JP4649537B1 - オープンペール缶用ラグ天板 - Google Patents

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Abstract

【課題】オープンペール缶用ラグ天板として、缶本体に対してラグ爪の加締のみで封着固定して、危険物運搬容器性能試験基準の各種試験に充分に合格し得る高い封止性能を確保でき、製缶工程における既存設備を殆ど改変せずに利用できるものを提供する。
【解決手段】金属製オープンペール缶における略縦円筒状の缶本体1上にパッキン3を介して被せ、周縁に垂設した多数のラグ爪22を該缶本体1の外向きカールした開口縁部11の下側へ折り込むことにより、缶本体1に対して密封状態に固定するラグ天板2Aであって、周縁が下面側をパッキン収容溝20として缶本体1の開口縁部11に外嵌する環状隆起部21をなし、環状隆起部21の外周側壁21aに沿ってラグ爪22が垂設され、環状隆起部21の内周側壁21bの複数箇所に天板中央側へ膨出したアンスタックリブ23を有し、天板主面部2aにおける各アンスタックリブ23を通る半径線r上の天板周辺寄りの位置に、それぞれ上面側又は下面側へ膨出する局所的凸部5が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、主として燃料油、潤滑油、塗料、インキ、溶剤、接着剤、食用油等の液状製品を収容する金属製のオープンペール缶に用いるラグ天板に関する。
一般的に、金属製のオープンペール缶は、上方に開口した略縦円筒形の缶本体に対し、略円板状の天板を周縁に設けたラグ爪を介して封着固定するラグタイプのものと、天板と缶本体の嵌合周縁部に開環状で断面コ字形の緊締バンドを巻き締めて封着固定するバンドタイプのものとに大別される。そして、特にラグタイプのものは、ラグ爪を折り曲げる専用の締め機が必要であるが、緊締バンドの如き締付用の別部材が不要であり、それだけ安価に調達できる点から多用されている。
従来汎用のラグタイプのオープンペール缶は、図7(a)〜(c)に示すように、缶本体1の上端開口の周縁が外向きに曲成されてカール部11をなす一方、天板つまりラグ天板2Bの周縁は下面側がパッキン配置溝20となる環状隆起部21を形成し、該環状隆起部21の外周壁21aには全周にわたって多数(一般に16個が多い)の舌片状のラグ爪22が垂設されている。そのラグ天板2Bは、環状隆起部21をパッキン配置溝20に配置したパッキン3を介して缶本体1のカール部11に嵌合し、各ラグ爪22を該カール部11の下側へ加締めて折り付けることにより、缶本体1に対して冠着固定される。なお、各ラグ爪22は、天板取外しの際に適当な手工具によって折り付け状態から引き起こすことになるが、その操作を容易にするために中央に掛け孔22aを設けると共に、下縁部22bを細い筒状にカールさせている。図7(a)における12は蔓形把手、13は該蔓形把手12の両端部を枢着するイヤー部、4はラグ天板2Bに設けられたベロ41付きの注出口であり、該注出口4にはキャップ(図示省略)を冠着するようになっている。
しかして、一般的なラグ天板2Bでは、使用前の保管や運搬において天板同士を積み重ねる際、互いに密着して後の使用時に分離困難になるのを防ぐために、環状隆起部21の内周壁21bの複数箇所に天板中央側へ膨出するアンスタックリブ23を設け、これらアンスタックリブ23の周方向の配置構成をラグ天板2Bごとに変えることで、天板2B同士が密着状態に重ならなくしている。これにより、缶本体1にラグ天板2Bを装着した状態において、アンスタックリブ23の位置では図7(c)の如く環状隆起部21の内周壁21bが缶本体1の周壁14から離間している。
