JP2005234970A - 情報コード読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 デコードに失敗した要因が読取対象までの距離が読取可能範囲から僅かに外れているだけである場合に、その旨をユーザに知らせる。
【解決手段】 読取口2aを有するケース2内に、読取対象に記録された情報コードを読取るための読取機構や、特徴検出回路やCPUを有する制御装置等を設ける。読取機構の光学特性により、情報コードの読取り(デコード)が良好に行える読取可能範囲Aが予め決まっているが、読取可能範囲Aの近隣領域B1,B2にある場合には、取込まれた画像データから、特徴パターンについては検出が可能となる。制御装置(CPU)は、特徴検出回路において情報コードの特徴パターンが検出されたにもかかわらず、情報コードのデコードが不成功であった場合に、読取対象までの距離が近隣領域B1、B2のいずれかにあると判定し、ブザーを低音で鳴動させると共に、表示LED6をオレンジ色に点灯させ、その旨を報知する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バーコードや各種の二次元コード等の情報コードを読取る情報コード読取装置に関する。
バーコードや二次元コード等の情報コードを読取るためのハンディタイプの情報コード読取装置においては、近年、使い勝手の良さから、読取対象(例えばQRコード)から離れた位置から読取りができるものが供されてきている。この種の情報コード読取装置は、例えば、手持ち可能に構成された本体ケース内に、照明用LED、結像レンズ、CCDエリアセンサなどを備えて構成されると共に、前記CCDエリアセンサが取込んだ画像データから情報コードのデコード(解読)の処理などを行なう処理回路を備えて構成されている(例えば特許文献1参照)。
この場合、図5(a)に示すように、QRコードDは、正方形領域の3つの頂点にファインダパターン(切り出しシンボル)D1を有すると共に、その内側の領域に白黒のセル(マス目)を縦横に配列したデータ領域D2を設けて構成されている。上記した情報コード読取装置は、QRコードDの読取り処理を行なう場合には、CCDエリアセンサが取込んだ画像信号をデジタル画像データに変換して画像メモリに記憶し、その画像データからファインダパターンD1を検出し、さらにデータ領域D2のタイミングパターンを検出して各セルの中心画素の位置を求め、各セルの白黒を判別してデコード処理を行なうようになっている。
特開2000−276564号公報
ところで、この種の情報コード読取装置にあっては、一般に、読取りが完了した(デコードが成功した)場合に、本体ケース上面のLEDを点灯させたり、「ピッ」というブザー音を発したり、バイブレータにより振動を発したりしてその旨をユーザに報知するようになっている。あるいは、読取りの失敗(デコードの不成功)時に、「ブー」というブザー音を発したり、エラー表示を行なったりするものもある。
一方、上記のような読取対象から離れた所から読取りを行う情報コード読取装置にあっては、照明光の強度やCCDエリアセンサの露光時間等の関係から、読取りに適切(読取り可能)となる読取距離(装置から読取対象までの距離)にある程度の範囲(例えば読取口からの距離が100mm〜300mmの範囲)がある。このとき、読取対象までの距離が、その読取可能範囲から僅かに外れている場合であっても、正しくデコード処理が行われず、読取りが失敗となる。
ところが、従来のものでは、デコードの成功、不成功を教えるだけで、デコードに失敗した場合の要因を判別するあるいは推定する機能は存在しなかったので、デコードに失敗した要因が何であるかをユーザに知らせることはできなかった。このため、上記のように、デコードに失敗した要因が、例えば読取対象までの距離が読取可能範囲から僅かに外れているだけであって、少し位置(距離)を変えて再度読取り操作を行うだけで読取りが良好に行えるようになる場合でも、ユーザにとってはその対処の仕方が判らないものとなっていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、デコードに失敗した要因が読取対象までの距離が読取可能範囲から僅かに外れているだけである場合に、その旨をユーザに知らせることが可能な情報コード読取装置を提供するにある。
