上記弾球遊技機の特別図柄表示領域は、第一表示部、第二表示部及び第三表示部の3つの可変表示部を少なくとも含み、それら第一〜第三表示部がある配置方向(例えば横方向:この場合、第一表示部と第三表示部は従来の弾球遊技機における右図柄表示部及び左図柄表示部に相当し、第二表示部は中図柄表示部に相当するものと見ることができる)に沿ってこの順序で配置されたものとして構成することができる。
遊技中に予め定められた始動条件が成立して当否判定を行い、仮に大当りである場合には、特別図柄表示領域内において各特別図柄を同一図柄に揃えて停止表示させ確定させる。この当否判定が大当り判定結果の場合には、次回の始動条件の成立による当否判定における当否確率を遊技者に有利な確率、すなわち高確率に変動させる確変当りと、低確率状態の通常時の当りとに大別される。確変当りの確定表示形態としては、一般的に各特別図柄を左図柄、右図柄、中図柄の順序で奇数番号による同一図柄、例えば「7、7、7」に揃えて確定表示させる。また、通常時の当りの確定表示形態としては、一般的に各特別図柄を左図柄、右図柄、中図柄の順序で偶数番号による同一図柄、例えば「4、4、4」に揃えて確定表示させる。
上述のように特別図柄が確定表示される前に、特別図柄は特別図柄表示領域において、例えば、左図柄及び右図柄を下から上方向へ、中図柄を上から下方向へスクロール変動されることになる。そして、図柄確定指令によって停止図柄が表示される前段階において仮確定図柄が固定表示される。この固定表示される状態とは、遊技者からみて図柄が完全に保持・停止された状態であっても、また、別の特別図柄に変動するのでなければ、ゆれ変動等の動きを伴った状態であってもよい。
この仮確定図柄は過去に停止表示した停止図柄(すなわち仮確定図柄あるいは本確定図柄のいずれをも含み、停止図柄として固定表示されたもの)の制御実績によって決定され、これら停止図柄の種別に基づいて演算処理され、算出決定されている。そして、これらの演算処理は送信側制御部である主制御部側によって演算処理されるのではなく、受信側制御部である特別図柄制御部において過去に停止表示した停止図柄の種別を記憶し、それに基づいて受信側制御部側において演算処理され、仮確定図柄が算出決定されている。この仮確定図柄を決定するに際し、その前回以前に使用された停止図柄を、当該仮確定図柄を構成するための情報として使用し、当該仮確定図柄の生成手段とする。
すなわち、仮確定図柄を決定するための手段は、過去に停止表示した停止図柄を記憶する記憶手段と、この記憶手段から読み出された過去の停止図柄に基づいて図柄を決定するための演算処理を行う演算処理手段と、この演算処理手段による演算結果に対応する図柄を設定表示する図柄表示手段を少なくとも備えている。そして、特別図柄の変動表示が開始される以前に、遊技中に予め定められた始動条件が成立して当否判定に基づいて大当り判定となっていた場合には、例えば、前回以前に使用された仮確定図柄の種別を数値パラメータにより記憶し、その数値パラメータを用いて一定の計算式に基づき、次回の図柄の確定の数値パラメータを算出決定する。
そして、それらの数値パラメータとしては例えば前回と前々回の右図柄を採用し、これらの数値パラメータを利用して仮確定図柄を決定する。この方法を採用することにより、可変表示手段の表示画面上に表示される仮確定図柄が一定の規則性に基づいて決定されることになる。
そして、仮確定後、特別図柄は再変動して、例えば再度それまでの変動方向とは逆方向へ変動し、その後の一定時間経過後に左図柄→右図柄→中図柄の順番ですべての特別図柄が確定表示する。
また、乱数取得を採用せず、一定の規則性に基づいて可変表示手段に表示すべき仮確定図柄を決定するので、遊技者にランダムに見せかける点は乱数取得による制御の場合と同様であるが、可変表示手段における特別図柄の表示制御において、仮確定図柄の決定に伴う、コマンド数を始めとする遊技制御装置の負担を比較的軽減することができる。
上記の構成によれば、画像表示態様毎の表示制御内容を記述した処理プログラムがモジュール化され、送信側制御部(例えば主制御部)側から受信側制御部へは、そのプログラムモジュールを特定する態様コマンドのみが送信される。そして、そのプログラムモジュールを起動して画像表示制御を行う処理の要部は、実質的に受信側制御部が担う形となる。これにより、従来の弾球遊技機の問題点が、下記のように悉く解決される。
(1)画像表示処理における送信側制御部の役割は態様コマンドを受信側制御部へ送信することだけなので、送信側制御部側での処理内容が大幅に単純化され、プログラミングやそのデバッグ作業等に要する時間を大幅に短縮できる。また、エラー等の発生確率も小さくなる。
(2)送信側制御部の処理負担が軽減されるので、例えばこれを8ビットマイクロプロセッサ等で構成しても余力を生じ、図柄の制御態様を多様化することができる。これにより、表示により興趣を盛り上げることができる。なお、受信側制御部においては画像表示処理の分だけ負担は増大するが、受信側制御部を表示制御に専念させ、他の処理をなるべく担わせない形で使用すれば問題は生じない。むしろ、従来の構成では、送信側制御部に相当する主制御部側の画像処理負担が大きい分、受信側制御部に相当する副制御部の処理負担が軽すぎ、結果的に2つの制御部からなるハードウェア資源が必ずしも有効活用されていなかったともいえる。
(3)送信側制御部が主制御部となる場合、主制御部側の処理内容を単純化することで、第三者検査機関へ提出すべき検定申請書類の作成量を低減することができる。また第三者検査機関による検査の容易化を図って、新機種の検定合格を短期間で勝ち取ることができ、ひいてはその実用化促進にも寄与する。
上記弾球遊技機態様においては、画像表示手段に行わせるべき表示態様を、いくつかの要素表示動作の組み合わせにて表される上位表示動作として把握したときの、各要素表示動作の内容を記述する要素表示プログラムモジュール(要素モジュール)を、各要素モジュール(ひいては要素表示動作)を特定する要素コマンドと対応付けた形で表示制御プログラムモジュール記憶手段に記憶しておくことができる。この場合、表示態様決定手段は、画像表示手段に行わせるべき表示態様を上位表示動作の形で決定し、コマンド送信手段は、その上位表示動作を構成する複数の要素表示動作の要素コマンドを、受信側制御部に向けて一括して又は定められた個数単位で逐次的に送信するものとすることができる。この構成によれば、上位表示動作を要素表示動作に分解し、各要素表示動作を記述するプログラムを要素モジュールの形で用意しておくことで、複雑な画像表示態様も要素コマンドの組み合わせにより簡単に実現することができる。
上位表示動作は、例えば時系列的な実行順序が定められた複数の要素表示動作(順次実行型要素表示動作群)を含むものとすることができ、コマンド送信手段は、その順次実行型要素表示動作群中の各要素表示動作を個別に特定する要素コマンドを、それら要素表示動作の実行順序が特定可能な形で受信側制御部に送信するものとすることができる。例えば、キャラクタや変動する特別図柄などの複雑な動画像の動きを、いくつかの要素表示動作の組み合わせからなる上位表示動作として把握することで、対応する要素コマンドの組み合わせと、その実行順序とを特定することにより簡単に実現することができる。実行順序を特定する方式としては、要素コマンドを受信側制御部に向けて実行順に逐次転送し、受信側制御部側において、要素コマンドを受けた順に対応する要素モジュールを起動させる方式がある。また、要素コマンドを実行順に配列しておき(あるいは別のデータにより実行順序を指定しておき)、複数の要素コマンドのデータを受信側制御部にまとめて転送(例えばブロック転送)するようにしてもよい。受信側制御部では、例えば実行順に配列した要素コマンドのデータ群(例えばデータブロック)を実行先頭側から逐次読み出して、対応する要素モジュールを順次起動させる。
コマンド送信手段は、順次実行型要素表示動作群中の各要素表示動作を個別に特定する要素コマンドを、個々の要素表示動作の実行タイミングを反映したタイミングにて、受信側制御部に順次送信するものとすることができる。この場合、受信側制御部において、コマンド受信手段による要素コマンドの受信タイミングを反映したタイミングにて画像表示制御手段が対応する表示制御プログラムモジュールを順次起動するようにしておけば、要素コマンドの送信タイミングに応じて、要素モジュールの起動タイミングすなわち要素表示動作の実行タイミングを自由に調整・設定できる。
上記本発明の第3の構成の弾球遊技機は、1つの表示装置の表示画面上に、それぞれ画像表示手段として機能する複数の表示領域を形成し、それら表示領域に対し互いに異なる画像を表示させるために、
表示制御プログラムモジュール記憶手段には、各表示領域毎の複数の画像表示態様をそれぞれ記述する表示制御プログラムモジュールが、表示領域と表示態様とをそれぞれ特定する態様コマンドと対応付けた形で記憶されており、
送信側制御部において、表示態様決定手段は遊技状態に応じて各表示領域毎の表示態様を決定し、また、コマンド送信手段はその決定された各表示領域毎の表示態様に対応する態様コマンドを受信側制御部に向けて送信する一方、
受信側制御部において画像表示制御手段は、コマンド受信手段が受信する各表示領域の態様コマンドに対応する表示制御プログラムモジュールを読み出し、それらプログラムモジュールが記述する表示態様にて各画像が、それぞれ表示画面上の所定の表示領域に表れるよう合成して表示するものとして構成できる。
これにより、同一画面上に複数の表示領域を形成し、各々異なる態様の画像を表示させる場合において、送信側制御部側の処理を、各表示領域毎の態様コマンドから受信側制御部に送信する形に簡略化することができる。具体的には、表示領域として、各々複数の特別図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、それら複数の図柄のうちの1つを確定表示する複数の特別図柄表示領域と、それら特別図柄表示領域に表示される特別図柄の背景画像を表示する背景画像表示領域とを設定することができる。
この方式では、受信側制御部における複数の画像表示態様に対し、共通の態様コマンドである共通コマンドが定められる。この場合、それら複数の画像表示態様のいずれかを実行させたい場合、送信側制御部からは、特定のどの画像表示態様を最終的に実行するかとは無関係に、上記の共通コマンドが送信される。そして、最終的に実行させる画像表示態様は、共通コマンドを受けた受信側制御部にて自主的に選択を行うようにする。すなわち、画像表示態様の決定を、送信側制御部と受信側制御部とがいわば分担して行う形にするのである。多数の画像表示態様が存在する場合でも、共通コマンドの使用により、送信側制御部から受信側制御部へ送信するコマンド数を大幅に減ずることができ、ひいては処理速度の向上及びコマンドの記憶容量の削減に寄与できる。
