JP4646406B2 - 非水系電気化学電池 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は非水系電気化学電池に関する。この種の電池は特にバッテリーとして大きな実用的意義を有している。充電不能なバッテリー(一次電池)も充電可能なバッテリー(二次電池)もいずれも多くの場合に非水系電解液を含んだ電気化学電池を採用している。
【0002】
この種の電池の場合要求される安全性は重要な問題となる。多くのタイプの電池においてとりわけ、激しい温度上昇が安全上危険な状態をもたらすことがある。電池の外装が破裂したりまたは少なくとも漏れを生じて有害な気体状もしくは固体状の物質が漏れ出たりあるいは発火することさえもある。急速な温度上昇は不適切な取扱いによるのみならず、電池使用時の内部的なまたは外部的な短絡によっても生じ得る。
【0003】
特に危険なのは電池内部の激しい温度上昇によって発熱反応が発生すると共にこの反応が増強され、その結果ますます温度が上昇するような電池である。この自己増強効果は専門識者の間では熱暴走と称されている。こうした問題はとりわけ、電極に活物質としてのアルカリ金属が析出ないし沈着するアルカリ金属電池に関して論じられる。
【0004】
実験的検証のためにいわゆる“スパイクテスト”が実施される。このテストにあたっては、電池の正極と負極とを一本の釘で刺し貫くことにより電池内部の短絡がシミュレートされる。たとえばリチウムイオン電池ではこうしたテストにあたって激しい温度上昇と刺激性有毒バッテリー成分の激しい漏出が観察された。こうした安全上の問題は実際にバッテリーの機械的損傷に際してだけでなく、場合によっては通常使用時にも発生することがある。この点で特別な問題を表わしているのはバッテリーの隔離板を貫いて隣接対向電極との短絡を引き起こし得る樹枝状結晶が充電に際して電極に形成されることである。
【0005】
それゆえバッテリメーカーは、電子的、機械的または化学的なメカニズムによって充電ないし放電回路をコントロールし、電流が危険な温度レベル以下で遮断され、その結果として、熱暴走が生じ得ないようにすることを試みている。このためたとえば感圧式の機械スイッチまたは感熱式の電子スイッチが内部電池回路に組込まれる。さらに、危険な温度限界値に達すると直ちに電解液中の化学反応または隔離板の機械的変化によってこれらの要素中における電流の流れを不可逆的に遮断することが論じられている。最後に、正確に仕様設計された電子式充電器の使用を規定し、これによって充電電流と充電終了電圧とを厳密に制限することが一般に広く行われている。
【0006】
これらの対策にもかかわらず多くの非水系電池において安全性レベルは完全に満足し得るものではない。たとえば、リチウムイオン電池は1,3Ahまでの容量のものしか使用されないが、それは電池の容量がこれを越える場合には目下の技術水準からして安全性リスクが高すぎるからである。
【0007】
本発明の目的はできるだけ簡単且つ安価な方法で非水系電気化学電池の安全性を確実に向上させることである。
【0008】
前記課題は、負極、二酸化硫黄ベースの電解液、1つの正極を有し、電池の充電または放電時に電極の一方に活物質が沈着する再充電可能な非水系電気化学電池において、
これらの電極のうち少なくとも一方の領域に多孔構造体を成す固体状態の備えられ
前記塩はアルカリ金属のハロゲン化物またはアルカリ土類金属のハロゲン化物であり、
この塩は電極に沈着する前記活物質と接触するように形成・配置されていることによって解決される。
【0009】
本発明により使用安全性の本質的な改善が達成される。内部に短絡が生じた場合の反応速度は大幅に低下し、その際の圧力上昇が極度に低減される結果、固体もしくは気体状の物質が漏出しあるいは発火さえ生ずる危険は決定的に減少する。さらにその他に多くの場合に付加的な有利な効果が実現される。特に電池の保管中における自己放電の大幅な減少が実験によって観察された。
【0010】
本発明の好適な効果の原因はまだ完全には解明されていないが、電極領域に配置された固体塩が電極表面への電解液の侵入を遅延させ、これにより、電極表面に形成されたもしくは沈着した物質と電解液との間の安全上危険な反応が遅延されると推定することができる。また局部的な温度上昇の拡散も塩によって低減させられる。さらに、局部的な激しい温度上昇時には塩が融解すると考えることができる。したがってこれに要される融解熱が反応から奪われることとなる。この効果は純粋な塩の融点を下回る温度時に既に発生すると言えようが、それは電池内で進行する電気化学的反応の結果と局部的短絡時に付加的に発生する反応の結果とによって融点の低下した塩混合物が生じるからである。最後にこれまでの実験的検証の裏付けとして、短絡が発生した場合にも電極領域に存在する塩により前述した発熱反応の化学平衡の位置が移動させられ、この反応は非常に低減した規模でしか生じないようになることが挙げられる。
