JP4647833B2 - 消防ホース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は消防ホースに関し、さらに詳しくは、キンクを発生しにくくした消防ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】
消火作業中において、消防ホースは一方の端部を消火栓や放水ポンプ等に連結し、他方の端部に順次必要な本数を連結しながら火災現場まで展張され、最後の消防ホース端部にノズルを連結して放水を行う。放水ノズルは火勢の状況に応じて色々な場所へ移動させるため、その移動に伴って消火ホースも地上等を引きずり廻されながら移動する。
【0003】
上記のような消火作業の過程で、消防ホースが何らかの理由により極端な曲げ荷重を受けると、図4に示すように、消防ホース1の湾曲部の内周側にV字状に折れ曲がったキンクKを発生することがある。このようなキンクKが発生すると、消防ホース1の通水面積が実質的にゼロになったり、或いは小さく絞られた状態になるため、通水が停止してしまったり、或いは通水量が極端に減少して、以後の消火作業が出来なくなったり、消火作業員が危険にさらされたりする等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来の問題を解消し、キンクを発生しにくくした消防ホースを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の消防ホースは、経糸と緯糸から筒状に製織したジャケットにライナー層を内貼りした消防ホースにおいて、前記ジャケットの織組織をN/1外綾と1/N内綾(ただし、N=3又は4)とが交互配列する綾織構造にしたことを特徴とするものである。
【0006】
キンクは消防ホースが小さな曲率半径になるまで曲げられたときに中間部がV字状に屈折する現象であるから、消防ホースを曲げていくときにキンクが発生する寸前の曲率半径(最小曲げ半径)が小さければ小さいほどキンクを発生しにくいホースということになる。本発明の消防ホースは、ジャケットをN/1外綾と1/N内綾(ただし、N=3又は4)とが交互配列する綾織構造にしているため、経糸が動きやすくなり曲げ剛性の小さいホースにすることができる。したがって、消防ホースを曲げたときの最小曲げ半径が可及的に小さくなり、キンクが発生しにくくなるのである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、消防ホースの骨格をなすジャケットは、長手方向に筒状に配列した経糸に緯糸が周方向に螺旋状に織り込まれるように織製されている。かつ、その織組織が、N/1外綾と1/N内綾(ただし、N=3又は4)とが交互配列した綾織構造になっている。特に、N=3にした、3/1外綾と1/3内綾とが交互配列した綾織である場合が好ましい。
【0008】
図1(A)〜(C)は、本発明の消防ホースを構成するジャケットの織組織について、N=3の場合を例示したものである。この組織図において、上下方向が経糸、左右方向が緯糸であり、これら経糸と緯糸が交差する交点のうち、経糸が外側になる交点を白抜きの□で示し、経糸が内側になる交点を黒塗りの□で示している。
【0009】
図1(A)〜(C)の各織組織とも、3/1外綾と1/3内綾とが交互に配列した構成になっている。このうち図1(A)の組織図では、互いに隣接する3/1外綾と1/3内綾との関係を、3/1外綾の連続する3個の経糸外側交点の中央位置の交点と、隣の1/3内綾の経糸外側交点とが緯糸方向に並ぶようにしてある。図1(B)の組織図では、3/1外綾の連続する3個の経糸外側交点の下端位置の交点と、隣の1/3内綾の経糸外側交点とが緯糸方向に並ぶようにしてある。また、図1(C)の組織図では、3/1外綾の連続する3個の経糸外側交点の上端位置の交点と、隣の1/3内綾の経糸外側交点とが緯糸方向に並ぶようにしてある。
【0010】
このようにジャケットの織組織を、3/1外綾と1/3内綾とが交互に配列する綾織か、或いは4/1外綾と1/4内綾とが交互に配列する綾織にしたことにより、従来の消防ホースに採用されていた平織や2/1綾織のジャケットの場合よりも、経糸が動きやすくなり、かつ曲げ荷重を受けるとき捩じりを生じながら曲がることにより、ホースの曲げ剛性を小さく曲げやすくすることができる。その結果、消防ホースを曲げる際の最小曲げ半径が小さくなり、キンクを生じにくくすることができる。
【0011】
上記綾織組織において、好ましくは緯糸の50mm幅当たりの打込み数は30本以上、さらに好ましくは35本以上にするとよい。従来の消防ホースに使用されているジャケットでは、緯糸の50mm幅当たりの打込み数は25本程度であるので、これよりも密にするのである。このように緯糸の50mm幅当たりの打込み数を30本以上に密にすることにより、消防ホースが曲げ作用を受けたときの湾曲内側面の変形を1か所に集中させず、多数の各緯糸に分散吸収させることができる。そのため上記綾織組織にしたことと相まって、本発明の消防ホースにキンクを一層発生しにくくする。
【0012】
