JP4651529B2 - Mri用電磁石装置 - Google Patents

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この発明は、核磁気共鳴を利用した磁気共鳴画像法(MRI;Magnetic Resonance Imaging)に用いる電磁石装置に関するものである。
磁気共鳴画像法(以下、MRIと称する)を用いた診断装置は、核磁気共鳴を生じさせる静磁場を発生させるための電磁石装置を備える。一般に、この電磁石装置は、液体ヘリウムの温度4.2°K付近の温度で超電導状態となる複数個の環状の超電導コイルにより構成され、これらの超電導コイルを液体ヘリウムに浸漬して冷却する環状の超電導コイル容器と、この超電導コイル容器を外気から遮断して冷却保持する環状のクライオスタットと、このクライオスタットの中央空間部に設けられて被験者を挿入する空間を形成する内筒とを備えている。尚、クライオスタットの外周部を覆うカバーや、クライオスタットの内部に超電導コイルへの熱侵入を抑制する熱シールドを設ける場合もある。
従来、この種のMRI用電磁石装置に於いて、被験者を挿入するための内筒は、その軸心の方向の環状端縁の全体がその軸心の方向に対して直交する平面内に存在するよう形成されている。(例えば特許文献1参照)
特開平6−70908号公報(図1、室温ボア40aが内筒の相当する)
しかるに、このような従来のMRI用電磁石装置にあっては、複数の超電導コイルからなる電磁石(以下、単に電磁石という)の軸方向長が相当大きく、被験者を内筒に挿入した場合、被験者の頭部の殆どが内筒の中に入り込み、被験者の視野を確保できず、従って被験者に圧迫感や不安感を与えることがあった。
一方、電磁石の軸方向長を短くすると、電磁石から頭が出て被験者へ開放感を与えることは可能であるが、コイル起磁力が急激に増加する。図18は電磁石の軸方向長とコイル起磁力との関係を示すグラフで、横軸は電磁石の軸方向長、縦軸はコイル起磁力を表す。この図18から明らかなように、電磁石の軸方向長を短くすると、急激にコイル起磁力(各超電導コイルの電流値の絶対値の合計)が増加する。尚、図18では、標準的なMRI用電磁石の軸方向長を1、その起磁力を1として表示している。
このように、電磁石の軸方向長を短くするとコイル起磁力が増加するため、コストアップになる。また、短い領域に多くのコイルを設置することになり、コイルが密になり、コイルのBmax(最大経験磁界)が高くなるなどの問題点が発生する。なお、コイルのBmaxが超電導線材の臨界磁束Bcを越えると超電導状態を維持できなくなる。
この発明は、従来のMRI用電磁石装置における上記の様な課題を解決し、被験者の視界を確保し得るMRI用電磁石装置を提供することを目的とするものである。
また、この発明は、被験者の視界を確保しながら、コイル起磁力の増加を招くことなく低コストを維持できるMRI用電磁石装置を提供することを目的とするものである。
この発明によるMRI用電磁石装置は、被験者が挿入される空間を形成し軸心の方向に延びる環状の内筒と、該内筒の外周部に設けられた環状のクライオスタットと、該クライオスタットの内部に収容され前記クライオスタットとほぼ同心に配置された環状の超電導コイル容器と、該超電導コイル容器の内部に収容され前記超電導コイル容器とほぼ同心に配置されると共に前記軸心の方向に並べて設けられた複数の超電導コイルとを備えたMRI用電磁石装置であって、前記内筒の前記軸心の方向の少なくとも一方の端縁は、前記軸心の方向に変位した変位部を備え、前記複数の超電導コイルのうち前記軸心の方向の最外側に位置する少なくとも一方の超電導コイルは、前記内筒の変位部に対応して前記軸心の方向に変位した変位部を有し、前記超電導コイルの変位部は、前記超電導コイルのコイル面を湾曲させることにより形成されていることを特徴とするものである。
更に、この発明によるMRI用電磁石装置は、前記変位部を備えた超電導コイルの発生する磁界を補正する磁界補正手段を備えたものである。
また、この発明によるMRI用電磁石装置は、前記変位部を備えた超電導コイルは、パンケーキ巻としたものである。
また、この発明によるMRI用電磁石装置は、前記内筒及び前記超電導コイルを、前記軸心方向の断面が楕円形状に形成したものである。
