JP4643641B2 - 高水溶性薬物を送達するための組成物 - Google Patents

高水溶性薬物を送達するための組成物 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明はビンカアルカロイドなどの高水溶性薬物を送達するためのエマルジョン組成物に関する。
関連技術の説明
より効果的で安全な癌治療剤の開発の長年にわたる研究にもかかわらず、制癌剤は依然として患者にとって極めて毒性が強い。化学療法剤などの制癌剤と関連する一般的な全身毒性には、骨髄抑制、無力症、末梢神経障害、呼吸困難、脱毛症などが含まれる。さらに悪いことに、静脈内に注射された多くの制癌剤は注射部位における局所反応を引き起こし、静脈過敏、疼痛、組織壊死、および/または血栓性静脈炎をもたらす可能性がある。化学療法剤に対する注射部位反応の結果には、極度の疼痛、薬物治療の早期中止、治癒が困難な創傷、瘢痕、恒久的な組織損傷、および、最悪の場合には、切断が含まれることがある。
「ビンカアルカロイド」と総称される、ニチニチソウ植物(ニチニチソウ(Vinca rosea))から単離されるアルカロイドおよびその誘導体は、多くの種類のリンパ腫、白血病、およびその他の癌に対する初回療法として効果的であることが証明されている。ビンクリスチンおよびビンブラスチンは、ビンドリンと結合したカサランチン部分から成り、および構造はビンドリン基における置換が1つだけ異なる。ビンブラスチンのデスアセチルカルボキシアミド誘導体であるビンデシンは、後に合成された。その後、新規の合成アプローチを用いて、酒石酸塩として、すなわち、重酒石酸ビノレルビンまたは酒石酸ビノレルビンとして一般に入手可能なビノレルビンを含む、9員のカサランチン環ではなく8員のカサランチン環の存在によって自然化合物とは異なる化合物が生成された。
ビンカアルカロイドは、微小管を破壊し、細胞分裂を阻害し、およびアポトーシスを誘導する非常に細胞毒性のある薬物である。特定の理論に束縛されることを望まないが、微小管のタンパク質サブユニットであるチューブリンと結合することによって、ビンカアルカロイドはその細胞毒性効果を発揮すると考えられている。
ビンクリスチン、ビンブラスチン、およびビノレルビンは、この薬物ファミリーの中で最も公知のメンバーであり、臨床的に広く用いられている。類似の構造および作用機序を有するにもかかわらず、ビンカアルカロイドは抗腫瘍作用および毒性の点で異なる。例えば、ビンクリスチンは主として血液癌を治療するために用いられ、神経毒性は用量制限的である。対照的に、ビノレルビンは乳癌および非小細胞肺癌を治療するための単一薬剤としての使用が認められており、およびその注射部位反応は全てのビンカアルカロイド薬物の中で最も重篤である。
全てのビンカアルカロイド薬物は注射部位における有害反応と関連があることがよく知られている。例えば、米国で認可されている現在のビノレルビン製品(NAVELBINE(登録商標))は、注射部位におけるその重篤な反応のために、「ブラックボックス」警告が表示されている。
NAVELBINE(登録商標)は、注射部位の疼痛および静脈炎を特徴とする、注射部位における局所反応の高い発生率(51%〜61%)と関連があると報告されている。NAVELBINE(登録商標)の注射部位反応または血管外遊出は重篤である可能性があり、かなりの疼痛、過敏症、および組織壊死から血栓性静脈炎に及ぶ(GlaxoSmithKlineによるNAVELBINE(登録商標)の製品情報)。
NAVELBINE(登録商標)(酒石酸ビノレルビン)は静脈内投与用の簡便な溶液製剤である。各バイアルには、10mg(1mLバイアル)または50mg(5mLバイアル)のビノレルビンに相当する酒石酸ビノレルビンが、pH 3.5の注射用水に含まれている。
Rittenbergは、NAVELBINE(登録商標)に起因する静脈過敏または静脈炎の事象後の看護および管理について報告した(Oncol. Nurs. Forum 22: 707-10, 1995(非特許文献1))。Mareはディフィブロタイドもしくはケトロラックなどの抗炎症薬を同時投与することによって、または、ボーラス注入から緩徐な注入へと注入スケジュールを変更することによって、NAVELBINE(登録商標)の静脈毒性を予防する方法を報告した(Support Care Cancer 11: 593-6, 2003(非特許文献2))。しかし、ビノレルビンまたはその他のビンカアルカロイドの注射部位毒性の問題は、薬物製剤のアプローチから適切に取り組まれてきたことがなく、ビンカアルカロイド製品は依然として最も静脈毒性の強い薬物である。