【0011】
本発明により二次電池に関して達成される安全性の向上は安全性リスクが充電プロセスと結びついている点からして特に重要である。ただし一次電池についても本発明によって好ましい効果が達成される。
【0012】
本発明の特に重要な適用分野は負極(アノード)が充電状態において活物質として金属を含んでいる電池である。これに該当するのは特に、その活物質がアルカリ金属、アルカリ土類金属または周期表第二亜属の金属(特に亜鉛またはアルミニウム)である電池である。特にリチウム、ナトリウムおよびカルシウム電池は特段の安全性リスクをはらんでいるが、それはこれらの電池が充電状態においてアノードに特に反応性のある活性金属を含んでいるからである。たとえばリチウムイオン電池にあってはグラファイトまたは炭素含有化合物から成る電極にリチウムが蓄積される。これらの電池の電解液は有機溶剤をベースとしている。これらの成分は外部から熱が作用する場合あるいは短絡によって引き起こされる急激な温度上昇により激しく反応する。
【0013】
本発明の重要な適用分野は、負極が充電状態において活性金属を含んでおり、二酸化硫黄ベースの電解液が使用され、電池放電時に活性金属イオンが正極中に蓄積される電池である。こうした電池の充電時には活性金属は負極に析出させられる。“SO2ベースの電解液”(SO2−based elctrolyte)と称されるのはSO2が添加物としてわずかな濃度で含有されているだけでなく、活性金属を含んだ化学種の可動性がSO2によって保証され、したがってSO2が電解液中において電荷すなわち活性金属のイオンをトランスポートする化学種の溶剤を表わしている電解液のことである。こうした電池はそれが炭素も有機成分も含んでいないという意味で完全に無機であり得る。
【0014】
この種の電池のうちでも負極の活性金属がアルカリ金属、特にリチウムまたはナトリウムである電池は特別な実用的意義を有している。この場合、電解液内で電荷をトランスポートする化学種は通例、導電塩のイオン、好ましくはアルカリ金属のテトラクロロアルミン酸塩たとえばLiAlCl4のイオンによって形成される。その際特に好適なのは正極が金属酸化物、特に内位添加化合物を含んでいる電池である。この種の電池はたとえば米国特許5,213,914に記載されている。
【0015】
固体塩は、その好適な効果を発揮するためには、安全上危険な状況において電極表面の直近周囲で進行する発熱反応に影響を与えるように電極“領域”に配置されていなければならない。塩はアルカリハロゲン化物、特にLiF、NaClまたはLiClが好ましい。電極と塩との間の直接の接触は絶対に必要というわけではないが、通例、電池の充・放電サイクルの一部において電極との接触、特に電極に形成された活物質との接触が生ずるのが好ましい。
【0016】
好ましくは塩は多孔構造体を有している必要があろう。塩の多孔構造体は特に、その領域に固体塩が配された電極に充電もしくは放電時に活物質の沈着が生じ、つまり活物質の体積増加が生ずる類の電池において好適である。この種の電池において塩の多孔構造体は電池の充電もしくは放電時に電極において増加する活物質が多孔の塩構造の孔に侵入し得るように形成・配置される必要があろう。こうした形成・配置により電池の充電ないし放電時に電極に形成されて安全上危険な状態に至るかまたは熱暴走にあたって熱を放出する物質と塩との広い面積に及ぶ接触が実現される。こうした広い面積による接触によって塩の効果が高められる。
【0017】
以下、図面によって図示した実施例に基づき本発明を詳細に説明する。各図面はそれぞれ以下を表わしている。
【0018】
図1に図示したバッテリー1はハウジング2を有し、このハウジングは内部構造が見えるように透明な姿で表わされている。実際にはハウジング2は不透明な薄鋼板から成っている。
【0019】
ハウジング2の内部には複数の正極3と複数の負極4とを見ることができ、これらの電極はそれぞれ隔離板5によって隔離されている。バッテリー技術において広く行われているように、電極3,4はそれらの面積に比較してわずかな厚さを有した層として形成されている。隔離板の面積は電極のそれよりも若干広いのが好ましい。それらの配置は−図示したように−サンドイッチ状であり、それぞれ1つの正極3と1つの負極4とがその間に配置された隔離板5によって隔離されている。負極4と隔離板5との間には塩10が固体状態で存在している。
【0020】
ハウジング2の内部空間は少なくとも電極の上端まで、図示されていない電解液で満たされている。電極は図示されていない導線で外側のバッテリー端子7,8に接続されている。それぞれ1つの正極3、1つの負極4およびそれらの間にある電解液が1つの電気化学電池を形成している。
