JP5115131B2 - 光学的情報読取装置 - Google Patents

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本発明は、光学的情報読取装置に関するものである。
バーコードリーダ等の光学的情報読取装置の分野では、LED等の照明光源を備えた構成が広く提供されている。この種の光学的情報読取装置では、照明光源からの照明光によって情報コードを照らすと共に、当該情報コードからの反射光を受光センサによって受光し、読み取りを行っている。特許文献1では、このような光学的情報読取装置の一例が開示されており、さらに読取対象に対してマーカ光を照射しうる構成が開示されている。
特許3632578号公報
ところで、光学的情報読取装置の分野では、遠方に配された情報コードを良好に読み取りたいという市場ニーズがあるため、このような要請を好適に実現しうる構成が求められている。しかしながら、一般的な光学的情報読取装置では、LED等の照明光源を用いて情報コードを照らしており、遠方の情報コードを読み取る場合、光量不足という問題が生じていた。このような問題を解決しようとした場合、照明光源からの照明光の代わりにマーカ光照射手段からのマーカ光を用いたり、或いは照明光源からの照明光とマーカ光照射手段からのマーカ光を併用することが有利な場合がある。即ち、マーカ光を画像取得のための照明として利用することが望ましい場合もある。また、このようなケース以外でも、マーカ光を画像取得のための照明として利用することが望ましいケースが想定される。
しかしながら、特許文献1のような従来の光学的情報読取装置では、マーカ光照射手段からのマーカ光をあくまで位置合わせのためのマーク表示のみに用いており、画像取得のための照明として利用しようとする構成は提供されていなかった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、マーカ光照射手段からのマーカ光を情報コードを読み取る際の照明として好適に利用しうる構成を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、明色パターン及び暗色パターンがそれぞれ複数配されてなる情報コードを読み取る光学的情報読取装置であって、前記情報コードからの反射光を受光する受光手段と、前記情報コードからの前記反射光を前記受光手段にて結像させる結像手段と、前記受光手段にて取得される前記反射光の像に基づいて前記情報コードの読取処理を行う読取手段と、前記情報コードの全パターンに及ぶマーカ光を照射するマーカ光照射手段と、前記情報コードに対して照明光を照射する照明手段と、前記情報コードと前記光学的情報読取装置との距離を測定する距離測定手段と、前記距離測定手段によって測定された測定距離が基準距離以上であるか否かを判断する距離判断手段と、を備え、前記マーカ光が前記情報コードにて反射してなる反射マーカ光を前記受光センサにて受光し、当該反射マーカ光の像に基づいて前記読取手段により前記読取処理を行う構成をなし、前記マーカ光照射手段は、前記照明光よりも照度が大きい前記マーカ光を出射する構成をなし、前記読取手段は、前記距離判断手段により前記測定距離が前記基準距離以上と判断された場合には、前記マーカ光が前記情報コードにて反射してなる前記反射マーカ光の像に基づいて前記読取処理を行い、前記距離判断手段により前記測定距離が前記基準距離以上でないと判断された場合には、前記照明光が前記情報コードにて反射してなる反射照明光の像に基づいて前記読取処理を行うことを特徴とする。
請求項2の発明は、明色パターン及び暗色パターンがそれぞれ複数配されてなる情報コードを読み取る光学的情報読取装置であって、前記情報コードからの反射光を受光する受光手段と、前記情報コードからの前記反射光を前記受光手段にて結像させる結像手段と、前記受光手段にて取得される前記反射光の像に基づいて前記情報コードの読取処理を行う読取手段と、前記情報コードの全パターンに及ぶマーカ光を照射するマーカ光照射手段と、前記情報コードに対して照明光を照射する照明手段と、前記情報コードにおける前記明色パターン及び前記暗色パターンの少なくともいずれかの代表サイズを測定するサイズ測定手段と、前記サイズ測定手段にて測定された前記代表サイズが基準サイズ以上であるか否かを判断するサイズ判断手段と、を備え、前記マーカ光が前記情報コードにて反射してなる反射マーカ光を前記受光センサにて受光し、当該反射マーカ光の像に基づいて前記読取手段により前記読取処理を行う構成をなし、前記マーカ光照射手段は、前記照明光よりも照度が大きい前記マーカ光を出射する構成をなし、前記読取手段は、前記サイズ判断手段により前記代表サイズが前記基準サイズ以上と判断された場合には、前記マーカ光が前記情報コードにて反射してなる前記反射マーカ光の像に基づいて前記読取処理を行い、前記サイズ判断手段により前記代表サイズが前記基準サイズ以上でないと判断された場合には、前記照明光が前記情報コードにて反射してなる反射照明光の像に基づいて前記読取処理を行うことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光学的情報読取装置において、前記情報コードは、バーコードであり、前記マーカ光照射手段は、前記バーコードのバー配列方向全領域に及ぶマークを前記バーコードにて表示するように前記マーカ光を照射することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記マーカ光照射手段は、前記マーカ光としてレーザ光を発するレーザ光源からなることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記情報コードはバーコードであり、前記マーカ光照射手段は、前記マーカ光としてレーザ光を発するレーザ光源からなり、前記読取手段は、前記反射マーカ光の像に基づいて前記読取処理を行う場合に、前記受光手段による前記反射マーカ光の受光結果に基づき前記情報コードの明色パターン及び暗色パターンの配列に対応した波形を生成する波形生成手段と、前記波形からノイズを除去するノイズ除去手段と、を備え、前記ノイズ除去手段によるノイズ除去後の前記波形に基づいて前記読取処理を行うことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記受光センサは、エリアセンサであり、前記結像手