JP4644923B2 - 冷媒回路装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動作圧力の高い冷媒を用いる空気調和機や冷凍機等の冷媒回路装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
事務所等では複数の部屋を個別に空調すべく、複数の室内機を同時もしくは個別に運転できるマルチタイプの空気調和機を備える場合が多く、熱源機から室内機につながる配管は配管長も長く、途中に曲げや分岐が必要となり、 配管形状も複雑となっている。
従来の空気調和機では主としてHCFC系のR22冷媒を用いており、冷媒回路を構成する部品は使用冷媒の動作圧力に応じてその強度が確保される仕様となっていた。しかし、従来より使用していた冷媒の中には地球環境保全上好ましくないものが存在し、このため代替冷媒への切替が進められている。そして、比較的規模の大きい空調システムの場合にはR22と圧力特性が似ているという理由から、代替冷媒としてHFC系のR407Cが使用される場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
冷凍サイクルとしての効率を上げ、エネルギー消費電力を低下させるには同一温度で密度の高い、つまり動作圧力の高い冷媒を使用することが考えられる。これは密度が高いことにより、同一質量流量に対する体積流量の低下から、配管内流速が低下し圧力損失も低下することが期待されるからである。R407cは圧力特性がR22と略同一であるため、その性能はR22と類似したものである。そのため、R22を使用する場合に比べて大きな省エネルギ性は期待できない。
【0004】
代替冷媒の中には、R22やR407C冷媒に比べ、同じ温度における動作圧力(飽和圧力)が高くなるものがあるためこうした冷媒の利用が省エネルギにつながる一方で、 こうした動作圧力の上昇に対応して冷媒回路構成部品の耐圧強度を高める必要がでてくることから、空気調和機のコスト上昇につながる場合が発生する。
【0005】
また、R22が使用されてからすでに長い年月が経過しており、従来より備え付けていた製品の老朽化にともない熱源機や室内機の交換を行う場合がある。こうした場合、従来冷媒に比べて動作圧力の高い代替冷媒対応の製品を用いようとすると、そのままでは熱源機、室内機だけではなく、途中配管も肉厚の厚い配管に変更する必要が発生する。最大能力の大きい空気調和機は比較的大きな建物に設置されるため、室内機が1台であっても配管長が長くなり、途中に曲げ部があるとその配管の入れ替えは難しい。また、一冷媒回路に複数の室内機を有するシステムでは配管途中で各室内機ごとの分岐部分を有するため、複雑な形状でかつ規模の大きい配管システムを入れ替えるには多大な費用が必要となる。
こうした既設配管の交換は経済的影響だけでなく、大型建物から発生する既設配管の廃棄物の運搬、廃棄処理、再生のためのエネルギー消費が必要となり、地球環境保全に悪影響を及ぼす。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、冷媒回路を構成する部品の耐圧強度が低くても動作圧力の大きな冷媒を用いることを可能にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る冷媒回路装置は、圧縮機、凝縮器、並列に接続された、優先順位が付けられた複数の絞り手段および前記絞り手段のそれぞれに接続した複数の蒸発器を順次配管で接続してなる冷媒回路と、前記凝縮器の凝縮圧力を検知する圧力検知手段と、冷房運転時に前記圧力検知手段により検知した圧力が所定値を超えた場合には前記優先順位に応じて前記絞り装置の開度を減じる制御手段とを備えたものである。
【0008】
また、制御手段は複数の絞り手段の優先順位を示すスイッチを有するものである。
【0009】
また、使用する冷媒がR22もしくはR407C以外の冷媒であり、かつ同一温度での飽和圧力が、R22もしくはR407Cのいずれよりも高い圧力特性を有する冷媒としたものである。
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。図1はこの発明の実施の形態1における空気調和機の冷媒回路図を示す。図において、1は圧縮機、16は四方弁、2aは空冷式の熱源機側主熱交換器、2bは水冷式の熱源機側補助熱交換器、3a、3bは流量制御弁、4a、4bは利用側熱交換器、27、28は熱源機側補助熱交換器2bを閉止するための電磁弁、20は圧縮機の高圧側の圧力を検知する圧力センサである。これらは冷媒配管で接続され、冷媒回路を構成している。冷媒配管のうち、四方弁16〜利用側熱交換器4a、4b間の一部、流量制御弁3a、3b〜熱源機側主熱交換器2aまたは熱源機側補助熱交換器2b間の一部は建物の壁に埋設されたり、天井裏に配設されたりしている。
【0010】
熱源機側補助熱交換器2bは、冷媒と冷却水とが熱交換できる水冷式となっており、冷却流体である水は常時外部から供給されている。