この場合、複数の画像表示態様は、各々1又は複数の画像表示態様を含む複数の表示態様グループに分類されており、それら表示態様グループに一対一に対応して共通コマンドが定められ、画像表示態様選択手段は、受信した共通コマンドに対応する表示態様グループに複数の画像表示態様が含まれる場合に、それら複数の画像表示態様の所定のものを選択するように構成することができる。すなわち、複数の画像表示態様を、例えば表示態様の種別毎に表示態様グループとして分類しておき、その各々のグループに共通コマンドを対応させておけば、受信側制御部側において、受ける共通コマンドの内容により、実行指示される画像表示態様の種別を認識・把握することができる。例えば、その認識結果を利用することにより、受信側制御部側では、画像表示態様の種別に応じた自発的かつきめ細かい表示制御(あるいは表示以外の弾球遊技機作動制御)を行うことができるようになる。
上記の弾球遊技機においては、画像表示手段としての1つの表示装置の表示画面上に、複数の特別図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、それら複数の特別図柄のうちの1つを確定表示する特別図柄表示領域が3以上と、特別図柄の背景領域に背景画像を表示させる背景表示領域とが形成されるように構成することができる。この場合、画像表示態様は、特別図柄表示領域における特別図柄の表示態様と、背景表示領域における背景画像の表示態様との合成にて表されるものとされる。そして、共通コマンドが特定する表示態様グループは、特別図柄表示態様と、背景画像表示態様との少なくともいずれかを複数含むものとすることができ、受信側制御部においては、画像表示態様選択手段を、受信した共通コマンドに対応する表示態様グループに含まれる特別図柄表示態様及び背景画像表示態様から、各々所定のものを選択するものとし、画像表示制御手段を、その選択された特別図柄表示態様及び背景画像表示態様を合成して表示画面上に出力させるものとすることができる。
このようにすれば、受信側制御部において、特別図柄の表示態様と背景画像の表示態様との少なくとも一方を、複数種類のものから選択して互いに組み合わせることにより多様な表示態様が実現される。また、これに対応して送信側制御部から受信側制御部へは共通コマンドが送信されるだけであるから、表示態様が多様化するにも拘わらず、送信側制御部から受信側制御部へのコマンド送信形態は簡略なものに留めることが可能となり、ひいては主制御部の処理負担をさらに軽減することが可能となる。
ところで、上記の構成では、表示態様グループとして何が選択されるか、ひいては共通コマンドとして何が送信されるかによって、画像表示態様の基本的な種別が決定されることとなる。これは、送信コマンド数の削減という観点に関しては大いに有効であるが、半面、ノイズ等の影響によりコマンドが正確に送信できなかった場合に、コマンド数が減少する分だけ画像制御全体に及ぶ影響も大きくなる。したがって、とりわけ重要な共通コマンドについては、ノイズ等の影響を識別しやすいデータ構造を考慮することが有効であるといえる。例えば、受信側制御部において、共通コマンドのデータが異常となる場合(例えば、ノイズ等の外乱の影響により共通コマンドのデータの正常受信が不能となる場合)を想定して、共通コマンドには、正常受信の識別を行うための識別部と、表示態様グループの特定を行う態様特定部とを含ませておくことができる。この場合、受信側制御部は、識別部のデータ内容を読み取る識別部読取り手段と、その読取り内容に基づいて、共通コマンドの受信が正常であったか否かを識別する識別手段とを有するものとして構成することができる。
ノイズの影響を受けて態様コマンドのデータ内容が変化してしまった場合、受信側制御部では、本来意図されていたものとは異なる内容のコマンドとしてこれを認識し、誤動作等の問題に直結してしまう問題がある。そこで、特に画像表示態様の基本部分を担う共通コマンドに対し、上記のように、正常受信の識別を行うための識別部を含ませておけば、その識別部の内容の変化によりノイズ発生の影響があったか否かを簡単に識別することができ、ひいては誤動作等を事前に防止することが可能となる。
次に、本発明の第3の構成の弾球遊技機において、画像表示手段に一連の表示態様を実行させるために、送信側制御部から受信側制御部に対し、時系列的な実行順序が定められた複数の態様コマンドが逐次送信される場合、受信側制御部には、順次送信されてくる一連の態様コマンドの受信状況を解析する態様コマンド受信解析手段と、その解析結果に応じて、画像表示制御及び/又は画像表示制御以外の弾球遊技機作動制御のために所定の出力を行う出力手段とを設けることができる。このように、一連の態様コマンドの受信状況を管理・解析すれば、例えばノイズ発生によるコマンド誤認識等により矛盾した表示制御の流れが生じても、これを容易に発見・認識することが可能となり、これを受けて必要な制御出力を行うことにより、ノイズ等の発生時にも正常な画像表示制御の流れを容易に維持することができるようになる。また、表示制御の流れに矛盾が生ずると、画像表示制御以外の弾球遊技機作動制御(例えば表示ランプ類の制御や効果音の出力など)にも支障を来たす場合があるが、この場合は、該画像表示制御以外の弾球遊技機作動制御に対しても必要な制御出力を行うことにより、正常な制御の流れを維持できる。
この場合、順次送信されてくる一連の態様コマンドを記憶する受信態様コマンド記憶手段を設け、その受信態様コマンド記憶手段における一連の態様コマンドの記憶内容を解析するように構成することができる。すなわち、受信側制御部において、送信側制御部から送られてくる態様コマンドを単に受信・実行するだけでなく、一連の態様コマンドを記憶・蓄積しておけば、その記憶内容を解析することにより、態様コマンドの受信状況(あるいは受信タイミング)を画像表示処理の流れと対応付けて把握することが可能となる。
さらに、上記本発明の第3の構成の弾球遊技機は、次のように構成することもできる。すなわち、画像表示手段に一連の表示態様を実行させるために、送信側制御部からから受信側制御部に対し、時系列的な実行順序が定められた複数の態様コマンドが逐次送信される場合において、受信側制御部に、特定の態様コマンドについて、その受信時刻を計測するためのコマンド受信時刻計測手段と、計測された受信時刻が、予め定められた時刻範囲に収まっていない場合に、その受信した態様コマンドによる画像表示制御を禁止する制御禁止手段とを設ける。
正常な表示制御の流れにおいては、時系列的に送られてくる態様コマンドの送信(あるいは受信)タイミングはほぼ一定であり、大幅な乱れを生ずることは少ない。しかしながら、本来のタイミング以外にてノイズ等に由来する信号が発生すると、これが受信側制御部ではいわばゴーストコマンドとなって誤認識されてしまい、正常な画像表示制御が不能となる場合がある。そこで、態様コマンドの受信時刻に範囲を定めておき、定めた時刻範囲外にコマンド受信した場合に、その受信した態様コマンドを使用しない(すなわち、画像表示制御を禁止する)ようにしておけば、ノイズ等に由来するコマンド誤認識の確率が減少し、正常な画像表示制御の流れを容易に維持することができるようになる。
また、受信側制御部には、一連の表示態様の実行に対し、所定の限界所要時間を設定する限界所要時間設定手段と、複数の態様コマンドの全てが限界所要時間内に受信完了したか否かを判定する完了判定手段と、限界所要時間内に受信完了していないと判定された場合に、一連の表示態様を強制終了させる終了制御手段とを設けておくこともできる。この構成では、予め定められた一連の表示態様の実行に際し、受信側制御部において、限界所要時間の形によりコマンド受信の期間に制限を設け、その期間内に全ての態様コマンドの受信が完了しなかった場合に、その一連の表示態様の実行を強制終了させるようにした。例えばノイズその他の外乱の影響により、態様コマンドの送信に乱れが生じた場合にも、その影響を上記設定した限界所要時間内に留めることが可能となり、ひいては画像表示制御の流れに停滞を生ずることなく、スムーズな実行が可能となる。
次に、上記本発明の第3の構成においては、受信側制御部を、画像表示手段に行わせるべき表示態様制御に加え、弾球遊技機に設けられたランプ点灯機構及び音声出力機構の少なくともいずれか(以下、これら両機構を総称する場合には、補助機構という)の作動制御も司るものとして構成することができる。また、本発明の第3の構成の弾球遊技機は、
複数の画像表示態様のうちのいずれかを選択的に行う画像表示手段と、
遊技状態に応じて画像表示手段に行わせるべき表示態様を決定する表示態様決定手段として少なくとも機能する送信側制御部と、
その送信側制御部からの指示を受けて、表示態様決定手段の決定した表示態様を画像表示手段に行わせる画像表示制御手段として少なくとも機能する送信側制御部とを備え、
受信側制御部は、画像表示手段に行わせるべき表示態様制御に加え、弾球遊技機に設けられたランプ点灯機構及び音声出力機構の少なくともいずれかの作動制御も司るものとして構成することもできる。
上記の構成によれば、受信側制御部は、基本的に特別図柄等の図柄表示の制御部であり、送信側制御部からの指示を受けることにより、しかるべき態様にて図柄の表示制御を行う。ところで、従来の弾球遊技機では、特別図柄の変動開始やリーチ状態あるいは大当り状態の発生に伴い、ランプ点灯や効果音出力等により効果を盛り上げることが行われているが、ランプ点灯機構及び音声出力機構の作動は、特別図柄表示の制御部とは全くの別の枠制御部等が、送信側制御部(例えば主制御部)からの指示を別途受ける形で制御されていた。しかしながら、枠制御部と図柄表示の制御部との間の信号通信は、信号伝送形態の複雑化を招くため検定上認められる可能性が小さいので、基本的に、図柄表示の制御とランプ点灯あるいは音声出力との制御は、送信側制御部からの個別の一方向通信による指示に頼らざるを得ない背景がある。その結果、ランプ点灯あるいは音声出力の制御部は、図柄制御の進捗を直接には把握できないため、これらを互いに連係させることが非常に困難となる。しかしながら、図柄制御を担う受信側制御部にランプ表示あるいは音声出力制御も担わせることにより、図柄制御の進捗把握が極めて容易となり、これと連係したランプ表示あるいは音声出力の制御(例えば、画像表示手段による表示態様の実行に同期させて、ランプ点灯機構及び音声出力機構の少なくともいずれかの作動を行わせる制御)もスムーズに行うことができる。また、ランプ制御、音声出力制御を担っていた枠制御部の処理負担を軽減することも可能となる。
また、上記本発明の第3の構成においては、送信側制御部は、弾球遊技機に設けられたランプ点灯機構及び/又は音声出力機構の作動タイミングに対応して、少なくとも該ランプ点灯機構及び/又は音声出力機構の作動状況を通知する役割を果たす補助機構作動通知信号を受信側制御部に送信するものとして構成することができる。また、本発明の第3の構成の弾球遊技機は、
複数の画像表示態様のうちのいずれかを選択的に行う画像表示手段と、
遊技状態に応じて画像表示手段に行わせるべき表示態様を決定する表示態様決定手段として少なくとも機能する送信側制御部と、
その送信側制御部からの指示を受けて、表示態様決定手段の決定した表示態様を画像表示手段に行わせる画像表示制御手段として少なくとも機能する受信側制御部とを備え、