更に、この発明によるMRI用電磁石装置は、前記クライオスタットが、その内部に前記超電導コイル容器の内部への熱の侵入を阻止する熱シールドを備え、前記熱シールドの前記軸心方向の端面は、前記内筒の前記変位部に対応する位置以外の位置に配置されているものである。
この発明によるMRI用電磁石装置によれば、複数の超電導コイルのうち前記軸心の方向の最外側に位置する少なくとも一方の超電導コイルを、前記内筒の変位部に対応して前記軸心の方向に変位した変位部を有する構成としたので、超電導コイルによるコイル起磁力を増大させることなく安価且つ簡単な構成で被験者に圧迫感や不安感を与えることのないMRI用電磁石装置を得ることができる。更に、超電導コイルの変位部を、前記超電導コイルのコイル面を湾曲させることにより形成したので、より簡単な構成で超電導コイルに変位部を形成することができ、超電導コイルによるコイル起磁力を増大させることなく安価且つ簡単な構成で被験者に圧迫感や不安感を与えることのないMRI用電磁石装置を得ることができる。
また、この発明によるMRI用電磁石装置によれば、変位部を備えた超電導コイルの発生する磁界を補正する磁界補正手段を備えたので、高性能でしかも超電導コイルによるコイル起磁力を増大させることなく安価且つ簡単な構成で被験者に圧迫感や不安感を与えることのないMRI用電磁石装置を得ることができる。
更に、この発明によるMRI用電磁石装置によれば、変位部を備えた超電導コイルをパンケーキ巻としたので、変位部を備えた超電導コイルの製作が容易となり、しかも超電導コイルによるコイル起磁力を増大させることなく安価且つ簡単な構成で被験者に圧迫感や不安感を与えることのないMRI用電磁石装置を得ることができる。
また、この発明によるMRI用電磁石装置によれば、内筒及び超電導コイルを、軸心方向の断面が楕円形状に形成したので、超電導コイルのコイル起磁力を低減することができるので、より安価且つ簡単な構成で被験者に圧迫感や不安感を与えることのないMRI用電磁石装置を得ることができる。またコイル起磁力を従来と同じに保ちながら、超電導コイルにより構成される電磁石の軸方向長を短くすることができるので、コイル起磁力を増大させることなく安価且つ簡単な構成で被験者に圧迫感や不安感を与えることのないMRI用電磁石装置を得ることができる。
また、この発明によるMRI用電磁石装置によれば、クライオスタットの内部に前記超電導コイル容器の内部への熱の侵入を阻止する熱シールドを備え、前記熱シールドの前記軸心方向の端面は、前記内筒の前記変位部に対応する位置以外の位置に配置するようにしたので、簡単な構成で被験者に圧迫感や不安感を与えることのないMRI用電磁石装置を得ることができる。
発明の基礎となる技術
この発明の基礎となる、一般的なMRI用電磁石装置について説明する。図1は、そのMRI用電磁石装置を示す断面図である。図1に於いて、円筒状に形成された内筒1は、その内部に被験者が挿入されるよう構成されている。内筒1の軸心101方向の両端縁11、12は、軸心101に直交する平面内に存在している。
内筒1の外周部には、内筒1と同心に配置された環状のクライオスタット2が設けられており、その内部は真空に保たれ、外部からの熱の進入を阻止する。クライオスタット2の内部には、内筒1と同心に配置された環状の超電導コイル容器3が設けれられ、この超電導コイル容器3の内部には、環状に形成された6個の超電導コイル41、42、43、44、45、46が収納されている。軸心101は、超電導コイル41〜46のコイル軸でもあり、軸心101の方向はZ軸の方向と一致している。各超電導コイル41〜46のコイル面、即ち環状のコイル辺により形成される面は、軸心101に対して直交している。
これらの超電導コイル41〜46は、軸心101の方向に相互に間隔を介して並置されるよう絶縁構造物5により支持されている。超電導コイル41〜46は、超電導コイル容器3内に満たされた液体ヘリウムに浸漬され、4.2°Kに冷却されて超電導域で動作する。また、クライオスタット2の内部には、外部からの熱の侵入を阻止する熱シールド61、62が設けられている。超電導コイル41〜46の外側には、環状の主磁場シールドコイル7が設けられている。
尚、図1に於いて、紙面に平行でZ軸に直交する方向がY軸、紙面に垂直の方向がX軸である。
内筒1内に挿入される被験者の周りには、X、Y、Z軸方向に傾斜磁場を与える傾斜コイル8が設けられ、また、被験者に吸収させる電磁波照射と放出信号の検出に用いるRFコイル9が設けられる。RFコイル9の設置領域が被験者に対する検査領域となる。