また、この冷媒回路に使用されている冷媒は、HFC系の混合冷媒であるR410Aを用いている。R410Aは従来から主に空調機で使用されているR22冷媒に比べて同一温度に対する飽和圧力が高いため、凝縮器での動作圧力も上昇する。なお、従来の冷媒であるR22の場合には、高圧が3MPaを超えると異常停止させ、それ以上圧力が上がらないようにしており、既に古くからR22用の空調機が使われている建物において、R410A対応の空調機を使用する場合、動作圧力が3MPaを超えないようにすれば建物内に残る既設配管をそのまま再利用することができる。
図中の実践矢印は冷房時の冷媒の流れを、破線矢印は暖房時の冷媒の流れ方向を示す。
【0011】
図2は図1の各部品の制御ブロック図である。
運転制御部19は、リモコン5a、5bにより、利用側熱交換器4a、4bの運転、停止の信号を受ける。また圧力センサ20の入力も受ける。
そして、運転制御部19は圧縮機1の発停、四方弁16、流量弁3a、3bの開閉、電磁弁27、28の開閉出力を出す。なお、四方弁16はoffで冷房(実線矢印方向回路)流れ、onで暖房流れとなり、電磁弁27、28はonで開、offで閉の電磁弁である。
【0012】
上記のように構成された冷媒回路は、R22冷媒を用いた既設の冷媒回路から冷媒を抜き取り、その後圧縮機から熱源側熱交換器までを配管から切り離し、代わって圧縮機1からR410A冷媒が封入された熱源側主熱交換器2aおよび熱源側補助熱交換器2b、電磁弁28までの各構成要素を接続する。また、必要に応じて利用側熱交換器および流量弁を配管から切り離し、代わって新たな利用側熱交換器4a、4b並びに流量弁3a、3bを接続する。このような冷媒回路の交換によって既設の冷媒配管のうち、建物の壁に埋設されたり、天井裏に配設されたりしている四方弁16〜利用側熱交換器4a、4b間の一部、流量制御弁3a、3b〜熱源機側主熱交換器2aまたは熱源機側補助熱交換器2b間の一部はそのまま使用される。
【0013】
また、圧縮機1〜四方弁16〜熱源機側主熱交換器2aまたは熱源機側補助熱交換器2b〜電磁弁28までは例えば室外ユニット等の熱源側ユニットとしてユニット化されており、このユニット内に装備され、圧縮機の運転周波数や各種弁の開閉、開度を制御する運転制御部についても同時に交換される。
交換の前後において、熱源機側熱交換器、利用側熱交換器、運転制御部は交換後の冷媒回路における動作圧力(飽和圧力)が、交換前の冷媒回路の動作圧力(飽和圧力)を超えないよう運転できる能力を有したものが選択、設置される。
【0014】
図3は、本発明の空気調和機の運転制御部19による制御フローチャートである。まずステップ0でリモコン操作が入ったとする。ステップs1でリモコン5aのon/offを確認する。リモコン5aがonであればステップs2にて流量弁3aを開いて冷媒が流れるようにする。リモコン5aがonでなければステップs3で流量弁3aは閉動作を行わせる。
【0015】
次にステップs4でリモコン5bのon/offを確認する。ここでもリモコン5aと同様に確認するが、リモコン5bがonでなかった場合、ステップs7でリモコン5aがonであったかどうかを確認し、リモコン5aがonでなければ、操作ミス等で実際はリモコンがすべてoffということになるので運転はさせず、ステップs8で停止とする。
ステップ6までに、いずれかのリモコンがonであることが確認されれば、ステップs6にてリモコンの入力されたモードが冷房か暖房か判断する。
暖房モードであれば、ステップs10に進むが、それ以降の動作については省略する。
【0016】
冷房モードの場合には、ステップs11に進み、四方弁16をoffとし、ステップs12で電磁弁27、28はいずれもoffにして、はじめは熱源機側補助熱交換器2bには冷媒が流れないようにする。
次にステップs13で圧縮機1を運転させる。その後ステップs14で圧力センサ20によって圧力を検知させる。圧力センサ20の検出位置は、熱源機側熱交換器2a、2bから大きく離れておらず、配管圧損の差も僅かでしかないため、凝縮圧力と同等として扱うことができる。
【0017】
ステップs15では、一旦電磁弁27、28の状態を確認する。これは電磁弁27、28の開閉に伴う判定条件をステップs16とs17で区別しているためである。ステップs15で電磁弁27、28がoffと判定された場合にはステップs17に進み、圧力センサ20の検知圧力(HPS)が2.7MPaを超えていないかどうか判定する。ここで従来冷媒であるR22の場合には3MPaを上限としているが、過渡的に圧力が急上昇する場合に備え、判定圧力を2.7MPaと低めにしている。
【0018】
ここで2.7MPaを超えている場合には高圧抑制のためにステップs19で電磁弁27、28をonにする。電磁弁27、28をonにすることにより、補助熱交換器2bに冷媒が流れることで、冷却水との間で熱交換が始まる。R410Aの場合、凝縮圧力2.7MPaとなると凝縮温度が45℃前後である。空気温度は、季節、場所で変化するが、冷却水に地下水など空気の温度の影響を受けにくいものを利用した場合や、十分空気温度より低いことが保証される水源から供給した場合には空気熱源による熱源機側熱交換器2aよりも冷媒の凝縮温度が低下することになる。よって凝縮圧力が上限である3MPaに近づくことなく圧力が低下する。
