JP4650138B2 - 光学的情報読取装置 - Google Patents

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本発明は、二次元の撮像視野を有し情報コードが記された読取対象の画像を取込む撮像手段と、前記読取対象に対して読取位置を示すマーカ光を照射するマーカ光照射手段とを備える光学的情報読取装置に関する。
近年、情報コードを読取るハンディタイプの光学的情報読取装置にあっては、使い勝手の良さから、読取対象から離れた位置から読取りができるものが供されてきている。また、この種の光学的情報読取装置としては、バーコード等の一次元コードやQRコード(登録商標)等の二次元コードといった複数種類の情報コードの読取りを可能としたものがある。そして、この種の光学的情報読取装置においては、読取時の読取対象(情報コード)と装置(読取口)との間の位置合せのために、読取対象に対して読取位置(撮像視野やその視野の中心位置)を示すためのマーカ光を照射するマーカ光照射手段を備えるものが一般的となってきている。
例えば特許文献1には、マーカ光照射手段として、3個のLED及びレンズを備え、撮像視野の左右両端部と中央部との3箇所に位置して、スポット光からなるマーカ光を照射することができるものが記載されている。そして、予めユーザにより設定されたモード(情報コードの種類)に基づいて、バーコードを読取る場合には、撮像視野の左右両端を示す2個のマーカ光が照射され、QRコードを読取る場合には、撮像視野の中央を示す1個のマーカ光が照射されるようになっている。
この構成においては、ユーザは、バーコードを読取る際には、左右2個のマーカ光を結ぶ直線上にバーコードが来るように位置合せを行って読取りを行い、QRコードを読取る際には、QRコードの中心にマーカ光が来るように位置合せを行って読取りを行うようにする。これにより、いずれの種類の情報コードであっても、ユーザが容易に位置合せして、良好な読取りを行うことができる。また、例えば左右どちらかの端部のマーカ光にQRコードの中心を位置合せしてしまい、QRコードの一部が撮像視野から外れてしまうといった位置合せミスを防止することができる。
特開2002−92542号公報(段落[0053]〜[0055]、図14)
上記のように、情報コードの種類に応じてマーカ光の照射パターンを変更させることによって、読取対象(情報コード)と装置(読取口)との間の位置合せを良好に行うことができるようになる。ところが、上記特許文献1の技術では、読取りを行う前に、ユーザが、予め、情報コードの種類に応じたモード設定(マーカ光のパターンの切替)の操作を行っておかなければならず、その分ユーザにとっての手間となっていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、読取り時の位置合せのためのマーカ光を照射するマーカ光照射手段を備えるものにあって、情報コードの種類に応じた適切なパターンのマーカ光を照射することができ、しかも、その際のユーザの手間を省くことができる光学的情報読取装置を提供するにある。
本発明の光学的情報読取装置は、読取り時の位置合せのためのマーカ光を照射するマーカ光照射手段を備えるものにあって、前記マーカ光照射手段により通常時のパターンでマーカ光を読取対象に照射させて撮像手段による読取対象の画像取込みを実行させ情報コードの読取処理を実行する手段と、その読取処理において情報コードの読取りが不成功であった場合に撮像手段により取込まれた撮影画像から情報コード領域の外形形状が、横長形状、縦長形状、正方形に近い形状のいずれであるかを推定する形状推定手段と、この形状推定手段の推定した情報コード領域の外形形状に応じて、読取対象に対して照射されるマーカ光のパターンを変更するマーカ光変更手段とを具備すると共に、前記形状推定手段は、前記撮像手段により一旦取込まれた撮影画像から、その撮影画像の領域を複数のブロックに分割し、各画像ブロック毎に画素の明暗レベル及び明暗の変化を調べ、その結果によって各画像ブロックにおける情報コードの少なくとも一部が存在する可能性を判断して情報コードの存在領域を推定し、そのコード存在領域の形状を判断することに基づいて、前記情報コード領域の外形形状を推定するところに特徴を有する(請求項1の発明)。