【0021】
図1はたとえば3つの負極4と2つの正極3との配置を例示したものである。正極が1つの金属酸化物内位添加化合物の層によって形成されている図示例において、負極4と隣接隔離板5との間の塩層の厚さはほぼ正極の厚さに一致している。ただし多くの場合に塩層の厚さをもっと薄くしても十分である。この厚さは好ましくは最大で正極の厚さの70%、特に好ましくは最大で正極の厚さの50%である。
【0022】
負極の領域に備えられた塩10を別とすればこの構成は従来の通りである。またその他の公知に属する電池構成ないしバッテリー構成を採用することも可能である。
【0023】
図2は電極の領域、この場合には負極4の領域における塩10の多孔構造体11の配置を模式的に拡大して示したものである。ここで多孔構造体11は塩粒子をゆるく流し込んだものである。電極4と隔離板5とはバッテリー製造に際して先ず離間して組付けられ、その後に両者間の中間空間12に塩が充填される。この場合適切な構造的対策によって流し込み塩が中間空間12から漏れ出すことが防止されなければならない。これは、図1から理解できるように、電極と隔離板とを組付けた後にバッテリー1内に残っているすべての空所に塩10を充填することによって最も容易に実現することができる。ただし、中間空間12の端面側に(好ましくは無機電気絶縁材料たとえばセラミックから成る)限界壁を設け、これによって中間空間12からの塩10の流出を防止することも可能である。
【0024】
図2に示した多孔構造体11は、前記に代えて、たとえば(たとえばセラミック結合剤による)塩粒子の接着または塩粒子の焼結結合によって形成された塩粒子の結合体であってもよい。
【0025】
図3は塩10が多孔質固体−層材料17に含まれた形の実施形態を示したものである。図示した実施形態において層材料は多孔質担体材料18をその孔19が完全には塞がれないようにして塩10でコーティングすることによって実現されている。担体材料はたとえば化学的に不活性な形状安定性材料たとえばガラスまたは酸化物系セラミックから成る支持体であってよい。塩によるコーティングは高濃度(好ましくは飽和)塩溶液への浸漬とそれに続いての水分蒸発とによって行うことができる。こうした方法は比較的手間とコストとを要することから、多数回の使用のためにはあまり好ましくないように思われるとはいえ、剛性を有する多孔質支持体の使用によって多孔塩構造の機械的安定性が向上することにより高い製造コストを相殺することが可能である。
【0026】
担体材料18としては、剛性支持体に代えて、たとえばフェルト、フリースまたはクロスの形のフレキシブルな繊維複合構造材を使用することが可能である。こうした繊維複合構造材を孔19が完全には塞がれないようにして塩10でコーティングするには、適切な結合剤と塩10とを含有した相対的に希薄な液体で繊維複合構造材を(たとえば浸漬または吹付けによって)湿潤させるインプレグネーション法が適当している。この目的のための結合剤として適当と考えられるのは特に不活性ポリマー、とりわけフルオロポリマーである。また繊維複合構造材も不活性ポリマーから成っていてもよい。その他に不活性無機繊維材料、特にグラスファイバーも適している。
【0027】
多孔塩構造11の粒度はかなり広い限度内で変化させることができる。その他の要素を除いた多孔塩構造の実験的検証によれば、安全性向上効果は一定限度まで粒度が小さくなると共に向上することが明らかになった。ただし粒度が非常に小さい場合には安全性効果の悪化が観察された。これは充電もしくは放電中に電極4の表面で体積が増加する活物質が極端に微細な多孔構造体中にもはや侵入することができず、電極の表面から塩が追いやられてしまうからである。こうした作用を回避するためには塩を備える構造体は過度に微小な多孔構造体であってはならない。さらに構造的対策により、多孔構造体11は、電極表面に形成される活物質がこの構造の孔に侵入して総じて塩を排除することがないように、電極4の表面に固定されるようにする必要がある。この点で塩粒子の塊の形の多孔構造体または多孔質固体−層材料によって形成された多孔構造体の方がゆるく流し込まれた塩粒子による多孔構造体よりも好適である。個々の場合に応じた最適な粒度は実験によって決定されなければならない。一般に、塩を流し込む場合にあっては、100μm〜500μmの平均粒度が適切であることが実証されている。
【0028】