【0019】
一旦電磁弁27、28が開いたあとは、s14の圧力検出を繰り返し、ステップs16にて2.5MPa未満に低下した場合に再度電磁弁27、28をoffとする(ステップs18)。
ステップs16とs17で圧力判定値を変えているのは、同一判定値にした場合、圧力の変化によって電磁弁27、28の開閉が繰り返されることが予想され、それを防ぐためである。特に、動作圧力の高いR410Aのような冷媒では、高温域において、同一温度差による圧力変動幅が狭くなり、小さい温度変化であっても圧力変化が大きくなることから、こうした判定値に圧力差を設けることが必要である。
【0020】
このように、凝縮圧力に応じて熱源機側補助熱交換器2bを利用し、凝縮圧力上昇を抑制することで、冷媒配管部品の耐圧強度を確保するための肉厚増加、材料変更の必要なく、製品のコスト上昇を抑えることが可能となる。
さらに、従来冷媒で使用していた建物内の複雑な形状の既設配管を代替冷媒でも流用することが可能となり、配管コスト、工事費用の低減、さらには廃棄に伴うエネルギー損失を抑制することができ、環境保全にも貢献することが可能となる。
【0021】
また、凝縮圧力を温度から推定するよう、圧力センサー20の代わりに熱源機側熱交換器2aもしくはその近傍の冷媒配管に温度センサーを取り付けて凝縮温度を検知し(図示せず)、この凝縮温度の所定値(たとえば、 R410A冷媒の2.7MPa相当であれば43℃、2.5MPa相当であれば41℃)にて電磁弁27、28のon/off制御を実施しても同様の作用効果が得られる。
【0022】
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2における空気調和機の冷媒回路図を示す。図4において、1は圧縮機、2aは空冷式の熱源機側主熱交換器、2bは氷蓄熱槽を有する熱源側補助熱交換器で、内部に伝熱管7を有して氷もしくは氷水と冷媒との間で熱交換可能としている。3a、3bは流量制御弁、4a、4bは利用側熱交換器、16は四方弁、11は四方弁と熱源機側主熱交換器2aとの間から取り出した配管上にある電磁弁、12は熱源機側主熱交換器2aと流量制御弁3a、3bを結ぶ配管上にある電磁弁、13は熱源側補助熱交換器2b内に伝熱管7から電磁弁12と流量制御弁3a、3bを結ぶ配管途中結ぶ配管上に設けられた電磁弁である。
【0023】
14は伝熱管7の一端と利用側熱交換器4a、4bと四方弁16を結ぶ配管途中とを結ぶ配管上に設けられた電磁弁、15は熱源機側主熱交換器2aから流量制御弁3a、3bを結ぶ配管途中で、電磁弁12の手前から熱源側補助熱交換器2b内に伝熱管7に至る配管途中に設けられた流量制御弁、27、28は熱源機側主熱交換器2aの出入口に設けられた電磁弁、20は圧縮機1の吐出圧力を検知する圧力センサ、21は熱源側補助熱交換器2b内部の氷、もしくは水の温度を検知する温度センサである。電磁弁11〜14、27、28はいずれもonで開、offで閉である。
【0024】
図5は、本発明による空気調和機の制御ブロック図である。図において、19は運転制御器であり、はリモコン5a、5bからの入力を受けて運転停止を判定するとともに利用側熱交換器4a、4bで冷房、暖房のいずれを実施するかというモードの切り替えの決定を行う。さらに圧力センサ20、水温センサ21の入力、そしてタイマ22の情報を受けて圧縮機1、四方弁16、流量制御弁3a、3b、15、電磁弁11、12、13、14、25、26の制御を実施する。
【0025】
なお、この冷媒回路には、R22に比べ、同一温度での飽和圧力が高い冷媒であるR410Aが封入されている。
上記のように構成された冷媒回路は、R22冷媒を用いた既設の冷媒回路から冷媒を抜き取り、その後圧縮機から熱源側熱交換器までを配管から切り離し、代わって圧縮機1からR410A冷媒が封入された熱源側主熱交換器2a〜電磁弁12並びに熱源側補助熱交換器2b〜電磁弁13および電磁弁14までの各構成要素を接続する。
【0026】
また、必要に応じて利用側熱交換器および流量弁を配管から切り離し、代わって新たな利用側熱交換器4a、4b並びに流量弁3a、3bを接続する。このような冷媒回路の交換によって既設の冷媒配管のうち、建物の壁に埋設されたり、天井裏に配設されたりしている四方弁16〜利用側熱交換器4a、4b間の一部、流量制御弁3a、3b〜電磁弁12、13間の一部はそのまま使用される。
【0027】
また、圧縮機1〜四方弁16〜熱源機側主熱交換器2a〜電磁弁12および熱源機側補助熱交換器2b〜電磁弁13、14までは例えば室外ユニット等の熱源側ユニットとしてユニット化されており、このユニット内に装備され、圧縮機の運転周波数や各種弁の開閉、開度を制御する運転制御部についても同時に交換される。
