JP4648944B2 - 分子が固定化された基材を製造する方法および基材 - Google Patents

分子が固定化された基材を製造する方法および基材 Download PDF

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Description

本発明は、分子が固定化された基材を製造する方法および基材に関する。
(相互参照)
本願は、共に2004年5月6日出願の米国仮特許出願第60/568767号および同第60/568879号の利益を主張するものであり、また2003年5月28日出願の米国仮特許出願第60/383564号の利益を主張する2004年5月28日出願の米国特許出願第10/447073号の一部係属出願であり、かつ、2001年7月13日出願の米国仮特許出願第60/305369号および2002年3月12日出願の米国仮特許出願第第60/363472号の優先権の利益を主張する2002年7月12日出願の米国特許出願第10/194138号の一部係属出願である。これらをすべて本明細書に援用する。
(発明の背景)
表面修飾は、マイクロアレイの生体分子検出技術においてバックグラウンドおよびスポット形態を制御するための重要な役割を果たす。オリゴヌクレオチドなどの生体分子を固定化するための、異なる種類の市販のシラン類(シリルアミンなど)、アルデヒド類、チオール類等を用いたいくつかの修飾が開発された。反応性シランで表面を被覆した後、次の課題は修飾された表面上に所要の生体分子を固定化することである。この表面への装荷は様々なシランによって常に変化し、同種のシランであったとしても、再現可能な結果を生じない場合がある。表面への装荷はアッセイの性能を決定するため、この分野では最適な表面への装荷の再現性が常に大きな課題であった。固定化のために単純な直鎖状分子を用いる場合であっても、表面上に最適に装荷することは達成が困難である。修飾されたガラス表面にDNAを結合させることは、遺伝子発現解析などのDNA診断産業における多数の用途のための中心的工程である。一般に、DNAは非共有結合、イオン相互作用、または多段階工程もしくは単純なカップリング反応を用いてガラス表面に結合させることが可能である。様々な種類のシリル化剤で修飾したガラス表面を用いたいくつかの方法が文献に報告されている。例えば、非特許文献1〜6を参照されたい。報告されているこれらの方法はすべて、高価な試薬および分析器具を使用するシリル化工程を必要とする。また、これらの方法は大きな労力を要し費用のかかる多段階の工程でもある。例えば、非特許文献7、8を参照されたい。これまでに報告されている方法は煩雑な合成と時間のかかる手順を伴っていた。例えば、非特許文献9、2001年6月28日公開のヒューバーら(Huber et al.)の特許文献1、2001年6月28日公開のヒューバーら(Huber et al.)の特許文献2、および2001年6月28日公開のヒューバーら(Huber et al.)の特許文献3を参照されたい。
実際、現行の固定化方法の多くが多数の不利点のうち1つまたは複数を被っている。これら不利点の一部は、複雑で高価な反応スキームであり、オリゴヌクレオチド装荷の歩留まりが低く、不安定な反応性中間体は副作用を生じ易く、固定化されたオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション動態は好ましいものではない。オリゴヌクレオチドまたは他の分子をガラス表面上にアレイ状に効果的に固定化するには、a)異なるバッチに対しても再現性よく装荷できる単純で信頼性の高い反応、b)安定な反応中間体、c)装荷量が高く、ハイブリダイゼーション速度の速いアレイ、d)高温安定性、e)低コスト、f)5’もしくは3’末端またはヌクレオチド内部での特異的結合、ならびにg)バックグランド・ノイズが低いこと、が必要である。
DNA検出方法における1つの重要な発展は、特定のDNAの存在を示すためにオリゴヌクレオチドで修飾された金ナノ粒子プローブを使用することを伴う。例えば、そのような方法の1つは本明細書にその全体を援用する特許文献4に記載されている。典型的には、検出される核酸と相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドをナノ粒子に結合させる。核酸とのハイブリダイゼーションにより形成されたナノ粒子複合体によって、検出可能な変化が生じ、該変化により標的の核酸の存在が示される。核酸を検出する多くの方法は、本明細書にその全体を援用した特許文献5に記載されたようなアレイ基材を利用する。基材を利用すれば、銀染色法を用いて検出可能な変化を増幅することができ、アッセイの感度が著しく増大する。
捕捉用基材上の標的分析物を検出するために、ナノ粒子で標識したプローブ、特に金ナノ粒子プローブを必要とする場合、試料中の極く少量の標的分析物の検出は、ナノ粒子ベースの検出プローブの基材表面上への非特異的結合に起因する比較的高いバックグラウンドのシグナルによって、複雑になる可能性がある。同様に、比較的低濃度の標的分析物に関連する場合、ナノ粒子で標識された検出プローブが基材表面上に固定化されていないことが、試料中に標的分析物が存在しないことに起因するのか、または基材表面の調製上の不具合に起因するのかを確かめることが望ましいであろう。したがって、ナノ粒子ベースの検出系におけるバックグラウンド・ノイズのレベルを除去または実質的に低減させる基材および製造方法が、非常に望ましいであろう。また、異なるバッチの修飾基材のハイブリダイゼーション効率(故に、品質)を検出するための陽性対照、および異なる大きさのDNA修飾ナノ粒子プローブを用いて表面プラズモン共鳴(SPR)の角度変化技法により標的を検出するための陽性対照などの、基材表面にナノ粒子を直接固定化する方法は、上記の方法を含むいくつかの検出方法において有用であろう。
本発明は、これらの目的を満たすかまたはこれらの目的に近づくことに向けた重要な進展について述べる。
国際公開第01/46214号パンフレット 国際公開第01/46213号パンフレット 国際公開第01/46464号パンフレット 国際出願番号第PCT/US00/17507号 米国特許出願公開第2004/0072231号明細書 Nucleic Acids research、第22巻、p.5456〜5465(1994年) Nucleic Acids research、第24巻、p.3040〜3047(1996年) Nucleic Acids research、第24巻、p.3031〜3039(1996年) Nucleic Acids research、第27巻、p.1970〜1977(1999年) Angew.Chem.Int.Ed、第38巻、第9号、p.1297(1999年) Analytical biochemistry、第280巻、p.143〜150(2000年) Nucleic Acids research、第29巻、p.955〜959(2001年) Nucleic Acids research、第29巻、第13号e69(2001年) Nucleic Acids research、第28巻、第13号E71(2000年)
本発明の目的は、分子が固定化された基材を製造する方法および基材を提供することである。
本発明は、煩雑な合成工程が不要で、表面への装荷密度が高く、かつ再現性がより高く事前の表面修飾が不要な、未修飾のガラス表面またはポリマー基材などの基材表面の上にオリゴヌクレオチドまたはタンパク質などの分子を結合させる方法に関する当該分野における必要性を満たすものである。DNAなどの分子(標識されたものまたは未標識のもの)の3’または5’末端のいずれかを以下に記載のようにシリル化することが可能であり、次いで、この3’または5’シリル化DNAを、ハイブリダイゼーション・アッセイに使用される事前洗浄したガラス表面などの表面に直接共有結合させることができる(スキーム)。さらに、ある種のシリル化試薬を用いることにより現在では、複数の分子を結合させた修飾シリル化試薬を用いることによって表面への装荷密度をさらに増大させることが可能である。さらに、ある種のシリル化試薬を、遊離アミノ基を有するポリマーなどのスペーサー分子および架橋分子と併用すれば、ナノ粒子ベースの検出システムに使用するのに非常に適した基材を製造することが可能である。したがって本発明は、基材上に分子を結合させる新規な方法、係る方法によって製造されたデバイス、および組成物を提供する。該方法は簡素さ、コスト、速さ、安全性および再現性の点で現在の技術にまさる大きな利点を提供する。
したがって、本発明の1実施形態では、標的分析物検出において使用される基材を製造する方法が提供される。該方法は、(a)表面を有する基材を提供する工程と、(b)前記表面を、
Si(NCY)
(R)(R)(R)Si−X−NCY i;
[(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH]−Si(NCY) vi;および
(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH−Si(NCY) iv;
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)
から成る群から選択されるイソシアネート化合物に接触させて、遊離イソシアネート基を含んだ表面を提供する工程と、から成る。
本発明の別の実施形態では、標的分析物の検出に使用される基材を製造する方法が提供される。該方法は、(a)表面を有する基材を提供する工程と、(b)前記表面を、
Si(NCY)
(R)(R)(R)Si−X−NCY i;
[(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH]−Si(NCY) vi;および
(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH−Si(NCY) iv;(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フ
ェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)
から成る群から選択されるイソシアネート化合物に接触させて、遊離イソシアネート基を含んだ表面を提供する工程と、(c)遊離イソシアネート基を含む前記表面をスペーサー分子に接触させて、遊離アミノ基を含む表面を提供する工程と、(d)遊離アミノ基を含む前記表面をリンカー分子に接触させて、反応性遊離基を有する反応性表面を提供する工程と、から成る。
この実施形態の1態様では、工程(c)および(d)は1回または複数回繰り返されてよい。
この実施形態の別の態様では、該方法は、工程(d)の後に、(e)標的分析物に特異的な少なくとも1種類の捕捉プローブに前記反応性表面を接触させて、捕捉プローブが固定化された表面を提供する工程と、(f)捕捉プローブが固定化された前記表面をキャッピング剤に接触させて、表面の、捕捉プローブが固定化されていない領域上に未反応で残存している遊離イソシアネート基をブロッキングし、かつキャッピング剤と接触しない表面に比べてナノ粒子の非特異的結合に起因するバックグラウンド・シグナルが実質的に低い基材を生産する工程とをさらに含む。
本発明のこの実施形態の別の態様では、該方法は、(i)標的分析物に特異的な少なくとも1種類の捕捉プローブに前記反応性表面を接触させて、捕捉プローブが固定化された表面を提供する工程と、(ii)捕捉プローブが固定化された前記表面をキャッピング剤に接触させて、表面の、捕捉プローブが固定化されていない領域上に未反応で残存している遊離イソシアネート基をブロッキングし、かつキャッピング剤と接触しない表面に比べてナノ粒子の非特異的結合に起因するバックグラウンド・シグナルが実質的に低い基材を生産する工程とをさらに含む。
本発明の別の実施形態では、標的分析物の検出において使用される基材を製造する方法が提供される。該方法は、(a)表面を有する基材を提供する工程と、(b)前記表面を、
Si(NCY)
(R)(R)(R)Si−X−NCY i;
[(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH]−Si(NCY) vi;および
(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH−Si(NCY) iv;
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)から成る群から選択されるイソシアネート化合物に接触させて、遊離イソシアネート基を含んだ表面を提供する工程と、(c)遊離イソシアネート基を含む前記表面を水に接触させて、遊離アミノ基を含む表面を提供する工程と、(d)
遊離アミノ基を含む前記表面をリンカー分子に接触させて、反応性遊離基を有する反応性表面を提供する工程と、から成る。
本発明のこの実施形態の1態様では、該方法は、工程(d)の後に、(e)遊離イソシアネート基を含む前記表面をスペーサー分子に接触させて、遊離アミノ基を含む表面を提供する工程と、(f)遊離アミノ基を含む前記表面をリンカー分子に接触させて、反応性遊離基を有する反応性表面を提供する工程とをさらに含む。
本発明の1態様では、工程(e)および(f)は1回または複数回繰り返されてよい。
本発明のこの実施形態の別の態様では、該方法は、(i)標的分析物に特異的な少なくとも1種類の捕捉プローブに前記反応性表面を接触させて、捕捉プローブが固定化された表面を提供する工程と、(ii)捕捉プローブが固定化された前記表面をキャッピング剤に接触させて、表面の、捕捉プローブが固定化されていない領域上に未反応で残存している遊離イソシアネート基をブロッキングし、かつキャッピング剤と接触しない表面に比べてナノ粒子の非特異的結合に起因するバックグラウンド・シグナルが実質的に低い基材を生産する工程とをさらに含む。
本発明のさらに別の実施形態では、標的分析物の検出において使用される基材を製造する方法が提供される。該方法は、(a)表面を有する基材を提供する工程と、(b)前記表面を、
Si(NCY)
(R)(R)(R)Si−X−NCY i;
[(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH]−Si(NCY) vi;および
(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH−Si(NCY) iv;(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)から成る群から選択されるイソシアネート化合物に接触させて、遊離イソシアネート基を含んだ表面を提供する工程と、(c)遊離イソシアネート基を含む前記表面をスペーサー分子に接触させて、遊離アミノ基を含む表面を提供する工程と、(d)遊離アミノ基を含む前記表面をリンカー分子に接触させて、反応性遊離基を有する反応性表面を提供する工程と、(e)標的分析物に特異的な少なくとも1種類の捕捉プローブに前記反応性表面を接触させて、捕捉プローブが固定化された表面を提供する工程と、(f)捕捉プローブが固定化された前記表面をキャッピング剤に接触させて、未反応で残存している遊離イソシアネート基をブロッキングし、かつキャッピング剤と接触しない表面に比べてナノ粒子の非特異的結合に起因するバックグラウンド・シグナルが実質的に低い基材を生産する工程と、から成る。
基材を製造する上記方法のいずれにおいても、イソシアネート化合物は、2−トリメトキシシラン−6−トリイソシアナトシランウレアベンゼン、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート)およびテトライソシアナトシランから成る群から選択され得る。
スペーサー分子は複数の官能基を提供する分子構造を有する任意の物質で有り得る。1実施形態では、該スペーサー分子は、先に表面に結合させた遊離イソシアネート基と反応
し得る少なくとも1つの第1の官能基と;後で別のスペーサー分子または捕捉プローブに結合させることが可能な架橋分子に結合するための少なくとも1つの第2の官能基と;負電荷を提供する少なくとも1つの任意選択の第3の官能基とを含む。第1および第2の官能基はいずれも、イソシアネートなどの反応性官能基と反応し得る任意の適切な求核基である。求核基の例には、−OH、−SH、−NHおよび−NHが挙げられる。任意選択の第3の官能基にはカルボキシレート基が挙げられる。第1および第2の官能基は遊離アミノ基であることが好ましい。
スペーサー分子は多数の異なる種類のポリマー、好ましくは複数の官能基を組み込んだポリマーを含み得る。このような種類のポリマーの代表例には、限定するものではないが、ポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−95、ポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−140、ポリ(アリルアミン)、およびジアミン末端ポリ(m−キシレンジアミン−エピクロロヒドリン、および第0世代PAMAMデンドリマーが挙げられる。ポリマーの種類には、限定するものではないが、糖質類および多糖類が挙げられる。代表例にはネオマイシンがある。他のスペーサー分子には、指定の機能性を提供する低分子量の化合物が含まれる。好適な例としては3,3’−ジアミノベンジジンおよびトリス(2−アミノエチルアミン)が挙げられる。
反応性部分を不活性化する任意の適切なキャッピング剤を使用してよい。キャッピング剤の例には、アミノ酸、タンパク質、糖質、カルボン酸塩、チオール、アルコールおよびアミンが挙げられる。限定するものではないが、代表例にはグリシンがある。
限定するものではないが、イソシアネート化合物の代表例にはフェニレン1,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、トリレン−α,4−ジイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネートが挙げられる。
リンカー分子の非限定的な例には、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート、スベリン酸ジスクシンイミジル、1,6−ジイソシアナトヘキサン、メチレンビス−(4−シクロヘキシルイソシアネート)、グルタルジアルデヒド、メチレン−p−フェニルジイソシアネートおよびクエン酸トリエチルが挙げられる。
任意の適切な基材が上記方法において使用されてよい。該基材はヒドロキシル基、アミノ基およびカルボキシレート基などの、イソシアネート化合物と反応する少なくとも1つの基を含むことが好ましい。
本発明のさらに別の実施形態では、標的分析物の検出に使用される基材が提供される。該基材は上記方法のいずれかによって修飾された表面を備える。
本発明のさらに別の実施形態では、基材は前記捕捉プローブに結合することが可能な遊離アミノ基と、負に帯電したイオン基とから成るポリマー層を有する表面を含む。
本発明の別の態様では、基材表面は、可視光または蛍光を用いて画像化するときに、前記ポリマー層を有していない基材に比べてバックグラウンド・シグナルが実質的に低減されたバックグラウンド・シグナルを生じる。
本発明のまたさらに別の態様では、基材は1.400〜_1.900の屈折率を有する。
本発明の別の実施形態では、標的分析物を検出するキットが提供される。該キットは上記基材および上記方法によって製造された基材のいずれかを含む。
本発明の別の実施形態では、試料中の、少なくとも2つの結合部位を有する1または複
数の標的分析物を検出する方法が提供される。該方法は、(a)本発明の方法のいずれか1つによって製造された基材であって、その表面に少なくとも1種類の捕捉プローブが固定化されており、各種類の捕捉プローブが標的分析物に特異的であることを特徴とする基材を提供する工程と、(b)標的分析物に特異的な検出体プローブとナノ粒子とを含んでなる少なくとも1種類の検出用プローブを提供する工程と、(c)捕捉プローブおよび検出体プローブが特異的標的分析物に結合するのに有効な条件下で、捕捉プローブ、検出用プローブおよび試料を接触させて、基材の表面上に固定化複合体を形成する工程と、(d)基材の表面を洗浄して、結合していないナノ粒子を除去する工程と、(e)前記標的分子の有無の指標としての前記複合体の有無を観察する工程と、から成る。
本発明の別の実施形態では、表面上にナノ粒子を固定化する方法が提供され、該方法は、(a)表面を有する基材と、オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子であって、該オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分がナノ粒子と結合していない末端に遊離アミン基を有することを特徴とするナノ粒子とを提供する工程と、(b)前記ナノ粒子を、式i
(R)(R)(R)Si−X−NCY i
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する薬剤に接触させて、反応性中間体を形成させる工程と、(b)前記反応性中間体を前記表面と接触させて、前記表面上に前記分子を固定化する工程とから成る。
この実施形態の1態様では、表面はガラス表面である。
この実施形態の別の態様では、該表面は反応性中間体と反応する少なくとも1つの基を有する。基の代表例にはヒドロキシル基、アミノ基またはカルボキシレート基が挙げられる。薬剤の非限定的な例には、3−(イソシアナトプロピル)トリエトキシシランまたは3−(イソシアナトプロピル)ジメチルモノエトキシシランが挙げられる。
この実施形態の別の態様では、オリゴヌクレオチドは、チオ酸、アルキルチオールまたはジスルフィド基(例えば、エピアンドロステロンジスルフィド)などの官能性部分を介してナノ粒子と結合され得る。
本発明の別の実施形態では、表面上にナノ粒子を固定化する方法が提供される。該方法は、(a)アミン基と反応する反応性部分を含んだ表面を有する基材と、オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子であって、該オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分がナノ粒子と結合していない末端にアミン基を有することを特徴とするナノ粒子とを提供する工程と、(b)前記ナノ粒子に前記反応性部分を接触させて、前記表面上に前記ナノ粒子を固定化する工程とから成る。
この実施形態の1態様では、表面はガラス表面である。
この実施形態の別の態様では、表面は反応性中間体と反応する少なくとも1つの基を有する。基の代表例にはヒドロキシル基、アミノ基またはカルボキシレート基が挙げられる。薬剤の非限定的な例には3−(イソシアナトプロピル)トリエトキシシランまたは3−(イソシアナトプロピル)ジメチルモノエトキシシランが挙げられる。
別の態様では、オリゴヌクレオチドは、チオ酸、アルキルチオールまたはジスルフィド基(例えば、エピアンドロステロンジスルフィド)などの官能性部分を介してナノ粒子と
結合され得る。
別の態様では、反応性部分はイソシアネート類、無水物類、ハロゲン化アシル類またはアルデヒド類を含む。
本発明の別の実施形態では、修飾基材を製造するためのキットが提供される。該キットは、分子をシリル化するための任意の試薬と、任意の基材、洗浄工程および結合工程を含むアッセイを実行するための緩衝液を含み得る。
本発明の別の実施形態では、表面上に分子を固定化する方法が提供され、該方法は、
(a)前記分子を、式i:
(R)(R)(R)Si−X−NCY i
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する薬剤に接触させて、反応性中間体を形成する工程と、
(b)前記反応性中間体を前記表面と接触させて、前記表面上に前記分子を固定化する工程とから成る。
この実施形態の1態様では、ガラス表面に分子を固定化する方法が提供される。
本発明の別の実施形態では、表面上に分子を固定化する方法が提供され、該方法は、
(a)Si(NCY)(式中、Yは酸素または硫黄を表す)を、式ii:
(R)(R)(R)Si−X−Z ii
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Zはヒドロキシ基またはアミノ基を表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する薬剤に接触させて、第1の反応性中間体を形成する工程と、
(b)第1の反応性中間体を分子に接触させて、第2の反応性中間体を形成する工程と、
(c)前記第2の反応性中間体を前記表面に接触させて、前記表面上に前記分子を固定化する工程と、から成る。該方法により、表面上に分岐状のオリゴヌクレオチドなどの捕捉された分岐状分子の構造体を生成させることが可能となり、これは核酸などの標的分析物の検出を増強するのに有用である。
本発明のこの実施形態の1態様では、ガラス表面上に分子を固定化する方法が提供される。
本発明の別の実施形態では、式iii:
(R)(R)(R)Si−X−NHCYL−M iii
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含
む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Lはリンカー基を表し、Mは分子を表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、式iv:
(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH−Si(NCY) iv
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、式v:
(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH−Si(NHCYL−M)
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Lはリンカー基を表し、Zは酸素またはNHを表し、Mは分子を表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、式vi:
((R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH)−Si(NCY) vi
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、式vii:
((R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH)Si(NHCYL−M)
vii
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Lはリンカー基を表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表し、Mは分子を表す。ただし、
、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する化合物が提供される。
本発明のこれらおよび他の実施形態は以下の詳細な説明から明らかとなろう。
本明細書において引用した特許文献、特許出願明細書および参照文献すべての全容を本明細書に援用する。
