JP4646879B2 - ストローク特性可変エンジン - Google Patents

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    • F16C3/04Crankshafts, eccentric-shafts; Cranks, eccentrics
    • F16C3/06Crankshafts
    • F16C3/14Features relating to lubrication

Description

本発明は、ストローク特性可変エンジンに関し、特に、ストローク特性を変化させるための複数のリンクを有するストローク特性可変エンジンに関するものである。
ピストンとクランクシャフトとの間を複数のリンクで連結し、これら複数のリンクのいずれか1つとエンジン本体に支持されたエキセントリックシャフトの偏心軸とを連結するコントロールリンクとを有し、エキセントリックシャフトを回動させることでピストンストロークを変化させるようにしたストローク特性可変エンジンが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−11634号公報
一方、複数のリンクの連結構造としては、各リンクの互いに連結される部分にそれぞ軸支孔を設け、連結軸を対応する軸支孔間に挿通するものが公知である。クランクシャフトのクランクピンに連結されたリンクの場合には、クランクシャフトに設けられた潤滑油供給路から潤滑油を取り出して連結軸の潤滑に使用することができる。その場合にはリンク内に潤滑油路を設けることになり、その潤滑油路の軸支孔との連通構造にあっては、上記文献にも見られるように、連結軸の外周面に対して潤滑油路の軸線が略直交するような両者の位置関係となっている。
上記の場合には、連結軸の外周面に流出された潤滑油は連結軸の周方向に対して両方向に流れるようになるが、連結軸の回転が十分行われない場合には連結軸の全周に渡って潤滑油が行き渡らない虞がある。特に、上記文献に示された構造のストローク特性可変エンジンにあっては、クランクピンに連結されたリンクは揺動運動し、他のリンクとの連結部における連結軸は必ず1回転するとは限らないため、潤滑不足となる虞がある。
本発明は、このような従来技術の不都合を解消すべく案出されたものであり、その主な目的は、複数のリンクにおける潤滑性を向上し、軽量化かつ高剛性化の促進を実現するストローク特性可変エンジンを提供することにある。
このような課題を解決するために本発明の請求項1は、ストローク特性可変エンジンであって、ピストン(3)に連結された一端部を有する第1リンク()と、クランクピン(9)により回動自在に支持され、前記第1リンクの他端部に設けられた第1連結軸(21)を回動自在に軸支する第1軸支孔(23)が設けられた一端部を有する第2リンク(5)と、前記第2リンクの他端部に設けられた第2軸支孔(24)により回動自在に軸支された第2連結軸(22)を備えた一端部及びエンジン本体に移動自在に設けられたコントロールシャフト(13)に連結された他端部を有するコントロールリンク(12)とを含み、前記コントロールシャフトを移動させることでピストンストロークを変化させるようにしてなり、潤滑油路(27・28)が、前記第2リンクの、前記クランクピンを支持するクランクピン孔(25)と、少なくとも前記第1軸支孔及び第2軸支孔の一方と連通するように前記第2リンクに設けられることにより、前記クランクピン内部からの潤滑油を前記軸支孔に供給するようにされ、前記潤滑油路は、その軸線が、前記連結軸の外周面の接線方向に略一致するように前記軸支孔に開口することを特徴とするものとした。