交換の前後において、熱源機側熱交換器、利用側熱交換器、運転制御部は交換後の冷媒回路における動作圧力(飽和圧力)が、交換前の冷媒回路の動作圧力(飽和圧力)を超えないよう運転できる能力を有したものが選択、設置される。
【0028】
ここで、熱源側補助熱交換器2bの氷蓄熱槽内に氷を生成する動作について図4の冷媒回路図を基に説明する。氷の生成動作は通常夜間(深夜電力)に行われている。これはタイマー21によって時刻22:00となったことを運転制御部19が確認すると動作を開始する。まず、リモコン5a、5bの運転、停止の状態によらず、圧縮機1は停止とし、流量制御弁3a、3bを全閉、電磁弁12をoff、四方弁16をoffとして冷房サイクル方向とする。
同時に電磁弁11、13をoff、14、25、26はonとする。そして流量制御弁15も開く。つまり、圧縮機1を出た冷媒は、四方弁16から熱源機側主熱交換器2aを経て流量制御弁15を通り、伝熱管7を経て電磁弁14、四方弁16を通って再度圧縮機1に流れる回路が形成される。
【0029】
そして運転制御部19は圧縮機1を起動させ、高温高圧のガス冷媒が熱源機側主熱交換器2aにて凝縮し、液となったものが流量制御弁15で減圧され、低温の二相冷媒となり伝熱管7に至る。氷蓄熱槽内部には水が入っており、伝熱管7を流れる低温冷媒により温度が低下、氷点以下に下がったところで水から氷へと相変化し、氷が生成される。伝熱管7を出た冷媒は低圧のガス冷媒となり、電磁弁14、四方弁16を経て再度圧縮機1に戻る。こうして氷蓄熱槽内に氷が生成されるが、タイマー22の計時による氷の生成開始から8時間が経過した場合か、もしくは水温センサ21により検知する水温が氷点に達してから6時間が経過した段階で、十分に氷が生成されたものと判断して氷生成運転を終了する。
【0030】
なお、氷生成時の凝縮圧力を低下させるため、氷生成運転時には図6に示すように、補助熱交換器2cを設け、前後の電磁弁27、28をonにして開くことにより冷媒の凝縮能力を増加させる手段を付加しても良い。
補助熱交換器2cは空冷式でも良いが、水冷式熱交換器とすることで空気より温度の低い地下水などを利用することができ、熱源温度が低下するため凝縮圧力の低下には効果が大きい。
【0031】
次に、冷房運転中の凝縮圧力抑制について図4の冷媒回路と図7の運転制御部19による制御フローチャートにより説明する。
まずステップs20からs30までは、本発明の実施の形態1における図3のステップs0からs10と同一であり、説明は省略する。ステップs29で運転制御部19が冷房と判断すると、ステップs31にて四方弁16をoffとする。そして、ステップs32で電磁弁12、25、26はonとし、ステップs33で電磁弁11、13、14をoffとする。これにより、熱源機側主熱交換器2aを凝縮器として作用させ、ステップs34で流量制御弁15を閉にすることで氷蓄熱槽へは冷媒が流れないようになる。そしてステップ35で圧縮機1を起動させる。
【0032】
圧縮機1起動後は、ステップs36で常に圧力センサ20により圧縮機1の高圧を検知する。圧縮機1の高圧は、ほぼ凝縮圧力に等しいため、凝縮圧力制御用に用いている。
凝縮圧力制御は以下の通りである。ステップs37にて既に熱源機側補助熱交換器2bが使われているかどうか、電磁弁11、13の開閉状態で判断する。電磁弁11、13が開くと、四方弁16を経た高圧冷媒が伝熱管7へ流れることで、熱源機側補助熱交換器2bの氷蓄熱槽内の氷と熱交換することができる。ステップs39では、圧力センサ20の検知した圧力HPSが2.7MPaを超えていないかどうか判断する。
【0033】
2.7MPaを超えている場合には、凝縮圧力を低下させるべく、ステップs40にて電磁弁11、13を開く。これにより、氷蓄熱槽が凝縮器として作用し、空気温度より低い氷点付近の氷、もしくは氷水と熱交換することができ、凝縮温度が大きく低下する。一旦電磁弁11、13を開いたあとは、再びステップs36にて圧力検出を行い、ステップs37、s38で圧力HPSが2.5MPa未満になるかどうか判断する。
ステップs38で2.5MPa未満であることが検出された場合にはステップs41に進み、電磁弁11、13をoffすることで、再び空冷式である熱源機側熱交換器2aのみを凝縮器とする冷凍サイクルにて利用側熱交換器4a、4bにて冷房を実施する。
【0034】
なお、氷蓄熱槽2bを凝縮器として使用する圧力を2.7MPaから2.5MPaの間で行う理由は、まず、電磁弁11、13を開閉する圧力の閾値を1つとした場合には、頻繁に電磁弁の開閉が発生するため、ハンチングを防止することが挙げられる。他の理由として、氷蓄熱槽を利用する頻度を多くして利用時間を長くした場合、当然氷として貯えた熱の消費が多くなり、短時間で氷が融解、水温上昇してしまう。このため、冷房時間帯で十分に圧力を低下させる運転が可能となるよう、氷蓄熱槽の利用頻度を2.5MPaより高い圧力条件に限っている。当然、十分な大きさの氷蓄熱槽が得られている場合には、冷房運転中の凝縮器を氷蓄熱槽主体もしくは氷蓄熱槽のみとすることで(このとき電磁弁25、26は閉)、凝縮圧力の低い運転を長時間実施することが可能である。
