JP4645671B2 - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜トランジスタの製造方法に関する。
従来、有機EL、フィルム液晶、電子ペーパ等のフレキシブルディスプレイの各画素には、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor,TFT)を備えたアクティブ駆動回路が埋め込まれている。薄膜トランジスタの中でも、半導体層として有機半導体を用いた有機薄膜トランジスタは、常温で製造することができ、かつ、プラスチック基板上にも形成できるものとして知られている。
有機半導体の中でも、低分子有機半導体の中には大きなキャリア移動度を持つものがある。しかしながら、低分子有機半導体は溶媒への溶解性に乏しいものが多いため、一般には、塗布法などの簡便な方法を用いて、有機薄膜トランジスタを製造するのが困難である。そこで、真空蒸着法などにより有機薄膜トランジスタを製造するのが一般的であるが、真空蒸着法などを用いた場合、処理が煩雑であり、コストもかかるという問題点があった。
また、有機TFTの有機半導体層は、耐薬品性、耐熱性のみならず、耐候性、耐水性も劣っており、非常に劣化しやすい。そのため、有機半導体層の表面に、有機半導体層を保護するための保護膜を形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−198539号公報
しかしながら、汎用性ポリマーフィルム等のプラスチック基板は、図24に示すように水蒸気浸透性が1g/mday程度と高く水蒸気が透過しやすい問題点があった。また、包装用蒸着フィルムは、水蒸気浸透性が0.1g/mday程度である。これに対して、有機EL、液晶、有機TFTの必要とされる水蒸気浸透性が0.0001g/mday程度であり、プラスチック基板を用いると、酸素や水分の透過性が高いため、プラスチック基板側から酸素や水分が透過し、有機半導体層を劣化させて、有機TFTの特性を安定化させることが困難になるという問題点があった。また、IGZOのような無機半導体においても水分による劣化が発生している。尚、IGZOはよく知られているようにアモルファス酸化物半導体であり、In(インジウム)-Ga(ガリウム)-Zn(亜鉛)-O(酸素)の組成で構成された半導体である。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、基板側からの酸素や水分の透過を防止して、高性能な薄膜トランジスタを簡便な工程で製造するための薄膜トランジスタの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、ポリマーから構成された基板上に絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成されるソース電極及びドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成される半導体層と、ゲート電極とを有する薄膜トランジスタの製造方法であって、前記基板上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、前記ゲート電極を覆うように前記基板上に前記絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、前記絶縁層上に、ソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成するソース・ドレイン電極形成工程と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極間の前記絶縁層上に半導体層を形成する半導体層形成工程とを備え、前記ゲート電極形成工程及び前記ソース・ドレイン電極形成工程のうち、少なくともどちらか一方の電極形成工程で、前記電極の形成と同時に、前記基板の電極が形成される側と反対側の面に酸素及び水分の透過を防止するバリア膜を形成することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、ポリマーから構成された基板上に絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成されるゲート電極と、ソース電極及びドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成される半導体層とを有する薄膜トランジスタの製造方法であって、前記基板上にソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成するソース・ドレイン電極形成工程と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極間に半導体層を形成する半導体層形成工程と、前記ソース電極、前記ドレイン電極及び前記半導体層を覆うように絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、前記ゲート絶縁層形成工程で形成された前記絶縁層上に、ゲート電極を形成するゲート電極形成工程とを備え、前記ソース・ドレイン電極形成工程及び前記ゲート電極形成工程のうち、少なくともどちらか一方の電極形成工程で、前記電極の形成と同時に、前記基板の電極が形成される側と反対側の面に酸素及び水分の透過を防止するバリア膜を形成することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記ゲート電極、前記ソース電極、前記ドレイン電極のうち、少なくとも一つの電極と、前記バリア膜が無電解メッキ法により形成されることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の構成に加え、前記基板及び前記絶縁層のうち、少なくともどちらか一方の表面には、自己組織化単分子膜を形成するための表面無機化膜が形成され、当該表面無機化膜上に自己組織化単分子膜が形成されていることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記ゲート電極、前記ソース電極及び前記ドレイン電極の形成時には、マイクロコンタクトプリント法により自己組織化単分子膜を形成し、その後、前記ゲート電極、前記ソース電極及び前記ドレイン電極を形成することを特徴とする。