ところで、オープンペール缶に危険物の液体を収容して輸送するには、該オープンペール缶として国連規格である危険物運搬容器性能試験基準(Z級)の落下試験、気密試験、水圧試験、積重試験の各規定を満足するものを用いる必要がある。しかるに、従来より汎用されているラグタイプのスチール製オープンペール缶は、缶本体及び天板の厚みが0.4mmと0.5mmのものであるが、概して落下試験(0.8m)、気密試験(20kPa・5分)、積重試験(200kg,24時間)の規定を満足できても、水圧試験(100kPa・5分)の規定は全く満足できなかった。
上記の対策として、缶本体及び天板の板厚を増したり、板材に高張力材を用いることが考えられる。しかるに、従来仕様のままで板厚を例えば0.6mm程度に増しただけでは水圧試験の合格基準値を満足できないことが判明している。また、更に板材を厚くしたり高張力材を用いたりする手段では、材料コストが嵩むことに加え、缶製造工程に介在する各種の加工装置を高能力のものに改変せねばならず、経済面より実現性に乏しい上、特にラグ天板では開封時のラグ爪の引き起しが難しくなり、その操作に多大な労力を費やすと共に専用工具も必要となる。
一方、ラグタイプのオープンペール缶において、上記性能試験に対応する機械的強度の向上のために、缶本体のカール部に天板周縁の環状隆起部を嵌合してラグ爪を加締めた上で,その周縁嵌合部を内側の断面略くの字形の補強リングと外側の断面略コ字形のバンドとの間で挟み付けるようにしたものが提案されている(特許文献1)。しかしながら、このような構成では、上記性能試験に合格できる機械的強度は得られても、補強リング及びバンドの二部材が別途に必要になるから、安価なラグタイプとしての利点が失われるばかりか、これら二部材が専用品であるためにバンドタイプにおける緊締バンドを利用する場合よりもコスト高になり、加えてラグ天板の装着及び取外しの操作に手間を要して作業性が悪くなる。
特開平9−309551号公報
本発明は、上述の事情に鑑みて、オープンペール缶用ラグ天板として、緊締バンドや他の介在部材を用いることなく、缶本体に対して従来同様にラグ爪の加締のみで封着固定して、危険物運搬容器性能試験基準の各種試験に充分に合格し得る高い封止性能を確保でき、しかも製缶工程における既存設備を殆ど改変せずに利用できるものを提供することを目的としている。
本発明者らは、上記目的を達成するために、まず従来構成のラグタイプのオープンペール缶について、前記水圧試験におけるラグ天板の変形と水漏れの状態を調べた。その結果、図6(b)に示すように、水圧が増すに伴ってラグ天板が外側へ膨れるように変形すると共に、天板周辺側の複数箇所に皺が発生し、ある段階で必ず一カ所のアンスタックリブの位置にかかった皺が拡大し、該リブ位置での封止破壊による水漏れが発生すること、また水圧に伴う天板の膨出変形がいびつで、且つ缶ごとに変形の形態と皺寄り状況が異なることが認められた。そこで、ラグ天板自体の各部の凹凸形状を様々に変更する等の多くの試行錯誤を重ねた結果、天板中心から各アンスタックリブ位置を通る半径線上に局所的な凹凸を設けた場合に、図6(a)に示すように、水圧増大に伴ってラグ天板の中央側全体が偏りなく膨らむように変形すると共に、その膨出部の周辺側で放射状の皺が周方向に略均等に生じ、且つ各皺がアンスタックリブ位置を避ける形になり、もって該リブ位置からの封止破壊が抑えられ、前記水圧試験の合格基準値を充分にクリアできる極めて高い封止強度が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明の課題解決手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明は、金属製オープンペール缶における略縦円筒状の缶本体1上にパッキン3を介して被せ、周縁に垂設した多数のラグ爪22を該缶本体1の外向きカールした開口縁部11の下側へ折り込むことにより、該缶本体1に対して密封状態に固定するラグ天板2Aであって、周縁が下面側をパッキン収容溝20として缶本体1の開口縁部11に外嵌する環状隆起部21をなし、該環状隆起部21の外周側壁21aに沿ってラグ爪22が垂設されると共に、該環状隆起部21の内周側壁21bの複数箇所に天板中央側へ膨出したアンスタックリブ23を有し、天板主面部2aにおける各アンスタックリブ23を通る半径線r上の天板周辺寄りの位置に、それぞれ上面側又は下面側へ膨出する局所的凸部5が形成されていることを特徴としている。