段は、前記反射マーカ光を、前記エリアセンサの一部領域において結像する構成をなし、前記エリアセンサは、前記反射マーカ光を受光する前記一部領域において前記反射マーカ光に対応した受光信号を生成する構成をなしており、前記読取手段は、前記一部領域にて生成される前記受光信号を抽出して前記読取処理を行うことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6に記載の光学的情報読取装置において、前記情報コードは、バーコードであり、前記マーカ光照射手段は、前記バーコードのバー配列方向全領域に及ぶ線状のマークを複数本前記バーコードにて表示するように前記マーカ光を照射し、前記エリアセンサは、各マークからの前記反射マーカ光をそれぞれ受光し、各反射マーカ光に対応した前記受光信号をそれぞれ生成する構成をなしており、前記読取手段は、各反射マーカ光に対応した前記受光信号を合成した合成データに基づいて前記読取処理を行うことを特徴とする。
請求項1の発明では、マーカ光照射手段により情報コードの全パターンに及ぶマーカ光を照射しているため、情報コードからの反射マーカ光を受光センサにて受光して良好に読取処理を行うことができるようになる。即ち、マーカ光照射手段からのマーカ光を情報コードを読み取る際の照明として好適に利用できるようになる。
また、マーカ光照射手段が照明光よりも照度が大きいマーカ光を出射する構成をなしており、距離判断手段による測定距離が基準距離以上と判断された場合には、反射マーカ光の像に基づいて読取処理を行い、基準距離以上でないと判断された場合には、反射照明光の像に基づいて読取処理を行うようにしている。このようにすれば、照度がそれほど必要とならない近距離においては反射照明光の像に基づいて良好に読取処理を行うことができ、照度が必要となる遠距離においては反射マーカ光の像に基づいて良好に読取処理を行うことができるようになる。
請求項2の発明では、マーカ光照射手段が、照明光よりも照度が大きいマーカ光を出射する構成をなしており、代表サイズが基準サイズ以上と判断された場合には、反射マーカ光の像に基づいて読取処理を行い、代表サイズが基準サイズ以上でないと判断された場合には、反射照明光の像に基づいて読取処理を行うようにしている。このようにすれば、情報コードの態様を代表サイズと基準サイズとの比較に基づいて良好に判断でき、情報コードの態様に応じた読取処理が可能となる。
請求項3の発明によれば、情報コードがバーコードであった場合にマーカ光を情報コードを読み取る際の照明として好適に利用できる構成となる。
請求項4の発明によれば、マーカ光照射手段がレーザ光を発するレーザ光源によって構成されているため、遠方の情報コードを読み取る上で有利な構成となる。
請求項5の発明では、反射マーカ光の像に基づいて読取処理を行う場合(即ち遠方に配される情報コードを読み取る場合)、ノイズ除去手段によるノイズ除去後の波形に基づいて読取処理を行うようにしている。
マーカ光をレーザ光とすると、遠方での光量不足の問題を好適に解消しうることとなるが、その一方で、反射マーカ光の像に基づく波形を生成した場合にスペックルパターンに起因するノイズが含まれてしまうという問題がある。しかしながら、請求項6では、レーザ光を照明として用いる場合、ノイズ除去手段により波形からノイズを除去し、その上で読取処理を行うようにしているため、このようなノイズの問題を解決できる。
請求項6の発明では、受光センサがエリアセンサからなり、反射マーカ光がエリアセンサの一部領域において結像するように構成されている。そして、エリアセンサは、反射マーカ光を受光する一部領域において反射マーカ光に対応した受光信号を生成しており、読取手段は、この一部領域にて生成される受光信号を抽出して読取処理を行っている。このようにすれば、反射マーカ光によって読取処理を行う場合に、処理の迅速化を図ることができる。
請求項7の発明では、バーコードのバー配列方向全領域に及ぶ線状のマークを複数本バーコードにて表示するようにマーカ光を照射している。また、エリアセンサは、各マークからの反射マーカ光をそれぞれ受光し、各反射マーカ光に対応した受光信号をそれぞれ生成する構成をなしており、読取手段は、各反射マーカ光に対応した受光信号を合成した合成データに基づいて読取処理を行っている。このようにすれば、反射マーカ光によって読取処理を行う場合に、処理の迅速化を図りつつ、精度の高い読み取りが可能となる。
[第1実施形態]
以下、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るバーコードリーダの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。図2は、図1のバーコードリーダのマーカ光照射部を概略的に説明する説明図である。図3(a)は、マーカ光を集光するレンズの側面図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A断面を用いてレンズを概略的に説明する説明図である。図4は、物品表面に表示されるパターンを例示する説明図である。図5は、受光センサにおけるマーカ光受光位置等を説明する説明図である。図6は読取処理を例示するフローチャートである。図7(a)は、遠距離に配されるバーコードが受光センサにて受光されるときのバーコードの像B'を例示する説明図であり、図7(b)は、遠距離に配されるバーコードの波形データを例示する説明図である。
図1に示すバーコードリーダ10は、物品に付されたバーコード(図1では物品Rに付されたバーコードBを例示)を読み取る装置として構成されるものである。このバーコードリーダ10は、図示しないケースの内部に回路部20が収容されてなるものであり、回路部20は、主に、照明光源21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、トリガースイッチ42等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられるレンズとから構成されている。なお、図1では、バーコードBが付された読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射する例を概念的に示している。照明光源21は、なお、「照明手段」の一例に相当する。