本発明者の研究によれば、読取対象から離れた位置から情報コードの読取りが可能な情報コード読取装置において、読取対象までの距離が読取可能範囲から僅かに外れているだけの場合には、取込まれた画像データから、情報コードのデータ部分のデコードが正しく行われないものの、例えば情報コードにコードの位置や種類等を示すために設けられる特徴パターンについては、データ部分のような厳密さは求められないので、判定の精度(しきい値)を緩和する等により、十分に検出が可能となる。本発明者は、このような知見に基づき、特徴パターンが検出できたにもかかわらずデコード処理が不成功であった場合に、読取対象までの距離が読取可能範囲の近隣領域にあると判定することができることを確認し、本発明を成し遂げたのである。
即ち、本発明の情報コード読取装置は、撮像手段により取込まれた情報コードの画像信号を、A/D変換手段によりデジタル画像データに変換し、その画像データから、特徴検出手段により情報コードに含まれる特徴パターンを検出すると共に、デコード手段により情報コードを解読するものにあって、前記特徴検出手段及びデコード手段からの情報に基づいて、読取対象までの距離が、読取可能範囲から外れており且つその外れ量が該読取可能範囲の近傍の所定範囲内である近隣領域にあるかどうかを判定する判定手段と、この判定手段により読取対象までの距離が読取可能範囲の近隣領域にあると判定されたときにその旨を報知する報知手段とを設けたところに特徴を有する(請求項1の発明)。
これによれば、判定手段により、読取対象までの距離が読取可能範囲の近隣領域にあるかどうかが判定され、該当する場合には報知手段によりその旨が報知される。従って、ユーザは、デコードが不成功となった場合に、その要因が、少なくとも、読取対象までの距離が読取可能範囲から少しだけ外れているためであるかどうかを知ることができるようになる。このとき、読取対象までの距離が読取可能範囲の近隣領域にある場合には、少し位置(距離)を変えて再度読取り操作を行うだけで読取りが良好に行えるようになるので、ユーザに対して対処の仕方を指示することができることになる。
より具体的には、判定手段を、特徴検出手段により情報コードに含まれる特徴パターンが検出され、且つ、デコード手段による解読が不成功であった場合に、読取対象までの距離が読取可能範囲の近隣領域にあると判定するように構成することができる(請求項2の発明)。これにより、上述のように、読取対象までの距離が読取可能範囲の近隣領域にあるかどうかの判定を確実に行うことができる。
また、特徴検出手段を、A/D変換手段からのデジタル画像データの取込みに並行してリアルタイムで特徴パターンの検出処理を実行するように構成しても良い(請求項3の発明)。これによれば、特徴パターンの検出ひいてはデコードまでに要する処理時間を短く済ませることができる。
ところで、上記情報コードには、QRコード、バーコードやPDF417等のスタック型コード、データマトリクスといった様々な種類がある。そこで、特徴検出手段を、情報コードの種類がQRコードである場合に、特徴パターンとしてのQRコードのファインダパターンを検出するように構成することができ(請求項4の発明)、また、情報コードの種類がバーコード又はPDF417等のスタック型コードである場合に、特徴パターンとしての一定本数のバー及びそれらの間隔比を検出するように構成することができ(請求項5の発明)、更には、情報コードの種類がデータマトリクスである場合には、特徴パターンとしてのL字パターンを検出するように構成することができる(請求項6の発明)。これによれば、夫々の情報コードの種類に対応した特徴パターンを検出することができる。尚、特徴パターンの検出にあたっては、それぞれの特徴パターンに応じた適度なしきい値を設けることが望ましい。
