JP4643790B2 - カーボンブラックの製造装置および製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーボンブラックを工業的に効率よく生産することができる技術、特に、高いストラクチャーを有するとともに狭い凝集体分布をもつカーボンブラックを経済的に生産できる製造装置および製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
カーボンブラックは、厳密に制御された条件下のファーネス炉内で発生させたおよび/または外部で発生させて炉内に導入された高温燃焼ガス中へ原料炭化水素を導入し、この原料炭化水素の熱分解または不完全燃焼により生産される、産業上有用な原材料であり、ゴム配合時の組成物に対して機械的性質、特に引張り強さ、耐摩耗性などの特性を飛躍的に向上させることができるという特異な性質を有することから、タイヤをはじめとする各種ゴム製品の充填補強剤として広く用いられるとともに、その色彩的特徴である黒色度を利用して各種塗料、インキ用原材料などとしても利用されている。
【0003】
ゴム配合用カーボンブラックは、その物理化学的特性すなわちカーボンブラックを構成する単位粒子径、単位重量当たりの表面積(比表面積)、粒子のつながり度合(ストラクチャー)、凝集体の分布などにより配合ゴム組成物の性能に大きな影響を与えるので、要求されるゴム組成物によって各種特性の異なるカーボンブラックが選択的に利用されている。特に、高い比表面積と、高いストラクチャー及び狭い凝集体分布を持つカーボンブラックはタイヤトレッドの耐摩耗性、路面とのグリップ性などを向上させることができるという利点を有するために、効率良く前述の特性を具備するカーボンブラックを製造することが重要となる。
【0004】
この技術的課題を解決するために開発・検討されている先行技術の重要ポイントとしては、次の2点に集約される。
(A)高温かつ高速燃焼ガス流中との接触効率を上げた状態で原料炭化水素を導入する。
(B)原料炭化水素を均一かつ微細な液滴として燃焼ガス流に導入する。
【0005】
第1の技術思想を具現化するものとしては、(i)製造炉の狭小スロート部に原料炭化水素を炉軸に対して直角方向から導入する技術(米国特許第2851337号公報)、(ii)製造炉の狭小スロート部の同一平面において原料炭化水素を周辺から放射状に、かつ炉内中心から炉壁方向に分割して導入する技術(米国特許第3922335号公報)、(iii)原料炭化水素導入断面が偶数多角形で形成され、噴霧パターンがこの断面と一致するように導入する技術(米国特許5256388号公報)などが提案されている。
【0006】
第2の技術思想を具現化するものとしては、(i)加圧式の単一流体バーナーあるいは二流体バーナーにより原料炭化水素を導入する技術(特公昭58−27826号公報、特開平1−230677号公報、特許第2835751号公報など)、(ii)セラミックス製原料混入ノズルを用い、かつ原料炭化水素の炉内噴射角度を炉内への侵入距離と炉内径により定められた条件に設定する技術(特開平5−78596号公報)、(iii)原料炭化水素を超音波振動により微小な液滴に霧化させ、キャリアーガスに同伴させながら炉内に導入する技術(特開平6−313123号公報)などが提案されている。
【0007】
一方、原料炭化水素を高速の高温燃焼ガス流中に導入する場合において、一般的に用いられる噴霧ノズルとしては次の方式が用いられている。
【0008】
(1)ソリッドジェット噴霧
従来凝集体分布を狭くするために用いられてきたが、導入形状が棒状であり、したがってたとえ複数個設置したとしても隣接する噴霧手段との間に原料炭化水素が存在しない空間が発生してしまう。このため高温燃焼ガス流との接触効率の低下を招来し、カーボン粒子のつながり、すなわちストラクチャーの発達を阻害したり、また収率を低下させるという結果をもたらす。この問題点を解決するために噴霧ノズルの設置本数を増加すると、ノズル1本当たりの導入量が低下し、このため炉内への貫通力は低くなる。したがって、炉壁周辺上の問題は解消される一方で、逆に炉内中心部に空間が発生し、やはり高温ガス流との接触効率の低下を招いてしまう。これに加え、ソリッドジェット噴霧では噴霧された液滴の粒径が大きく、熱分解あるいは不完全燃焼反応場へのすみやかな拡散が困難であるという欠点もある。
