JP4649914B2 - 微小電気機械素子、光学微小電気機械素子、光変調素子及びそれらの製造方法、並びにレーザディスプレイ - Google Patents

微小電気機械素子、光学微小電気機械素子、光変調素子及びそれらの製造方法、並びにレーザディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は、静電駆動型の微小電気機械素子、光学微小電気機械素子、光変調素子及びそれらの製造方法、並びにレーザディスプレイに関する。
静電駆動を利用した微小電気機械素子、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechnical Systems)素子が開発されている。図13は、一般的な微小電気機械素子の代表的な一例である。この微小電気機械素子1は、基板2上に形成した基板側電極(以下、下部電極という)3と、この下部電極3をブリッジ状に跨ぐように配置した薄膜状の振動部(以下、ビームという)5とを有して構成される。ビーム5と下部電極3とは、その間の空間4によって電気的に絶縁されている。ビーム5は、その両端がこれと一体の支持部6〔6A,6B〕を介して基板2に支持された両持ち梁式構造に形成される。
基板2は、例えば、シリコン(Si)やガリウム砒素(GaAs)などの半導体基板上に絶縁膜を形成した基板、石英基板やガラス基板のような絶縁性基板などが用いられる。下部電極3は、不純物をドーピングした多結晶シリコン膜、金属膜(多結晶W,Cr)などで形成される。ビーム3は、例えばシリコン窒化膜(SiN膜)等の絶縁膜7と、その上面に形成された膜厚100nm程度の例えばAl膜からなる駆動側電極(以下、上部電極という)8とから構成される。光学微小電気機械素子としたならば、このAl膜8は反射膜としての機能を果たす。
この薄膜状のビームを有した微小電気機械素子1では、下部電極3と上部電極8間に与える電位に応じて、ビーム5が下部電極3との間の静電引力又は静電反発により変位し、図示するように下部電極3に対して平行状態(実線)と凹状態(破線)に変位する。例えば、この微小電気機械素子1を光学微小電気機械素子として用いることを考えると、光反射膜を兼ねる上部電極8の表面に光が照射され、ビームの駆動位置に応じて、その光反射方向が異なるのを利用して、一方の反射光を検出してスイッチ機能を持たせた光スイッチなどの光変調素子として適用できる。また、複数のビームを並列配置して、光の回折を利用して光強度を変調するようにした光変調素子としても適用できる。
光学微小電気機械素子を用いた製品開発が現在数多く行われている。そのうちの一つに、SLM(シリコンライトマシーン)社が光変調器として開発したGLV(登録商標)(Grating Light Valve)を用いたプロジェクタが挙げられる。
GLVとは、両持ち梁式構造の細いビームを複数配列し、このビームを静電引力によって1つ置きに凹ませることでビームで反射した反射光に回折を生じさせるシステムである。これにより、ある方向への反射光強度を連続的に変えることができるため、プロジェクタへの応用が期待されている。GLV素子を用いたプロジェクタは、高い色再現性、高コントラスト比、高輝度という特長をもつ。
GLV素子において、より高いコントラスト、輝度を実現する構造がブレーズ(Blazed)GLV素子である。このブレーズGLV素子では、ビームを傾けて回折光を±1次光の2方向の回折光から−1次光または+1次光のいずれか1方向の回折光に限定している(特許文献1参照)。
一方、後述の課題で説明する微小電気機械素子のビームに生じるたわみを低減させる手法として、アニールにより膜応力を低減させる手法が、特許文献2に開示されている。
米国特許第6,639,722B2号 特開2002−26007号公報
ところで、上述したビームを傾けたブレーズGLV素子の場合には、GLV素子がもともと持つビームたわみ(Bow)の制御に加え、ビームの傾き(Tilt)まで制御する必要があるため、その最適構造を実現することは極めて困難であった。
ビームに傾きを生じさせるメカニズムは図12A,Bに示す通りである。これは、ビーム3の幅方向の一半部の両側に段差11を設けることにより、ビーム3自体の持つ引張り応力を利用してビーム中心部分を傾ける機構となっている。すなわち、図12A(応力開放前)に示すように、ビーム3の段差11がある側は、引張り応力Fa1 によって段差11の下の高さまで押し下げる力Fb1 が働く。また段差のない側も同様に、引張り応力Fa2 により表面高さを保とうちする力Fb2 (図示せず)が働く。この2つの力Fb1 ,Fb2 がビーム3に対して回転モーメントとして作用するため、図12B(応力開放後)に示すように、ビーム3が傾く(符号12参照)。
この構造においてビーム3の応力は必要不可欠であり、また1MHz以上という共振周波数も、ビームの引張り応力により実現している。しかしながら、ビーム3が強い引張り応力を持つことが、逆にビームの長手方向に関するビームたわみの原因となっている。ビーム3の光照射面は、ベース層となる絶縁膜7の上に反射率の高い金属膜8を積層するのが通常である。従って、ビームの光照射面を含む層は、最低でも2層以上の積層構造になっている。各層はそれぞれ固有の内部応力(引張り応力または圧縮応力)を持つため、この応力の釣り合いが取られていない場合は、引張り応力が強い方向へビームたわみが発生してしまう。