図4は、またも非常に簡略化された模式図ではあるが、層材料17が塩と結合剤とを含む混合物20から成る実施形態を示したものである。この実施形態の実地テストにおいてポリテトラフルオロエチレンが塩と徹底的に混合され、この混合物が圧延されて約0.5mmの厚さのフィルムとされ、このフィルムがニードルロールによって機械的に孔あけされた。この場合、図4に示すように、固体層をまっすぐに貫通する孔19が生じている。ただしやや大量の個数の製品の製造に際しては、配合物として塩が組み込まれた十分な粘結特性を有したポリマーベースの多孔質プラスチック層を製造するための公知の別途製法も採用することが可能である。この場合にも特にフルオロポリマーが適している。
【0029】
この種の実施形態は塩10の多孔構造体が純粋な塩によってではなく塩−結合剤−合成物の多孔性によって決定されるという長所を有している。これにより固体−層材料17の孔サイズは塩の粒度によって左右されないこととなる。それゆえこの実施形態にあっては好適なことに、平均粒度が50μmを下回る極めて微細に粉砕された塩を、電極表面に形成された活物質が層材料の孔に所望通り侵入するのに十分に大きな孔を有した構造に使用することができる。
【0030】
以上に説明した実施形態は提案される使用例で要求される前提条件を満たしていれば剛性材料も弾性材料もいずれも固体−層材料として使用し得ることを示している。このための前提条件の一つはその領域に塩が配されるべき電極と平行に配置することのできる、面積に比較して厚さの薄い層としてこの材料を形成し得ることである。さらにこの材料は単位体積当たり十分な量の塩を含んでいなければならない。これは基本的に2つの方途で達成可能であり、その1つは、担体材料の孔が完全には塞がれないようにして塩でコーティングされた多孔質担体材料を使用する方法であり、他方は塩を含有した混合物で多孔質層材料自体を構成する方法である。
【0031】
1つの電極領域に要される固体塩の量は個々の場合に応じて実験によって決定される必要があろう。この点で基準と見なし得るのは電極に沈着する最大の活物質のモル数と関係した塩のモル数である。通例、塩のモル数は最大の活物質のモル数の少なくとも0.1倍、好ましくは少なくとも0.3倍とされる必要があろう。
【0032】
(実施例)
本発明は以下の特徴を有したテストモデルでテストされた。
− 正極 : LiCoO2 3gから成る内位添加化合物電極。
− 負極 : 厚さ0.05mmのニッケル板。電池の充電中、このニッケル板の表面にリチウムが沈着した。
− SO2/LiAlCl4−比1.5の、導電塩としてLiAlCl4を含んだSO2ベースの約8mlの電解液。
【0033】
電池は約580mAhのその全容量が充電され、次いでスパイクテストに付されて1本の釘が負極と隔離板とを貫いて正極にまで刺し通され、反応が高速ビデオ撮影によって観察された。
【0034】
負極領域の固体塩(それぞれ約1g)が相違するだけでその他は同一の条件下においてスパイクテストによって人為的短絡を生じさせて得られた実験観察結果は以下の表の通りである。
【0035】
【表1】
Figure 0004646406
【0036】
反応速度についても観察された反応経過についても、電極領域に配置された固体塩による電池安全性の劇的な改善が明白に認められる。純粋な塩に代えて、たとえばLiFとLiClとから成る塩混合物も使用することができる。
【0037】
さらにその他に同じ実験の枠内で自己放電挙動がテストされた。その際、電池は50℃の温度にて、したがって通常の使用条件を著しく上回る温度にて24時間にわたって放置された。電極領域に塩のない電池は24時間後には実質的に100%放電していた。これに対してLiClとLiFとを擁した電池にあっては自己放電は30%ないし20%でしかなかった。したがって電池の自己放電も電極領域の塩の存在によって非常に好適な影響を受けることが明らかである。
【0038】
本発明者の目下の知見によれば、塩がもたらす好適な作用の一部は先に述べた物理化学的効果(電極表面に対する電解液侵入の緩徐化と局部的昇温の拡散の緩徐化;融解熱としての熱消費)によって説明することができる。さらにその他に以下の事情を考慮することができる。
【0039】
基本的な出発点として、安全上危険な反応とりわけ熱暴走は特にアルカリ金属電池の負極における被覆層の形成と関連していると考えることができる。たとえばLi|LiAlCl4|LiCoO2電池の場合にはリチウムが二酸化硫黄と反応してLi224から成る被覆層を形成する。同時に電解液内で溶解反応が生じ、Li224は溶解してLi+とS24 2-とに解離される。これは通常の使用条件化では−激しい発熱を生ずる被覆層形成反応が緩慢にしか生じないために−なんらの問題を招来するものではない。
【0040】