【0035】
このように、凝縮圧力が上昇した場合に氷との熱交換によって選られる凝縮作用を利用することにより、圧力抑制を十分に実施でき、従来冷媒の一つであるR22に比較して動作圧力の高いR410Aを使用した場合でも機器の耐圧強度を上げたり、既設配管の交換の必要がないことから、経済性、省エネルギー性に優れた製品とすることができる。
【0036】
また、氷等凝固作用で冷熱を蓄えられる材料を有する場合には融解するまでその温度が安定していることから、凝縮作用としても安定した性能が期待でき、空気調和機の安定運転が確保され、信頼性の高い製品とすることが可能となる。
なお、図5では熱源機側熱交換器2aと熱源機側補助熱交換器2bが並列の関係であったが、図8に示すとおり、電磁弁11への分岐を電磁弁28の下流からとり、熱源機側熱交換器2aと熱源機側補助熱交換器2bの関係を直列の関係としても同様の作用効果が得られる。
【0037】
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3における空気調和機を示す冷媒回路図である。図9において、1は圧縮機、16は四方弁、2aは空冷式の熱源機側主熱交換器、2bは熱源機側補助熱交換器、3a、3bは流量弁、4a、4bは利用側熱交換器、27、28は熱源機側補助熱交換器2bを閉止するための電磁弁、20は圧縮機の高圧を検知する圧力センサである。さらに、圧縮機31、凝縮器32、流量制御弁33、熱源機側補助熱交換器2bによって別に冷媒回路が形成されている。
【0038】
ここで熱源機側補助熱交換器2bは、圧縮機1を有する冷媒回路(以後、主冷媒回路とよぶ)と、圧縮機31を有する冷媒回路(以後従冷媒回路とよぶ)の両冷媒回路で共有しており、それぞれの冷媒回路間の熱交換が可能となっている。
なお、主冷媒回路にはR410Aが、従冷媒回路にもR410Aが封入されている。四方弁16はoffで冷房側の回路となり、電磁弁27、28はonで開、offで閉である。
図10は、本発明による空気調和機の制御ブロック図であり、主冷媒回路の構成部品ならびに従冷媒回路の構成部品を運転制御部19が司っている。
【0039】
上記のように構成された冷媒回路は、R22冷媒を用いた既設の冷媒回路から冷媒を抜き取り、その後圧縮機から熱源側熱交換器までを配管から切り離し、代わって圧縮機1からR410A冷媒が封入された熱源側主熱交換器2aおよび熱源側補助熱交換器2b、電磁弁28までの各構成要素を接続する。また、必要に応じて利用側熱交換器および流量弁を配管から切り離し、代わって新たな利用側熱交換器4a、4b並びに流量弁3a、3bを接続する。このような冷媒回路の交換によって既設の冷媒配管のうち、建物の壁に埋設されたり、天井裏に配設されたりしている四方弁16〜利用側熱交換器4a、4b間の一部、流量制御弁3a、3b〜熱源機側主熱交換器2aまたは熱源機側補助熱交換器2b間の一部はそのまま使用される。
【0040】
また、圧縮機1〜四方弁16〜熱源機側主熱交換器2aまたは熱源機側補助熱交換器2b〜電磁弁28までは例えば室外ユニット等の熱源側ユニットとしてユニット化されており、このユニット内に装備され、圧縮機の運転周波数や各種弁の開閉、開度を制御する運転制御部についても同時に交換される。
交換の前後において、熱源機側熱交換器、利用側熱交換器、運転制御部は交換後の冷媒回路における動作圧力(飽和圧力)が、交換前の冷媒回路の動作圧力(飽和圧力)を超えないよう運転できる能力を有したものが選択、設置される。
【0041】
さらに、室外ユニットの交換に伴ってこの室外ユニットと同一ユニット内に配設または圧縮機31、凝縮器32、流量制御弁33が別ユニット化された従冷媒回路も同時に配設される。
【0042】
ここで動作について図11の運転制御部19による制御フローチャートを用いて説明する。図11において、ステップs42からステップs52までは図3のステップs0からステップs10までと同一であるため、説明は省略する。
ステップs51で冷房モードであると判断した場合には、ステップs53で四方弁16をoffとし、電磁弁27、28もoffとして熱源機側主熱交換器2aにのみ冷媒が流れるようにする(ステップs53、54)。ステップs55で圧縮機1を起動させたあとはステップs56で高圧つまり凝縮圧力を圧力センサ20によって検出する。
【0043】
ステップs57では、電磁弁27、28が開いているかどうかによって高圧低下制御を行っているかどうか確認する。電磁弁27、28がoffの場合には、ステップs60で圧力センサの検出値が2.7MPaを超えていないかどうか確認する。もし超えている場合にはステップs61に進み、高圧低下制御を開始する。高圧低下制御は、まずステップs61にて従冷媒回路の流量制御弁33を開き、次に電磁弁27、28を開く。そして、ステップs63で圧縮機31をonさせる。これによって従冷媒回路では、圧縮機31から出た高温、高圧のガス冷媒が、凝縮器32で凝縮し、高圧液冷媒となり、それが流量制御弁32での絞り作用で減圧され、低温、低圧の二相冷媒になり熱源機側補助熱交換器2b内に流れる。