水中油型エマルジョン製剤は、刺激を与える薬物の注射部位における静脈毒性を制御し、NAVELBINE(登録商標)によって使用されている製剤のような従来の溶液製剤に優る利点を提供する可能性がある。例えば、溶液製剤のエリスロマイシンまたはクラリスロマイシンの筋肉内注射または静脈内注射は注射部位における重篤な疼痛を引き起こし、エリスロマイシンまたはクラリスロマイシンの脂肪エマルジョン(水中油型)は局所的に刺激を与えない(国際公開公報第90/14094号(特許文献1))。しかし、水中油型エマルジョン製剤は、プロポフォール、ジアゼパン、エリスロマイシン、またはクラリスロマイシンなどのような親油性薬物のみに典型的に適用される。Desai(米国特許第4,816,247号(特許文献2))は水難溶性のイオン性疎水性薬物を投与するためのエマルジョン組成物を開示した。
特定の理論に束縛されることを望まないが、水中油型エマルジョンでは親油性薬物が油相に選択的に溶け、それゆえに油滴でコーティングされ、および/または油滴に封入され、したがって薬物分子が高濃度で静脈の内皮組織と直接的に接触することを妨げられ、したがって薬物の静脈毒性を軽減すると考えられている。
しかし、ビンカアルカロイド薬物のような高水溶性薬物が従来のエマルジョン油滴中では十分に分離しないので、刺激を与える薬物の静脈毒性の予防におけるエマルジョンの有用性は、今までのところ、親油性の(または疎水性の)薬物のみに限られている。例えば、重酒石酸塩の形態のビノレルビンは水に非常によく溶解し、水溶解度は蒸留水中で>1000mg/mLである。
したがって、当技術分野において、高水溶性薬物を送達するためのエマルジョン組成物を開発する必要性が依然として存在する。本発明はそのような必要性を満たし、その他の関連する利点を提供する。
国際公開公報第90/14094号 米国特許第4,816,247号 Oncol. Nurs. Forum 22: 707-10, 1995 Support Care Cancer 11: 593-6, 2003
発明の概要
本発明は、高水溶性薬物を送達するための組成物、およびそのような組成物の使用方法を提供する。
1つの局面において、本発明は、組成物が油相および水相を有するエマルジョンである、ならびに薬物が実質的に油相中にある、トリグリセリド油、乳化剤、安定剤、および水を含む、高水溶性薬物を送達するためのエマルジョン組成物を提供する。
ある態様において、高水溶性薬物は、エマルジョンがなければ、静脈毒性がある、および/または弱塩基性である。ある態様において、薬物は、ドーパミン、シプロフロキサシン、バンコマイシン、ノルバンコマイシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ビンカアルカロイド(例えば、ビノレルビン)、および薬学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される。
ある態様において、トリグリセリド油は、長鎖脂肪酸を有するトリグリセリド、中鎖脂肪酸を有するトリグリセリド、またはそれらの混合物である。
ある態様において、乳化剤は、卵レシチン、大豆レシチン、合成リン脂質、またはそれらの混合物である。
ある態様において、安定剤は、脂肪酸(例えば、オレイン酸)、リボフラビン-5-リン酸、コハク酸ビタミン-E、硫酸コレステロール、またはそれらの混合物である。
ある態様において、薬物は、少なくとも30、50、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、もしくは1000mg/ml、または30、50、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、もしくは1000mg/mlを超える、水溶解度を有する。
ある態様において、薬物 対 安定剤の電荷比は、1:1〜1:10の範囲内にある。ある態様において、薬物 対 安定剤の電荷比は、1:1〜1:5、1:1〜1:2、または1:1〜1:1.1の範囲内にある。
ある態様において、80%、85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%もの薬物が、エマルジョンの油相中に存在する。
ある態様において、エマルジョン組成物中の薬物は、約1〜約50mg/mlの濃度範囲にある。ある態様において、エマルジョン中の薬物の濃度は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、または50mg/mlである。
別の局面において、本発明は、本明細書において記載されるエマルジョンをフリーズドライすることによって調製した固体中油型分散を含む、高水溶性で、静脈毒性があり、かつ弱塩基性である薬物を送達するための組成物を提供する。
別の局面において、本発明は、高水溶性で、静脈毒性があり、かつ弱塩基性である薬物の凍結乾燥製剤であって、水和した際本明細書において記載されるエマルジョンを生成する製剤を提供する。
ある態様において、凍結乾燥製剤が液体媒質中で戻されて粒子を提供する場合、この粒子は凍結乾燥前の粒子と比較して1倍未満だけサイズを増す。