受光光学系は、受光センサ28、結像レンズ27、反射鏡(図示略)などによって構成されている。受光センサ28は、読取対象物RやバーコードBに照射されて反射した反射光(照明光の反射光、或いは後述するマーカ光の反射光)Lrを受光可能に構成されるものである。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板(図示略)に実装されている。なお、受光センサ28は、「受光手段」の一例に相当している。
結像レンズ27は、外部から読取口(図示略)を介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本実施形態では、照明光源21から照射された照明光Lf、或いはレーザダイオード51から照射されたマーカ光(詳しくはレンズ52(図2)によって集光されたマーカ光M2)が、バーコードBにて反射するようになっており、この反射光Lrを結像レンズ27で集光し、受光センサ28の受光面28aにコード像を結像させている。なお、結像レンズ27は「結像手段」の一例に相当する。
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、トリガースイッチ42、ブザー44、表示LED(以下、単にLEDとも称する)45、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されると、所定のコード像画像情報格納領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
制御回路40は、バーコードリーダ10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。本実施形態では、制御回路40が、メモリ35に格納される画像データ(即ち、受光センサ28で取得される反射光の像に基づくバーコードBの画像データ)を公知のデコード処理によってデコードする構成をなしており、制御回路40が、「読取手段」の一例に相当する。
また、制御回路40は、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、トリガースイッチ42、ブザー44、LED45、液晶表示器46、通信インタフェース48等を接続されている。これにより、例えば、トリガースイッチ42の監視や管理、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、LED45の点灯、非点灯、液晶表示器46の表示制御、通信インターフェース48の制御等を可能にしている。
次に、マーカ光照射部50について説明する。
本実施形態のバーコードリーダ10に設けられたマーカ光照射部50は、図2に示すように、レーザダイオード51と、レンズ52とを備えた構成をなしている。
レーザダイオード51は、「マーカ光照射手段」「レーザ光源」の一例に相当するものであり、図2に示すように物品表面に向けてマーカ光M1を照射する構成をなしている。このレーザダイオード51は、図1に示す制御回路40からの信号に応じて駆動し、レーザ光からなるマーカ光M1を出射する。なお、制御回路40からの指令を受けてレーザダイオード51を駆動する駆動回路(公知のレーザダイオード駆動回路)については図示を省略している。
レンズ52は、レーザダイオード51にて照射されたマーカ光M1を集光し、物品表面において読取位置の目印となるパターンを表示させるように機能する。より具体的には、図4のように、物品表面に直線状のラインL1からなるパターンを表示するようにマーカ光M1を集光する構成となっている。
図3(a)のように、レンズ52は、出射側の面F1がレンズ厚さ方向(図3(a)の矢印H1の方向)に対して凸状に湾曲する凸レンズとして構成され、かつ図3(a)(b)のように外形が全体として蒲鉾状に構成されている。また、図3(b)のように、レンズ52の入射側の面F2は、レンズ幅方向(図3(b)の矢印H2の方向)に対して凹状に湾曲する湾曲面として構成されている。レンズ52は、レーザダイオード51から出射されたマーカ光M1(レーザ光)をレンズ厚さ方向に収束させ、かつ、レンズ幅方向に拡散させる構成をなしている。なお、レンズ52からのレーザ光は、レンズ厚さ方向に収束しかつレンズ幅方向に拡散して略面状のマーカ光M2として物品表面に向かい、当該物品表面においてラインL1からなる照射パターンを表示する。
また、本実施形態では、バーコードBの全パターンに及ぶように(より詳しくは、バーコードBのバー配列方向全領域に及ぶマーク(ラインL1)をバーコードBにて表示するように)マーカ光M2を照射しており、このマーカ光M2がバーコードBにて反射してなる反射マーカ光を受光センサ28にて受光し(具体的には、図5に示す受光センサ28の一部領域(符号L1'の領域)にて受光:後述)、当該反射マーカ光の像に基づいて読取処理を行いうる構成となっている。以下、この読取処理について具体的に述べる。
次に、バーコードリーダ10における読取処理について説明する。
図6に示す読取処理は、例えばユーザによる所定操作(ユーザによるトリガスイッチ42の押圧等)によって開始されるものであり、当該処理の開始に伴い、まず距離検出処理が実施される(S1)。距離検出処理は、バーコードリーダ10と、バーコードリーダ10によって読み取ろうとする物品(読取対象)との距離関係を検出する処理である。
距離検出処理の具体例としては様々な方法が考えられるが、例えば、受光センサ28によって受光される明色パターン部分の反射照明光量に基づいて距離検出を行うことができる。即ち、受光センサ28が受光する明色パターン部分の反射照明光量は、読取対象までの距離が大きくなるほど低下する傾向があることが知られているため、反射照明光量が所定の閾値レベル以下となる場合に読取対象が遠距離にあると判断するように構成できる。この場合、反射照明光量が所定の閾値レベルとなる距離が「基準距離」であり、S2では測定距離が基準距離以上か否かを判断しているといえる。なお、制御回路40は、「距離測定手段」「距離判断手段」の一例に相当する。
また、距離測定するための構成はこのような例に限られず、バーコードリーダ10からバーコードBが付された読取対象までの距離を把握できる構成であればよい。例えば、赤外線測距センサや超音波測距センサなどの公知の測距センサ(距離センサ)を用いて読取対象までの距離を測定するようにしてもよい。この場合、予め「基準距離」の値(即ち閾値)をメモリ35に記憶しておき、S2の処理では、側距センサによって検出された距離が基準距離以上か否かを判断するようにすればよい。