【0009】
(2)コーン型噴霧ノズル
これに対して、噴霧角度を大きくしたホロコーンあるいはフルコーンタイプのコーン型の噴霧ノズルの利用が特に高いストラクチャー特性が要求される場合に好まれている。このようなコーンタイプの噴霧装置を用いることにより原料炭化水素の微粒液滴と高温燃焼ガス流との接触効率を上げることが可能となるが、このコーンタイプの噴霧パターンは高温燃焼ガス流に垂直な面に対して広がりを有するとともに、高温燃焼ガス流の流れ方向、すなわち反応炉軸方向にも広がりを持っている。このため、同時に導入された原料炭化水素は反応炉軸上流側に導入される液滴と下流側に導入される液滴が存在し、カーボンブラック生成反応の反応場環境が不均一となり、このために前記のソリッドジェット噴霧の場合よりも凝集体分布が広くなるという結果をもたらす。さらに、コーンタイプの噴霧流は炉内空間への貫通力はソリッドジェット噴霧の場合よりもずっと小さく、炉内への侵入度も小さいために中心部に原料炭化水素液滴と高温ガス流とが接触しない空間が発生するという問題もあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、高い比表面積、ストラクチャーおよび凝集体分布の狭いカーボンブラックを得るという課題について詳細に検討し、高温で高速燃焼ガス中に接触効率良く、しかもガス流と噴霧液滴との接触における時間差を小さくする手段を考え、本発明を完成させたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、高温燃焼ガス流と原料炭化水素との接触効率を高めるとともに、カーボンブラック生成反応における反応場を均一化するために、フラットタイプの噴霧装置を用い、かつ原料導入噴霧角度を特定範囲とすることにより目的とする改善された凝集体分布特性を有し、かつ高い比表面積とストラクチャー特性をもつカーボンブラックを製造する方法及び製造装置を開発して本発明を完成させることに成功した。本発明のカーボンブラック製造装置は、本出願人の特許第2931117号発明の構成にかかる装置を基本とし、これを改良したものである。
【0012】
本発明の第一は、
(i)酸素含有ガス導入管3が接続された可燃性流体導入室2、
(ii)前記導入室と同軸的に設置されかつそれよりも径の小さい酸素含有ガス導入口4、
(iii)前記導入口外周に設けられた整流板5、
(iv)燃料炭化水素導入管およびこれを多層に囲む前記燃料炭化水素導入管よりも径の
大きい酸素含有ガス導入管よりなる多重管燃料導入装置7、
(v)上流端が前記導入室と接続しかつ下流側に向かって収れんする燃焼ガス収れん室8、
(vi)前記収れん室の下流部にあり、各平面(例えば9A〜9D)に複数の原料導入装置(例えば9B平面では9B−1〜9B−4)を備えた複数の平面から構成される原料導入室10、
(vii)前記原料導入室下流端に接し、かつ下流端よりも径の大きい反応室11、
(viii)前記反応室に連結し、複数の急冷水導入装置(例えばa〜h)を設置した反応継続兼急冷室12、
(ix)前記反応継続兼急冷室後端部に連結された煙道部13、
とからなる全体が耐火物で内張りされたカーボンブラック製造装置において、前記複数の原料導入装置の少なくとも一つが
(A)製造装置内での燃焼ガスの流れに垂直な面における原料導入噴霧角度αが20°よりも大きく120°よりも小さい角度を有し、
(B)製造装置内での燃焼ガスの流れ方向の原料導入噴霧角度βが15°以下であり、
かつ(C)前記角度βとαの比、β/αが0.5以下、好ましくは0.3以下である
という条件を満足した原料導入装置を備えたことを特徴とするカーボンブラック製造装置に関する。
【0013】