送信側制御部は、弾球遊技機に設けられたランプ点灯機構及び/又は音声出力機構の作動タイミングに対応して、少なくとも該ランプ点灯機構及び/又は音声出力機構の作動状況を通知する役割を果たす補助機構作動通知信号を受信側制御部に送信するように構成することができる。
前記の通り、従来の弾球遊技機では、ランプ点灯機構及び音声出力機構の作動は、特別図柄表示の制御部とは別の枠制御部等が、送信側制御部(例えば主制御部)からの指示を別途受ける形で制御されていた。これは、逆の見方をすれば、図柄制御を司る受信側制御部では、ランプ点灯あるいは音声出力の進捗を直接には把握できないため、これらを互いに連係させることが非常に困難であったともいえる。しかしながら、上記の構成では、主制御部等の送信側制御部は、弾球遊技機に設けられたランプ点灯機構及び/又は音声出力機構の作動タイミングに対応して、該機構の作動状況を通知する役割を果たす補助機構作動通知信号を受信側制御部に送信するので、受信側制御部ではこれを参照することにより、ランプ表示あるいは音声出力の制御の進捗把握が容易となり、例えば、画像表示手段による表示態様の実行に同期させて、ランプ点灯機構あるいは音声出力機構の作動を行わせる制御をスムーズに行うことができるようになる。
例えばランプ点灯機構及び/又は音声出力機構の作動を直接司る制御部(例えば枠制御部)に対し、送信側制御部からそれらの作動を指令する補助機構作動コマンドが送信される場合、これと同じ内容のコマンドを補助機構作動通知信号として、受信側制御部に送信することが簡便で迅速な処理にも対応しやすいが、補助機構作動コマンドとは別の内容の信号を補助機構作動通知信号として送信する方式であってもよい。なお、受信側制御部自体がランプ点灯機構及び/又は音声出力機構の作動を直接司る制御部となる場合は、送信側制御部から受信側制御部への、ランプ点灯機構及び/又は音声出力機構の作動指令信号自体が補助機構作動通知信号になっていると見ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照して説明する。
ここでは遊技機として、いわゆるフィーバー機と呼ばれるタイプの第一種パチンコ機(遊技機)を例に取り、その構造を図1〜図5を参照して説明する。
パチンコ機1の前面部は、本体枠2と、中枠3と、前面枠4と、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とから構成されている。
本体枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠3は、全体がプラスチック製で、枠体部(図示略)と下板部(図示略)とを有して本体枠2の内周側に嵌合し取り付けられている。
ここで枠体部は、上端から下方へ中枠3全体の略2/3程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、前面枠4の枠飾りランプ用レンズ4bに対応して、左側に賞球表示LED(図示略)及び賞球表示LED基板4d(図4参照)が、右側にストップ表示LED(図示略)及びストップ表示LED基板4f(図4参照)が配設されている。
また、下板部は、下端から上方へ中枠3全体の略1/3程度を占め、左端には、上皿部5に形成されたスピーカ面5aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音その他の音(以下音声情報等という)を発生させるスピーカー(図示略)が配設され、略中央には、遊技球を発射する発射装置ユニット8(図3参照)に対し、上皿部5に貯留された遊技球を供給する供給装置等(図示略)が設けられている。さらに、下方には下皿部6が設けられ、右端中央には施錠装置7が設けられている。
下皿部6は、灰皿や玉抜きレバー等を備えて、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが開設され、右端に発射装置ユニット8を操作する発射ハンドル9が設けられている。また、この発射ハンドル9には、遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ9aが装着され、その近傍には、発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ9bが配置されている。施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
前面枠4は、全体がプラスチック製であり、遊技盤10を前方から視認するべく、遊技盤10に形成された遊技領域11の形状に対応して上側が略円弧状を呈し、全体が略弾丸形状に開設された開口部4aを有している。そして、その裏面には、開口部4aに応じてガラス板が嵌められた略長方形状のガラス枠(図示略)が装着されている。また、この前面枠4は、パチンコ機1の前面全体の2/3のサイズを占め、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。さらに、上端部には、枠飾りランプ用レンズ4bが設けられ、このレンズ4b内部には、開口部4a上端の円弧部分に沿って、枠飾りランプ基板4g(図4参照)及び複数個の遊技効果ランプ(図示略)が配設されている。
上皿部5は、前面枠4の下側で、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。皿外縁部5bには、玉抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が配設されている。またパチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口5cが開設されている。左端には、複数の長孔を有するスピーカ面5aが形成され、その裏面には、音量スイッチ基板12(図4参照)が設けられている。パチンコ機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が装着されている。
次に、本実施例の遊技盤10の表面構造を図2を参照して説明する。
遊技盤10は、略長方形の木製の板状体であって、後述する裏機構盤102(図3参照)により保持され、その表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状に形成される遊技領域11内に、特別図柄表示装置16と、第一種始動口(普通電動役物)17と、変動入賞装置18と、左上入賞口19、右上入賞口20、左入賞口21、右入賞口22と、多数の障害釘23と、一対の風車24、25等が配設されて、構成されている。
特別図柄表示装置16は、遊技領域11の略中央部に配置され、センター役物26と、液晶表示盤27とを備えている。この液晶表示盤27の映像画面は略長方形状を呈しており、その表示画面上に1又は複数の特別図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する特別図柄表示領域が形成されている。すなわち、左特別図柄を表示する左特別図柄表示領域28、中特別図柄を表示する中特別図柄表示領域29、及び右特別図柄を表示する右特別図柄表示領域30が、横一列に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成されている。各特別図柄表示領域28〜30は、これらの表示領域28〜30の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向に図柄変動方向が設定され、その向きで変動しているように識別情報としての複数の図柄(特別図柄)が順次表示されていく。また、この液晶表示盤27は、遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入球することにより、その映像画面の表示領域28〜30に表示される各特別図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って確定表示すると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口(図示略)が開放される。また、センター役物26は、液晶表示盤27の前面周辺部に額縁状に突設して装着され、普通図柄表示装置32と、特別図柄保留表示LED16aと、ステージ33と、ステージ飾り通路34とを備えている。
普通図柄表示装置32は、センター役物26の上部中央に配置され、7セグメント表示器32aと、普通図柄保留表示LED32bとを有している。7セグメント表示器32aは、1〜9の奇数数字を変動表示させるもので、後述する左右の普通図柄作動ゲート36、37のいずれかを遊技球が通過することにより、変動して所定時間経過後に1種類の奇数数字が確定表示される。そして、例えば「7」で確定表示すると、第一種始動口(普通電動役物)17が所定時間(例えば、0.5秒)開放される。左右の普通図柄作動ゲート36、37へ入球した遊技球は、前記センター役物26の左右両側の前面部分に形成された誘導経路38、39を経て中央に寄せられながら、前面の左右下部にそれぞれ設けられた左誘導出口40、右誘導出口41から自然落下する。
前記センター役物26の外側部の左右両側には、遊技球の普通図柄作動ゲート36、37がそれぞれ設けられ、その内部には左、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、37s(図4参照)が配設されている。
前記センター役物26の外側部上端の左側に遊技球の左通過口42、右側に右通過口43がそれぞれ設けられ、各通過口42、43から入球した遊技球はセンター役物26の背面側に設けられた左通過筒部(図示略)、右通過筒部(図示略)を通過して、左通過口出口(図示略)、右通過口出口(図示略)から飛び出してステージ飾り通路34を通過してステージ33上を転動する。ステージ33はセンター役物26下部に配置され、各通過口出口からの遊技球を中央寄りに集めつつ、さらに、遊技盤10面上を流下させるべく、一部傾斜状に形成されている。
普通図柄保留表示LED32bは、4個の丸形の赤色LEDで構成され、7セグメント表示器32aの左右両側に配置されている。これは、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の7セグメント表示器32aの変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED32bは消灯される。
特別図柄保留表示LED16aは、前記センター役物26の上部内側部中央に吊設され、4個の赤色LEDで構成されている。これは、第一種始動口(普通電動役物)17に入球した遊技球の数を4個まで保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の特別図柄の変動が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED16aは消灯される。