これによれば、マーカ光照射手段により照射されるマーカ光により、読取対象に対して読取位置が示されるので、ユーザは、そのマーカ光を見ながら、情報コードとマーカ光との間の位置合せを行って画像の取込みを行わせることにより、情報コードの読取りが良好に行われるようになる。このとき、仮にマーカ光と情報コードとが正しく位置合せできず、情報コードの読取りがうまく行われなかった場合には、形状推定手段により情報コード領域外形形状(以下単に「情報コードの形状」という)が推定され、マーカ光変更手段により、照射されるマーカ光がその推定された形状に応じたパターンに変更されるので、情報コードの種類に応じて、ユーザが位置合せしやすい適切なパターンのマーカ光を照射することが可能となる。しかも、マーカ光のパターンの変更を自動で行うことができるので、ユーザが設定などを行う手間を省くことができる。
しかも、上記形状推定手段を、撮像手段により一旦取込まれた撮影画像から、その撮影画像の領域を複数のブロックに分割し、各画像ブロック毎に画素の明暗レベル及び明暗の変化を調べ、その結果によって各画像ブロックにおける情報コードの少なくとも一部が存在する可能性を判断して情報コードの存在領域を推定し、そのコード存在領域の形状を判断することに基づいて、情報コードの形状を推定するように構成している
これによれば、撮影画像中の情報コードの存在領域を大まかに推定することができ、そのコード存在領域の形状を判断することに基づいて、情報コードの形状を十分な確かさで推定することができる。このとき、コード存在領域の推定に基づいて情報コードの形状判断が行われるので、情報コードの形状推定のための処理を簡略化することができ、処理時間を短く済ませることができる。
本発明においては、さらに、形状推定手段を、コード存在領域の横方向寸法X及び縦方向寸法Yを求め、X>1.2Yのときに、情報コードの形状を横長形状と判断し、Y>1.2Xのときに、情報コードの形状を縦長形状と判断し、それ以外の場合には、情報コードの形状を正方形に近いと判断するように構成することができる(請求項2の発明)。これによれば、簡単な処理で済ませながらも、情報コードの形状を十分に確かさで推定することが可能となる。
ところで、マーカ光のパターンとしては、ユーザが位置合せを行う際に、マーカ光と情報コードとの位置関係つまりマーカ光に対して情報コードを相対的にどこに持っていけば良いのかがユーザにとって判りやすく、しかも、読取らせたい情報コードが撮像視野からはみ出すことを確実に防止できるものとすることが望まれる。
そこで、具体的には、形状推定手段により、情報コードの形状が横長形状と推定された場合には、マーカ光変更手段により、マーカ光を横方向の撮像範囲を示すパターンとすることができる(請求項3の発明)。これによれば、ユーザは、横長形状の情報コードを、マーカ光により示される横方向の撮像範囲内に収まるように容易に位置合せすることができ、情報コードが撮像視野からはみ出すことなく読取りを行わせることができる。
また、形状推定手段により、情報コードの形状が縦長形状と推定された場合には、マーカ光変更手段により、マーカ光を縦方向の撮像範囲を示すパターンとすることができる(請求項4の発明)。これによれば、ユーザは、縦長形状の情報コードを、マーカ光により示される縦方向の撮像範囲内に収まるように容易に位置合せすることができ、情報コードが撮像視野からはみ出すことなく読取りを行わせることができる。
さらには、形状推定手段により、情報コードの形状が正方形に近いものと推定された場合には、マーカ光変更手段により、マーカ光を縦方向及び横方向の双方についての撮像範囲を示すパターンとすることができる(請求項5の発明)。これによれば、ユーザは、正方形に近い形状の情報コードを、マーカ光により縦横双方について示される撮像範囲内に収まるように容易に位置合せすることができ、情報コードが撮像視野からはみ出すことなく読取りを行わせることができる。
以下、本発明をハンディタイプの二次元コード読取装置(ハンディターミナル)に適用した一実施例について、図1ないし図6を参照しながら説明する。尚、本実施例の二次元コード読取装置例は、バーコード(図1(b)、図5参照)等の一次元コード、並びに、QRコード(図1(c)参照)、PDF417(図1(a)参照)、データマトリクス、マキシコード等の二次元コードといった、多数種類の情報コードの読取り(デコード)が可能なものとされている。
まず、図5及び図6を参照して、本実施例に係る光学的情報読取装置たる二次元コード読取装置1の全体構成について述べる。図5は、二次元コード読取装置1の外観を示しており、この二次元コード読取装置1は、ユーザが片手で持って操作可能な大きさの縦長形状をなす本体ケース2内の先端側に、ラベル等の読取対象Rに記録された各種の情報コードCを読取るための読取機構を配設して構成される。前記本体ケース2の先端面には、横長な矩形状をなし透光性を有する読取口2aが設けられている。