このように、ビーム3の膜応力について「たわみ」と「傾き」はトレードオフの関係にある。ビームたわみのみを低減させる手法として、アニールにより膜応力を低減させる手法が前記の特許文献1に開示されている。しかし、この手法を用いてビーム傾きを得るのは困難である。一方、先に本出願人は膜応力を極力下げずにビームたわみを低減させる手法として、応力調整層を追加した構成を提案している(特願2004ー95872号参照)。しかし、ビームたわみを低く抑えながら、ビーム傾きを増大させるには、構造に何らかの工夫が必要である。また、ブレーズGLV素子においては、効率を考えると、±10nm程度以内にビーム傾きを制御する必要があり、精度、再現性の見込める手法が不可欠である。
当然ながら、ビームの膜の引張り応力が強いほどビーム傾き量は大きくなるが、前述した通り、膜の引張り応力が強いと逆にビームたわみも大きくなってしまうため、膜物性の変化以外による改善方法が望まれる。
本発明は、上述の点に鑑み、振動部(ビーム)の表面形状に傾きが必要な微小電気機械素子において、たわみを抑制しつつ振動部傾き量を最適化できるようにし、さらに製造歩留りを改善できる微小電気機械素子、光学微小電気機械素子、光変調素子及びそれらの製造方法を提供するものである。
また、本発明は、この光変調素子を有して、より高輝度の投影画像が得られるレーザディスプレイを提供するものである。
本発明に係る微小電気機械素子は、下部電極に空間を挟んで対向し両端部で支持された振動部を有し、振動部に段差を付けて該振動部に幅方向の傾きを生じさせる微小電気機械素子であって、段差の幅が振動部の傾き量の極大値に対応する幅に設定して成ることを特徴とする。
上記極大値に対応する段差部の幅は、振動部の幅の4分の1±0.1μmまたは4分の3±0.1μmとすることができる。
本発明に係る光学微小電気機械素子は、下電極に空間を挟んで対向し両端部で支持された振動部を有し、振動部に段差を付けて該振動部に幅方向に傾きを生じさせ、振動部の駆動により、該振動部で反射する光の反射方向を変換し、または回折光を生じさせるようにした光学微小電気機械素子であって、段差の幅が振動部の傾き量の極大値に対応する幅に設定して成ることを特徴とする。
上記極大値に対応する段差部の幅は、振動部の幅の4分の1±0.1μmまたは4分の3±0.1μmとすることができる。
本発明に係る光変調素子は、下部電極に空間を挟んで対向し両端部で支持された複数の振動部を並列配列し、振動部に段差を付けて該振動部に幅方向の傾きを生じさせ、振動部の駆動により回折光を生じさせるようにした光変調素子であって、段差の幅が振動部の傾き量の極大値に対応する幅に設定して成ることを特徴とする。
上記極大値に対応する段差部の幅は、振動部の幅の4分の1±0.1μmまたは4分の3±0.1μmとすることができる。
本発明に係る微小電気機械素子の製造方法は、下部電極に空間を挟んで対向し両端部で支持された振動部を有し、振動部に段差を付けて該振動部に幅方向の傾きを生じさせる微小電気機械素子の製造方法であって、段差の振動部幅方向の幅及び段差の深さの少なくとも一方の選択により振動部の傾き量を制御することを特徴とする。
振動部の傾き量の制御としては、段差の振動部幅方向の幅及び段差の深さの少なくとも一方を制御して、振動部の傾き量を極大化するように制御することができる。
振動部の傾き量の制御としては、段差の振動部幅方向の幅及び段差の深さの少なくとも一方を制御して、段差形状のエッチング深さのバラツキによる振動部の傾き量のバラツキを最小化するように制御することができる。
振動部の傾き量の制御としては、段差の振動部幅方向の幅及び段差の深さの少なくとも一方を制御して、段差形状のエッチング幅のバラツキによる振動部の傾き量のバラツキを最小化するように制御することができる。
本発明に係る光学微小電気機械素子の製造方法は、下電極に空間を挟んで対向し両端部で支持された振動部を有し、振動部に段差を付けて該振動部に幅方向に傾きを生じさせ、振動部の駆動により、該振動部で反射する光の反射方向を変換し、または回折光を生じさせるようにした光学微小電気機械素子の製造方法であって、段差の振動部幅方向の幅及び段差の深さの少なくとも一方を制御して、振動部の傾き量を極大化することを特徴とする。
この光学微小電気機械素子の製造方法において、振動部の傾き量の制御としては、段差の振動部幅方向の幅及び段差の深さの少なくとも一方を制御して、段差形状のエッチング深さのバラツキによる振動部の傾き量のバラツキを最小化するように制御することができる。
この光学微小電気機械素子の製造方法において、振動部の傾き量の制御としては、段差の振動部幅方向の幅及び段差の深さの少なくとも一方を制御して、段差形状のエッチング幅のバラツキによる振動部の傾き量のバラツキを最小化するように制御することができる。
本発明に係る光変調素子の製造方法は、下部電極に空間を挟んで対向し両端部で支持された複数の振動部を並列配列し、振動部に段差を付けて該振動部に幅方向の傾きを生じさせ、振動部の駆動により回折光を生じさせるようにした光変調素子の製造方法であって、段差の振動部幅方向の幅及び前記段差の深さの少なくとも一方を制御して、振動部の傾き量を極大化することを特徴とする。
この光変調素子の製造方法において、振動部の傾き量の制御としては、段差の振動部幅方向の幅及び段差の深さの少なくとも一方を制御して、段差形状のエッチング深さのバラツキによる振動部の傾き量のバラツキを最小化するように制御することができる。