別の局面において、本発明は、組成物中の薬物がビンカアルカロイド(例えば、重酒石酸ビノレルビン)である、本明細書において記載される組成物を、治療を必要とする患者に投与する段階を含む、癌を治療するための方法を提供する。ある態様において、組成物は静脈内に投与される。ある別の態様において、組成物は筋肉内または動脈内に投与される。
発明の詳細な説明
本発明は、高水溶性薬物(静脈毒性がある、および/または弱塩基性でもある薬物を含む)を送達するための組成物を提供する。薬学的組成物は、サブミクロンサイズの油滴を含む水中油型エマルジョンであり、ならびにトリグリセリド油、安定剤、乳化剤、および水を含む。組成物には、任意で、防腐剤、および/またはその他の不活性成分が含まれていてもよい。
本明細書において使用する場合、「高水溶性薬物」という用語は、室温(20〜25℃)で30mg/mlを上回る水への溶解度を有する薬物(フリーベースでまたは塩の形で)を指す。薬物の溶解度は様々な方法で記載されることがある。USP/NF(米国薬局方/国民医薬品集)は、通常、規定温度で薬物1グラムを溶かすのに必要な溶媒の量という点から溶解度を表している(例えばアスピリン1gは、25℃で、水300ml、エタノール5ml)。その他の参考文献では、溶解度を説明するために、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PA, 最新版からの以下の表に示されているような、より主観的な用語が使用されていることもある。
Figure 0004643641
したがって、本発明の「高水溶性薬物」には、上位3つの溶解度の範疇にある薬物、すなわち、「極めて溶けやすい」薬物、「溶けやすい」薬物、および「やや溶けやすい」薬物が含まれる。
本明細書において使用する場合、「静脈毒性がある薬物」という用語は、溶液製剤として静脈内注射した場合に、静脈過敏、疼痛、組織壊死、および/または血栓性静脈炎をもたらす、注射部位における局所反応を引き起こす可能性がある薬物を指す。
本明細書において使用する場合、「弱塩基性薬物」という用語は、少なくとも1つの弱塩基性の官能基を有する薬物を指す。
「高水溶性で、静脈毒性があり、かつ弱塩基性である薬物」は、一般的に、塩の形で提供される。この範疇に入る幾つかの市販薬物の例としては、塩酸ドーパミン、乳酸シプロフロキサシン、塩酸バンコマイシン、塩酸ノルバンコマイシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸ダウノルビシン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデスチン、硫酸ビンブラスチン、および重酒石酸ビノレルビンが含まれるが、これらに限定されない。
ある態様において、本発明で使用するための高水溶性薬物は、抗新生物薬剤である。
別の態様において、本発明で使用するための高水溶性薬物は、ビンカアルカロイド、ならびに薬学的に許容されるその塩および誘導体である。ビンカアルカロイドには、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビンが含まれるが、これらに限定されない。
またさらなる態様において、本発明で使用するための高水溶性薬物は、ビノレルビン、および薬学的に許容されるその塩である。
本明細書において使用する場合、「薬学的に許容される塩」は、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、過敏症、アレルギー反応、および同様の症状を伴わないで、ヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、妥当なベネフィット/リスク比に相応し、ならびに癌の化学療法および癌の予防における意図された使用に対して効果的である塩を指す。より一般的な、薬学的に許容される、ビンカアルカロイドの塩の中には、酒石酸塩、硫酸塩、および塩酸塩の形である。薬学の技術分野において使用されるその他の酸性塩には、アジピン酸塩、酢酸塩、臭化物、メシル酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ラクトビオン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘプトナート、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、およびウンデカノアートが含まれる。
ある態様において、ビノレルビンの塩は、3',4'-ジデヒドロ-4'-デオキシ-C'-ノルビンカロイコブラスチン[R-(R*,R*)-2,3-ジヒドロキシブタンジオアート(1:2)(塩)]である化学名を有する重酒石酸塩である。