本明細書で定義される「分子」という用語は、基材の表面上に固定化され得る、所望の特異的結合メンバーなどの任意の所望の物質を指す。本明細書で定義される「特異的結合メンバー」とは、対応結合対のいずれかのメンバーを意味する。本明細書で定義される「対応結合対」とは、一般にイオンの引力、水素結合、ファンデルワールス力、疎水性相互作用等の非共有結合性相互作用を介して相互に特異的に結合する、任意のリガンドと受容体との組み合わせである。例示的な対応結合対および相互作用は当技術分野では周知であり、例示であって限定するものではないが、抗体またはFabフラグメントとその抗原、ハプテンまたは抗原決定基との間の免疫学的相互作用;タンパク質(例えば、ホルモンまたは酵素)とその受容体(例えば、アビジンまたはストレプトアビジンおよびビオチン)との間の、あるいは糖質とレクチンとの間の生化学的相互作用;例えば金属とキレート剤との間の化学的相互作用;ならびに核酸の相補的な鎖の間の核酸塩基対合;ペプチド核酸類似体であって核酸または他のPNAと対応結合対を形成するものが挙げられる。したがって、分子は、抗原と抗体の特異的結合対、ビオチンとアビジンの結合対、糖質とレクチンの結合対、相補的ヌクレオチド配列、相補的ペプチド配列、エフェクタ分子および受容体分子、酵素補因子および酵素、ならびに酵素阻害剤および酵素から成る群から選択される特異的結合メンバーで有り得る。他の特異的結合メンバーには、限定するものではないが、DNA、RNA、ポリペプチド、抗体、抗原、糖質、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、糖質、ホルモン、ステロイド、ビタミン、薬物、ウイルス、多糖類、脂質、リポ多糖類、糖タンパク質、リポタンパク質、核タンパク質、オリゴヌクレオチド、抗体、免疫グロブリン、アルブミン、ヘモグロビン、凝固因子、ペプチドホルモンおよびタンパク質ホルモン、非ペプチドホルモン、インターロイキン、インターフェロン、サイトカイン、腫瘍特異的抗原決定基を含んだペプチド、細胞、細胞表面分子、微生物、微生物の断片、一部、成分または微生物による産物、有機小分子、核酸およびオリゴヌクレオチド、これらの物質のいずれかの代謝産物、あるいはこれらの物質のいずれかに対する抗体が挙げられる。核酸およびオリゴヌクレオチドは、遺伝子、ウイルスRNAおよびDNA、細菌DNA、真菌DNA、哺乳類DNA、cDNA、mRNA、RNA断片およびDNA断片、オリゴヌクレオチド、合成オリゴヌクレオチド、修飾オリゴヌクレオチド、一本鎖核酸および二本鎖核酸、天然核酸および合成核酸、ならびにアプタマーを含む。抗体およびオリゴヌクレオチドの特異的結合メンバーの調製方法は当技術分野では周知である。分子が基材上に固定化され、標的分析物の捕捉プローブとして働いてもよい。分子はフルオロフォアまたはナノ粒子などの検出標識を含んでもよい。分子(M)は、シリル化剤と結合または反応して基材の表面を修飾するのに有用な反応性シリル化分子を形成することができる、少なくとも1つ以上の求核基、例えば、アミノ基、カルボキシレート基またはヒドロキシル基を有する。これらの求核基は基材の表面上でイソシアネート基および架橋分子などの反応性部分と反応することもできる。これらの求核基は分子上に既存のものであるか、または既知の化学的方法によって導入される。
用語「標識」または「検出標識」とは、光学的手段、電気的手段、光電子的手段、磁気的手段、重力による手段、音響学的手段、酵素的手段あるいは他の物理的または化学的手段によって検出することのできる検出可能なマーカーを指す。
「スペーサー分子」という用語は、複数の官能基を提供する分子構造を有する任意の物
質であり得る。1実施形態では、スペーサー分子は、先に表面に結合させた遊離イソシアネート基と反応し得る少なくとも1つの第1の官能基と、後で別のスペーサー分子または捕捉プローブに結合させることができる架橋分子に結合するための少なくとも1つの第2の官能基と、負電荷を提供する少なくとも1つの任意選択の第3の官能基を含む。第1および第2の官能基はいずれも、イソシアネートなどの反応性官能基と反応し得る任意の適切な求核基である。求核基の例には、−OH、−SH、−NH−およびNHがある。任意選択の第3の官能基にはカルボキシレート基がある。第1および第2の官能基は遊離アミノ基であることが好ましい。スペーサー分子は、基材の表面上のイソシアネート基などの反応性部分またはリンカー分子と結合または反応することができる複数の1種類以上の求核基、例えば、アミノ基、カルボキシレート基またはヒドロキシル基を有する、ポリマー、糖質、抗生物質などの物質に関連し得る。
スペーサー分子には多数の異なる種類のポリマー;好適には複数の官能基を組み入れたポリマーが含まれうる。このような種類のポリマーの代表例には、限定するものではないが、ポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−95、ポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−140、ポリ(アリルアミン)、およびジアミン末端ポリ(m−キシレンジアミン−エピクロロヒドリン、および第0世代PAMAMデンドリマーが挙げられる。ポリマーの種類には、限定するものではないが、糖質および多糖類も挙げられる。代表例にはネオマイシンがある。他のスペーサー分子には指定の機能性を提供する低分子量の化合物がある。好適な例には3,3’−ジアミノベンジジンおよびトリス(2−アミノエチルアミン)が挙げられる。「キャッピング剤」という用語は、捕捉プローブを基材表面上にプリントまたは結合した後に、基材表面の領域上に存在し得る反応性部分を不活性化する物質を指す。捕捉プローブを結合する直前に、遊離アミノ基を有する表面を、一方の官能基が遊離アミノ基と反応する二官能性の架橋分子で処理してもよい。該架橋分子の他方の官能基は、捕捉プローブに直接的または間接的に結合するのに利用することができる。捕捉プローブの結合後に何らかの反応性官能基が残っていることは、これらの基が標的分子または検出標識と反応または結合して相当のバックグラウンド・ノイズを発生させる恐れがあるので、一般に望ましくない。したがって、反応せずに残っている全ての反応性部分は一般に、標的検出のために基材を使用する前に不活性化される。キャッピング剤の例にはアミノ酸、タンパク質、糖質、カルボキシレート、チオール、アルコールおよびアミンが挙げられる。限定するものではないが、代表例にはグリシンがある。
「架橋分子(クロスリンカー分子)」、「リンカー分子」または「リンカー化合物」という用語は、種々の物質の間、またはある物質と基材表面との間の橋または連結体として働く分子を指す。1実施形態では、リンカー分子は、スペーサー分子と基材上の遊離ヒドロキシル基、アミノ基またはカルボキシレート基との間の結合などの少なくとも2つの共有結合を形成することができる。リンカー分子の非限定的な例には、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)、スベリン酸ジスクシンイミジル、1,6−ジイソシアナトヘキサン、メチレンビス−(4−シクロヘキシルイソシアネート)、グルタルジアルデヒド、メチレン−p−フェニルジイソシアネートおよびクエン酸トリエチルが挙げられる。
本明細書において定められるように、「基材」という用語はオリゴヌクレオチドおよび他の分子を固定化するのに適した任意の固体支持体を指し、当技術分野では周知である。これらにはナイロン、ニトロセルロース、活性化アガロース、ジアゾ化セルロース、ラテックス粒子、プラスチック、ポリスチレン、ガラスおよびポリマーで被覆された表面がある。これらの固体支持体は、メンブレン、マイクロタイタープレート、ビーズ、プローブ、ディップスティック、光ファイバ等の多数の形式で使用される。本発明の背景として特に興味深いのは、近年報告された(ラムゼイ(Ramsay)、Nat.Biotechnol.、第16巻:p.40〜44(1998年))DNAマイクロアレイの製造にお
いてガラスおよびナイロンの表面を使用することである。Nature Genetics誌はマイクロアレイの実用性および限界について述べた特別補遺を発行した(Nature Genetics、第21巻第1号:p.1〜60(1999年))。本願にその全体を援用した米国特許第6807352号明細書に記載されたものなどの光学基材も興味深い。典型的には、固体支持体を使用するには、求核基と反応することができる「反応基」を含んだ本発明のシリル化分子と反応させるための、求核基が存在することが必要となる。適切な求核基または求核部分には、ヒドロキシル基、スルフヒドリル基およびアミノ基または本発明のシリル化分子と結合することのできる任意の部分が挙げられる。固体支持体の上に求核基または反応基を導入する化学的手法は当技術分野では周知であり、ナイロン(米国特許第5514785号)、ガラス(ロジャースら(Rodgers et
al.)Anal.Biochem.、23〜30頁(1999年))、アガロース(ハイスミスら(Highsmith et al.)、J.Biotechniques、第12巻:418〜423頁(1992年))およびポリスチレン(ゴシュら(Gosh et al.)Nuc.Acid Res.、第15巻:5353〜5372頁(1987年))を活性化するための手法が含まれる。好適な基材はガラスである。
基材は多孔性または無孔性の表面を有し得る。本明細書に定めるように、用語「多孔性」表面とは該表面が拡散を生じさせること意味する。用語「無孔性」表面とは該表面が拡散を生じさせないことを意味する。
本明細書で用いられる「分析物」または「標的分析物」という用語は、本発明の方法によって製造した基材またはデバイスを用いて試験試料中に定量または検出される物質である。分析物は、天然の特異的結合メンバー(例えば、抗体、ポリペプチド、DNA、RNA、細胞、ウイルス等)が存在するか、または特異的結合メンバーを調製することができる任意の物質であってよく、該分析物はアッセイにおいて1つまたは複数の特異的結合メンバーに結合することができる。
本発明の1実施形態では、基材表面上に分子を固定化する方法が提供され、該方法は、分子を、式i:
(R)(R)(R)Si−X−NCY i
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する薬剤に接触させて反応性中間体を形成する工程と、該反応性中間体を前記表面に接触させて、前記表面上に該分子を固定化する工程とから成る。
実際には、分子を溶液中で薬剤と接触させる。一般には、分子を溶解して溶液とし、この分子溶液に薬剤を液滴として添加する。限定するものではないが、該溶液を調製する際に使用される溶媒の好適な例には、DMF、DMSO、エタノール、およびDMSO/エタノールなどの溶媒混合物が挙げられる。好適な溶媒はエタノールである。水は分子の効果的な修飾に干渉する恐れがあるので、水を反応溶媒から除外することが好ましい。しかし、溶液中の分子の溶解性を高めるために水が必要な場合、水の量は一般に約0.1%〜約1%、通常は1%以下である。
薬剤に対する分子の量は一般に、約1〜約1.5モル等量、典型的には約1〜約1.1モル等量、好適には約1〜約1モル等量の範囲である。反応は任意の適切な温度で実施す
ればよい。一般に、この温度は約0℃〜約40℃、好適には約20℃〜約25℃である。十分な量の分子および薬剤が反応して反応性中間体を形成するまで、この反応をある時間の間攪拌する。該反応性中間体は式iiiによって定められた構造を有する。
この後、反応性中間体を含んだ反応溶液を次いで濃縮し、所望の溶媒に溶解してスポッティング溶液を得、次いで該溶液を基材の表面に塗布する。該反応性中間体をスポッティング溶液として塗布する。スポッティング溶液を調製するために、任意の適切な溶媒を用いることができる。スポッティング溶液の調製に使用するのに適した溶媒の例には、限定するものではないが、DMF、DMSOおよびエタノールのほか、DMF/ピリジンなどの任意の適切な溶媒混合物が挙げられる。任意の適切な濃度のスポッティング溶液を調製することができるが、一般にスポッティング溶液の濃度は約1mMである。スポットを作製するために、任意の適切なスポッティング技術を用いてよい。代表的な技術には、限定するものではないが、手作業によるスポティング、米国特許第5233369号および同第5486855号に記載のものなどのインクジェット技術;米国特許第5567294号および同第5527673号に記載のものなどのアレイ・ピンまたはキャピラリー・チューブ;マイクロスポッティング・ロボット(例えば、カルテシアン社(Cartesian)から市販);チップメーカー(商標)マイクロスポッティング装置(例えば、テレケム・インターナショナル社(TeleChem Interational)から市販)が挙げられる。ArrayIt(登録商標)チップメーカー3スポッティング装置などの、適切なスポッティング装置およびプロトコルが市販されている。該スポッティング技術を用いて、単一のスポットまたは複数のスポットを任意の適切な離散パターンまたはアレイ状に作製することができる。
好適な実施形態では、薬剤はトリエトキシシリルイソシアネートである。好適な分子は核酸である。
本発明の別の実施形態では、基材表面上に分子を固定化する方法が提供され、該方法は、Si(NCY)を、式ii:
(R)(R)(R)Si−X−Z ii
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zはヒドロキシ基またはアミノ基を表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する薬剤に接触させて第1の反応性中間体を形成する工程と、該第1の反応性中間体を分子に接触させて、第2の反応性中間体を形成する工程と、該第2の反応性中間体を前記表面に接触させて、分子を前記表面上に固定化する工程とから成る。
本発明のこの実施形態では、該方法は、分岐状の分子で基材表面を修飾して、基材表面の分子装荷量を増大させる。これらの分岐状の分子はデンドリマー様の挙動をしてアッセイの性能の感度を増強する。実際には、Si(NCO)またはSi(NCS)のいずれかを式iiの化合物と反応させて、式iv:
(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH−Si(NCY) iv;
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選
択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する第1の反応性中間体を形成する。
一般的には、Si(NCO)またはSi(NCS)を上記のような適切な乾燥溶媒に溶解する。実際には、エタノールが好適な溶媒である。得られたエタノール溶液を反応フラスコに入れ、式iiの化合物の溶液を該反応フラスコに加える。この式iiの溶液は上記のような乾燥溶媒のいずれかを含み得る。実際には、エタノールが好適な溶媒である。反応温度は一般に、約0℃〜約40℃、好適には約22℃である。該反応混合物を約1分〜約60分、通常は約5分〜約10分間、完了するまで攪拌する。Si(NCO)またはSi(NCS)の、式iiの化合物に対するモル量は一般に、約3:1〜1:1、好適には1:1である。
この後、分子を第1の反応性中間体に接触させて、式v:
(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH−Si(NHCYL−M)

(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Lはリンカー基を表し、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表し、Mは分子を表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する第2の反応性中間体を形成する。リンカー基Lは、前記分子に元々存在するかまたは化学的に付加された、アミノ基、スルフヒドリル基、ヒドロキシ基、カルボキシレート基または任意の適切な部分などの求核剤であり得る。Lは−NH、−S−、−O−または−OOC−を表し得る。
該分子を溶液中で第1の反応性中間体に接触させる。一般には、該分子を溶媒に溶解し、第1の反応性中間体を入れた反応フラスコに液滴として添加する。一般に、上記のような任意の適切な溶媒中で該分子を混合する。第1の反応性中間体に対する分子のモル量は一般に、約1〜約10、典型的には約1〜約3、好適には約1〜約4である。反応は任意の適切な温度で実施すればよい。一般に、この温度は約0℃〜約40℃、好適には約20℃〜約25℃である。十分な量の分子および第1の反応性中間体が反応して第2の反応性中間体を形成するまで、この反応をある時間の間攪拌する。一般に、過剰な量の分子を用いて第1の反応性中間体と反応させる。実際には、一般に少なくとも3等量の分子と1等量の第1の反応性中間体とを用いる。
この後、次いで第2の反応性中間体を、上記技術を用いて基材の表面上に塗布する。
この発明の別の態様では、Si(NCO)またはSi(NCS)と式iiの化合物との比が約1:2(等量/等量)の場合、式vi:
((R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH)−Si(NCY) vi
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含
む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する第1の反応性中間体が形成される。R、RおよびRがメトキシ基を表し、Xがフェニルを表し、Yが酸素を表し、ZがNH基を表すことが好ましい。
この後、分子を上記の式viの第1の反応性中間体と反応させて、式vii:
((R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH)Si(NHCYL−M)
vii
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Lはリンカー基を表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表し、Mは分子を表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する第2の反応性中間体を生成する。リンカー基Lは、前記分子に元々存在するかまたは化学的に付加された、アミノ基、スルフヒドリル基、ヒドロキシ基、カルボキシレート基または任意の適切な部分などの求核剤であり得る。Lは−NH、−S−、−O−または−OOC−を表し得る。一般に、過剰な量の分子を用いて第1の反応性中間体と反応させる。実際には、一般に少なくとも3等量の分子と1等量の第1の反応性中間体とを用いる。
この後、次いで第2の反応性中間体を、上記技術を用いて基材の表面上に塗布する。
本発明の別の実施形態では、式iii:
(R)(R)(R)Si−X−NHCYL−M iii
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Lはリンカー基を表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Mは分子を表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する化合物が提供される。リンカー基Lは、分子に元々存在するかまたは化学的に付加された、アミノ基、スルフヒドリル基、ヒドロキシ基、カルボキシレート基または任意の適切な部分などの求核剤であり得る。Lは−NH、−S−、−O−または−OOC−を表し得る。好適な実施形態では、R、RおよびRはアルコキシを表し、Lは−NH−を表し、Xはプロピルを表し、YはOを表す。該化合物は基材表面を所望の分子で修飾するのに有用である。
本発明の別の実施形態では、式iv:
(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH−Si(NCY) iv
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する化合物が提供される。好適な実施形態では、R
、RおよびRはエトキシまたはメトキシを表し、Xはベンジルを表し、Yは酸素を表し、ZはNHを表す。該化合物は分子を基材表面に結合させることができるように該分子を修飾するのに有用である。
本発明の別の実施形態では、式v:
(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH−Si(NHCYL−M)

(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Lはリンカー基を表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表し、Mは分子を表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する化合物が提供される。リンカー基Lは、前記分子に元々存在するかまたは化学的に付加された、アミノ基、スルフヒドリル基、ヒドロキシ基、カルボキシレート基または任意の適切な部分などの求核剤であり得る。Lは−NH、−S−、−O−または−OOC−を表し得る。好適な実施形態では、R、RおよびRはエトキシまたはメトキシを表し、Xは3−フェニルまたは4−フェニルを表し、Yは酸素を表し、ZはNHを表す。該化合物は分子を基材表面に結合させることができるように該分子を修飾するのに有用である。
本発明の別の実施形態では、試料中の標的分析物を検出するためのデバイスが提供される。該デバイスは、標的分析物に対する特異的結合メンバーである分子が固定化された表面を含み、該表面は上記方法のいずれかによって調製される。好適な表面はガラス表面である。標的分析物の異なる部分、または複数の異なる種類の標的分析物を検出できるように、該表面に1つまたは複数の異なる特異的結合メンバーがアレイ状に結合していてもよい。
本発明の別の実施形態では、キットが提供される。該キットは、上記シリル化剤のいずれかとともに任意選択の基材が入った1つまたは複数の容器と、指示書一式とを含み得る。
本発明は、ナノ粒子を用いた標的分析物の検出に使用される、種々の表面特性(すなわち、多孔性および非多孔性、不浸透性および浸透性)を有する基材表面(例えば、ガラス、プラスチック、金属)を誘導体化することにも関する。特に、基材は典型的には、遊離ヒドロキシル基、アミノ基またはカルボキシレート基、あるいはこれらの組み合わせが結合した表面を有することになる。次いで該基材表面を、シリルアルコキシ基およびシリルイソシアネート基の両方を有するジシリル化合物に接触させる。このジシリル化合物を接触させるということは、シリルアルコキシ基が優先的に基材の表面に接触して、遊離イソシアネート基を有するアンカー分子が提供されるということである。その後のスペーサー分子の結合は、遊離イソシアネート基に反応させることによって可能となる。
次いで、遊離イソシアネート基を提供している基材表面のアンカー基をスペーサー分子と反応させることが可能である;適切なスペーサー分子を付加すれば、所望の表面特性が得られると同時に、追加のスペーサー分子を結合させるための遊離アミノ基が得られる。適切なスペーサー分子は多数の遊離アミノ基から成るものでよく、一部の遊離アミノ基はアンカー分子が提供する遊離イソシアネート基と反応し、その他の遊離アミノ基は追加のスペーサー分子と結合する表面を提供する。この種の好適なスペーサー分子は3,3’−ジアミノベンジジンである。他の適切なスペーサー分子は一般に、多官能性基、特に、ア
ミノ基のほか負に荷電した部分を提供する官能基から成るとよい。適切なスペーサー分子の例はポリマーである。ポリマーの例には、限定するものではないが、ポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−95、ポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−140、ポリ(アリルアミン)、およびジアミン末端ポリ(m−キシレンジアミン−エピクロロヒドリン、トリス(2−アミノエチルアミン)および第0世代PAMAMデンドリマーが挙げられる。好適なポリマーは、負に荷電した官能基(その一例はカルボン酸)も含んだものである。好適なポリマーの例として、ポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−95およびポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−140がある。他の適切なスペーサーには炭水化物ポリマー、およびネオマイシンなどの抗生物質がある。
別例として、遊離イソシアネート基を提供しているアンカー基を、任意選択でスペーサー分子と結合させずに水と反応させることも可能である。この水との反応は、遊離イソシアネート基が加水分解を受けて遊離アミノ基を生成するということである。次いで、スペーサー分子の結合を記載したように行うことができる。
リンカー分子は、表面上に提供された遊離アミノ基と反応することが可能な官能基を含み、遊離アミノ基が提供される任意の工程において結合させることができる。本発明によれば、リンカー分子は、標的分析物に特異的な捕捉プローブの結合(すなわち、アレイ作製中)に適した官能基(例えば、カルボン酸、エステル基およびイソシアネート類)を提供する。好適なリンカー分子には、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)、スベリン酸ジスクシンイミジル、1,6−ジイソシアナトヘキサン、メチレンビス−(4−シクロヘキシルイソシアネート)、グルタルジアルデヒド、メチレン−p−フェニルジイソシアネートおよびクエン酸トリエチルが挙げられる。
加水分解されたアンカー基に直接リンカー基を結合させることも可能である。追加のスペーサー分子を結合させて、所望の表面特性を有する基材表面を提供することが好ましい。まずジイソシアネート化合物を遊離アミノ基表面に反応させて遊離イソシアネート基を提供することによって、遊離アミノ基を含んだ任意の表面に追加のスペーサー分子を結合させることができる。好適なジイソシアネート化合物には、フェニレン1,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、トリレン−α,4−ジイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネートが挙げられる。次いで、表面上の遊離イソシアネート基と追加のスペーサー分子上の遊離アミノ基との間の反応を介して、追加のスペーサー分子を結合させることができる。結果として本発明に従った表面が得られる任意の数のスペーサー分子を結合させることが意図されるが、好適なスペーサー分子の数は2〜7個である。
リンカー分子を表面に結合させた後、捕捉プローブを結合させるために、基材をアレイ化して表面上の別個の所定領域とする。2種類以上の捕捉プローブを表面に接触させることが可能であり、各種類の捕捉プローブは特定の標的分析物に特異的である。好適な捕捉プローブは核酸である。
本発明の方法の原理上の利点は、多数の種類のアミン結合化合物を3次元的にポリマー層に結合させることが可能であり、従って検出のために表面上で標的のDNAおよびRNA生体分子を最大限ハイブリダイズさせることができることである。この固定化用のアミン分子は基材表面とは直接接触せず、むしろ基材の表面上を被覆するポリマーと接触する。ガラス表面上のこのコポリマー層は、分子鎖全体にわたってアミン基および酸基の両方を含みアミド結合を備えている。いかなる特定の理論によっても拘束されるものではないが、分子鎖中の酸基は表面への金ナノ粒子プローブの非特異的結合を制御するのに役立ち、ひいてはバックグラウンド・ノイズを最小化するので、本発明のコポリマー被覆によって良好な結果が得られると考えられる。実施例1はポリマーで被覆された基材を製造する