請求項1に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法では、ボトムゲート型の薄膜トランジスタの製造方法において、ゲート電極形成工程及びソース・ドレイン電極形成工程のうち、少なくともどちらか一方の電極形成工程で、電極の形成と同時に、基板の電極が形成される側と反対側の面に酸素及び水分の透過を防止するバリア膜を形成することができるので、基板側から酸素や水分が透過し、半導体層を劣化させて、TFTの特性を不安定化させることを防止できる。また、基板は、ポリマーで構成されるが、当該ポリマーの基板を酸素や水分が通過することを防止できる。
また、請求項2に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法によれば、トップゲート型の薄膜トランジスタの製造方法において、前記ソース・ドレイン電極形成工程及び前記ゲート電極形成工程のうち、少なくともどちらか一方の電極形成工程で、前記電極の形成と同時に、前記基板の電極が形成される側と反対側の面に酸素及び水分の透過を防止するバリア膜を形成することができるので、基板側から酸素や水分が透過し、半導体層を劣化させて、TFTの特性を不安定化させることを防止できる。また、基板は、ポリマーで構成されるが、当該ポリマーの基板を酸素や水分が通過することを防止できる。
また、請求項3に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、前記ゲート電極、前記ソース電極、前記ドレイン電極のうち、少なくとも一つの電極と、前記バリア膜が無電解メッキ法により形成されるので、一つの工程で、電極とバリア膜を一度に形成できる。
また、請求項4に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、基板及び前記絶縁層のうち、少なくともどちらか一方の表面には、自己組織化単分子膜を形成するための表面無機化膜が形成されているので、当該表面無機化膜上に自己組織化単分子膜を形成し易くなる。
また、請求項5に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の効果に加え、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の形成時には、マイクロコンタクトプリント法により自己組織化単分子膜を形成し、その後、前記ゲート電極、前記ソース電極及び前記ドレイン電極を形成するので、簡単な機構で、自己組織化単分子膜を形成することができる。
以下、本発明の第1実施形態である有機半導体を用いた有機薄膜トランジスタ1について、図面に基づいて説明する。図1は、第1実施形態である有機薄膜トランジスタ1の縦断面図であり、図2は、有機薄膜トランジスタ1の製造方法のフローチャートであり、図3乃至図7は、無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。
第1実施形態に係る有機薄膜トランジスタ1の構造について、図1を参照して説明する。尚、以下の説明では、図面下側(基板2側)を下側、図面上側を上側として説明する。図1に示す有機薄膜トランジスタ1は、所謂「ボトムゲート型」の有機薄膜トランジスタである。「ボトムゲート型」の有機薄膜トランジスタ1では、ゲート電極6が、ソース電極3やドレイン電極4より下側に位置する。
有機薄膜トランジスタ1は、各部材を支持する基板2を備えている。基板2の上面には、自己組織化単分子膜(Self Assembled Monolayer、以下「SAM」とも称する。)を形成するための表面無機化膜7が形成され、基板2の下面にも、SAMを形成するための表面無機化膜8が形成されている。そして、表面無機化膜7上にSAM10が形成され、そのSAM10上にゲート電極6が設けられている。また、表面無機化膜8の下側には、SAM11が形成されている。また、SAM11下側には、無電解メッキによるバリア膜14が形成されている。このバリア膜14は、後述する方法により、ゲート電極6と一括形成されている。
また、ゲート電極6の上面には、ゲート電極6を覆うようにゲート絶縁層5が設けられている。また、ゲート絶縁層5の上面には、SAMを形成するための表面無機化膜9が形成されている。表面無機化膜9上には、SAM12及びSAM13が所定間隔開けて所定幅で設けられ、その上にソース電極3及びドレイン電極4が、所定のチャネル長の離間幅をもって各々設けられている。また、ソース電極3表面には、置換金めっきによる金めっき層15が形成され、ドレイン電極4の表面には、置換金めっきによる金めっき層16が形成されている。そして、ソース電極3とドレイン電極4との間には、ゲート絶縁層5を介して、ゲート電極6と対向するように半導体層17が設けられている。
次に、上記構成を有する基板2の有機薄膜トランジスタ1の製造方法について、図2乃至図7を参照して説明する。まず、第一表面無機化膜の形成工程(S11)として、基板2の上下の表面に表面無機化膜7,8を形成する。一例としては、基板2として、ポリエチレンナフタレート樹脂(以下「PEN」とも言う。)を用いて、表面無機化剤として、APTS(Aminopropyltrimethoxysilane)1vol%アセトン溶液に基板2をディップし、当該ディップにより基板2の両面が表面無機化される。表面無機化膜7,8は数10nm程度の厚さに形成される。尚、表面無機化法は、wet法にこだわらず、SiO のスパッタ等でも構わない。