いずれにしても、S2において測定距離が基準距離以上と判断される場合には、S2にてYesに進み、照明光源21による照明光の照射をオフにする一方で、レーザダイオード51によるマーカ光の照射をオンにする(S3)。そして、レーザダイオード51からのマーカ光がバーコードBにて反射した反射マーカ光を受光センサ28にて受光し、反射マーカ光に基づく画像データを取得する(S4)。
本実施形態で用いる受光センサ28は、図5のようなエリアセンサとして構成されており、結像レンズ27(図1)は、レーザダイオード51からのマーカ光がバーコードBにて反射した反射マーカ光を受光センサ28の一部領域において結像する構成をなしている。図5では、結像レンズ27によって反射マーカ光が結像される位置(即ち、受光センサ28による反射マーカ光の受光位置)を黒色領域(符号L1')にて示している。受光センサ28は、S2にてYesに進む場合(即ち、反射マーカ光の像に基づいて読取処理を行う場合)には、反射マーカ光を受光する一部領域(即ち符号L1'の領域)において反射マーカ光に対応した受光信号を生成する。より具体的には、受光センサ28の一部領域での反射マーカ光の受光結果に基づきバーコードBの明色パターン及び暗色パターンの配列に対応した波形を生成する。
なお、S4の処理では、一部領域(L1'領域)における各受光素子の信号レベルのみメモリ35に記憶しており、L1'領域以外の受光信号レベルはメモリ35に取り込まないようにしており、L1'領域における横方向(本実施形態では受光センサ28の長手方向を横方向とする)に並ぶいずれかの素子列(例えばL1'領域の中央の素子列)の受光レベルを波形データとして表すことで、図7(b)のようにバーコードBに対応した波形データが得られる。なお、制御回路40は、「波形生成手段」の一例に相当する。
さらに、得られた波形からノイズを除去する処理を行う(S5)。本実施形態のようにレーザ光からなるマーカ光を照明として用いると、反射マーカ光の像に基づく波形を生成した場合にスペックルパターンに起因するノイズが含まれてしまうという問題がある。そこで、S5ではこのノイズを除去する処理を行っている。
反射マーカ光の像に基づく波形は、図7(b)のように明色パターンの信号P1及び暗色パターンの信号P2と、スペックルパターンに起因する信号P3とが合成された状態となっているため、S5では図7(b)に示す信号波形に対して高周波成分を除去するローパスフィルタ処理を行い、スペックルパターンに起因する高周波数成分を除去する。なお、本実施形態では制御回路40によるソフトウェア処理(ローパスフィルタ処理)によって高周波成分を除去しており、制御回路40が「ノイズ除去手段」の一例に相当している。
また、このようにせずに、公知のローパスフィルタ回路によってハードウェア的に高周波成分を除去することもできる。
ノイズ除去処理(S5)終了後は、そのノイズ除去後の波形データに基づいて公知のデコード処理を行う(S8)。なお、S8にて正常にデコードできない場合には、S4において先に波形データを生成した受光素子列とは別の受光素子列(例えばL1'領域における上端又は下端の受光素子列)の受光レベルを波形データとして表し、この波形データに対してS5のノイズ除去処理を施してデコード処理を再度行うようにしてもよい。
一方、S2において測定距離が基準距離未満と判断される場合には、S2にてNoに進み、照明光源21による照明光の照射をオンにした状態で、レーザダイオード51によるマーカ光の照射もオンにする(S6)。そして、受光センサ28における反射照明光(照明光源21からの照明光が読取対象にて反射した光)を受光する領域(即ち反射マーカ光を受光する領域(符号L1')以外の領域)の受光結果に基づいて、反射照明光に対応した受光信号を生成する。例えば、受光センサ28における符号L1'領域から一定素子列隔てて横方向に並ぶ一の受光素子列の受光レベルを波形データとして表し、この波形データを反射照明光に基づく画像データとすることができる。そして、この波形データに基づいて公知のデコード処理を行う(S8)。
以上のように、本実施形態では、レーザダイオード51によりバーコードBの全パターンに及ぶマーカ光を照射しているため、バーコードBからの反射マーカ光を受光センサ28にて受光して良好に読取処理を行うことができるようになる。即ち、レーザダイオード51からのマーカ光をバーコードBを読み取る際の照明として好適に利用できるようになる。
また、マーカ光照射手段がレーザ光を発するレーザ光源(レーザダイオード51)によって構成されているため、遠方の情報コードを読み取る上で有利となる。
また、本実施形態では、バーコードBとバーコードリーダ10との距離を測定し、その測定距離が基準距離以上であるか否かを判断している。そして、測定距離が基準距離以上と判断された場合には、照明光源21から照射される照明光(LED光)よりも照度の大きいマーカ光(レーザ光)を読み取りに用い、このマーカ光がバーコードBにて反射してなる反射マーカ光の像に基づいて読取処理を行っている。他方、測定距離が基準距離以上でないと判断された場合には、照明光がバーコードBにて反射してなる反射照明光の像に基づいて読取処理を行うようにしている。このようにすれば、照度がそれほど必要とならない近距離においては反射照明光の像に基づいて良好に読取処理を行うことができ、照度が必要となる遠距離においては反射マーカ光の像に基づいて良好に読取処理を行うことができるようになる。
また、受光センサ28はエリアセンサによって構成されており、反射マーカ光が当該エリアセンサの一部領域において結像するように構成されている。さらに、受光センサ28は、反射マーカ光を受光する一部領域(符号L1'の領域)において反射マーカ光に対応した受光信号を生成するように構成されており、この一部領域にて生成される受光信号を抽出して読取処理を行うようにしている。このようにすれば、反射マーカ光によって読取処理を行う場合に、処理の迅速化を図ることができる。
また、反射マーカ光の像に基づいて読取処理を行う場合(即ち遠方に配されるバーコードBを読み取る場合)、S5でのノイズ除去後の波形に基づいて読取処理を行うようにしている。