前記読取機構は、図6に示すように、撮像手段としての受光センサ3、結像レンズ4、照明部5、読取対象Rに対して読取位置を示すマーカ光Mを照射するマーカ光照射手段としてのマーカ光照射部6等を備えて構成されている。そのうち受光センサ3は、二次元の撮像視野F(図2等参照)を有する例えばCCDエリアセンサからなり、本体ケース2内の中央部に前記読取口2aを向いて配設されている。また、詳しく図示はしないが、前記結像レンズ4は、鏡筒内に複数枚のレンズを配設して構成され、前記受光センサ3の前方に配設されている。
前記照明部5は、照明光源となる複数個のLEDと、このLEDの前部に配置され光を集光及び拡散する照明用レンズとを、前記結像レンズ4の周囲部に、前記読取口2aに向けて複数組配設して構成されている。これにて、照明部5によって読取口2aを通して読取対象R(情報コードC)に照明光が照射され、情報コードCからの反射光が読取口2aを通して入射され、前記結像レンズ4を介して受光センサ3上に結像され、以て、情報コードCの画像が取込まれる(撮影される)ようになっているのである。前記マーカ光照射部6の構成については後述する。
また、図5にも示すように、本体ケース2の上面部には、表示部7やキー操作部8が設けられ、本体ケース2の左右の側面部には、読取指示用のトリガキー9が設けられている。さらに、図6にのみ示すように、前記本体ケース2内には、装置全体の制御や読取った情報コードCのデコード処理等を行う制御回路10、外部との通信を行うための外部インタフェース部11、外部から駆動電源を得るための電源回路12等も設けられている。
図6は、本実施例の二次元コード読取装置1の電気的構成を概略的に示している。ここで、前記制御回路10は、CPU、RAM、ROMなどを備えたマイクロコンピュータを主体として構成されている。この制御回路10には、前記キー操作部8及びトリガキー9からの信号が入力されるようになっており、また、制御回路10は、前記表示部7の表示を制御すると共に、前記外部インタフェース部11を介して通信を制御するようになっている。さらに、この制御回路10には、画像データ等を記憶するためのメモリ13が接続されている。
そして、制御回路10は、センサ駆動回路14を介して前記受光センサ3を駆動するようになっていると共に、制御回路10には、受光センサ3による撮像信号が、増幅回路15にて増幅され、A/D変換回路16にてデジタル信号に変換され、画像データとして入力されるようになっている。前記センサ駆動回路14には、クロック制御回路17からのクロック信号が入力されるようになっている。制御回路10は、上記画像データから情報コードCの種類を判別し、デコードする機能を有している。
また、制御回路10は、照明駆動回路18を介して前記照明部5(複数個のLED)を制御し、マーカ駆動・切替回路19を介してマーカ光照射部6を制御するようになっている。このとき、本実施例では、制御回路10は、装置の電源オン時には、受光センサ3による情報コードCの画像取込み(撮影)時を除いて、常に(連続的に)マーカ光Mを照射(点灯)するような制御を行うようになっており、その状態でトリガキー9がオン操作されると、マーカ光Mの照射を停止させ、照明部5をオン(点灯)させて受光センサ3による情報コードCの画像の取込みを実行させるようになっている。
さて、前記マーカ光照射部6は、本実施例では、例えば赤色光を発する9つの発光素子(LEDやレーザダイオード)を備えて構成されており、読取対象Rに対して、図2に示すように、読取口2aを通して9つのスポット状のマーカ光Mを照射することができるようになっている。これらマーカ光Mは、受光センサ3の二次元の撮像視野Fの内側における、4つの隅部、及び4辺の夫々の中央部の位置、並びに撮像視野Fの中心、の9点に位置されるようになっている。尚、これら9つのマーカ光Mを区別する必要がある場合には、図2に示すように、4つの隅部のものを左上から右回りにマーカ光M1〜M4と称し、上下左右の各辺中央部のものをマーカ光M5〜M8と称し、中心のものをマーカ光M9と称して区別することとする。
このとき、本実施例では、マーカ光照射部6は、マーカ駆動・切替回路19により各発光素子の点灯・消灯が制御されることによって、マーカ光Mを複数(この場合4種類)の異なるパターンで照射(点灯)することが可能に構成されている。即ち、図2に示すように、9つ全てのマーカ光M1〜M9を照射するものが第1のパターンとされ、通常時に照射されるパターンとされている。