第一種始動口(普通電動役物)17は、ステージ33の中央直下に配設され、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。内部には、遊技球の通過を検知する第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s(図4参照)が備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能な開放状態となり、一対の翼片部が閉じると、遊技球の入球困難な閉鎖状態となる。
変動入賞装置18は、上記第一種始動口(普通電動役物)17の下方に配設され、前面側が略逆台形状に形成された基板44に、大入賞装置31と、左入賞口21と右入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口(図示略)と、この大入賞口を開放・閉鎖する開閉板35と、この開閉板35を開閉するための大入賞口ソレノイド52(図4参照)と、連動杆(図示略)と、特定領域開閉シャッター(図示略)と、この特定領域開閉シャッターを作動させるための開閉シャッターソレノイド53(図4参照)と、特定領域(図示略)と、特定領域外領域(図示略)とから構成されている。
また、左入賞口21は、大入賞装置31の左側方に配設されて内部に左入賞口通過検知スイッチ21s(図4参照)が設けられている。さらに、右入賞口22は、大入賞装置31の右側方に配設されて内部に右入賞口通過検知スイッチ22s(図4参照)が設けられている。バック球防止部材45は、アウト口46の下部に設けられ、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止するものである。ファール球防止部材47は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム48は、ファール球防止部材47の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
左上入賞口19及び右上入賞口20はそれぞれ、変動入賞装置18の左右斜め上方に配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左上入賞口通過検知スイッチ19s(図4参照)、右上入賞口通過検知スイッチ20s(図4参照)が設けられている。一対の風車24、25はそれぞれ、特別図柄表示装置16から左右両側に配設されている。なお、多数の障害釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
次に、本実施例のパチンコ機1の裏面構造について図3を参照して説明する。
前面枠4は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。機構盤102は中枠3にあって機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。遊技盤10は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の右端側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検知スイッチ108が、さらに、その下流側には、賞球払出装置109が配設されている。
続いて、遊技球の振り分け部110が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、特別図柄表示装置16における液晶表示盤27を格納した蓋付きの裏ケース111が、この裏ケース111の下側には、後述する主制御部140(図4参照)を格納した主制御基板ケース112がそれぞれ設けられている。主制御基板ケース112の左側には、発射装置制御基板113f(図4参照)を格納した発射装置制御基板ケース113及び発射制御集合中継基板116が設けられている。機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット8が、同じく右下方部には、補給球詰まり、下皿部満タン、主電源電圧異常、発射停止、主制御基板通信異常、賞球モータ異常などを7セグメントLEDで表示する枠状態表示器117を備えた枠制御部150(図4参照)を格納した枠制御基板ケース118が設けられている。
一方、機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板122が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板122の下側に配設されている。枠制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。また、機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。
次に、図4に示す本実施形態のパチンコ機1の電子制御装置130を説明する。電子制御装置130は、主基板を備えた主制御部140と、枠制御基板を備えた枠制御部150と、主制御部140と通信を行う特別図柄制御部160とを含んで構成されている。主制御部140は、CPU141(主CPU:表示態様決定手段及びコマンド送信手段の主体をなす)、RAM142、ROM143(態様コマンド記憶手段、上位表示動作プログラム記憶手段)及び入出力インターフェース144がバス145により相互に接続されたものであり、そのCPU141は、ROM143に格納された制御プログラム201により、RAM142をワークエリアとしてパチンコ機1の全体の作動を司る制御を行う。また、主制御部140は、ROM143に記憶された当選判定プログラム203により、CPU141が主体となって遊技当否判定手段を形成する。
また、ROM143には上位表示動作プログラムモジュールとしての、特別図柄処理モジュール205が記憶されている。これら特別図柄処理モジュール205は、それぞれ、遊技状態に応じて特別図柄表示装置16に表示させる一連の動画表示パターンを、いくつかの要素表示動作の組み合わせにて表される上位表示動作として把握したときの、各要素表示動作に対応する要素コマンド(態様コマンド)を、各要素表示動作に係る図柄あるいは画像の表示領域や実行順を反映した形で配列したものである。
次に、中継基板200には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ37s、左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、カウント検知スイッチ62、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ63、ヴォリュームスイッチ93、左上入賞口通過検知スイッチ19s、右上入賞口通過検知スイッチ20s、左入賞口通過検知スイッチ21s、右入賞口通過検知スイッチ22s、タンク球切れ検知スイッチ104及び補給球切れ検知センサ108等が接続され、中継基板200の出力端子は、入出力インターフェース144(入出力回路)に接続されている。また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sも入出力インターフェース144に接続されている。なお、図4の中継基板200は、必ずしも1つの基板にて構成されるとは限らず、例えばここでは、パチンコ機1の各部に分散配置された各種中継基板を1つのブロックにより統合して示している。
枠制御部150は、主制御部140と同様の演算回路を含み構成され、制御主体であるCPU151と、その制御プログラムを格納したROM153、及びCPU151による制御プログラムのワークメモリエリアを与えるRAM152とを備える。ここには、図示しない入出力インターフェースを介して、枠飾りランプ基板4g、各種LED基板4d、4f、19f、20f、21f、22f、263f、264f、各種ランプ基板261f、262f、音量スイッチ基板12、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド52、53、サウンドジェネレータ94、賞球払出装置109、発射装置制御基板113f等が接続されている。一方、主制御部140の入出力インターフェース144には、電源ターミナル基板121及び特別図柄制御部160が接続されている。
主制御部140から枠制御部150へのデータ伝送方式の概略は以下の通りである。まず、主制御部140から枠制御部150へは、一方向形式でデータ伝送が行われる。賞球動作は以下の順序で行われる。まず、主制御部140は、遊技球がカウント検知スイッチ62又はカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ63を通過したら15個の賞球個数データを、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sを通過したら6個の賞球個数データを、それ以外の場合、例えば、左右入賞口21、22の通過検知スイッチ21s、22sの通過を検知した場合などにおいては、10個の賞球個数データを、枠制御部150に対してその検知順に、枠制御部150を作動指令対象とする指令信号として送信する(すなわち、固有賞球数はここでは、6個、10個あるいは15個である)。枠制御部150は、主制御部140からの賞球個数データを受け取り、賞球払出信号の送信により賞球払出装置109を作動させる。
次に、図5は特別図柄制御部160の電気的構成を示すものである。特別図柄制御部160は、CPU161(受信側CPU、画像表示制御手段)、RAM162、ROM163(表示制御プログラムモジュール記憶手段)、コマンドインターフェース部164、画像処理LSI部303、それらを相互に接続するバス166、画像処理LSI部303が使用するCG−ROM/RAM部168、画像処理LSI部303からの出力信号を受ける液晶インターフェース部(表示インターフェース)307等から構成されている。ROM163には、CPU161による画像表示制御処理の全体の流れを司る上位制御プログラム211が格納されている。なお、説明の便宜上、CPU161、RAM162、ROM163、バス166をCPU部と称する。
主制御部140は、上述の各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを作成する。例えば、主制御部140は、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、カウント検知スイッチ62、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ63等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始動入賞があった状態、及び、特別遊技状態なども判断する。また、始動入賞が検知されると乱数値に基づいて当否判定が行われ、その判定結果に基づいて特別図柄の変動、又は確定などの表示態様制御のためのデータが作成される。このデータは、特別図柄制御部160を作動指令対象とする指令信号として送信される。