本実施形態のようにレーザ光からなるマーカ光を読み取りの際の照明に用いると、遠方での光量不足の問題を好適に解消しうることとなるが、その一方で、反射マーカ光の像に基づく波形を生成した場合にスペックルパターンに起因するノイズが含まれてしまうという問題がある。しかしながら、本実施形態では、レーザ光を照明として用いる場合、S5の処理によって波形からノイズを除去し、その上で読取処理を行うようにしているため、このようなノイズの問題を解決できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
図8は第2実施形態における読取処理の流れを例示するフローチャートである。なお、本実施形態では、読取処理の流れのみが第1実施形態と異なり、それ以外の構成は、第1実施形態の図1〜図5と同一である。よって異なる部分について重点的に説明する。なお、同一の部分については適宜図1〜図5を用い、詳細な説明は省略する。
図8に示す読取処理も、第1実施形態と同様に例えばユーザによる所定操作(ユーザによるトリガスイッチ42の押圧等)によって開始されるものであり、当該処理の開始に伴い、まず代表サイズ検出処理が実施される(S10)。この処理は、バーコードBが受光センサ28にて結像した像B’における明色パターン及び暗色パターンの少なくともいずれかの「代表サイズ」を測定するものである。「代表サイズ」は、バーコードBが受光センサ28にて結像した像B’の特定位置の明色パターン或いは特定位置の暗色パターンの幅値としてもよく、全明色パターンの最大値又は最小値、或いは、全暗色パターンの最大値又は最小値としてもよい。以下の例では、バーコード像B’の左端に配される暗色パターンの幅値を「代表サイズ」とする例について説明する。
S10では、読取対象に付されたバーコードBが受光センサ28にて結像した像B’の左端の暗色パターン(黒バー)の幅値を「代表サイズ」として検出し、S20では、この左端の暗色パターンの幅値(代表サイズ)が予め定められた「基準サイズ」以上であるか否かを判断する。「基準サイズ」の値は予めメモリ35に記憶されている。
なお、本実施形態では、制御回路40(図1)が「サイズ測定手段」「サイズ判断手段」の一例に相当する。
バーコード像B’の左端の暗色パターン(黒バー)の幅値が基準サイズ以上である場合には、S20にてYesに進み、照明光源21による照明光の照射をオフにする一方で、レーザダイオード51によるマーカ光の照射をオンにする(S30)。そして、レーザダイオード51からのマーカ光がバーコードBにて反射した反射マーカ光を受光センサ28にて受光し、反射マーカ光に基づく画像データを取得する(S40)。
本実施形態で用いる受光センサ28(図1)は、第1実施形態と同様のエリアセンサ(図5参照)として構成されており、結像レンズ27(図1)は、レーザダイオード51からのマーカ光がバーコードBにて反射した反射マーカ光を受光センサ28の一部領域において結像する構成をなしている。受光センサ28は、S20にてYesに進む場合(即ち、反射マーカ光の像に基づいて読取処理を行う場合)には、反射マーカ光を受光する一部領域(即ち図5の符号L1'の領域)において反射マーカ光に対応した受光信号を生成する。なお、この生成の際には、一部領域(L1'領域)の各受光素子の信号レベルのみメモリ35に記憶しており、L1'領域以外の受光信号レベルはメモリ35に取り込まないようにしており、L1'領域における横方向に並ぶいずれかの受光素子列(例えばL1'領域の中央の素子列)の受光レベルを波形データとして表すことで、バーコードBに対応した波形データ(図7(b)と同様の波形データ)が得られることとなる。
なお、本実施形態でも制御回路40が、「波形生成手段」の一例に相当する。
さらに、得られた波形からノイズを除去する処理を行う(S50)。第1実施形態でも述べたようにレーザ光からなるマーカ光を照明として用いると、反射マーカ光の像に基づく波形を生成した場合にスペックルパターンに起因するノイズが含まれてしまうという問題がある。そこで、S50ではこのノイズを除去する処理を行っている。
上記のようにバーコード像B’の左端の暗色パターンの幅値(代表サイズ)が大きくなる場合、受光センサ28にて受光されるバーコード像B’全体が大きくなっているため、バーコードB’に基づく波形データは、図7(b)と同様に、明色パターンの信号(信号P1参照)及び暗色パターンの信号(信号P2参照)と比較してスペックルパターンに起因する信号(信号P3参照)の周波数が極めて高くなる。そこで、S50では第1実施形態のS5と同様に高周波成分を除去するローパスフィルタ処理を行い、スペックルパターンに起因する高周波数成分を除去する。なお、本実施形態でも制御回路40によるソフトウェア処理(ローパスフィルタ処理)によって高周波成分を除去しており、公知のローパスフィルタ回路によってハードウェア的に高周波成分を除去することもできる。なお、本実施形態でも制御回路40が「ノイズ除去手段」の一例に相当する。
ノイズ除去処理(S50)終了後は、そのノイズ除去後の波形データに基づいて公知のデコード処理を行う(S80)。なお、S80にて正常にデコードできない場合には、S40において先に波形データを生成した受光素子列とは別の受光素子列(例えばL1'領域における上端又は下端の受光素子列)の受光レベルを波形データとして表し、この波形データに対してS50のノイズ除去処理を施してデコード処理を再度行うようにしてもよい。
一方、S20においてバーコード像B’の左端の暗色パターンの幅値(代表サイズ)が基準サイズ未満と判断される場合には、S20にてNoに進み、照明光源21による照明光の照射をオンにした状態で、レーザダイオード51によるマーカ光の照射もオンにする(S60)。そして、受光センサ28(図5)における反射照明光(照明光源21からの照明光が読取対象にて反射した光)を受光する領域(即ち反射マーカ光を受光する領域(符号L1')以外の領域)の受光結果に基づいて、反射照明光に対応した受光信号を生成する。例えば、第1実施形態のS7と同様に、受光センサ28における符号L1'領域から一定素子列隔てて横方向に並ぶ一の受光素子列の受光レベルを波形データとして表し、この波形データを反射照明光に基づく画像データとすることができる。そして、この波形データに基づいて公知のデコード処理を行う(S80)。