本発明の第二は、燃料炭化水素と酸素含有ガスとの燃焼により高温の燃焼ガス流を生成させる燃焼工程と、収れん帯域および/または狭径帯域で高温燃焼ガス流中に原料炭化水素を複数の箇所から導入する原料導入工程と、前記原料炭化水素を不完全燃焼および/または熱分解させてカーボンブラックを生成させるカーボンブラック生成工程と前記カーボンブラック含有生成物を急冷して反応を停止させる急冷反応停止工程からなるカーボンブラック製造工程において、少なくとも一個所での原料炭化水素導入噴霧パターンが
(A)製造装置内での燃焼ガスの流れに垂直な面における原料導入噴霧角度αが20°よりも大きく120°よりも小さい角度を有し、
(B)製造装置内での燃焼ガスの流れ方向への原料導入噴霧角度βが15°以下であり、かつ(C)前記角度βとαの比、β/αが0.5以下、好ましくは0.3以下である
という条件を満たすことを特徴とするカーボンブラックの製造方法に関する。
【0014】
次に、本発明の構成をカーボンブラック製造装置の一例を用いてより詳細に説明する。図1は本発明の実施に適切な装置の一例の縦断正面図であり、図2は多重管燃料導入装置の拡大断面図である。図3は図1のA−A矢視における断面図である。また、図4は複数の原料炭化水素導入装置のうちの本発明要件を満たす噴霧パターンの特徴を示しており、図4(a)および(b)は、本発明のカーボンブラック製造炉内における噴霧機構の噴霧パターンの予想模式図である。本発明の製造装置における原料導入点での高温燃焼ガス流の速度は通常0.2〜0.8マッハと非常に高速であり、このために角度を一義的に定めることは困難である。そこで本発明では被噴霧流体として水(21℃)を用い、噴霧圧力0.3MPaで空気中に噴霧し、このときの噴霧パターンの模式図が図4(c)である。この図4(c)のX−X線断面図が図4(d)であり、Y−Y線断面図が図4(e)である。図4(d)および図4(e)におけるそれぞれの角度が特許請求の範囲でいうαおよびβに相当し、αは20〜120°であり、βはαの半分以下の角度で、かつ15°以下であることが必要である。なお、これらの角度は前述の条件で噴霧されたパターンを撮影した写真から測定した。
【0015】
このような噴霧パターンを有するノズルは複数のノズルメーカーから入手することができ、例えばスプレーイング・システム・ジャパン(株)製のビージェット・スプレーノズル、(株)いけうち製の扇形ノズル、デラバン社製のフラットスプレーノズルなどが本発明の実施に好適に用いることができる。これらの種々のスプレーノズルはそのまま適用できる場合もあるが、多くの場合は噴霧パターンに大きな影響を与えない程度に改造(主に噴霧チップ頭部の一部切断)を行って使用する。前述の噴霧パターンを満たすノズルを原料導入装置の原料導入管(図示せず)の先端にセットし、所定の圧力で製造炉内に原料炭化水素を導入した。
【0016】
【実施例】
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0017】
可燃性流体導入室(内径450mmφ、長さ400mm)2の内部に炉頭部外周から導入された酸素含有ガスを整流するための整流板5を有する酸素含有ガス導入用円筒(内径250mmφ、長さ300mm)4とその中心軸にガイド6を介して燃料導入装置7を備え、前記円筒の下流側は次第に収れんする収れん室(上流端内部370mmφ、下流端内部80mmφ、収れん角度5.3°)8となり、かつ収れん室8の下流側には9B平面で例示する図3に示した原料導入装置9B−1〜9B−4を備えた4つの別個の平面(9A〜9D)から構成される原料導入室10を有し、この下流側は反応室11および反応停止用急冷水導入装置(a〜h)を備えた反応継続兼冷却室(内径140mmφ、長さ2000mm)12からなる、全体が耐火物で覆われた製造装置を用いて、以下の実施例および比較例を実施した。
【0018】
燃料には比重0.8622(15℃/4℃)のA重油を用い、原料油としては表1に示した性状の重質油を使用した。
【0019】
【表1】
【0020】