そして、上記報知手段としては、読取対象に対して読取位置を示すためのマーカ光を照射するマーカ光照射手段を備えるものにあっては、そのマーカ光の照射形態を通常時と変更することによって報知を行うように構成することができる(請求項7の発明)。これによれば、既存のマーカ光照射手段を利用することにより、報知手段のための別途の構成を設けることもなく、簡単で安価な構成で済ませることができ、しかもユーザの視覚に訴えることにより効果的な報知を行うことが可能となる。尚、この際のマーカ光の照射形態としては、マーカ光の色を変更する、点滅させる(点滅周期を変更する)などがある。
あるいは、報知手段を、表示手段の表示により報知を行うように構成することもできる(請求項8の発明)。これによれば、やはり、例えば液晶表示器やランプ(LED)等の既存の表示手段を利用することができるので、簡単で安価な構成で、効果的に報知を行うことができる。この場合、液晶表示器に文字メッセージを表示したり、ランプ(LED)の色を変更して点灯(点滅)させたりすることができる。
さらには、報知手段を、音又は音声により報知を行うように構成することもできる(請求項9の発明)。これによれば、ユーザの聴覚に訴えることにより効果的な報知を行うことが可能となる。尚、この際の報知形態としては、ブザー音や合成音声によるもの等が可能である。
以下、本発明を手持ち式の情報コード読取装置(いわゆるハンディターミナル)に適用した一実施例について、図面を参照しながら説明する。図2は、本実施例に係る情報コード読取装置(ハンディターミナル)1の構成を概略的に示している。この二次元コード読取装置1は、ケース2内に、カタログや伝票、商品ラベル等の読取対象に記録された各種の情報コード(図5参照)を読取るための読取機構3や、制御装置4(図3参照)等を組込んで構成されている。前記制御装置4は、マイクロコンピュータを中心として構成され、システム全体の制御を行うと共に、後述するように、前記読取機構3(CCDエリアセンサ)により取込まれた画像データから情報コードの解読処理(デコード処理)等を行うようになっている。
前記ケース2は、基端側(図で右側)が握り部とされ、先端側がやや幅広となると共に前方にやや下降傾斜するように折曲がり、その先端面に読取口2aが設けられている。このケース2の上面部には、ユーザが各種の入力指示を行うための複数のキースイッチ5aからなるキー入力部5が設けられていると共に、液晶表示器7が設けられている。それらキースイッチ5aや表示部7等は、ケース2内に配設されたプリント基板8に実装されており、また、図示はしないが、そのプリント基板8には、前記制御装置4等も実装されている。
さらに、ケース2の上面部には、表示LED6が設けられている。本実施例では、この表示LED6は、例えば緑色及びオレンジ色に点灯可能な2色発光ダイオードからなり、後述するように、表示手段としても機能するようになっている。また、ケース2の外面部(側面部)には、読取指示用のトリガスイッチ(図示せず)も設けられている。このトリガスイッチは、例えば2段階での押圧操作が可能とされ、第1段の押圧操作(いわゆる半押し状態)で、後述するガイド光の照射動作が実行され、第2段の押圧操作で画像取込み動作が実行されるようになっている。尚、これも図示はしないが、ケース2内には、外部機器との間でデータの送受信を行うための通信I/F回路や、電源となる二次電池なども組込まれている。
一方、前記読取機構3は、二次元の撮像視野V(図1参照)を有する撮像手段としての例えばCCDエリアセンサ9、このCCDエリアセンサ9の前部に位置する結像レンズ10、画像取込み時の照明光源となる複数個の照明用LED11(1個のみ図示)及びその前部に位置する照明用レンズ12等を備えて構成される。このとき、結像レンズ10は読取口2aの中心部に配置され、複数個の照明用レンズ12がその周囲(斜め上部等)に配置されている。
また、図示は省略しているが、この読取機構3には、前記CCDエリアセンサ9(結像レンズ10)の近傍(例えば側部)に位置して、読取対象に対して読取位置を示すマーカ光(例えば赤色の光)を照射するマーカ光照射手段としての、マーカ光用レーザダイオード及び投光用レンズ(ホログラム)が設けられている。このとき、前記読取位置は前記撮像視野Vよりも一回り小さい四角形の領域に設定されており、前記マーカ光は、例えば、その四角形の領域の4つのコーナー部を示す4個のL字状の光と、その四角形領域の中心部を示す十字状の光とから構成される。