これに対し、図1(a)に示すように、左右の各辺中央部の計2個のマーカ光M7,M8を照射するものが第2のパターンとされ、この第2のパターンは横方向の撮像範囲を示すパターンである。図1(b)に示すように、上下の各辺中央部の計2個のマーカ光M5,M6を照射するものが第3のパターンとされ、この第3のパターンは縦方向の撮像範囲を示すパターンである。図1(c)に示すように、4つの隅部のマーカ光M1〜M4を照射するものが第4のパターンとされ、この第4のパターンは縦方向及び横方向の双方についての撮像範囲を示すパターンである。
そして、後の作用説明でも述べるように、前記制御回路10は、そのソフトウエア的構成(制御プログラムの実行)により、通常時においては、マーカ光照射部6により第1のパターンでマーカ光Mを照射させるようにマーカ駆動・切替回路19を制御し、読取対象R(情報コードC)の画像の取込みを実行させ、読取り(デコード)の処理を実行する。ところが、その読取処理において、情報コードCの読取りが不成功であった(デコードに失敗した)場合には、制御回路10は、マーカ光Mのパターンを変更するようにマーカ駆動・切替回路19を制御し、再度読取りを実行させるように構成されている。
このとき、一旦取込まれた撮影画像から、情報コードC領域外形形状(以下単に「情報コードCの形状」という)を推定し、推定した形状に応じて、マーカ光Mのパターンを変更するようになっている。従って、制御回路10が、本発明にいう形状推定手段及びマーカ光変更手段として機能するようになっている。また、本実施例では、情報コードCの形状推定は、横長形状であるか、縦長形状であるか、正方形に近い形状であるかの3種類のいずれかであるかを判定することにより行われるようになっている。
具体的には、情報コードCの形状が横長形状と推定された場合には、マーカ光Mの照射パターンが、横方向の撮像範囲を示す第2のパターン(図1(a)参照)に変更される。情報コードCの形状が縦長形状と推定された場合には、マーカ光Mの照射パターンが、縦方向の撮像範囲を示す第3のパターン(図1(b)参照)に変更される。情報コードCの形状が正方形に近いものと推定された場合には、マーカ光Mの照射パターンが、縦方向及び横方向の双方についての撮像範囲を示す第4のパターン(図1(c)参照)に変更されるようになっている。
さらに、本実施例では、情報コードCの形状推定を行うにあたって、受光センサ3により取込まれた撮影画像の領域を複数のブロックBに分割し、各画像ブロック毎Bに画素の明暗レベル及び明暗の変化を調べ、その結果によって各画像ブロックBにおける情報コードCの少なくとも一部が存在する可能性を判断して情報コードCの存在領域Aを推定するいわゆるラベリング処理を行う。その情報コードCの存在領域Aの形状を判断することに基づいて、情報コードCの形状を推定するようになっている。尚、上記ラベリング処理の手法については、例えば特開2000−353210号公報や特開2002−304594号公報に詳しい。
次に、上記構成の作用について、図3及び図4も参照して述べる。図3のフローチャートは、制御回路10が実行する情報コードCの読取りの処理手順を示している。今、二次元コード読取装置1により情報コードCを読取るにあたっては、ユーザは、本体ケース2を読取対象Rから適当な距離だけ離した状態で、その読取口2aを、情報コードCが記録された読取対象Rに対してほぼ平行となるように向ける。装置1の電源オン時には、マーカ光照射部6により、読取口2aを通して読取対象Rにマーカ光Mが照射される(ステップS1)。このとき、当初(通常時)には、図2に示すように、第1のパターンで9個のマーカ光Mが照射される。
そこで、ユーザは、そのマーカ光Mを見て、読取らせたい情報コードC部分がマーカ光Mにより示された撮像領域F内に入るように位置合せし、トリガキー9の押圧操作を行うようにする。トリガキー9がオン操作されると(ステップS2にてYes)、マーカ光Mが消灯された上で、今度は照明部5により読取対象R(情報コードC)に照明光が照射され、情報コードCからの反射光が読取口2aを通して入射されて結像レンズ4を介して受光センサ3上に結像され、以て情報コードCの画像(第1画像)が取込まれ、デコード処理が実行される(ステップS3)。
ここで、マーカ光Mと情報コードCとの間の位置合せが良好に行われていた(撮像視野F内に情報コードCが正しく収まっていた)場合には、デコード処理がうまく行われる(ステップS4にてYes)。この場合には、ステップS10に進み、デコードデータが出力(表示部7への表示や管理コンピュータ等へのデータ送信)されて、読取処理が終了する。