この光変調素子の製造方法において、振動部の傾き量の制御としては、段差の振動部幅方向の幅及び段差の深さの少なくとも一方を制御して、段差形状のエッチング幅のバラツキによる振動部の傾き量のバラツキを最小化するように制御することができる。
本発明に係るレーザディスプレイは、レーザ光源と、レーザ光源から出射されたレーザ光の光軸上に配置され、レーザ光の光強度を変調する光変調素子とを有するレーザディスプレイであって、光変調素子は、下部電極と複数の振動部からなり、各振動部が段差を有して振動部幅方向に傾き、振動部の駆動により回折光の強度変調を生じさせる光変調素子であって、段差の幅が振動部の傾き量の極大値に対応する幅に設定して成ることを特徴とする。
上記極大値に対応する段差部の幅は、振動部の幅の4分の1±0.1μmまたは4分の3±0.1μmとすることができる。
上述の本発明の微小電気機械素子、光学微小電気機械素子及び光変調素子では、段差を付けることにより、振動部の幅方向に傾きが生じる。そして、段差の幅を振動部の傾き量の極大値に対応する幅、例えば振動部の幅の4分の1±0.1μmまたは4分の3±0.1μmにすることにより、振動部の傾きが極大になり、かつ振動部の傾き量の変化が小さくい。また、振動部の引張り応力を増すことなく、振動部傾き量が増えるので、振動部のたわみは抑制される。
上述の本発明の微小電気機械素子、光学微小電気機械素子、光変調素子のいずれの製造方法では、振動部に段差を付けることにより、振動部に幅方向の傾きを生じさせることができる。このとき、段差の形状を工夫することにより、振動部の傾き量が制御され、所望の傾き量が得られる。このとき、振動部の引張り応力を増すことなく、振動部傾き量の増大が図れるので、振動部たわみは抑制される。
段差の振動部幅方向の幅及び段差の深さの少なくとも一方を制御することにより、振動部の傾き量を極大化することできる。
段差の振動部幅方向の幅及び段差の深さの少なくとも一方を制御することにより、段差形状のエッチング深さのバラツキによる振動部の傾き量のバラツキを最小化することができる。
段差の振動部幅方向の幅及び段差の深さの少なくとも一方を制御することにより、段差形状のエッチング幅のバラツキによる振動部の傾き量のバラツキを最小化することができる。
本発明に係る微小電気機械素子、光学微小電気機械素子、光変調素子によれば、段差の幅を振動部の傾き量の極大値に対応する幅、例えば振動部の幅の4分の1±0.1μmまたは4分の3±0.1μmに設定することで、振動部のたわみを抑制しつつ振動部の傾き量を大きくし、最適化することができる。しかも振動部の傾き量の変化を小さくすることができる。
本発明に係る微小電気機械素子の製造方法によれば、静電駆動する振動部に傾きを必要とする微小電気機械素子の製造方法において、振動部の一部に段差を形成し、この段差の幅及び段差の深さの少なくとも一方を変更することにより、振動部たわみを抑制しつつ振動部の傾き量を最適値に制御することができる。これによって、次のような効果を奏する。
これまで十分な振動部傾き量が確保できなかった微小電気機械素子の性能を向上することができる。この微小電気機械素子の製造方法を適用した光学微小電気機械素子の製造方法によれば、光スイッチに適用した場合には、光の反射方向の変換の効率が良い光学微小電気機械素子を製造することができる。また、回折光型素子に適用した場合には、回折効率を向上した光学微小電気機械素子を製造することができる。この微小電気機械素子の製造方法を適用した光変調素子の製造方法によれば、回折効率が向上し、回折光の強度変調が良好な光変調素子を製造することができる。
本発明の製造方法により、エッチング深さに起因するプロセスバラツキを抑えることができる。エッチングレートは常に一定とは限らないため、数%程度のエッチング深さのバラツキが通常十分に起こり得る。従って、現在微小電気機械素子が抱える課題の一つである歩留りに対して、大きな改善が図れる。
本発明の製造方法により、エッチング幅に起因するプロセスバラツキを抑えることができる。特に微小な構造を持つ微小電気機械素子では、フォトレジストやサイドエッチングによる加工幅の僅かなバラツキが、構造の大きな影響を及ぼすが、本発明においては、歩留りやチップ内の均一性に対して特に有効である。
本発明のレーザディスプレイによれば、光変調素子として、上述した本発明の光変調素子を備えるので、光変調素子の振動部傾き量を十分確保でき、レーザディスプレイとして回折効率が向上し、より高輝度の投影画像が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
先ず、本発明の理解を容易にするために、図11A,Bを用いて薄膜状の振動部(以下、ビームという)の両端に段差を付けてビームに傾きを持たせた微小電気機械素子(いわゆるMEMS素子)の比較例について説明する。この比較例の微小電気機械素子21は、基板22上に形成した下部電極23と、この下部電極23をブリッジ状に跨ぐように配置し両端に段差31を設けたビーム25とを有して成る。ビーム25の段差31のビーム幅方向の幅W1 は、通常ビーム幅W2 の半分である(W1 =1/2W2 )。ビーム25と下部電極23とは、その間の空間24によって電気的に絶縁されている。ビーム25は、前述と同様に例えば、シリコン窒化膜等の絶縁膜27と、その上面の例えばAl膜による上部電極28との2層膜で形成され、その両端がこれと一体の支持部26〔26A,26B〕を介して基板22に支持された両持ち梁式構造に形成される。