また請求項2の発明は、ストローク特性可変エンジンであって、ピストン(3)に連結された一端部を有する第1リンク()と、クランクピン(9)により回動自在に支持され、前記第1リンクの他端部に設けられた第1連結軸(21)を回動自在に軸支する第1軸支孔(23)が設けられた一端部を有する第2リンク(5)と、前記第2リンクの他端部に設けられた第2軸支孔(24)により回動自在に軸支された第2連結軸(22)を備えた一端部及びエンジン本体に移動自在に設けられたコントロールシャフト(13)に連結された他端部を有するコントロールリンク(12)とを含み、前記コントロールシャフトを移動させることでピストンストロークを変化させるようにしてなり、潤滑油路(27・28)が、前記第2リンクの、前記クランクピンを支持するクランクピン孔(25)と、少なくとも前記第1軸支孔及び第2軸支孔の一方と連通するように前記第2リンクに設けられることにより、前記クランクピン内部からの潤滑油を前記軸支孔に供給するようにされ、前記潤滑油路は、前記ピストンからの最大爆発荷重が前記連結軸に作用する際に前記連結軸と前記軸支孔との隙間が大きくなる側の前記軸支孔の部分に開口することを特徴とするものとし、請求項3の発明は、前記第1軸支孔(23)に連通する前記潤滑油路(27)が、前記ピストン(3)からの最大爆発荷重が前記第1連結軸に作用する際に、前記ピストンと前記第1リンク(4)との連結中心(Ca)と前記クランクピン(9)の中心(Cb)とを結ぶ線に対して、前記第1軸支孔の前記第1連結軸の中心(Cc)が位置する側とは反対側に開口しているものとし、請求項の発明は、前記第2リンク(5)が、前記クランクピン孔(25)により前記クランクピン(9)を径方向に挟むように分割されかつボルト(26)により結合された2つの分割体(5a・5b)からなり、前記潤滑油が前記クランクピン(9)を介して前記クランクピン孔(25)に供給され、前記潤滑油路(27・28)が、前記クランクピン孔(25)に連通し、かつ前記ボルト(26)から離れた側に設けられていることを特徴とするものとし、請求項の発明は、前記第2リンク(5)における前記第1軸支孔及び第2軸支孔(23・24)と前記クランクピン孔(25)との間の部分に薄肉部(29)が形成され、前記潤滑油路(27・28)が、前記クランクピン孔(25)の外周部分と前記第1軸支孔及び第2軸支孔(23・24)の各外周部分とを結ぶように延在しかつ前記薄肉部(29)よりも厚くされた各突条部(34・35)内に形成されていることを特徴とするものとし、請求項の発明は、前記第2リンク(5)に前記第1軸支孔及び第2軸支孔(23・24)の各外周部分(32・33)間を連結するリブ(36)が設けられ、かつ当該リブ(36)が前記各突条部(34・35)にも連結されていることを特徴とし、請求項の発明は、前記突条部(34・35)が、前記ボルト(26)を受容するボルトボス部(37)にも連結されていることを特徴とし、請求項の発明は、前記潤滑油路(27・28)が、前記第2リンク(5)の揺動範囲において、前記潤滑油路(27・28)が設けられていない他のリンク(4・12)に対して前記クランクシャフト(6)の軸方向から見て重ならない部分を有することを特徴とし、請求項の発明は、前記潤滑油路(27・28)の中心と前記ボルト(26)を挿入するボルト孔(37a)の中心とが前記クランクシャフト(6)の軸方向にずれて配設されていることを特徴とするものとした。
このように、本発明の請求項1によれば、供給される潤滑油の流れの方向が連結軸の外周の接線方向になることから、リンクが揺動する際にリンクと連結軸との間に潤滑油が回り込み易くなり、潤滑性が大幅に向上するため、リンク運動が円滑化され、エンジンの効率を向上し得る。
また、請求項2によれば、ボルト締結部との干渉を避けて潤滑油路を形成できるので、油路構造が複雑になることがない。請求項3によれば、各軸支孔回りの剛性を容易に高めることができる。請求項4によれば、より一層各軸支孔回りの剛性を高めることができる。さらに、請求項5によれば、軽量化のためリンクを薄肉化して形成した場合に、ボルトを受容する部分が薄肉部分よりも厚くなるため、その厚くなった部分を利用して潤滑油を形成する部分の剛性をより一層高めることができ、リンク全他の高剛性化にも寄与し得る。また、請求項6によれば、1つのリンクに設ける潤滑油路が、クランク軸方向から見て、エンジン運転中の動き(1つのリンクの揺動範囲)による他のリンクと重ならない部分を有するように延在することにより、少なくともその部分の油路の大きさ等を他のリンクによる制約を受けることなく自由に設計でき、潤滑油路の設計自由度が向上する。また、請求項7によれば、連結軸とリンクの軸支孔との間の隙間に潤滑油を供給し易くなるので、リンク運動がより一層円滑化され、エンジンの効率向上に寄与し得る。また、請求項8によれば、潤滑油路とボルト孔とを近接配置してもリンクの剛性低下を抑制できる。