さらに、枠飾りランプ基板4g等の各種ランプやサウンドジェネレータ94は、特別図柄制御部160の制御による特別図柄の変動・停止表示態様、リーチ発生の有無、リーチ表示態様(全回転、コマ送り、逆進、図柄の拡大・縮小など)、特別遊技態様、及び、遊技モード(確率変動、時短など)等に応じてその態様は制御される。すなわち、これらに接続されたランプ、LED(すなわち、ランプ点灯機構)あるいはスピーカ(音声出力機構)等は、主制御部140からの作動指令を受けた枠制御部150により、作動制御されることとなる。
次に、主制御部140と特別図柄制御部160にて実行される各種のジョブのうち、主要なジョブについて説明する。まず、主制御部140により実行されるメインジョブを図6を参照して説明する。これは主制御部140のROM143に格納されたプログラムに基づき、CPU141により所定のリセット周期(例えば約2ミリ秒毎)に実行されるものである。まず、スタックポインタをRAM142の所定アドレスに設定した後(S10)、初期化終了の判定が行われる(S20)。初期化が終了していなければ(S20:NO)、初期化ジョブが実行され(S190)、終了していれば(S20:YES)、LEDジョブ(S30)からスイッチジョブ(S70)までのジョブが実行される。
LEDジョブ(S30)においては、普通図柄及び普通図柄作動保留球数の表示用のデータ(コマンド)や、特別図柄作動保留球数の表示用のデータ(コマンド)などが出力される。等速乱数ジョブ(S40)では、RAM142の特別図柄当否判定乱数メモリや汎用カウンタメモリ(図示略)などが更新される。非等速乱数ジョブ(S50)では、外れ普通図柄乱数メモリ(図示略)が更新される。汎用カウンタメモリ(図示略)は、ユーザリセット毎の例えば「0」〜「255」の値の作成や、コマンドジョブ、音声作成ジョブ、飾りジョブの実行などに使用される。また、音声作成ジョブ(S60)では、音楽や音声に関するデータ(コマンド)の作成が行われ、スイッチジョブ(S70)では、各種検知スイッチの読み込みが行われる。すなわち、発射停止検知信号、タッチ検知信号、ヴォリューム検知信号、カウント検知信号、特定領域通過検知信号、普通図柄作動ゲート検知信号などの各種信号が外部接続端子基板を介して主制御部140に取り込まれ、また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sから第一種始動口入賞検知信号がそれぞれ取り込まれる。
さらに、カウント検知スイッチ62やカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ63に異常があるか否かが判定され(S80)、異常がなければ(S80:YES)特別図柄メインジョブ(S90)から音声ジョブ(S110)までのジョブが実行される。また、異常(球詰まりや断線など)があれば(S80:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。
特別図柄メインジョブ(S90)では、主制御部140と特別図柄制御部160とが協調して動作するために必要なデータのジョブが行われる。また、普通図柄メインジョブ(S100)では、普通図柄及び普通図柄作動保留球数の表示用のデータの作成が行われる。音声ジョブ(S110)では遊技状態に応じた音声のデータ(コマンド)が出力され、枠制御部150に送られる。さらに、ステップは明示していないが、ランプ制御ジョブでは、遊技状態に応じた各種ランプやLEDの点灯制御のデータ(コマンド)が出力され、枠制御部150に送られる。なお、これらの音声のコマンドやランプ点灯制御のコマンドは、枠制御部150への送信に対応して、これを補助機構作動通知信号として特別図柄制御部160へも送信するように処理を行うことができる。その結果、特別図柄制御部160では、これらのコマンドの受信タイミングを参照することにより、音声出力やランプ点灯の制御進捗状況を正確に把握でき、特別図柄の表示制御を音声出力ないしランプ点灯と同期させることも容易となる。この後、賞球信号ジョブ(S150)、情報信号ジョブ(S160)、コマンドジョブ(S170)、及び、残余時間ジョブ(S180)が実行される。
賞球信号ジョブ(S150)では、賞球払出しに関するデータの作成や出力が行われ、情報信号ジョブ(S160)では、他の制御部への情報出力に必要なデータの作成が行われる。さらに、コマンドジョブ(S170)では、特別図柄管理のためのコマンドの入出力が行われ、残余時間ジョブ(S180)では、非等速乱数の呼出しや、汎用乱数メモリ(図示略)の更新が行われる。
さて、始動入賞時の当否判定や、それに伴う特別図柄の表示パターンの決定は、上記メインジョブをリセット周期毎に繰り返し実行することにより、いわば自然派生的に行われてゆくのであるが、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、始動入賞時の当否判定についての当否判定ジョブに関して図7を参照して説明する。なお、これらのジョブで使用する各種メモリは、図4に示すRAM142に格納され、代表的なもの(142a〜142j)を図8に示す。まず、S200において始動入賞があったか否かを確認し、YESであれば、S210において特別図柄保留数メモリ142b(図8参照)に記憶されている保留数を1インクリメントする。この保留数が一定値(本実施例では「4」)を超えていれば、その始動入賞は無効となり、S250へスキップする。また、一定値内の保留数であれば、S230において、特別図柄当否判定乱数(以下、判定乱数ともいう)を発生させ(プログラム実行により発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもハード的に発生させても、いずれでもよい)、読み込んだ判定乱数値を、S240において、特別図柄当否判定乱数メモリ142a(図8参照:以下、判定乱数メモリともいう)に記憶する。このメモリは、読み込んだ判定乱数値を始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
次に、S250において、判定乱数メモリ142a(図8参照)から記憶している最も古い先頭の判定乱数値を読み出す。そして、S260において、大当り番号メモリ142g(図8参照)から大当り番号を読み出し、S270において、上記判定乱数値との比較を行い、両者が一致していれば大当り判定となり、一致していなければ外れ判定となる。大当り判定の場合には、S280に進み、大当り図柄決定乱数を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値を大当り図柄決定乱数メモリ142c(図8参照)に記憶する(S290)。また、「大当り」という判定結果(本実施例では「1」)を判定結果メモリ142i(図8参照)に記憶する。この大当り図柄決定乱数値で指定される特別図柄は、ROM163(図5参照)に格納されている特別図柄画像データに基づいて、図2の左特別図柄表示領域28、中特別図柄表示領域29及び右特別図柄表示領域30に、所定の変動表示状態を経た後、定められた配列パターンで特別図柄表示装置16に揃えた形(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)で表示される。
一方、外れ判定となった場合は、S270からS310に進み、外れリーチジョブを行うかどうかを乱数により決定する。すなわち、S310において、リーチジョブ決定乱数を発生させ、これを読み込み、他方、S320において、リーチ番号メモリ142h(図8参照)に記憶されているリーチ番号を読み出す。S330において、両者が一致していれば外れリーチジョブに、一致していなければ通常外れジョブとなる。
外れリーチジョブの場合は、S340へ進み、少なくとも揃えるべき2つの特別図柄(例えば、3種類の特別図柄のうち、左図柄と右図柄)を、大当り図柄決定乱数(別途乱数を発生させるようにしてもよい)を使用して決定する(S340、S350)。また、S360において、外れ中図柄を乱数により同様に決定し、S370において、決定した乱数値を外れ中図柄番号メモリ142f(図8参照)に記憶する。また、S380において、「外れリーチ」という判定結果(本実施例では「2」)を判定結果メモリ142i(図8参照)に記憶する。一方、通常外れジョブの場合は、S390に進み、各特別図柄(例えば、左図柄、右図柄及び中図柄)をそれぞれ乱数により決定し、決定した各乱数値をそれぞれ対応する外れ番号メモリに記憶する(S390〜S440)。また、S450において、「通常外れ」という判定結果(本実施例では「3」)を判定結果メモリ142i(図8参照)に記憶する。
次に、特別図柄メインジョブの概略の流れを図9を参照して説明する。まず、S500において、特別図柄表示装置16における液晶表示盤27(図2参照)上で、左特別図柄表示領域28、右特別図柄表示領域30及び中特別図柄表示領域29の各特別図柄の変動を開始させる。例えば、左図柄及び右図柄を上から下へ、中図柄を下から上へスクロール変動させる。
次いで、S510において、判定結果メモリ142i(図8参照)から図7で得られた各入賞に対する判定結果を読み出す。具体的には、大当り判定(「1」)の場合は(S520:YES)、S600に進み、大当り番号を大当り番号メモリ142g(図8参照)から読み出し、液晶表示盤27上で大当りのリーチアクションを表示するリーチジョブS601を経て、図柄確定ジョブS602で各特別図柄を、例えば、左図柄、右図柄、中図柄の順序で同一図柄に揃えて停止表示させ確定させる。一方、外れリーチ判定(「2」)の場合は(S530:YES)、S590に進み、大当り番号(少なくとも揃えるべき2つの特別図柄、例えば、左図柄番号と右図柄番号)と、外れ中図柄番号とを各メモリ142c、142f(図8参照)から読み出し、液晶表示盤27上で外れリーチのリーチアクションを表示するリーチジョブS591であって、各特別図柄を、例えば、左図柄、右図柄、中図柄の順序で、左図柄及び右図柄は同一図柄に揃えつつ、図柄確定ジョブS592で最終的に同一図柄の左図柄及び右図柄とともに、中図柄は他の図柄とは異なる図柄で停止表示させ確定させる。また、通常外れ判定(「3」)の場合は(S540:YES)、S550に進み、外れ各図柄番号を外れ番号メモリ142d、142e、142f(図8参照)からそれぞれ読み出し、S560〜S580に進んで、各特別図柄を(例えば、左図柄、右図柄及び中図柄)、相互にずれたタイミングで停止表示させ確定させる。
さて、図5に示すように、主制御部140は特別図柄制御部160とバス169で接続されており、主制御部140は、上述の各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示パターン画像表示制御を行うためのコマンドデータを特別図柄制御部160へ送信する。
複数の画像表示態様に対し共通に使用される共通コマンドは、図10に示す通り、特別図柄及び背景画像との組み合わせからなる各種の変動パターンを個別に指定するものとして、例えば88h00h、88h01h‥‥等の2バイトデータとして定められている。他方、図13あるいは図14に示すように、各変動パターンには、1又は複数の画像表示態様(図中では、「動作内容」あるいは「キャラクタの動作内容」と表示している)が対応しており、特別図柄制御部160は、コマンドデータとして、上記の共通コマンドを受信すると、その受信した共通コマンドに複数の画像表示態様が対応している場合に、所定のものを選択して使用するのである。この場合、その選択された画像表示態様に対応する表示制御プログラムモジュールが立ち上げられ、対応する画像表示態様にて特別図柄表示装置16(図2参照)に画像表示がなされる形となる。