本明細書において使用する場合、「水中油型エマルジョン」という用語は、80%を上回る薬物が溶けて油滴中に留まる、液体油が水性媒質(連続相)中の小滴(分散相)に分散するコロイド分散系を指す。ある態様において、85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%を上回る薬物が油相中に存在する。
本明細書において使用する場合、「酸性pH」という用語は、エマルジョンが2〜6のpH範囲にあると測定されたpHを意味する。ある態様において、エマルジョンは、3〜5のpH、3〜4のpH、または3.5〜4.0のpHを有する。
ある態様において、本発明のエマルジョンのpHは2〜7の範囲内(例えば3〜7)にある可能性があり、これらの間の任意の値を含む。
本明細書において使用する場合、「サブミクロンサイズの液滴」という用語は、レーザー光散乱分光法のような従来のサイジング技術で測定した際に、1ミクロン未満の平均直径を有する、水中油型エマルジョン中の油滴を意味する。ある態様において、本発明の組成物の油滴は、500、450、400、350、300、または250nm未満の平均直径を有する。サブミクロンサイズの油滴は、これらの液滴が循環中に毛細血管内を安全に通過するために望ましい。直径が5ミクロンよりも大きい液滴は、毛細血管をふさぎ、肺塞栓症をもたらすことがあるので、静脈内注射用に安全ではないと考えられている。ある態様において、本発明の組成物の油滴は、エマルジョンを0.2ミクロンのサイズの濾過膜を通して濾過することによって滅菌してもいいように、0.2ミクロン(200nm)未満の平均直径を有する。
ある態様において、本発明の組成物の油滴は、約150、100、75、50、25、20、15、または10nm未満の平均直径を有する。
本明細書において使用する場合、「トリグリセリド油」は、室温(20〜25℃)で液体であり、および主にC6〜C18脂肪酸のトリグリセリドを含む、トリグリセリド組成物を指す。トリグリセリド油は、薬物を封入するエマルジョンの分散相または油滴を形成するために、本発明において使用される。したがって、トリグリセリド油は、毒性がなく、生体適合性があり、および所望のサイズの安定な液滴を形成し、高水溶性薬物を封入できることが望ましい。
本発明において使用されるトリグリセリド油は、短鎖(C4〜C6)、中鎖(C8〜C12)、もしくは長鎖(C14〜C18)の脂肪酸またはそれらの混合物の、グリセロールエステルであることができる。
ある態様において、中鎖脂肪酸のトリグリセリド油を使用してもよい。そのような油は主にC8〜C12脂肪酸のグリセロールトリエステルを含む。これらの油は、周知の技術で合成によって調製することができるか、または所望の低融点トリグリセリドが豊富にある画分を産生するために、パーム油もしくはココナッツ油などの好適な自然油の、熱分別もしくは溶媒分別という公知の技術で自然源から得ることができる。例示的な低融点の、低分子量のトリグリセリド油は、カプリル酸(オクタン酸)およびカプリン酸(デカン酸)の混合エステルが豊富にあるココナッツ油またはパーム油の低分子量画分である。そのような油は、SASOL GmbH GermanyからMiglyol 812として、Parsippany, New JerseyのCroda社からCRODAMOL GTCC-PNとして、またはBoonton, New JerseyのPVO International社からNeobees M-5油として市販されている。その他の低融点の中鎖の油を、本発明においてさらに使用してもよい。
ある態様において、不飽和のまたはポリ不飽和のC14〜C18脂肪酸(長鎖脂肪酸)のグリセロールトリエステルを高い割合で有するトリグリセリド油を使用してもよい。そのような油の例は、約80%のオレイン酸およびリノール酸の脂肪酸組成を典型的に有する大豆油である。注射可能な等級の大豆油は、Parsippany, New JerseyのCroda社からSuper Refined USPグレードの油として市販されている。そのような油の別の例は、ベニバナ油である。従来の熱分別または溶媒分別によって得ることができる、綿実油、メンヘーデン油、オリーブ油、ピーナッツ油、コーン油、ゴマ油、および亜麻仁油を含む、その他の低融点の植物油または低融点の油の画分を、本発明においてさらに使用してもよい。そのような不飽和のまたはポリ不飽和の植物油は、本発明に従って組成物を処方する際のコストの優位性を提供することがある一方、非常に酸化劣化しやすい傾向を示すこともあり、トコフェロールのような、油溶性の酸化防止剤の添加を必要とすることがある。
トリグリセリド油は、最終的なエマルジョン製剤中に、通常、約2〜約40%の範囲で存在する。ある態様において、トリグリセリド油は、最終的なエマルジョン製剤中に、重量で約5%、10%、15%、20%、25%、30%、または35%で存在する。
ある態様において、トリグリセリド油は、中鎖トリグリセリドおよび長鎖トリグリセリドの、重量比1:1の混合物を含む。
本明細書において使用する場合、「安定剤」という用語は、水中油型エマルジョンの油滴中に高水溶性薬物を保持する成分を指す。
