JP4645389B2 - スタータ - Google Patents

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Description

本発明は、リングギアとピニオンギアとの噛合いを通じてエンジンを始動するスタータに関し、特に慣性飛込式スタータに適用して好適なものである。
〔従来の技術〕
一般的に、エンジンの始動の際には、スタータのモータ出力軸に取付けられた一方向性のクラッチを介してピニオンギアを進退駆動させて、クランクシャフトに設けられたリングギアと噛合させ、始動トルクをピニオンギアからリングギアに伝達させて、クランクシャフトを回転し、エンジンを始動させる。
従来のスタータは特許文献1に開示されるものが公知であり、小型汎用エンジン用には特許文献1に示すスタータが用いられる。特許文献1に示されるように、スタータは、モータの回転力により、ピニオンギアを有するクラッチがヘリカルスプラインによる推力により、ピニオンギアが前方へ移動し、リングギア(図示せず)に噛み込む慣性飛込式スタータである。
スタータはクラッチおよびピニオンギアの進退にてリングギアと結合ならびに離脱する際のスラスト方向の荷重、およびエンジンの振動によるアーマチャシャフトの軸方向の振動荷重を受けるので、これを支持するためにフロントハウジングの軸受部の前後面にワッシャを備え、それぞれクラッチの後端面と、アーマチャシャフトの周溝に嵌入されたC型サークリップの前端面が当接するようになっており、スラスト方向の荷重や振動荷重をフロントハウジングにて支持する構造となっている。
図5はC型サークリップとストッパ付きカラーとワッシャの組付けを表す斜視図を示す。図5に示すように、外径の限られた大きさのC型サークリップ60は、アーマチャシャフト3の外周部のアーマチャ6の近傍に設けられた断面が略矩形状の周溝61に嵌入されているが、スラスト方向の荷重を支持するフロントハウジングの端面に当接する面積を確保するために、C型サークリップ60よりも外径を大きくしたワッシャ70を備えてフロントハウジングに当接させている。そして、さらにC型サークリップ60とワッシャ70の間には、C型サークリップ60がスラスト方向の荷重によって拡がって、C型サークリップ60が周溝61から脱落しないようにするため、拡がり防止用のストッパ付きカラー80を図に示すようにストッパ構造(切り起こし面81)がC型サークリップ60の外周ストレート部62に嵌着するように配置している。
図6は従来のストッパ付きカラー80を示す構成図であるが、図5、6に示すようにストッパ付きカラー80は、C型サークリップ60の外周ストレート部62に沿って、切り起こし面81が外周ストレート部62に当接して挟み込むように向い合って、切り起こし面81の根元に切り欠き部82を有して三角形状の切り起こし面81を形成したストッパ構造を形成している。また、対をなす切り起こし面81の中間に、中央折り曲げ部83が折り曲げられ、この中央折り曲げ部83がC型サークリップ60の内周ストレート部63間に嵌入して、芯合わせを確保して密着する構造となっている。
特開2005−054682号公報(図1参照)
しかしながら、従来技術に記載したストッパ付きのカラーは、極めて過大なスラスト方向の荷重や繰返しのスラスト方向の振動荷重に対して、C型サークリップの拡がりを抑制する上で、強度的に不十分な恐れがある。つまり、上記したように単に切り起こして三角形状のストッパ構造を形成しているので、C型サークリップに対して当接面積の確保が十分でなく、切り起こし部が欠けたり折れたりし、また、切り起こし部の折り曲げ方向に作用力と対抗する配置であり、剛性が不足し、繰返しによるへたりで曲げが戻ってしまいストッパの機能を喪失する可能性が考えられ、また、切り起こしの根元は実は極小の切り欠きアールで形成せざるを得ないため、応力集中が作用して、ストッパ付きカラーが切り起こし部から破断したり、繰返しのスラスト方向の振動荷重に対しても切り起こし部からのクラックの成長による折損が生じ易く、C型サークリップの脱落を確実に抑制することができない可能性があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、モータ出力軸の周溝に嵌着されたC型サークリップがスラスト方向の荷重によって拡がりを生じないようにC型サークリップの外周ストレートを挟み込むようにストッパ付きカラーを配置して、スラスト方向の荷重を確実に保持することが可能なスタータを提供することを目的とする。