請求項2の発明は、上記請求項1のオープンペール缶用ラグ天板2Aにおいて、局所的凸部5は、半径線rに直交する方向の幅W2がアンスタックリブ23の同幅W1に対して0.8〜2倍に設定されてなる構成としている。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2のオープンペール缶用ラグ天板2Aにおいて、天板主面部2aに対する局所的凸部5の高さhが、0.8〜1.2mmに設定されてなるものとしている。
請求項4の発明は、上記請求項1〜3のいずれかのオープンペール缶用ラグ天板2Aにおいて、天板主面部2aの周辺寄りの位置に、上面側で周方向に沿う浅い凹条又は低い凸条をなす内外二重のビード24,25を有し、その内外ビード24,25間(中間部26)に局所的凸部5が形成されてなる構成としている。
請求項5の発明は、上記請求項4のオープンペール缶用ラグ天板2Aにおいて、局所的凸部5は、内外二重のビード24,25に対して凹凸関係が逆になるように設定されてなる構成としている。
請求項6の発明は、上記請求項4又は5のオープンペール缶用ラグ天板において、天板上面に対する内外二重のビード24,25の凹条深さ及び凸条高さ(凹凸量d)が、1.0〜1.2mmに設定されてなる構成としている。
請求項7の発明は、上記請求項4〜6の何れかのオープンペール缶用ラグ天板2Aにおいて、内外二重のビード24,25の内側ビード24が、隣合うアンスタックリブ23の中間に臨む位置ごとに不連続になっている構成としている。
請求項8の発明は、上記請求項7のオープンペール缶用ラグ天板2Aにおいて、内側ビード24の各不連続部24aに臨んで、内外両ビード24,25の中間部26から外側ビード25にわたって上面側を0.3〜0.5mmの範囲で低くする局所的低位部6が形成されてなる構成としている。
請求項9の発明は、上記請求項1〜8の何れかのオープンペール缶用ラグ天板2Aにおいて、厚さ0.4〜0.6mmの鋼板製で、ラグ爪22の数が21個である構成としている。
以下に、本発明の効果について図面の参照符号を付して説明する。まず、請求項1の発明に係るオープンペール缶用ラグ天板2Aでは、各アンスタックリブ23位置を通る半径線r上の天板周辺寄りの位置に、それぞれ上面側又は下面側へ膨出する局所的凸部5が形成され、これら局所的凸部5が構造的に変形しにくい剛性部として天板周辺側で環状に並んで配置することから、これを缶本体1に装着したオープンペール缶の水圧試験の際、内部水圧の増大に伴って天板主面部2aの中央側全体つまり局所的凸部5の並びよりも内側領域が偏りなく膨らむように変形すると共に、その膨出部の裾から天板周縁へ向けて放射状の皺が周方向に略均等に生じる。従って、水圧の負荷が局部的に集中せずに周方向に分散する上、高剛性の局所的凸部5の存在によって各皺がアンスタックリブ23位置を避ける形で生じるから、構造的に締着強度に劣る該リブ23位置からの封止破壊が抑えられ、もって該水圧試験の合格基準値を充分にクリアできる極めて高い封止強度が得られる。
また、このラグ天板2Aを用いる場合、従来の一般的なラグ天板と同様に、環状隆起部21をパッキン3を介して缶本体1のカール部11に嵌合し、各ラグ爪22を該カール部11の下側へ加締めて折り付けることで缶本体1に対して冠着固定でき、緊締バンドや他の介在部材を用いる必要がないから、これら介在部材の使用によるコスト増を回避できる。しかも、このラグ天板2Aは従来同様に原板から所要形状に打ち抜いてプレス加工するだけで製作できる上、缶本体1との相互の嵌合構造も従前通りでよいから、ラグ天板を含むオープンペール缶の製缶工程における既存設備を殆ど改変せずに利用できる。