上記のようにバーコード像B’の左端の暗色パターンの幅値(代表サイズ)が小さくなる場合、図9(a)のように受光センサ28にて受光されるバーコード像B’全体が小さくなるため、仮に反射マーカ光(レーザ光)に基づいてバーコードBの波形データを生成すると、図9(b)のように、明色パターンの信号P1及び暗色パターンの信号P2と、スペックルパターンに起因する信号P3とが区別しにくくなってしまう。そこで、本実施形態では、上記のようにバーコード像B’の左端の暗色パターンの幅値(代表サイズ)が基準サイズ未満となる場合、反射照明光(LED光)に基づいて波形データを生成し、スペックルパターンに起因するノイズが生じないようにしている。
以上のように、本実施形態の構成によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することとなる。さらに、本実施形態では、S10の処理にて検出された代表サイズが基準サイズ以上と判断された場合には、反射マーカ光(照明光よりも照度が大きいマーカ光がバーコードBにて反射してなる光)の像に基づいて読取処理を行い、代表サイズが基準サイズ以上でないと判断された場合には、反射照明光(照明光源21からの照明光がバーコードBにて反射してなる光)の像に基づいて読取処理を行うようにしている。このようにすれば、バーコードBの態様を代表サイズと基準サイズとの比較に基づいて良好に判断でき、バーコードBの態様に応じた読取処理が可能となる。
また、反射マーカ光の像に基づいて読取処理を行う場合、S50でのノイズ除去後の波形に基づいて読取処理を行うようにしている。
本実施形態のようにレーザ光からなるマーカ光を読み取りの際の照明に用いると、上述のようにスペックルパターンに起因するノイズが含まれてしまうという問題がある。しかしながら、本実施形態では、レーザ光を照明として用いる場合、S50の処理によって波形からノイズを除去し、その上で読取処理を行うようにしているため、このようなノイズの問題を解決できる。特に、代表サイズが基準サイズ以上となる場合にレーザ光を照明として用いているため、波形データにおいて、明色パターン及び暗色パターン部分の信号幅とノイズ部分の信号幅のサイズ差が顕著となり、これらを区別しやすくなっている。従って、ノイズを精度高く除去でき、ひいては読取処理を良好に行うことができるようになる。
逆に、代表サイズが基準サイズ未満のときに反射マーカ光の像に基づいて波形データを生成した場合、明色パターン及び暗色パターン部分の信号幅とノイズ部分の信号幅とのサイズ差が小さくなるため、ノイズが除去しにくく、読取不良が懸念される。これに対し、本実施形態では、ノイズが除去しにくいサイズの場合にはレーザ光でない照明光(LED光)を照明として用い、反射照明光の像に基づいて読取処理を行うようにしているため、スペックルパターンに起因するノイズの影響を受けにくく、良好に読取処理を行うことができるようになっている。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
図10は、第3実施形態のバーコードリーダのマーカ光照射部を概略的に説明する説明図である。図11は、図10のマーカ光照射部を用いた場合に物品表面に表示されるパターンを例示する説明図である。図12は、第3実施形態のバーコードリーダに用いる受光センサにおけるマーカ光受光位置等を説明する説明図である。
本実施形態はマーカ光照射部の構成及び読取処理の具体的な内容のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同一である。よって異なる部分について重点的に説明することとし、同一の部分について適宜図1、図3等を参照し、詳細な説明は省略する。
次に、マーカ光照射部150について説明する。本実施形態のバーコードリーダ10(図1参照)では、図2のマーカ光照射部50に代えて図10に示すマーカ光照射部150が用いられており、図10に示すように、レーザダイオード51と、レンズ手段152とを備えた構成をなしている。レーザダイオード51は、第1実施形態と同様に「マーカ光照射手段」「レーザ光源」の一例に相当しており、図10に示すように物品表面に向けてマーカ光M1を照射する構成をなしている。このレーザダイオード51も、図1に示す制御回路40からの信号に応じて駆動し、レーザ光からなるマーカ光M1を出射する。
レンズ手段152は、レーザダイオード51にて照射されたマーカ光M1を集光し、物品表面において読取位置の目印となるパターンを表示させるように機能する。具体的には、図10に示すように、線状のラインを形成する2つのレンズ152a,152bによって構成されており、これらレンズ152a,152bにより、レーザダイオード51からのマーカ光M1を2つのマーカ光M3,M4に分け、図11のように、物品表面に、平行な2つのラインL3,L4からなるパターンを表示するようになっている。
レンズ手段152を構成する2つのレンズ152a,152bは、共に同形状となっており、いずれも図3に示すレンズ52と同様の構成をなしている。これらレンズ152a,152bはいずれも、レーザダイオード51から出射されたマーカ光M1(レーザ光)をレンズ厚さ方向に収束させ、かつ、レンズ幅方向に拡散させる構成をなしている。両レンズ152a,152bの軸は、互いに交差する関係にあり、かついずれの軸もレーザダイオード51からのマーカ光M1の光軸方向に対して傾斜している。各レンズ152a,152bからのレーザ光は、図10のように、レンズ厚さ方向に収束しかつレンズ幅方向に拡散して略面状のマーカ光M3,M4として物品表面に向かい、図11のように各マーカ光M3,M4によってラインL3,L4からなる照射パターンが構成されるようになっている。なお、一方のマーカ光M3に対して他方のマーカ光M4が角度θで傾斜しており、この角度θは常に一定となっている。
本実施形態の読取処理の流れは基本的に図6と同様であり、各ステップの具体的内容のみが異なっている。従って、流れについては図6を参照しつつ説明する。本実施形態では、S1、S2にて第1実施形態と同様の処理を行い、S2にてYesに進む場合(測定距離が基準距離以上の場合)には、照明光源21による照明光の照射をオフにし、レーザダイオード51によるマーカ光の照射をオンにする(S3)。本実施形態では、図11のようにバーコードBの全パターンに及ぶように(より詳しくは、バーコードBのバー配列方向全領域に及ぶ線状のマークを複数本バーコードBにて表示するように)マーカ光M3,M4を照射している。
