様に、それを水に溶かして25℃の飽和水溶液にしたときのpHが12以上であるという性質(したがって、殺菌抗菌用に適しているという性質)を有しているはずである。
【0017】
また、ヒトデの体は、その中に多量のカルシウムを含んでいることが広く知られている。よって、ヒトデの体を約800℃〜約1350℃(より望ましくは、約1000℃〜約1350℃、又は、約1100℃〜約1350℃)の高温で燃焼させた焼却灰から得られるカルシウム粉末の性質についても、それを水に溶かして25℃の飽和水溶液にしたときのpHが12以上であるという性質(したがって、殺菌抗菌に適しているという性質)を有しているはずである(後述のとおり本発明者の実験によりこれは実証された)。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施例1.
本発明者は、20kgのカキ殻を、それぞれ、700℃、800℃、900℃、1000℃、1200℃の高温で1.5時間燃焼させ、燃焼後に残る焼却灰をカルシウム粉末にして、そのカルシウム粉末を水に溶かして25℃の飽和水溶液としたときのpHを測定する実験を行った。その実験結果を下表に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
上表のように、700℃で燃焼させることによりできたカルシウム粉末を水に溶かして飽和水溶液としたときのpHは11.54で、pH12には届かなかった。また、800℃、900℃、1000℃、及び1200℃で燃焼させたときにできたカルシウム粉末を水に溶かして飽和水溶液としたときのpHは、それぞれ、12.09、12.25、12.31、及び12.70で、いずれもpH12以上であった。
【0021】
一般に、アルカリ水溶液が十分な殺菌抗菌作用を発揮するためにはpH12以上であることが必要であることを考えると、カキ殻を燃焼させて得られるカルシウム粉末により殺菌抗菌剤を製造するためには、800℃以上の高温でカキ殻を燃焼させる必要があると言える。
【0022】
また、カキ殻には貝柱などの有機物が付着していることから、800℃より低い温度でカキ殻を燃焼させるとダイオキシンが発生してしまうので、この点からも、800℃以上で燃焼させることが実用上有用であると言える。
【0023】
また、一般に、カキ殻など(その他、甲殻類の殻、魚類や家畜の骨、鳥類の卵の殻などを含む)を1380℃以上の高温で燃焼させると、カルシウム成分が熱分解して気化してしまうので、燃焼後にカルシウム粉末を得るためには、理論上は1380℃以下、実用上は1350℃以下の温度で燃焼させることが必要である。
【0024】
また、上表に示すように、800℃で燃焼させて得られた焼却灰は、殻の形がそのまま残っておりしかも硬くてなかなか粉末にできないし、粒子の径が大きく(粒子は機械で微小化できるが)、焦げ臭い臭いがしており、色は汚い灰色であった。よって、この800℃で燃焼させて得られる焼却灰(カルシウム粉末)は、一般消費者向けの殺菌抗菌用途に使用するのは余り適していない。900℃で燃焼して得られた焼却灰(カルシウム粉末)も、上記の800℃におけると同様のことがほぼ当てはまる。他方、上表に示すように、1000℃以上の高温で燃焼させて得られた焼却灰は、手で少し押すと形が崩れて微小なカルシウム粉末となり、しかも無臭で、色はきれいな白色である。これらのことから考えると、一般消費者向けの殺菌抗菌用途に使用する場合は、約1000℃以上約1350℃以下(より望ましくは、約1100℃〜約1350℃)の高温で燃焼させて得られるカルシウム粉末を使用することが望ましいと言える。
【0025】
実施例2.
本発明者は、ヒトデ20kgを、1150℃で2時間燃焼させて残った焼却灰を粉末にし、これにより得られたカルシウム粉末を、水に溶かして、25℃の飽和水溶液とした。そして、この飽和水溶液のpHを測定した。すると、pH13.3という結果が得られた。分析方法は肥料分析法(1992農林水産省農業環境技術研究所)によった。
【0026】
実施例3.
本発明者は、アサリ貝殻20kgを、1150℃で2時間燃焼させて残った焼却灰を粉末にし、これにより得られたカルシウム粉末を、水に溶かして、25℃の飽和水溶液とした。そして、この飽和水溶液のpHを測定した。すると、pH12.7という結果が得られた。分析方法は肥料分析法(1992農林水産省農業環境技術研究所)によった。
【0027】
実施例4.
本発明者は、ホタテ貝殻20kgを、1200℃で2時間燃焼させて残った焼却灰を粉末にし、これにより得られたカルシウム粉末を、水に溶かして、25℃の飽和水溶液とした。そして、この飽和水溶液のpHを測定した。すると、pH12.7という結果が得られた。分析方法は肥料分析法(1992農林水産省農業環境技術研究所)によった。
【0028】
実施例5.