一般的なプロトコルを提供する。
任意の適切な基材を本発明において使用することができる。適切な基材には透明な固体表面(例えば、ガラス、石英、プラスチックおよび他のポリマー)、不透明な固体表面、および導電性固体表面がある。基材は任意の形状または厚さであり得るが、一般には、平坦で薄いものである。スライドガラスなどのガラス基材が好ましい。
本発明の1実施形態では、標的分析物の検出に使用される基材を製造する方法が提供される。該方法は、(a)表面を有する基材を提供する工程と、(b)前記表面を、
Si(NCY)
(R)(R)(R)Si−X−NCY i;
[(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH]−Si(NCY) vi;および
(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH−Si(NCY) iv;(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)から成る群から選択されるイソシアネート化合物に接触させて、遊離イソシアネート基を含む表面を提供工程と、から成る。本発明の別の実施形態では、標的分析物の検出に使用される基材を製造する方法が提供される。該方法は、(a)表面を有する基材を提供する工程と、(b)前記表面を、
Si(NCY)
(R)(R)(R)Si−X−NCY i;
[(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH]−Si(NCY) vi;および
(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH−Si(NCY) iv;
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)から成る群から選択されるイソシアネート化合物に接触させて、遊離イソシアネート基を含む表面を提供する工程と、(c)遊離イソシアネート基を含む前記表面をスペーサー分子に接触させて、遊離アミノ基を含む表面を提供する工程と、(d)遊離アミノ基を含む前記表面をリンカー分子に接触させて、反応性遊離基を有する反応性表面を提供する工程と、から成る。
この実施形態の1態様では、工程(c)および(d)は1回または複数回繰り返されてよい。
この実施形態の別の態様では、該方法は工程(d)の後に、(e)標的分析物に特異的な少なくとも1種類の捕捉プローブに前記反応性表面を接触させて、捕捉プローブが固定化された表面を提供する工程と、(f)捕捉プローブが固定化された前記表面をキャッピング剤に接触させて、表面の、捕捉プローブが固定化されていない領域上に未反応で残存
している遊離イソシアネート基をブロッキングし、かつキャッピング剤と接触しない表面に比べてナノ粒子の非特異的結合に起因するバックグラウンド・シグナルが実質的に低い基材を生産する工程とをさらに含む。
本発明のこの実施形態の別の態様では、該方法は、(i)標的分析物に特異的な少なくとも1種類の捕捉プローブに前記反応性表面を接触させて、捕捉プローブが固定化された表面を提供する工程と、(ii)捕捉プローブが固定化された前記表面をキャッピング剤に接触させて、表面の、捕捉プローブが固定化されていない領域上に未反応で残存している遊離イソシアネート基をブロッキングし、かつキャッピング剤と接触しない表面に比べてナノ粒子の非特異的結合に起因するバックグラウンド・シグナルが実質的に低い基材を生産する工程とをさらに含む。
本発明の別の実施形態では、標的分析物の検出において使用される基材を製造する方法が提供される。該方法は、(a)表面を有する基材を提供する工程と、(b)前記表面を、
Si(NCY)
(R)(R)(R)Si−X−NCY i;
[(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH]−Si(NCY) vi;および
(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH−Si(NCY) iv;(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)から成る群から選択されるイソシアネート化合物に接触させて、遊離イソシアネート基を含む表面を提供する工程と、(c)遊離イソシアネート基を含む前記表面を水に接触させて、遊離アミノ基を含む表面を提供する工程と、(d)遊離アミノ基を含む前記表面をリンカー分子に接触させて、反応性遊離基を有する反応性表面を提供する工程と、から成る。
本発明のこの実施形態の1態様では、該方法は工程(d)の後に、(e)遊離イソシアネート基を含む前記表面をスペーサー分子に接触させて、遊離アミノ基を含む表面を提供する工程と、(f)遊離アミノ基を含む前記表面をリンカー分子に接触させて、反応性遊離基を有する反応性表面を提供する工程とをさらに含む。
本発明の1態様では、工程(e)および(f)は1回または複数回繰り返されてよい。
本発明のこの実施形態の別の態様では、該方法は、(i)標的分析物に特異的な少なくとも1種類の捕捉プローブに前記反応性表面を接触させて、捕捉プローブが固定化された表面を提供する工程と、(ii)捕捉プローブが固定化された前記表面をキャッピング剤に接触させて、表面の、捕捉プローブが固定化されていない領域上に未反応で残存している遊離イソシアネート基をブロッキングし、かつキャッピング剤と接触しない表面に比べてナノ粒子の非特異的結合に起因するバックグラウンド・シグナルが実質的に低い基材を生産する工程とをさらに含む。
本発明のさらに別の実施形態では、標的分析物の検出において使用される基材を製造する方法が提供される。該方法は、(a)表面を有する基材を提供する工程と、(b)前記表面を、
Si(NCY)
(R)(R)(R)Si−X−NCY i;
[(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH]−Si(NCY) vi;および
(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH−Si(NCY) iv;(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)から成る群から選択されるイソシアネート化合物に接触させて、遊離イソシアネート基を含む表面を提供する工程と、(c)遊離イソシアネート基を含む前記表面をスペーサー分子に接触させて、遊離アミノ基を含む表面を提供する工程と、(d)遊離アミノ基を含む前記表面をリンカー分子に接触させて、反応性遊離基を有する反応性表面を提供する工程と、(e)標的分析物に特異的な少なくとも1種類の捕捉プローブに前記反応性表面を接触させて、捕捉プローブが固定化された表面を提供する工程と、(f)捕捉プローブが固定化された前記表面をキャッピング剤に接触させて、未反応で残存している遊離イソシアネート基をブロッキングし、かつキャッピング剤と接触しない表面に比べてナノ粒子の非特異的結合に起因するバックグラウンド・シグナルが実質的に低い基材を生産する工程と、から成る。
基材を製造する上記方法のいずれにおいても、イソシアネート化合物は、2−トリメトキシシラン−6−トリイソシアナトシランウレアベンゼン、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート)およびテトライソシアナトシランから成る群から選択され得る。
スペーサー分子は複数の官能基を提供する分子構造を有する任意の物質で有り得る。1実施形態では、スペーサー分子は、表面に先に結合させた遊離イソシアネート基と反応し得る少なくとも1つの第1の官能基と;後で別のスペーサー分子または捕捉プローブに結合させることが可能な架橋分子に結合させるための少なくとも1つの第2の官能基と;負電荷を提供する少なくとも1つの任意選択の第3の官能基とを含む。第1および第2の官能基はいずれも、イソシアネートなどの反応性官能基と反応し得る任意の適切な求核基である。求核基の例には、−OH、−SH、−NH−および−NHが挙げられる。任意選択の第3の官能基にはカルボキシレート基が挙げられる。第1および第2の官能基は遊離アミノ基であることが好ましい。
スペーサー分子は多数の異なる種類のポリマー、好ましくは複数の官能基を組み込んだポリマーを含み得る。これらの種類のポリマーの代表例には、限定するものではないが、ポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−95、ポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−140、ポリ(アリルアミン)、およびジアミン末端ポリ(m−キシレンジアミン−エピクロロヒドリン、および第0世代PAMAMデンドリマーが挙げられる。ポリマーの種類には、限定するものではないが、糖質類および多糖類も挙げられる。代表例にはネオマイシンがある。他のスペーサー分子には、指定の機能性を提供する低分子量の化合物が挙げられる。好適な例としては3,3’−ジアミノベンジジンおよびトリス(2−アミノエチルアミン)が挙げられる。
反応性部分を不活性化する任意の適切なキャッピング剤を使用してよい。キャッピング剤の例にはアミノ酸、タンパク質、糖質、カルボン酸、チオール、アルコールおよびアミ
ンが挙げられる。限定するものではないが、代表例にはグリシンがある。
限定するものではないが、イソシアネート化合物の代表例にはフェニレン1,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、トリレン−α,4−ジイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネートが挙げられる。
リンカー分子の非限定的な例には、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート、スベリン酸ジスクシンイミジル、1,6−ジイソシアナトヘキサン、メチレンビス−(4−シクロヘキシルイソシアネート、グルタルジアルデヒド、メチレン−p−フェニルジイソシアネートおよびクエン酸トリエチルが挙げられる。
任意の適切な基材が上記方法において使用されてよい。基材表面(例えば、ガラス、プラスチック、金属)は、本発明のジシリル化合物と反応する少なくとも1つの基、例えばヒドロキシル基、アミノ基またはカルボキシレート基、あるいはこれらの任意の組み合わせなどを含むことが好ましい。
ナノ粒子を用いる検出方法に適した基材材料には、種々の関連する表面特性が含まれる。したがって、本発明の1態様では、該基材材料は1.400〜1.900の屈折率を有する。本発明の別の態様では、基材材料は、光線透過率、すなわち、光を水平軸に平行に基材材料を通過させるかまたは光を水平軸に垂直に基材材料を通過させることによって、基材の表面に吸収されたり反射されたりせずに基材を通過する光の量、が80%を超える。
本発明のさらに別の態様では、修飾された基材表面は、可視光または蛍光を用いて画像化する際に、前記ポリマー層を有していない基材に対してバックグラウンド・シグナルが実質的に低減されたバックグラウンド・シグナルを生じる。捕捉プローブを結合させる前の該基材表面は、25〜75°の好ましい水接触角を有する。
本発明のさらに別の実施形態では、基材は、負に荷電したイオン基と、前記捕捉プローブを結合することができる遊離イソシアネート基とを含んだポリマー層を有する表面を含んで成る。
本発明のさらに別の実施形態では、標的分析物の検出に用いられる基材が提供される。該基材は上記方法のいずれかによって修飾された表面を含む。
本発明の別の実施形態では、標的分析物を検出するためのキットが提供される。該キットは上記基材および上記方法によって製造された基材のうちいずれかを含む。
本発明の別の実施形態では、試料中の、少なくとも2つの結合部位を有する1つまたは複数の標的分析物を検出する方法が提供される。該方法は、(a)本発明の方法のいずれかによって製造された基材であって、その表面に少なくとも1種類の捕捉プローブが固定化されており、各種類の捕捉プローブが標的分析物に特異的であることを特徴とする基材を提供する工程と、(b)標的分析物に特異的な検出体プローブとナノ粒子とを含んでなる少なくとも1種類の検出用プローブを提供する工程と、(c)捕捉プローブおよび検出体プローブが特異的標的分析物に結合するのに有効な条件下で、捕捉プローブ、検出用プローブおよび試料を接触させて、基材の表面上に固定化複合体を形成する工程と、(d)基材の表面を洗浄して、結合していないナノ粒子を除去する工程と、(e)前記標的分子の有無の指標としての前記複合体の有無を観察する工程と、から成る。
本発明は基材表面上にナノ粒子を固定化する方法にも関する。3’アミン結合オリゴヌクレオチドが合成され得る。該3’アミン結合オリゴヌクレオチドの5’末端を、例えば
スルフィド・リンカーを介してナノ粒子に結合させる。スルフィド基でオリゴヌクレオチドを官能化する方法およびナノ粒子に付着させる方法は、例えば、米国特許出願公開第2003/0143598A1号および同第2002/0155442A1号明細書に記載されており、それらの全体を本明細書に援用する。オリゴヌクレオチドをナノ粒子に結合させるための好適なスルフィド・リンカーはエピアンドロステロン・リンカーである。このオリゴヌクレオチドの3’末端をさらに修飾して3’末端修飾オリゴヌクレオチドを形成し、次いで該3’末端修飾オリゴヌクレオチドをナノ粒子表面と接触させる。修飾オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子を次にアルデヒドで修飾された基材表面に接触させると、結果として基材表面上にナノ粒子が固定化されることになる。
別の実施形態では、本発明の方法は3’シリル官能化オリゴヌクレオチドを合成して3’末端修飾オリゴヌクレオチドを形成する工程を含む。該修飾オリゴヌクレオチドを、オリゴヌクレオチド上のスルフィド・リンカーを介してナノ粒子表面に結合させる。次いで、3’シリル結合オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子を、アルデヒドで修飾された基材表面に接触させると、結果として基材表面上にナノ粒子が固定化されることになる。
本明細書に記載の基材表面上でのナノ粒子の固定化は、いくつかの検出技法において有用である。例えば、本発明の固定化方法は、ガラス表面上で銀増幅試薬を分析するのに有用である。例えば、本発明の方法によってガラス表面上に固定化された金ナノ粒子は、銀による増幅を用いるDNA検出アッセイ法において陽性対照として用いることができる。あるいは、陽性対照としてガラス表面に結合された捕捉DNA鎖にDNAプローブを直接ハイブリダイズさせることが可能である。このハイブリダイゼーション法は修飾されたスライドガラスのバッチごとに変化し、シグナルはハイブリダイゼーション効率に左右される。
また、本発明の方法を用いることによって、基材表面上にナノ粒子を固定化するために捕捉プローブを利用するアッセイにおいて、捕捉プローブをハイブリダイゼーションさせる手順を省略することができる。一般にそのようなアッセイでは、陽性対照はナノ粒子上のオリゴヌクレオチドを基材表面上の相補的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせることによって提供される。ナノ粒子が基材表面上に直接固定化されるので、本発明はこのハイブリダイゼーション工程を排除する。
さらに、本発明によるナノ粒子の直接固定化は、大きさの異なるDNAで修飾されたナノ粒子プローブを用いて表面プラズモン共鳴(SPR)の角度変化技法によりDNA標的を検出するのにも非常に有用である。サンドイッチ形式のアッセイにおいて、DNA標的を、固定化されているナノ粒子に結合した捕捉鎖と、DNA修飾ナノ粒子の検出用プローブとにハイブリダイズさせる場合、SPRの角度変化を、分光分析法を用いて計測することができる。このことは、大きなサイズのDNA結合ナノ粒子プローブが存在する場合にSPR分光分析を用いて標的DNAを検出する方法を提供している。このナノ粒子が結合した捕捉体とナノ粒子が結合したプローブとの方法を用いれば、1塩基多型(SNP)をも検出することが可能である。
本発明では、表面を修飾してアルデヒド基を含む表面を提供することのできる任意の基材を用いることができる。適切な基材には、透明な固体表面(例えば、ガラス、石英、プラスチックおよびその他のポリマー)、不透明な固体表面、および導電性固体表面がある。基材は任意の形状または厚さであってよいが、一般には平坦で薄いものになるであろう。スライドガラスなどのガラス基材が好ましい。
したがって、本発明の1実施形態では、表面上にナノ粒子を固定化する方法が提供され、該方法は、(a)表面を有する基材と、オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子であっ
て、該オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分がナノ粒子と結合していない末端に遊離アミン基を有するナノ粒子とを提供する工程と、(b)前記ナノ粒子を、式i:
(R)(R)(R)Si−X−NCY i
(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)を有する薬剤に接触させて、反応性中間体を形成する工程と、(b)前記反応性中間体を前記表面と接触させて、前記表面上に前記分子を固定化する工程とから成る。
本発明を実施する際に有用なナノ粒子には、金属(例えば、金、銀、銅および白金)、半導体(例えば、CdSe、CdS、およびZnSで被覆されたCdSまたはCdSe)ならびに磁性(例えば、強磁性)コロイド物質が挙げられる。本発明を実施する際に有用な他のナノ粒子には、ZnS、ZnO、TiO、AgI、AgBr、HgI、PbS、PbSe、ZnTe、CdTe、In、InSe、Cd、CdAs、InAsおよびGaAsが挙げられる。ナノ粒子の大きさは約5nm〜約150nm(平均径)であることが好ましく、約5〜約50nmであることがさらに好ましく、約10〜約30nmであることが最も好ましい。該ナノ粒子はロッドであってもよい。本発明に有用な他のナノ粒子には、シリカおよびポリマー(例えば、ラテックス)ナノ粒子がある。
金属ナノ粒子、半導体ナノ粒子および磁性ナノ粒子を製造する方法は、当技術分野では周知である。例えば、シュミット、ゲー.(Schmid,G.)編「Clusters
and Colloids」(VCH,ヴァインハイム(Weinheim)、1994年);ハヤト、エム.エイ.(Hayat,M.A.)編「Colloidal Gold:Principles,Methods,and Applications」(米国サンディエゴ州所在のアカデミック・プレス(Academic Press)、1991年);マサート、アール.(Massart,R.)、IEEE Taransactions On Magnetics、第17巻、p.1247、1981年;アーマディ、ティ.エス.ら(Ahmadi.T.S.et al.)、Science、第272巻、p.1924、1996年;ヘングレイン、エイ(Henglein,A.et al.)ら、J.Phys.Chem.第99巻、p.14129、1995年;カーティス、エイ.シー.ら(Curtis,A.C.et al.)、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.、第27巻、p.1530、1988年を参照のこと。蛍光物質または燐光物質を含浸させたシリカ・ナノ粒子を製造する方法も当技術分野では周知である(タン(Tan)および共同研究者、PNAS、2004年、第101巻、p.15027〜15032を参照されたい)。
ZnS、ZnO、TiO、AgI、AgBr、HgI、PbS、PbSe、ZnTe、CdTe、In、InSe、Cd、CdAs、InAs、およびGaAsのナノ粒子を製造する方法も当分野では周知である。例えば、ウェラー(Weller)、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.、第32巻、p.41、1993年;ヘングレイン(Henglein)、Top.Curr.Chem.、第143巻、p.113、1988年;ヘングレイン(Henglein)、Chem.Rev.、第89巻、p.1861、1989年;ブラス(Brus)、Appl.Phys.A.、第53巻、p.465、1991年;バーンクマン(Bahncmann)、「Photochemical Conversion and Storage of
Solar Energy」、ペリツェッティ(Pelizetti)とスキアヴェロ(Schiavello)編、1991年、p.251;ワン(Wang)とヘロン(Herron)、J.Phys.Chem.、第95巻、p.525、1991年;オルシャフスキーら(Olshavsky et al.)ら、J.Am.Chem.Soc.、第112巻、p.9438、1990年;ウシダら(Ushida et al.)、J.Phys.Chem.、第95巻、p.5382、1992年を参照されたい。
適切なナノ粒子は、例えばテッドペラインインコーポレイティッド社(Ted Pella.Inc.)(金)、アマシャムコーポレイション社(Amersham Corporation)(金)、ナノプローズインコーポレイティッド社(Nanoprobes,Inc.)(金)、およびクオンタムドットインコーポレイティッド社(Quantom Dot Inc.)(CdSe/ZnSなどの半導体コアシェル粒子)から市販もされている。
オリゴヌクレオチドをナノ粒子に結合させるために、ナノ粒子、オリゴヌクレオチド、またはその両方を官能化する。この方法は当分野においては周知である。例えば、アルカンチオールで3’末端または5’末端を官能化したオリゴヌクレオチドは容易に金ナノ粒子に結合する。例えば、ホワイトサイズ(Whitesides)、米国テキサス州ヒューストン(Houston)における「ロバート エイ ウェルチ基金(Robert A. Welch Foundation)第39回ケミカル・リサーチ・ナノフェイズ・ケミストリー(Chemical Research Nanophase Chemistry)会議会報」、p.109〜121、1995年を参照のこと。また、マキックら(Mucic et al.)、Chem.Commun.、p.555〜557、1996年も参照されたい(3’チオールDNAを平坦な金表面に結合させる方法について記載されている。この方法を用いてオリゴヌクレオチドをナノ粒子に結合させることができる)。アルカンチオール法を用いて、オリゴヌクレオチドを他の金属、半導体および磁性コロイド、ならびにその他の上記に列挙したナノ粒子に結合させることもできる。オリゴヌクレオチドを固体表面に結合させるための他の官能基には、ホスホロチオエート基(例えば、オリゴヌクレオチド−ホスホロチオエートの金表面への結合については米国特許第5472881号明細書を参照されたい)、置換アルキルシロキサン(例えば、オリゴヌクレオチドのシリカ表面およびガラス表面への結合についてはバーウェル(Burwell)、Chemical Technology、第4巻、p.370〜377、1974年ならびにマットイッチ(Matteucci)とカルサース(Caruthers)、J.Am.Chem.Soc.、第103巻、p.3185〜3191、1981年を、アミノアルキルシロキサンの結合およびメルカプトアルキルシロキサンの同様の結合についてはグラバーら(Grabar et al.)、Anal.Chem.、第67巻、p.735〜743を参照されたい)が挙げられる。末端が5’チオヌクレオシドまたは3’チオヌクレオシドであるオリゴヌクレオチドを用いてオリゴヌクレオチドを固体表面に結合させてもよい。以下の参照文献には、オリゴヌクレオチドをナノ粒子に結合させるために使用可能なその他の方法が記載されている:ヌッツォら(Nuzzo et
al.)、J.Am.Chem.Soc、第109巻、p.2358、1987年(金上のジスルフィド);アラーラ(Allara)とヌッツォ(Nuzzo)、Langmuir、第1巻、p.45、1985年(アルミニウム上のカルボン酸);アラーラ(Allara)とトンプキンス(Tompkins)、J.Colloid.Interface Sci.、第49巻、p.410〜421、1974年(銅上のカルボン酸);アイラー(Iler)、「The Chemistry of Silica」、第6章、ワイリー(Wiley)社、1979年(シリカ上のカルボン酸);ティモンズ(Timmons)とジスマン(Zisman)、J.Phys.Chem.、第69巻、p.984〜990、1965年(白金上のカルボン酸);ソリアガ(Soriaga)とハッバード(Hubbard)、J.Am.Chem.Soc.、第104巻、p.393
7、1982年(白金上の芳香環化合物);ハッバード(Hubbard)、Acc.Chem.Res.、第13巻、p.177、1980年(白金上のスルホラン、スルホキシドおよびその他の官能化溶媒);ヒックマンら(Hickman et al.)、J.Am.Chem.Soc、第111巻、p.7271、1989年(白金上のイソニトリル);マオズ(Maoz)とサギブ(Sagiv)、Langmuir、第3巻、p.1045、1987年(シリカ上のシラン);マオズ(Maoz)とサギブ(Sagiv)、Langmuir、第3巻、p.1034、1987年(シリカ上のシラン);ヴァッサーマンら(Wasserman et al.)、Langmuir、第5巻、p.1074、1989年(シリカ上のシラン);エルテコーヴァ(Eltekova)とエルテコフ(Eltekov)、Langmuir、第3巻、p.951、1987年(二酸化チタンおよびシリカ上の芳香族カルボン酸、アルデヒド、アルコールおよびメトキシ基);レックら(Lec et al.)、J.Phys.Chem.、第92巻、p.2597、1988年(金属上のリジッドなリン酸)。本明細書にその全体を援用した米国特許第6767702号には、環状ジスルフィドおよびポリチオールを用いてオリゴヌクレオチドをナノ粒子に結合させる方法も記載されている。
この実施形態の1態様では、表面はガラス表面である。
この実施形態の別の態様では、該表面は反応性中間体と反応する少なくとも1つの基を有する。基の代表例にはヒドロキシル基、アミノ基またはカルボキシレート基が挙げられる。薬剤の非限定的な例には、3−(イソシアナトプロピル)トリエトキシシランまたは3−(イソシアナトプロピル)ジメチルモノエトキシシランが挙げられる。
この実施形態の別の態様では、オリゴヌクレオチドはチオ酸、アルキルチオールまたはジスルフィド基(例えば、エピアンドロステロンジスルフィド)などの官能性部分を介してナノ粒子と結合され得る。
本発明の別の実施形態では、表面上にナノ粒子を固定化する方法が提供される。該方法は、(a)アミン基と反応する反応性部分を含んだ表面を有する基材と、オリゴヌクレオチドが結合したナノ粒子であって、該オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分がナノ粒子と結合していない末端にアミン基を有するナノ粒子とを提供する工程と、(b)前記ナノ粒子に前記反応性部分を接触させて、前記表面上に前記ナノ粒子を固定化する工程とから成る。