さらに、S4にて反射マーカ光に基づく画像データ取得処理を行う。本実施形態では、図10に示すマーカ光M3,M4が図11のようにバーコードBにてそれぞれ反射するようになっており、これら反射マーカ光を受光センサ28にて受光している。図12では、受光センサ28における反射マーカ光の受光位置を符号L3',L4'にて示しており、各受光位置において各反射マーカ光に対応した受光信号をそれぞれ生成する構成となっている。この生成の際には、一部領域(L3',L4'領域)の各受光素子の信号レベルのみメモリ35に記憶し、L3',L4'領域以外の受光信号レベルはメモリ35に取り込まないようにしており、L3'領域において横方向に並ぶいずれか一の受光素子列(例えばL3'領域の中央の素子列)の受光レベル、及びL4'領域において横方向に並ぶいずれか一の受光素子列(例えばL4'領域の中央の素子列)の受光レベルをそれぞれ波形データとして構成している。
さらに、各領域L3',L4'の受光信号に対応した上記各波形データを合成して合成データを生成している。合成データの生成方法は様々な方法が考えられるが、例えば、領域L3'での受光信号によって構成される上記波形データと、領域L4'での受光信号によって構成される上記波形データと、を平均化した平均データを生成し、これを上記合成データとすることができる。
上記合成データの生成方法の具体例を挙げると、まず領域L3'の波形データにおける横方向1番目の受光素子の値と、領域L4'の波形データにおける横方向1番目の受光素子の値との平均値を求め、これを合成データにおける横方向1番目の受光素子位置の値とする。同様に、領域L3'の波形データにおける横方向2番目の受光素子の値と、領域L4'の波形データにおける横方向2番目の受光素子の値と、の平均値を求め、これを合成データにおける横方向2番目の受光素子位置の値とする。このように、受光センサ28における横方向の受光素子位置ごとに、両波形データの平均値を求めていき、横方向全受光素子位置について平均値を求めることで、両波形データを平均化した平均データを生成できる。
合成データが生成された後、第1実施形態と同様のノイズ除去処理を行う(S5)。本実施形態では、合成データの信号波形に対し、高周波成分を除去するローパスフィルタ処理を行う。この処理は制御回路40によるソフトウェア的な処理であってもよく、公知のローパスフィルタ回路によるハードウェア的な処理であってもよい。そして、ノイズ除去後の合成データに基づいてデコード処理を行う(S8)。
なお、S2にてNoに進む場合の処理は、第1実施形態とほぼ同様である。なお、第1実施形態では受光センサ28における領域L1'(図5)以外の受光素子列(例えば、受光センサ28における符号L1'領域から一定素子列隔てて横方向に並ぶ一の受光素子列)の受光レベルによって波形データを構成していたが、本実施形態では、図12に示す受光センサ28における領域L3',L4'以外の受光素子列(例えば、受光センサ28における符号L3'、L4'領域の中間位置において横方向に並ぶ一の受光素子列等)の受光レベルによって波形データを構成し、この波形データに基づいてデコード処理を行う。
本実施形態では、バーコードBのバー配列方向全領域に及ぶ線状のマークを複数本バーコードBにて表示するようにマーカ光を照射している。また、受光センサ28は、各マークからの反射マーカ光をそれぞれ受光し、各反射マーカ光に対応した受光信号をそれぞれ生成する構成をなしており、各反射マーカ光に対応した受光信号を合成した合成データに基づいて読取処理を行うようにしている。このようにすれば、反射マーカ光によって読取処理を行う場合に、処理の迅速化を図りつつ、精度の高い読み取りが可能となる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態では、明色パターン及び暗色パターンがそれぞれ複数配されてなる情報コードの例としてバーコードを例示し、光学的情報読取装置の例としてバーコードリーダを例示したが、バーコード以外の情報コードを読み取る光学的情報読取装置であってもよい。例えば、QRコード(商標名)等の二次元コードを読取るQRコードリーダなどであってもよい。
第3実施形態では、領域L3',L4'(図12)のそれぞれの受光結果に対応した波形データを生成し、両波形データの平均データを求めていたが、この構成に限られない。例えば、領域L3'の受光結果に対応した波形データ及び領域L4'の受光結果に対応した波形データのいずれか一方の波形データによってデコード処理を行い、デコードできなかった場合に他方の波形データによってデコード処理を行うようにしてもよい。
なお、第1実施形態では、測定距離が基準距離以上の場合、一律に反射マーカ光の像に基づいて読取処理を行うようにしていたが、これに第2実施形態の方法を組み合わせるようにしてもよい。例えば、測定距離が基準距離以上の場合(即ち図6のS2にてYesに進む場合に)にS10と同様の代表サイズ検出処理を行い、代表サイズが基準サイズ以上の場合にS3、S4、S5、S8の処理を行い、代表サイズが基準サイズ未満の場合には、S6、S7、S8の処理を行うようにしてもよい。
図1は、本発明の第1実施形態に係るバーコードリーダの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。 図2は、図1のバーコードリーダのマーカ光照射部を概略的に説明する説明図である。 図3(a)は、マーカ光を集光するレンズの側面図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A断面を用いてレンズを概略的に説明する説明図である。 図4は、図1のバーコードリーダを使用した場合に物品表面に表示されるパターンを例示する説明図である。 図5は、図1のバーコードリーダに用いる受光センサを説明する説明図である。 図6は、図1のバーコードリーダにおける読取処理を例示するフローチャートである。 図7(a)は、遠距離に配されるバーコードが受光センサにて受光されるときのバーコードの像B'を例示する説明図であり、図7(b)は、そのバーコード像B’に基づく波形データを例示する説明図である。 図8は、第2実施形態のバーコードリーダにおける読取処理の流れを例示するフローチャートである。 図9(a)は、代表サイズが基準サイズ未満のバーコードの像B'を例示する説明図であり、図9(b)は、そのバーコードの像の波形データを例示する説明図である。 図10は、第3実施形態のバーコードリーダのマーカ光照射部を概略的に説明する説明図である。 図11は、図10のマーカ光照射部を用いた場合に物品表面に表示されるパターンを例示する説明図である。 図12は、第3実施形態のバーコードリーダに用いる受光センサを説明する説明図である。