そして、図13あるいは図14に示す画像表示態様は、各々1又は複数の変動パターンを含む複数の表示態様グループに分類されており、図15乃至図17に示すように各表示態様グループが、変動パターン1〜39として整理されている。これらの変動パターンは、遊技機における大当り(当選)時の変動パターン(図17参照)と、同じく外れ(非当選)時の変動パターン(図15、図16参照)とに大きく分類されている。画像表示手段としての特別図柄表示装置16は、複数の特別図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、それら複数の図柄のうちの1つを確定表示する特別図柄表示領域28〜30を複数(ここでは3つ)備え、当選時においては、それら表示領域28〜30に対し特定の組み合わせの特別図柄を確定表示するものである。そして、上記の複数の画像表示態様は、
当選表示態様と、
複数の表示領域28〜30のうちの2以上の一部のもの(ここでは、右図柄と左図柄)が、当選時の組み合わせを構成する特別図柄を確定表示し、残り(ここでは中図柄)が変動状態となるリーチ状態を経由して、最終的にその変動状態の表示領域29の特別図柄を非当選となるように確定させる外れリーチ表示態様と、
リーチ状態を経由しない通常外れ表示態様と、
の3種類の画像表示態様が、互いに異なる変動パターン(表示態様グループ)に属するように分類がなされている。
この実施例では、図15乃至図17に示すように、大当り判定の有無、高確率/低確率の判定、リーチの有無、変動時間の短縮の有無、停止図柄による判定により、変動パターンの分類がさらに細分化されている。そして、これら変動パターンの一つ一つに、図10に示すような共通コマンドが付与されているのである。
いずれにしろ、大当り時の画像表示態様と、外れ時の画像表示態様とが少なくとも、互いに異なる変動パターン(表示態様グループ)に属するように分類がなされる形となる。すなわち、各変動パターンを特定する共通コマンドの内容を参照すれば、表示すべき画像表示態様が、少なくとも当選表示態様であるか非当選表示態様であるかが識別可能となる。後述する通り、これを利用すれば、共通コマンドが規定する変動パターンと、指定される確定図柄の種類に矛盾が生じているか否かを容易に識別することができる。
また、図13及び図14に示すように、各共通コマンドが特定する変動パターン(表示態様グループ)は、特別図柄表示態様(特別図柄の動作態様)と、背景画像表示態様(ここではキャラクタ動作にて代表させている)を各々1又は複数含んでいる。特別図柄制御部160では、受信した共通コマンドに対応する変動パターンに含まれる特別図柄表示態様及び背景画像表示態様から、各々所定のものを1つ選択するようになっている。そして、その選択されたモジュールの実行に基づく特別図柄表示態様と背景画像表示態様とが合成され、表示画面上に出力されることとなる。
上記の説明からも明らかな通り、この実施例における共通コマンドは、表示領域28〜30における特別図柄の変動パターンを規定する特別図柄変動パターン規定コマンドとして機能している。他方、この実施例にて使用される態様コマンドは、上記の共通コマンド以外に、図11(a)〜(c)に示すような、変動確定時に停止表示させる特別図柄の種別を規定する確定図柄規定コマンド(ここでは、「80h00h」、「82h00h」、「81h00h」等の2バイトデータとして与えられている)と、図12に示すように、各表示領域28〜30における図柄変動停止を個別に又は一括して指令する特別図柄確定コマンド(ここでは「83h00h」の2バイトデータとしている)とを含んでいる。これら確定図柄規定コマンド及び特別図柄確定コマンドの受信により、それぞれ要素モジュールをなす確定図柄規定モジュールと図柄確定モジュールとが起動される。すなわち、これら2つのコマンドは、前記した共通コマンドと同様に、要素コマンドを形成していると見ることができる。
図21に示すように、共通コマンド(特別図柄変動パターン規定コマンド)[番号1](注:図中では丸囲み数字にて表示してある。この段落において以下同様。)を受信することにより、対応する特別図柄動作制御モジュール(特別図柄変動プログラムモジュール)が起動する。そして、特別図柄確定コマンドを受信することにより、特別図柄動作制御モジュールの実行に基づき各表示領域28〜30に変動表示されている特別図柄(左、中、右)が、特別図柄確定コマンド[番号5]に先立って受信した確定図柄規定コマンド[番号2]〜[番号4]により、それらが規定する種別の図柄にて確定表示される。すなわち、特別図柄の変動開始から停止・確定までの表示態様を、僅か3種類の態様コマンドにより規定することができる。また、後述する通り、共通コマンドの規定する変動パターンの種別(例えば、大当り、外れリーチ、通常外れ)と、確定図柄の種別との整合性も簡単に認識することができる。なお、特別図柄確定コマンドは、各特別図柄に対応する数(この場合、3つ)だけ、個別に送信するようにしてもよい。
なお、この実施例では、さらに進んで、以下のような表示制御態様を採用することにより、使用する態様コマンドの数をさらに削減することに成功している。すなわち、図22に示すように、特別図柄の変動開始から、特別図柄動作制御モジュール内にて各表示領域毎に定められた所定の期間が経過すれば、確定図柄規定コマンドが規定する図柄にて変動を仮確定させ(変動/仮確定移行のタイミングは、プログラム中にて設定する)、その後、特別図柄確定コマンドを受信することにより、各表示領域の特別図柄を一括して本確定状態とする。
この処理においては、特別図柄確定コマンドを受信する前に仮確定移行するので、見掛け上は図柄が確定しているように見えても、プログラム処理上は変動モード状態に属している形となる。この仮確定状態では、本確定状態と同様に、図柄の画像位置が完全に保持・停止された状態としてもよいし、遊技者から見て確定・保持される図柄種別の識別は可能としつつも、本確定状態とは表示が異なる状態(例えば、僅かなゆれ変動や透明化処理等を図柄画像に加える状態)としても、いずれでもよい。また、最後に変動停止させる図柄(例えば中図柄)は、変動状態から直接、本確定停止させるようにしてもよいし、一旦仮確定状態を経て本確定状態に移行してもよい。
上記方式によれば、変動する複数の特別図柄を、時間差をおいて順次停止させる場合でも、特別図柄制御部160側での上記仮確定処理を導入することにより、各特別図柄に対応して特別図柄確定コマンドを送信する必要がなくなり、ひいては送信コマンド数を削減することができる。
なお、図10において共通コマンドは、番号が連続する2バイトデータとして構成され、全体が、変動パターン(表示態様グループ)の特定を行う態様特定部として機能するものとされている。しかしながら、ノイズ等の外乱の影響により共通コマンドのデータの正常受信が不能となる場合を想定して、該共通コマンドには、表示態様グループの特定を行う態様特定部に加え、正常受信の識別を行うための識別部を含ませておくことができる。
図23に、その例を示す。例えば同図(a)に示すように、識別部として4ビットの識別コードを考える場合、A:「0011」とB:「1111」の2つが識別コードとして許されていると、ノイズの影響でAタイプのコードの上位2ビットが「1」に変化してしまった場合、Bのコードとは全く区別できなくなり、コマンドの誤認等につながることが必至となる。この場合、ビット長が少なくとも3ビット以上であり、かつ、「0」又は「1」のビット状態のうち、ノイズ発生時に現われるものが3ビット以上連続して含まれないように、識別コード(識別部)を設定することが、このような不具合を回避する上で都合がよい。
例えば、3ビット以上の「1」が連続しない1バイト識別コードの例として、(b)に示すように、「55H」(「0」と「1」のビットが交互に並ぶ)を考えた場合、ノイズ発生時には、4つある「0」ビットのうち1つでも「1」に変化すると、禁止されている3ビット以上の「1」の連続が生ずるので、ノイズ発生の有無を容易に識別することができる。
例えば、大型液晶表示装置等の採用により、非常に多様な表示態様が可能となる場合においても、遊技者にとっては、大当りあるいは外れに関する情報を示す特別図柄が正しく表示制御されることが最も重要である。そして、その特別図柄に関する表示態様グループ(変動モード)は、大当り及び外れを識別可能とするために、前述の通り複数存在するのが通常である。この場合、それら表示態様グループに対応する共通コマンドは、図23(c)に示すように、共通の内容の識別部を含むとともに、態様特定部は、それら複数の表示態様グループに対して番号が連続する形で付与されていることが望ましい。なお、ここでは、識別部と態様特定部とがいずれも1バイトデータとして構成されている場合を示している。
例えば、共通コマンドの受信に際し、ノイズの影響を受けたか否かの識別は、図24に示すような流れにて実行することが可能である。まず、主制御部(送信側制御部)140から特別図柄制御部(受信側制御部)160へ共通コマンドを送信する際には、図25に示すように、同じ共通コマンドを、一定の時間間隔をおいて複数回(この実施例では2回)送信するようにする。これは、送信を複数回繰り返すことにより、どれか最低1つはノイズの影響を免れることができるようにするためである。なお、複数回送信されてくる共通コマンドは、例えばRAM162(図5参照)中の別々のエリアに格納してもよいし、エリアを共通として、2回目のコマンドを1回目のコマンドに上書きするようにしてもよい。この場合、受信した共通コマンドの読み込みは、通常1回目のみを行い(G101)、このときノイズ識別コードの内容が規定外のものであった場合にのみ、2回目の読み込みを行う(G103→G104)。2回目においてもノイズ識別コードの内容が規定外のものであれば、例えばエラー表示を行う(G107)。なお、主制御部140からの共通コマンド信号の出力継続中に、特別図柄制御部160が、その共通コマンド信号の受信ポートに対し、所定の時間間隔で複数回リードアクセスするようにしてもよい。
次に、図5の特別図柄制御部160のCPU161は、上位制御プログラム211により、特別図柄変動パターン規定コマンドが規定する当選の有無の内容に対し、確定図柄規定コマンドが規定する確定図柄の種別が矛盾しているか否かを解析する解析手段と、その矛盾が解消されるように確定図柄規定コマンドの修正を行うコマンド修正手段として機能する。