このように構成されたMRI用電磁石装置に於いて、内筒1に挿入された被験者の精密なMRI画像を得るためには、空間的に高均一なZ軸方向(水平方向)の磁界を発生させることが必要がある。そのため、各超電導コイル41〜46は、相互に誤差磁界を互い打ち消す様に、夫々の位置が決定されており、且つ夫々に流される電流値が決定される。
図2は、図1に示すMRI用電磁石装置の内筒1に、被験者10を挿入してMRI画像を得る場合を示す説明図である。超電導コイル41〜46により構成される電磁石の軸心101方向の長さは比較的大きく、被験者10の頭部が内筒1の中に入り込み、被験者10の視野EをMRI用電磁石装置の外部に確保できないこととなる。従って、被験者10に圧迫感を与える可能性がある。
実施の形態1
図3はこの発明の実施の形態1に係るMRI用電磁石装置を示す斜視図、図4はそのY軸方向の断面を示す説明図である。図3及び図4に於いて、クライオスタット2の外壁21は、Z軸方向に延びる軸心101を中心として円筒形に形成されているが、その軸心101の方向、即ちZ軸方向の長さが、Y軸方向の最上部211及び最下部212に於いて最小となるよう構成されており、その両端縁213、214は軸心101の方向になだらかに湾曲している。クライオスタット2も、外壁21と同様の形状の形成されている。内筒1は、クライオスタット2の中央空間部に設けられ、その端縁11は外壁21の端縁213の最内周の形状と同様に形成されている。尚、クライオスタット2の内部に設けられる超電導コイル容器は図示を省略してある。
内筒1及び外壁21が、Y軸方向の最上部及び最下部の長さが軸心101の方向に最小となるよう構成されることにより、内筒1及び外壁21のY軸方向の上方部及び下方部に変位部Aが形成される。被験者10がY軸上方を向いて内筒1の内部に挿入され検査位置に配置されているとき、被験者10の視界Eは、変位部Aを介して内筒1及び外壁21の外側に確保される。
クライオスタット2の内部には、図示していない環状の超電導コイル容器が設けられ、この超電導コイル容器の中には複数の環状の超電導コイルが収納されているが、図4にはそのうちの半分の超電導コイル411、42、43のみが示されている。これらの超電導コイルのうち、軸心101の方向の最も外側に位置する超電導コイル411は、図4に示すように、Y軸方向の上端部及び下端部(図示していない)に向うに従って、クライオスタット2の外壁21端縁213及び内筒1の端縁11の形状に沿って軸心101の方向、即ちZ軸の方向に、電磁石の内側に変位している。
即ち、図5に示すように、超電導コイル411は、内筒1の端縁11及び外壁21の端縁213の形状に沿って、軸心101即ちZ軸の方向に電磁石の内側に変位した変位部411aを備えるものである。尚、図示していない残りの3つの超電導コイルは、超電導コイル411、42、43に対して左右対称の形状に構成されて配置されている。
図5に基づき更に詳しく述べれば、この発明の実施の形態1に於ける超電導コイル411は、鎖線で示す従来の超電導コイル41に比べて、そのY軸方向の上端部及び下端部が、距離LだけZ軸の方向に電磁石の内側に変位した変位部411aを備えている。一方、超電導コイル411のX軸の方向の両端部のコイル辺411bは、従来の超電導コイル41のコイル辺と同一の位置にある。
従来の超電導コイル41の場合は、そのコイル辺のZ軸方向の中心位置は41Zである。これに対して、変位部411aを有する超電導コイル411の場合、そのコイル辺のY軸方向の上端部及び下端部の変位部411aのZ軸方向の中心位置は411Zであり、X軸方向の両端部411bのZ軸方向の中心位置は、従来の超電導コイル41と同じ位置の41Zである。そして、この超電導コイル411のコイル辺のZ軸方向の平均中心位置は、411Zと41Zとの中間位置となる。
超電導コイル411は、そのコイル辺のY軸方向の上端部のZ軸方向の中心位置が411Zにあり、被験者の顔の位置から外れているが、変位部を有しない従来の超電導コイル41を被験者の顔の位置から外れた411Zの位置に配置するためには、図6に示すように超電導コイル41全体をその位置に配置しなければならず、電磁石の軸方向長が短くなり図18に示すようにコイル起磁力が大きくなる。