緯糸の打込み数は、ホースの呼び径により、呼び径が大きいほど多くすることが望ましい。すなわち、特に呼び径50mm以上のホースにおける緯糸の50mm幅当たりの打込み数は35本以上とし、さらに好ましくは38本以上にするとよい。緯糸の50mm幅当たりの打込み数の上限は特に限定されないが、60本程度に設定することが好ましい。
【0013】
緯糸の繊度としては特に限定されるものではないが、好ましくは1100dtex以上の糸を用いることが望ましい。
【0014】
本発明において、さらに好ましくは、上記のようなジャケット構造に加えて、ジャケット外表面に撥水剤をコーティングするとよい。火災現場では路面に水が溜まって水膜が形成されることが多いが、消防ホースが水膜と接触してジャケットを湿潤状態にすると、地上を引きずり廻されるときの摩擦抵抗が高くなり、大きな摩擦力による曲げ作用を受けることによりキンクを発生しやすくなる。しかし、上記のようにジャケット外表面に撥水剤をコーティングし、ジャケットが常に乾燥状態を維持するようにすることにより、上記摩擦力による曲げ作用を受け難くなるため、キンクの発生を低減することができる。
【0015】
コーティングに使用する撥水剤としてはシリコーンが好ましい。シリコーンは、ジャケットの乾燥状態に維持するのみならず、路面との摩擦抵抗も低減するため、路面との摩擦力により受ける曲げ作用を低減することができる。シリコーンの種類としては特に限定されるものではないが、好ましくは主鎖がオルガノシロキサン結合─(SiR2 O)n ─からなるシリコーンゴムがよい。
【0016】
消防ホースが有するキンク防止効果の確認は、図3に示すような測定法によって容易に行うことができる。
【0017】
まず、対象の消防ホースに水を充填して、0.4MPaの圧力(水圧)を負荷した状態にし、それを図3のように2枚の板20,20の間に挟み、互いに接近させながらホースを湾曲させていくとき、キンクが発生する直前の最小曲げ半径rを測定する(圧力0.4MPaは消防ホースから水を放水するときのノズル出口での水圧に相当する)。その最小曲げ半径rが小さいほど、キンクが発生しにくいホースであることを意味する。
【0018】
本発明の消防ホースによれば、上記最小曲げ半径rを25cm以下、さらに好ましくは20cm以下にすることができる。
【0019】
図2は、本発明の消防ホースの実施形態について要部を示したものである。
【0020】
図2に示すように、消防ホース1は筒状のジャケット2の内面にライナー層3を貼り付け、また外表面に撥水剤4をコーティングするように構成されている。筒状のジャケット2は、多数本の経糸2aをホース長手方向に環状に配列させ、これらに緯糸2bが螺旋状に打ち込まれて製織されている。その緯糸2bの打込み方法は、隣接する経糸毎に交互に異なり、N/1織と1/N織(ただし、N=3又は4)とが交互配列する綾織構造になっている。
【0021】
ジャケット2の内側に貼り付けられたライナー層3はシール層として設けられたものである。このライナー層3には、ポリ塩化ビニル,ポリエチレン等の軟質樹脂或いは天然ゴム、合成ゴムが使用されている。
【0022】
撥水剤4は、前述したように消防ホース1が地上の水膜に接触したとき、その水によってジャケット2が湿潤状態にならないように設けたものである。ジャケット2が常に乾燥状態を維持することにより、消防ホース1は高いキンク防止効果を保つことができる。
【0023】
【発明の効果】
上述したように本発明の消防ホースによれば、ジャケットの織組織をN/1外綾と1/N内綾(ただし、N=3又は4)が交互配列する綾織構造にしたため、経糸を大いに動きやすくして曲げ剛性を小さくすることができる。したがって、消防ホースを曲げるときの最小曲げ半径が小さくなり、キンクを発生しにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A),(B),(C)は、それぞれ本発明の消防ホースを構成するジャケットの織組織を示した組織図である。
【図2】本発明の消防ホースの実施形態について要部を示す縦断面図である。
【図3】消防ホースのキンク防止効果を測定する方法の説明図である。
【図4】消防ホースに発生するキンクの説明図である。
【符号の説明】
1 消防ホース
2 ジャケット
2a 経糸
2b 緯糸
3 ライナー層
4 撥水剤
K キンク
Claims (5)
- 経糸と緯糸から筒状に製織したジャケットにライナー層を内貼りした消防ホースにおいて、前記ジャケットの織組織をN/1外綾と1/N内綾(ただし、N=3又は4)とが交互配列する綾織構造にした消防ホース。
- 前記織組織を3/1外綾と1/3内綾とが交互配列する綾織構造にした請求項1に記載の消防ホース。
- 前記緯糸の50mm幅当たりの打込み数を30本以上にした請求項1又は2に記載の消防ホース。
- 前記ジャケットの外周面に撥水剤をコーティングした請求項1,2または3に記載の消防ホース。
- 前記撥水剤がシリコーンである請求項4に記載の消防ホース。
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