〔請求項1の手段〕
本発明では、エンジンに設けられたリングギアと、モータ出力軸に進退可能に設けられ、モータ出力軸の回転により、モータ出力軸のヘリカルスプラインに沿って移動し、リングギアに噛合うピニオンギアを有するクラッチと、モータの出力トルクを伝達してエンジンを始動するスタータであって、
クラッチのスラスト方向の荷重を、モータ出力軸の周溝に嵌着したC型サークリップにて支持し、スラスト方向の荷重が付加されてもC型サークリップの拡がりを抑制し、周溝からの脱落を防ぐストッパ付きカラーを挟装したスタータにおいて、
ストッパ付きカラーは、円環状板をなしていて、その外周円部に、C型サークリップの外周ストレート部の長手方向と同じ向きに折り曲げて形成された一対の折り曲げ部を備えており、
この一対の折り曲げ部は、C型サークリップの外周ストレート部に対し、折り曲げ方向とは直角な方向に位置する側面部で外周ストレート部を挟み込んで、C型サークリップの拡がりを押え込むことを特徴としている。
これによれば、折り曲げ部は、折り曲げ方向とは直角な方向に位置する側面部で外周ストレート部を挟み込んでいるのでC型サークリップの拡がり方向の抑止剛性が高くなって、C型サークリップが周溝から脱落することを確実に防止する。また、外周円部に折り曲げ部を形成しているので、円環状の余肉幅を確保でき抑止強度が高くなるとともに、折り曲げ部の種々の厚さに対しても折り曲げ部の長さのみを変えることで対応がとれるという設計の自由度も高い。
〔請求項2の手段〕
請求項1に記載のスタータにおいて、
折り曲げ部の根元切り欠きアールは構成部材の板厚以上であることを特徴としている。
これによれば、切り欠き部の先端での応力集中の大幅な低減効果が得られ、ストッパ付きカラーの折損不具合が解消できる。
〔請求項3の手段〕
請求項1または2に記載のスタータにおいて、
前記折り曲げ部の根元曲げアールは構成部材の板厚以上であることを特徴としている。
これによれば、折り曲げ部の根元曲げアールが確保できるため折り曲げ部の曲げ強度や繰返しの疲労強度が高くなって、C型サークリップの拡がり方向の抑止強度が高くなり、C型サークリップの周溝から脱落することを確実に防止するとともに、ストッパ付きカラーの折損不具合が解消できる。
〔請求項4の手段〕
請求項1ないし3のいずれか1に記載のスタータにおいて、
折り曲げ部の長さは、前記C型サークリップの板厚以上であることを特徴としている。
これによれば、折り曲げ部は、C型サークリップの板厚以上の折り曲げ部の長さで拡がりの作用力を受けるので、折り曲げ部での抑止強度が確保でき、周溝から脱落することを確実に防止できる。
本発明の最良の実施形態を、図に示す実施例1とともに説明する。
〔実施例1の構成〕
図1は、本実施例におけるスタータの軸方向の半断面図である。
スタータ100は、ピニオンギア102の慣性により生ずるピニオンギア102のモータ出力軸(アーマチャシャフト)103に対する回転遅れと、ヘリカルスプライン104による推力とにより、ピニオンギア102が前方へ飛出し、リングギア150に噛み込む慣性飛込式スタータである。なお、以下の説明では、モータ出力軸103の回転軸方向のピニオンギア102寄りを前方、モータ部(後述する)寄りを後方とし、前後方向はこれに従うものとし、また、モータ出力軸103の回転軸を単に回転軸と呼ぶ。
モータ部は、図1に示すように、モータ出力軸103、コンミテータ105、およびアーマチャコイル106などからなる周知のアーマチャである。また、ヨーク107、界磁極108、ブラシ109、ブラシホルダ110、およびモータ端子111などからなる周知の構造を有している。
ここで、モータ出力軸103は、アーマチャコイル106より前方寄りの外周部に、ヘリカルスプライン104を備え、モータ出力軸103の回転トルクと軸方向の推力を伝達するようになっている。また、モータ出力軸103の先端(図示左端)に近い外周部には、断面が略半円状の周溝112を備え、後述するピニオンストッパ113を係止するリングスナップ115を保持するようになっており、モータ出力軸103のアーマチャコイル106の近傍前方には、断面が矩形状の周溝201を備え、この周溝201にC型サークリップ202を嵌入させてアーマチャ自体の軸方向の移動を規制するようにしている。ヨーク107はアーマチャコイル106および界磁極108を内包する筒状体をなしている。界磁極108は、通常永久磁石で構成されるが、電磁コイルで構成されてもよい。