尚、基板2としては、表面が平坦である板状部材であり、各種材質が適用可能である。基板2の材質として絶縁性の材質を採用する場合には、上記、PEN以外に、例えば、PES(ポリエーテルスルホン),PET(ポリエチレンテレフタレート),PI(ポリイミド)等のプラスチックを用いることができる。従って、基板2に可撓性を付与することができる。
次に、第一SAM塗布工程(S12)として、表面無機化膜7,8の表面をUV照射等で水酸基リッチにした後に、図4に示すように、マイクロコンタクトプリント法でSAMを塗布する。一例としては、PDMS(ポリジメチルシロキサン)から形成したスタンプ19を作成して、SAMを塗布する。SAMとしては、アミノ基を有するシランカップリング剤(一例として、AEAPTS(Aminoethylaminopropyltrimethoxysilane))をマイクロコンタクトプリント法で塗布する。図4及び図5に示すように、基板2の上側表面の表面無機化膜7上には、形成するゲート電極6に合わせた形状のSAM10を塗布し、基板2の下側表面の表面無機化膜8上には全面にSAM11を塗布する。尚、SAM(自己組織化膜)を形成する材料には、上記のようにシランカップリング剤一般を用いることができるが、シランカップリング剤としては官能基にアミノ基を有するものが特に望ましい。
次に、第一触媒液に浸たす工程を行う(S13)。この工程では、図6に示すように、触媒20がSAMに選択的に付着する。具体的には、触媒としては、Pd−Snコロイド液(酸性)を用い、表面のアミノ基が酸性液中で表面電位が+、Pd−Snコロイドが−に帯電しているため、静電気的な性質を利用してSAMがあるところに選択的に触媒が付着する。また、触媒としては、アミノ基に対してPdが錯体を形成するPd触媒溶液(コロイドではない)も候補の一つである(静電気力の利用でなく、化学反応を利用してSAMに触媒が選択的に付着(結合)する)。
また、SAMはアミノ系シランカップリング剤以外に、SAM自体に触媒特性を有するものであってもよい。例えばMPTS(Mercaptopropyltrimethoxysilane)は金属と化学結合しやすい−SH基(チオール)を有するため、触媒がなくてもメッキ液中の金属原子がSAMに結合し、結合した金属自体が触媒となりめっきが進行する。MPTS−銅メッキなどがその一例として挙げられる。
次に、第一無電解めっき工程(S14)で、図7に示すように、ゲート電極6及びバリア膜14を一括形成する。具体的には、Ni無電解めっきを行ってゲート膜厚を100〜1000nmで形成する。また、このとき、同時にバリア膜14をSAM11上に形成する(図1参照)。このバリア膜14の膜厚も一例として、100〜1000nmで形成することができる。また、Ni以外の無電解めっき材料として、Cu,Ag,Au,Sn,Pd,Al,Cr,Pbなどを用いることができる。尚、無電解めっきは、安価で微細加工が可能であり、且つ、表面平坦性がメタルナノインクなどに比べて良い。また、プロセス温度が低く済むという特徴がある。
次に、ゲート絶縁層形成工程として(S15)として、基板2及びゲート電極6の上面を覆うようにして、ゲート絶縁層5を形成する。ゲート絶縁層5は、一例として、厚さがおよそ1μmであり、絶縁物質により形成されている。絶縁物質として無機絶縁物質を採用する場合は、Al,SiO,SiN,TiO等が適用可能である。また、絶縁物質として有機絶縁物質を採用する場合は、PI(ポリイミド),PMMA(ポリメチルメタクリレート),PVP(ポリパラビニルフェノール)等が適用可能である。
次に、第二表面無機化膜の形成工程(S16)を行う。この第二表面無機化膜の形成工程では、ゲート絶縁層5上に表面無機化膜9を前記第一表面無機化膜の形成工程(S11)と同様の方法により形成する。
次に、第二SAM塗布工程(S17)として、表面無機化膜9上に、ソース電極3及びドレイン電極4の形状に合わせて、前記第一SAM塗布工程(S12)と同様の方法で、SAM12,13を形成する。
次いで、第二触媒液に浸す工程(S18)を行って、SAM12,13上に触媒を付着する。この工程は、前記第一触媒液に浸す工程(S13)と同様に行う。
次いで、第二無電解めっき工程(S19)を行い、SAM12上にソース電極3を形成し、SAM13上にドレイン電極4を形成する。この第二無電解めっき工程(S19)は、前記第一無電解めっき工程(S14)と同様に行う。具体的には、Ni無電解めっきを行ってソース電極3及びドレイン電極4を形成する。このソース電極3及びドレイン電極4は、所定のチャネル長の離間幅をもって各々設けられている。
次いで、置換金めっき工程(S20)を行う。この置換金めっき工程(S20)では、ソース電極3及びドレイン電極4の表面に置換金めっきにより金めっき層15及び金めっき層16を各々形成する。
最後に、半導体層形成工程(S21)を行って、ソース電極3とドレイン電極4と間の隙間を埋めるようにして、半導体層17が形成される。半導体層17は、ゲート絶縁層5を介して、ゲート電極6に対向するようにして配置されている。半導体層17は、有機半導体と高分子樹脂とを少なくとも有している。なお、半導体層17上には、必要に応じて、保護膜を形成しても良い。
尚、有機半導体の材質としては、可溶性のある有機半導体一般を用いることができる。また、有機半導体の材質としては、1種類の有機半導体を用いてもよいし、2種以上の有機半導体を組み合わせて用いてもよい。有機半導体として、低分子有機半導体を採用する場合、例えば、可溶化ペンタセンのような可溶化アセン類のほか、アルキルチオフェン類が適用可能である。また、有機半導体として高分子有機半導体を採用する場合は、ポリアルキルチオフェン類や、ポリフルオレン類が適用可能である。
高分子樹脂としては、選択した有機半導体が溶解する溶剤に有機半導体と一緒に溶ける高分子樹脂一般を用いることができる。また、高分子樹脂の材質としては、1種類の高分子樹脂を用いてもよいし、2種以上の高分子樹脂を組み合わせて用いてもよい。高分子樹脂の材質には、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PS(ポリスチレン)、PVP(ポリビニルフェノール)等が適用可能である。