この微小電気機械素子21において、段差31を有したビーム25が傾くメカニズムは前述した通りであり(図12参照)、ビームの傾き量は段差の深さH1 によって制御している。図3に、この微小電気機械素子21におけるビーム25の段差31の深さH1 に対する傾き量を示す。図3の縦軸は傾き量(相対値)、横軸は段差深さ(相対値)を示す。
段差深さH1 を深くするにつれて傾き量は増加して行くが、ある段差深さでピーク値となり、以後傾き量は減少する。ピーク値以上の傾き量を得るには、ビームの膜を引張り応力の大きい膜にしなければならいが、ビームのたわみも大きくなる。
次に、本発明による静電駆動型の微小電気機械素子(いわゆるMEMS素子)及びその製造方法を説明する。本発明で対象とする微小電気機械素子は、マイクロ・ナノスケールの素子である。
図1は、本発明に係る微小電気機械素子及びその製造方法の第1実施の形態を示す。本実施の形態に係る微小電気機械素子41は、基板42上に形成した下部電極43と、この下部電極43をブリッジ状に跨ぐように配置し両端に段差51を設けたビーム45とを有して成る。ビーム45と下部電極43とは、その間の空間44によって電気的に絶縁されている。ビーム45は、例えば、絶縁膜47と、その上面の金属膜による上部電極48との2層膜で形成され、その両端がこれと一体の支持部46〔46A,46B〕を介して基板42に支持された両持ち梁式構造に形成される。
支持部46〔46A,46B〕は、ビーム45と同じ膜構造でかつビーム45と一体に形成することができる。
前述と同様に、基板42は、例えばシリコン(Si)やガリウム砒素(GaAs)などの半導体基板上に絶縁膜を形成した基板、石英基板やガラス基板のような絶縁性基板等が用いられる。下部電極43は、不純物をドーピングした多結晶シリコン膜、金属膜(多結晶W,Cr蒸着膜)などで形成される。ビーム45は、シリコン窒化膜(SiN膜)、シリコン酸化膜(SiO2 膜)、その他の絶縁膜、本例では強度、弾性定数などの物性値がビーム45の機械的駆動に対して適切なシリコン地下膜が用いられる。上部電極48は、多結晶Al単体膜、Al合金膜(これらを総称してAl膜という)、その他の光反射効率のよい金属膜で形成することができる。
そして、本実施の形態においては、特に、段差51の形状の選択によりビーム傾き量を制御するようになす。すなわち、段差形状のビーム幅方向の幅W3 と、段差深さH3 を変えてビーム45の傾き量を制御するようになす。
段差幅W3 は、通常ビーム幅W4 の1/2に設定されるが、本実施の形態では例えば段差幅W3 がビーム45の幅W4 の1/2以上、もしくは1/2以下に設定される。
段差幅W3 に対するビーム45の傾き量の変化は、図2のグラフに示すように、ビーム幅W4 の1/4付近、及び3/4付近でピークを持つ。このため、段差幅W3 をこのピークに近づけることで、比較例に比べて傾き量を増大させることができる。
一方、前述の図3のグラフで明らかなように、段差幅W3 を一定にして、段差深さH3 を変化させると傾き量にピークを持つ特性がある。従って、段差幅W3 を図2のピークに近いところに設定して、さらに段差深さH3 を大きくすることで、傾き量をさらに増大させることができる。
第1実施の形態の微小電気機械素子41及びその製造方法によれば、段差形状、いわゆる段差幅W3 と段差深さH3 を変えることにより、所望のビーム傾き量を得ることができる。例えば段差幅W3 をある値に設定して段差深さH3 を制御し、あるいは段差深さH3をある値に設定して段差幅W3 を制御し、あるいは段差幅W3 及び段差深さH3の双方を制御することにより、ビーム傾き量を任意に制御することができる。従って、段差幅W3 、段差深さH3 を最適値に制御すれば、ビーム傾き量を最大化することができ、比較例に比べてより大きいビーム傾き量を得ることができる。
この微小電気機械素子41において、段差の幅W3をビーム45の幅W4の略4分の1または略4分の3に設定することにより、ビーム傾き量を大きくし、かつビーム傾き量の変化を小さくすることができる。ここで、略4分の1、略4分の3とは、それぞれ4分の1,4分の3を中心に使用する装置の精度を考慮して特性的に十分なマージンが得られる程度、極大値に近い傾き量が得られる範囲の段差幅を指す。例えば±0.1μmの誤差範囲を許容することができる。
次に、本発明に係る微小電気機械素子及びその製造方法の第2実施の形態を説明する。本実施の形態に係る微小電気機械素子の基本構造は、第1実施の形態の微小電気機械素子41と同じである。
段差51の深さH3 (製造時のエッチング深さに相当するので、ここではエッチング深さという)に対するビーム傾き量の値は、前述の図3に示す通り、ある一定のエッチング深さH3 において飽和する。この飽和付近(ピーク付近)においては、段差51のエッチング深さH3 に対するビーム傾き量の変化が小さい。
本実施の形態に係る微小電気機械素子及びその製造方法は、所要の傾きを有するビームを形成するに当たり、段差幅W3 をある一定の値に設定して、段差深さH3 を上記の飽和領域の条件で制御して段差51を形成するようになす。
この第2実施の形態の微小電気機械素子及びその製造方法によれば、ビーム傾き量が飽和する飽和領域付近の条件でエッチング深さ(段差深さ)W3 を制御して、段差51を形成することにより、エッチング深さW3 の誤差に対するビーム傾き量のバラツキを最小化することができる。