ところが、仮に、マーカ光Mと情報コードCとが正しく位置合せできずに、情報コードCの一部が撮像視野Fからはみ出していたような場合には(図5参照)、読取りがうまく行われず、デコードに失敗することになる(ステップS4にてNo)。但し、このとき、マーカ光Mと情報コードCとが極端に大きくずれていることはないものと考えられる。このような場合には、ブザー音や表示部7の表示によりユーザに対しエラー報知がなされる(図示省略)と共に、次のステップS5にて、ラベリング処理(情報コードCの存在領域の推定の処理)に基づく情報コードCの形状推定の処理が実行される。
このラベリング処理は、上記ステップS3にて取込まれた撮影画像データから、撮像視野F内における情報コードCの画像の存在領域を推定するもので、例えば図4に示すように、撮影画像の領域を縦横に複数のブロックB(検査区域)に分割し、各画像ブロックB毎に画素の明暗レベル及び明暗の変化を調べることに基づいて行われ、例えば図4の例では、太線で囲んだ領域Aにおいて、ブロックBに含まれる画素データに明暗の変化があり、その領域が情報コードCの存在領域と推定される。尚、各ブロックBの大きさは、例えば16×16画素とされる。
そして、情報コードCの存在領域Aの形状の判断に基づいて情報コードCの形状の推定が行われる。この推定は、例えば、情報コードCの存在領域Aの横方向寸法X及び縦方向寸法Yを求め、それらを比較することにより行われる。この場合、X>1.2Yのとき、情報コードCの形状が横長形状と判断され、Y>1.2Xのとき情報コードCの形状が縦長形状と判断され、それらの中間の場合(どちらにも当て嵌らない場合)には、情報コードCの形状が正方形に近いと判断される。
以上のようにして情報コードCの形状が推定されると、次のステップS6にて、推定された形状に応じたパターンに切替えられた状態でマーカ光Mの照射が行われる。そこで、ユーザは、そのマーカ光Mを見て、再度、情報コードCとマーカ光Mとの間の位置合せを行い、トリガキー9の押圧操作を行うようにする。
即ち、情報コードCの形状が横長形状と推定された場合には、図1(a)及び図5に示すように、マーカ光Mの照射パターンが、横方向の撮像範囲を示す第2のパターン(マーカ光M7,M8が照射されるパターン)に変更される。ユーザは、例えばPDF417等の横長形状の情報コードCを、マーカ光M7,M8により示される横方向の撮像範囲内(マーカ光M7とマーカ光M8との間)に収まるように位置合せする。
また、情報コードCの形状が縦長形状と推定された場合には、図1(b)に示すように、マーカ光Mの照射パターンが、縦方向の撮像範囲を示す第3のパターン(マーカ光M5,M6が照射されるパターン)に変更される。ユーザは、例えば縦向きに配置されたバーコード等の縦長形状の情報コードCを、マーカ光M5,M6により示される縦方向の撮像範囲内(マーカ光M5とマーカ光M6との間)に収まるように位置合せする。
さらに、情報コードCの形状が正方形に近いものと推定された場合には、図1(c)に示すように、マーカ光Mの照射パターンが、縦方向及び横方向の双方についての撮像範囲を示す第4のパターン(マーカ光M1〜M8が照射されるパターン)に変更される。ユーザは、例えばQRコード等のほぼ正方形の情報コードCを、マーカ光M1〜M8により示される四角形の撮像範囲内(マーカ光M1〜M8で囲まれる範囲内)に収まるように位置合せする。
上記のように位置合せがなされることにより、情報コードCが撮像視野Fからはみ出すことなく読取りを行わせることができる。トリガキー9がオン操作されると(ステップS7にてYes)、上記と同様に、情報コードCの画像(第2画像)が取込まれ、デコード処理が実行される(ステップS8)。ステップS9では、情報コードCの読取り(デコード)が良好に行われたかどうかが判断され、良好に行われた場合には(Yes)、ステップS10にてデータ出力がなされ、処理が終了する。デコードが不成功の場合には(ステップS9にてNo)、ステップS8に戻って再度画像の取込みが実行される。
このように本実施例によれば、複数種類の情報コードCの読取りが可能であると共に、読取り時の位置合せのためのマーカ光Mを照射するマーカ光照射部6を備える二次元コード読取装置1にあって、1回目の画像取込み時においてマーカ光Mと情報コードCとが正しく位置合せできず、読取りがうまく行われなかった場合に、その情報コードCの形状を推定し、その推定された形状に応じてマーカ光Mのパターンを変更して照射するように構成した。
この結果、本実施例によれば、情報コードCの種類に応じて、ユーザが位置合せしやすい適切なパターンのマーカ光Mを照射することが可能となり、しかも、マーカ光Mのパターンの変更を自動で行うことができるので、ユーザが設定などを行う手間を省くことができるという優れた効果を奏する。