以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明が適用されたストローク特性可変エンジンの一例としての可変圧縮比エンジンのシリンダヘッドから上方を省略して示す概略構成図である。なお、シリンダヘッドに設けられる動弁機構や吸気系および排気系については、在来の4サイクルエンジンと何ら変わるところはない。このエンジン1のシリンダ2に摺合したピストン3は、第1リンク4及び本願発明における1つのリンクとしての第2リンク5の2つのリンクを介してクランクシャフト6に連結されている。
クランクシャフト6は、基本的に通常の固定圧縮比エンジンと同様の構成であり、クランクケース7内に支持されたクランクジャーナル8(クランクシャフトの回転中心)から偏心したクランクピン9を備えており、シーソー式に揺動する第2リンク5の中間部がクランクピン9に支持されている。第1リンク4の一端の小端部4aがピストンピン10に連結され、他端の大端部4bが第2リンク5の一端部5aと連結されている。なお、クランクシャフト6には、主としてピストン運動の回転1次振動成分を低減するためのカウンタウェイトが設けられているが、これも在来のレシプロエンジンと同様なので省略する。
第2リンク5の他端部5bには、通常のエンジンにおけるピストンとクランクシャフトとを連結するコネクティングロッドと同一構成のコントロールリンク12の一端の小端部12aがピン結合されている。そしてコントロールリンク12の他端の大端部12bは、クランクケース7に回動自在に支持され且つクランクシャフト6と平行に延設されたコントロールシャフトとしてのエキセントリックシャフト13の軸心から偏心している偏心軸13aに、2つ割り構造の軸受け孔14をもって連結されている。これにより、エキセントリックシャフト13によりコントロールリンク12の他端部としての大端部12bが揺動自在に支持されている。
エキセントリックシャフト13は、コントロールリンク12の大端部12bをクランクケース7内で所定範囲(例えば約90度)を移動可能に支持しており、クランクケース7の外方へ突出した軸端に設けられた油圧駆動機構により、エンジン1の運転状態に応じてその回動角が連続的に変化させられ、且つ任意の角度で保持されるようになっている。
このエンジン1によると、エキセントリックシャフト13を回動させることにより、コントロールリンク12の大端部12bの位置が、図1、2に示した位置(水平方向内向き/低圧縮比状態)と図3、4に示した位置(垂直方向下向き/高圧縮比状態)との間で変化し、クランクシャフト6の回転に伴う第2リンク5の揺動角度が変化する。これにより、ピストン3とクランクシャフト6とを連結するコネクティングロッドの長さが、ピストン3の運動に応じて連続的に変化するかのような作用を発揮し、且つエキセントリックシャフト13の回動によってコントロールリンク12のクランクケース7に対する支持端の位置を変化させることにより、コネクティングロッドの長さの変化率を任意に設定することができる。
このようにして、シリンダ2内でのピストン3のストローク範囲、即ち、ピストン3の上死点位置及び下死点位置が、図2に符号Aで示す範囲と図4に符号Bで示す範囲との間で連続的に変化することとなる。つまり、第1、第2リンク4・5、コントロールリンク12、及びエキセントリックシャフト13によってピストンストローク特性可変機構が構成され、これらにより、圧縮比及び排気量の少なくともいずれか一方を連続的に変化させるストローク特性可変機能がもたらされる。