【0044】
低温低圧の二相冷媒は、熱源機側補助熱交換器2bの内部で、主冷媒回路の高温、高圧冷媒から吸熱し、自身は低圧のガス冷媒になって圧縮機32に戻る。主冷媒回路では熱源機側補助熱交換器2bで放熱するが、従冷媒回路による熱源機側補助熱交換器2b内の冷媒の温度は空気温度より十分低いために、空冷よりも凝縮効果が大きくなり、主冷媒回路の凝縮圧力は低下する。なお図11において、一旦電磁弁27、28が開いた後は、ステップs57からステップs59に進み、圧力センサ20により検知された凝縮圧力HPSが2.5MPaを下回るまで従冷媒回路による熱源機側補助熱交換器2bの凝縮作用が継続して使われる。
【0045】
なお、従冷媒回路の圧縮機31を容量制御可能にすれば、図12に示す容量制御のフローよって、熱源機側補助熱交換器2bでの冷却能力を可変に制御することができる。
図12では、ステップs67にて圧縮機31を運転すると、ステップs68を経てステップs70で主冷媒回路の凝縮圧力HPSが2.6MPaより高いかどうかで圧縮機容量を変化させる。
【0046】
2.6MPaより高い場合には、圧縮機31の周波数を5%増加させ(ステップ71)、2.6MPaより低い場合には反対に圧縮機周波数を5%低下(ステップ72)させる。このようにして、主冷媒回路での凝縮圧力が2.6MPaより高い場合には、従冷媒回路での蒸発能力を増加させて主冷媒回路での凝縮能力を増加させ、反対に主冷媒回路での凝縮圧力が2.6MPaより低い場合には、従冷媒回路での蒸発能力を低下させて主冷媒回路での凝縮能力を低下させることで、凝縮圧力が所定値より低く、しかも安定した運転を実施させることが可能となる。
【0047】
このように、主冷媒回路において熱源機側補助熱交換器2bを設け、この冷却作用を従冷媒回路で実現させることによって、空気より低温の冷却が可能となり、凝縮圧力の低下に有効となる。そして、従冷媒回路の圧縮機32が可変であれば、きめの細かい安定した制御が可能となり、信頼性、快適性が向上する。そして、R22冷媒と同等の耐圧強度の部品構成によって主冷媒回路が実現でき、主冷媒回路を安価で作れるとともに従来、低い動作圧力の冷媒用に備えられた既設配管を用いることができるため経済的である。
【0048】
実施の形態4.
図13はこの発明の実施の形態4における空気調和機を示す冷媒回路図である。図13は実施の形態1における図1での圧力センサ20の代わりに、熱源機側主熱交換器2aに流れる空気温度を検出する外気温センサ23が備えられており、それ以外の構成および冷媒回路の交換方法については図1と同一であるため、説明を省略する。
図14は本発明での制御ブロック図であり、図2での圧力センサ20の代わりに外気温センサ23を備えている。なお本発明においては、R410A冷媒を用いている。
【0049】
本発明による動作については、図15の運転制御部19による制御フローチャートのようになり、その動作については圧力センサ20を用いた図3の制御と同様であるので、ここでは相違点についてのみ説明する。
図15において、ステップs85で圧縮機1が起動するとステップ86で外気温センサ23の検知した外気温度TAを検知する。ステップs87で電磁弁27、28の状態をみて既に熱源機側補助熱交換器2bを使った凝縮圧力低下動作を実施しているかどうか確認する。電磁弁27、28がOFFの場合は、熱源機側補助熱交換器2bを使用していないので、ステップs89にて外気温度TAでの判定を行う。
【0050】
外気温度が30℃を超えている場合には凝縮圧力が2.7MPaを超えて3MPaに近くなる可能性があるということになり、ステップs91で電磁弁27、28を開き、凝縮温度の低下を促進させる。これは、R410A冷媒特性から、外気温度と同じ30℃程度での飽和圧力が2MPaを若干下回る程度であり、熱源機側主熱交換器2a内の冷媒の温度は空気温度より高くなり、経験的に空気温度と冷媒飽和温度の差温を10〜15℃程度見込んでいることから、冷媒温度で40℃〜45℃つまり3MPaに近い圧力となるためである。当然、R22より同一温度での動作圧力が高い冷媒でR410A冷媒以外の場合もその圧力−温度特性に応じて電磁弁27、28を開閉する基準温度を変更すればよい。
【0051】
ステップs91で電磁弁27、28を開いたあとは、ステップs86にて外気温度の検出を行い、ステップs87からステップs88に移行して、外気温度TAが20℃をした回るまで電磁弁27、28を開いておくものである。
このように、外気温センサ23を用いて、熱源機側主熱交換器2aの冷却流体の温度に応じて、従熱交換器2bを使用するかどうかを決定することで、安価な装置により、凝縮圧力を抑制させることが可能となる。また、凝縮圧力の抑制により、従来使われていたR22冷媒等に比べ、動作圧力の高い冷媒を使用しても、冷媒回路部品の強度を高める必要がなく、また既に使用されている既設配管をそのまま利用することが可能となり、経済性に優れた製品を提供することが可能となる。
【0052】
実施の形態5.