次に、図8乃至図13を参照して、有機薄膜トランジスタ1の製造方法の第2実施の形態について説明する。図8は、第2実施の形態の有機薄膜トランジスタ1の製造方法のフローチャートであり、図9乃至図13は、第2実施の形態の無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。
第2実施形態に係る有機薄膜トランジスタ1の構造については、第1の実施の形態と同じであるので、説明は書略する。
まず、第一表面無機化膜の形成工程(S31)として、図9に示すように、基板2の上下の表面に表面無機化膜7,8を形成する。一例としては、基板2として、ポリエチレンナフタレート樹脂(以下「PEN」とも言う。)を用いて、表面無機化剤として、APTS(Aminopropyltrimethoxysilane)1vol%アセトン溶液に基板2をディップし、当該ディップにより基板2の両面が表面無機化される。表面無機化膜7,8は数10nm程度の厚さに形成される。尚、表面無機化法は、wet法にこだわらず、SiO のスパッタ等でも構わない。
尚、基板2としては、表面が平坦である板状部材であり、各種材質が適用可能である。基板2の材質として絶縁性の材質を採用する場合には、上記、PEN以外に、例えば、PES(ポリエーテルスルホン),PET(ポリエチレンテレフタレート),PI(ポリイミド)等のプラスチックを用いることができる。従って、基板2に可撓性を付与することができる。
次に、第一SAM塗布工程(S32)として、表面無機化膜7,8の表面をUV照射等で水酸基リッチにした後に、図10に示すように、ディップ法により表面無機化膜7,8上にSAM10,11を塗布する。SAMとしては、第1実施の形態と同じく、アミノ基を有するシランカップリング剤(一例として、AEAPTS(Aminoethylaminopropyltrimethoxysilane))を塗布する。図10に示すように、ディップ法により基板2の上側表面の表面無機化膜7上の上側全面にSAM10を塗布し、基板2の下側表面の表面無機化膜8上には全面にSAM11を塗布することが一度に行われる。尚、SAM(自己組織化膜)を形成する材料には、上記のようにシランカップリング剤一般を用いることができるが、シランカップリング剤としては官能基にアミノ基を有するものが特に望ましい。
次に、SAMのパターニング工程を行う(S33)。このSAMのパターニング工程では、図11に示すように、マスク21を用いて、紫外線(UV)により、SAMのフォトエッチングを行う。マスク21は、黒色部分21aと、透明部分21bとから構成されており、黒色部分21aが紫外線を遮断し、透明部分21bは紫外線を通過する。従って、黒色部分21aに隠されるSAM10は残り、それ以外の部分のSAMは、除去される。
次いで、第一触媒液に浸たす工程を行う(S34)。この工程では、図12に示すように、触媒20がSAMに選択的に付着する。具体的には、触媒としては、Pd−Snコロイド液(酸性)を用い、表面のアミノ基が酸性液中で表面電位が+、Pd−Snコロイドが−に帯電しているため、静電気的な性質を利用してSAMがあるところに選択的に触媒が付着する。また、触媒としては、アミノ基に対してPdが錯体を形成するPd触媒溶液(コロイドではない)も候補の一つである(静電気力の利用でなく、化学反応を利用してSAMに触媒が選択的に付着(結合)する)。
また、SAMはアミノ系シランカップリング剤以外に、SAM自体に触媒特性を有するものであってもよい。例えばMPTS(Mercaptopropyltrimethoxysilane)は金属と化学結合しやすい−SH基(チオール)を有するため、触媒がなくてもメッキ液中の金属原子がSAMに結合し、結合した金属自体が触媒となりめっきが進行する。MPTS−銅メッキなどがその一例として挙げられる。
次に、第一無電解めっき工程(S35)で、図13に示すように、ゲート電極6及びバリア膜14を形成する。具体的には、Ni無電解めっきを行ってゲート膜厚を100〜1000nmで形成する。また、このとき、同時にバリア膜14をSAM11上に形成する。このバリア膜14の膜厚も一例として、100〜1000nmで形成することができる。また、Ni以外の無電解めっき材料として、Cu,Ag,Au,Sn,Pd,Al,Cr,Pbなどを用いることができる。
次に、ゲート絶縁層形成工程として(S36)として、基板2及びゲート電極6の上面を覆うようにして、ゲート絶縁層5を形成する(図1参照)。ゲート絶縁層5は、一例として、厚さがおよそ1μmであり、絶縁物質により形成されている。絶縁物質として無機絶縁物質を採用する場合は、Al,SiO,SiN,TiO等が適用可能である。また、絶縁物質として有機絶縁物質を採用する場合は、PI(ポリイミド),PMMA(ポリメチルメタクリレート),PVP(ポリパラビニルフェノール)等が適用可能である。
次に、第二表面無機化膜の形成工程(S37)を行う。この第二表面無機化膜の形成工程では、ゲート絶縁層5上に表面無機化膜9を前記第一表面無機化膜の形成工程(S31)と同様の方法により形成する。
次に、第二SAM塗布工程(S38)として、表面無機化膜9上に、ソース電極3及びドレイン電極4の形状に合わせて、前記第一SAM塗布工程(S32)と同様の方法で、SAM12,13を形成する。
次いで、第二触媒液に浸す工程(S39)を行って、SAM12,13上に触媒を付着する。この工程は、前記第一触媒液に浸す工程(S34)と同様に行う。
次いで、第二無電解めっき工程(S40)を行い、SAM12上にソース電極3を形成し、SAM13上にドレイン電極4を形成する。この第二無電解めっき工程(S40)は、前記第一無電解めっき工程(S35)と同様に行う。具体的には、Ni無電解めっきを行ってソース電極3及びドレイン電極4を形成する。このソース電極3及びドレイン電極4は、所定のチャネル長の離間幅をもって各々設けられている。