<製造条件>
表2は本発明の一例である実施例1〜4の製造条件を、表3は比較例1〜4の製造条件を示したものであり、実施例1〜4では原料導入装置の全てで本発明要件を満たすものを用いている。要求されるカーボンブラック特性により使用する原料導入装置を適宜組み合わせて使用することができることはいうまでもない。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
表4および表5は、前記表2および表3の条件で製造された各実施例および比較例のカーボンブラックの物理化学的特性を示した表である。
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
上記の各製造例の物理化学的特性は、下記の方法により測定される。
【0027】
(1)CTAB吸着比表面積(CTAB)
JIS K6217:1997の6項に記載の方法により測定され、単位重量当たりの比表面積m2/gで表示される。
【0028】
(2)24M4DBP吸収量
JIS K6217:1997の10項に記載の方法で測定され、カーボンブラック100g当たりに吸収されるジブチルフタレート(DBP)のmlで表示される。
【0029】
(3)遠心沈降分析によるカーボンブラックアグリゲートサイズの分析法
【0030】
<測定装置>
高速ディスク遠心法超微粒子粒度分析計(測定装置名:BI−DCP、BROOKHAVEN INSTRUMENTS CORPORATION社製)を用いた。
【0031】
<測定方法>
JIS K 6218 に基づいて乾燥したカーボンブラック試料を少量の界面活性剤(ノニデットP−40)を加え、よく練ってペースト状にしたのち、20容量%エタノール水溶液と混合し、カーボンブラック濃度200mg/lの分散液を作成し、超音波ホモジナイザーで十分に分散させ試料とした。装置の回転数を8,000rpmに設定し、スピン液(純水、24℃)を10.0ml加えたのち、1.0mlのバッファー液(20容量%エタノール水溶液、24℃)を注入する。次いで24℃のカーボンブラック分散液0.5mlを注入し測定を開始する。カーボンブラック分散液を加えてからの経過時間と吸光度の分布曲線より各時間tに対応するストークス相当径Dstを式(1)により算出する。
【数1】
D={〔18ηln(Rd/Ri)〕÷ω2Δρt}1/2 ……(1)
式(1)において、ηは溶媒の粘度(mPa・S)、ωはディスク回転数(rpm)、Δρはカーボンブラック粒子と溶媒の密度差(g/cm3)、Riはカーボンブラック分散液注入点の半径(cm)、Rdは吸光度測定点までの半径(cm)、tは時間(分)である。なお、前記分散液注入点の半径と吸光度測定点までの半径という言葉について以下に説明する。この測定装置は高速で回転しているので、注入液体は装置容器の外側から満たされる。そこで分散液を注入したときの液の広がり面の半径が、分散液注入点の半径Riとなる。また、遠心力によりスピン液中でアグリゲートが沈降してゆくが、所定時間経過後の沈殿物濃度を測定する点と回転中心点との間の距離を吸光度測定点までの半径Rdとするものであり、具体的には特開平8−169983号公報記載のものと同様である。
【0032】
<モード径(Dst)および分布曲線の半値幅(ΔD50)の定義>
分布曲線における最多頻度値でのストークス相当径をDstモード径(nm)とし、最多頻度値の50%頻度に相当する大小2点のストークス相当径の差を半値幅(ΔD50)(nm)とする。
【0033】
【発明の効果】