図16はこの発明の実施の形態5における空気調和機を示す冷媒回路図である。図において、1は圧縮機、16は四方弁、2aは熱源機側主熱交換器、3a、3bは流量制御弁、4a、4bは利用側熱交換器、20は圧縮機の高圧側を検知する圧力センサである。図17は図16の制御ブロック図であり、流量制御弁3a、3bは個別に制御可能となっている。
また、この冷媒回路に使用されている冷媒は、混合冷媒であるR410Aを用いている。冷媒回路の交換方法については実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
図中の実践矢印は冷房時の冷媒の流れを、破線矢印は暖房時の冷媒の流れ方向を示す。
【0053】
図18は、本発明の空気調和機における運転制御部19の制御フローチャートである。
図18に従い、本発明の動作を説明する。
まず電源が投入されたステップs92から本動作の制御を開始する。ステップs93で圧縮機1が運転中かどうか判断する。もし圧縮機1が運転していればステップs94に進み、冷房運転かどうか判断する。
【0054】
冷房運転の場合は、ステップs95において、圧力センサ20の検知する高圧圧力HPSが2.5MPaかどうか判断する。もしHPSが2.5MPaを超えているようであれば、ステップs96にて流量制御弁3aが開いているかどうか判断する。つまり、利用側熱交換器4aが蒸発器として作用しているかどうかを判断している。そこで流量制御弁3aが開いていれば、ステップs98でその開度を10%低下させる。流量制御弁3aが開いていない、つまり、利用側熱交換器4aに冷媒が流れていない場合には、他方の流量制御弁3bの開度を10%低下させる(ステップs97)。
【0055】
このように、流量制御弁3aもしくは3bの開度を減じることにより、冷媒流量が低下して蒸発能力が低下する。結果的に圧縮機1からの吐出冷媒量も低下する。すなわち、熱源機側主熱交換器2aで凝縮される冷媒流量も低下することから、凝縮圧力つまり高圧が低下する作用が得られる。
【0056】
なお、流量制御弁3aを優先的に減じる理由は、大型ビルのマルチ型エアコンのような場合、据え付けられている部屋の用途に応じて冷房能力の必要度がまちまちであり、冷房能力を低下させられない部屋の蒸発器については、流量低下は実施させず、そうでない部屋を優先的に流量低下させることで、必要最低限の空調を確保しながら高圧の低下も実現させることができる。優先順位決定については、運転制御部19に優先順位選択スイッチ(図示せず)を設けて、順位付けする方法が挙げられる。
【0057】
なお、ステップs99において、さらにHPSが2.7MPaを超えた場合には、高圧を下げる緊急性が高いと判断し、接続され、運転している利用側熱交換器4a、4bいずれの流量も低減させるために流量制御弁3a、3bを同時に10%開度低下させる(ステップs100、s101)。こうして、流量低下量を大きくすることで高圧低減効果を大きくする。
【0058】
このように、複数の利用側熱交換器を有する空気調和機において、凝縮圧力に応じて利用側熱交換器の一部もしくは全部の蒸発能力を低下させることにより、必要最小限の冷房能力低減で凝縮圧力の上昇を抑制できるため、従来冷媒であるR22等に比べ、動作圧力の高い代替冷媒を使用した場合でも、部品強度を高くすることなく、また、規模の大きい、複雑な経路を有する既設の配管を耐圧性の高いものに入れ替える必要なく再利用できることから、信頼性、経済性、環境性に優れた空気調和機を提供することが可能となる。
なお、本実施例では利用側熱交換器が2台の場合であるが、1台の場合、もしくは3台以上の場合においても、同様に蒸発能力の低下による作用、効果が得られる。
【0059】
実施の形態6.
図19はこの発明の実施の形態6における空気調和機を示す冷媒回路図である。1a、1bは並列に接続された圧縮機、16は四方弁、2aは熱源機側主熱交換器、3a、3bは流量制御弁、4a、4bは利用側熱交換器、20は圧縮機の高圧側を検知する圧力センサである。図20は図19の制御ブロック図であり、圧縮機1a、1bは個別に制御可能となっている。
また、この冷媒回路に使用されている冷媒は、混合冷媒であるR410Aを用いている。冷媒回路の交換方法については実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
図中の実践矢印は冷房時の冷媒の流れを、破線矢印は暖房時の冷媒の流れ方向を示す。
【0060】
図21は本発明の運転制御部19による制御フローチャートである。図21において、ステップs102からステップs112までは図3のステップ0からステップs10と同一であるのでその説明を省略する。
ステップs112で冷房運転と判断されると、ステップs113で四方弁16をoffにして冷房サイクルにするとともに、ステップs114、s115にて圧縮機1a、圧縮機1bを起動させる。圧縮機を起動後、ステップs116で圧力検知を行い、ステップs117でその値が2.7MPaを超えているかどうか判断する。2.7MPaを超えている場合には、圧力上昇を抑制させるため、圧縮機1bを停止させる(ステップs118)。一旦圧縮機1bを停止させたあとは、ステップs116での圧力検知後、ステップs117、s119で高圧HPSが2.5MPaを下回るまで圧縮機1bの再起動はさせない。
【0061】
このように、R22などの冷媒に比べ動作圧力の高いR410A等の冷媒を使用した空気調和機において同一冷媒回路を複数の圧縮機で構成し、高圧が上昇した場合には圧縮機の一部を停止させることにより、大幅に冷媒流量が低下するため、急激な負荷増加や、凝縮器での冷却流体温度上昇による凝縮能力低下時でも能力を零にすることなく即座に圧力を低下させることが可能となり、R22など、比較的耐圧の低い部品構成とすることが可能でなるとともに、既設建物内の配管を耐圧性の高いものに変更することなく再利用できることから、信頼性が高く、経済性、環境性に優れた製品を提供することが可能となる。