これに対して変位部411aを有する超電導コイル411は、そのコイル辺のZ軸方向の平均中心位置は411Zと41Zとの中間の位置にあるので、電磁石の軸方向長は超電導コイル41の場合に比べて長くなり、コイル起磁力を低減することができる。
尚、図5ではZ軸方向の最外側の超電導コイル411と他の超電導コイル42との距離が遠いため、他の超電導コイル42には変位部を設けていないが、距離が近い場合には超電導コイル411と同様に他の超電導コイル42にも変位部を設けることもあり得る。
図7は従来のMRI用電磁石装置の外観を示し、(a)はZ軸方向から見た側面図、(b)はX軸方向から見た側面図、(c)はY軸方向から見た平面図である。同様に、図8は実施の形態1に係るMRI用電磁石装置の外観を示し、(a)はZ軸方向から見た側面図、(b)はX軸方向から見た側面図、(c)はY軸方向から見た平面図である。図7に示すように、従来のMRI用電磁石装置では、クライオスタットの外壁21及び内筒1はそのZ軸方向の両端縁に変位部を有せず、従って被験者10は内筒1及び外壁21外部に視界を確保することができなかったが、図8に示す実施の形態1によるMRI用電磁石装置では、クライオスタットの外壁21及び内筒1はそのZ軸方向の両端縁に変位部Aを有しており、被験者10は内筒1及び外壁21の外部に視界を確保することができる。
なお、実施の形態1に於いて、図9に示す様に、クライオスタット2に外壁を設けず、クライオスタット2を前記の外壁21と同様の形状に構成してもよい。また、内筒、外壁、クライオスタットは、その軸心方向の一方の端縁のみに変位部を形成し、これに対応する超電導コイルのみに変位部を設けるようにしても良い。
実施の形態2
図10は、この発明の実施の形態2に係るMRI用電磁石装置の外観を示し、(a)はZ軸方向から見た側面図、(b)はX軸方向から見た側面図、(c)はY軸方向から見た平面図である。この実施の形態2では、円筒形に形成された外壁21のZ軸方向の長さが、そのX軸方向の両端部215及び216に於いて最小となるよう構成されており、その両端縁213、214は軸心の方向になだらかに傾斜している。図示していないクライオスタットも、外壁21と同様の形状の形成されている。内筒1は、クライオスタットの中央空間部に設けられ、その端縁は外壁21の端縁213、214の最内周の形状と同様に形成されている。
図示していないが、クライオスタット内には超電導コイル容器内に収納された複数の超電導コイルが設けられており、これらの超電導コイルのうち、軸心の方向の最も外側に位置する超電導コイルは、X軸方向の両端部に向うに従って、外壁21及び内筒1の両端縁の形状に沿って軸心101の方向、即ちZ軸の方向に、電磁石の内側に変位している。
実施の形態2の場合、内筒1に挿入された被験者10の上下方向(Y軸方向)には内筒1の外部に被験者の視界が確保されていないが、水平方向(X軸方向)に変位部Aが設けられており、被験者10に開放感を与えることができる。
尚、クライオスタットに外壁21を設けず、クライオスタットを外壁21と同様の形状に構成してもよい。また、内筒、外壁、クライオスタットは、その軸心方向の一方の端縁のみに変位部を形成し、これに対応する超電導コイルのみに変位部を設けるようにしても良い。
実施の形態3
図11はこの発明の実施の形態3に係るMRI用電磁石装置の外観を示す斜視図である。
図11に示すように、外壁21は、そのY軸方向の最上部211が軸心101の方向の最短部となり、最下部212が軸心101ほ方向の最長部となっている。そして、軸心101方向の端縁213、214は、最上部211と最下部212との間で直線状に傾斜するよう形成されている。内筒1の両端縁は、外壁21の両端縁213、214の形状に沿って軸心101に対して直線状に傾斜している。
図示していないが、外壁21の内部には、クライオスタットと、その内部に設けられた超電導コイル容器、及びその内部に収納された複数の超電導コイルが設けられている。クライオスタットの両端縁は、外壁21の両端縁213、214の形状に合わせて軸心101に対して直線状に傾斜している。
図12は、実施の形態3に用いる複数個の超電導コイルのうちの一部を示している。図12に於いて、Z軸方向の最も外側にある超電導コイル412は、そのコイル辺により形成されるコイル面を軸心101に対して直線状に傾斜させて配置されている。他の超電導コイル42、43は、そのコイル面を軸心101に対して垂直に配置されている。