請求項2の発明によれば、局所的凸部5の半径線rに直交する方向の幅W2がアンスタックリブ23の同幅W1に対して特定範囲にあることから、前記水圧試験の際、水圧増大に伴って発生する放射状の各皺は、アンスタックリブ23の内側には進入せず、局所的凸部5の両端の何れか一方の外側を通り、該リブ23の一端側のコーナー部23aへ誘導される。しかして、該コーナー部23aは、環状隆起部21の内周壁21aがアンスタックリブ23の膨らみで天板中央側へ曲がる部分であり、形態的に高強度で変形しにくく、そこに至った皺の先端が進行不能になるため、環状隆起部21の変形がより効果的に抑えられ、もって封止強度がより向上する。
請求項3の発明によれば、天板主面部2aに対する局所的凸部5の高さが特定範囲にあるから、ペール缶同士の積み重ねに支障を生じることなく、該局所的凸部5による前記作用効果を充分に発揮させることができる。
請求項4の発明によれば、天板主面部2aの周辺寄りの位置に設けた内外二重のビード24,25間(中間部26)に局所的凸部5が形成され、これら両ビード24,25と環状配置した局所的凸部5とで天板主面部2aの周辺側の強度が増すため、封止性がより向上する。
請求項5の発明によれば、局所的凸部5が内外二重のビード24,25に対して逆の凹凸関係になっているから、天板主面部2aの周辺側がより効果的に強化される。
請求項6の発明によれば、天板上面に対する内外二重のビード24,25の凹条深さ及び凸条高さが特定範囲にあるため、天板主面部2aの周辺側が確実に強化される。
請求項7の発明によれば、内外二重のビード24,25の内側ビード24が隣合うアンスタックリブ23の中間に臨む位置ごとに不連続になっているから、上記水圧試験で天板主面部2aが膨出変形する際、周辺側に隣合う該リブ23,23間で内側ビード24の不連続部24aを最下位とした下向きの反りが生じ易くなり、この反りによって各リブ23の両端のコーナー部23aがより変形しにくくなるため、封止性がより向上する。
請求項8の発明によれば、内側ビード24の各不連続部24aに半径方向rで対応する位置において、内外両ビード24,25の中間部26から外側ビード25にわたって上面側で低くなる局所的低位部6を有するから、上記水圧試験の際に上記の下向きの反りが確実に発生する。
請求項9の発明によれば、ラグ天板2Aが特定厚みの鋼板製であって、3の倍数である21個のラグ爪22を有するから、材料コスト及び重量の増大を避けながら高い封止強度を確保できる。
本発明のオープンペール缶用ラグ天板の実施形態を示す平面図である。 同ラグ天板の半部の側面図である。 第一実施形態の同ラグ天板の周辺側を示し、(a)は図1のa−a線の断面矢視図、(b)は同b−b線の断面矢視図、(c)は同c−c線の断面矢視図である。 第二実施形態の同ラグ天板の周辺側を示し、(a)は図1のa−a線の断面矢視図、(b)は同b−b線の断面矢視図、(c)は同c−c線の断面矢視図である。 同ラグ天板の製作において原板から打ち抜いた状態の半部を示す平面図である。 水圧試験に供したオープンペール缶のラグ天板の膨出変形状態を示し、(a)は本発明構成のラグ天板の写真図、(b)は従来構成のラグ天板の写真図である。 従来の一般的なラグタイプのオープンペール缶を示し、(a)は全体の斜視図、(b)は缶本体とラグ天板との嵌合部の縦断側面図、(b)はアンスタックリブ位置における同嵌合部の縦断側面図である。
以下に、本発明に係るオープンペール缶用ラグ天板の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。なお、図1及び図2は第一実施形態と第二実施形態の両方を表すものとしている。また、これら実施形態において、図7で例示したペールオープン缶のラグ天板2Bと共通する各構成部分には同一符号を附して説明を省略する。