【0062】
また、凝縮圧力を温度から推定するよう、圧力センサー20の代わりに熱源機側熱交換器2aもしくはその近傍の冷媒配管に温度センサーを取り付けて凝縮温度をを検知し(図示せず)、この凝縮温度の所定値(たとえば、R410A冷媒の2.7MPa相当であれば43℃、2.5MPa相当であれば41℃)にて電磁弁27、28のon/off制御を実施しても同様の作用効果が得られる。
【0063】
上記各実施の形態では、冷媒としてR410Aを使用した例を示したが、冷媒はこれに限るものではなく、例えばR32などの可燃性冷媒でもよく、その他、冷媒交換後に交換前の冷媒よりも動作圧力が高くなる冷媒を用いる場合であれば同様の効果が得られる。
また、上記各実施の形態では、高圧抑制するための制御判定圧力をR22冷媒で考えられる高圧上限の3MPa以下で考えているが、既設配管の耐圧強度が3MPaを超える場合には、耐圧強度を超えない範囲で制御判定圧力を上昇させても既設配管は継続利用が可能であり、同様の作用効果を呈する。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、圧縮機、凝縮器、並列に接続された、優先順位が付けられた複数の絞り手段および前記絞り手段のそれぞれに接続した複数の蒸発器を順次配管で接続してなる冷媒回路と、前記凝縮器の凝縮圧力を検知する圧力検知手段と、冷房運転時に前記圧力検知手段により検知した圧力が所定値を超えた場合には前記優先順位に応じて前記絞り装置の開度を減じる制御手段とを備えたので、凝縮器の流量を低下させて凝縮圧力を低下させることができ、運転を維持しながら圧力上昇を抑制できる効果が得られる。
【0065】
また、使用する冷媒がR22もしくはR407C以外の冷媒であり、かつ同一温度での飽和圧力が、従来広く使用されていたR22もしくはR407Cのいずれよりも高い圧力特性を有する冷媒であっても、従来と同様な耐圧強度で使用することが可能になり、地球温暖化係数等目的に合致した冷媒を使用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における空気調和機を示す冷媒回路図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る制御ブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る制御フローチャート図である。
【図4】 この発明の実施の形態2における空気調和機を示す冷媒回路図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に係る制御ブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態2における空気調和機を示す冷媒回路図である。
【図7】 この発明の実施の形態2に係る制御フローチャート図である。
【図8】 この発明の実施の形態2における空気調和機を示す冷媒回路図である。
【図9】 この発明の実施の形態3における空気調和機を示す冷媒回路図である。
【図10】 この発明の実施の形態3に係る制御ブロック図である。
【図11】 この発明の実施の形態3に係る制御フローチャート図である。
【図12】 この発明の実施の形態3に係る制御フローチャート図である。
【図13】 この発明の実施の形態4における空気調和機を示す冷媒回路図である。
【図14】 この発明の実施の形態4に係る制御ブロック図である。
【図15】 この発明の実施の形態4に係る制御フローチャート図である。
【図16】 この発明の実施の形態5における空気調和機を示す冷媒回路図である。
【図17】 この発明の実施の形態5に係る制御ブロック図である。
【図18】 この発明の実施の形態5に係る制御フローチャート図である。
【図19】 この発明の実施の形態6における空気調和機を示す冷媒回路図である。
【図20】 この発明の実施の形態6に係る制御ブロック図である。
【図21】 この発明の実施の形態6に係る制御フローチャート図である。
【符号の説明】
1 圧縮機、 1a 圧縮機、 1b 圧縮機、 2a 熱源機側主熱交換器、 2b 熱源機側補助熱交換器、 2c 補助熱交換器、 3a 流量制御装置、 3b 流量制御装置、 4a 利用側熱交換器、 4b 利用側熱交換器、 5a リモコン、 5b リモコン、 7 伝熱管、 11〜14 電磁弁、 15 流量制御装置、 16 四方弁、 19 運転制御部、 20 圧力センサー、 21 水温センサー、 23 外気温度センサー、 24〜28 電磁弁。

Claims (3)

  1. 圧縮機、凝縮器、並列に接続された、優先順位が付けられた複数の絞り手段および前記絞り手段のそれぞれに接続した複数の蒸発器を順次配管で接続してなる冷媒回路と、
    前記凝縮器の凝縮圧力を検知する圧力検知手段と、
    冷房運転時に前記圧力検知手段により検知した圧力が所定値を超えた場合には前記優先順位に応じて前記絞り装置の開度を減じる制御手段とを備えたことを特徴とする冷媒回路装置。
  2. 制御手段は複数の絞り手段の優先順位を示すスイッチを有することを特徴とする請求項に記載の冷媒回路装置。
  3. 使用する冷媒がR22もしくはR407C以外の冷媒であり、かつ同一温度での飽和圧力が、R22もしくはR407Cのいずれよりも高い圧力特性を有する冷媒であることを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の冷媒回路装置。
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