ただし、なんらかの理由から温度が上昇すると、被覆層の溶解性は増強される。これにより、電極表面に沈着したリチウムに対する電解液の侵入はいっそう容易となり、発熱性被覆層形成反応は激しく加速されることとなる。これと結びついた熱発生は自己増強効果を結果し、これが熱暴走を惹起する原因となる。ここで固体塩の存在により被覆層形成反応が大幅に緩徐され、このことが既述した使用安全性の決定的な改善に貢献するとのことを基本的出発点とすることができる。同様なメカニズムはその他の電池についても当てはまる。特にリチウムイオン蓄電池では負極(これは通例グラファイトまたは炭素化合物から成る)に被覆層形成が生じ、これが安全性問題を引き起こす重大な原因の一つとなる。
【0041】
温度が上昇するとますます発生するようになる発熱性副反応によってさらに問題が惹起されることが多い。たとえば前述した電池の電解液の導電塩LiAlCl4はLiClとAlCl3に分解する。この反応自体の発熱性は弱いものでしかないが、これは他方で激しい発熱を生ずるAlCl3の二次反応を結果する。ここで固体塩はAlCl3と反応するが、その際、塩LiFとLiClにはたとえば以下の反応メカニズムが生ずると考えることができる。
AlCl3+LiCl→LiAlCl4
AlCl3+LiF →LiAlCl3
【0042】
この反応に際して好適なのは、AlCl3が反応によって消失することにより前述した発熱二次反応から取除かれるという点だけでなく、前記反応の反応生成物が固体物質であり、その形成は−気体の場合のように−急激な圧力上昇ならびにそれから生ずる爆発の危険と結びついていないということである。
【図面の簡単な説明】
【図1】透明な外装を備えた本発明に基づく電気化学電池の透視図である
【図2】電極と隔離板との間の固体塩の流し込み体の配置を示す模式図である
【図3】多孔質固体層の形の塩構造体を備えた図2と同様な模式図である
【図4】別途実施形態の多孔質固体層の形の塩構造体を備えた図3と同様な模式図である

Claims (14)

  1. 負極(4)、二酸化硫黄ベースの電解液、1つの正極(3)を有し、電池の充電または放電時に電極(3,4)の一方に活物質が沈着する再充電可能な非水系電気化学電池(9)において、
    これらの電極(3,4)のうち少なくとも一方の領域に多孔構造体(11)を成す固体状態の塩(10)が備えられ、
    前記塩はアルカリ金属のハロゲン化物またはアルカリ土類金属のハロゲン化物であり、
    この塩(10)は電極(3,4)に沈着する前記活物質と接触するように形成・配置されていることを特徴とする電池。
  2. 前記多孔構造体は塩(10)の粒状流し込み体(11)であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  3. 前記多孔構造体(11)は塩粒子の結合体であることを特徴とする請求項2に記載の電池。
  4. 前記塩(10)は多孔質固体−層材料(17)内に含まれていることを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載の電池。
  5. 前記多孔質固体−層材料(17)は、その孔(19)が完全には塞がれないように塩(10)でコーティングされている担体材料(18)を含んでいることを特徴とする請求項4に記載の電池。
  6. 前記担体材料はフレキシブルな繊維複合構造として形成されていることを特徴とする請求項5に記載の電池。
  7. 前記多孔質固体−層材料は塩と結合剤とを含有した混合物から成ることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の電池。
  8. 前記結合剤はポリマー、特にフルオロポリマーを含んでいることを特徴とする請求項7に記載の電池。
  9. 前記塩(10)の前記多孔構造体は充電または放電時に沈着した電極活物質がこの構造の孔に侵入し得るように形成・配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電池。
  10. 前記塩(10)はアルカリハロゲン化物あることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電池。
  11. 前記塩(10)はLiF、NaClまたはLiClであることを特徴とする請求項10に記載の電池
  12. 前記活物質は、アルカリ金属、アルカリ土類金属および周期表の第二亜属の金属から成るグループから選択されたものであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の電池。
  13. 前記塩(10)は負極(4)の領域に配置されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の電池。
  14. 前記正極(3)は金属酸化物を含んでいることを特徴とする請求項13に記載の電池。
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