第一及び第二実施形態のラグ天板2Aは、全体が金属板より構成され、図1及び図2で示すように、周縁の環状隆起部21における内周側の複数箇所(図示では7か所)に、天板中央側へ膨出するアンスタックリブ部5が非等間隔で形成されると共に、該周縁の環状隆起部21の外周壁21aには全周にわたって多数(例示は21個)の舌片状のラグ爪22が垂設されている。また、天板主面部2aの周辺側には、周方向に沿う内外二重のビード24,25が、第一実施形態では図3(a)の如く浅い凹条として、第二実施形態では図4(a)の如く低い凸条として形成されると共に、一か所にベロ41付きの注出口4が設けられている。
そして、天板主面部2aにおける内外のビード24,25の中間部26には、各アンスタックリブ23を通る半径線r上に位置して、第一実施形態では図3(b)の如く上面側へ、第二実施形態では図4(b)の如く下面側へ、それぞれ短い弧状に突出した局所的凸部5が形成されている。
また、内外二重のビード24,25のうち、外側ビード25は両端が注出口4の両側に来る形で連続した円弧をなしているが、内側ビード24は隣合うアンスタックリブ23の中間に臨む位置ごとに不連続になっている。しかして、該内側ビード24の各不連続部24aに半径方向で対応する位置において、図3(C)及び図4(c)の如く、両ビード24,25の中間部26から外側ビード25にわたって、それぞれ上面側で僅かに低くなる局所的低位部6が形成されている。
ここで、天板主面部2aに対する局所的凸部5は、高さh(第一実施形態では上方突出量,第二実施形態では下方突出量)を0.8 〜1.2mmの範囲、半径線rに直交する方向の幅W2をアンスタックリブ23の同幅W1に対して0.8〜2倍になるように設定することが推奨される。また、内外の両ビード24,25の凹凸量d(凹条深さ,凸条高さ)は1.0〜1.2mm程度、局所的低位部6の天板上面からの低下量gは0.3〜0.5mm程度が好ましい。一方、ラグ天板2に用いる金属板としては、開封操作性、材料コスト、重量等の面から厚さ0.4〜0.6mm程度の鋼板が推奨される。
上述した第一及び第二実施形態のラグ天板2Aを製作するには、原板からの打ち抜き加工により、図5に示すように注出口下孔40と周辺のラグ爪22及び掛け孔22aを有する打抜きプレートPを作製し、この打抜きプレートPのプレス加工により、アンスタックリブ部5付きの環状隆起部21、内外の両ビード24,25、局所的凸部5、局所的低位部6、注出口4の口金嵌着用凹凸(図示省略)を各々形成したのち、ラグ爪22の先端部22bのカール加工と、注出口4への口金の嵌着及びベロ41の装着を行う。
このようなラグ天板2Aをオープンペール缶の上蓋に使用する場合、従来の一般的なラグ天板2Bと同様に、環状隆起部21をパッキン3を介して缶本体1のカール部11に嵌合し、各ラグ爪22を該カール部11の下側へ加締めて折り付けることで缶本体1に対して冠着固定すればよい(図7参照)。
かくして、本発明のラグ天板2Aを嵌着固定したオープンペール缶では、該ラグ天板2Aにおける天板主面部2aの周辺側に、各アンスタックリブ23位置を通る半径線r上に位置して局所的凸部5が形成され、これら局所的凸部5が構造的に変形しにくい剛性部として環状に並んで配置していることから、既述した危険物運搬容器性能試験基準の水圧試験に供した際、図6(a)で示すように、内部水圧の増大に伴って天板主面部2aの中央側全体が偏りなく膨らむように変形すると共に、その膨出部の裾から天板周縁へ向けて放射状の皺が周方向に略均等に生じる。従って、水圧の負荷が局部的に集中せずに周方向に分散する上、高剛性の局所的凸部5が皺の通過を阻止するバリヤーとなり、発生する各皺がアンスタックリブ23位置を避ける形になるから、構造的に締着強度に劣る該リブ23位置からの封止破壊が抑えられ、もって該水圧試験の合格基準値(100kPa・5分)を充分にクリアできる極めて高い封止強度が得られる。