これにて、ユーザが、前記読取口2aを、情報コードが記録された読取対象(伝票、ラベル、カタログ等)に向けた状態で、トリガスイッチの半押し操作(第1段の押圧操作)を行うと、まず読取対象に対して読取位置を示すマーカ光が照射される。ユーザは、情報コードがマーカ光の中央部に来るように読取口2aの位置合せを行い、トリガスイッチのオン操作(第2段の押圧操作)を行うと、マーカ光が消灯されると共に照明用LED11により読取対象に照明がなされ、その状態で、CCDエリアセンサ9により読取対象の画像の取込み(露光)がなされる。そして、そのCCDエリアセンサ9の撮影画像のデータから、制御装置4により情報コードの解読(デコード)の処理が行われるようになっている。
このとき、図1に示すように、読取機構3の光学特性(主として結像レンズ10の焦点距離)により、情報コードの読取りが良好に行えるような、装置(読取口2a)から読取対象までの距離(合焦位置)は、予め決まっており、この場合、読取可能範囲Aは、例えば200mm程度の幅を有したものとされる。従って、ユーザは、読取対象がこの読取可能範囲A内に位置された状態で読取り操作を行う必要があり、そこから遠近方向に外れた距離(範囲B1、B2、C1、C2)では情報コードのデコード処理が正しく行えない事情がある。
図3は、前記制御装置4におけるデータ処理系の構成(ハードウエア構成)を示す機能ブロック図である。ここで、前記CCDエリアセンサ9の画像取込みは、タイミングジェネレータ(TG)13によって出力されるクロック信号に同期して行われるようになっている。CCDエリアセンサ9から出力される画像信号は、アンプ14によって増幅され、A/D変換手段としてのA/D変換回路15によりデジタル画像データに変換される。そして、A/D変換されたデジタル画像データは、特徴検出手段としての特徴検出回路16に与えられる。
この特徴検出回路16は、例えばゲートアレイ(あるいはFPGA等)からなり、前記デジタル画像データが書込まれるデータバッファ、例えば1走査ライン毎に検出タイミング信号を出力する信号出力部、デジタル画像データから情報コードに含まれる特徴パターンを検出する特徴検出部を備えている。また、この特徴検出回路16は、システムバス17に接続されている。この特徴検出回路16における特徴パターンの検出に基づいて情報コードの種類が認識されるようになっている。尚、本実施例においては、この特徴検出回路16において、A/D変換回路15からのデジタル画像データの取込み(データバッファへの書込み)に並行して、リアルタイムで特徴パターンの検出処理が実行されるようになっている。
ここで、図5〜図8を参照しながら、情報コード及び特徴パターンの検出の具体例について述べておく。図5(a)は、情報コードとしてのQRコードDを示している。このQRコードDは、正方形領域の3つの頂点にファインダパターン(切り出しシンボル)D1を有すると共に、その内側の領域に白黒のセル(マス目)を縦横に配列したデータ領域D2を設けて構成されている。この場合、ファインダパターンD1は、図6に示すように、a、b、cのいずれの方向から読取っても(走査線が通過しても)、黒、白のパターンの幅の比率が一定(1:1:3:1:1)となるように設定されており、検知が容易とされている。
前記特徴検出回路16は、特徴パターンとしてこのファインダパターンD1を検出するようになっており、これに基づいて情報コードの種類がQRコードDであると認識されるようになっている。このとき、本実施例では、特徴検出回路16は、ファインダパターンD1の検出の際に、しきい値として20%のバーの太り細りは許可するように構成されている。尚、このQRコードDのデコード処理は、ファインダパターンD1の位置検出に基づいて、データ領域D2のタイミングパターンを検出し、各セルの中心画素の位置を求め、各セルの白黒を判別することに基づいて行われるようになっている。