図1に示すように、スタータ100は、リングギア150と噛み合うピニオンギア102と、ピニオンギア102の過大な飛び出しを規制するピニオンストッパ113、ピニオンギア102を常時後方に付勢するリターンスプリング114、ピニオンギア102をエンジン始動後スムーズにリングギア150から離脱させるクラッチ140などから構成されている。
ピニオンストッパ113はモータ出力軸103と同軸の円筒状をなし、モータ出力軸103の前端部に嵌着されている。そして、周溝112には嵌着されたリングスナップ115によりピニオンストッパ113は係止され、前方への移動が規制されている。
リターンスプリング114はモータ出力軸103の外周部に装着され、一端がピニオンギア102の前端部にワッシャ141を介して係止され、他端はピニオンストッパ113の内周に入り込んでピニオンストッパ113に係止される。そして、ピニオンギア102を常時後方に付勢する。
クラッチ140は、図1に示すように、クラッチアウタ117、クラッチインナ120、クラッチローラ121、クラッチスプリング(図示せず)、およびクラッチカバー122などから構成されている。クラッチアウタ117は、クラッチインナ120、クラッチローラ121、およびクラッチスプリングを内包する。クラッチアウタ117の前端開口部はクラッチワッシャ123および輪板124で閉じられている。そして、クラッチカバー122がかしめられて、このクラッチワッシャ123および輪板124の外縁部とクラッチアウタ117の外周部とを覆っている。また、クラッチアウタ117は、回転軸方向に貫通する螺合穴139を有する。この螺合穴139には、モータ出力軸103が嵌挿されるとともに、ヘリカルスプライン104が螺合している。そして、クラッチアウタ117は、エンジン側との結合離脱に伴い、ヘリカルスプライン104と係合し相対的に回動するとともに軸方向に前後動する。
クラッチインナ120は、前寄りの部分にピニオンギア102が一体かつ同軸に形成され、後寄りの部分がクラッチアウタ117の内部に嵌り込んで当接している。また、クラッチインナ120は、このピニオンギア102と同様に後寄りの部分も回転軸と同軸に貫通した貫通穴(図示せず)を有する。この貫通穴の前寄りの内周面には軸方向に軸受116が嵌入されるとともに、この軸受116を介してクラッチインナ120がモータ出力軸103に嵌挿されている。そして、クラッチインナ120はエンジン側との結合離脱に伴い、軸受116とともにモータ出力軸103上を摺動しつつ相対的に回動し、かつ軸方向に前後動する。
クラッチローラ121はクラッチアウタ117とクラッチインナ120との間に介在し、クラッチスプリングにより押圧されて、図1に示すようにクラッチアウタ117の内周面とクラッチインナ120の後寄り外周面とに接している。そして、ヘリカルスプライン104、クラッチアウタ117を通して伝達されたモータ出力軸103の回転トルクを、クラッチインナ120へと伝達する。なお、エンジン始動後は、クラッチインナ120がモータ出力軸103よりも高速回転になるため、クラッチスプリングが圧縮されるとともに、クラッチローラ121がクラッチアウタ117の内周面とクラッチインナ120の外周面とから離れる方向に移動する。このため、クラッチインナ120からモータ出力軸103へのトルク伝達は起こらない。
ハウジング部は、ヨーク107の一端側(図示左端側)に配されるとともにピニオンギア102やクラッチ140を収容するフロントハウジング118と、ヨーク107の他端側(図示右端側)に配されるとともにコンミテータ105、ブラシ109およびブラシホルダ110などを収容するエンドフレーム125と、このエンドフレーム125とフロントハウジング118との間に、ヨーク107を回転軸方向に締め付けるスルーボルト126などからなる。
フロントハウジング118は、周壁部127、モータ出力軸103と摺動する軸受128が嵌入される軸受部129、エンジンへの取付部を有して、エンジンの所定位置に取り付けられるフランジ131からなる。周壁部127は、モータ出力軸103と同軸の円筒状をなし、この円筒内にピニオンギア102およびクラッチ140が収容されている。そして、ピニオンギア102およびクラッチ140は、モータ出力軸103の回転開始とともに、この円筒内から前方へ飛出し、エンジン始動後、この円筒内へ戻る。