別の態様において、「安定剤」は、脂肪酸、硫酸コレステロール、リボフラビン-5-リン酸、およびコハク酸ビタミンE、またはそれらの混合物の群より選択される化合物を含む。
例示的な脂肪酸には、飽和脂肪酸、モノエン酸、およびポリエン酸が含まれる。飽和脂肪酸には、以下の表に記載された脂肪酸が含まれるが、それらに限定されない。
Figure 0004643641
例示的なモノエン脂肪酸には、以下の表に記載された脂肪酸が含まれる。
Figure 0004643641
例示的なポリエン脂肪酸には、以下の表に記載された脂肪酸が含まれる。
Figure 0004643641
ある態様において、使用される脂肪酸はオレイン酸である。
本発明のエマルジョン中の安定剤の量を、薬物 対 安定剤の電荷比によって定義してもよく、これは次式のように算出される。
電荷比=薬物の正味の正電荷/安定剤の正味の負電荷
エマルジョン中の安定剤の量は、1:1〜1:10という、薬物 対 安定剤の電荷比の範囲内にある。ある態様において、薬物 対 安定剤の電荷比は、1:1〜1:5、1:1〜1:2、または1:1〜1:1.1の範囲内にある。
本明細書において使用する場合、「乳化剤」という用語は、液滴がサブミクロンサイズであり、かつ高水溶性薬物を含む、安定な水中油型エマルジョンの形成を可能にする化合物を指す。例示的な乳化剤には、リン脂質、胆汁酸塩、ポリオキシレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、TWEENS)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(例えば、CREMOPHOR)、アルブミンおよびポロキサマー(例えば、PLURONIC)、ならびにそれらの混合物から選択される化合物が含まれる。
「安定な水中油型エマルジョン」は、適切な保存条件下、少なくとも3か月間、エマルジョン中の50%よりも多くの油滴がそのサイズを1倍よりも大きく増さない、水中油型エマルジョンを指す。
ある態様において、本発明のエマルジョンは、少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、20、22、または24か月間は安定である。
ある態様において、本発明のエマルジョン中の油滴の平均サイズは、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、140%、160%、180%、200%、または250%増加しない。
さらなる態様において、リン脂質を乳化剤として使用してもよい。リン脂質は天然起源から、または有機合成によって、入手可能である。レシチンは、一般にホスファチジルコリンと呼ばれる、リン酸のコリンエステルに結合した、ステアリン酸、パルミチン酸、およびオレイン酸のジグリセリドの天然の混合物である。水添レシチンは、レシチンを制御的に水素添加した産物である。
米国薬局方(USP)によれば、レシチンは、主にホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、およびホスファチジルイノシトールからなる、トリグリセリド、脂肪酸、および炭水化物などの、様々な量のその他の物質と組み合わさった、アセトン不溶性のリン脂質の複合混合物を説明する非商標名である。
薬学的には、レシチンは、主として分散剤、乳化剤、および安定剤として使用され、筋肉内注射および静脈内注射、非経口栄養製剤、ならびに局所用製品に含まれる。レシチンは、吸入剤、筋肉内注射および静脈内注射、経口カプセル、懸濁液および錠剤、直腸用製剤、局所用製剤、および膣用製剤での使用のための、FDA(米国食品医薬品局)の不活性成分指針にも記載されている。
リン脂質は合成することもでき、一般的な合成リン脂質を以下に記載する。

ジアシルグリセロール
1,2-ジラウロイル-sn-グリセロール(DLG)
1,2-ジミリストイル-sn-グリセロール(DMG)
1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロール(DPG)
1,2-ジステアロイル-sn-グリセロール(DSG)

ホスファチジン酸
1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジン酸、ナトリウム塩(DMPA,Na)
1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジン酸、ナトリウム塩(DPPA,Na)
1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジン酸、ナトリウム塩(DSPA,Na)

ホスホコリン
1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DLPC)