次いで、置換金めっき工程(S41)を行う。この置換金めっき工程(S41)では、ソース電極3及びドレイン電極4の表面に置換金めっきにより金めっき層15及び金めっき層16を各々形成する。
最後に、半導体層形成工程(S42)を行って、ソース電極3とドレイン電極4と間の隙間を埋めるようにして、半導体層17が形成される。半導体層17は、ゲート絶縁層5を介して、ゲート電極6に対向するようにして配置されている。半導体層17は、有機半導体と高分子樹脂とを少なくとも有している。なお、半導体層17上には、必要に応じて、保護膜を形成しても良い。
次に、図14乃至図19を参照して、有機薄膜トランジスタ1の製造方法の第3実施の形態について説明する。図14は、第3実施の形態の有機薄膜トランジスタ1の製造方法のフローチャートであり、図15乃至図19は、第3実施の形態の無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。
第3実施形態に係る有機薄膜トランジスタ1の構造については、第1及び第2実施の形態と同じであるので、説明は書略する。
まず、第一表面無機化膜の形成工程(S51)として、図15に示すように、基板2の上下の表面に表面無機化膜7,8を形成する。一例としては、基板2として、ポリエチレンナフタレート樹脂(以下「PEN」とも言う。)を用いて、表面無機化剤として、APTS(Aminopropyltrimethoxysilane)1vol%アセトン溶液に基板2をディップし、当該ディップにより基板2の両面が表面無機化される。表面無機化膜7,8は数10nm程度の厚さに形成される。尚、表面無機化法は、wet法にこだわらず、SiO のスパッタ等でも構わない。
尚、基板2としては、表面が平坦である板状部材であり、各種材質が適用可能である。基板2の材質として絶縁性の材質を採用する場合には、上記、PEN以外に、例えば、PES(ポリエーテルスルホン),PET(ポリエチレンテレフタレート),PI(ポリイミド)等のプラスチックを用いることができる。従って、基板2に可撓性を付与することができる。
次に、第一SAM塗布工程(S53)として、表面無機化膜7,8の表面をUV照射等で水酸基リッチにした後に、図16に示すように、ディップ法により表面無機化膜7,8上にSAM10,11を塗布する。SAMとしては、第1実施の形態と同じく、アミノ基を有するシランカップリング剤(一例として、AEAPTS(Aminoethylaminopropyltrimethoxysilane))を塗布する。図10に示すように、ディップ法により基板2の上側表面の表面無機化膜7上の上側全面にSAM10を塗布し、基板2の下側表面の表面無機化膜8上には全面にSAM11を塗布することが一度に行われる。尚、SAM(自己組織化膜)を形成する材料には、上記のようにシランカップリング剤一般を用いることができるが、シランカップリング剤としては官能基にアミノ基を有するものが特に望ましい。
次いで、第一触媒液に浸たす工程を行う(S54)。この工程では、図17に示すように、触媒20がSAMに選択的に付着する。具体的には、触媒としては、Pd−Snコロイド液(酸性)を用い、表面のアミノ基が酸性液中で表面電位が+、Pd−Snコロイドが−に帯電しているため、静電気的な性質を利用してSAMがあるところに選択的に触媒が付着する。また、触媒としては、アミノ基に対してPdが錯体を形成するPd触媒溶液(コロイドではない)も候補の一つである(静電気力の利用でなく、化学反応を利用してSAMに触媒が選択的に付着(結合)する)。
また、SAMはアミノ系シランカップリング剤以外に、SAM自体に触媒特性を有するものであってもよい。例えばMPTS(Mercaptopropyltrimethoxysilane)は金属と化学結合しやすい−SH基(チオール)を有するため、触媒がなくてもメッキ液中の金属原子がSAMに結合し、結合した金属自体が触媒となりめっきが進行する。MPTS−銅メッキなどがその一例として挙げられる。
次に、第一無電解めっき工程(S55)で、図18に示すように、ゲート電極6となるめっき層60及びバリア膜14を形成する。具体的には、Ni無電解めっきを行ってゲート膜厚を100〜1000nmで形成する。また、このとき、同時にバリア膜14をSAM11上に形成する。このバリア膜14の膜厚も一例として、100〜1000nmで形成することができる。また、Ni以外の無電解めっき材料として、Cu,Ag,Au,Sn,Pd,Al,Cr,Pbなどを用いることができる。
次に、フォトリソグラフィーエッチング工程を行う(S56)。このフォトリソグラフィーエッチング工程では、周知のフォトリソグラフィーエッチング法を用いて、めっき層60のエッチングを行いゲート電極6を形成する。具体的には、図18に示すめっき層60上にフォトレジストを塗布し、フォト露光を行い、現像する。その後、エッチング溶液に浸けてエッチングし、最後にフォトレジストを剥離すると、図19に示すように、ゲート電極6が形成される。
次に、ゲート絶縁層形成工程として(S57)として、基板2及びゲート電極6の上面を覆うようにして、ゲート絶縁層5を形成する(図1参照)。ゲート絶縁層5は、一例として、厚さがおよそ1μmであり、絶縁物質により形成されている。絶縁物質として無機絶縁物質を採用する場合は、Al,SiO,SiN,TiO等が適用可能である。また、絶縁物質として有機絶縁物質を採用する場合は、PI(ポリイミド),PMMA(ポリメチルメタクリレート),PVP(ポリパラビニルフェノール)等が適用可能である。
次に、第二表面無機化膜の形成工程(S58)を行う。この第二表面無機化膜の形成工程では、ゲート絶縁層5上に表面無機化膜9を前記第一表面無機化膜の形成工程(S51)と同様の方法により形成する。
次に、第二SAM塗布工程(S59)として、表面無機化膜9上に、ソース電極3及びドレイン電極4の形状に合わせて、前記第一SAM塗布工程(S53)と同様の方法で、SAM12,13を形成する。