軸受部129は、回転軸と同軸の貫通穴を有し、この貫通穴に軸受128が嵌入されている。また、この軸受部129の前端には、ワッシャ119が装着されており、このワッシャ119にエンジン側から離脱したクラッチアウタ117の後端が、リターンスプリング114の付勢力により当接する。
また、この軸受部129の後端には、オイルシール132が備えられ、ヨーク107内へ水滴や塵埃が浸入するのを防止している。そして、さらに、この軸受部129の後端面は、モータ出力軸103のアーマチャコイル106の近傍前方に設けられた周溝201に嵌入されて、アーマチャ自体の前後動を規制するためのC型サークリップ202が、ワッシャ204を介して当接され、スラスト方向の荷重を支持するようになっている。
しかるに、このC型サークリップ202は外径の限られた大きさのものを使用しているので、スラスト方向の荷重を十分支持するために、C型サークリップ202の外径より径大の形状を有するワッシャ204と、C型サークリップ202がスラスト方向の荷重によって拡がって、周溝201から脱落するのを抑制するためのストッパ付きカラー203をこの間に挟装してフロントハウジング118の軸受部129の後端面に当接させている。
このC型サークリップ202とストッパ付きカラー203とワッシャ204との配置と組付けは、従来例で示す図5に示すものと変わりがない。しかし、ストッパ付きカラー203の構造のみがストッパ付きカラー80と大きく異なる。
図2は、本発明の実施例1におけるストッパ付きカラー203の構成図であり、図3は本発明のストッパ付きカラー203をC型サークリップ202に装着させたときの組付図である。
このストッパ付きカラー203は、帯板を円環状に形成し、その外周円部には図2、3に示すように、点線で示されるC型サークリップ202の外周ストレート部202Aに直角に対向し、その側面部203Aで当接する2箇所の折り曲げ部203Bが互いに向い合って設けられている。つまり言い換えれば、2箇所の外周ストレート部202Aをその側面部203Aで挟み込み、2箇所の外周ストレート部202Aの長手方向と同じ向きに円環状の外周円部を折り曲げて、外周ストレート部202Aに直角に対向する2箇所の折り曲げ部203Bを設けている。
また、折り曲げ部203Bは、その根元曲げアールR1を構成材料の板厚以上に設け、その長さHもC型サークリップ202の板厚以上に設けてある。さらに折り曲げ部203Bの構成材料に曲げの残留応力を過剰に発生させないため、折り曲げ部203Bの根元部の折り曲げと直交する内側位置に構成材料の板厚以上に十分な大きさの曲率半径を有する根元切り欠きアールR2を設けている。なお、中央折り曲げ部203CはC型サークリップ202との組合せに際し、中心位置決めを確保するための突起であり、その長さLはC型サークリップ202の板厚以上に設けられている。
そして、上記した構成になるストッパ付きカラー203は、図3に示すようにC型サークリップ202と軸芯を一致させるよう中央折り曲げ部203Cの突起をC型サークリップ202の内周ストレート部202Bに嵌入し、同時に、折り曲げ部203Bの側面部203AをC型サークリップ202の外周ストレート部202Aを挟み込むように密着させて組付ける。そして、ワッシャ204を図5の従来例のワッシャ70と同様に、フロントハウジング118の軸受部129の後端面に当接するように、挿入して組付けている。
以上、スラスト方向の荷重を支持するC型サークリップ202と当接するフロントハウジング118の軸受部129との構成説明を終え、続いて、残るフランジ131とエンドフレーム125の説明をする。フランジ131は、図1に示すように、周壁部127の前端外周から外側に鍔状かつ略円板状に形成されている。また、フランジ131は、エンジンの所定位置に取り付けられる取付部130と、スルーボルト126により締め付けられる締付部としての台座部133とを具備し、取付部130および台座部133には回転軸方向に貫通したねじ穴を有する。