次に、第2リンク5と各リンク4・12との連結部分について図5を参照して以下に示す。図5に示されるように第2リンク5と第1リンク4及びコントロールリンク12とはそれぞれ連結軸21・22を介して連結されている。第2リンク5には第1連結軸及び第2連結軸としての各連結軸21・22を回動自在に軸支する第1軸支孔及び第2軸支孔としての各軸支孔23・24が設けられている。なお、各連結軸21・22と各リンク4・12との関係にあっては、圧入などにより固定されていても良いが、サークリップなどによりリンク4・12に連結軸21・22を回転可能に組み付けても良い。回転可能な場合には、潤滑油の連結軸21・22に対する接線方向の流れにより、連結軸21・22の回転を助長することができ、連結軸21・22の回転により潤滑性が大幅に向上するため、リンク運動が一層円滑化される。
また、第2リンク5には、上記したようにその中間部でクランクピン9を支持しており、そのためのクランクピン孔25が設けられている。なお、第2リンク5は、クランクピン9を径方向に挟むようにクランクピン孔25を直径部分で分割された2つの分割体としての本体5aとキャップ5bとからなり、クランクピン孔25を挟んで配設された一対のボルト26により結合されている。
クランクピン孔25の潤滑は、通常のエンジンと同様であって良く、図6に示されるようにエンジン1に設けられたオイルポンプPからクランクシャフト6に送油された潤滑油を通す給油路9aがクランクピン9の内部に設けられ、その給油路9aとクランクピン9の外周面とが例えば2本の分岐路9b・9cにより連通している。このようにしてクランクピン孔25とクランクピン9との間に潤滑油が供給されるようになっている。
さらに、クランクピン孔25と各軸支孔23・24とを連通する各潤滑油路27・28が第2リンク5(本体5a)の内部に設けられている。クランクピン孔25に供給された潤滑油が各潤滑油路27・28を通って各軸支孔23・24に供給される。
そして、各潤滑油路27・28の各軸支孔23・24に対する開口位置は図に示されるように各軸支孔23・24の内周面の接線方向に臨むように設けられている。言い換えると、各潤滑油路27・28の軸線の延長線が対応する各連結軸21・22の外周面の接線と略一致するようにされている。
このようにすることにより、潤滑油路27から軸支孔23に供給される潤滑油の流出方向は図6の矢印Cに示されるように軸支孔23の内周面を一方向に流れる向きになる。したがって、軸支孔23に軸支される連結軸21にあっては、常に周方向の一方向に潤滑油が流れるようになり、その方向に回転し易くなるため、連結軸21の全周に潤滑油が行き渡るようになる。なお、軸支孔24(連結軸22)においても同様である。
これにより、揺動運動する第2リンク5に連結された連結軸21・22にあっては、そのままでは1回転しないこともあり得るが、上記したように一方向に潤滑油が流れるため同方向へ回転し易くなる。したがって、連結軸21・22の回転を助長することができ、連結軸21・22の回転により潤滑性が大幅に向上するため、リンクの運動が円滑化し、機械効率が向上する。
また、第2リンク5において、各潤滑油路27・28はボルト26が締結された部分に対して離れた部分に設けられている。さらに、クランクピン孔25から各軸支孔23・24に至る方向がボルト26に対して離れる側である。このようにすることにより、潤滑油路27・28のレイアウトにおいてボルト26との干渉が避けられるため、図に示されるように直線状に設けることができるなど、潤滑油路27・28が複雑化することがない。なお、潤滑油路27・28の経路としては直線に限られず、折れ線や曲線状であっても良いが、そのような場合には、軸支孔23・24への開口近傍の軸線方向を連結軸21・22の外周(軸支孔23・24の内周)の接線方向とする。
また、第2リンク5にあっては、軽量化のためできるだけ肉抜きしており、クランクピン孔25と各軸支孔23・24との間などには、図7に併せて示されるように薄肉にした薄肉部29が設けられている。それに対して、クランクピン孔25及び各軸支孔23・24は必要な軸線方向長さを有するように、それぞれを外囲するボス状の各ボス部31・32・33が形成されている。