この実施形態の1態様では、表面はガラス表面である。
この実施形態の別の態様では、表面は反応性中間体と反応する少なくとも1つの基を有する。基の代表例にはヒドロキシル基、アミノ基またはカルボキシレート基が挙げられる。薬剤の非限定的な例には3−(イソシアナトプロピル)トリエトキシシランまたは3−(イソシアナトプロピル)ジメチルモノエトキシシランが挙げられる。
別の態様では、オリゴヌクレオチドはチオ酸、アルキルチオールまたはジスルフィド基(例えば、エピアンドロステロンジスルフィド)などの官能性部分を介してナノ粒子と結合され得る。
別の態様では、反応性部分はイソシアネート類、無水物類、ハロゲン化アシル類またはアルデヒド類を含む。
本発明の別の実施形態では、修飾基材を製造するためのキットが提供される。該キットは分子をシリル化するための任意選択の試薬および任意選択の基材、洗浄工程と結合工程とを含むアッセイを実行するための緩衝液を含み得る。
[実施例]
本発明をさらに以下の実施例によって実証する。該実施例は例示として提供されるものであって、本発明をどのように制限することも意図していない。これらの実施例において、百分率はすべて、固体については重量%、液体については体積%であり、特に注記のない限り、温度はすべて摂氏温度である。
DNAアレイ・チップの製造
この実施例は、シリル化された単一の分子またはシリル化された樹枝状分子の手順により、例えば、3’または5’シリル化DNAなどの分子を、事前洗浄したガラスなどの表面に直接共有結合させるための一般的な手順を提供する。
(a)方法番号1
図1に示すように、事前洗浄したガラス表面に3’−アミノまたは5’−アミノDNA分子を結合させる方法が示されている。DNA合成装置を用いたDNA合成の標準的プロトコルに従って、3’−アミン結合DNAを合成する。固体支持体上で合成された該3’アミン修飾DNAを、スクシニル・リンカーを介して固体支持体に結合させる。合成後、固体支持体に結合しているDNAを、アンモニア水を用いることによって遊離させると、その結果3’末端に遊離アミン基を含んだDNA鎖が生成された。該粗製物を、酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)緩衝液およびアセトニトリルを用いてHPLCで精製した。ジメトキシトリチル(DMT)基は、トリフルオロ酢酸を用いてカラム上で除去した。
精製後、続いて1等量の3’−アミン結合DNAを、1.2等量のトリエトキシシリルイソシアネート(ゲレスト社(GELEST)、米国ペンシルバニア州モリスビル(Morrisville)所在)を用いて室温で1〜3時間、10%DMSOエタノール溶液中で処理した。蒸発後にDNA中に残った微量の水は反応に影響を及ぼさなかった。3時間後、この反応混合物を蒸発乾固させ、アレイヤー(アフィメトリクス社(Affymetrix)、スポッティング用の500ミクロンのピンを備えたGMS417アレイヤー)を用いて事前洗浄したガラス表面上に直接スポッティングした。典型的には、1mMのシリル化DNAを用いてガラス表面をアレイ化し、次いで、該アレイ化基材をチャンバ内に4〜5時間放置した。この後、このスライドガラスをナノピュア水中で10分間インキュベートして結合していないDNAを除去し、エタノールで洗浄し、デシケータで乾燥させた。乾燥後、これらのプレートを、標的DNA試料を用いて試験した。
上記手順によって製造した直鎖シリルオリゴヌクレオチドを用いてガラス表面にスポッティングした予備試験では、DMSOまたはDMF中でスポッティングすることにより意外にもスポットの分枝化または拡散が制御されることが観察された。図2を参照されたい。スポットの形状は鮮明で、個々に離散していた。チャンバの一部に水を入れ、スライドガラスを架台上で水位より上で一晩保管することによって製造したデシケータ・チャンバ内で基材を過剰に水和させると、スライドガラスは過剰に水和する。過剰に水和させたスライドガラス上では、DMSOまたはDMF溶媒を用いても望ましくないスポットの分枝化が観察された。図3を参照されたい。スポッティング用の唯一の溶媒として水を用いた場合、得られるスポットは分岐し、他のスポットにまで拡がった。図4を参照されたい。どのような作用機構の理論にも拘束されるものではないが、水性のスポッティング溶液および/または過剰に水和した基材中の水の存在により、シリルオリゴヌクレオチドの重合が生じるため、所望の分子による表面の修飾が妨害される。このため、DMF、DMSOなどの乾燥した極性非プロトン性溶媒ならびにエタノール、イソプロパノールおよびDMF/ピリジンのような溶媒混合物などの乾燥極性溶媒が、シリル修飾オリゴヌクレオチドをアレイ化するのに適した溶媒であることが認められた。スポッティング溶液中に水(>1%)が存在するか、またはスライドが過剰に水和されると、アレイ化の後にスポットの
分枝化が生じてしまう。結合試験において偽陽性の結果をもたらす恐れがあるので、スポットの分枝化は望ましくない。
(b)方法番号2
図5に示すように、ガラス表面に5’−アミノまたは3’−アミノDNA分子を結合させる方法が示されている。乾燥アセトニトリル中の1等量のシリルアミンに1.2等量のテトライソシアネートを滴加し、該反応混合物を室温で10分間攪拌して化合物3を形成させた。5’−アミンまたは’3’−アミン結合オリゴヌクレオチドを合成し、従来の手順によってアンモニア水を用いて脱保護した。HPLC精製後、遊離の5’−アミンまたは3’−アミンオリゴヌクレオチドを1:10のDMSO/エタノール(体積比)混合物中にて化合物3で処理した。10分後、修飾されたオリゴヌクレオチドを減圧蒸発させ、DMSOまたはDMF媒体中で未修飾のガラス表面上にスポットした。
DNAアレイ・チップを用いた第V因子標的配列の検出
この実施例は、実施例1に記載のように製造したDNAプレートが、核酸標的を検出するためのサンドイッチ・ハイブリダイゼーション・アッセイに有用であることを示す。
(a)金コロイドの調製
金コロイド(直径13nm)は、フレンス(Frens)、Nature Phys.Sci.、第241巻、p.20(1973年)およびグレーバー(Grabar)、Anal.Chem.、第67巻、p.735(1995年)に記載のように、HAuClをクエン酸塩で還元することによって調製した。簡潔に述べれば、すべてのガラス器具を王水(HCl:HNO=3:1)で洗浄し、Nanopure(登録商標)HOで濯ぎ、次いで使用前にオーブンで乾燥した。HAuClおよびクエン酸ナトリウムはアルドリッチケミカルカンパニー社(Aldrich Chemical Company)から購入した。HAuCl水溶液(1mM、500mL)を攪拌しながら還流した。次いで、38.8mMのクエン酸ナトリウム(50mL)を迅速に添加した。該溶液の色が淡黄色から赤紫色に変わり、還流を15分間続けた。室温まで冷却後、この赤色の溶液をミクロンセパレーションズインコーポレイテッド社(Micron Separations Inc.)の1ミクロンフィルタで濾過した。ヒューレット・パッカード(Hewlett Packard)8452Aダイオード・アレイ分光光度計を用いたUV−Vis分光分析および日立(Hitachi)8100透過型電子顕微鏡を用いた透過型電子顕微鏡解析(TEM)によって、Auコロイドを特徴付けした。直径13nmの金粒子は、10〜35ヌクレオチドの範囲の標的およびプローブオリゴヌクレオチド配列により凝集すると、可視的に色が変化する。
(b)オリゴヌクレオチドの合成:
ミリジーン(Milligene)のExpedite(商標)DNA合成装置を用いて、シングル・カラム・モードでホスホロアミダイト法によって、1マイクロモルのスケールでオリゴヌクレオチドを合成した。エクスタイン、エフ.(Eckstein,F.)編、「Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach」(IRL Press,オックスフォード(Oxford)、1991年)。溶液はすべてミリジーン社(Milligene)から購入した(DNA合成等級)。平均的な結合効率は98〜99.8%で変化し、最後のジメトキシトリチル(DMT)保護基は、合成装置上で、オリゴヌクレオチドから切断して最終的なエピアンドロステロン結合を行った。捕捉鎖は手順に基づいてDMTを用いて合成し、HPLC系で精製した。
(c)オリゴヌクレオチドの精製
トーソー・バイオセップ(Tosoh Biosep)のAmberchrom(登録商標)MD−G CG−300Sカラム(10×118mm、粒径35μm)を装備したアジレント(Agilent)1100シリーズのシステムにより、0.03MのEtNHOAc緩衝液(TEAA)(pH7)を用いて95%CHCN/5%TEAAの1%/分の勾配で逆相HPLCを実施した。流速は1mL/分、260nmでのUV検出とした。結合した最終DMTをそのHPLCカラム上で1〜3%トリフルオロ酢酸およびTEAA緩衝液を用いて脱保護した。DMTが切断されたオリゴヌクレオチドを含んだ緩衝液を収集および蒸発させた後、ほぼ蒸発乾燥させた。オリゴヌクレオチドの量を260nmの吸光度によって決定し、逆相HPLCによって最終的な純度を評価した。
同じプロトコルをエピアンドロステロン結合オリゴヌクレオチドについて使用してプローブを製造したが、DMTの除去は必要としなかった10
(d)オリゴヌクレオチドの金ナノ粒子への付着
実施例に使用したプローブ:(3’−act tta aca ata g−a20−Epi−5’および3’−t taa cac tcg c−a20−Epi−5’)(配列番号1)を以下のように結合させた。これらのプローブはM13標的配列の検出用に設計されたものである。
金コロイド(15nM)の1mL水溶液を過剰な(3.68:M)5’エピアンドロステロン結合オリゴヌクレオチド(塩基長33および31)水溶液と混合し、該混合物を室温で12〜24時間放置した。次いで、0.1Mのリン酸水素ナトリウム緩衝液(pH7.0)100μLおよび1.0MのNaCl 100μLを予め混合してから添加した。10分後、10μLの1%NaN水溶液を添加し、該混合物をさらに20時間放置し、塩濃度を0.3まで上昇させた。0.3M NaClとして4時間放置した後、再度1MのNaClまで上昇させてさらに16時間放置した。この「熟成(エイジング)」工程は、エピジスルフィド結合オリゴヌクレオチドによる表面被覆率を増大させ、金表面からオリゴヌクレオチド塩基を引き離すために設計した。40時間のインキュベーション後にドライアイス槽で溶液を凍結させ、その後室温で解凍したところ、その後のアッセイでは幾分きれいで、より輪郭のはっきりした赤色のスポットが得られた。いずれにせよ、次に、エッペンドルフ(Eppendorf)の遠心分離装置5414を用いて溶液を14,000rpmで約15分間遠心分離すると、金コロイド7〜10%(520nmにおける吸光度によって示される)とともにオリゴヌクレオチドの大半(260nmにおける吸光度によって示される)を含んだ薄いピンク色の上清と、チューブの底の緻密で暗色のゼラチン状の残渣とが生じた。この上清を取り除き、残渣を約200μLの緩衝液(10mMのリン酸,0.1MのNaCl)に再懸濁させ、再度遠心分離した。上清溶液を除去した後、残渣を1.0mLの緩衝液(10mMのリン酸,0.1MのNaCl)および10μLの1%NaN水溶液内に入れた。溶液をピペットで数回吸い上げたり、吐き出したりして溶解を容易にした。得られた赤色のマスター溶液は、室温で数ヶ月間放置しても、シリカ薄層クロマトグラフィー(TLC)プレート上にスポットしても、2M NaCl、10mM MgCl、または高濃度のサケ精子DNA含有溶液を添加しても、安定であった(すなわち、赤色のままで、凝集しなかった)。
実施例2〜5については、上記のようにして、17nM(150μL)のAuコロイド水溶液を用いて様々な第V因子プローブセットを調製し、3.75μM(46μL)の5’−エピアンドロステロン−a20−tattcctcgcc(配列番号2)と混合し、1mLのエッペンドルフ(Eppendorf)製キャップ付きバイアル中で室温にて24時間放置した。第2のコロイド溶液を3.75μM(46μL)の5’−エピアンドロステロン−a20−attccttgcct−3’(配列番号3)と反応させた。これらのオリゴヌクレオチドは非相補的であることに留意されたい。残渣を上記と同じ手順で溶解し、得られた溶液を後で使用するためにガラス瓶に保存した。
(e)ハイブリダイゼーション条件
ストック緩衝溶液:ハイブリダイゼーション緩衝液用に、以下のストック溶液を用いた:3.0 NaCl、0.3Mのクエン酸ナトリウム、10mMのMgCl、4.0mMのNaHPOおよび0.005%SDS。
0.5%のTweenを添加することによってストック緩衝液から希釈した緩衝液(0.78MのNaCl、70mMのクエン酸ナトリウム、2.64mMのMgCl、1.1mMのリン酸ナトリウム,0.01%)を用いて、ハイブリダイゼーション・アッセイを実施した。典型的な実験手順では、標的およびプローブを該ハイブリダイゼーション緩衝液と混合し、95℃で5分間混合物を加熱した。室温まで冷却後、分割したもの(アリコート)をガラス基材上に移し、ハイブリダイゼーションのために湿潤チャンバ内に入れた(各プローブは異なる融点を有しているため、異なる温度条件にて種々のアッセイを行った)。ハイブリダイゼーション後、2つの異なる洗浄緩衝液でプレートを洗浄し、遠心して乾燥させた。乾燥したプレートを銀増幅溶液(銀A+銀B)(米国ミズーリ州セントルイス(St.Louis)63178所在のシグマ社(SIGMA)から市販の銀増幅キット、カタログ番号:S5020およびS5145)で処理し、本明細書にその全体を援用したいずれも2002年8月2日出願の米国特許出願第10/210959号およびPCT/US02/24604号(ナノスフェアー インコーポレイテッド社(Nanosphere,Inc.)が譲受人)に記載のデータ収集用の画像化システムを用いて、増幅処理したプレートからデータを収集した。
(f)使用した標的配列
この第V因子の標的配列を検出用に実施例2〜6において使用した。プローブが捕捉鎖の試験プレートを直接標的とするように実施例1においてはM13プローブを用いたが、ここでは標的の検出を実施しなかった。しかし、実施例2〜5から、第V因子プローブおよびM13プローブの存在下で第V因子の標的検出を行った。ここでは、M13プローブは対照の役割を果たすものとした。プレート番号5では、1つのプレート上で第V因子の野生型およびミスマッチの検出など異なる組み合わせのアッセイを実施した。プレート番号6の各ウェルは、使用した標的およびプローブにより明確に規定された。
第V因子野生型の配列:
5’gacatcgcctctgggctaataggactacttctaatctgtaagagcagatccctggacaggcaaggaatacaggtattttgtccttgaagtaacctttcag3’(配列番号4)
プローブ配列:
プローブFV(13D):5’−epi−a20−tattcctcgcc3’(配列番号5)
プローブFV(26D):5’−epi−a20−attccttgcct3’(配列番号6)
第V因子標的検出用の捕捉鎖:
5’−tcc tga tga aga tta gac att ctc gtc−NH−CO−NH−Si−(OEt)−3’(配列番号7)
ストック緩衝溶液:ハイブリダイゼーション緩衝液については、次のストック溶液を用いた:3.0 NaCl、0.3Mのクエン酸ナトリウム、10mMのMgCl、4.0mMのNaHP0および0.005%SDS。
DNAアレイ・チップを用いたM13標的配列の検出
この実施例では、プローブが捕捉鎖を直接標的とするようにして、検出アッセイを実施
した。実施例1(方法番号1)に記載のようにプレート番号1〜3を製造した。プレート2および3では、プローブ(図6)は捕捉鎖に45分以内に明確にハイブリダイズした。捕捉鎖にハイブリダイズした金コロイドナノ粒子は銀増幅前でもはっきりと見えた。プレート1(図6)では、特異性を示すための異なるプローブを使用してアッセイを進めた。銀染色後、シグナルは銀増幅の後でもガラス表面上には見られなかった。この実験は本発明に従って製造されたDNAチップの特異性を証明した。
M13捕捉配列:
5’−tga aat tgt tat c−NH−CO−NH−Si−(OEt)−3’(配列番号8)
プレート番号2〜3で使用したプローブ:
3’−act tta aca ata g−a20−Epi−5’(配列番号9)。
プレート番号1では、配列特異性の試験のために、捕捉鎖に非相補的な検出プローブ3’−t taa cac tcg c−a20−Epi−5’(配列番号10)を用いた(シグナルなし)。このことにより、捕捉鎖配列およびプローブの両方の特異性がはっきり示された。いずれの場合も、希釈した緩衝液条件において6nMプローブを用いた。典型的な実験手順では、30μlの希釈した緩衝液(1.3MのNaCl、130mMのクエン酸ナトリウム、4.38mMのMgCl、1.82mMリン酸ナトリウム、0.003%SDS)および20μlのプローブ(10nM)でアレイ化したガラス・チップ上を浸し、室温で1.5時間ハイブリダイズさせた。プローブの終濃度は4nMであり、緩衝液の濃度は0.78MのNaCl、70mMのクエン酸ナトリウム、2.64mMのMgCl、1.1mMのリン酸ナトリウム、0.002%SDSであった。この後、チップを0.75Mの塩化ナトリウム、75mMクエン酸および0.05%Tweenの緩衝液で洗浄し、0.5Mの硝酸ナトリウム緩衝液で再度洗浄した。次いで、プレートを銀増幅溶液の銀A+銀B(1mL+1mL=計2mL)で4分間処理し、ナノピュア(登録商標)水で洗浄した。最終的に、該プレートを画像化システムに曝露して、上記のようにデータを収集した。
DNAアレイ・チップを用いた第V因子標的配列の検出
この実施例では、シリル化した2種類の異なる捕捉鎖を直接プレート上にスポットし、検出した。実施例1に記載のように該プレートを製造した(方法番号1)。真中の列には常に、上下の列に他の捕捉鎖がある陽性対照の捕捉鎖があるものとした。ここでは、野生型、変異型およびヘテロ接合の試料を検出に用いた。上記アッセイ条件を用いて、すべての試料について適切な場所にシグナルが見出された。図7を参照されたい。
a)陽性対照の捕捉配列:
5’−tga aat tgt tat c−NH−CO−NH−Si−(OEt)−3’(配列番号10)
陽性対照について使用したプローブ:
3’−act tta aca ata g−a20−Epi−5’(配列番号11)
b)標的の検出に用いたプローブ:
プローブFV13D(野生型標的用のプローブ):5’−Epi−a20−tattcctcgcc3’(配列番号12)
プローブFV26D(変異型標的用のプローブ):5’−Epi−a20−attccttgcct3’(配列番号13)
第V因子標的検出用の捕捉鎖配列:
5’−tcc tga tga aga tta gac att ctc gtc−NH−CO−NH−Si−(OEt)−3’
野生型第V因子の標的配列:
5’gacatcgcctctgggctaataggactacttctaatctgtaagagcagatccctggacaggcaaggaatacaggtattttgtccttgaagtaacctttcag3’(配列番号13)
変異型第V因子の標的配列:
gtaggactacttctaatctgtaagagcagatccctggacaggtaaggaatacaggtattttgtccttgaagtaacctttcag−3’(配列番号14)。
ヘテロ接合型:50%が野生型および50%が変異型の標的
ウェル1:ヘテロ接合型− プローブ26Dを使用。
ウェル2:ヘテロ接合型− プローブ13Dを使用。
ウェル3:対照− プローブ26Dを使用。陽性対照のみが現れるはずである。
ウェル4:対照− プローブ13Dを使用。陽性対照のみが現れるはずである。
ウェル5:変異型標的− 変異型プローブ26D+陽性対照プローブを使用。
ウェル6:変異型標的− 野生型プローブ13D+陽性対照を使用。
ウェル7:ヘテロ接合型− プローブ26Dを使用。
ウェル8:ヘテロ接合型− プローブ13Dを使用。
ウェル9:野生型標的− 変異型プローブ26Dを使用。
ウェル10:野生型標的− 野生型プローブ13Dを使用。
DNAアレイ・プレートを用いたMTHFR標的配列の検出
この実施例では、MTHFRの100merの合成標的と208塩基対のPCR産物(10nM〜50nM)を検出アッセイに用いた。実施例1(方法番号1)に記載のようにプレートを製造した。M13標的およびMTHFRの18merプローブを用いて片方のウェルを対照として用いたところ、銀シグナルの増幅後でも銀の痕跡すら見られなかった。プレート番号1(図8)に示すように、融点を超えるとハイブリダイズしないことを示すために70℃で実験を行った(MTHFR標的および18merプローブ)。この結果から、プローブには特異性があり、高温ではプローブはシリルオリゴを結合させた基材に非特異的に結合していないことがわかる。
100merの合成標的:
5’−aag cac ttg aag gag aag gtg tct gcg gga gcc gat ttc atc atc acg cag ctt ttc ttt gag gct gac aca ttc ttc cgc ttt gtg aag gca tgc acc ga−3’(配列番号14)
3枚のプレートすべてに使用した18merのプローブ配列:
3’−ctg tgt aag aag gcg ttt−A20−Epi−5’(配列番号15)
PCR産物:208塩基対
実験条件:
典型的な実験手順(プレート番号2)では、30μlの希釈した緩衝液(1.3MのNaCl、130mMのクエン酸ナトリウム、4.38mMのMgCl、1.82mMのリン酸ナトリウム、0.003%SDS)に、10μlの18merプローブ(10nM)および2μlの100merの合成標的(10μM)、8μlの水を混合し、アレイ化したガラス・チップ上を浸し、室温にて1.5時間ハイブリダイズさせた。プローブの終濃度は2nM、標的濃度は400pM、緩衝液の濃度は0.78MのNaCl、70mMのクエン酸ナトリウム、2.64mMのMgCl、1.1mMのリン酸ナトリウム、0.01%となった。この後、0.75Mの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸、0.05%Tweenの緩衝液で洗浄し、次いで0.5Mの硝酸ナトリウム緩衝液で再度洗浄した。このプレートを、銀A+銀B(1mL+1mL=計2mL)(米国ミズーリ州セントルイス63178所在のシグマ社から市販されている銀増幅キット、カタログ番号:S5020およびS5145)で4分間処理し、ナノピュア水で洗浄した。最終的に、プレートを画像システムに曝して上記のようにデータを収集した。プレート番号2を用いた実施例3では、ウェル番号:21、4、5、8は対照であり、対照はM13の合成標的およびMTHFRの18merプローブ(5’−tat gct tcc ggc tcg tat gtt gtg tgg aat tgt gag cgg ata aca att tca−3’)(配列番号17)から成るものとした。
先に述べたように、プレート番号1を用いた実験(図8)は70℃で行われ、融点を超えると、プローブである18merプローブは捕捉プローブに結合しないことが示された。
同じ実験手順に従い、同じプローブを用いて、プレート番号3(図8)を生成した。10μl(2nm〜10nM)のMTHFRのPCR産物を標的として用いた。プレート番号3のウェル2、3、6および7は、第V因子の99merの変異型標的およびMTHFRの18merプローブを用いた対照である。
第V因子の99merの変異型第V因子標的は、以下の配列:
5’gtaggactacttctaatctgtaagagcagatccctggacaggtaaggaatacaggtattttgtccttgaagtaacctttcag−3’)(配列番号18)
を有するものとした。
DNAアレイ・プレートを用いた第V因子標的配列の検出
この実施例および以下の実施例7では、同一の捕捉鎖をプレート上にアレイ化した。この実験の目的は、同じオリゴマーをスライド上の異なる場所にスポッティングしたときの、銀増幅後のスポットの強度の差を見出すことにあった。スライド上の2つの第V因子4Gオリゴマー捕捉鎖の中間に陽性対照をスポッティングした。この結果を図9に示す。
第V因子標的検出用の捕捉鎖配列は、
5’tcc tga tga aga tta gac att ctc gtc−NH
−CO−NH−Si−(OEt)−3’(配列番号19)
であった。
スポッティングした陽性対照の捕捉鎖(M13)は:
5’tga aat tgt tat c−NH−CO−NH−Si−(OEt)−3’(配列番号20)
であった。
使用した標的配列は、野生型第V因子の99塩基対の一本鎖DNAであり、以下の配列:
gtaggactacttctaatctgtaagagcagatccctggacaggcaaggaatacaggtattttgtccttgaagtaacctttcag−3’)(配列番号21)
を有していた。
変異型の第V因子標的は、以下の配列:
gtaggactacttctaatctgtaagagcagatccctggacaggtaaggaatacaggtattttgtccttgaagtaacctttcag−3’)(配列番号22)
を有し、使用したプローブは、以下の配列:
プローブFV13D:5’−Epi−a20−tattcctcgcc3’(配列番号23)
プローブFV26D:5’−Epi−a20−attccttgcct3’(配列番号24)
を有していた。
第V因子標的検出用の捕捉鎖配列:
5’−tcc tga tga aga tta gac att ctc gtc−NH−CO−NH−Si−(OEt)−3’(配列番号25)
陽性対照配列は:
5’−tga aat tgt tat c−NH−3’(配列番号26)
であり、陽性対照について用いたプローブは:
3’−act tta aca ata g−a20−Epi−5’(配列番号27)
であった。
典型的な実験手順では、25μlの希釈した緩衝液(1.3MのNaCl、130mMのクエン酸ナトリウム、4.38mMのMgCl、1.82mMのリン酸ナトリウム、0.003%SDS)に、10μlのプローブ(10nM)および10μlのPCR標的(15〜50nM)および5μlの陽性対照プローブ(10nM)を混合し、アレイ化したガラス・チップ上を満たし、室温で1.5時間ハイブリダイズさせた。プローブの終濃度は2nM、緩衝液の濃度は0.78MのNaCl、70mMのクエン酸ナトリウム、2.64mMのMgCl、1.1mMのリン酸ナトリウム、0.01%)とし、次いで、該プレートを0.75の塩化ナトリウム、75mMのクエン酸および0.05%Tween緩衝液で洗浄し、次いで0.5Mの硝酸ナトリウム緩衝液で再度洗浄した。該プレートを銀A+銀B(1mL+1mL=計2mL)で4分間処理し、ナノピュア水で洗浄した。最後に、プレートを上記画像化システムに曝露してデータを収集した。プローブの選択性を示すために、陽性対照プローブおよび標的反応プローブの両方を混合してアッセイを行った。ウェルは以下のように特定した:
ウェル1、6、8および9は、陽性対照プローブのみを標的および緩衝液とともに有する。
ウェル2、5は、陽性対照プローブおよび標的プローブを標的および緩衝液とともに有した。
ウェル4、7および10は、標的プローブのみを標的および緩衝液とともに有し、ここには陽性対照のプローブおよび標的は存在しなかった。