エンドフレーム125は、フロントハウジング118とともにヨーク107を回転軸と同軸的に挟み込む。図1に示すように、モータ端子111は、このエンドフレーム125から突き出すように保持され、また、スルーボルト126が挿通される挿通部137、およびエンジンの所定位置に取り付けられるよう長穴を有するステー138が、エンドフレーム125の外周面から膨出している。また、エンドフレーム125の中心には、アーマチャの回転を支持する軸受部134が設けられ、ラジアル方向およびスラスト方向の荷重を支持する軸受135が嵌入されている。
挿通部137は、回転軸方向に貫通した貫通穴を有し、この貫通穴の後端開口部から挿入されたスルーボルト126のねじ部が、台座部133のねじ穴に螺合するとともに、このスルーボルト126のねじ頭が挿通部137の後端面を前方に押圧し、フロントハウジング118とエンドフレーム125とで、ヨーク107を回転軸方向に締付け、スタータ100が構成される。
〔実施例1の作用〕
本実施例のスタータ1の作用を説明する。キースイッチ(図示せず)がオンされる前は、図1に示すように、ピニオンギア102とクラッチ140は、ピニオンギア102の前端部を除いて周壁部127の円筒内に収容されている。キースイッチがオンされてバッテリからモータ部に電力が供給されると、モータ出力軸103が回転を始める。モータ出力軸103の回転により、ピニオンギア102を有するクラッチ140が、ヘリカルスプライン104に沿って移動する。クラッチ140はリターンスプリング114の付勢力に抗して、ピニオンギア102の前端面がピニオンストッパ113の後端面に当接するまで前方へ飛出し、ピニオンギア102とリングギア150とが噛合い、モータ出力軸103の回転力が、ピニオンギア102を介してリングギア150に伝達され、これにより、エンジンが始動する。
このピニオンギア102を有するクラッチ140が飛出し、リングギア150と噛合ってエンジンを回転させるまでのモータ出力軸103に作用するスラスト方向の荷重は、主にヘリカルスプライン104の推力の反力であって、この荷重は、専らモータ出力軸103の後方終端側のエンドフレーム125の軸受部134で支持される。
そして、エンジンが始動するとエンジン回転数が上昇する。このエンジン回転数はモータ出力軸103の回転数よりも高いので、ピニオンギア102が逆にリングギア150により回される。これにより、ピニオンギア102と一体のクラッチインナ120がモータ出力軸103よりも高速回転になるため、クラッチスプリングが圧縮されるとともに、クラッチローラ121がクラッチアウタ117の内周面とクラッチインナ120の外周面とから離れる方向に移動する。このため、クラッチインナ120からモータ出力軸103へのトルク伝達が途切れ、リターンスプリング114の付勢力により、クラッチアウタ117の後端面がワッシャ119に当接するまで、クラッチ140がヘリカルスプライン104上を後退する。これにより、ピニオンギア102がリングギア150から離脱して、ピニオンギア102とクラッチ140は周壁部127の円筒内に戻る。
そして、エンジンが始動して後、エンジンの振動等によりスタータに負荷されるスラスト方向の前方向荷重は、専らモータ出力軸103のC型サークリップ202で支持される。
〔実施例1の効果〕
本発明では、慣性飛込式のスタータ1において、エンジンの過大振動による極めて大きなスラスト方向の振動荷重が生じても、モータ出力軸103の周溝201に嵌着したC型サークリップ202にて支持できる。C型サークリップ202は、その外周ストレート部202Aに対し、外周ストレート部202Aに当接して挟み込むようにストッパ付きカラー203の外周円部に折り曲げ部203Bを有し、折り曲げ部203Bは、C型サークリップ202の外周ストレート部202Aに対し、折り曲げ方向とは直角に、側面部203Aを当接して外周ストレート部202Aの拡がりを押え込むように向い合って対をなすストッパ構造を備えたストッパ付きカラー203を挟装しているので、C型サークリップ202の拡がり方向の抑止剛性が高くなって、C型サークリップ202が周溝201から脱落することを確実に防止する。また、ストッパ付きカラー203の外周円部に折り曲げ部203Bを形成しているので、円環状の余肉幅を確保でき抑止強度が高くなるとともに、C型サークリップ202の種々の厚さに対しても折り曲げ部の長さHのみを変えることで対応がとれるという設計の自由度も高い。