一方、各潤滑油路27・28の必要な孔径を確保するために薄肉部29よりも厚さ方向に膨出された各突条部34・35を形成し、各突条部34・35内に各潤滑油路27・28が形成されている。そして、各突条部34・35の長手方向(各潤滑油路27・28の軸線方向)両端部が各ボス部31・32・33に連結されており、それにより、各ボス部31・32・33すなわち各孔23・24・25の回りの剛性が高まり、リンク運動が安定化する。
また、各軸支孔23・24の各ボス部31・32間には壁状のリブ36が設けられており、リブ36を介して両ボス部31・32が連結されている。さらに、リブ36の各ボス部31・32への連結部分は各突条部34・35にも連結されており、これにより、各ボス部31・32にとっては、各突条部34・35のみならずリブ36とも連結されることになるため、より一層高い剛性を確保し得る。そして、上記したように各突条部34・35及びリブ36同士も連結されていることにより、より一層剛性を高くし得る。そのような高剛性化のために全体を厚く形成することなく、また必要な潤滑油路27・28を形成するための突条部34・35を利用することから、軽量化も達成し得る。
さらに、比較的太いボルト26を受容する部分も薄肉部29よりも厚いボルトボス部37として形成されており、そのボルトボス部37と突条部34・35との各最接近部同士間も連結されている。図示例では、図7に示されるように両者間に薄肉部29よりも厚い厚肉部38を介して連結されている。これにより、潤滑油路27・28においてボルトボス部37と連結された部分の剛性が高まり、別個に剛性部分を形成することなく、高剛性化を促進し得る。なお、厚肉部38は、ボルトボス部37または突条部34・35のどれかの延長として形成しても良い。
また、第2リンク5における潤滑油路27・28を設けた部分が、図8に示されるように他のリンク4・12の揺動範囲SW1・SW2に対して、クランクシャフト6の軸方向(図面の表裏方向)から見て重ならない部分を有するようにされている。すなわち、第2リンク5において、各リンク4・12の連結部分となる大端部4b・小端部12aと重なる各ボス部32・33を除いた部分では各潤滑油路27・28に対して各リンク4・12がそれぞれの揺動範囲SW1・SW2で重なることがない。具体的には突条部34・35を設けた部分であり、図示例のように突条部34・35を設けたり、他の任意の形状にしたりすることができ、その部分に設ける潤滑油路27・28の孔の形状や大きさなどを自由に設計できる。したがって、潤滑油路27・28の設計自由度が向上し得る。
また、図9に示されるように、第1リンク4の大端部4aが二股状に形成されていて良く、その二股部分に挟まれるように第2リンク5の対応する部分(ボス部32)が設けられている。このような連結構造において、上記重ならない構造を採用すると特に有効である。もちろん、連結構造にあっては、連結軸21を相対的に片持ち支持するようにして両リンク4・5同士を連結しても良く、その場合には第1リンク4の片側で第2リンク5が揺動することから、他の側の形状(第2リンク5の厚さなど)を自由に設計でき、したがって潤滑油路34の設計も自由である。なお、コントロールリンク12との間にあっても同様であり、その図示及び説明は省略する。また、連結軸21(22)を中実のピン形状にしたが、軽量化を促進するために中空の円筒形状にしても良い。