図5(b)は、情報コードとしてのバーコードEを示しており、図5(c)は情報コードとしての、バーコードを縦方向に積重ねた如き形態のスタック型二次元コードF(図はPDF417)を示している。これらは、横方向(水平方向)の走査線に沿ってバーとスペースとを交互(太さが2種類或いは4種類)に配列して構成されている。図7に示すように、前記特徴検出回路16は、特徴パターンとして任意の位置における一定本数のバー及びそれらの間隔を検出するようになっており、バー及びスペースの配置比率が許容範囲内であればバーコードEと認識される。
図7に示す例では、4値コードを想定し、バーの本数5本についてナロー/ワイド比4までが許容範囲とされる。また、この場合も、しきい値として、バーの太り細りは20%まで許容される。一例として、上記の条件下で1,2,1,4,2,1,1,1の比率が明確に検出できたことで、バーコードであると認識される。また、スタック型二次元コードFの場合は、上記バーコードの下段に更に別のバーコードのパターンを検出したことにより認識が可能となる。
図5(d)は、情報コードとしてのデータマトリクスGを示している。このデータマトリクスGは、図8にも示すように、正方形領域の隣り合う二辺(左辺及び下辺)にわたるように、位置検出用のL字パターンG1を有し、その内側の領域に白黒のセルを縦横に配列したデータ領域G2を設けて構成されている。特徴検出回路16は、特徴パターンとしてのL字パターンG1を検出するようになっており、これに基づいて情報コードの種類がデータマトリクスGであると認識されるようになっている。このL字パターンG1の検出は、L字パターンG1の縦,横何れかのバーを検出した場合に、次回の取り込みにおいてそのどちらかの端部に連続する他方のバーが存在するか否かを確認することにより行われ、L字パターンG1がある程度推定できれば、データマトリックスGと認識される。
図3に戻って、前記システムバス17には、前記システムバス17には、情報コード読取装置1全体を制御するCPU18、画像メモリとして機能するSDRAM19、制御プログラムなどが記憶されるフラッシュメモリ20、CPU18の周辺処理用であるゲートアレイ21、DMAコントローラ22などが接続されている。このDMAコントローラ22は、特徴検出回路16のデータバッファに書込まれたデジタル画像データをSDRAM19に転送するようになっている。
そして、前記CPU18は、ソフトウエア的構成(制御プログラムの実行)により、特徴検出回路16で検出された情報コードの種類(及び位置など)を認識すると共に、SDRAM19のデジタル画像データから情報コードの解読(デコード)処理を実行するようになっており、デコード手段として機能するようになっている。また、このCPU18は、図示しない駆動回路を介してブザー23及び前記表示LED6を制御するようになっている。この場合、デコード処理が成功した場合には、ブザー23が高音(「ピッ」という音)で鳴動されると共に、表示LED6が緑色で点灯されるようになっている。
さて、後の作用説明(フローチャート説明)でも述べるように、CPU18は、前記特徴検出回路16における検出結果、及び、前記デコード処理の結果に基づいて、読取対象までの距離が、読取可能範囲Aから外れており且つその外れ量が該読取可能範囲Aの近傍の所定範囲内である近隣領域B1、B2(図1参照)にあるかどうかを判定する判定手段として機能するようになっている。具体的には、前記特徴検出回路16において情報コードの特徴パターンが検出された(情報コードの種類が認識された)にもかかわらず、情報コードのデコードが不成功であった場合に、読取対象までの距離が近隣領域B1、B2のいずれかにあると判定されるようになっている。
またこのとき、CPU18は、読取対象までの距離が近隣領域B1、B2のいずれかにあると判定した場合に、ブザー23を低音(「ブー」という音)で鳴動させると共に、表示LED6をオレンジ色に点灯させることにより、その旨を報知するようになっている。従って、CPU18、ブザー23、表示LED6等から報知手段が構成される。尚、特徴検出回路16において、情報コードの特徴パターンの検出ができなかった場合には、デコード処理は行われず、このときには、ブザー23は鳴動されず、表示LED6も消灯のままとされる。