尚、図示していない残りの3つの超電導コイルは、超電導コイル412、42、43に対して左右対称に同様の形状に構成されて配置されている。
超電導コイル412のコイル面を直線状に傾斜させて配置することにより、その平均のZ軸方向の位置は412Zにあるが、Y軸方向の最上部のコイル辺の位置をZ軸方向に電磁石の内側の位置41Zに変位し、Y軸方向の最下部のコイル辺の位置はZ軸方向に電磁石の外側に変位する。コイル面を軸心101に対して直線上に傾斜していない超電導コイル41を41Zの位置に配置すると、超電導コイル412を配置した場合に比べて電磁石の軸方向長が短くなり、コイル起磁力が増大する。
このように、超電導コイル412のコイル面を直線上に傾斜させて配置することにより、そのY軸方向の最上部のコイル辺の位置をZ軸方向に電磁石の内側の位置41Zに変位させながら、そのZ軸方向の平均位置は412Zとなり、超電導コイル41を用いた場合より等価的に電磁石の軸方向長を大きくすることができ起磁力の増大が抑えられる。
この実施の形態3によれば、内筒1、外壁21、及び軸心方向の最外側の超電導コイル412が、軸心に対して傾斜しており、Y軸方向の上方が狭くなり下方が広構造となる。その結果、Y軸方向の上方部に変位部Aが形成され、この変位部Aにより、通常上を向くことが多い被験者10の視界を内筒1及び外壁の外部に確保することができる。
尚、内筒1、外壁21、超電導コイル412を直線状に傾斜させた場合を示したが、これらを湾曲させて傾斜させても良い。また、内筒、外壁、クライオスタットは、その軸心方向の一方の端縁のみに変位部を形成し、これに対応する超電導コイルのみに変位部を設けるようにしても良い。
実施の形態4
図5に示した実施の形態1に於ける超電導コイル411は、そのY軸方向の最上部及び最下部のコイル辺のZ軸方向の位置が、X軸方向のコイル辺のZ方向の位置に比べて電磁石の内側に変位しているため、そのコイルのZ軸位置に於けるX軸とY軸を含む面(Z=0面、即ちXY面)での磁界には、Y軸方向に強くX軸方向に弱い[ー(X2ーY2)]の誤差磁界が発生する。
そこで、実施の形態4では、実施の形態1に示す超電導コイルの構成に、通常知られている[+(X2ーY2)]の磁界を発生するシムコイルあるいは鉄シムを設けて、上記の誤差磁界を補正するようにしたものである。尚、シムコイルあるいは鉄シムに関しては、文献「Romeo and Hoult, "Magnetic Field Profiling: Analysis and Correcting CoilDesign ", Magnetic Resonance in Medicine 1、44−65(1984)」に述べられている。
また、誤差磁界を補正する別の方法として、図5に示す超電導コイル43を、超電導コイル411の変位の方向と逆に変位させて配置して、超電導コイル411の誤差磁界を補正するようにしても良い。
実施の形態5
図12に示した実施の形態3に於ける超電導コイル412は、Y軸方向の最上部のコイル辺が電磁石の内側方向に変位しており、Y軸方向の最下部に位置するコイル辺が電磁石の外側方向に変位している。即ち、図12に於いて41Zの位置を[Z=0面]とすれば、Y軸方向の最上部のコイル辺の位置は、 [Z=0面]により近く、最下部のコイル辺の位置は[Z=0面]から遠い。従って、超電導コイル412の水平方向の磁界はY軸の方向に一次あるいは三次の成分を持つことになり、補正手段が必要である。
そこで、実施の形態5では、実施の形態3に示す超電導コイルの構成に、上記一次あるいは三次の成分による誤差磁界を補正する補正手段を設けるものである。
この補正手段についても上記文献で述べられているシムコイルあるいは鉄シムを用いることができる。
また、別の補正の方法として、図13に示すように、超電導コイル431を、そのコイル面を軸心101に対して傾斜して超電導コイル412とは逆の方向に傾斜させて設置し、超電導コイル412の誤差磁界を補正するようにしても良い。
実施の形態6
一般に、コイルは内径が小さい方が起磁力を小さくすることができる。これは、半径aで電流がIの円形電流の作る中心の磁界の強度が、H=I/2aであることからも明らかである。従って、起磁力を小さくするため、極力コイル半径は小さくしたほうが良い。