符号の説明
10…バーコードリーダ(光学的情報読取装置)
21…照明光源(照明手段)
28…受光センサ(受光手段)
40…制御回路(読取手段,距離測定手段,距離判断手段,サイズ測定手段,サイズ判断手段,波形生成手段,ノイズ除去手段)
51…レーザダイオード(マーカ光照射手段、レーザ光源)
52…レンズ手段(結像手段)
B…バーコード(情報コード)

Claims (7)

  1. 明色パターン及び暗色パターンがそれぞれ複数配されてなる情報コードを読み取る光学的情報読取装置であって、
    前記情報コードからの反射光を受光する受光手段と、
    前記情報コードからの前記反射光を前記受光手段にて結像させる結像手段と、
    前記受光手段にて取得される前記反射光の像に基づいて前記情報コードの読取処理を行う読取手段と、
    前記情報コードの全パターンに及ぶマーカ光を照射するマーカ光照射手段と、
    前記情報コードに対して照明光を照射する照明手段と、
    前記情報コードと前記光学的情報読取装置との距離を測定する距離測定手段と、
    前記距離測定手段によって測定された測定距離が基準距離以上であるか否かを判断する距離判断手段と、
    を備え、
    前記マーカ光が前記情報コードにて反射してなる反射マーカ光を前記受光センサにて受光し、当該反射マーカ光の像に基づいて前記読取手段により前記読取処理を行う構成をなし、
    前記マーカ光照射手段は、前記照明光よりも照度が大きい前記マーカ光を出射する構成をなし、
    前記読取手段は、
    前記距離判断手段により前記測定距離が前記基準距離以上と判断された場合には、前記マーカ光が前記情報コードにて反射してなる前記反射マーカ光の像に基づいて前記読取処理を行い、
    前記距離判断手段により前記測定距離が前記基準距離以上でないと判断された場合には、前記照明光が前記情報コードにて反射してなる反射照明光の像に基づいて前記読取処理を行うことを特徴とする光学的情報読取装置。
  2. 明色パターン及び暗色パターンがそれぞれ複数配されてなる情報コードを読み取る光学的情報読取装置であって、
    前記情報コードからの反射光を受光する受光手段と、
    前記情報コードからの前記反射光を前記受光手段にて結像させる結像手段と、
    前記受光手段にて取得される前記反射光の像に基づいて前記情報コードの読取処理を行う読取手段と、
    前記情報コードの全パターンに及ぶマーカ光を照射するマーカ光照射手段と、
    前記情報コードに対して照明光を照射する照明手段と、
    前記情報コードにおける前記明色パターン及び前記暗色パターンの少なくともいずれかの代表サイズを測定するサイズ測定手段と、
    前記サイズ測定手段にて測定された前記代表サイズが基準サイズ以上であるか否かを判断するサイズ判断手段と、
    を備え、
    前記マーカ光が前記情報コードにて反射してなる反射マーカ光を前記受光センサにて受光し、当該反射マーカ光の像に基づいて前記読取手段により前記読取処理を行う構成をなし、
    前記マーカ光照射手段は、前記照明光よりも照度が大きい前記マーカ光を出射する構成をなし、
    前記読取手段は、
    前記サイズ判断手段により前記代表サイズが前記基準サイズ以上と判断された場合には、前記マーカ光が前記情報コードにて反射してなる前記反射マーカ光の像に基づいて前記読取処理を行い、
    前記サイズ判断手段により前記代表サイズが前記基準サイズ以上でないと判断された場合には、前記照明光が前記情報コードにて反射してなる反射照明光の像に基づいて前記読取処理を行うことを特徴とする光学的情報読取装置。
  3. 前記情報コードは、バーコードであり、
    前記マーカ光照射手段は、前記バーコードのバー配列方向全領域に及ぶマークを前記バーコードにて表示するように前記マーカ光を照射することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学的情報読取装置。
  4. 前記マーカ光照射手段は、前記マーカ光としてレーザ光を発するレーザ光源からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
  5. 前記情報コードはバーコードであり、
    前記マーカ光照射手段は、前記マーカ光としてレーザ光を発するレーザ光源からなり、
    前記読取手段は、
    前記反射マーカ光の像に基づいて前記読取処理を行う場合に、前記受光手段による前記反射マーカ光の受光結果に基づき前記情報コードの明色パターン及び暗色パターンの配列に対応した波形を生成する波形生成手段と、
    前記波形からノイズを除去するノイズ除去手段と、
    を備え、
    前記ノイズ除去手段によるノイズ除去後の前記波形に基づいて前記読取処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
  6. 前記受光センサは、エリアセンサであり、
    前記結像手段は、前記反射マーカ光を、前記エリアセンサの一部領域において結像する構成をなし、
    前記エリアセンサは、前記反射マーカ光を受光する前記一部領域において前記反射マーカ光に対応した受光信号を生成する構成をなしており、
    前記読取手段は、前記一部領域にて生成される前記受光信号を抽出して前記読取処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
  7. 前記情報コードは、バーコードであり、
    前記マーカ光照射手段は、前記バーコードのバー配列方向全領域に及ぶ線状のマークを複数本前記バーコードにて表示するように前記マーカ光を照射し、
    前記エリアセンサは、各マークからの前記反射マーカ光をそれぞれ受光し、各反射マーカ光に対応した前記受光信号をそれぞれ生成する構成をなしており、
    前記読取手段は、各反射マーカ光に対応した前記受光信号を合成した合成データに基づいて前記読取処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の光学的情報読取装置。
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