また、折り曲げ部203Bの根元切り欠きアールR2は構成部材の板厚以上であるので切り欠き部先端での応力集中の大幅な低減効果が得られ、ストッパ付きカラー203の折損不具合が解消できる。応力集中の低減効果は、図4(a)のグラフに従えば、図4(b)に記載されているシミュレーション結果が得られ、最大応力の低減は約1/2に低減し、抑止強度の向上は、約2倍近くも増加すると予測される。なお、図4(a),(b)のグラフ及び図の出典は、『機械工学便覧』(1991年9月30日、社団法人日本機械学会)によるものである。
また、折り曲げ部203Bの根元曲げアールR1は構成部材の板厚以上であるので折り曲げ部203Bの曲げ強度や繰返しの疲労強度が高くなって、C型サークリップ202の拡がり方向の抑止強度が高くなり、周溝201から脱落することを確実に防止するとともに、ストッパ付きカラー203の折損不具合が解消できる。さらに、折り曲げ部203Bの折り曲げ部の長さHは、C型サークリップ202の板厚以上に形成され、拡がりの作用力を全面で受けることが可能となって、折り曲げ部での抑止強度が確保でき、周溝から脱落することを確実に防止できる。
スタータの軸方向の半断面図である(実施例1)。 (a)は図1の要部であるストッパ付きカラーの平面図であり、(b)はその側面図であり、(c)はその正面図である(実施例1)。 図1の要部であるストッパ付きカラーとC型サークリップとの組付図である(実施例1)。 (a)は、V形切り欠きをもつ帯板の曲げにおける形状係数を表すグラフであり、(b)は、シミュレーション結果を表す図である。 C型サークリップとストッパ付きカラーとワッシャの組付けを表す斜視図である(従来例)。 (a)は従来のストッパ付きカラーの平面図であり、(b)はその側面図であり、(c)はその正面図である(従来例)。
符号の説明
100 スタータ
102 ピニオンギア
103 モータ出力軸(アーマチャシャフト)
104 ヘリカルスプライン
113 ピニオンストッパ
114 リターンスプリング
115 リングスナップ
117 クラッチアウタ
116、128、135 軸受
118 フロントハウジング
119、204 ワッシャ
120 クラッチインナ
121 クラッチローラ
122 クラッチカバー
129、134 軸受部
139 螺合穴
140 クラッチ
150 リングギア
201 周溝
202 C型サークリップ
202A 外周ストレート部
202B 内周ストレート部
203 ストッパ付きカラー
203A 側面部
203B 折り曲げ部
203C 中央折り曲げ部
H 折り曲げ部の長さ
L 中央折り曲げ部の長さ
R1 折り曲げ部の根元曲げアール
R2 折り曲げ部の根元切り欠きアール

Claims (4)

  1. エンジンに設けられたリングギアと、
    モータ出力軸に進退可能に設けられ、前記モータ出力軸の回転により、前記モータ出力軸のヘリカルスプラインに沿って移動し、前記リングギアに噛合うピニオンギアを有するクラッチと、
    前記モータの出力トルクを伝達して前記エンジンを始動するスタータであって、
    前記クラッチのスラスト方向の荷重を、前記モータ出力軸の周溝に嵌着したC型サークリップにて支持し、
    スラスト方向の荷重が付加されても前記C型サークリップの拡がりを抑制し、前記周溝からの脱落を防ぐストッパ付きカラーを挟装したスタータにおいて、
    前記ストッパ付きカラーは、円環状板をなしていて、その外周円部に、前記C型サークリップの外周ストレート部の長手方向と同じ向きに折り曲げて形成された一対の折り曲げ部を備えており、
    一対の折り曲げ部は、前記C型サークリップの前記外周ストレート部に対し、折り曲げ方向とは直角な方向に位置する側面部で前記外周ストレート部を挟み込んで、前記C型サークリップの拡がりを押え込むことを特徴とするスタータ。
  2. 請求項1に記載のスタータにおいて、
    前記折り曲げ部の根元切り欠きアールは構成部材の板厚以上であることを特徴とするスタータ。
  3. 請求項1または2に記載のスタータにおいて、
    前記折り曲げ部の根元曲げアールは構成部材の板厚以上であることを特徴とするスタータ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1に記載のスタータにおいて、
    前記折り曲げ部の長さは、前記C型サークリップの板厚以上であることを特徴とするスタータ。
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