また、このラグ天板2Aでは、緊締バンドや他の介在部材を用いる必要がないから、これら介在部材の使用によるコスト増を回避できる。しかも、このラグ天板2Aは従来同様に原板から所要形状に打ち抜いてプレス加工するだけで製作できる上、缶本体1との相互の嵌合構造も従前通りでよいから、ラグ天板を含むオープンペール缶の製缶工程における既存設備を殆ど改変せずに利用できる。
なお、局所的凸部5の幅W2を既述のようにアンスタックリブ23の幅W1に対して0.8〜2倍に設定した場合、前記水圧試験の際に発生する各皺は、局所的凸部5の両端の何れか一方の外側を通り、該リブ23の一端側のコーナー部23aへ誘導されることが確認されている。しかして、該コーナー部23aは、環状隆起部21の内周壁21aがアンスタックリブ23の膨らみで天板中央側へ曲がる部分であり、形態的に高強度で変形しにくいため、そこに至った皺の先端がより外側へは進行できなくなる。従って、アンスタックリブ23を外れた位置においても、皺の進入による環状隆起部21の変形が効果的に抑えられ、封止強度がより向上することになる。しかるに、上記幅W2/W1が0.8未満の場合は皺がアンスタックリブ23の内側に入る込むのを確実には防止できず、逆に上記幅W2/W1が2を超える場合は皺が該リブ23のコーナー部23aへ誘導されにくくなり、いずれにおいても封止強度が低下する。
また、実施形態の如く、天板主面部2aに設けた内外二重のビード24,25間に局所的凸部5を形成することで天板周辺側の強度が増し、更に該局所的凸部5と内外二重のビード24,25とを逆の凹凸関係にした場合に天板周辺側がより効果的に強化され、封止性の向上に繋がることが判明している。
一方、実施形態の如く、内外二重のビード24,25のうち、内側ビード24を隣合うアンスタックリブ23の中間に臨む位置ごとに不連続にすることにより、前記水圧試験で天板主面部2aが膨出変形する際、周辺側に隣合う該リブ23,23間で内側ビード24の不連続部24aを最下位とした下向きの反りが生じ易くなる。更に、該内側ビード24の各不連続部24aに臨んで、両ビード24,25の中間部26から外側ビード25にわたって天板上面より0.3〜0.5mm低い局所的低位部6を設ければ、上記の下向きの反りが確実に生じることになる。そして、このような反りによって各リブ23の両端のコーナー部23aに無理な力が加わりにくくなるから、該コーナー部23aの変形が確実に防止されて封止性の向上に繋がる。
天板主面部2aに対する局所的凸部5の高さhを前記の如く0.8〜1.2mmの範囲にすれば、ペール缶同士の積み重ねに支障を生じることなく、その作用効果を充分に発揮させることができる。また、内外の両ビード24,25の凹凸量dを前記の如く1.0〜1.2mm程度とすることで天板周辺側を確実に強化できる。更に、ラグ爪22の枚数については、特に制約されないが、3の倍数である21枚にした場合に、それより多い22枚以上や少ない20枚以下の場合よりも大きな係着強度が得られる点で好ましい。なお、3の倍数で係着強度が大きくなることは理論的に充分には解明されていないが、再現性のよい比較データが得られるので現象的には明らかであり、瓶蓋の王冠でも同様理由でギザギザの数が21になっている。
本発明のオープンペール缶用ラグ天板は、アンスタックリブ23の数と配置構成、抽出口4の有無及び形成位置、天板主面部2aに対する環状隆起部21の高さ、パッキン3の断面形状と材質等、細部構成については実施形態以外に種々設計変更可能である。
〔水圧試験〕
20Lオープンペール缶用ラグ天板として、次の6種(ティンフリースチール製・アンスタックリブ7か所で共通)を用い、それぞれ同一構成の缶本体に対してラグ爪の加締によって嵌着固定し、国連規格の危険物運搬容器性能試験基準(Z級)の水圧試験に供し、水漏れが発生する水圧を計測すると共に、天板の膨出変形状態を調べた。その結果を表1に示す。なお、試験は各天板種について複数のサンプルを用いて行った。
ラグ天板A・・・第一実施形態の構成で、板厚0.5mm、ラグ爪21枚、局所的凸 部の高さh=1.0mm、幅W2/W1=1.0、内外ビードが深さ d=1.0mmの凹条、局所的低位部の低さg=0.4mm。