本発明者は、実施例3のアサリ焼却灰から得られたカルシウム粉末の殺菌抗菌効果を測定する試験を行った。試験の概要は、アサリ貝殻を1150℃で燃焼させた焼却灰から得られたカルシウム粉末を添加した生理食塩水を作製した。そして、これに菌液を添加し、室温にて保存した後、経時的に生菌数の変化を測定した。試験の詳細は次のとおりである。
(1)試験対象
▲1▼生理食塩水(対照検体)
▲2▼1.0%「アサリ焼却灰(カルシウム粉末)」添加生理食塩水
(2)使用標準菌株
▲1▼大腸菌;Escherichia coli(IFO3972)
▲2▼黄色ブドウ球菌;Staphylococcus aureus(IFO12732)
(3)使用培地等
▲1▼NA培地:普通寒天培地(日水製薬(株))
▲2▼SCDブイヨン:トリプトソーヤブイヨン(日水製薬(株))
▲3▼標準寒天培地:Plate count agar(MERCK)
(4)菌液の調整
NA培地で37±1.0℃,16〜24時間前培養した試験菌株をSCDブイヨンに接種し、37±1.0℃,一夜振盪培養した菌液を試験に供した。
(5)試験検体の調整及び試験操作
▲1▼試験検体の調整
試験検体には、「アサリ焼却灰(カルシウム粉末)」0.1gを減菌試験管に秤採り、その後減菌生理食塩水10mlを加え、1.0%「アサリ焼却灰(カルシウム粉末)」添加生理食塩水として使用した。対照検体には、「アサリ焼却灰(カルシウム粉末)」の入っていない減菌試験管に減菌生理食塩水10mlのみを分注し使用した。なお、試験検体および対照検体は、大腸菌用、黄色ブドウ球菌用それぞれについて調整した。
▲2▼試験操作
(5)▲1▼にて調整した試験検体および対照検体に(4)にて調整した菌液を0.1mlずつ添加し、添加直後に攪拌し検体溶液を均一化する。均一化した検体溶液は室温に保存し、0(接種直後)、10、30、60分後について大腸菌、黄色ブドウ球菌の生菌数の測定を実施した。
▲3▼生菌数の測定
各試験液中の生菌を寒天平板培養法により測定し、試験液1ml当たりの菌数に換算する。なお、生菌の培養は標準寒天培地を使用し定法による。
【0029】
大腸菌(Escherichia coli IFO3972)についての試験の結果を次表及び図1に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
また、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus IFO12732)についての試験の結果を次表及び図2に示す。
【0032】
【表3】
【0033】
以上のように、大腸菌についても、黄色ブドウ球菌についても、本発明による「アサリ焼却灰(カルシウム粉末)」添加生理食塩水は、強い殺菌・抗菌作用を示した。
【0034】
本発明によるカルシウム粉末の用途.
本発明によるカルシウム粉末の用途は、様々なものが考えられる。例えば、本発明のカルシウム粉末を水溶液にして、食器や医療器具などを洗浄する洗浄液、殺菌抗菌剤として使用することができる。また、衣服やタオルなどの布製品を構成する糸や繊維の中に本発明のカルシウム粉末を予め混入し練り込んでおくことにより抗菌性の布製品を製造することができる。また、掃除用シート(例えば、花王株式会社が販売している「クイックルワイパー」用の不織布シート)の繊維の中に本発明のカルシウム粉末を練り込んでおくことにより、前記掃除用シートに殺菌抗菌作用を付加することができる。また、壁紙などの紙製品を構成する材料であるセルロース繊維の中に本発明のカルシウム粉末を予め混入させるようにすれば、抗菌性のある紙製品を製造することができる。また、タイル・外壁パネル・便器などの表面に塗布する表面塗布剤(塗装剤など)の中に本発明のカルシウム粉末を予め混入させておき、それをタイル・外壁パネル・便器の表面にコーティングすることにより、抗菌性のタイル・外壁パネル・便器などを製造することができる。また、病院などの床に塗布するワックス剤の中に本発明のカルシウム粉末を予め混入させるようにすれば、床に抗菌性を持たせることができる。また、豆腐やウドンの麺の中に予め本発明のカルシウム粉末を混入することにより、豆腐やウドンの麺の保存を長持ちさせる(この場合、前記カルシウム粉末は防腐剤としての機能を果たす)ことができる。
【0035】
また、本発明者の実験によれば、水道水を強い磁場の中に通過させて得られた磁化水(水分子のクラスターが磁気により小さく分解された水)に本発明のカルシウム粉末を溶かした場合、通常の水の1.5〜2倍のカルシウム粉末が溶解された。よって、この磁化水の中に本発明のカルシウム粉末を溶解させた水溶液を使用すれば、通常の水を使用した場合と比べて極めて強力な殺菌作用を発揮することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のカルシウム粉末を有効成分とする殺菌抗菌剤は、従来の化学合成品と異なって、貝類の殻、甲殻類の殻、鳥類の卵の殻、ヒトデの体、又は、魚類又は家畜の骨を燃焼させて得られる天然物由来のものであるので、人体に安全であり、地球環境にも悪影響を及ぼすことはない。また、本発明のカルシウム粉末を有効成分とする殺菌抗菌剤は、酸性の殺菌剤として従来より使用される塩素のように取り扱いを誤ると人体に重大に害悪が生じてしまうものと異なり、アルカリ性であるため、素人でも取り扱いが容易である。よって、本発明によれば、人体に安全であり、地球環境にも悪影響を及ぼすことがなく、素人でも取り扱いが容易であるような、新規な殺菌抗菌剤を提供することができる。