また、CPU161は、上位制御プログラム211により、共通コマンドを受信した後、特定の態様コマンド、ここでは確定図柄規定コマンドについて、その受信時刻が計測され、計測された受信時刻が予め定められた時刻範囲に収まっていない場合に、その受信した態様コマンドによる画像表示制御を禁止する、すなわち時刻範囲外にて受信した確定図柄規定コマンドを無視するように制御がなされる。さらに、共通コマンドを受けてから図柄確定に至る一連の表示態様、ここでは、図21の特別図柄の動作内容の実行に対し所定の限界所要時間を設定し、図21の[番号1]〜[番号5](注:図中では丸囲み数字にて表示してある。)の全てのコマンドデータが、上記の限界所要時間内に受信完了していないと判定した場合に、上記一連の表示態様を強制終了させるようにも機能する。以上の処理は、いずれも受信コマンドに対するノイズ異常等の影響を回避するためになされるものである。
この実施例では、図18に示すように、特別図柄制御部160のRAM162内の所定の領域162Mに、主制御部140から受信した共通コマンド、左、右、中の各特別図柄の確定図柄規定コマンドを記憶するエリアが形成されている(受信態様コマンド記憶手段)。また、共通コマンドを受けてからの経過時間を計測するための第一タイマー変数Tyと、限界所要時間である全所要タイミングの値T0、さらに、確定図柄規定コマンドの受信時刻を計測するための第二タイマー変数Txと、その目標値である確定図柄規定コマンド受信タイミングTsも上記領域162Mに記憶される。なお、確定図柄規定コマンド受信時刻の許容範囲(下限値:Tmin、上限値Tmax)は、上記タイミングTsを基準として適宜設定される。ここでは、Tsは16ミリ秒であり、Tmin及びTmaxはTs±0.2ミリ秒にて設定されている。なお、この強制終了は、本実施例では低速変動の終了時に行うようにしている。これにより、遊技者に対し、連続性を保った違和感のない表示態様を示すことができる。この場合、当否判定の結果と異なる確定表示がなされないように(例えば、判定結果が外れの場合に当りの表示となったり、あるいはその逆とならないように)、判定ないし調整のルーチンを設けておくことが望ましい。また、時刻範囲外にて受信した確定図柄規定コマンドを無視するための具体的な方式としては、例えばCPU部301のINT端子をソフトウェア上で無効化するなど、一般的な方式を採用することができる。なお、全所要タイミングの値T0は、図13において破線で囲って示すように、特別図柄動作のモジュール内に記述されている。
以下、具体的な処理の例について、図19、図20のフローチャートを使用して説明する。図19は、図21に示す表示態様を実行するための、特別図柄制御部160におけるコマンドタイミング管理ジョブの流れであり、G1で主制御部140からの共通コマンドを受信する。G2ではこれを受け、表示態様決定のジョブを行う。
次いで、G3では全所要タイミングデータT0を読み出し、G4で第一タイマールーチンを起動する。さらに、G5では、確定図柄規定コマンド受信タイミングをTsに設定する。次いで、G7からG13は、各特別図柄に対し確定図柄規定コマンドの受信時刻が規定の時刻範囲[Tmin,Tmax]内に収まっているか否かを判断するルーチンである。G6では、図柄位置NI(NI=1,2,3)により右図柄、左図柄、中図柄の処理指定を行い、G7からG13までの処理を各図柄について実行する。G7では第二タイマールーチンを起動し、確定図柄規定コマンドを受けるまでタイマーのカウントアップを続ける。確定図柄規定コマンドを受ければ、G10でその時点での第二タイマー変数Txの値を読み出し、G11では時刻範囲[Tmin,Tmax]に収まっているか否かを判定する。収まっていれば、その確定図柄規定コマンドに対応する確定図柄の番号をセットする。一方、収まっていなければ、受けたコマンドを無視して第二タイマールーチンをリセットする。G14及びG15は、処理対象図柄の変更と、ループ脱出のため全ての図柄についての処理が終了したかどうかを確認するためのステップである。
なお、時刻範囲[Tmin,Tmax]であるが、例えばTmaxのみを管理するようにしてもよいし(タイムオーバー管理)、逆にタイムオーバーの状況がノイズの影響のみでは生じにくいことも考えられるので、この場合はTminのみを管理するようにしてもよい。
全ての特別図柄について、上記の確定図柄規定コマンドの受信時刻確認処理が終了すればG16に進み、特別図柄確定コマンドを受けたかどうかを調べる。受けていなければG17で第一タイマー変数Tyを読み出し、G18で全所要タイミングT0をオーバーしていれば強制終了とする。他方、オーバーしていなければG16に戻る。特別図柄確定コマンドを受けていればG19に進み、コマンド修正ジョブに移る。
いずれの場合も、共通コマンド、確定図柄規定コマンド及び特別図柄確定コマンドは、時系列的な実行順序が定められた形で逐次送信されるものであり、受信側制御部たる特別図柄制御部160では、それら順次送信されてくる一連の態様コマンドの受信状況を、受信時刻確認あるいは全所要タイミングT0の管理という形で解析している。そして、その解析結果に応じて、コマンド無視あるいはジョブの強制終了の指令を行うための出力を行っていると見ることができる。
図20はコマンド修正ジョブの詳細を示すものである。まず、G50で、既に受信している共通コマンドをメモリ領域162M(図18参照)から読み出し、それが指示する表示態様を識別する。図15乃至図17を用いて既に説明したように、大当り、外れリーチ及び通常外れに応じて変動パターンの種別が異なり、それら変動パターン毎に互いに異なる共通コマンドが付与されているので、共通コマンドの内容を解析すれば、上記3種類の表示態様のいずれが指示されたのかを容易に識別できるのである。一方、メモリ領域162M(図18参照)に記憶されている各特別図柄の確定図柄規定コマンドの内容を参照すれば、どの図柄での停止・確定が指示されたかを識別することができる。そして、この両識別結果に矛盾が生じていれば、確定図柄規定コマンドの修正(補正)を行うのである。すなわち、ここでは、共通コマンド及び確定図柄規定コマンドの記憶内容が、上記の識別結果の整合・矛盾の観点にて解析され、その解析内容に応じてコマンド修正指令の形で出力がなされている。
具体的には、まず、通常外れと識別された場合にはG51からG62以降の流れとなる。この場合、G62で、先に確定する2つの図柄、ここでは左右の図柄の種別が確定図柄規定コマンドの記憶内容により確認される。そして、これらに一致が生じていると、大当りあるいは外れリーチと同じ表示態様になってしまい、矛盾するので、G63に進んで左右の図柄が一致しなくなるようにコマンドを修正する。修正の方式は種々考えられるが、例えば一方(例えば左)図柄を固定して、他方(例えば右)の図柄を所定数(例えば1番)だけずらせる等が考えられる。
また、外れリーチの場合はG52からG58以降の流れとなる。ここでは、逆に左右の図柄に不一致が生じていると、通常外れ態様と同じになって矛盾するので、G58にてこれを確認する。そして、もし不一致であれば、左右の図柄が一致するようにコマンドを修正する。ここでも、修正の方式は種々考えられるが、例えば一方の図柄を固定して、他方の図柄をこれに一致させる等が考えられる。次いでG60では、最後に確定する図柄(ここでは中図柄)が、左右の図柄に一致しているかどうかが確認される。これが一致していると、大当り状態と同じになり矛盾するので、G61ではこれが一致しなくなるようにコマンドの修正を行う。この場合は、例えば、左右の図柄のコマンドはそのままにして、中図柄のコマンドを所定数(例えば1番)だけずらせる等が考えられる。
なお、上記の処理では、例えば左右の図柄のコマンドを修正した際に、その修正結果が偶然中図柄と一致してしまうことも考えられ、この場合は、中図柄のコマンド修正ジョブで切り抜けるようにしている。しかし、別の方式として、はじめから中図柄のコマンドも参照し、左右の図柄のコマンドのうち中図柄と一致している方のコマンドを、左右の図柄の他方のコマンド及び中図柄コマンドとのいずれとも一致しなくなるように修正することも可能である。
一方、大当りの場合は、G53からG54以降の流れとなる。この場合も左右の図柄に不一致が生じていると、通常外れ態様と同じになって矛盾するので、G54にてこれを確認する。そして、もし不一致であれば、左右の図柄が一致するようにコマンドを修正する。次いでG56では、最後に確定する図柄(ここでは中図柄)が、左右の図柄に一致しているかどうかが確認される。ここでは、不一致の場合に、外れリーチ状態と同じになり矛盾するので、G57ではこれが一致するようにコマンドの修正を行う。この場合は、例えば、左右の図柄のコマンドはそのままにして、中図柄のコマンドを左右の図柄のコマンドに一致させる等が考えられる。
なお、この実施例では、大当り、外れリーチ及び通常外れの全ての場合について、コマンド修正ジョブを行うようにしていたが、一部のものについてのみコマンド修正ジョブを行うようにしてもよい。また、図柄の矛盾については、全ての図柄についての整合がとれるようにコマンド修正を行っていたが、一部の図柄についてのみ整合をとるようにしてもよい。例えばリーチ状態を構成する2つ(例えば右と左)の図柄の不一致のみを識別し、その一致修正のみを行う簡易な処理とすることも可能である(この場合、共通コマンドは、大当り時の表示態様と外れリーチ時の表示態様とで共通のものを使用することも可能となる)。いずれにしろ、コマンド修正は行うわけであるから、受信コマンドに対するノイズ異常等の影響を軽減できることに変わりはない。
図19に戻り、G20にて特別図柄確定コマンドを受ければ、図柄を確定(図22に示す態様では本確定)する処理がなされ、処理は終了する。
なお、共通コマンドを使用する本実施態様では、特別図柄制御部160(受信側制御部)内での図柄表示制御に係るジョブが共通コマンドのモジュール内に集約されているので、送信時のコマンド数が大幅に低減されている。そして、受信側の特別図柄制御部160においては、その少ない数のコマンドを受け付ける時間間隔、つまりタイミング範囲が一定に定められており、コマンド送信時にノイズ等の外乱が発生して、定められたタイミングより早く受信したものについては、ノイズとして認識し、コマンドとして受け付けない。すなわち、主制御部140から特別図柄制御部160へコマンド送信の途切れ判断をする必要がない。したがって、主制御部140から特別図柄制御部160へのコマンド送信が、終了コマンドを受ける前の時点で一定時間以上途切れてしまった場合でも、これを通信エラーと判断する必要がなくなるので処理が簡略化されている(例えば、コマンドの途切れ以外に通信エラー発生の要因が存在しない場合には、通信エラーの検出及び報知そのものを省略することも可能である)。
なお、この実施態様においても、音声出力のコマンドやランプ点灯制御のコマンドを、主制御部140から特別図柄制御部160へ補助機構作動通知信号として送信することができる。この場合、特別図柄制御部160では、共通コマンドの受信により、対応する一連の表示態様が、その共通コマンドにて指定されるプログラムモジュールの実行により実施される形となる。この場合、そのプログラムモジュールでは、例えば、補助機構作動通知信号の受信の有無を確認するステップをタイマー監視等により実行し、その受信タイミングに応じて、図柄の表示態様制御のステップ実行を適宜待機させたり、あるいはスキップさせたりする処理を行うようにする。