次に、上記構成の作用について、図4も参照して述べる。図4のフローチャートは、制御装置4が実行する情報コードの読取りの処理手順の概略を示している。今、上述のように、ユーザが、読取口2aを、ある程度の距離だけ離れた位置に配置された読取対象に向け、その状態で読取操作(トリガスイッチのオン操作)を行うと、CCDエリアセンサ9により読取対象の画像の取込み(露光)がなされる(ステップS1)。CCDエリアセンサ9から出力される画像信号は、アンプ14によって増幅され、A/D変換回路15によってデジタル画像データに変換されて特徴検出回路16に与えられる。
特徴検出回路16では、A/D変換回路15からのデジタル画像データの取込み(データバッファへの書込み)と並行して、リアルタイムで特徴パターンの検出処理が実行される(ステップS2)。この特徴パターンの検出処理は、上述したように、QRコードD、バーコードEやスタック型二次元コードF、データマトリクスGのそれぞれに応じた手法で行われる。次のステップS3では、特徴パターンが検出されたかどうか(情報コードの種類が認識できたかどうか)が判断される。特徴パターンの検出ができなかった場合には(ステップS3にてNo)、読取エラーの報知がなされるようになり(ステップS4)、そのまま処理が終了する。尚、この際のエラー報知は、例えば、ブザー音が鳴らない、且つ、表示LED6が点灯しないことにより行われる。
一方、特徴パターンを検出できた(情報コードの種類が認識できた)場合には(ステップS3にてYes)、CPU18を主体としたデコード処理が実行される。このデコード処理は、前記特徴検出回路16で検出された情報コードの種類(及び位置)に基づいて、SDRAM19(画像メモリ)に格納されているデジタル画像データの白黒パターンを解析することにより行われるのであるが、ステップS5では、デコードが成功したかどうかが判断される。
そして、デコードが成功した場合には(ステップS5にてYes)、次のステップS6にて、読取りOKの報知がなされ、処理が終了する。この報知は、ブザー23が高音(「ピッ」という音)で鳴動されると共に、表示LED6が緑色で点灯されることによりなされる。これに対し、デコードが不成功であった場合には(ステップS5にてNo)、ステップS7にて、読取対象までの距離が、読取可能範囲Aの近隣領域(B1あるいはB2)にある旨が報知され、処理が終了する。この報知は、ブザー23が低音(「ブー」という音)で鳴動されると共に、表示LED6がオレンジ色に点灯されることによりなされるようになっている。
ここで、上記したように(図1参照)、読取機構3の光学特性(主として結像レンズ10の焦点距離)により、情報コードの読取りが良好に行える読取可能範囲Aは予め決まっており、読取対象までの距離がそこから遠近方向に外れている場合(範囲B1、B2、C1、C2)には、情報コードのデコード処理が正しく行えない事情がある。このとき、本発明者の研究によれば、読取対象までの距離が読取可能範囲Aから僅かに外れて近隣領域B1,B2にある場合には、取込まれた画像データから、情報コードのデータ部分のデコードが正しく行われないものの、特徴パターンについては十分に検出が可能となる。本実施例では、読取可能範囲Aから遠近双方に例えば50mm程度外れている場合でも、特徴パターンの検出のみは可能であり、近隣領域B1,B2の幅がそれぞれ50mm程度となる。
従って、特徴検出回路16において情報コードの特徴パターンが検出された(情報コードの種類が認識された)にもかかわらず、情報コードのデコードが不成功であった場合には(ステップS5にてNo)、読取対象までの距離が近隣領域B1、B2のいずれかにあると判断することができるのである。そして、この場合には、その旨が、ブザー音及び表示LED6の点灯により報知されるので(ステップS7)、ユーザは、デコードが不成功となった要因が、読取対象までの距離が読取可能範囲Aから少しだけ外れているためであることを知ることができるようになり、少し位置(距離)を変えて再度読取り操作を行うことにより容易に対処することができるのである。