実施例1〜4および比較例1〜4により製造されたファーネスカーボンブラックの物理化学的特性を示した表4および5の数値から、本発明の効果を説明する。ストラクチャーや凝集体分布は原料導入位置によって変わるが、フラットタイプの噴霧装置を用いて原料油を噴霧し導入した実施例では、従来型の噴霧装置を用いて原料油噴霧し導入した比較例に比べて、同じ導入位置ではストラクチャーが高く、凝集体分布も狭くなっている。例えば導入位置9A面を使用した実施例1とソリッドジェットを使用した比較例1を比較すると、凝集体分布の半値幅ΔD50は8ポイント小さくり、24M4DBP吸収量では約8ポイント高くなっている。また実施例1とフルコーンタイプを使用した比較例4と比べると、ストラクチャーは2ポイント高くなり、半値幅ΔD50は12ポイントも小さくなっている。その他の導入位置についても同様で、この発明による効果は明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施に適切な装置の一例の縦断正面図である。
【図2】図2は多重管燃料導入装置の拡大断面図である。
【図3】図3は図1のA−A矢視における断面図である。
【図4】図4(a)および(b)は、本発明のカーボンブラック製造炉内における噴霧機構の噴霧パターンの予想模式図であり、図4(c)はその噴霧パターンの模式図であり、図4(d)は反応炉長軸に垂直な面(X−X線断面)における噴霧パターンの原料導入噴霧角度αを示し、図4(e)は反応炉長軸方向(Y−Y線断面)での噴霧パターンの原料導入噴霧角度βを示す図である。
【符号の説明】
1 カーボンブラック製造装置
2 可燃性流体導入室
3 酸素含有ガス導入管
4 酸素含有ガス導入口
5 整流板
6 燃料導入管
7 多重管燃料導入装置
8 収れん室
9A〜9D 原料導入平面
9B−1〜9B−4 原料導入装置
10 原料油導入室
11 反応室
12 反応継続兼急冷室
13 煙道部
71 燃料油噴霧チップ
72 燃料油導入管
73〜76 酸素含有ガス導入管
a〜h 急冷水導入装置
Claims (3)
- (i)酸素含有ガス導入管が接続された可燃性流体導入室、
(ii)前記導入室と同軸的に設置されかつそれよりも径の小さい酸素含有ガス導入口、
(iii)前記導入口外周に設けられた整流板、
(iv)燃料炭化水素導入管およびこれを多層に囲む前記燃料炭化水素導入管よりも径の大きい酸素含有ガス導入管よりなる多重管燃料導入装置、
(v)上流端が前記導入室と接続しかつ下流側に向かって収れんする燃焼ガス収れん室、
(vi)前記収れん室の下流部にあり、各平面に複数の原料導入装置を備えた複数の平面から構成される原料導入室、
(vii)前記原料導入室下流端に接し、かつ下流端よりも径の大きい反応室、
(viii)前記反応室に連結し、複数の急冷水導入装置を設置した反応継続兼急冷室、
(ix)前記反応継続兼急冷室後端部に連結された煙道部、
とからなる全体が耐火物で内張りされたカーボンブラック製造装置において、前記複数の原料導入装置の少なくとも一つが
(A)製造装置内での燃焼ガスの流れに垂直な面における原料導入噴霧角度αが20°よりも大きく120°よりも小さい角度を有し、
(B)製造装置内での燃焼ガスの流れ方向への原料導入噴霧角度βが15°以下であり、かつ(C)前記角度βとαの比、β/αが0.5以下である
という条件を満した原料導入装置を備えたことを特徴とするカーボンブラック製造装置。 - 前記β/αが0.3以下である請求項1記載のカーボンブラック製造装置。
- 燃料炭化水素と酸素含有ガスとの燃焼により高温の燃焼ガス流を生成させる燃焼工程と、収れん帯域および/または狭径帯域で高温燃焼ガス流中に原料炭化水素を複数の箇所から導入する原料導入工程と、前記原料炭化水素を不完全燃焼および/または熱分解させてカーボンブラックを生成させるカーボンブラック生成工程と前記カーボンブラック含有生成物を急冷して反応を停止させる急冷反応停止工程からなるカーボンブラック製造工程において、少なくとも一個所での原料炭化水素導入噴霧パターンが
(A)製造装置内での燃焼ガスの流れに垂直な面における原料導入噴霧角度αが20°よりも大きく120°よりも小さい角度を有し、
(B)製造装置内での燃焼ガスの流れ方向への原料導入噴霧角度βが15°以下であり、かつ(C)前記角度βとαの比、β/αが0.5以下である
という条件を満たすことを特徴とするカーボンブラックの製造方法。
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