また、最大爆発荷重が連結軸21・22に作用する際に連結軸21・22と軸支孔23・24との隙間が大きくなる側に設けられている。すなわち、図3に示されるピストン3に爆発行程時の最大荷重が作用する状態で、図の一点鎖線に示されるように、ピストン3及び第1リンク4の連結中心(ピストンピン中心)Caとクランクピン9の中心Cbとを結ぶ線Lに対して、連結軸21の中心Ccが位置する側とは反対側に潤滑油路27の連結軸21に対する接線方向に延在する部分が位置するようにされている。これにより爆発時に、図10に示されるように、連結軸21と軸支孔23との隙間において潤滑油路21側の隙間d1の方が相反する側の隙間d2よりも大きくなる(d1>d2)ため、潤滑油がより一層円滑に供給され得る。また、連結軸22と軸支孔24との隙間においても、潤滑油路28側の隙間d3が連結軸22を挟んで相反する側の隙間d4よりも大きくなる(d3>d4)ようにされており、上記と同様に潤滑油供給の円滑化が促進される。
また、図11に示されるように、潤滑油路27・28の中心とボルト26を挿入するボルト孔37aの中心とがクランクシャフト6の軸方向にずれて配設されていると良い。なお、図11は図7に対応する図であり、上記図示例と同様の部分には同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。図11では、ボルト孔37aの中心に対して潤滑油路27の中心がクランクシャフト6の軸方向に対して偏倚量e1だけ相対的にずれているものが示されている。このようにすることにより、ボルト孔37aと潤滑油路27とを第2リンク5の面に沿う方向に対して互いに近接させても、両者の最接近位置の間隔(肉厚)が長く保たれるため、第2リンク5の剛性低下を抑制することができる。また、図12に別の例を示す。図12にあっては、潤滑油路27の代わりに2本の潤滑油路27a・27bを設けたものである。例えば、第2リンク5とリンク4(12)との連結構造において上記とは逆に第2リンク5側を二股として、リンク4(12)を1本形状とした場合であって良い。この場合には、第2リンク5の連結部における二股に対応するべく図のように2本の潤滑油路27a・27bを設けることになる。そして、ボルト孔37aの中心に対して各潤滑油路27a・27bの中心がクランクシャフト6の軸方向に対して偏倚量e2ずつ相対的にずれていることになり、その作用効果は上記と同様である。
なお、本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンにも適用可能である。
本発明が適用されたエンジンの低圧縮比状態でのピストン上死点位置を示す縦断面図である。 本発明が適用されたエンジンの低圧縮比状態でのピストン下死点位置を示す縦断面図である。 本発明が適用されたエンジンの高圧縮比状態でのピストン上死点位置を示す縦断面図である。 本発明が適用されたエンジンの高圧縮比状態でのピストン下死点位置を示す縦断面図である。 第2リンクの外観を示す正面図である。 潤滑油路を示す第2リンクの要部破断図である。 図5の矢印VII−VII線に沿って見た断面図である。 リンクの揺動範囲と潤滑油路との関係を示す説明図である。 図8の矢印IX−IX線に沿って見た要部拡大断面図である。 連結軸と軸支孔との隙間の関係を示す図である。 ボルト孔と潤滑油路とのずれを示す例を示す図である。 ボルト孔と潤滑油路とのずれを示す他の例を示すである。
符号の説明
3 ピストン
4・5 リンク
5a・5b 分割体
6 クランクシャフト
9 クランクピン
12 コントロールリンク
13 エキセントリックシャフト
21・22 連結軸
23・24 軸支孔
25 クランクピン孔
26 ボルト
27・28 潤滑油路
29 薄肉部
31・32 ボス部(外周部分)
34・35 突条部
36 リブ
37 ボルトボス部

Claims (9)

  1. ストローク特性可変エンジンであって、
    ピストンに連結された一端部を有する第1リンクと、クランクピンにより回動自在に支持され、前記第1リンクの他端部に設けられた第1連結軸を回動自在に軸支する第1軸支孔が設けられた一端部を有する第2リンクと、前記第2リンクの他端部に設けられた第2軸支孔により回動自在に軸支された第2連結軸を備えた一端部及びエンジン本体に移動自在に設けられたコントロールシャフトに連結された他端部を有するコントロールリンクとを含み、
    前記コントロールシャフトを移動させることでピストンストロークを変化させるようにしてなり、