図4を参照してさらに説明する。図4は、段差幅をパラメータとしたときのビーム傾き量とエッチング深さの関係を示す。曲線aは段差幅=ビーム幅×1/4のとき、曲線bは段差幅=ビーム幅×1/2のときである。例えば傾き量が80(相対値)のビームを、出来るだけエッチング深さバラツキの影響が小さくなるように形成したい場合は、段差幅をビーム幅の1/2にして、エッチング深さを160(相対値)とすることが好適である(曲線a参照)。曲線aではエッチング深さ160のところが飽和付近(ピーク付近)であるため、ビーム傾き量に対してエッチング深さのバラツキの影響は小さい。これに対して、曲線bを用い、弾性付与部材差幅をビーム幅の1/4として、エッチング深さを120とした場合にも、ビーム傾き量の80は達成される。しかし、エッチング深さ120の部分は曲線bの飽和付近でないため、ビーム傾き量はエッチング深さのバラツキの影響を大きく受ける。
従って、ある狙いのビーム傾き量を、エッチング深さバラツキの影響を極力小さくするように設計するためには、段差深さ(エッチング深さ)と段差幅(エッチング幅)の両方を制御すればよい。あるいは段差幅をある一定の値に設定して段差深さのみを制御する、あるいは段差深さをある一定の値に設定して段差幅のみを制御するようになす。
ビーム傾き量のバラツキ要因として、製造時のエッチング幅(段差幅に相当する)よりエッチング深さによる影響が大きい場合には、第2実施の形態を用いることで、ビーム傾き量のバラツキを低減させることが可能となる。
次に、本発明に係る微小電気機械素子及びその製造方法の第3実施の形態を説明する。本実施の形態に係る微小電気機械素子の基本構造は、第1実施の形態の微小電気機械素子41と同じである。
段差51の幅W3 (製造時のエッチング幅に相当するので、ここではエッチング幅という)に対するビーム傾き量の値は、図2に示す通り、エッチング幅W3 がビーム幅W4 のおよそ1/4、3/4のとき極大値をとり、ビーム幅W4 のおよそ1/2のとき最小値をとる。この極大値付近、極小値付近においては、段差51のエッチング幅W3 に対するビーム傾き量の変化が小さい。
本実施の形態に係る微小電気機械素子及びその製造方法は、所要の傾きを有するビームを形成するに当たり、段差深さH3 をある一定の値に設定して、エッチング幅W3 を上記の極大値付近、もしくは極小値付近の条件で制御して段差51を形成するようになす。
第3実施の形態の微小電気機械素子及びその製造方法によれば、ビーム傾き量の極大値付近、もしくは極小値付近の条件でエッチング幅W3 を制御して、段差51を形成することにより、エッチング幅W3 の誤差に対するビーム傾き量のバラツキを最小化することができる。
即ち、この場合も、ある狙いのビーム傾き量を、エッチング幅バラツキの影響を極力小さくするように設計するためには、段差深さ(エッチング深さ)と段差幅(エチング幅)の両方を制御すればよい。あるいは段差幅をある一定の値に設定して段差深さのみを制御する、あるいは段差深さをある一定の値に設定して段差幅のみを制御するようになす。
ビーム傾き量のバラツキ要因として、製造時のエッチング深さ(段差深さに相当する)よりエッチング幅による影響が大きい場合には、第3実施の形態を用いることで、ビーム傾き量のバラツキを低減させることが可能となる。特に、ビーム45が幅の細いリボン構造である場合には、エッチング幅のプロセス誤差によるビーム傾きのバラツキが大きくなるため、第3実施の形態の手法が有効である。
上述の実施の形態に係る微小電気機械素子及びその製造方法は、ビーム45の上部電極48を光反射膜とし、ビーム45の駆動により光の反射方向が異なるのを利用して一方向の反射光を検出してスイッチ機能を持たせた光スイッチ、あるいは光変調素子などの光学微小電気機械素子に適用できる。光の反射を利用するときの光変調素子は、単位時間当りの一方向の反射量で光強度を変調する、いわゆる時間変調である。光の回折を利用するときの光変調素子は光の回折によってビームで反射する光の強度を変調する、いわゆる空間変調である。さらには、上述の実施の形態に係る微小電気機械素子及びその製造方法は、GLV素子のような光の回折を利用して光強度を変調するようにした光変調素子に適用できる。
次に、本発明に係る微小電気機械素子及びその製造方法を、回折光を利用した光変調素子であるGLV素子に適用した第4実施の形態について説明する。
本実施の形態に係るGLV素子61は、図5に示すように、基板62上に共通の下部電極63が形成され、この下部電極63に交叉してブリッジ状に跨ぐ複数、本例では5つのビーム65〔651、652、653、654、655〕が並列配置されて成る。このビーム65のうち、一方の一つ置きのビーム、多結晶ビーム651、653、655が固定ビームとして作用し、他方の一つ置きのビーム652、654が可動ビームとして作用する。前述と同様に、基板62は、半導体基板上に絶縁膜を形成した基板や絶縁性基板などで形成される。また、下部電極63も多結晶シリコン膜、金属膜などで形成される。ビーム65は、例えばシリコン窒化膜(SiN膜)などの絶縁膜によるブリジ部材67の下部電極53と平行する面上に所要の膜厚、例えば70nm程度のAl膜による反射膜を兼ねる上部電極(以下、反射膜兼上部電極という)68が形成された構造である。ビーム65はリボンと称されている部分である。