ラグ天板B・・・図7に示す一般的構成で、板厚0.5mm、ラグ爪16枚、深さ
1.0mmの連続した凹条からなる内外二重のビードあり。
ラグ天板C・・・板厚0.6mmとした以外はラグ天板Bと同じ。
ラグ天板D・・・ラグ爪を21枚とした以外はラグ天板Bと同じ。
ラグ天板E・・・排出口なし、板厚0.4mm、周辺に内外ビードを横切る形で半径 方向のエンボス16本を放射状に設けた以外はラグ天板Bと同じ。
ラグ天板F・・・ラグ爪21枚、周縁深絞り(天板主面部に対する環状隆起部の高さ を通常の10mmから18mmに変更)とした以外はラグ天板Bと同 じ。














上表で示すように、本発明のラグ天板Aを装着したオープンペール缶では、危険物運搬容器性能試験基準における水圧試験の合格基準値を充分に満足する性能が得られるのに対し、従来構成のラグ天板Bやその一部のみを改変したラグ天板C〜Fでは該水圧試験の規定をクリアできないことが判る。
1 缶本体
11 開口縁部
2A ラグ天板
20 パッキン収容溝
21 環状隆起部
21a 外周壁
21b 内周壁
22 ラグ爪
23 アンスタックリブ
24 内側ビード
24a 不連続部
25 外側ビード
26 中間部
3 パッキン
5 局所的凸部
6 局所的低位部
O 天板中心
W1 アンスタックリブの半径線に直交する方向の幅
W2 局所的凸部の半径線に直交する方向の幅
d 内外ビードの凹凸量(凹条深さ,凸条高さ)
g 局所的低位部の低さ
h 天板主面部に対する局所的凸部の高さ
r 半径線

Claims (9)

  1. 金属製オープンペール缶における略縦円筒状の缶本体上にパッキンを介して被せ、周縁に垂設した多数のラグ爪を該缶本体の外向きカールした開口縁部の下側へ折り込むことにより、該缶本体に対して密封状態に固定するラグ天板であって、
    周縁が下面側をパッキン収容溝として缶本体の開口縁部に外嵌する環状隆起部をなし、該環状隆起部の外周側壁に沿って前記ラグ爪が垂設されると共に、該環状隆起部の内周側壁の複数箇所に天板中央側へ膨出したアンスタックリブを有し、
    天板主面部における各アンスタックリブを通る半径線上の天板周辺寄りの位置に、それぞれ上面側又は下面側へ突出する局所的凸部が形成されていることを特徴とするオープンペール缶用ラグ天板。
  2. 前記局所的凸部は、前記半径線に直交する方向の幅がアンスタックリブの同幅に対して0.8〜2倍に設定されてなる請求項1に記載のオープンペール缶用ラグ天板。
  3. 天板主面に対する前記局所的凸部の高さが0.8〜1.2mmに設定されてなる請求項1又は2に記載のオープンペール缶用ラグ天板。
  4. 天板主面部の周辺寄りの位置に、上面側で周方向に沿う浅い凹条又は低い凸条をなす内外二重のビードを有し、その内外ビード間に前記の局所的凸部が形成されてなる請求項1〜3のいずれかに記載のオープンペール缶用ラグ天板。
  5. 前記の局所的凸部は、内外二重のビードに対して凹凸関係が逆になるように設定されてなる請求項4に記載のオープンペール缶用ラグ天板。
  6. 天板上面に対する前記内外二重のビードの凹条深さ及び凸条高さが、1.0〜1.2mmに設定されてなる請求項4又は5に記載のオープンペール缶用ラグ天板。
  7. 前記内外二重のビードの内側ビードが、隣合うアンスタックリブの中間に臨む位置ごとに不連続になっている請求項4〜6の何れかに記載のオープンペール缶用ラグ天板。
  8. 前記内側ビードの各不連続部に臨んで、内外両ビードの中間部から外側ビードにわたって上面側を0.3〜0.5mmの範囲で低くする局所的低位部が形成されてなる請求項7に記載のオープンペール缶用ラグ天板。
  9. 厚さ0.4〜0.6mmの鋼板製で、前記ラグ爪の数が21個である請求項1〜8の何れかに記載のオープンペール缶用ラグ天板。
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