ウェル3には、いかなる標的も陽性対照プローブもなかったが、標的プローブおよび緩衝液を有していた。
これらの結果(図9)から、プローブは標的検出に特異性を有し、標的が存在しない場合には非特異的なバックグラウンド・ノイズは認められなかったことがわかる。
第V因子の標的配列の検出
この実施例では、捕捉鎖のパターンはすべて実施例6に記載のものと同じである。また、実施例6に記載したのと同じ実験条件および濃度を用い、52℃でアッセイを実施した。野生型および変異型の標的は実施例6で提供されている。結果を図10に示す。ウェルは以下のように特定した:
ウェル1:実施例4に示した同じ緩衝液条件において捕捉鎖を直接探査する陽性対照プローブ。
ウェル2:第V因子プローブ5’−Epi−a20−attccttgcct−3’(26D)(配列番号27)および第V因子の99塩基対変異型標的、陽性対照プローブならびに緩衝液。
ウェル3:第V因子プローブ5’−Epi−a20−attccttgcct−3’(26D)(配列番号28)および第V因子の99塩基対変異型標的およびハイブリダイゼーション緩衝液。
ウェル4:プローブ13Dおよび第V因子の変異型PCR標的、陽性対照ならびにハイブリダイゼーション緩衝液。
ウェル5:プローブ13Dおよび第V因子の変異型PCR標的、ならびにハイブリダイゼーション緩衝液。
ウェル6:対照(MTHFR標的およびプローブ13Dならびにハイブリダイゼーション緩衝液)。
ウェル7:野生型の第V因子標的、プローブ(26D)、陽性対照プローブおよびハイブリダイゼーション緩衝液。
ウェル8:野生型の第V因子標的およびプローブ(26D)、ならびにハイブリダイゼーション緩衝液。
ウェル9:野生型の第V因子標的、プローブ13(D)、陽性対照プローブおよびハイブリダイゼーション緩衝液。
ウェル10:野生型の第V因子標的、プローブ13(D)、およびハイブリダイゼーション緩衝液。
プローブFV13D:5’−Epi−a20−tattcctcgcc−3’(配列番号29)
プローブFV26D:5’−Epi−a20−attccttgcct−3’(配列番号30)
これらの結果(図10)から、プローブは標的と特異的に反応し、プローブを異なる標
的と混合してもプローブと標的との間に交差ハイブリダイゼーションは観察されなかったことがわかる。
ポリマー被覆基材を製造するためのプロトコル
ポリマー被覆基材を製造し、該ポリマー被覆表面上にアミン修飾DNAをプリントするための標準プロトコルは次の通りである。
アミン修飾DNAを、標準的プロトコルを用いて遺伝子合成装置で合成し、HPLCで精製する。GMS Affymatrix(登録商標)アレイヤーを利用して、pH8.5の300mMリン酸緩衝液を用いてオリゴヌクレオチドをプリントした。図11は標的分析物を検出するための基材を製造する代表的な方法を示す略図であり、該方法は基材をイソシアネート化合物(2−トリメトキシシラン−6−(トリイソシアナトシランウレア)ベンゼン)で修飾してイソシアネート基を有する表面を形成する工程と、イソシネート基を有する該表面を複数のアミノ基を有するスペーサー分子(ポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−95)に接触させて遊離アミノ基を有する表面を形成する工程と、遊離アミノ基を有する該表面をリンカー分子(EGS)に接触させて反応性部分を有する表面を形成する工程とを伴う。得られた表面を用いて核酸分子などの捕捉プローブを結合させることができる。
使用した材料:
スライドガラス:
Gold seal(登録商標)製品、カタログ番号:3011
フィッシャーサイエンティフィック社(Fisher Scientific)、カタログ番号:12−544−1
シラン:
3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート、シグマアルドリッチ社(Sigma−Aldrich)、カタログ番号:41336−4
m−アミノフェニルトリメトキシシラン、ゲレスト社(Gelest)、カタログ番号:SIA0599.0
テトライソシアナトシラン、ゲレスト社、カタログ番号:SIT125.0
ポリマー:
ポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−140、シグマアルドリッチ社、カタログ番号:191043
ポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−90、シグマアルドリッチ社、カタログ番号:191019
ネオマイシン、シグマアルドリッチ社、カタログ番号:N1142
ポリ(アリルアミン)、シグマアルドリッチ社、カタログ番号:479144
ポリ(m−キシリレンジアミン−エピクロロヒドリン)、ジアミン末端、シグマアルドリッチ社、カタログ番号:456888
トリス(2−アミノメチルアミン)、シグマアルドリッチ社、カタログ番号:22563−0
第7世代Panamデンドリマー、シグマアルドリッチ社、カタログ番号:53672−5
リンカー:
エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)EGS、ピアース社(Pierce)、カタログ番号:21565
スベリン酸スクシンイミジル、(DSS)、ピアース社、カタログ番号:21555
1,6ジイソシアナトヘキサン、シグマアルドリッチ社、カタログ番号:D124
70−2
グルタル酸ジアルデヒド、シグマアルドリッチ社、カタログ番号:34085−5
スライドガラスの洗浄:
すべてのスライドガラスを最初にNaOH(5%水溶液)に室温で30分間浸漬し、水で洗浄してpH7にした。次いで、これらを5%HClに室温で30分間浸漬し、再度水で1回洗浄した。最後に、スライドガラスを5%HCl中の3%Hで室温にて3時間処理し、(pH7になるまで)水で3回洗浄し、エチルアルコールで3回洗浄し、遠心して乾燥させた。この後、この空気乾燥させたスライドガラスをオーブンで120℃にて一晩硬化させた。
工程1:2−トリメトキシシラン−6−(トリイソシアナトシランウレア)ベンゼンの合成:
1.96(0.01M)のテトライソシアナトシランおよび2.13g(0.01M)のm−アミノフェニルトリメトキシシランを混合し、室温で20分間攪拌した。200mLのエチルアルコールを該混合物に添加し、室温でさらに60分間攪拌した(図11を参照)。
工程2:シラン化:
4.09gの2−トリメトキシシラン−6−(トリイソシアナトシランウレア)ベンゼン(0.01M)(1)のエタノール溶液200mLを用いて、軽く攪拌しながら25枚のスライドガラスを室温で2時間処理した。2時間の反応後、浴槽からスライドガラスを取り出し、エタノールで3回洗浄し、さらに乾燥させることなく次の工程に用いた(図11を参照)。
工程3:ポリマー被覆:
1.5gのポリ(ダイマー酸コポリアミン)−95(2)(米国ミズーリ州セントルイス所在のアルドリッチ・ケミカル(Aldrich Chemicals)から購入)をピリジン/ジクロロメタン混合物(150mL;5:1)に添加し、室温で1.5時間攪拌した。シリル化したスライドガラスをこの溶液に入れ、室温で4.5時間放置した。次いで、以下の順序でスライドガラスを洗浄した(図11を参照)。
・ピリジンで2回(5分間)
・ジクロロメタンで2回(各5分間ずつ)
・エタノールで3回(各5分間ずつ)。
工程4:表面への架橋剤の添加:
EGS架橋剤
a)工程3で製造したスライドガラスを、エチレングリコールビス−スクシンイミジルスクシネート(3−EGS)の20mM溶液(50mlのDMSOに0.456g)を用いて、室温で4時間処理した。次いで、処理したスライドガラスをエタノール:DMSO混合物(9:1)で1回、エタノールで3回洗浄し、乾燥させた。図11は分岐状のシランによる被覆の化学式を示している:分岐状のシランを表面被覆に用いて標的検出の感度を増大させた。実際、この分岐状シランは標的検出の再現性に役立つとともに、感度を上げるのにもある程度役立った。図12は、ガラス表面上のポリマー被覆のモデル画像であり、ポリマーがガラス表面上で角度を為して位置しておりDNAのプリントに最適であることがわかる。
ジイソシアネート架橋剤
b)工程3で製造したスライドガラスを、1,6−ジイソシアナトヘキサン(3−C6)の26mM溶液(100mlのDMSOに0.436g)を用いて、室温で4時間処理した。次いで、処理したスライドガラスをエタノール:DMSO(9:1)混合物で1回
、エタノールで3回洗浄し、乾燥させた。架橋剤を添加後、3’アミン修飾DNAのアレイを形成し、湿潤チャンバ内に12時間放置した。アレイ形成したこのスライドガラスを、アッセイを進める前に洗浄し、乾燥させた。
ポリマーで被覆したスライドガラスおよびデンドリマー修飾スライドガラス上へのCy3オリゴヌクレオチドのスポッティングならびに平均強度の比較
分岐状表面を製造するための表面被覆として種々のポリマーおよびリンカーを評価した。図13は代表的なポリマーおよびリンカーならびに使用順序を示す概略図である。これら全てのポリマーのうちで、ポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−95が金ナノ粒子プローブを用いた標的DNAの検出において良好な結果を生み、かつバックグラウンド・ノイズが最小限の再現可能な結果をもたらした。デンドリマー、トリス(2−アミノメチルアミン)、ポリ(アリルアミン)などのアミンが豊富な化合物で被覆された表面は、金ナノ粒子プローブを用いたとき、ポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−95で被覆された表面に比べて少し高いバックグラウンドを示した。どのような作用理論にも拘束されるものではないが、金ナノ粒子が表面上の未反応のアミンと結合していると考えられる。アミンが豊富なデンドリマー表面上へのCY3標識オリゴヌクレオチドのプリントを用いると、高いバックグラウンドが観察された。
ポリマーによる表面修飾すべてについて、スライドの洗浄および表面修飾など、実施例8に記載の手順に従った。デンドリマー被覆の前に、第2頁の手順を用いてすべてのスライドを洗浄した。該スライドを無水エタノール中の5%3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランで処理し、室温で1時間放置し、エタノールで3回洗浄し、デシケータで減圧乾燥させた。次いで、乾燥したスライドをDMSO中のPanam Starbust(登録商標)G7デンドリマー(終濃度0.15%)で処理し、室温で5時間放置した。この処理したスライドをDMSOおよびエタノールで洗浄し(2回)、デシケータで減圧乾燥させた。最後に、デンドリマーが結合したスライドをDMSO中の100mMのEGSリンカーで6時間架橋し、DMSO、エタノールで逐次洗浄し、デシケータで減圧乾燥させた。一晩デシケータで乾燥後、このスライドをDNAのプリントに用いた。
この実施例では、CY3結合オリゴヌクレオチドをポリマー被覆した表面にプリントし、6時間後に水で洗浄した。蛍光スキャナを用いて、表面に結合したオリゴヌクレオチドからのCY3強度を測定した。この結果を図14に示す。この図は、修飾表面に結合したアミン結合CY3結合オリゴヌクレオチドの平均スポット強度を示している。CY3オリゴヌクレオチドをスポッティングした後の、異なる種類のスライドについて、図15(a)の3Eおよび3Dならびに図16に示した。図15(a)および(b)は、CY3結合オリゴヌクレオチドをスポッティングした後のポリマー被覆スライドを示している。図16は、CY3結合オリゴヌクレオチドをスポッティングした後のデンドリマー修飾スライドを示している。
ポリマー被覆スライド(図15(a)および(b))をデンドリマーのスライド(図16)と比較すると、デンドリマーのスライドは金ナノ粒子を用いるアッセイおよびCY3結合試験に用いた場合に高いバックグラウンド・ノイズを発生した。いかなる作用理論によっても拘束されるものではないが、これは、DNA金プローブのような負に荷電した分子を吸引する正に荷電した環境を生み出している、表面上の過剰なアミン基に起因する可能性があると考えられる。
この実験に使用したプロトコルは次の通りである:
1.オリゴ溶液の調製−FV43H+Cy3(75ナノモル+60ピコモル)
2.カルテシアン(Cartesian)のアレイヤーを用いて、スライド1枚あたり計
960スポットをスポッティングした。
3.該スライドをチャンバ内で18時間水和させた。
4.次いで、該スライドを乾燥させ、走査し、また洗浄・走査し、解析した。
5.次の量のDNA:
a.FV43H=GGCGAGGAATA−(peg)−NH(75ナノモル)+
b.CY3オリゴ=Cy3−TCATCATCA−(スペーサー18)−NH(60ピコモル)
を用いてオリゴ混合物を調製した。
6.基材全域に溶液を分配し、基材を水和させてオリゴ混合物を基材に結合させた。
7.次いで、基材を乾燥させ、0.2%SDS、MilliQ(登録商標)水で順に洗浄した。
8.次いで、GenePix(登録商標)4100Aスキャナを用いて400PMT、40μmの分解能で基材を走査した。
9.走査した画像を保存し、GenePix(登録商標)Pro4ソフトウェアを用いてグリッド表示した。
10.データを収集し、MS(登録商標)Excelで整理した。
11.シグナル強度がより高いことは、存在しているCy3タグが多い、故に結合能力が高いことと合致する。
このアッセイ結果は、どれだけの量のDNAがハイブリダイズしたか、かつ/または銀染色後のバックグラウンドの制限においてその基材がどれだけ優れているかを示唆するものではない。上記プロトコルに従って製造したすべてのスライドを図15(a)、(b)および図16に示し、それらの強度の比較を図14に示す。この試験は、スライド全体にわたって修飾表面にアミン結合ヌクレオチドを共有結合することができることを示している。
ポリマー被覆基材の評価
この実施例は、本発明のポリマー被覆基材を用いたPCR産物の検出を示す。ナノ粒子系プローブを用いたワンステップ・ハイブリダイゼーション・アッセイを用いた。
PCR産物の検出:スライド1、2および3のPCR増幅した二本鎖(80nM)を検出に用いた。結果を図16(a)〜(c)にそれぞれ示す。
FV99PCR産物
CTGAAAGGTTACTTCAAGGACAAAATACCTGTATTCCTCGCCTGTCCAGGGATCTGCTCTTACAGATTAGAAGTAGTCCTATTAGCCCAGAGGCGATGTC
捕捉体:
野生型第V因子捕捉体:FV43H−5’−GGC GAG GAA TA−(スペーサー18)−NH−3’
変異型第V因子捕捉体:FV44H−5’−AGG CAA GGA AT−(スペーサー18)−NH−3’
陽性対照捕捉体:PHA2H−5’−TGA AAT TGT TAT C−(スペーサー18)−NH−3’
第V因子プローブ:FV45Q−5’Epi−AAA AAA AAA AAA AAA−(スペーサー18)−CT TCT AAT CTG TAA GAG CAG 3’
陽性対照プローブ:PHA1D−5’Epi−AAA AAA AAA AAA AAA AAA AAG ATA ACA ATT TCA−3’。
標準プロトコルによってナノ粒子の装荷を行った。典型的には、5’epi−ジスルフィド(epi=エピアンドロステロン)オリゴヌクレオチドを、クエン酸修飾した金ナノ粒子に装荷し、暗所で室温にて24時間放置した(1mL当たり4μMの修飾オリゴヌクレオチドを装荷)。次いで塩の添加を開始し、6時間かけて0.5Mまで上昇させ、その塩条件で暗所に室温で総計40時間放置した。40時間後、オリゴヌクレオチドが結合した金ナノ粒子を濾過し、プラスチック・チューブを用いて遠心分離した。次いで、該ナノ粒子複合体を水で洗浄し、0.1MのNaCl、10nMのリン酸、0.01%アジドのpH7の緩衝液に再懸濁させた。
スライド1,2および3の実験手順:すべてのスライドを実験直前に0.2%SDSおよび水で洗浄し、室温で遠心により乾燥させた。アッセイ用の一定分量を第V因子プローブおよび陽性対照プローブを用いて調製し、ウェルに入れた。典型的には、35μlのハイブリダイゼーション緩衝液(2×SSC、0.2 Tween)、5μlの水、5μlの標的、10μのコロイドを各ウェルについて混合し、97℃で加熱し、室温で3分間冷却した。次いで、ピペットを用いてスライド上の個々のウェルに一定分量を移した。陽性対照については、プローブと捕捉体とのハイブリダイゼーションであるので、標的の代わりに水を用いた。40℃で120分のハイブリダイゼーションの後、スライドを5MのNaNOで洗浄し、市販の銀増幅溶液を用いて室温で4分間増幅した。次いで、水で2回洗浄し、スライドを遠心により乾燥させた。スライドをVERIGENE(商標)(ナノスフェアー(Nanosphere)画像化システム)で画像化し、この画像をワード・ファイルに転送した。
スライド番号1:キシレンポリマーで被覆したスライドをDNA検出に用いた。該スライドは実施例8に従って製造した。陽性対照にはウェル1および3を用い、野生型標的にはウェル2および4を用いた。図16(a)を参照されたい。
スライド番号2:トリス−(2,アミノエチレン)で被覆したスライド上のPCR二本鎖の検出。該スライドは実施例1に従って製造した。画像に示されるように、このアミンが豊富なスライドは金ナノ粒子プローブによるバックグラウンドを示した。図16(b)を参照されたい。
スライド番号3:ポリマー−95で被覆した表面上の、野生型のPCR二本鎖の検出。該スライドは実施例8に記載のように製造した。ウェル1、4、5、9および10をプローブ対照に用いた。ウェル2、3、7および8を野生型の第V因子標的に用い、ウェル6を+ve対照プローブに用いた。図16(c)を参照されたい。
上記3枚のスライドから、ならびに図16(a)〜(c)に示されるように、コポリマー(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−95スライドはバックグラウンドおよび感度の点で良く機能した。しかし、トリス−(2,アミノエチレン)で被覆したスライド2は、アッセイに金ナノ粒子プローブを用いたところ、高いバックグラウンドを示した。この結果から、アミンが豊富な表面は金ナノ粒子アッセイに直接使用するのには適さず、おそらくブロッキングの必要があることがわかる。
スライド番号4:デンドリマー結合スライド:デンドリマーのスライドおよびポリマー−95で被覆したスライドを、金ナノ粒子を用いて比較した。図16(d)および(e)を参照されたい。デンドリマースライドは、ベンタースら(Benters et al.)、Nucleic Acids Research、第30巻、第2号、e10、p.1〜7(2002年)に記載のように製造した。われわれの実験では、デンドリマースライドはポリマーで被覆されたスライドに比べて高いバックグラウンドを示した。
スライド4の実験手順:両方のスライドを0.2%SDSおよび水で実験直前に洗浄した。洗浄後、すべてのスライドガラスを室温で遠心して乾燥させた。700μlのハイブリダイゼーション緩衝液(2×SSC、0.2 Tween)、100μlの水、200μlのコロイドを混合し、ピペットを用いてスライド上に層化した。40℃で60分間の後、スライドを5MのNaNOで洗浄し、市販の銀増幅溶液を用いて室温で4分間増幅した。銀処理した該スライドを水で2回洗浄し、遠心して乾燥させ、VERIGENE(商標)で画像化した。
スライド番号5:この実験では、PCR標的を異なる濃度に希釈し、ポリマー−95で被覆したスライド上での検出に用いた。図16(f)を参照されたい。
実験手順:修飾スライドを実験直前に0.2%SDSおよび水で洗浄した。洗浄後、すべてのスライドを室温で遠心して乾燥させた。各ウェルに異なる濃度の標的を用いて感度を試験した(それぞれ180nM、1.8nM、180pMおよび18pM)。典型的には、35μlのハイブリダイゼーション緩衝液(2×SSC、0.2 Tween)、5μlの水、5μlの標的、10μlのコロイドを各ウェルについて混合し、97℃で加熱し、室温で3分間冷却した。次いで、ピペットを用いてスライド上の個々のウェルに一定分量を移した。40℃で120分間のハイブリダイゼーション後、スライドを5MのNaNOで洗浄し、室温にて4分間、銀で増幅した。次いで、水で2回洗浄し、スライドを遠心して乾燥させた。スライドをVERIGENE(商標)(ナノスフェアー(Nanosphere)画像化システム)で画像化し、この画像をワード・ファイルに転送した。画像から、ポリ(ダイマー酸コアルキルアミン)−95で被覆したスライドを用いて18pMの標的を検出できることが認められた。
スライド番号6:このスライドは、野生型標的、変異型標的およびヘテロ接合型標的の、ポリマー−95で被覆したスライド上での同時検出を示す。図16(g)を参照されたい。
スライド番号6の実験手順:修飾スライドを実験直前に0.2%SDSおよび水で洗浄した。洗浄後、すべてのスライドを室温で遠心により乾燥させた。野生型標的、変異型標的およびヘテロ接合型標的などの異なる種類の試料を異なるウェルにおいて用いて、特異性を試験した。典型的には、35μlのハイブリダイゼーション緩衝液(2×SSC、0.2 Tween)、5μlの水、5μlの標的、10μlのコロイドを各ウェルについて混合し、97℃で加熱し、次いで室温で3分間冷却した。次に、ピペットを用いてスライド上の個々のウェルに一定分量を移した。陽性対照については、プローブと捕捉体とのハイブリダイゼーションであるので、標的の代わりに水を用いた。40℃で120分間のハイブリダイゼーション後、スライドを5MのNaNOで洗浄し、市販の銀増幅溶液を用いて室温で4分間増幅した。次いで、水で2回洗浄し、スライドを遠心により乾燥させた。スライドをVERIGENE(ナノスフェアー画像化システム)で画像化し、この画像をワード・ファイルに転送した。
スライド番号7:捕捉体とプローブとの直接ハイブリダイゼーション・アッセイを用いて、ポリマー−95で被覆したスライドを市販のCodelink(登録商標)(アマシャムコーポレイション社)と比較した。この実験の結果に基づけば、本発明のポリマー−95で被覆したスライドは、Codelink(登録商標)スライドとほぼ同じ性能を発揮した。図16(h)を参照されたい。
実験手順:この実験では、ポリマーで被覆したスライドをCodelinkスライドと比較するために、陽性対照プローブを直接捕捉鎖にハイブリダイズさせた。35μlのハイブリダイゼーション緩衝液(2×SSC、0.2 Tween)に、15μlの水、5μlのコロイドを混合し、各ウェルに添加した。該スライドを湿潤チャンバ内に1時間放
置し、5MのNaNO溶液で室温にて洗浄し、銀溶液を用いて4分間増幅した。ポリマーで被覆したスライド(a)およびCodelink(b)スライドガラスは共に、ハイブリダイゼーションの点では同様の結果を示した。
陽性対照および第V因子のPCR標的を用いて、1〜7に示したスライド全部を構築した。図16(a)〜(i)に示した結果から、ポリマー−95で被覆した基材は市販のCodelink(登録商標)スライドに匹敵すると結論付けられた。しかしながら、アミンが豊富なポリマーで被覆したスライドは金ナノ粒子を用いるアッセイにおいて、比較的高いバックグラウンドを有していた(スライド2(図16(b))およびスライド4a(図16(d))。結論として、アミンで被覆した表面は金ナノ粒子プローブを用いるアッセイには良好でなく、より良い結果を得るにはブロッキング工程を必要とした。
PCR産物の検出が完了した後、ポリマー−95で被覆したスライドを用いたワンステップ工程のアッセイ形式で、ゲノム標的の第V因子および第II因子の検出を試みた。ゲノム標的を用いたすべての結果を以下に示す。
使用した捕捉体:
FVゲノムWT−5’−TGG ACA GGC GAG GAA TAC AGG TAT−NH−3’
FVゲノムMut−5’−CTG GAC AGG CAA GGA ATA CAG
GTA TT−NH−3’
使用した検出プローブ
FV Epi Pro46−5’epi−CCA CAG AAA ATG ATG CCC AGT GCT TAA CAA GAC CAT ACT ACA GTG A 3’
スライドG1〜G3についての実験手順:修飾スライドを実験直前に0.2%SDSおよび水で洗浄した。洗浄後、すべてのスライドを室温で遠心して乾燥させた。典型的には、35μlのハイブリダイゼーション緩衝液(2×SSC、0.2 Tween)、5μlのホルムアミド、5mlのゲノム標的(4mg/ml)、2mlの塩化マグネシウム(24.5mM)、10mlのコロイドを各ウェルについて混合し、97℃で加熱し、室温で5分間冷却した。対照はすべて、標的DNAの代わりに水を用いて調製した。次いで、ピペットを用いてスライド上の個々のウェルに一定分量を移した。40℃で120分間のハイブリダイゼーション後、スライドを5MのNaNOで洗浄し、市販の銀増幅溶液を用いて室温で4分間増幅した。次いで、処理したスライドを水で2回洗浄し、スライドを遠心して乾燥させた。スライドをVERIGENE(ナノスフェアー画像化システム)で画像化し、この画像をMS(登録商標)ワード・ファイルに転送した。「T」と記された場合、そのウェルでは標的が用いられ、「C」と記された場合は対照が用いられた。
スライドG1:ゲノムDNAの第V因子(5μg/μl試料)の検出であり、計20μgの試料をアッセイに用いた。アッセイを40℃で実施したが、変異型および野生型のいずれのハイブリッドも40℃を超える融点を有するので、変異型および野生型いずれの捕捉体もシグナルを示した。図16(j)を参照されたい。
スライドG2:ゲノムDNAの第V因子(5μg/μl試料)の検出であり、計20μgの試料をアッセイに用いた。アッセイを40℃で実施し、変異型および野生型いずれの捕捉体も40℃で出現した。図16(k)を参照されたい。
スライドG3:2倍希釈したゲノムDNA試料の検出(2.5μg/μl試料)であり、計10μgのゲノムDNAを各ウェルに用いた。図16(L)を参照されたい。
スライドG4:ゲノムDNAの第V因子(5μg/μl試料)の検出であり、計20μ
gの試料をアッセイに用いた。アッセイを47℃および47℃以上で実施した。写真に見られるように、標的が変異型捕捉体に非常に弱く結合した図16(m)の温度を参照されたい。
スライドG4〜G5の実験手順:修飾スライドを実験直前に0.2%SDSおよび水で洗浄した。洗浄後、すべてのスライドを室温で遠心して乾燥させた。典型的には、35μlのハイブリダイゼーション緩衝液(2×SSC、0.2 Tween)、5μlのホルムアミド、5μlの第V因子ゲノム標的(4μg/ml)、2μlの塩化マグネシウム(24.5mM)、10μlのコロイドを各ウェルについて混合し、97℃で加熱し、室温で5分間冷却した。対照はすべて標的DNAの代わりに水を用いて調製した。次いで、ピペットを用いてスライド上の個々のウェルに一定分量を移した。47℃で120分間のハイブリダイゼーション後、スライドを5MのNaNOで洗浄し、市販の銀増幅溶液を用いて室温で4分間増幅した。次いで、水で2回洗浄し、スライドを遠心することによって乾燥させた。スライドをVERIGENE(ナノスフェアー画像化システム)で画像化し、この画像をワード・ファイルに転送した。「T」と記された場合はそのウェルに標的を用い、「C」と記された場合は対照を用いた。ここで、47℃において野生型捕捉体と変異型捕捉体とを区別することができた。
スライドG5:ゲノムDNAの第V因子(5μg/ml試料)の検出であり、計20μgの試料をアッセイに用いた。アッセイを47℃で実施したが、ここでは変異型捕捉体は出現せず、野生型捕捉体はシグナルを示した。図16(n)を参照されたい。