本実施の形態においては、ビーム65の両端には、前述したと同様の段差51が形成されている。この段差51は、後述する製造プロセスで明らかなように、中空構造を得るために成膜する犠牲層に対して、部分エッチングを施し、その上にビームとなる各膜を成膜することにより形成される。ビーム65は、この段差形状を有することで、所望のビーム傾きをもって配置される。
GLV素子61では、下部電極63と反射膜兼上部電極68との間に微小電圧を印加すると、前述した静電現象によって一つ置きのビーム652、654が下部電極63に向って近接し、また電圧の印加を停止すると離間して元の位置に戻る。この下部電極63に対する複数のビーム65のうちの一つ置きのビーム652、654の近接、離間の動作により、反射兼上部電極68の高さが変化し、光の回折によって上部電極68で発射する光の強度が変調される。
本実施の形態のGLV素子及びその製造方法は、第1〜第3実施の形態で説明したように、段差51の段差幅及び段差深さを変えて、ビーム傾き量を最適値に制御するようになす。GLV素子61におけるビーム傾き量の最適値は、光源レーザ波長の1/4である。本実施の形態では、段差部分51のエッチング幅(段差幅)、エッチング深さ(段差深さ)の誤差が共にビーム傾き量のバラツキへ影響を与えるので、第2、第3実施の形態を応用してビーム傾き量のバラツキを最小化している。
第4実施の形態に係るGLV素子61及びその製造方法によれば、ビーム傾き量を±10nm以内に抑えることができると見込まれ、光効率の向上、安定化、及び製造歩留りの向上が達成される。また、GLV素子61の小型化に伴ってビーム65が細くなる場合には、よりビーム65の傾き角度を大きくすることが必要である。このとき、第1実施の形態を用いることにより、これが実現できる。
図6〜図9は、第4実施の形態のGLV素子61の製造方法の一例を示す。なお、この製造方法ではGLV素子61の5つのビームを同時に形成するが、説明の簡便のため2つのビームのみとし、残りの3つのビームについては同様であるので、省略した。
先ず、図6Aに示すように、基板62上に後に形成する複数のビームに共通する下部電極63を形成する。下部電極63と基板62の表面とは面一となるように下部電極63以外の基板表面は絶縁膜で被覆される。図示の例では下部電極63が基板62に埋め込まれた状態となっている。
次に、図6Bに示すように、下部電極63のビーム長さ方向に対応する幅よりも広い幅となるように、下部電極63上を含む基板62上に、選択的に犠牲層72を形成する。犠牲層72は、下部電極63、基板表面、後のビーム材料とエッチング比が取れる材料、本例では非晶質シリコン膜で形成される。
次に、図7Cに示すように、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて、犠牲層72に対して選択エッチングを施し、ビームの段差部分に対応する位置に幅W3 ′、深さH3 ′のエッチング凹部71′を形成する。すなわち、犠牲層72において、各ビームに対応する領域の表面の両端にビーム幅に対応する幅W4 ′より狭い幅W3 ′で、かつ深さH3 ′のエッチング凹部71′を形成する。このエッチング凹部71′は、後述のビームの段差71に対応するもので、エッチング凹部71′の幅W3 ′、深さH3′は、ビーム段差71の段差幅W3 、段差深さH3 に対応する。
次に、図7Dに示すように、犠牲層72の表面を含む基板全面にブリッジ部材となる例えばシリコン窒化膜による絶縁膜67′を堆積する。続いて図8Eに示すように、絶縁膜67′上に反射膜兼上部電極となる例えばAl膜68′を堆積する。
次に、図8Fに示すように、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、Al膜68′及び絶縁膜67′をパターニングして、各ビームに分割する。すなわち、両端に段差71を有する各ビーム65〔651、652、・・〕を形成する。
次に、図9Gに示すように、犠牲層72を選択的にエッチング除去し、各ビーム65と下部電極63間に空間64を形成する。
このようにして、図9Hに示すように、基板62に下部電極63が形成され、この下部電極63に対して空間64を挟んで、それぞれ両端に段差71が形成され表面に反射膜兼上部電極68が形成された複数、本例では5つのビーム65〔651〜655〕を有して成る的のGLV素子61を得る。
図10は、本発明の光変調素子としてのGLV素子61を用いた光学装置の一実施の形態を示す。本例ではレーザディスプレイに適用した場合である。本実施の形態に係るレーザディスプレイ81は、例えば大型スクリーン用プロジェクタ、特にデジタル画像のプロジェクタとして、またはコンピュータ画像投影装置として用いられる。
レーザディスプレイ81は、図10に示すように、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色のレーザ光源82R,82G,82Bと、各レーザ光源に対して、それぞれ光軸上に順次設けられたミラー84R,84G,84B、各色照明光学系(レンズ群)86R,86G,86B、及び光変調素子として機能する上述の本発明に係るGLV素子88R,88G,88Bとを備えている。
レーザ光源82R,82G,82Bは、それぞれ例えば、R(波長642nm、光出力約3W)、G(波長532nm、光出力約2W)、B(波長457nm、光出力約1.5W)のレーザを射出する。
