JP4643850B2 - 洗浄用泡立て具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に洗顔用洗浄剤等を簡単にクリーミーに泡立てられ、生成した泡を容易にまとめることの出来る、洗浄用泡立て具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
洗顔用石鹸や洗顔フォームを水又は温湯と共に含浸させ、手指で揉むことにより容易にきめ細かな泡を得ることができる器具として、スポンジ塊あるいはネットを幾重かに重ねたボール状の片手で泡立てるタイプのもの、あるいはネットを袋状にした両手で擦り合わせ泡立てるタイプの物等が知られている。しかし、片手で器具を揉み泡立てるタイプのものは、生成した泡を反対の手で何度も掬い取らなければならず面倒であり、さらに最初に掬い取った泡は洗顔剤の濃い泡であるために、全体の生成泡量が減少してしまう傾向があった。また、両手で泡立てるタイプの物は、両手の平で泡立て具を挟んで擦り合せて泡立てるため、泡立ての最中には生成した泡をまとまった状態で保持しておくことが出来ず、泡が手の横や甲の部分に広がったり、手からこぼれ落ちたりしてしまった。つまりこれらの物はどれも、泡をまとめる作業に手間がかかり、それが煩わしく感じられ、また泡量も減少してしまうという問題を持っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術の有する問題に鑑み、簡単にきめ細かな泡を作ることができ、更に出来た泡を無駄無く容易にまとめることのできる泡立て具を提供することを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、前記課題を解決する為に泡立て具の形態を、ネット部分に掌握棒部が固着し、掌握棒とは反対側のネット部分には絞り部を設け、ネット部分は2重、かつ外ネット部材が内ネット部材を内包する袋状とし、二つのネットの間には洗顔に使用するのに必要な量の泡を保持することの出来る程度の空間を存在させた構成とした。
【0005】
本発明の泡立て具の使用方法としては、例えば洗顔用石鹸や洗顔フォームを水又は温湯と共に含浸させ、前記絞り部分を一方の指間に挟み、もう一方の手で掌握棒部を持ち内ネット部材を擦りあわせるように動かすことで泡立てるのだが、掌握棒があることで上下左右、回転など自由自在にネット部を動かして、ネット同士を楽に擦り合せることが出来、更に掌握棒を持った方の手は、泡まみれになることなく簡単にきめ細かな泡を泡立てる事が出来た。
【0006】
更に、内外ネット部材間に袋状空間が存在する為に、生成した泡がその空間に溜まり、泡が広がることも飛び散ることもなく泡立てることが出来、例えばそれを親指と人差し指を用いて搾り取ることで容易に無駄無くきめ細かなまとまった泡を得ることが出来た。
【0007】
請求項2の発明では、外ネット部材糸間の組織間隙が、0.05〜2.0ミリメートル程度の柔軟性に優れた布帛にしたことで、泡立て時に生成した泡が内外ネット部材間の空間に貯溜し易くすることが出来、更に組織間隙を小さくするほどよりきめ細かな泡を得る事が出来た。また内ネット部材を、水を含浸させて揉んだときに元の形状に戻る事の出来る程度の弾力性と固さを有する物にしたことで、ネット同士を擦りあわせることがより容易になり、空気も入り易くなった為、泡立ちが早く、泡の生成量もより増加させることが出来た。
【0008】
請求項3の発明では、内外ネット部材間又は内ネット部材が袋状の場合その内部に、ネット又はスポンジを有する構成にした為、泡の通り抜ける間隙が多くなり、ネット同士もより擦れやすく、含浸性も増した為、より泡立ちが早く、生成する泡を増加させることが出来た。また、ネットやスポンジを入れることで、泡立て具全体の形状も保ちやすくなり、弾力性も増す為、使用性が良くなり、より泡立て易くなった。
【0009】
【発明の形態の実施】
図1は、請求項1乃至請求項2の各発明を併せた実施例1であり、図2は図1に示される泡立て具のA−A線断面図である。
【0010】
図1、図2に示される本発明に係る泡立て具1は、ネット部材2、3と、掌握棒4、掌握棒の固着部5、及び絞り部6を形成する絞り部材7からなり、8は生成した泡が保持される空間である。
【0011】
本発明に用いられるネット部材2、3は、ナイロン、ポリエステル等に代表される化学繊維及び天然繊維のいずれを用いても良く、また生地の織り方に限定されることはない。
【0012】
本発明に用いられる外ネット部材2の糸間組織間隙は、特に限定されないが、0.05〜2.0ミリメートルが好ましい。この範囲において、より泡立ちやすく、生成した泡を内外ネット部材間の空間8に貯留しやすく、かつ生成した泡を搾り取りやすい。又外ネット部材の糸間組織間隙が小さいほど、通過時に泡がより小さく分散され、よりきめ細かな泡を得る事が出来る。0.05ミリメートル以下では生成した泡が通り抜け難く、空気も入り難いため泡立ちも悪い事がある。また2.0ミリメートル以上では、生成した泡を包み止めておくことが難しい場合もある。
【0013】
本発明に用いられる内ネット部材3は、糸間組織間隙においては特に限定されず、任意のものを選定することが出来るが、請求項2に示したように水を含浸させて揉んだときに元の形状に戻ることの出来る程度の固さと弾力性を有しているものが、より泡立て易くなる為好ましい。また内ネット部材3の形状は特に限定されず、例えば帯状、袋状、ひだ付き袋状、帯状のものが束ねられた形状のもの等を用いることが出来る。