次いで、第二触媒液に浸す工程(S60)を行って、SAM12,13上に触媒を付着する。この工程は、前記第一触媒液に浸す工程(S54)と同様に行う。
次いで、第二無電解めっき工程(S61)を行い、SAM12上にソース電極3を形成し、SAM13上にドレイン電極4を形成する。この第二無電解めっき工程(S61)は、前記第一無電解めっき工程(S55)と同様に行う。具体的には、Ni無電解めっきを行ってソース電極3及びドレイン電極4を形成する。このソース電極3及びドレイン電極4は、所定のチャネル長の離間幅をもって各々設けられている。
次いで、置換金めっき工程(S62)を行う。この置換金めっき工程(S62)では、ソース電極3及びドレイン電極4の表面に置換金めっきにより金めっき層15及び金めっき層16を各々形成する。
最後に、半導体層形成工程(S63)を行って、ソース電極3とドレイン電極4と間の隙間を埋めるようにして、半導体層17が形成される。半導体層17は、ゲート絶縁層5を介して、ゲート電極6に対向するようにして配置されている。半導体層17は、有機半導体と高分子樹脂とを少なくとも有している。なお、半導体層17上には、必要に応じて、保護膜を形成しても良い。
次に、第4実施の形態の有機薄膜トランジスタ100の構造について、図20を参照して説明する。図20は、トップゲート型の有機薄膜トランジスタ100の縦断面図である。尚、以下の説明では、図面下側(基板2側)を下側、図面上側を上側として説明する。図20に示す有機薄膜トランジスタ1は、所謂「トップゲート型」の有機薄膜トランジスタである。「トップゲート型」の有機薄膜トランジスタ100では、ゲート電極6が、ソース電極3やドレイン電極4より上側に位置する。
この有機薄膜トランジスタ100は、各部材を支持する基板2を備えている。基板2の上面には、SAMを形成するための表面無機化膜7が形成され、基板2の下面にも、SAMを形成するための表面無機化膜8が形成されている。そして、表面無機化膜7上にSAM12,13が所定間隔を空けて形成され、そのSAM12上にソース電極3が設けられ、SAM13上にドレイン電極4が設けられている。また、表面無機化膜8の下側には、SAM11が形成されている。また、SAM11下側には、無電解メッキによるバリア膜14が形成されている。このバリア膜14は、後述する方法により、ソース電極3及びドレイン電極4と一括形成されている。
また、ソース電極3表面には、置換金めっきによる金めっき層15が形成され、ドレイン電極4の表面には、置換金めっきによる金めっき層16が形成されている。そして、ソース電極3とドレイン電極4との間には、半導体層17が設けられている。また、ソース電極3、ドレイン電極4及び半導体層17を覆うように、ゲート絶縁層5が設けられている。
また、ゲート絶縁層5の上面には、SAMを形成するための表面無機化膜9が形成されている。表面無機化膜9上には、SAM10所定幅で設けられ、その上にゲート電極6が設けられている。
次に、上記構成を有する基板2の有機薄膜トランジスタ100の製造方法について、図20及び図21を参照して説明する。図21は、トップゲート型の有機薄膜トランジスタ100の製造方法のフローチャートである。
この有機薄膜トランジスタ100の製造方法では、まず、第一表面無機化膜の形成工程(S71)として、基板2の上下の表面に表面無機化膜7,8を形成する。一例としては、基板2として、ポリエチレンナフタレート樹脂(以下「PEN」とも言う。)を用いて、表面無機化剤として、APTS(Aminopropyltrimethoxysilane)1vol%アセトン溶液に基板2をディップし、当該ディップにより基板2の両面が表面無機化される。表面無機化膜7,8は数10nm程度の厚さに形成される。尚、表面無機化法は、wet法にこだわらず、SiO のスパッタ等でも構わない。
尚、基板2としては、表面が平坦である板状部材であり、各種材質が適用可能である。基板2の材質として絶縁性の材質を採用する場合には、上記、PEN以外に、例えば、PES(ポリエーテルスルホン),PET(ポリエチレンテレフタレート),PI(ポリイミド)等のプラスチックを用いることができる。従って、基板2に可撓性を付与することができる。
次に、第一SAM塗布工程(S72)として、表面無機化膜7,8の表面をUV照射等で水酸基リッチにした後に、前述のマイクロコンタクトプリント法でSAMを塗布する。基板2の上側表面の表面無機化膜7上には、形成するソース電極3及びドレイン電極4に合わせた形状のSAM12,13を塗布し、基板2の下側表面の表面無機化膜8上には全面にSAM11を塗布する。尚、SAM(自己組織化膜)を形成する材料には、上記のようにシランカップリング剤一般を用いることができるが、シランカップリング剤としては官能基にアミノ基を有するものが特に望ましい。
次に、第一触媒液に浸たす工程を行う(S73)。この工程では、第1実施の形態と同様に触媒20(図6参照)がSAMに選択的に付着する。具体的には、触媒としては、Pd−Snコロイド液(酸性)を用い、表面のアミノ基が酸性液中で表面電位が+、Pd−Snコロイドが−に帯電しているため、静電気的な性質を利用してSAMがあるところに選択的に触媒が付着する。また、触媒としては、アミノ基に対してPdが錯体を形成するPd触媒溶液(コロイドではない)も候補の一つである(静電気力の利用でなく、化学反応を利用してSAMに触媒が選択的に付着(結合)する)。
また、SAMはアミノ系シランカップリング剤以外に、SAM自体に触媒特性を有するものであってもよい。例えばMPTS(Mercaptopropyltrimethoxysilane)は金属と化学結合しやすい−SH基(チオール)を有するため、触媒がなくてもメッキ液中の金属原子がSAMに結合し、結合した金属自体が触媒となりめっきが進行する。MPTS−銅メッキなどがその一例として挙げられる。