スライドG6:ゲノムDNAの第II因子(5μg/ml試料)の検出であり、計20μgの試料をアッセイに用いた。ゲノムDNAの第II因子(5μg/ml試料)。図16(o)を参照されたい。
スライドG6の実験手順:修飾スライドを実験直前に0.2%SDSおよび水で洗浄した。洗浄後、すべてのスライドを室温で遠心して乾燥させた。典型的には、35μlのハイブリダイゼーション緩衝液(2×SSC、0.2 Tween)、5μlのホルムアミド、5mlのゲノム標的(4μg/μl)、2μlの塩化マグネシウム(24.5mM)、10μlの第II因子コロイドを各ウェルについて混合し、97℃で加熱し、室温で5分間冷却した。次いで、ピペットを用いてスライド上の個々のウェルに一定分量を移した。40℃で120分間のハイブリダイゼーション後、スライドを5MのNaNOで洗浄し、銀を用いて室温で4分間増幅した。次いで、水で2回洗浄し、スライドを遠心することによって乾燥させた。スライドをVERIGENE(ナノスフェアー画像化システム)で画像化し、この画像をワード・ファイルに転送した。「T」と記された場合はそのウェルに標的を用い、「C」と記された場合は対照を用いた。標的DNAの代わりに水を用いてすべての対照を調製した。この結果を図16(j)〜(o)に示した。
結論として、本発明者らは、新しく開発されたコポリマー−95で被覆した表面上で、オリゴヌクレオチド修飾された金ナノ粒子プローブを用いて第V因子のPCR試料およびゲノム試料のいずれの標的の検出も実証した。この表面処理は商業上必要な環境で製造するのに簡単で経済的である。
3’アミン修飾DNAが結合した金ナノ粒子の合成(図17)
グレンリサーチ社(Glen Research)の3’アミン支持体を用いて、expedite(登録商標)遺伝子合成装置で3’アミン結合オリゴヌクレオチドを合成した。合成終了時、脱トリチル化工程を用いずに5’末端エピアンドロステロン(「epi」)ジスルフィドホスホロアミダイトを3’アミンオリゴヌクレオチドに結合させた。合
成完了後、オリゴヌクレオチドが結合した固体支持体を乾燥させ、55℃のアンモニア溶液中に一晩置いた。18時間の脱保護の後、チューブ内への窒素流を用いてアンモニアを溶液からチューブに取り除いた。次いでこれを濾過し、pH7のリン酸緩衝液の条件下で逆相カラムを用いてHPLCで精製した。精製後、3’−アミンおよび5’−エピジスルフィド結合オリゴヌクレオチドをUV−VIS分光分析によって定量した。3’−アミンおよび5’−エピジスルフィドオリゴヌクレオチドをクエン酸修飾金ナノ粒子に装荷し、暗所にて室温で24時間放置した(1mL当たり4μMの修飾オリゴヌクレオチドを装荷)。本明細書にその全体を援用する、J.Am.Chem.Soc.、第120巻、p.1959〜1964;Bioconjugate Chemistry、第11巻、第2号、p.289〜291を参照されたい。次いで、塩の添加を開始し、6時間かけて0.5Mまで上昇させ、その塩条件で暗所にて室温で計40時間放置した。40時間後、3’アミン結合金ナノ粒子を濾過し、プラスチック製チューブを用いて遠心分離した。次いで、該試料を水で洗浄し、0.1MのNaCl、10nMのリン酸、0.01%アジドのpH7の緩衝液に再懸濁させた。得られたDNA修飾金ナノ粒子プローブを0.1MのNaCl、10mMのリン酸および0.01%アジ化ナトリウムのpH7の緩衝液中に保存した。
次いで、これらの3’アミン修飾DNAが結合した金ナノ粒子を、カルテシアン(Cartesian)のアレイヤーを用いて、アルデヒド修飾ガラス表面上に異なる濃度で固定化のためにスポッティングした(実施例13を参照)。スポッティング後、スライドをチャンバ内に8〜12時間置き、水で洗浄し、銀で増幅し、固定化した金ナノ粒子のシグナルの増幅を確かめた(図17)。
3’−シリル結合金ナノ粒子調製物の合成:(図18)
グレンリサーチ社から入手した3’−アミン支持体材料を用いて、expedite(登録商標)遺伝子合成装置で3’−アミン結合ヌクレオチドを合成した。合成の終了時、脱トリチル化工程を用いずに5’末端エピジスルフィドホスホロアミダイトを3’−アミンオリゴヌクレオチドに結合させた。合成完了後、オリゴヌクレオチドが結合した該固体支持体を乾燥させ、55℃のアンモニア溶液中に一晩置いた。18時間の脱保護後、チューブ内への窒素流を用いてアンモニアをすべて溶液から取り除いた。次いでこれを濾過し、pH7のリン酸緩衝液の条件下で逆相カラムを用いてHPLCで精製した。精製後、3’−アミンおよび5’−エピアンドロステロンジスルフィド結合オリゴヌクレオチドをUV分光分析によって定量した。精製した「3’アミン−5’エピアンドロステロン」オリゴヌクレオチドをEtOH/DMSO混合物中の3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランを用いて室温で処理し、3’シリル結合および5’−エピジスルフィドオリゴヌクレオチドを得た。1時間後、該反応混合物を蒸発乾固させた。
3’シリル結合および5’−エピジスルフィドオリゴヌクレオチドをクエン酸修飾金ナノ粒子に装荷し、暗所にて室温で24時間放置した(1mL当たり4μMの修飾オリゴヌクレオチドを装荷)。塩の添加を開始し、6時間かけて0.5Mまで上昇させ、その塩条件で暗所にて室温で計40時間放置した。次いで、該3’アミン結合金ナノ粒子を濾過し、プラスチック製チューブを用いて遠心分離した。次いで、該試料を水で洗浄し、0.1MのNaCl、10nMのリン酸、0.01%アジドのpH7の緩衝液に再懸濁させた。
3’アミン結合金ナノ粒子および3’シリル結合金ナノ粒子をスライドガラス上へプリントする手順
3’シリル結合DNAで修飾された金ナノ粒子および3’−アミンで修飾された金ナノ粒子(DSP)を二成分系の一部としてスライド上にアレイ化した。成分Aには、プロー
ブ保存緩衝液(10mMのリン酸ナトリウム(pH7)中の100mM塩化ナトリウム)中に最終濃度×2のDSPを含めた。成分Bには、2×テレケム(Telechem)のマイクロスポッティングプラス緩衝液(カタログ番号:MSP、テレケム・インターナショナル(TeleChem International))を含めた。アレイ作製に用いたガラス基材のスライドは、ノアブ・バイオディスカバリー(Noab BioDiscoveries)社から入手したノアブ(Noab)ハイドロゲルアルデヒド活性化スライド(カタログ番号UAS0005HA)であった。
カルテシアン(Cartesian)のProSys(商標)4510−8SQアレイヤーを用いて、スライドをアレイ化した。アレイ化処理中の室温は20〜25℃とし、スライドにスポッティング中のアレイヤー内の相対湿度は25%〜40%の相対湿度とした。アレイ化作業が終了して1時間後、スライドを相対湿度85%以上の密封チャンバ内で8〜18時間インキュベートした。該スライドを少なくとも1時間(ただし、24時間未満)減圧乾燥させ、0.2%ドデシル硫酸ナトリウム(DNAse、RNase、プロテアーゼを含まず、0.2μmで濾過したもの)を用いて2分×2回洗浄し、MilliQ水で2分×2回洗浄した。該スライドを遠心分離して乾固させ(約1分)、使用するまでデシケータ(相対湿度<30%)に保存した。
使用した銀増幅処理は次のようなものである。すなわち、増幅前に、シグマ(Sigma)の銀溶液AおよびBを4℃から25℃の水槽に移し、少なくとも20分間平衡化した。等量のシグマAおよびBを混合し、これを用いて2〜7分間、シグナルを増幅した。5%酢酸を添加してこの反応を止め、酢酸で濯ぎ(3回)、最後にスライドをMilliQ水で濯いだ(4回)。スライドを45秒間遠心して乾燥させ、ArrayWorx(登録商標)Eバイオチップ・リーダーで走査した。
ArrayWorxの走査設定は、チャネル:4、曝露時間:0.2秒、感度:ハイ・ダイナミック・レンジ、解像度:13.0080umとした(図19および20))。図19では、各調製物について3.5nMで始まる4種の希釈液をスポッティングした。トリエトキシ体(「トリエトキシ」)は一層大きなシグナルおよび用量反応を生じているように思われる。キャリー・オーバーは観察されなかった。右側のスポットを分析し、データとして示す。左側のスポットは分析しなかった。
図20では、「0.8M」はプローブが0.8Mの塩条件で装荷されたことを意味し、「0.5M」はプローブが0.5Mの塩条件で装荷されたことを意味する。トリエトキシ(TriEthoxy)はトリエトキシシリル結合金ナノ粒子を意味し、モノエトキシ(monoethoxy)はジメチルモノエトキシシリル結合金ナノ粒子を意味する。上記は8枚のスライドからの全データの平均を示す。(シグナル中の)スライド毎のばらつきが非常に大きいので、エラーバーを示していない。しかし、同じ傾向は観察された。全ての条件において用量反応が観察されたが、トリエトキシ体が有意に高いシグナルを有していた。
別の基材の製造および評価
この実施例では、いくつかの別の基材を製造および評価した。使用した試薬および条件を以下に記載する。
スライドガラス(1a)の洗浄:
スライドガラスを、周囲温度の4種の別個の溶液に浸漬することによって洗浄および調製した後、各々の洗浄の後に水で3回濯いだ。まず、スライドを5%(重量/容量)の水酸化ナトリウム水溶液に30分間入れた。次いで、該スライドを5%(容量/容量)の塩
酸溶液で30分間洗浄し、続いて3%過酸化水素:5%(容量/容量)塩酸溶液(H:HCl)で30分間洗浄した。水で濯いだ後、該スライドをエタノールで3回濯ぎ、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させた。空気乾燥させた後、該スライドを120℃のオーブンに一晩入れた。
プラスチック製スライド(1b)の洗浄:
プラスチック製スライドを、周囲温度の4種の別個の溶液に浸漬することによって洗浄および調製した後、各洗浄の後に水で3回濯いだ。まず、該スライドをエタノール溶液で30分間洗浄し、続いて5%(重量/容量)の重炭酸ナトリウム水溶液中で30分間洗浄した。次いで、該スライドを5%(容量/容量)の塩酸溶液で30分間洗浄し、続いて3%過酸化水素:5%(容量/容量)塩酸溶液(H:HCl)で30分間洗浄した。水で濯いだ後、該スライドをエタノールで3回濯ぎ、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させた。空気乾燥させた後、該スライドをデシケータに入れた。プラスチックは、ポリカーボネート(Lexan(登録商標)、Plexiglass(登録商標))、ポリフェノール(Backlite(登録商標))、および多環式ノルボルネンである。
2−トリメトキシシラン−6−(トリイソシアナトシランウレア)ベンゼン(4)の調製:
テトライソシアナトシラン(2)(6.6692g、0.034モル)およびm−アミノフェニルトリメトキシシラン(3)(7.2954g、0.0342モル)を混合し、室温で20分間攪拌した。該溶液に乾燥エタノール(850mL)を添加し、室温でさらに45分間攪拌して(4)を得た。(4)を溶液のままにしておき、スライドに添加した。
(4)を用いたスライドガラス(5a)のシラン化:
0.04Mの(4){(2−トリメトキシシラン−6−トリイソシアナトシランウレア)ベンゼン}250mLを用いて、軽く掻き混ぜながらスライドガラス(25)を周囲温度で2時間処理した。次いで、該スライドガラスを取り出し、エタノールで3回洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、(5a)を得た。該基材(5a)をデシケータでさらに一晩減圧乾燥させた。
(4)を用いたプラスチック製スライド(5b)のシラン化:
0.04Mの(4){(2−トリメトキシシラン−6−トリイソシアナトシランウレア)ベンゼン}300mLをそれぞれ用いて、2個の容器に入れたプラスチック製スライド(65)を、軽く掻き混ぜながら周囲温度で2時間処理した。次いで、該スライドを取り出し、エタノールで3回洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、(5b)を得た。該基材(5b)をデシケータでさらに一晩減圧乾燥させた。
5a(ガラス)および5b(プラスチック)をジアミノベンジジン(DAB)と反応させて6a(ガラス)および6b(プラスチック)を製造する工程:
3,3’−ジアミノベンジジンテトラヒドロクロリド二水和物(8.9g,0.0225モル)およびトリエチルアミン(11.84g、0.117モル)(TEA)を834mLのエタノールに添加し、室温で1時間攪拌し、濾過した。25枚のシリル化スライドガラスを周囲温度の250mLのDAB溶液に3時間入れ、次いでエタノールで5分間にわたって3回洗浄し、続いてスライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、6aを製造した。2つの容器中の65枚のプラスチック製スライドを各々300mLおよび250mLのジアミノベンジジン(DAB)溶液で周囲条件にて3時間処理した。該プラスチック製スライドをエタノール(3回)で5分間各々洗浄し、続いてスライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、6bを得た。
5b(プラスチック)を水:エタノールと反応させて6c(プラスチック)を製造する工程:
スライド(5b)を、130mLの水/エタノール混合物(1:1)を用いて、軽く掻き混ぜながら周囲温度で2時間処理した。該スライドを取り出し、エタノール(2×100mL)で洗浄し、周囲温度にてデシケータで減圧乾燥させて6cを得た。
6a(ガラス)および6b(プラスチック)の残存イソシアネート基をグリシンでキャッピングして7a(ガラス)および7b(プラスチック)を製造する工程:
グリシン(6.38g、0.085モル)を850mLの水に添加し、周囲温度で15分間攪拌して0.1Mグリシン溶液を作製した。25枚のスライドガラス(6a)およびプラスチック製スライド(6b)を、周囲温度の前記0.1Mグリシン溶液中に、軽く掻き混ぜながら2時間置いた。該スライドを水(2回)で5分間洗浄し、続いてエタノール(3回)で各々5分間洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、7a(ガラス)および7b(プラスチック)を得た。
7a(ガラス)および7b(プラスチック)をトリレン−2,6−ジイソシアネートと反応させて8a(ガラス)および8b(プラスチック)を製造する工程:
0.2624g(0.00146モル)のトリレン−2,6−ジイソシアネートに、850mLの乾燥ヘキサンを添加し、周囲条件下で15分間攪拌した。24枚のスライドガラス(7a)を250mLのトリレンジイソシアネート溶液中に入れ、64枚のプラスチック製スライド(7b)はそれぞれ300mLおよび250mLの2つの別個の容器中で、周囲温度で4時間放置した。該スライドをヘキサン(3回)で洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、8a(ガラス)および8b(プラスチック)を得た。注意:類似の工程においては、トリレン−2,6−ジイソシアネートを1,4−フェニレンジイソシアネートに代えた。
7a(ガラス)を1,4−フェニレンジイソシアネートと反応させて8c(ガラス)を製造する工程:
1,4−フェニレンジイソシアネート(0.095g、0.000594M)を250mLのジメチルホルムアミド(DMF)(0.0024mol/L溶液)に添加し、室温で15分間攪拌した。該ジイソシアネート溶液に25枚のスライドガラス(7a)を入れ、室温で3時間放置した。終了後、スライドをDMFで1回、エタノール(各5分ずつ)洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、8cを得た。
8a(ガラス)をポリ(ダイマー酸コポリアミン)−95(P95)と反応させて9a(ガラス)を製造する工程:
ポリ(ダイマー酸コポリアミン)−95(3.0g)を、225mLのピリジンおよび35mLのジクロロメタンの混合物に添加し、周囲温度で1.5時間攪拌した。周囲温度で軽く掻き混ぜながら24枚のスライドガラス(8a)をポリマー溶液で4時間処理した。次いで、該スライドをピリジンで5分間(2×250mL)、ジクロロメタンで5分間(1×250mL)、エタノールで5分間(1×250mL)、ジイソプロピルエチルアミン:エタノール:水の溶液(5:127:127mL比)で2時間、その後エタノールで5分間(3×250mL)洗浄した。スライドをスライド遠心分離器で遠心して乾燥させ、9aを得た。
8b(プラスチック)を3,3’−ジアミノベンジジンテトラヒドロクロリド二水和物(DAB)と反応させて9b(プラスチック)を製造する工程:
3,3’−ジアミノベンジジンテトラヒドロクロリド二水和物(1.07g、0.0027モル)およびトリエチルアミン(TEA)(1.4207g、0.014モル)を270mLのエタノールに添加し、周囲温度で1時間攪拌し、濾過した。15枚のプラスチ
ック製スライド(8b)を溶液に入れ、軽く掻き混ぜながら温度で4時間放置した。次いで、該スライドをエタノールで3回(各5分ずつ)洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、9bを得た。
8b(プラスチック)を第0世代PAMAMデンドリマーと反応させて9c(プラスチック)を製造する工程:
PAMAM(0.58mL)の20%メタノール溶液を150mLのエタノールに添加し、周囲温度で30分間攪拌した。5枚のスライドをこの溶液に入れ、軽く掻き混ぜながら4時間処理した。次いで、スライドをエタノールで3回(各5分ずつ)洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、9cを得た。
8b(プラスチック)をポリ(m−キシリレンジアミン−エピクロロヒドリン)、ジアミン末端(PoXyl)と反応させて9d(プラスチック)を製造する工程:
PoXyl(4.19g、0.00624モル)を520mLのエタノールに添加し、室温で20分間攪拌した。44枚のプラスチック製スライドをこの溶液に入れた。軽く掻き混ぜながらスライドを4時間処理した。次いで、スライドをエタノールで3回(各5分ずつ)洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、9dを得た。一晩減圧乾燥させた。
5b(プラスチック)をDAB−Am−8、ポリプロピレンイミンオクタアミンデンドリマー第2.0世代と反応させて9e(プラスチック)を製造する工程:
ポリプロピレンイミンオクタアミン(0.60g、0.000775M、MW=773.31g/モル)を125mLのエタノールに添加し、周囲温度で30分間攪拌した。8枚のシリル化スライド(5b)をポリアミン溶液と周囲温度で2時間反応させた。該スライドをエタノールで3回(3×100mL、各5分ずつ)洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させた。
8c(ガラス)をポリ(ダイマー酸コポリアミン)−95(P95)と反応させて9f(ガラス)を製造する工程:
ポリ(ダイマー酸コポリアミン)−95(3.0g)を、225mLのピリジンおよび35mLのジクロロメタンの混合物に添加し、周囲温度で1.5時間攪拌した。該P95溶液中に25枚のスライド(8c)を3時間入れた。次いで、スライドをピリジン(2回、各々5分ずつ)、ジクロロメタン(5分)、エタノール(5分)、トリエチルアミン:エタノール溶液(5mL:225mL)で2時間洗浄し、最後にエタノール(3回、各5分ずつ)で濯いだ。該スライドを、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、9fを得た。
5a(ガラス)をポリ(ダイマー酸コポリアミン)−95(P95)と反応させて9g(ガラス)を製造する工程:
ポリ(ダイマー酸コポリアミン)−95(1.5g)を150mLのピリジン/ジクロロメタン混合物(5:1)に添加し、周囲温度で1.5時間攪拌した。該P95溶液にスライド(5a)を入れ、室温で4.5時間放置した。次いで、スライドをピリジン(各5分間)、ジクロロメタン(2×5分間)、エタノール(3×5分間)で洗浄した。該スライドを、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、9gを得た。
9a(ガラス)をヘキサメチレンジイソシアネート(DCH)と反応させて10a(ガラス)を製造する工程:
ヘキサメチレンジイソシアネート(DCH)22.891g(0.1361モル)を208mLのヘキサンに添加し、周囲条件で15分間攪拌した。15枚のスライド(9a)を、軽く掻き混ぜながらDCH溶液で5時間処理した。該スライドをヘキサン(2×25
0mL)およびエタノール(2×250mL)で洗浄した。スライドを、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、デシケータ内で保存して10aを得た。
9a(ガラス)をクエン酸トリエチルと反応させて10b(ガラス)を製造する工程:
クエン酸トリエチル(4.421g、0.016モル)および3.48mLのジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を228mLのエタノールに添加し、室温で15分間攪拌した。14枚のスライドガラス9aを、軽く掻き混ぜながらクエン酸溶液で5時間処理した。該スライドをエタノール(3×250mL)で洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させた。
9a(ガラス)、9b(プラスチック)、9c(プラスチック)、9d(プラスチック)を4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)と反応させてそれぞれ10e(ガラス)、10f(プラスチック)、10g(プラスチック)、10h(プラスチック)を製造する工程:
9a〜9dのプラスチックおよびガラスの組み合わせから、62枚のプラスチック製および23枚のガラス製スライド用に、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)の溶液を調製した。HMDI(77.64g、0.296モル)および1050mLのヘキサン(0.26モル/L)を組み合わせ、室温で15分間攪拌した。2つの容器に入った62枚のプラスチック製スライドを、300mLおよび250mLのHMDI溶液で処理し、別個の容器に入った23枚のガラス製スライドを250mlのHMDI溶液で周囲温度にて6時間処理した。該スライドをヘキサンで3回、エタノールで1回洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、10e(ガラス)、10f、10h、10g(プラスチック)を得た。
6c(プラスチック)を1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(DCH)と反応させて10i(プラスチック)を製造する工程:
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(13.08g)および75mLの乾燥エタノールを周囲温度で共に混合した。その後5枚のスライド(6c)を垂直型スライド染色ディッシュに入れ、軽く掻き混ぜながらDCH溶液で4時間処理した。該スライドをエタノール(3×50mL)で洗浄し、遠心して乾燥させた。
6c(プラスチック)をクエン酸トリエチルと反応させて10j(プラスチック)を製造する工程:
クエン酸トリエチル(27.6g)およびトリエチルアミン(3.03g)を75mLのエタノールに添加し、15分間攪拌した。(6c)のスライド5枚を、軽く掻き混ぜながらクエン酸溶液で周囲温度にて24時間処理した。該スライドをエタノールで3回(3×50mL)洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させた。
9e(プラスチック)をヘキサメチレンジイソシアネート(DCH)と反応させて10k(プラスチック)を製造する工程:
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(DCH)(10.01g、0.060M)を120mLの乾燥エタノールに添加し、周囲温度で完全に混合した。8枚のスライド(9e)を掻き混ぜながらDCH溶液で周囲温度にて5時間処理した。該スライドをエタノールで3回(3×100mL)洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させた。
9f(ガラス)を1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートと反応させて10L(ガラス)を製造する工程:
110mLのEtOH中の1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(9.9mLのエタノール中に10.1g)の0.5M溶液10mLが入った垂直型スライド染色ディッシ
ュに4枚のスライド(9f)を入れた。スライドをジイソシアネートで周囲温度にて5時間処理した。スライドを取り出し、エタノールで3回洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、10Lを得た。
9f(ガラス)を4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)と反応させて10m(ガラス)を製造する工程:
61mLのジメチルホルムアミド(DMF)中の4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)(9.18g/8.6mL(0.035M)の0.50M溶液70mLが入った垂直型スライド染色ディッシュ中に、4枚のスライド(9f)を周囲温度で5時間置いた。スライドを取り出し、DMFで3回洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、10mを得た。
9f(ガラス)を4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)と反応させて10n(ガラス)を製造する工程:
70mLのジメチルホルムアミド(DMF)中の4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)(8.76g、0.035モル)の0.50M溶液70mLが入った垂直型スライド染色ディッシュ中に、4枚のスライド(9f)を周囲温度で5時間置いた。スライドを取り出し、DMFで3回洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、10nを得た。
9f(ガラス)を反応させて10o(ガラス)を製造する工程:
101mLのエタノール中のクエン酸トリエチル(T)(16.58g、0.006モル)の0.50M溶液120mLおよびのトリエチルアミン(TEA)(3.33g、0.034M)が入った垂直型スライド染色ディッシュ中に、4枚のスライド(9f)を入れた。スライドを室温で24時間放置し、エタノールで3回洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、10oを得た。
9f(ガラス)をクエン酸トリエチルおよび1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートと反応させて10p(ガラス)を製造する工程:
クエン酸トリエチル(7.425g、0.027モル)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(1.35g、0.008モル)およびトリエチルアミン(0.97g、0.010モル)のエタノール溶液61mLが入った垂直型スライド染色ディッシュ中に、3枚のスライド(9f)を周囲温度で5時間置いた。スライドを取り出し、エタノールで3回洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、10pを得た。
9f(ガラス)をクエン酸トリエチルおよび4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)と反応させて10q(ガラス)を製造する工程:
クエン酸トリエチル(7.425g、0.027モル)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)(2.10g、0.008モル)およびトリエチルアミン(0.97g、0.010モル)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液60mLが入った垂直型スライド染色ディッシュ中に、3枚のスライド(9f)を周囲温度で5時間置いた。スライドを取り出し、DMFで3回洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、10qを得た。
9f(ガラス)をクエン酸トリエチルおよび4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)と反応させて10r(ガラス)を製造する工程:
クエン酸トリエチル(7.425g、0.027モル)、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)(2.0g、0.008モル)およびトリエチルアミン(0.97g、0.010モル)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液62mLが入った垂直型スライド染色ディッシュ中に、3枚のスライド(9f)を周囲温度で5時間置いた
。スライドを取り出し、DMFで3回洗浄し、スライド遠心分離器を用いて遠心して乾燥させ、10rを得た。
9f(ガラス)をエチレングリコールビス−スクシンイミジルスクシネート(3−EGS)と反応させて10s(ガラス)を製造する工程:
スライド9fを、20mM(DMSO50mL中0.456g)のエチレングリコールビス−スクシンイミジルスクシネート(3−EGS)DMSO溶液を用いて室温で4時間処理した。次いで、処理したスライドをエタノール:DMSO混合物(9:1)で1回、エタノールで3回洗浄し、乾燥させた。
9f(ガラス)を1,6ヘキサメチレンジイソシアネートと反応させて10t(ガラス)を製造する工程:
スライド9fを、26mM(100mLのDMSO中0.436g)の1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート溶液を用いて周囲温度で4時間処理した。次いで、処理したスライドをエタノール:DMSO(9:1)混合物で1回、エタノールで3回洗浄し、乾燥させた。
スライドのアレイ化:
ピン式または非接触式アレイ化システムを用いて、アミン修飾オリゴヌクレオチド捕捉体をアレイ化した。捕捉オリゴヌクレオチドを水溶液に溶解して、(濃度0.001%〜0.1%の)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、pH=7.2の300mMリン酸緩衝液および/またはホルムアミドを用いて、ある濃度範囲(40mM〜400mM)に調製した。いくつかの異なる種類の捕捉オリゴヌクレオチド配列を、10〜100塩基長の5’または3’アミノ修飾配列を用いて調製した。該オリゴヌクレオチドは末端に3’−アミノ修飾リンカー結合していてもよい。
アレイ化したスライドのブロッキング:
10枚のスライドを、70mLの水に溶解したグリシン0.525gの溶液に入れ、軽く掻き混ぜながら周囲条件で2時間放置した。スライドをSDS(0.2%)溶液で洗浄し、水で3回洗浄した。スライドを、スライド遠心分離器を用いて2分間乾燥させた。
修飾スライド用の典型的なハイブリダイゼーション条件−シングル・ステップ法:
アレイ化したスライドをアッセイ実施前に0.2%SDSで洗浄した。ハイブリダイゼーション緩衝液(10×SSC;0.1%Tween、ホルムアミド濃度は18〜70%)を用いて、ウェル1つ当たり50Lの反応容量を調製した。ナノ粒子プローブ(1nM)および濃度1μg/1μlのゲノム標的をハイブリダイゼーション混合物に用いた。該ハイブリダイゼーション混合物を97℃で5分間加熱し、周囲温度で5分間冷却し、次いでウェルに移した。スライドを湿潤条件下で40℃〜41℃に保ってハイブリダイゼーションし、次いで緩衝液(0.5MのNaNO、0.01%Tween)で洗浄した。次いで、表面上のナノ粒子を銀増強試薬(シグマアルドリッチ社)に5分間曝露し、Verigene(登録商標)検出器(ナノスフェアー社)を用いて画像化してデータ分析に供した。オリゴヌクレオチドを備えたナノ粒子プローブの開発については別途記載されている。(スルフィド基でオリゴヌクレオチドを官能化し、ナノ粒子へ結合させる方法については、例えば、米国特許出願第2003/0143598A1号および同第2002/0155442A1号に記載されている。前記文献は各々その全体を本明細書に援用する。オリゴヌクレオチドをナノ粒子に結合させる好適なスルフィド・リンカーはエピアンドロステロン・リンカーである。その全体を本明細書に援用する2001年1月12日出願の国際特許出願第PCT/US01/01190号を参照されたい。)。
各ウェルを適切な文字およびT、C、+ve C、MおよびHetで印付けした。
T=野生型ゲノムDNA標的を特異的プローブおよびハイブリダイゼーション緩衝液とともに用いた。陽性対照プローブおよび他の標的は使用しなかった。
C=ハイブリダイゼーション緩衝液と混合したゲノム・プローブを使用し、いかなる標的も陽性対照プローブも使用しなかった。
+veC=ハイブリダイゼーション緩衝液中の陽性対照プローブを使用し、いかなる標的も他のプローブも使用しなかった。
M=これらのウェルには、変異型ゲノム標的をハイブリダイゼーション緩衝液および特異的プローブと共に用いた。陽性対照プローブまたは他の標的は使用しなかった。
Het=これらのウェルには、ヘテロ接合型ゲノム標的をハイブリダイゼーション緩衝液および特異的プローブと共に用いた。陽性対照プローブまたは他の標的は使用しなかった。
各ウェルに適切な文字で印をつけた。T=これらのウェルにゲノム標的を使用、C=対照、標的なし、+Ve対照プローブなし、+VeC=陽性対照プローブ、標的なし、M=変異型標的を使用、Het=ヘテロ接合型標的を使用。
修飾スライド用の典型的なハイブリダイゼーション条件−デュアル・ステップ法:
工程1:アレイ化したスライドをアッセイ実施直前に0.2%SDSで洗浄した。ハイブリダイゼーション緩衝液(10×SSC;0.1%Tween、ホルムアミド濃度は18〜70%)を用いて、ウェル1つ当たり総量50μLの反応容量を調製し、ゲノムDNA標的の濃度は10〜10コピー/μLの範囲で変化させた。ハイブリダイゼーション混合物を95℃で4分間変性させ、周囲温度で3分間冷却した後、個々のウェルに移した。湿潤条件下で、ハイブリダイゼーションするためにスライドを40℃で2時間インキュベートした。
工程2:標的のハイブリダイゼーション後、スライドをNaNO、Tweenで洗浄し、遠心して乾燥させた。プローブ溶液をハイブリダイゼーション混合物と混合し、各ウェルに添加し、湿潤条件下40℃で30〜120分間インキュベートした。スライドを洗浄緩衝液で洗浄し、銀溶液AおよびBで5分間処理し、Verigene(登録商標)装置を用いてデータ分析のために画像化した。オリゴヌクレオチドを用いたナノ粒子プローブの開発については別途記載されている(スルフィド基でオリゴヌクレオチドを官能化し、ナノ粒子に結合させる方法については、例えば、米国特許出願第2003/0143598A1号および同第2002/0155442A1号に記載されている。前記文献は各々その全体を本明細書に援用する。オリゴヌクレオチドをナノ粒子に結合させる好適なスルフィド・リンカーはエピアンドロステロン・リンカーである。その全体を本明細書に援用する2001年1月12日出願の国際特許出願第PCT/US01/01190号を参照されたい)。
各ウェルを適切な文字およびT、C、+ve C、MおよびHetで印付けした。
T=野生型ゲノムDNA標的を特異的プローブおよびハイブリダイゼーション緩衝液とともに用いた。陽性対照プローブおよび他の標的は使用しなかった。
C=ハイブリダイゼーション緩衝液と混合したゲノム・プローブを使用し、いかなる標的も陽性対照プローブも使用しなかった。
+veC=ハイブリダイゼーション緩衝液中の陽性対照プローブを使用し、いかなる標的も他のプローブも使用しなかった。
M=これらのウェルには、変異型ゲノム標的をハイブリダイゼーション緩衝液および特異的プローブと共に用いた。陽性対照プローブまたは他の標的は使用しなかった。
Het=これらのウェルには、ヘテロ接合型ゲノム標的をハイブリダイゼーション緩衝液および特異的プローブと共に用いた。陽性対照プローブまたは他の標的は使用しなかった。
試薬リスト:
NaOH−水酸化ナトリウム;ペレット;フィッシャーサイエンティフィック社(Fisher Scientific)
HCl−塩酸、35〜38%;フィッシャーサイエンティフィック社
−過酸化水素、30%;フィッシャーサイエンティフィック社
EtOH−エチルアルコール、200度数、ACS/USP等級;ファルムコ・インコーポレイテッド(Pharmco,Inc.)
NaHCO−重炭酸ナトリウム;フィッシャーサイエンティフィック社
Si(NCO)−テトライソシアナトシラン;ゲレスト・インコーポレイテッド(Gelest,Inc)
m−アミノフェニルトリメトキシラン、ゲレスト社
DAB−3,3’−ジアミノベンジジンテトラヒドロクロリド二水和物
TEA−トリメチルアミン;フィッシャーサイエンティフィック社
GLY−グリシン、シグマアルドリッチ社(Sigma−Aldrich)
TDIC−トリレン−2,6−ジイソシアネート、アルドリッチ社(Aldrich)
Hxn−ヘキサン、フィッシャーサイエンティフィック社
PDIC−1,4−フェニレンジイソシアネート、アルドリッチ社
P95−ポリ(ダイマー酸コポリアミン)−95、シグマアルドリッチ社
ピリジン−シグマアルドリッチ社
DCM−ジクロロメタン、フィッシャーサイエンティフィック社
DiPEA−ジシソプロピルエチルアミン、アルドリッチ社
第0世代PAMAMデンドリマー、シグマアルドリッチ社
PoXyl−ポリ(m−キシリレンジアミン−エピクロロヒドリン)、ジアミン末端、アルドリッチ社
DAB−Am−8−ポリプロピレンイミンオクタアミンデンドリマー、第2.0世代、アルドリッチ社
DCH−ヘキサメチレンジイソシアネート、シグマアルドリッチ社
T−クエン酸トリエチル、シグマアルドリッチ社
HMDI−−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、アルドリッチ社
MDI−4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、アルドリッチ社
3−EGS−エチレングリコールビス−スクシンイミジルスクシネート、ピアース社(Pierce)
DMSO−ジメチルスルホキシド、アルドリッチ社
SDS−硫酸ドデシルナトリウム、20%溶液、フィッシャーサイエンティフィック社
ホルムアミド、シグマアルドリッチ社、フィッシャーサイエンティフィック社
20×SSC緩衝液、インビトロジェン社(Invitrogen)、フィッシャーサイエンティフィック社
Tween20−ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、シグマアルドリッチ社NaNO−硝酸ナトリウム、シグマアルドリッチ社
銀増強溶液A、シグマアルドリッチ社
銀増強溶液B、シグマアルドリッチ社
装置および材料
タイマー:フィッシャーサイエンティフィック社のTraceable(登録商標)タイマー、カタログ番号#06−662−55、較正有効期限06/05、#320808935
遠心分離機:テレケム・インターナショナル(Telechem Int’l)、マイクロアレイ高速遠心分離機、カタログ番号#MHC110V
サーミックス(Thermix)スターラー:フィッシャーサイエンティフィック社、カタログ番号#14−493−120S、120S型
水銀温度計:フィッシャーサイエンティフィック社、カタログ番号#103606、−10℃〜+350℃、1℃、シリアル番号2121
濾紙:ワットマン・インターナショナル社(Whatman Int,Ltd.)、カタログ番号#1202−320
本発明の1実施形態を示すスキームの図。該スキームは、3’−アミノまたは5’−アミノのいずれかの修飾を有するオリゴヌクレオチドなどの分子を修飾して、シリル化DNA中間体を製造する工程を示している。次いで、このシリル化中間体を、基材、例えばガラス基材の表面上にスポッティングし、洗浄する。 水またはDMFに溶解したシリル化DNAを含有するDMF溶液で基材をスポッティングした後の、スポットの形状を示す図。水溶液を用いた場合にスポットの分枝化および拡散が観察された。 過剰に水和した基材上にシリル化DNA含有DMF溶液を用いてスポッティングされたスポットの形状を示す図。過剰に水和した基材ではスポットの分枝化が観察された。 シリル化DNAを含まない水溶液(「Blank」対照)およびシリル化DNAを含んだ水溶液(「Silyl」)のスポットの形状を示す図。 本発明の別の実施形態を示すスキームの図。該スキームは、テトライソシアナトシランを1−アミノ−4−トリエトキシシリルベンゼンに結合させて第1の反応性中間体4を形成する工程を示す。次いで、該反応性中間体を3’または5’の遊離アミン基を有するオリゴヌクレオチドに結合させて、3個の分子が結合した第2の反応性中間体としてシリル化DNA中間体を得る。次いで、このシリル化中間体を基材、例えばガラス基材の表面上にスポッティングする。 本発明の別の実施形態を示すスキームの図。該スキームは、テトライソシアナトシランを1−アミノ−4−トリエトキシシリルベンゼンに結合させて第1の反応性中間体4を形成する工程を示す。次いで、該反応性中間体を3’または5’の遊離アミン基を有するオリゴヌクレオチドに結合させて、2個の分子が結合した第2の反応性中間体としてシリル化DNA中間体を得る。 実施例1(方法番号1)に記載のように製造したDNAアレイ・チップを用いてM13捕捉体配列を検出した結果を示す図。プレート番号1では、ナノ粒子で標識した非相補的オリゴヌクレオチドプローブを用いた。プレート番号2および3では、ナノ粒子で標識した特異的な相補的オリゴヌクレオチドプローブを用いた。予想通り、特異的な相補的プローブを用いたプレートは検出が示された。実施例3を参照されたい。 サンドイッチ式ハイブリダイゼーション・アッセイを用いた第V因子の標的配列の検出結果を示す図。第V因子捕捉プローブを用いて、実施例1(方法番号1)に記載のようにDNAアレイ・チップを製造した。該DNAチップは予想通り機能した。実施例4を参照されたい。 実施例1(方法番号1)に記載のように製造したDNAアレイ・チップを用いてMTHFR標的配列を検出した結果を示す図。該DNAチップは予想通り機能した。プレート番号1は、検出プローブがその融点より高い温度ではハイブリダイズしないことを示している。プレート番号2は、100merの合成のMTHFR標的の検出を示した。プレート番号3は、MTHFRのPCR産物の検出を示した。実施例5を参照されたい。 実施例1(方法番号1)に記載のように製造したDNAアレイ・チップを用いて第V因子標的配列を検出した結果を示す図。該DNAチップは予想通り機能した。非特異的なバックグラウンド・ノイズは認められなかった。実施例6を参照されたい。 実施例1(方法番号1)に記載のように製造したDNAアレイ・チップを用いて第V因子標的配列を検出した結果を示す図。該DNAチップは予想通り機能した。プローブは標的配列に特異的に反応し、プローブと標的との間に交差ハイブリダイゼーションは観察されなかった。実施例7を参照されたい。 ポリマー被覆スライドを製造し、EGSリンカー・スライド上にDNAをプリントするスキームを示す略図。 ポリマー被覆スライドを製造し、EGSリンカー・スライド上にDNAをプリントするスキームを示す略図。 ポリマー被覆スライドを製造し、EGSリンカー・スライド上にDNAをプリントするスキームを示す略図。 ポリマー被覆スライドを製造し、EGSリンカー・スライド上にDNAをプリントするスキームを示す略図。 ガラス表面上のポリマーおよびEGS修飾の化学モデルを示す図。 種々のポリマーおよびリンカーを用いてポリマー被覆スライドを製造するための工程図。 ポリマー被覆スライドおよびデンドリマースライドを比較したグラフ。 ポリマー被覆スライドおよびデンドリマースライドについてアレイ化されたCY3−オリゴヌクレオチドの強度比較を示す図。 陽性対照および第V因子標的を用いた、ポリマー被覆スライドの性能を示す図。 金ナノ粒子プローブを用いた、トリス(2−アミノエチレン)修飾スライドの性能を示す図。 金ナノ粒子プローブを用いたアッセイ方式における、ポリマー−95被覆スライドの性能を示す図。 デンドリマースライド上に金ナノ粒子プローブを拡げ、銀で増幅した後のバックグラウンドを示す図。 ポリマー−95スライド上に金ナノ粒子プローブを拡げ、銀で増幅した後のバックグラウンドを示す図。 各ウェルにおいて異なる標的濃度を用いた、ポリマー−95スライド上での標的の検出を示す図。 ポリマー−95修飾スライド上での多重検出を示す図。 ポリマー−95スライド上での陽性対照の検出を示す図。 比較のために市販のスライド上での陽性対照の検出を示す図。 ポリマー−95スライド上において、上方の列で標的の検出を、下方の列で対照の検出を示す図。 ポリマー−95スライド上において、ウェル2、3、4、5、7、8、9および10での標的の検出を示す図。ウェルはすべてPCR DNA標的を有しているが、ウェル1および6は標的を有していない。 銀染色した金ナノ粒子を用いた、ポリマー−95スライド上での標的の検出を示す図。 銀染色した金ナノ粒子を用いた、ポリマー−95スライド上での標的の検出を示す図。 銀染色した金ナノ粒子を用いた、ポリマー−95スライド上での標的の検出を示す図。 ポリマー−95スライド上でのゲノム標的の検出を示す図。ウェル1、7、8、9ではシグナルがはっきりと観察された。 銀増幅を用いて、アルデヒド修飾表面上への金ナノ粒子の固定化を示す図。 シリル結合金ナノ粒子を未修飾の表面に結合させ、銀で増幅するスキームを示す略図。 銀増幅を用いて、異なる種類のシリル結合金ナノ粒子が未修飾の表面にプリントされて結合していることを示す図。 金ナノ粒子調製物中の塩含有量に基づくシグナル強度の差を示すグラフ。 基材表面の上面に層を形成する際に必要な化学反応を示すスキームの略図。該スキームの第1の工程は、二官能性のジシリル部分を基材の表面上に結合させる工程であり、該ジシリル部分を表面の上部に「A」と印す。表面を「A」で官能化すると、次に、利用可能な反応性イソシアネート基を求核試薬と反応させて、生体分子「P」をプリントしてもよいし、スペーサー基「S」を加えてもよいし、あるいは加水分解により第1級アミンを表面上に生成させてもよい。イソシアネート基を生体分子「P」でプリントした場合は、次に表面を求核分子「B」でブロッキングする。「A」のイソシアネート基をジアミンまたはテトラアミンなどの多官能性スペーサー基「S」と反応させた場合は、残存している全てのイソシアネート基を求核分子でキャッピングして「C」とする。キャッピング後、ジイソシアネート「DI」などの別の多官能分子を加えて表面上に利用可能な反応性イソシアネートを生成させることもできる。該イソシアネートが表面上にある場合は、リンカー基「L」とみなされる。この新しい表面「基材−A−L−DI」には再び多様な経路があり、プリントしてもよいし、加水分解してもよいし、追加のリンカーを付加してからジイソシアネートを加えてもよい。最後のスペーサー「S」を加え、ジイソシアネートまたは他の二官能性求電子試薬と反応させると、遊離イソシアネートを有する最終表面が得られる。付加されるべきこの最後の二官能性求電子試薬または二官能性分子混合物は、次いで生体分子のプリントに用いることができるリンカー「L」である。この段階では、表面上に第1級アミン基を生成させるために加水分解されたイソシアネート表面が、二官能性求電子試薬「DI」を加えるために開放されており、あらゆる組み合わせを受けることができる。実施例14を参照されたい。 スペーサー分子の化学構造を示す図。 イソシアネートおよび活性エステルの化学構造を示す図。 2−トリメトキシ−6−(トリイソシアナトシランウレア)ベンゼン(4)の合成を示す図。 二官能性ジシリル4を基材表面に付加して、ガラス(5a)またはプラスチック(5b)上に遊離イソシアネート基を備えた被覆基材を製造する工程を示す図。 表面上でイソシアネート基を加水分解して、次いでリンカー基「L」に結合される第1級アミン基を得る工程を示す図。第1の例では1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを用いて表面に遊離イソシアネート基を提供し、第2の例ではクエン酸のトリエステルを用いて、プリントに利用可能な活性化エステル基を表面上に提供する。 スペーサーのデンドリマーに続きリンカーの1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを付加する工程を示す図。 スペーサーの3,3’−ジアミノベンジジンを付加する工程を示す図。 図28からの続きであり、スペーサーを付加した後にイソシアネートをキャッピングする工程を示す図。 図29からの続きであり、ジイソシアネートの付加を示す図。これをアレイ化してもよいし、別のスペーサーを付加して処理工程を続けてもよい。 図30からの続きであり、P95ポリマーをガラス基材上の遊離イソシアネートに付加する工程を示す図。 図31からの続きであり、リンカー基4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを付加する工程を示す図。これをプリントしてもよいし、追加のスペーサーを付加してもよい。 図29からの続きであり、スペーサーの3,3’−ジアミノベンジジンを付加する工程を示す図。 図31からの続きであり、リンカー基4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを付加する工程を示す図。これをプリントしてもよいし、追加のスペーサーを付加してもよい。 図29からの続きであり、PoXylポリマーをスペーサーとして付加する工程を示す図。 図35からの続きであり、リンカーとして4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを付加する工程を示す図。これをプリントしてもよいし、追加のスペーサーを付加してもよい。 基材を生体分子でアレイ化した後で、表面上の全てのイソシアネートをブロッキングするためにグリシンを付加する工程を示す図。 図25からの続きであり、スペーサーP95をアンカー基に付加し、続いてエチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)をリンカーとして付加する工程を示す図。 1,6−ヘキサメチレンのリンカーを有するガラス基材(10i)を示す画像。基材10iは3つのウェルそれぞれが3行×4列にアレイ化されている。どの列においても3つのスポット各々がスライド上にアレイ化された同一の捕捉体を有する。列ごとの捕捉体の種類は上から下へ野生型捕捉体、変異型捕捉体、陰性対照、および陽性対照捕捉体のDNA配列である。ウェル1および3は、野生型ゲノム標的を陽性および野生型のナノ粒子プローブとともに示し、陽性およびゲノムのいずれの捕捉体にも結合がみられる。ウェル2は、ゲノムDNAのない状態でのナノ粒子プローブを示しており、基材に対する非特異的結合がないことを実証している。 クエン酸トリエチルおよび1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのリンカー混合物を備えたガラス基材(10p)を示す画像。基材10pは5個のウェル各々において3行×4列にアレイ化されている。どの列においても3つのスポット各々がスライド上にアレイ化された同一の捕捉体を有する。列ごとの捕捉体の種類は上から下へ陽性対照、野生型捕捉体、変異型捕捉体および陰性対照捕捉体のDNA配列である。ウェル1は陽性対照のナノ粒子プローブを示しており、DNA標的は存在せず、陽性対照捕捉体への結合が見られる。ウェル2および4は、PCRの野生型標的を野生型ナノ粒子プローブとともに示し、野生型捕捉体に結合がみられる。ウェル3は変異型ナノ粒子プローブを変異型DNA標的とともに示し、変異型捕捉体のみに結合がみられる。対照であるウェル5には、野生型および変異型のナノ粒子プローブがDNA標的を伴わずに含まれており、ナノ粒子プローブの非特異的結合がないことを実証している。 クエン酸トリエチルのリンカーを有するガラス基材(10b)を示す画像。基材10bは5個のウェル各々において3行×4列にアレイ化されている。どの列においても3つのスポット各々がスライド上にアレイ化された同一の捕捉体を有する。列ごとの捕捉体の種類は上から下へ陽性対照、野生型捕捉体、変異型捕捉体および陰性対照捕捉体のDNA配列である。ウェル1は、陽性対照のナノ粒子プローブを示しており、PCR標的は存在せず、陽性対照捕捉体に結合がみられる。ウェル2は、ヘテロ接合型のPCR DNA標的を野生型および変異型のナノ粒子プローブとともに示し、野生型および変異型のいずれの捕捉体にも結合がみられる。ウェル3は、変異型DNA標的とともに変異型ナノ粒子プローブを示し、変異型捕捉体のみに結合がみられる。ウェル4は、野生型DNA標的とともに野生型ナノ粒子プローブを示し、野生型捕捉体のみに結合がみられる。対照であるウェル5には、野生型および変異型のナノ粒子プローブがDNA標的を伴わずに含まれており、プローブの非特異的結合がないことを実証している。 メチレンジフェニルジイソシアネートのリンカーを有するガラス基材(10n)を示す画像。基材10nは5個のウェル各々において3行×4列にアレイ化されている。どの列においても3つのスポット各々がスライド上にアレイ化された同一の捕捉体を有する。列ごとの捕捉体の種類は上から下へ陽性対照、変異型捕捉体、野生型捕捉体、および陰性対照捕捉体のDNA配列である。ウェル1は、陽性対照のナノ粒子プローブを示し、DNA標的は存在せず、陽性対照捕捉体に結合がみられる。ウェル2および3は、野生型ゲノムDNA標的を野生型ナノ粒子プローブとともに示し、野生型および変異型の捕捉体に結合がみられる。ウェル4は、変異型DNA標的とともに変異型ナノ粒子プローブを示し、変異型捕捉体のみに結合がみられる。対照であるウェル5には、野生型および変異型のナノ粒子プローブがDNA標的を伴わずに含まれており、プローブの非特異的結合がないことを実証している。 クエン酸トリエチルのリンカーおよびメチレンジフェニルジイソシアネートのリンカーを有するガラス基材(10r)を示す画像。基材10rは5個のウェル各々において3行×4列にアレイ化されている。