次に、コイルを楕円形状としてコイル起磁力を低減できることについて述べる。図14に於いて、111は楕円の内筒を表し、112は内筒111の長径に内接する円、113は内筒111の小径に内接する円、114は円112と円113の平均の半径を有する円である。楕円の半径は、円112と円113との平均の半径を有する円114の半径にほぼ等しくなると考えられ、円112に比べ半径を小さく設定できる。従がって、コイルを楕円形状にすればコイル起磁力を小さくすることができる。
ところで、人体の横断面の形状は楕円形状である。従って、内筒も楕円形状にすれば良い。特に被験者が横たわる水平方向に長径を有する幅広形状が良い。従来は図14に示す円112の半径を有する円筒形の内筒としていたが、人体の横断面の形状に合わせて内筒の断面形状を楕円とし、超電導コイルも楕円形状とすれば、超電導コイルの平均半径を小さくすることができる。
図15は、上記の原理も基づいて構成した実施の形態6によるMRI用電磁石装置を示し、(a)はZ軸方向から見た側面図、(b)はX軸方向から見た側面図、(c)はY軸方向から見た平面図である。図15に於いて、内筒111はX軸の方向に長径を有する楕円形状を有する。図示していない超電導コイルは、内筒111の楕円形状に合わせてX軸の方向に長径を有する楕円形状に形成されており、外壁21の内部に設けられたクライオスタット及びその内部に設けられた超電導コイル容器内に収納されている。図示していないクライオスタット及び超電導コイル容器もまた、X軸の方向に長径を有する楕円形状に構成されているが、外壁21は実施の形態1と同様に円筒形状に構成されている。
この実施の形態6によれば、内筒111及び超電導コイルをX軸の方向に長径を有しY軸の方向に短径を有しているので、外壁21を円筒形としても、図15に示すように実施の形態1と同様にY軸方向の上端部及び下端部のZ軸の方向の長さを小さくして変位部Aを形成することができる。従がって、被験者10の視界Eを、内筒111及び外壁21の外部に確保することができる。
また、この実施の形態6によれば、超電導コイルをX軸の方向に長径を有する楕円形状としているので、Y軸の方向のコイル起磁力を低減することができる。あるいはコイル起磁力を同じに保ちながら、電磁石の軸方向長を短くすることができる。
尚、外壁は、その軸心方向の一方の端縁のみに変位部を形成しても良い。また、外壁21もX軸の方向に長径を有する楕円形状としても良い。
実施の形態7
実施の形態1及び実施の形態2の超電導コイルは、そのコイル辺が軸心の方向に変位しているので、コイル導体を巻回するにはソレノイド巻方式よりもパンケーキ巻方式の方が巻き線作業が容易になる。そこで、実施の形態7に係るMRI用電磁石装置では、超電導コイルのうち、少なくとも軸心の方向に変位した変位部を有する超電導コイルを、パンケーキ巻方式としたものである。勿論、軸心の方向に変位した変位部を有しない超電導コイルについてもパンケーキ巻方式としても良いことは勿論である。
尚、実施の形態3の超電導コイルは、コイル面が直線状に傾斜しており湾曲していないので、ソレノイド巻方式でも巻き線作業は容易であるが、パンケーキ巻方式としても良いことは勿論である。
実施の形態8
図16及び図17は、実施の形態8に係るMRI用電磁石装置を示す斜視図及び断面の構成を示す説明図である。図16に示すように、この実施の形態8では、内筒115の軸心101方向の端縁は、軸心101に直交する平面内に存在するよう構成されているが、そのY軸方向の上端部に、Z軸の方向に電磁石の内側に変位する矩形状の変位部115aを有している。また、外壁21も、内筒115の変位部115aに対応する端縁がZ軸の方向に電磁石の内側に変位している。その結果、変位部Aが形成され、被験者の視界を内筒115及び外壁21の外部に確保することができる。
上記の変位部Aは、図17に示すようにクライオスタット2の内部に設けた熱シールド611の、Z軸方向の端面611aに於けるY軸方向の上端部を切り欠き、その切り欠き部に対応するクライオスタット2のZ軸方向の端面2aを距離2Z分だけZ軸方向の内側に変位させることにより構成する。超電導コイル41及びこれを収納する超電導コイル容器3のZ軸方向の端面3aの位置は、従来の構成と変わらない。熱シールド611の端面611aの一部を省略することにより、熱侵入が増大するが、被験者の顔が出る上半分の180度分あるいは、それよりも小さい角度で熱シールドを切り欠けば、熱侵入はそれほど増大することはない。