更に、レーザディスプレイ81は、DLV素子88R,88G,88Bによりそれぞれ光強度が変調された赤色(R)レーザ光、緑色(G)レーザ光及び青(B)レーザ光を合成する色合成フィルタ90、空間フィルタ92、ディフューザ94、ミラー96、ガルバノスキャナ98、投影光学系(レンズ群)100、及びスクリーン102を備えている。色合成フィルタ90は、例えばダイクロイックミラーで構成される。
本実施の形態のレーザディスプレイ81は、レーザ光源82R,82G,82Bから射出されたRGB各レーザ光が、それぞれミラー84R,84G,84Bを経て各色照明光学系86R,86G,86Bから各GLV素子88R,88G,88Bに同期入力されるようになっている。
更に、各レーザ光は、GLV素子88R,88G,88Bによって回折されることにより空間変調され、これら3色の回折光が色合成フィルタ90によって合成され、続いて空間フィルタ92によって信号成分のみが取り出される。
次いで、このRGBの画像信号は、ディフューザ94によってレーザスペックルが低減され、ミラー96を経て、画像信号と同期するガルバノスキャナ98によって空間に展開され、投影光学系100によってスクリーン102上にフルカラー画像として投影される。
本実施の形態のレーザディスプレイ81によれば、GLV素子88R,88G,88Bのビーム傾き量を十分確保できるので、回折効率が向上し、より高輝度の投影画像が得られる。
上述の本実施の形態の微小電気機械素子、光学微小電気機械素子、光変調素子及びそれらの製造方法によれば、ビームに設けた段差形状を工夫する、すなわち段差幅、段差深さを選択制御することにより、ビームたわみを抑制しつつビーム傾き量をより増大し、十分なビーム傾き量を確保し、最適化することができる。
これによって、従来十分なビーム傾き量が確保できなかった微小電気機械素子の性能を向上することができる。この微小電気機械素子を適用した光変調素子によれば、光の反射方向の変換が効率よく行える。この微小電気機械素子を適用した光変調素子によれば、回折効率を向上することができる。この光変調器としてのGLV素子を備えたプロジェクタであれば、回折効率が向上することにより、より高輝度の投影が可能になる。
第2実施の形態によれば、ビームの段差を形成する際のエッチング深さに起因するプロセスバラツキを抑えることができる。エッチングレートは常に一定とは限らないので、数%程度のエッチング深さのバラツキは通常十分に起こり得る。従って、従来の微小電気機械素子が抱える課題の一つである歩留りに対して、大きな改善が見込まれる。
第3実施の形態によれば、ビームの段差を形成する際のエッチング幅に起因するプロセスバラツキを抑えることができる。特に微小なビーム構造を有する微小電気機械素子や、フォトレジスト、サイドエッチングによる加工幅の僅かなバラツキが、構造に大きな影響を及ぼす。本実施の形態では、歩留りやチップ内の均一性に対して特に有効である。
A 本発明に係る微小電気機械素子の一実施の形態を示す斜視図である。 B 本発明に係る微小電気機械素子の一実施の形態を示す平面図である。 段差幅とビーム傾き量の関係を示すグラフである。 段差深さとビーム傾き量の関係を示すグラフである。 段差幅をパラメータとした段差深さ(エッチング深さ)とビーム傾き量の関係を示すグラフである。 本発明をGLV素子に適用した実施の形態を示す構成図である。 A,B 本発明の光変調素子(GLV素子)の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その1である)。 C,D 本発明の光変調素子(GLV素子)の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その2である)。 E,F 本発明の光変調素子(GLV素子)の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その3である)。 G,H 本発明の光変調素子(GLV素子)の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その4である)。 本発明に係る光変調素子であるGLV素子を用いたレーザディスプレイの例を示す構成図である。 A 比較例に係る微小電気機械素子の斜視図である。 B 比較例に係る微小電気機械素子の平面図である。 A 段差を有したビームの応力開放前の応力分布図である。 B 段差を有したビームの応力開放後の応力分布図である。 従来の両持ち梁式の微小電気機械素子の代表例を示す斜視図である。
41・・静電駆動型のMEMS素子、42・・基板、43・・下部電極、44・・空間、45・・振動部(ビーム)、W3・・段差幅、W4 ・・振動部(ビーム)幅、H3 ・・段差深さ、61・・GLV素子、62・・基板、63・・下部電極、65〔651、652、653、654、655〕・・振動部(ビーム)、67・・絶縁膜、68・・反射膜兼上部電極

Claims (18)

  1. 下部電極に空間を挟んで対向し両端部で支持された振動部を有し、
    前記振動部に段差を付けて該振動部に幅方向の傾きを生じさせる微小電気機械素子であって、
    前記段差の幅が、前記振動部の傾き量の極大値に対応する幅に設定されて成る
    ことを特徴とする微小電気機械素子。
  2. 前記段差の幅が、前記振動部の幅の4分の1±0.1μmまたは4分の3±0.1μmである