次に、第一無電解めっき工程(S74)で、図20に示すように、ソース電極3、ドレイン電極4及びバリア膜14を形成する。具体的には、Ni無電解めっきを行ってSAM12上にソース電極3を形成し、SAM13上にドレイン電極4を形成する。また、このとき、同時にバリア膜14をSAM11上に形成する。また、Ni以外の無電解めっき材料として、Cu,Ag,Au,Sn,Pd,Al,Cr,Pbなどを用いることができる。
次に、置換金めっき工程(S75)を行う。この置換金めっき工程(S75)では、ソース電極3及びドレイン電極4の表面に置換金めっきにより金めっき層15及び金めっき層16を各々形成する。
次に、半導体層形成工程(S76)を行って、ソース電極3とドレイン電極4と間の隙間を埋めるようにして、半導体層17が形成される。半導体層17は、ゲート絶縁層5を介して、ゲート電極6に対向するようにして配置されている。半導体層17は、有機半導体と高分子樹脂とを少なくとも有している。
次に、ゲート絶縁層形成工程として(S77)として、基板2及びソース電極3、ドレイン電極4及び半導体層17の上面を覆うようにして、ゲート絶縁層5を形成する(図20参照)。ゲート絶縁層5は、一例として、厚さがおよそ1μmであり、絶縁物質により形成されている。絶縁物質として無機絶縁物質を採用する場合は、Al,SiO,SiN,TiO等が適用可能である。また、絶縁物質として有機絶縁物質を採用する場合は、PI(ポリイミド),PMMA(ポリメチルメタクリレート),PVP(ポリパラビニルフェノール)等が適用可能である。
次に、第二表面無機化膜の形成工程(S78)を行う。この第二表面無機化膜の形成工程では、ゲート絶縁層5上に表面無機化膜9を前記第一表面無機化膜の形成工程(S71)と同様の方法により形成する。
次に、第二SAM塗布工程(S79)として、表面無機化膜9上に、ゲート電極6の形状に合わせて、前記第一SAM塗布工程(S72)と同様の方法で、SAM10を形成する。
次いで、第二触媒液に浸す工程(S80)を行って、SAM10上に触媒を付着する。この工程は、前記第一触媒液に浸す工程(S73)と同様に行う。
次いで、第二無電解めっき工程(S81)を行い、SAM10上にゲート電極6を形成する。この第二無電解めっき工程(S81)は、前記第一無電解めっき工程(S74)と同様に行う。具体的には、Ni無電解めっきを行ってゲート電極6を形成する。
次に、図22及び図23を参照して、マイクロコンタクトプリント(MCP)法の詳細について説明する。図22は、マイクロコンタクトプリント法の説明図であり、図23は、マイクロコンタクトプリントで形成したSAM10の拡大図である。このマイクロコンタクトプリント法は、図22に示すように、PDMS(ポリジメチルシロキサン)から形成したシリコンゴム製のスタンプ19で、インク(分子)を基板2上の表面無機化膜7にコンタクトさせることで、パターン化した分子の膜(自己組織化有機単分子膜(SAM10))を形成する方法である。ここで、形成されるSAM10は、図23に示すように、固体表面を自発的な反応により有機分子1層で被覆した膜(高密度に充填、化学結合による強固な薄膜)である。そして、末端基10aが機能基として作用する。従って、この末端基10a(機能基)を換えることでSAM10にいろいろな機能性を持たせることが出来る。
以上説明したように、上記有機薄膜トランジスタ1の製造方法の第1乃至第3実施の形態によれば、ゲート電極6の形成と同時に、基板2の裏面を金属被膜のバリア膜14でカバーできるので、基板2の酸素や水分の透過率を大幅に低減でき、且つ、1つのプロセスで、低コストにバリア膜14の形成ができる。また、上記有機薄膜トランジスタ1の製造方法の第4実施の形態によれば、ソース電極3・ドレイン電極4の形成と同時に、基板2の裏面を金属被膜のバリア膜14でカバーできるので、基板2の酸素や水分の透過率を大幅に低減でき、且つ、1つのプロセスで、低コストにバリア膜14の形成ができる。
さらに、バリア膜14は、金属被膜であるので、遮光薄膜ともなる。尚、用いるSAMによっては、触媒を用いない無電解めっきも可能となるため、コストをより低減できる。また、第1及び第2実施形態の有機薄膜トランジスタ1の製造方法によれば、レジストを使わずにゲート電極6を形成できるので、低コスト化を図ることができる。また、ソース電極3・ドレイン電極4を金置換することによりキャリア注入の効率化及びチオール系SAMの修飾により、薄膜トランジスタの高効率化が可能となる。
尚、本発明は、上記実施形態に限られず、各種の変形が可能である。実施形態では有機半導体を例示したが、水分や酸素により劣化が発生する無機半導体に対しても適用可能である。また、バリア膜の電極との一括形成方法としては、無電解めっき以外に、メタルナノインクやメタルペーストを用いても良い。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、所謂ボトムゲート型またはトップゲート型の薄膜トランジスタの製造方法に適用可能である。
第1実施形態である有機薄膜トランジスタ1の縦断面図である。 有機薄膜トランジスタ1の製造方法のフローチャートである。 無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。 無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。 無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。 無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。 無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。 第2実施の形態の有機薄膜トランジスタ1の製造方法のフローチャートである。 第2実施の形態の無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。 第2実施の形態の無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。 