尚、熱シールドのみならず、超電導コイル容器のZ軸方向の端面を薄くすれば、更にクライオスタットの内筒を内側に変位させることができる。
本発明の実施の形態の基礎となるMRI用電磁石装置の断面図である。 本発明の実施の形態の基礎となるMRI用電磁石装置の説明図である。 本発明の実施の形態1によるMRI用電磁石装置の斜視図である。 本発明の実施の形態1によるMRI用電磁石装置の断面構造を示す説明図である。 本発明の実施の形態1によるMRI用電磁石装置を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態1によるMRI用電磁石装置を説明するための説明図である。 従来のMRI用電磁石装置を示す説明図である。 本発明の実施の形態1によるMRI用電磁石装置の説明図である。 本発明の実施の形態1によるMRI用電磁石装置の変形例を示す説明図である。 本発明の実施の形態2によるMRI用電磁石装置の説明図である。 本発明の実施の形態3によるMRI用電磁石装置の斜視図図である。 本発明の実施の形態3によるMRI用電磁石装置の説明図である。 本発明の実施の形態5によるMRI用電磁石装置の変形例を示す説明図である。 本発明の実施の形態6によるMRI用電磁石装置の説明図である。 本発明の実施の形態6によるMRI用電磁石装置の説明図である。 本発明の実施の形態8によるMRI用電磁石装置の説明図である。 本発明の実施の形態8によるMRI用電磁石装置の説明図である。 電磁石の軸方向長とコイル起磁力との関係を示すグラフである。
符号の説明
1、111、115 内筒
101 軸心
11、12 内筒の両端縁
2 クライオスタット
2a クライオスタットの端面
21 外壁
211 外壁の最上部
212 外壁の最下部
213、214 外壁の両端縁
215、216 外壁の両端部
3 超電導コイル容器
41、411、412、42、43、431 超電導コイル
411a 超電導コイルの変位部
411b 超電導コイルの両端部
5 絶縁構造物
61、611、62 熱シールド
611a 熱シールドの端面
8 傾斜コイル
9 RFコイル
10 被験者
A 変位部

Claims (5)

  1. 被験者が挿入される空間を形成し軸心の方向に延びる環状の内筒と、該内筒の外周部に設けられた環状のクライオスタットと、該クライオスタットの内部に収容され前記クライオスタットとほぼ同心に配置された環状の超電導コイル容器と、該超電導コイル容器の内部に収容され前記超電導コイル容器とほぼ同心に配置されると共に前記軸心の方向に並べて設けられた複数の超電導コイルとを備えたMRI用電磁石装置であって、
    前記内筒の前記軸心の方向の少なくとも一方の端縁は、前記軸心の方向に変位した変位部を備え
    前記複数の超電導コイルのうち前記軸心の方向の最外側に位置する少なくとも一方の超電導コイルは、前記内筒の変位部に対応して前記軸心の方向に変位した変位部を有し、
    前記超電導コイルの変位部は、前記超電導コイルのコイル面を湾曲させることにより形成されている、
    ことを特徴とするMRI用電磁石装置。
  2. 前記変位部を備えた超電導コイルの発生する磁界を補正する磁界補正手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のMRI用電磁石装置。
  3. 前記変位部を備えた超電導コイルは、パンケーキ巻としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のMRI用電磁石装置。
  4. 前記内筒及び前記超電導コイルは、前記軸心方向の断面が楕円形状に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のMRI用電磁石装置。
  5. 前記クライオスタットは、その内部に前記超電導コイル容器の内部への熱の侵入を阻止する熱シールドを備え、前記熱シールドの前記軸心方向の端面は、前記内筒の前記変位部に対応する位置以外の位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一項に記載のMRI用電磁石装置。
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