【0014】
本発明における掌握棒4は、プラスチック等の合成樹脂、金属、木、ガラス、ゴム等、任意の材質を選定することができ、形状、大きさ、構造のいずれも握ることが出来れば限定されること無く任意のものを選定することができる。また掌握棒4の固着部5の固着方法も特に限定されず、糸又はゴムで縛ったり、合成樹脂や接着剤等で接着したり、熱融着等により固着したりすることが出来る。
【0015】
本発明における絞り部6は、図1に示したように絞り部材7を用いて形成しても良いし、例えば糸等で縫ったり縛ったりするだけでも、熱融着によって形成しても良い。絞り部材7の材質は限定されることなく、プラスチック等の合成樹脂、金属、木、ガラス、ゴム、糸等、任意の材質を選定することができ、形状、大きさ構造のいずれにおいても限定されること無く任意のものを選定することが出来る。絞り留める方法も縛る、縫う、挟む、結ぶ、捻じる、摘まむ、固める、熱融着する等限定されること無く任意のものを選定することが出来る。
【0016】
本発明における内外ネット部材間の空間8は、洗顔時に必要な量の泡を保持することが出来る広さであれば特に限定されないが、好ましくは20〜500立方センチメートル程度であることが望ましい。20立方センチメートル以下では空間が小さすぎて、生成した泡が収まりきらない。500立方センチメートル以上では空間が大きすぎて使用性がよくない場合がある。
【0017】
本発明における泡立て具の形態は特に限定されない。図1に示されるように、実施例1に係る泡立て具は、ネット部が略球状のものに形成されているが、図3に示す実施例2のようにネット部が略円錐状であっても良い。また大きさも限定されないが、例えば図1に示されるような略球状の場合は、好ましくはネット部の直径を、5センチメートル〜20センチメートル程度にするのが望ましい。
【0018】
図1に示される実施例1に係る泡立て具1の使用例を示す。
図5、図6は実施例1に係る泡立て具の好適な使用状態を示した図である。
まず、ネット部を水又は温湯で浸し、石鹸または洗顔フォームをつける。洗浄剤の付いたネット部を2、3回もんだ後、図5に示されるように、掌握棒4を持ち、もう一方の手で絞り部6を親指と人差し指の付け根付近ではさむように持ち、ネット部を十分に擦る。この動作によりきめ細かな泡が素早く立ち、内外ネット部材間の空間8に泡が溜まる。そして図6に示されるように、絞り部6を持っていた方の手の親指と人差し指を用いて泡を搾り取ることで、まとまった泡が容易に手の平上に得る事が出来る。
【0019】
次に請求項3に係る実施例2について説明する。
図3は本発明の実施例2に係る泡立て具9の側面図であり、図4は図3に示される泡立てネットのB−B線断面図である。
【0020】
図3、図4に示される、スポンジ10及び、ネット部材11は請求項3に示される物であり、これらが存在することで含浸性が増し、泡の通る間隙も増すため、泡立ちが早く、生成する泡も増加することが出来る。これらのスポンジ10及び、ネット部材11においても材質、形状、大きさにおいて特に限定されない。
【0021】
図3に示される実施例の泡立て具9も、実施例1の泡立て具1と同様の方法にて用いることが出来る。
【0022】
【発明の効果】
請求項1の発明によると、きめ細かな泡が、広がったり、飛散したりすること無く素早く簡単にまとまった状態で泡を得ることが出来る。
【0023】
請求項2の発明によると、生成した泡が泡立て具内により保持され易く、ネット同士をより擦り易くなる効果を奏する。
【0024】
請求項3の発明によると、よりネット同士が擦れ易く、含浸性も増し、泡立ちを早く、泡量を増加させる効果を奏する。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の側面図である。
【図2】 図1に示すもののネット部A―A断面図である。
【図3】 実施例2の側面図である。
【図4】 図3に示すもののネット部B―B断面図である。
【図5】 実施例1の使用例である。
【図6】 実施例1の使用例である。
【符号の説明】
1 実施例1の泡立て具
2 外ネット部材
3 内ネット部材
4 掌握棒
5 固着部
6 絞り部
7 絞り部材
8 空間
9 実施例2の泡立て具
10 スポンジ
11 ネット部材
Claims (3)
- ネット部材と、該ネット部材に固着した掌握棒部からなる洗浄用泡立て具であって、ネット部材が2重で、外ネット部材が内ネット部材を内包し、掌握棒の固着部と反対側のネット部材には絞り部分があり、二つのネットの間には洗顔に使用するのに必要な量の泡を保持することの出来る程度の空間を有することを特徴とした洗顔用泡立て具。
- 外ネット部材糸間の組織間隙が0.05〜2.0ミリメートル程度の柔軟性に優れた布帛であり、内ネット部材の固さと弾力性が、水を含浸させて揉んだときに元の形状に戻る事の出来る程度であることを特徴とした請求項1の洗顔用泡立て具。
- 内外ネット部材間又は内ネット部が袋状の場合その内部に、ネット又はスポンジを有することを特徴とした請求項1又は請求項2の洗顔用泡立て具。
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