また、特に本実施例では、情報コードCの形状を推定するための手法として、撮影画像中の情報コードCの存在領域を大まかに推定するいわゆるラベリング処理を用い、その存在領域の形状を判断することに基づいて、情報コードCの形状を推定するようにしたので、情報コードCの形状を十分な確かさで推定することができながらも、情報コードCの形状推定のための処理を簡略化することができ、処理時間を短く済ませることができるといった利点を得ることができる。
尚、本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限定されるものではなく、例えばマーカ光の照射パターンとしては、撮像視野の中心のみを示すものや、撮像視野を枠状に示すものなど様々な変形例が考えられ、また、情報コードの形状推定の手法としても、例えば情報コードの種類を先に判断して形状を推定するといったように様々な変形が可能である等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
本発明の一実施例を示すもので、第2(a)、第3(b)、第4(c)の3種類のマーカ光の照射パターンを示す図 マーカ光の第1のパターンと撮像視野との関係を示す図 情報コードの読取りの処理手順を示すフローチャート 情報コードの存在領域の推定の処理を説明するための図 読取対象にマーカ光(第2のパターン)を照射している様子を概略的に示す図 二次元コード読取装置の電気的構成を概略的に示すブロック図
符号の説明
図面中、1は二次元コードリーダ(光学的情報読取装置)、2は本体ケース、2aは読取口、3は受光センサ(撮像手段)、4は結像レンズ、5は照明部、6はマーカ光照射部(マーカ光照射手段)、9はトリガキー、10は制御回路(形状推定手段、マーカ光変更手段)、19はマーカ駆動・切替回路、Rは読取対象、Cは情報コード、Fは撮像視野、M(M1〜M9)はマーカ光を示す。

Claims (5)

  1. 二次元の撮像視野を有し情報コードが記された読取対象の画像を取込む撮像手段と、前記読取対象に対して読取位置を示すマーカ光を照射するマーカ光照射手段とを備える光学的情報読取装置であって、
    前記マーカ光照射手段により通常時のパターンでマーカ光を読取対象に照射させて前記撮像手段による画像取込みを実行させ、前記情報コードの読取処理を実行する手段と、
    前記読取処理において前記情報コードの読取りが不成功であった場合に、前記撮像手段により取込まれた撮影画像から、前記情報コード領域の外形形状が、横長形状、縦長形状、正方形に近い形状のいずれであるかを推定する形状推定手段と、
    この形状推定手段の推定した情報コード領域の外形形状に応じて、前記読取対象に対して照射されるマーカ光のパターンを変更するマーカ光変更手段とを具備すると共に、
    前記形状推定手段は、前記撮像手段により一旦取込まれた撮影画像から、その撮影画像の領域を複数のブロックに分割し、各画像ブロック毎に画素の明暗レベル及び明暗の変化を調べ、その結果によって各画像ブロックにおける情報コードの少なくとも一部が存在する可能性を判断して情報コードの存在領域を推定し、そのコード存在領域の形状を判断することに基づいて、前記情報コード領域の外形形状を推定することを特徴とする光学的情報読取装置
  2. 前記形状推定手段は、前記コード存在領域の横方向寸法X及び縦方向寸法Yを求め、X>1.2Yのときに、情報コード領域の外形形状を横長形状と判断し、Y>1.2Xのときに、情報コード領域の外形の形状を縦長形状と判断し、それ以外の場合には、情報コード領域の外形形状を正方形に近いと判断することを特徴とする請求項1記載の光学的情報読取装置。
  3. 前記形状推定手段により、前記情報コード領域の外形形状が横長形状と推定された場合には、前記マーカ光変更手段により、前記マーカ光が、横方向の撮像範囲を示すパターンとされることを特徴とする請求項1又は2記載の光学的情報読取装置。
  4. 前記形状推定手段により、前記情報コード領域の外形形状が縦長形状と推定された場合には、前記マーカ光変更手段により、前記マーカ光が、縦方向の撮像範囲を示すパターンとされることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光学的情報読取装置。
  5. 前記形状推定手段により、前記情報コード領域の外形形状が正方形に近いものと推定された場合には、前記マーカ光変更手段により、前記マーカ光が、縦方向及び横方向の双方についての撮像範囲を示すパターンとされることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光学的情報読取装置。
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