【0037】
また、本発明による殺菌抗菌用のカルシウム粉末は、布製品、紙製品、表面塗布剤(塗装剤や床ワックス剤などを含む)、食品などの原料に予め混合させ練り込んでおくことにより、布製品、紙製品、表面塗布剤、食品などに抗菌作用や長期保存性(食品の場合)を付加することができる。しかも、本発明のカルシウム粉末は、貝類の殻、甲殻類の殻、鳥類の卵の殻、ヒトデの体、又は、魚類又は家畜の骨を燃焼させて得られる天然物由来のものであるので、人体に安全であり、地球環境にも悪影響を及ぼすことはなく、素人でも取り扱いが容易であるというメリットがある。
【0038】
さらに、本発明の殺菌抗菌剤又は殺菌抗菌用カルシウム粉末の原料となる貝類の殻、甲殻類の殻、鳥類の卵の殻、ヒトデの体、又は、魚類又は家畜の骨は、いずれも、従来から、その廃棄処分の方法が地球環境上大きな問題となっているものである。すなわち、従来は、貝類の殻、甲殻類の殻、鳥類の卵の殻、ヒトデの体、又は、魚類又は家畜の骨などを、地方自治体が運営する焼却炉で焼却したり、埋め立て地に埋め立てたりすることによって廃棄物処理をしていた。これに対して、本発明によれば、貝類の殻、甲殻類の殻、鳥類の卵の殻、ヒトデの体、又は、魚類又は家畜の骨を、ダイオキシンが発生しない約800℃以上約1350℃以下の高温(より望ましくは、約1000℃以上約1350℃以下の高温、約1100℃以上約1350℃以下の高温、又は、約1100℃以上約1300℃以下の高温)で燃焼させ、そのときに残った焼却灰から得られるカルシウム粉末を殺菌抗菌用に利用しようとするものである。したがって、本発明によれば、貝類の殻、甲殻類の殻、鳥類の卵の殻、ヒトデの体、又は、魚類又は家畜の骨の廃棄物処理を行いながら、そのカルシウム成分の再利用(水溶液を殺菌抗菌剤として利用する、又は粉末自体を殺菌抗菌用に利用する)を行うことができるので、貴重な生物資源の有効利用(再利用)が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例によるアサリ貝殻を燃焼して得られたカルシウム粉末を添加した生理食塩水の抗菌試験の結果を示すグラフである。
【図2】 本発明の実施例によるアサリ貝殻を燃焼して得られたカルシウム粉末を添加した生理食塩水の抗菌試験の結果を示すグラフである。
Claims (6)
- ヒトデの体を800℃〜1350℃の高温下で燃焼させて得られるカルシウム粉末であって25℃の飽和水溶液としたときのpHが12以上であるようなカルシウム粉末の水溶液を含むことを特徴とする殺菌抗菌剤。
- ヒトデの体を800℃〜1350℃の高温下で燃焼させて得られるカルシウム粉末であって25℃の飽和水溶液としたときのpHが12以上であるようなカルシウム粉末の水溶液を生成するための、殺菌抗菌用のカルシウム粉末。
- ヒトデの体を800℃〜1350℃の高温下で、所定時間、燃焼させる工程と、
前記燃焼工程の後に得られた焼却灰を微小な粉末に加工する工程と、
を含むことを特徴とする、25℃の飽和水溶液としたときのpHが12以上であるようなカルシウム粉末の水溶液を生成するための、抗菌殺菌用のカルシウム粉末の製造方法。 - ヒトデの体を1000℃〜1350℃の高温下で燃焼させて得られるカルシウム粉末であって25℃の飽和水溶液としたときのpHが12以上であるようなカルシウム粉末の水溶液を含むことを特徴とする殺菌抗菌剤。
- ヒトデの体を1000℃〜1350℃の高温下で燃焼させて得られるカルシウム粉末であって25℃の飽和水溶液としたときのpHが12以上であるようなカルシウム粉末の水溶液を生成するための、殺菌抗菌用のカルシウム粉末。
- ヒトデの体を1000℃〜1350℃の高温下で、所定時間、燃焼させる工程と、
前記燃焼工程の後に得られた焼却灰を微小な粉末に加工する工程と、
を含むことを特徴とする、25℃の飽和水溶液としたときのpHが12以上であるようなカルシウム粉末の水溶液を生成するための、抗菌殺菌用のカルシウム粉末の製造方法。
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- 2001-07-16 JP JP2001214713A patent/JP4651875B2/ja not_active Expired - Lifetime
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