次に、パチンコ機1の電子制御装置130の他の実施形態を図26に基づいて説明する。この実施形態においては、図4にて説明した電子制御装置130内の枠制御部150が処理していた制御対象の一部を特別図柄制御部160へ移行したことにある。この移行した制御対象は、ランプ基板261f、262fあるいはLED基板4d、4f、19f、20f、21f、22f、263f、264f等からなるランプ点灯機構であり、また、音量スイッチ基板12あるいはサウンドジェネレータ94(音声出力用のスピーカが接続される)等からなる音声出力機構である。すなわち、枠制御部150より図示しない入出力インターフェースを介して接続されるのは、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド52、53、賞球払出装置109、発射装置制御基板113fである。したがって、ランプ制御、音声出力制御を担っていた枠制御部150の処理負担が軽減されるとともに、主制御部140側から枠制御部150への送信も不要となる。
一方、図27に示すように、特別図柄制御部160の入出力ポート281には、I/O部282を介してコマンドインターフェース部283、ランプ・LEDインターフェース部284、音声インターフェース部285、液晶インターフェース部307が接続されている。そして、前記コマンドインターフェース部283には主制御部140のCPU141が、また、ランプ・LEDインターフェース部284には、枠飾りランプ基板4g、各種ランプ基板261f、262f、各種LED基板4d、4f、19f、20f、21f、22f、263f、264fが、また、音声インターフェース部285には、音量スイッチ基板12、サウンドジェネレータ94が、さらに液晶インターフェース部307には、特別図柄表示装置16がそれぞれ接続されている。
そして、特別図柄表示装置16の表示画面上に特別図柄が表示されるとき、この表示状態に対応して(例えば変動開始、リーチ発生、図柄確定等に対応して)、ランプ点灯機構あるいは音声出力機構の作動が、特別図柄制御部160により一括して制御される。すなわち、主制御部140側から特別図柄制御部160へは、表示態様に対応する態様コマンドのみが送信され、特別図柄制御部160においては、ランプ制御及び/又は音声制御の処理が特別図柄変動モジュール内に組み入れられているので、主制御部140から送られた態様コマンドに基づいて、特別図柄表示装置16の表示画面上に特別図柄が指定された態様にて表示されるとき、特別図柄制御部160が自発的に、特別図柄の表示に同期してランプの点灯動作や、音声出力動作の制御をも行うのである。したがって、送信側制御部たる主制御部140では、ランプ制御や音声制御に係る制御指令動作が全く不要となり、単に特別図柄の変動表示態様を特定した態様コマンドを送信すれば足り、また、受信側制御部においても、特別図柄の表示画面上における変動表示状態に同期したランプ表示、音声出力の制御がし易くなる。
遊技中に予め定められた始動条件が成立して当否判定を行い、仮に大当りである場合には、特別図柄表示領域28〜30内において各特別図柄を同一図柄に揃えて停止表示させ確定させる。この当否判定が大当り判定結果の場合には、次回の始動条件の成立による当否判定における当否確率を遊技者に有利な確率、すなわち高確率に変動させる確変当りと、低確率状態の通常時の当りとに大別される。確変当りの確定表示形態としては、一般的に各特別図柄を左図柄、右図柄、中図柄の順序で奇数番号による同一図柄、例えば「7、7、7」に揃えて確定表示させる。また、通常時の当りの確定表示形態としては、一般的に各特別図柄を左図柄、右図柄、中図柄の順序で偶数番号による同一図柄、例えば「4、4、4」に揃えて確定表示させる。
上述のように特別図柄が確定表示される前に、特別図柄は特別図柄表示領域28〜30において、例えば、左図柄及び右図柄を下から上方向へ、中図柄を上から下方向へスクロール変動されることになる。そして、特別図柄確定コマンドによって確定図柄が表示される前段階において仮確定図柄が固定表示される。この固定表示される状態とは、遊技者からみて図柄が完全に保持・停止された状態であっても、また、別の特別図柄に変動するのでなければ、ゆれ変動等の動きを伴った状態であってもよい。
この仮確定図柄は過去に停止表示した停止図柄(すなわち仮確定図柄あるいは本確定図柄のいずれをも含み、停止図柄として固定表示されたもの)の制御実績によって決定され、例えば、これら停止図柄の種別に基づいて演算処理され、算出決定されている。そして、これらの演算処理は送信側制御部である主制御部140側によって演算処理されるのではなく、受信側制御部である特別図柄制御部160側において過去に停止表示した停止図柄の種別を記憶し、それに基づいて受信制御部側において演算処理され、仮確定図柄が算出決定されている。この仮確定図柄を決定するに際し、その前回以前に使用された停止図柄を、当該仮確定図柄を構成するための情報として使用し、当該仮確定図柄の生成手段とする。
具体的には、特別図柄の変動表示が開始される以前に、遊技中に予め定められた始動条件が成立して当否判定に基づいて大当り判定となっていた場合には、その過去において停止表示されていた停止図柄のうちの任意の図柄、例えば、前回以前に使用された停止図柄のうち仮確定図柄の種別を数値パラメータにより記憶し、その数値パラメータを用いて一定の計算式に基づき、次回の図柄の確定の数値パラメータを算出決定する。すなわち、特別図柄制御部160のRAM162内の領域に記憶されている過去に停止図柄の任意の図柄、例えば前回と前々回の右図柄の数値パラメータを読み出し、そして、読み出されたこれら数値パラメータに基づいて図柄を決定するための演算処理を行い、さらに、この演算結果に対応する図柄を設定表示する。この方法を採用することにより、特別図柄表示装置16の表示画面上に表示される仮確定図柄が一定の規則性に基づいて決定されることになる。
図28は、仮確定図柄を決定する概略の流れを示すものであり、始動入賞に伴う当否判定の結果において大当りであれば、S700でその大当りの3桁同一番号で揃わせる停止図柄が特定図柄であるか否かを判断する。すなわち、大当りである停止図柄が例えば、偶数番号を3桁同一に揃わせる通常当りか、奇数番号を3桁同一に揃わせる確変当りか否かを判断する。停止図柄が通常当り(S700:NO)であれば、S710において停止図柄が再抽選であるか否かを判断する。例えば、いわゆる全回転リーチで大当りの場合以外であれば、再抽選(S710:YES)となり、S720に進む。そして、前回の右図柄の停止図柄と前々回の右図柄の停止図柄により仮確定図柄を決定する。
上述の仮確定図柄の決定方法を採用することにより、規則性を持ちつつ、仮確定図柄がランダムに決定しているように見せることが可能となる。次に、上述の決定方法に基づいた仮確定図柄を求める計算式を、図29に示す仮確定図柄決定ジョブを参照して説明する。なお、このジョブで使用する各種メモリは、図5に示すRAM162に格納され、代表的なもの(162a、162b)を図30に示す。
まず、S800において、判定結果メモリ142i(図8参照)から図7で得られた各入賞に対する判定結果を読み出す。そして、S810に進んで判定結果が大当りであるか否かを判断し、大当りであれば(S810:YES)、S820において停止図柄が再抽選であるか否かを判断する。すなわち、図30に示すように、特別図柄制御部160のRAM162に格納された前回の右図柄の停止図柄メモリ162aと前々回の右図柄の停止図柄メモリ162bとに停止図柄が記憶されているか否かを確認する。記憶されていれば、S830において前々回の右図柄の停止図柄メモリ162bから停止図柄を読み出し、S840において前回の右図柄の停止図柄メモリ162aから停止図柄を読み出す。そして、S850において、前回の右図柄の停止図柄を前々回の右図柄の停止図柄メモリに記憶させる。
S860に進んで、A=前々回の右図柄の停止図柄−前回の右図柄の停止図柄の計算を実行させる。そして、S870において計算結果Aが1以上であれば(S870:NO)、S890にスキップして計算結果Aを用いる。また、計算結果Aが0以下ならば(S870:YES)、S880に進み、Aに大当り図柄数、例えば3桁同一の大当り番号「1、1、1」〜「9、9、9」の9通りのうち、確変当りである奇数番号の図柄「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の任意の図柄数、例えばリミット値である9を加算してBを求める。
そして、S890においてA又はBが奇数であるか否かを判断して偶数であれば(S890:NO)、S910にスキップし、奇数であれば(S890:YES)、S900においてA又はBに1を加算する。すなわち、奇数番号を3桁同一に揃わせる場合には確変当り図柄となるのであるが、仮確定表示した停止図柄が通常当り図柄であれば、仮確定表示後に再変動して確変当り図柄が確定表示されるとき、遊技者にとっては通常当りから確変当りという意外性が加わってゲームに対しての興趣を高めることになるからである。
S910に進んで、計算結果A又はB、あるいはA+1又はB+1が10以上であるか否かを判断し、10以上であれば(S910:YES)、S920において停止図柄を「2」とし、一方、計算結果が10未満であれば(S910:NO)、S930にスキップする。そして、S930において3桁同一番号の仮確定図柄を表示する。すなわち、S920で得た「2」あるいはS910の計算結果である10未満の数値を、3桁同一番号として表示する。S940において、S930で表示した仮確定図柄の右図柄を前回の右図柄の停止図柄メモリ162a(図30参照)に記憶させる。
次に、具体的な数値に基づいて上述の計算式を考察する。
前々回の右図柄の停止図柄を「3」、前回の右図柄の停止図柄を「7」、大当り図柄数を奇数番号の図柄「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のうちリミット値である「9」とする。この条件値より仮確定図柄を求める。
(1)A=3(前々回の右図柄の停止図柄)−7(前回の右図柄の停止図柄)=−4
(2)計算結果Aが0以下なので、大当り図柄数のリミット値である「9」を加算する。
B=−4(A)+9(大当り図柄数のリミット値)=5
(3)計算結果Bが奇数なので1を加算する。5(B)+1=6
したがって、仮確定図柄は「6、6、6」となる。
なお、仮確定図柄は、前回以前に使用された停止図柄を構成する特別図柄を情報として生成されるものである。したがって、仮確定図柄を決定するための情報は、上述の計算式の一例のように、前々回及び前回の右図柄の停止図柄に限られるものではなく、過去において使用された停止図柄のいずれでもよい。また、採用された停止図柄の数値パラメータに基づいた計算方法は、上記計算式に限定されるものでなく、得られた数値パラメータに対する加減乗除は任意である。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にもおよび、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。