また、このとき、読取対象までの距離が近隣領域B1、B2にある旨の報知は、デコード成功時の報知とは、ブザー音を変える及び表示LED6の点灯色を変えることによりなされるので、ユーザにとって判りやすく報知することができる。尚、読取対象までの距離が、近隣領域B1,B2の外側に更に外れた(読取可能範囲Aから大きく外れた)読取不可領域C1,C2(図1参照)のいずれかにある場合には、特徴パターンの検出自体ができなくなり(ステップS3にてNo)、読取エラーの報知がなされるようになる(ステップS4)。
このように本実施例によれば、読取対象までの距離が読取可能範囲Aの近隣領域B1、B2にあるときには、デコード処理が不成功となるものの特徴パターンの検出は可能となるという知見に基づき、読取対象までの距離が近隣領域B1、B2にあるかどうかを判定し、報知するように構成した。この結果、デコードに失敗した要因が何であるかを全く判別或いは推定することができなかった従来のものと異なり、デコードに失敗した要因が読取対象までの距離が読取可能範囲Aから僅かに外れているだけである場合に、その旨をユーザに知らせることが可能となり、ひいてはユーザに対して対処の仕方を教えることができるという優れた効果を得ることができる。
また、特に本実施例では、特徴検出回路16をA/D変換回路15からのデジタル画像データの取込みに並行してリアルタイムで特徴パターンの検出処理を実行するように構成したので、特徴パターンの検出ひいてはデコードまでに要する処理時間を短く済ませることができる。そして、本実施例では、情報コードとして、QRコードD、バーコードEやスタック型二次元コードF、データマトリクスGのそれぞれに応じた特徴パターンを、それぞれに応じた手法(適度なしきい値)を用いて検出するようにしているので、情報コードの種類に対応した特徴パターンを良好に検出することができる。
更に、本実施例では、読取対象までの距離が近隣領域B1、B2にある旨の報知を、ブザー23の鳴動及び表示LED6の点灯により行うようにしたので、ユーザの視覚及び聴覚の双方に訴えることにより効果的な報知を行うことができる。しかも、その際のブザー23及び表示LED6は、読取りOKの報知を行うものと兼用しているので、報知手段のための別途の部材を設けることもなく、簡単で安価な構成で済ませることができるといったメリットも得ることができる。
尚、上記実施例では、読取対象までの距離が近隣領域B1、B2にある旨を報知するための報知手段として、ブザー23及び、二色発光ダイオードからなる表示LED6を用いるようにしたが、次のような様々な変更が可能である。即ち、上記したように読取対象に対してマーカ光を照射するマーカ光照射手段を備えるものにあっては、そのマーカ光の照射形態を通常時と変更する、例えばマーカ光の色を変える、マーカ光を点滅させる或いは点滅周期を変更するといったことによって報知を行うように構成することができる。これによっても、報知手段のための別途の構成を設けることもなく、簡単で安価な構成で済ませることができ、しかもユーザの視覚に訴えることにより効果的な報知を行うことが可能となる。
また、報知手段として表示LEDを用いる場合でも、点滅(点滅の周期変更)によって報知を行ったり、読取りOKの表示のためのものとは別部品として設けたりすることも可能である。液晶表示器7に文字メッセージを表示することにより、報知することも可能である。音(音声)により報知を行う場合、合成音声による報知を行うようにしても良い。さらには、上記した各報知形態を単独で用いることは勿論、任意に組合わせて報知を行うようにしても良い。
その他、例えば本発明の情報コード読取装置は、ハンディタイプのものに限らず、ガンタイプのものや、FAシステムなどに固定的に組込まれるもの(読取対象側の位置が変動するもの)であっても良く、また、1種類の情報コードの読取り専用に用いられるものであっても良く、更には、読取機構(光学系)や制御装置のハードウエア的構成などについても種々の変更が可能である等、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