どの列においても3つのスポット各々がスライド上にアレイ化された同一の捕捉体を有する。列ごとの捕捉体の種類は上から下へ陽性対照、変異型捕捉体、野生型捕捉体、および陰性対照捕捉体のDNA配列である。ウェル1は、陽性対照のナノ粒子プローブを示しており、DNA標的は存在せず、陽性対照捕捉体に結合がみられる。ウェル2は、ヘテロ接合型PCR DNA標的を野生型および変異型のナノ粒子プローブとともに示し、野生型および変異型のいずれの捕捉体にも結合がみられる。ウェル3は野生型DNA標的とともに野生型ナノ粒子プローブを示し、野生型捕捉体のみに結合がみられる。ウェル4は、変異型DNA標的とともに変異型ナノ粒子プローブを示し、変異型捕捉体のみに結合がみられる。対照であるウェル5には、野生型および変異型のナノ粒子プローブがDNA標的を伴わずに含まれており、プローブの非特異的結合がないことを実証している。 4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートのリンカーを有するガラス基材(10m)を示す画像。基材10mは5個のウェル各々において3行×4列にアレイ化されている。どの列においても3つのスポット各々がスライド上にアレイ化された同一の捕捉体を有する。列ごとの捕捉体の種類は上から下へ陽性対照、野生型捕捉体、変異型捕捉体、および陰性対照捕捉体のDNA配列である。ウェル1は、陽性対照のナノ粒子プローブを示しており、DNA標的は存在せず、陽性対照捕捉体のみに結合がみられる。ウェル2および4は、PCR野生型標的を野生型ナノ粒子プローブとともに示し、野生型捕捉体のみに結合がみられる。ウェル3は、変異型ナノ粒子プローブを変異型DNA標的とともに示し、変異型捕捉体のみに結合がみられる。対照であるウェル5には、野生型および変異型のナノ粒子プローブがDNA標的を伴わずに含まれており、プローブの非特異的結合がないことを実証している。 1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのリンカーを有するガラス基材(10L)を示す画像。基材10Lは5個のウェル各々において3行×4列にアレイ化されている。どの列においても3つのスポット各々がスライド上にアレイ化された同一の捕捉体を有する。列ごとの捕捉体の種類は上から下へ陰性対照、変異型捕捉体、野生型捕捉体、および陽性対照捕捉体のDNA配列である。ウェル1は、図40の陽性対照プローブの濃度と比較して100倍(2logs)希釈された陽性ナノ粒子対照プローブを示している。DNA標的は使用せず、陽性対照捕捉体への結合が示されている。ウェル2、3および4は、PCR野生型標的を野生型ナノ粒子プローブとともに示し、野生型捕捉体のみに結合がみられる。ウェル4は最も高い濃度の標的を含み、ウェル3および2は各々対数的に希釈した標的をそれぞれ含むものとした。対照であるウェル5には、野生型および変異型のナノ粒子プローブがDNA標的を伴わずに含まれており、プローブの非特異的結合がないことを実証している。 メチレンジフェニルジイソシアネートのリンカーを有するガラス基材(10n)を示す画像。基材10nは5個のウェル各々において3行×4列にアレイ化されている。どの列においても3つのスポット各々がスライド上にアレイ化された同一の捕捉体を有する。列ごとの捕捉体の種類は上から下へ陽性対照、野生型捕捉体、変異型捕捉体、および陰性対照捕捉体のDNA配列である。ウェル1は、陽性対照ナノ粒子プローブを示しており、DNA標的は存在せず、陽性対照捕捉体のみに結合がみられる。ウェル2および4は、PCR野生型標的を野生型ナノ粒子プローブとともに示し、野生型捕捉体のみに結合がみられる。ウェル3は、変異型ナノ粒子プローブを変異型DNA標的とともに示し、変異型捕捉体のみに結合がみられる。対照であるウェル5には、野生型および変異型のナノ粒子プローブがDNA標的を伴わずに含まれており、プローブの非特異的結合がないことを実証している。 ナノスフェアー社のプラスチック製基材(10h)を市販のガラス基材と比較するための2枚の別個のスライドを示す画像。上側のスライド(プラスチック)は、HMDI表面上の異なるウェルにホルムアミドの濃度差をつけて、野生型と変異型の違いを示している。ナノスフェアー社の修飾スライドと比較するために、同様の実験を市販のスライドガラスを用いて実施した。プラスチック製の修飾基材では強度が高く、野生型および変異型の捕捉体配列と合成DNA標的との間でホルムアミド濃度30%において識別が認められた。このことは、ホルムアミド濃度40%で野生型および変異型の合成DNA標的が識別された市販のスライドガラスと対比される。アッセイ条件:ハイブリダイゼーション緩衝液、野生型、変異型および対照の金ナノ粒子プローブを用い、ホルムアミド濃度を上げて、一定分量100Lを各ウェルに対して調製した。標準的アッセイ条件に従って修飾スライド上でアッセイを行い、Verigen(登録商標)装置で画像化した。 表面に1,6ヘキサメチレンジイソシアネートのリンカーを有するプラスチック基材(10K)を示す画像。基材10Kは5個のウェル各々において3行×4列にアレイ化されている。どの列においても3つのスポット各々がスライド上にアレイ化された同一の捕捉体を有する。列ごとの捕捉体の種類は上から下へ変異型捕捉体、陰性対照、野生型捕捉体、および陽性対照捕捉体のDNA配列である。ウェル1および5は、陽性対照ナノ粒子プローブを示しており、DNA標的は存在せず、陽性対照捕捉体のみに結合がみられる。ウェル2、3および4は、野生型ゲノム標的を野生型および陽性対照ナノ粒子プローブとともに示し、野生型および陽性対照の捕捉体のみに結合がみられる。 表面に4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートのリンカーを有するプラスチック製基材(10e)を示す画像。基材10eは5個のウェル各々において3行×4列にアレイ化されている。どの列においても3つのスポット各々がスライド上にアレイ化された同一の捕捉体を有する。列ごとの捕捉体の種類は、野生型−1、野生型−1、変異型−1、野生型−II、変異型−IIおよび陽性対照の捕捉体である。すべての標的を、標準的なアッセイ・プロトコルに従ってそれぞれの捕捉体に室温でハイブリダイズさせ、修飾スライド上の捕捉体について調べた。ウェル1、3、4、5はすべてのゲノム捕捉体を示し、ウェル2は陽性対照の捕捉体を示している。 4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートのリンカーを表面に有するプラスチック製基材(10e)を示す画像。基材10eは5個のウェル各々において3行×4列にアレイ化されている。どの列においても3つのスポット各々がスライド上にアレイ化された同一の捕捉体を有する。列ごとの捕捉体の種類は上から下へ変異型−I、野生型−I、変異型−II、野生型−II、および陽性対照の捕捉体DNA配列である。ウェル1および2を陽性対照に用い、ウェル3、4および5は、野生型ゲノム標的を変異型から区別するかどうか調べるために用いた。ウェル3、4および5では、陽性対照プローブおよび遺伝子特異的なプローブの両方を用いて、シグナルの配置について確認した。 4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートのリンカーを表面に有するプラスチック製基材(10e)を示す画像。上側の試料はDNA捕捉体でアレイ化した後でグリシンによりブロッキングされており、下側の基材はアレイ化の後での修飾は行われていない。いずれの試料もゲノムDNAの変異型および野生型を用いて試験した。各々同じようにアレイ化し、アッセイを行い、現像した。ブロッキングされていない基材(下)は眼に見えて高いバックグラウンドを示し、シグナル応答は約2.5〜3倍高い。基材10eは5個のウェル各々において3行×4列にアレイ化されている。どの列においても3つのスポット各々がスライド上にアレイ化された同一の捕捉体を有する。列ごとの捕捉体の種類は上から下へ野生型−1、野生型−1、変異型−1、野生型−II、変異型−II、および陽性対照の捕捉体である。 プラスチック上に製造したいくつかの異なる表面について示すグラフ。表面には、3,3’−ジアミノベンジジン(DAB)リンカーとともに、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、またはクエン酸トリエチル(T)のリンカーが表面上に含まれている。野生型(WT)、変異型(MT)および陽性対照(PC)の捕捉体を用いて基材をアレイ化した。バックグラウンド(BGR)のウェルはプローブまたはDNAを用いずに実施し、水対照(WC)のウェルは水に曝露した。各スライドについて、1.9nM(シグナル100)、190pM(シグナル10)および19pM(シグナル1)の野生型または変異型のDNA標的と適切なナノ粒子プローブとを用いて実施した。銀増強後、すべてのスライドをVerigene(登録商標)検出器システムで走査した。シグナル応答をプロットし、種々の修飾基材を比較した。 ガラス上に製造したいくつかの異なる表面について示すグラフ。「HMDI」と記した表面は調製物10mから、「MDI」と記した表面は調製物10nから、「T」と記した表面は調製物10oから、「D−t」と記した表面は調製物10pから、「D」と記した表面は調製物10aから製造したものである。野生型(WT)、変異型(MT)および陽性対照(PC)の捕捉体を用いて基材をアレイ化した。バックグラウンド(BGR)のウェルはナノ粒子プローブまたは標的DNAを用いずに実施した。水対照(WC)のウェルは水に曝露した。各スライドについて、1.9nM(シグナル100)、190pM(シグナル10)および19pM(シグナル1)の野生型または変異型のDNA標的と適切なナノ粒子プローブとを用いて実施した。銀増強後、すべてのスライドをVerigene(登録商標)検出器システムで走査した。シグナル応答をプロットし、種々の修飾基材を比較した。 ガラス製基材およびプラスチック製基材を比較したとき、またプラスチック上の種々のスペーサー基を比較したときの平均シグナル強度を示すグラフ。陽性、陰性、変異型および野生型のDNA捕捉体を用いてスライドを作製し、本明細書に先に記載したようなナノ粒子プローブを用いて実施した。PoXylについては2回実施した。 ガラス基材(10h)およびプラスチック基材(10m)がCy3捕捉プローブを用いて均一にアレイ化されたことを示す図。 プローブ濃度を上昇させて、ガラス基材(10m)およびプラスチック基材(10h)へCy5プローブをワンステップ・ハイブリダイゼーションしたことを示すグラフ。プローブ濃度が上昇するにつれて、検出器からの蛍光応答も上昇している。

Claims (51)

  1. 標的分析物の検出に使用するための基材を製造する方法であって、
    (a)表面を有する基材を提供する工程と、
    (b)前記表面を、
    Si(NCY)
    [(R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH]−Si(NCY) vi;および
    (R)(R)(R)Si−X−Z−CYNH−Si(NCY) iv;(式中、R、RおよびRは個別にC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、Xは直鎖または分岐鎖のC〜C20アルキル、あるいはC〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表す。ただし、R、RまたはRの少なくとも1つはC〜Cアルコキシを表す)
    から成る群から選択されるイソシアネート化合物に接触させて、遊離イソシアネート基を含んだ表面を提供する工程と
    から成る方法。
  2. 工程(b)の後に、
    (c)遊離イソシアネート基を含む前記表面をスペーサー分子に接触させて、遊離アミノ基を含む表面を提供する工程と、
    (d)遊離アミノ基を含む前記表面をリンカー分子に接触させて、反応性遊離基を有する反応性表面を提供する工程と
    をさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 工程(c)および工程(d)を1回または複数回繰り返す工程をさらに含む請求項2に記載の方法。
  4. 工程(d)の後に、
    (e)前記反応性表面を、標的分析物に特異的な少なくとも1種類の捕捉プローブに接触させて、捕捉プローブが固定化された表面を提供する工程と、
    )捕捉プローブが固定化された前記表面をキャッピング剤に接触させて、表面の、捕捉プローブが固定化されていない領域上に未反応で残存している遊離イソシアネート基をブロッキングし、かつキャッピング剤と接触しない表面に比べてナノ粒子の非特異的結合に起因するバックグラウンド・シグナルが実質的に低い基材を生産する工程と
    をさらに含む請求項2または3に記載の方法。
  5. (c)遊離イソシアネート基を含む前記表面を水に接触させて、遊離アミノ基を含む表面を提供する工程と、
    (d)遊離アミノ基を含む前記表面をリンカー分子に接触させて、反応性遊離基を有する反応性表面を提供する工程と
    をさらに含む請求項1に記載の方法。
  6. 工程(d)の後に、
    (e)遊離イソシアネート基を含む前記表面をスペーサー分子に接触させて、遊離アミノ基を含む表面を提供する工程と、
    (f)遊離アミノ基を含む前記表面をリンカー分子に接触させて、反応性遊離基を有する反応性表面を提供する工程と
    をさらに含む請求項5に記載の方法。
  7. 工程(e)および工程(f)を1回または複数回繰り返す工程をさらに含む請求項6に記載の方法。
  8. (i)標的分析物に特異的な少なくとも1種類の捕捉プローブに前記反応性表面を接触させて、捕捉プローブが固定化された表面を提供する工程と、
    (ii)捕捉プローブが固定化された前記表面をキャッピング剤に接触させて、表面の、捕捉プローブが固定化されていない領域上に未反応で残存している遊離イソシアネート基をブロッキングし、かつキャッピング剤と接触しない表面に比べてナノ粒子の非特異的結合に起因するバックグラウンド・シグナルが実質的に低い基材を生産する工程と
    をさらに含む請求項5、6または7に記載の方法。
  9. 前記ジシリルイソシアネート化合物は、2−トリメトキシシラン−6−トリイソシアナトシランウレアベンゼン、およびテトライソシアナトシランから成る群から選択される請求項1に記載の方法。
  10. 前記スペーサー分子は、イソシアネート基と反応し得る少なくとも2つの官能基を有する、請求項2または6のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記スペーサー分子は、ポリマー、糖質または抗生物質である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記スペーサー分子は、ポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−95、ポリ(ダイマー酸コアルキルポリアミン)−140、ポリ(アリルアミン)、ポリ(m−キシレンジアミン−エピクロロヒドリンジアミン末端、トリス(2−アミノメチルアミン)、および第0世代PAMAMデンドリマー、ネオマイシン、および3,3’−ジアミノベンジジンから成る群から選択される、請求項10に記載の方法。
  13. 前記キャッピング剤は、アミノ酸、タンパク質、糖質、カルボン酸、チオール、アルコールおよびアミンから成る群から選択される、請求項4または8のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記キャッピング剤はグリシンである請求項13に記載の方法。
  15. 前記リンカー分子は、フェニレン1,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、トリレン−α,4−ジイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネートから成る群から選択される、請求項2、5または6のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記リンカー分子は、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)、スベリン酸ジスクシンイミジル、1,6−ジイソシアナトヘキサン、メチレンビス−(4−シクロヘキシルイソシアネート)、グルタルジアルデヒド、メチレン−p−フェニルジイソシアネート、およびクエン酸トリエチルから成る群から選択される、請求項2、5または6のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記捕捉プローブは核酸である、請求項4または8のいずれか1項に記載の方法。
  18. 各々特定の標的分析物に特異的な2種類以上の捕捉プローブを、第2の反応性部分を有する前記表面に接触させる、請求項4または8のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記捕捉プローブを、前記基材の表面上の別個の所定領域にアレイ化する、請求項4または8のいずれか1項に記載の方法。
  20. (c)遊離イソシアネート基を含む前記表面をスペーサー分子に接触させて、遊離アミノ基を含む表面を提供する工程と、
    (d)遊離アミノ基を含む前記表面をリンカー分子に接触させて、反応性遊離基を有する反応性表面を提供する工程と、
    (e)前記反応性表面を標的分析物に特異的な少なくとも1種類の捕捉プローブに接触させて、捕捉プローブが固定化された表面を提供する工程と、
    (f)捕捉プローブが固定化された前記表面をキャッピング剤に接触させて、未反応で残存している遊離イソシアネート基をブロッキングし、かつキャッピング剤と接触しない表面に比べてナノ粒子の非特異的結合に起因するバックグラウンド・シグナルが実質的に低い基材を生産する工程と
    からさらに成る、請求項1に記載の方法。
  21. 前記基材は前記イソシアネート化合物と反応する少なくとも1つの基を有する、請求項1または20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記基はヒドロキシル基、アミノ基、またはカルボキシレート基からなる請求項21に記載の方法。
  23. 1つまたは複数の標的分析物の検出に使用するための基材であって、請求項4、8または20のいずれか1項に記載の方法にしたがって製造された、捕捉プローブが結合した表面を含んでなる基材。
  24. 前記捕捉プローブに結合することのできる遊離アミン基と、負に荷電したイオン基とを含んでなるポリマー層を有する表面を備えた請求項23に記載の基材。
  25. 前記表面は、可視光または蛍光を用いて画像化するときに、前記ポリマー層を有してい
    ない基材に比べてバックグラウンド・シグナルが実質的に低減されたバックグラウンド・シグナルを生じる、請求項24に記載の基材。
  26. 前記基材は約25〜75°の水接触角を有する請求項23に記載の基材。
  27. 前記基材は約1.400〜1.900の屈折率を有する請求項26に記載の基材。
  28. 試料中の、少なくとも2つの結合部位を有する1つまたは複数の標的分析物を検出する方法であって、
    (a)請求項1または20のいずれか1項に記載の基材であって、その表面に少なくとも1種類の捕捉プローブが固定化されており、各種類の捕捉プローブが標的分析物に特異的であることを特徴とする基材を提供する工程と、
    (b)標的分析物に特異的な検出体プローブとナノ粒子とを含んでなる少なくとも1種類の検出用プローブを提供する工程と、
    (c)捕捉プローブおよび検出体プローブが特異的標的分析物に結合するのに有効な条件下で、捕捉プローブ、検出用プローブおよび試料を接触させて、基材の表面上に固定化複合体を形成する工程と、
    (d)基材の表面を洗浄して、結合していないナノ粒子を除去する工程と、
    (e)前記標的分子の有無の指標としての前記複合体の有無を観察する工程と
    から成る方法。
  29. 請求項1または20のいずれか1項に記載の方法によって製造された基材。
  30. 請求項29に記載の基材を含んでなるキット。
  31. 表面上に分子を固定化する方法であって、
    (a)Si(NCY) (式中、Yは酸素または硫黄を表す)を、式ii:
    (R )(R )(R )Si−X−Z ii
    (式中、R 、R およびR は個別にC 〜C アルコキシ、C 〜C アルキル、フェニル、またはC 〜C アルキルおよびC 〜C アルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、
    Xは直鎖または分岐鎖のC 〜C 20 アルキル、あるいはC 〜C アルキルおよびC 〜C アルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、
    Zはヒドロキシ基またはアミノ基を表す。
    ただし、R 、R またはR の少なくとも1つはC 〜C アルコキシを表す)
    を有する薬剤に接触させて、第1の反応性中間体を形成する工程と、
    (b)該第1の反応性中間体を分子に接触させて、第2の反応性中間体を形成する工程と、
    (c)該第2の反応性中間体を前記表面に接触させて、前記表面上に該分子を固定化する工程と
    から成る方法。
  32. 前記表面はガラス表面である請求項31に記載の方法。
  33. 前記表面は前記反応性中間体と反応する少なくとも1つの基を有する請求項31に記載の方法。
  34. 前記基はヒドロキシル基またはアミノ基からなる請求項33に記載の方法。
  35. 前記薬剤は4−アミノフェニルトリメトキシシラン、4−アミノフェニルトリエトキシシラン、3−アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノフェニルトリエトキシシラン、またはこれらの混合物である請求項31に記載の方法。
  36. 前記薬剤およびテトライソシアナトシランが4:1のモル比で存在する請求項35に記載の方法。
  37. 前記分子および前記第1の反応性中間体が3:1のモル比で存在する請求項31に記載の方法。
  38. 前記Si(NCY) および前記薬剤が1:1のモル比で存在し、
    前記第1の反応性中間体が、式iv:
    (R )(R )(R )Si−X−Z−CYNH−Si(NCY) iv
    (式中、R 、R およびR は個別にC 〜C アルコキシ、C 〜C アルキル、フェニル、またはC 〜C アルキルおよびC 〜C アルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、
    Xは直鎖または分岐鎖のC 〜C 20 アルキル、あるいはC 〜C アルキルおよびC 〜C アルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって置換されており、
    Yは酸素または硫黄を表し、Zは酸素またはNHを表す。
    ただし、R 、R またはR の少なくとも1つはC 〜C アルコキシを表す)
    を有する請求項31に記載の方法。
  39. 、RおよびRはメトキシを表し、Xはフェニルを表し、Yは酸素を表し、ZはNHを表す請求項38に記載の方法。
  40. 前記第2の反応成中間体が、式v:
    (R )(R )(R )Si−X−Z−CYNH−Si(NHCYL−M)

    (式中、R 、R およびR は個別にC 〜C アルコキシ、C 〜C アルキル、フェニル、またはC 〜C アルキルおよびC 〜C アルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、
    Lはリンカー基を表し、
    Xは直鎖または分岐鎖のC 〜C 20 アルキル、あるいはC 〜C アルキルおよびC 〜C アルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、
    Yは酸素または硫黄を表し、
    Zは酸素またはNHを表し、
    Mは分子を表す。
    ただし、R 、R またはR の少なくとも1つはC 〜C アルコキシを表す)
    を有する請求項38に記載の方法。
  41. Lは前記分子からの求核基を表す請求項40に記載の方法。
  42. 前記求核基は−NH、−S−、−O−または−OOC−を含む請求項41に記載の方法。
  43. 前記Si(NCY) および薬剤が1:2のモル比で存在し、
    前記第1の反応性中間体が、式vi:
    [(R )(R )(R )Si−X−Z−CYNH] −Si(NCY) vi
    (式中、R 、R およびR は個別にC 〜C アルコキシ、C 〜C アルキル、フェニル、またはC 〜C アルキルおよびC 〜C アルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、
    Xは直鎖または分岐鎖のC 〜C 20 アルキル、あるいはC 〜C アルキルおよびC 〜C アルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、
    Yは酸素または硫黄を表し、
    Zは酸素またはNHを表す。
    ただし、R 、R またはR の少なくとも1つはC 〜C アルコキシを表す)
    を有する請求項31に記載の方法。
  44. 、R およびR はメトキシを表し、Xはフェニルを表し、Yは酸素を表し、ZはNHを表す請求項43に記載の方法。
  45. 前記第2の反応性中間体が、式vii:
    [(R )(R )(R )Si−X−Z−CYNH] Si(NHCYL−M)
    vii
    (式中、R 、R およびR は個別にC 〜C アルコキシ、C 〜C アルキル、フェニル、またはC 〜C アルキルおよびC 〜C アルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールを表し、
    Lはリンカー基を表し、
    Xは直鎖または分岐鎖のC 〜C 20 アルキル、あるいはC 〜C アルキルおよびC 〜C アルコキシから成る群から選択される1つまたは複数の基で置換されたアリールであって、酸素、窒素または硫黄を含む1つまたは複数のヘテロ原子によって任意選択で置換されており、
    Yは酸素または硫黄を表し、
    Zは酸素またはNHを表し、
    Mは分子を表す。
    ただし、R 、R またはR の少なくとも1つはC 〜C アルコキシを表す)
    を有する請求項43に記載の方法。
  46. Lは前記分子からの求核基を表す請求項45に記載の方法。
  47. 前記求核基は−NH、−S−、−O−または−OOC−を含む請求項46に記載の方法。
  48. 前記分子はプローブからなる請求項31に記載の方法。
  49. 前記プローブは、タンパク質、ペプチド、核酸、ペプチド核酸、アミノ酸、連結された核酸、ヌクレオシド三リン酸、糖質、脂質、脂質結合タンパク質、アプタマー、ウイルス、細胞断片、または細胞全体からなる請求項48に記載の方法。
  50. 前記脂質結合タンパク質はGタンパク質結合受容体からなる請求項49に記載の方法。
  51. 前記プローブは抗体、抗原、受容体、またはリガンドからなる請求項48に記載の方法
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