第2実施の形態の無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。 第2実施の形態の無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。 第2実施の形態の無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。 第3実施の形態の有機薄膜トランジスタ1の製造方法のフローチャートである。 第3実施の形態の無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。 第3実施の形態の無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。 第3実施の形態の無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。 第3実施の形態の無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方法を説明する基板2の縦断面図である。 第3実施の形態の無電解めっき法による電極及びバリア膜の製造方を説明する基板2の縦断面図である。 トップゲート型の有機薄膜トランジスタ100の縦断面図である。法を説明する基板2の縦断面図である。 トップゲート型の有機薄膜トランジスタ100の製造方法のフローチャートである。 マイクロコンタクトプリント法の説明図である。 マイクロコンタクトプリントで形成したSAM10の拡大図である。 水蒸気透過性のグラフである。
1 有機薄膜トランジスタ
2 基板
3 ソース電極
4 ドレイン電極
5 ゲート絶縁層
6 ゲート電極
7 表面無機化膜
8 表面無機化膜
9 表面無機化膜
14 バリア膜
15,16 金メッキ層
17 半導体層
19 スタンプ
60 めっき層

Claims (5)

  1. ポリマーから構成された基板上に絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成されるソース電極及びドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成される半導体層と、ゲート電極とを有する薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記基板上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、
    前記ゲート電極を覆うように前記基板上に前記絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、
    前記絶縁層上に、ソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成するソース・ドレイン電極形成工程と、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極間の前記絶縁層上に半導体層を形成する半導体層形成工程とを備え、
    前記ゲート電極形成工程及び前記ソース・ドレイン電極形成工程のうち、少なくともどちらか一方の電極形成工程で、前記電極の形成と同時に、前記基板の電極が形成される側と反対側の面に酸素及び水分の透過を防止するバリア膜を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  2. ポリマーから構成された基板上に絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成されるゲート電極と、ソース電極及びドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成される半導体層とを有する薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記基板上にソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成するソース・ドレイン電極形成工程と、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極間に半導体層を形成する半導体層形成工程と、
    前記ソース電極、前記ドレイン電極及び前記半導体層を覆うように絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、
    前記ゲート絶縁層形成工程で形成された前記絶縁層上に、ゲート電極を形成するゲート電極形成工程とを備え、
    前記ソース・ドレイン電極形成工程及び前記ゲート電極形成工程のうち、少なくともどちらか一方の電極形成工程で、前記電極の形成と同時に、前記基板の電極が形成される側と反対側の面に酸素及び水分の透過を防止するバリア膜を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  3. 前記ゲート電極、前記ソース電極、前記ドレイン電極のうち、少なくとも一つの電極と、前記バリア膜が無電解メッキ法により形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 前記基板及び前記絶縁層のうち、少なくともどちらか一方の表面には、自己組織化単分子膜を形成するための表面無機化膜が形成され、
    当該表面無機化膜上に自己組織化単分子膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 前記ゲート電極、前記ソース電極及び前記ドレイン電極の形成時には、マイクロコンタクトプリント法により自己組織化単分子膜を形成し、その後、前記ゲート電極、前記ソース電極及び前記ドレイン電極を形成することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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