本発明の一実施例を示すもので、読取機構の視野と読取可能範囲、近隣領域との関係を概略的に示す図 情報コード読取装置の縦断面図 制御装置の構成を概略的に示すブロック図 制御装置の実行する情報コードの読取りの処理手順を示すフローチャート 情報コードの種類を示すもので、QRコード(a)、バーコード(b)、スタック型二次元コード(c)、データマトリクス(d)をそれぞれ示す図 情報コードがQRコードである場合の特徴パターン及びその検出手法を示す図 情報コードがバーコード又はスタック型二次元コードである場合の特徴パターン及びその検出手法を示す図 情報コードがデータマトリクスである場合の特徴パターンを示す図
符号の説明
図面中、1は情報コード読取装置、2は本体ケース、2aは読取口、3は読取機構、4は制御装置、6は表示LED、7は液晶表示器、9はCCDエリアセンサ(撮像手段)、15はA/D変換回路(A/D変換手段)、16は特徴検出回路(特徴検出手段)、18はCPU(デコード手段、判断手段、報知手段)23はブザー、Aは読取可能領域、B1、B2は近隣領域、DはQRコード、D1はファインダパターン(特徴パターン)、Eはバーコード、Fはスタック型二次元コード、Gはデータマトリクス、G1はL字パターン(特徴パターン)を示す。

Claims (9)

  1. 読取対象に記された情報コードの画像を取込む撮像手段と、
    この撮像手段から出力される画像信号をデジタル画像データに変換するA/D変換手段と、
    前記デジタル画像データから情報コードに含まれる特徴パターンを検出する特徴検出手段と、
    この特徴検出手段の検出に基づいて前記デジタル画像データから情報コードを解読するデコード手段と、
    前記特徴検出手段及びデコード手段からの情報に基づいて、前記読取対象までの距離が、読取可能範囲から外れており且つその外れ量が該読取可能範囲の近傍の所定範囲内である近隣領域にあるかどうかを判定する判定手段と、
    この判定手段により前記読取対象までの距離が読取可能範囲の近隣領域にあると判定されたときにその旨を報知する報知手段とを具備してなる情報コード読取装置。
  2. 前記判定手段は、前記特徴検出手段により情報コードに含まれる特徴パターンが検出され、且つ、前記デコード手段による解読が不成功であった場合に、前記読取対象までの距離が読取可能範囲の近隣領域にあると判定することを特徴とする請求項1記載の情報コード読取装置。
  3. 前記特徴検出手段は、前記A/D変換手段からのデジタル画像データの取込みに並行してリアルタイムで特徴パターンの検出処理を実行することを特徴とする請求項1又は2記載の情報コード読取装置。
  4. 前記特徴検出手段は、前記情報コードの種類がQRコードである場合に、特徴パターンとしてのQRコードのファインダパターンを検出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の情報コード読取装置。
  5. 前記特徴検出手段は、前記情報コードの種類がバーコード又はPDF417等のスタック型コードである場合に、特徴パターンとしての一定本数のバー及びそれらの間隔比を検出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の情報コード読取装置。
  6. 前記特徴検出手段は、前記情報コードの種類がデータマトリクスである場合には、特徴パターンとしてのL字パターンを検出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の情報コード読取装置。
  7. 前記読取対象に対して読取位置を示すためのマーカ光を照射するマーカ光照射手段を備えるものであって、前記報知手段は、前記マーカ光の照射形態を通常時と変更することによって報知を行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の情報コード読取装置。
  8. 前記報知手段は、表示手段の表示により報知を行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の情報コード読取装置。
  9. 前記報知手段は、音又は音声により報知を行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の情報コード読取装置。

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