    ことを特徴とする請求項1記載の微小電気機械素子。
  3. 下電極に空間を挟んで対向し両端部で支持された振動部を有し、
    前記振動部に段差を付けて該振動部に幅方向に傾きを生じさせ、
    前記振動部の駆動により、該振動部で反射する光の反射方向を変換し、または回折光を生じさせるようにした光学微小電気機械素子であって、
    前記段差の幅が、前記振動部の傾き量の極大値に対応する幅に設定されて成る
    ことを特徴とする光学微小電気機械素子。
  4. 前記段差の幅が、前記振動部の幅の4分の1±0.1μmまたは4分の3±0.1μmである
    ことを特徴とする請求項3記載の光学微小電気機械素子。
  5. 下電極に空間を挟んで対向し両端部で支持された複数の振動部を並列配置し、
    前記振動部に段差を付けて該振動部に幅方向に傾きを生じさせ、
    前記振動部の駆動により回折光を生じさせるようにした光変調素子であって、
    前記段差の幅が、前記振動部の傾き量の極大値に対応する幅に設定されて成る
    ことを特徴とする光変調素子。
  6. 前記段差の幅が、前記振動部の幅の4分の1±0.1μmまたは4分の3±0.1μmである
    ことを特徴とする請求項3記載の光変調素子。
  7. 下部電極に空間を挟んで対向し両端部で支持された振動部を有し、
    前記振動部に段差を付けて該振動部に幅方向の傾きを生じさせる微小電気機械素子の製造方法であって、
    前記段差の振動部幅方向の幅及び前記段差の深さの少なくとも一方の選択により前記振動部の傾き量を制御する
    ことを特徴とする微小電気機械素子の製造方法。
  8. 前記段差の振動部幅方向の幅及び前記段差の深さの少なくとも一方を制御して、
    前記振動部の傾き量を極大化する
    ことを特徴とする請求項7記載の微小電気機械素子の製造方法。
  9. 前記段差の振動部幅方向の幅及び前記段差の深さの少なくとも一方を制御して、
    段差形状のエッチング深さのバラツキによる前記振動部の傾き量のバラツキを最小化する
    ことを特徴とする請求項7記載の微小電気機械素子の製造方法。
  10. 前記段差の振動部幅方向の幅及び前記段差の深さの少なくとも一方を制御して、
    段差形状のエッチング幅のバラツキによる前記振動部の傾き量のバラツキを最小化する
    ことを特徴とする請求項7記載の微小電気機械素子の製造方法。
  11. 下電極に空間を挟んで対向し両端部で支持された振動部を有し、
    前記振動部に段差を付けて該振動部に幅方向に傾きを生じさせ、
    前記振動部の駆動により、該振動部で反射する光の反射方向を変換し、または回折光を生じさせるようにした光学微小電気機械素子の製造方法であって、
    前記段差の振動部幅方向の幅及び前記段差の深さの少なくとも一方を制御して、前記振動部の傾き量を極大化する
    ことを特徴とする光学微小電気機械素子の製造方法。
  12. 前記段差の振動部幅方向の幅及び前記段差の深さの少なくとも一方を制御して、
    段差形状のエッチング深さのバラツキによる前記振動部の傾き量のバラツキを最小化する
    ことを特徴とする請求項11記載の光学微小電気機械素子の製造方法。
  13. 前記段差の振動部幅方向の幅及び前記段差の深さの少なくとも一方を制御して、
    段差形状のエッチング幅のバラツキによる前記振動部の傾き量のバラツキを最小化する
    ことを特徴とする請求項11記載の光学微小電気機械素子の製造方法。
  14. 下部電極に空間を挟んで対向し両端部で支持された複数の振動部を並列配列し、
    前記振動部に段差を付けて該振動部に幅方向の傾きを生じさせ、
    前記振動部の駆動により回折光を生じさせるようにした光変調素子の製造方法であって、
    前記段差の振動部幅方向の幅及び前記段差の深さの少なくとも一方を制御して、前記振動部の傾き量を極大化する
    ことを特徴とする光変調素子の製造方法。
  15. 前記段差の振動部幅方向の幅及び前記段差の深さの少なくとも一方を制御して、
    段差形状のエッチング深さのバラツキによる前記振動部の傾き量のバラツキを最小化する
    ことを特徴とする請求項14記載の光変調素子の製造方法。
  16. 前記段差の振動部幅方向の幅及び前記段差の深さの少なくとも一方を制御して、
    段差形状のエッチング幅のバラツキによる前記振動部の傾き量のバラツキを最小化する
    ことを特徴とする請求項14記載の光変調素子の製造方法。
  17. レーザ光源と、該レーザ光源から出射されたレーザ光の光軸上に配置され、レーザ光の光強度を変調する光変調素子とを有するレーザディスプレイであって、
    前記光変調素子は、
    下部電極と複数の振動部からなり、各振動部が段差を有して振動部幅方向に傾き、振動部の駆動により回折光の強度変調を生じさせる光変調素子であって、
    前記段差の幅が、前記振動部の傾き量の極大値に対応する幅に設定されて成る
    ことを特徴とするレーザディスプレイ。
  18. 前記光変調素子における振動部の段差の幅が、前記振動部の幅の4分の1±0.1μmまたは4分の3±0.1μmである
    ことを特徴とする請求項17記載のレーザディスプレイ。
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