    潤滑油路が、前記第2リンクの、前記クランクピンを支持するクランクピン孔と、少なくとも前記第1軸支孔及び第2軸支孔の一方と連通するように前記第2リンクに設けられることにより、前記クランクピン内部からの潤滑油を前記軸支孔に供給するようにされ、
    前記潤滑油路は、その軸線が、前記連結軸の外周面の接線方向に略一致するように前記軸支孔に開口することを特徴とするストローク特性可変エンジン。
  2. ストローク特性可変エンジンであって、
    ピストンに連結された一端部を有する第1リンクと、クランクピンにより回動自在に支持され、前記第1リンクの他端部に設けられた第1連結軸を回動自在に軸支する第1軸支孔が設けられた一端部を有する第2リンクと、前記第2リンクの他端部に設けられた第2軸支孔により回動自在に軸支された第2連結軸を備えた一端部及びエンジン本体に移動自在に設けられたコントロールシャフトに連結された他端部を有するコントロールリンクとを含み、
    前記コントロールシャフトを移動させることでピストンストロークを変化させるようにしてなり、
    潤滑油路が、前記第2リンクの、前記クランクピンを支持するクランクピン孔と、少なくとも前記第1軸支孔及び第2軸支孔の一方と連通するように前記第2リンクに設けられることにより、前記クランクピン内部からの潤滑油を前記軸支孔に供給するようにされ、
    前記潤滑油路は、前記ピストンからの最大爆発荷重が前記連結軸に作用する際に前記連結軸と前記軸支孔との隙間が大きくなる側の前記軸支孔の部分に開口することを特徴とするストローク特性可変エンジン。
  3. 前記第1軸支孔に連通する前記潤滑油路が、前記ピストンからの最大爆発荷重が前記第1連結軸に作用する際に、前記ピストンと前記第1リンクとの連結中心と前記クランクピンの中心とを結ぶ線に対して、前記第1軸支孔の前記第1連結軸の中心が位置する側とは反対側に開口していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のストローク特性可変エンジン。
  4. 前記第2リンクが、前記クランクピン孔により前記クランクピンを径方向に挟むように分割されかつボルトにより結合された2つの分割体からなり、
    前記潤滑油が前記クランクピンを介して前記クランクピン孔に供給され、
    前記潤滑油路が、前記クランクピン孔に連通し、かつ前記ボルトから離れた側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のストローク特性可変エンジン。
  5. 前記第2リンクにおける前記第1軸支孔及び第2軸支孔と前記クランクピン孔との間の部分に薄肉部が形成され、
    前記潤滑油路が、前記クランクピン孔の外周部分と前記第1軸支孔及び第2軸支孔の各外周部分とを結ぶように延在しかつ前記薄肉部よりも厚くされた各突条部内に形成されていることを特徴とする請求項に記載のストローク特性可変エンジン。
  6. 前記第2リンクに前記第1軸支孔及び第2軸支孔の各外周部分間を連結するリブが設けられ、かつ当該リブが前記各突条部にも連結されていることを特徴とする請求項に記載のストローク特性可変エンジン。
  7. 前記突条部が、前記ボルトを受容するボルトボス部にも連結されていることを特徴とする請求項5または請求項に記載のストローク特性可変エンジン。
  8. 前記潤滑油路が、前記第2リンクの揺動範囲において、前記潤滑油路が設けられていない他のリンクに対して前記クランクシャフトの軸方向から見て重ならない部分を有することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のストローク特性可変エンジン。
  9. 前記潤滑油路の中心と前記ボルトを挿入するボルト孔の中心とが前記クランクシャフトの軸方向にずれて配設されていることを特徴とする請求項乃至請求項のいずれかに記載のストローク特性可変エンジン。
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