1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC)
1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)
1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)
1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)
1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)

ホスホエタノールアミン
1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DLPE)
1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DMPE)
1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DPPE)
1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DSPE)

ホスホグリセロール
1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロール、ナトリウム塩(DLPG)
1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロール、ナトリウム塩(DMPG)
1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-sn-1-グリセロール、アンモニウム塩(DMP-sn-1-G,NH4)
1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロール、ナトリウム塩(DPPG,Na)
1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロール、ナトリウム塩(DSPG,Na)
1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-sn-1-グリセロール、ナトリウム塩(DSP-sn-1G,Na)

ホスホセリン
1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン、ナトリウム塩(DPPS,Na)

混合鎖リン脂質
1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(POPC)
1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロール、ナトリウム塩(POPG,Na)
1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロール、アンモニウム塩(POPG,NH4)

リゾリン脂質
1-パルミトイル-2-リゾ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(P-リゾ-PC)
1-ステアロイル-2-リゾ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(S-リゾ-PC)

ペグ化リン脂質
N-(カルボニル-メトキシポリエチレングリコール2000)-MPEG-2000-DPPE 1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、ナトリウム塩
N-(カルボニル-メトキシポリエチレングリコール5000)-MPEG-5000-DSPE 1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、ナトリウム塩
N-(カルボニル-メトキシポリエチレングリコール5000)-MPEG-5000-DPPE 1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、ナトリウム塩
N-(カルボニル-メトキシポリエチレングリコール750)-MPEG-750-DSPE 1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、ナトリウム塩
N-(カルボニル-メトキシポリエチレングリコール2000)-MPEG-2000-DSPE 1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、ナトリウム塩
ある態様において、本発明の製剤中のリン脂質が、卵レシチンまたは大豆レシチンであってもよい。
本発明のエマルジョン中の、重量によるリン脂質の量は、例えば約5%〜約10%のように、約2%〜約15%の範囲内にあってもよい。
本明細書において使用する場合、「胆汁酸塩」という用語は、胆汁酸の塩、すなわち、グリシンまたはタウリンと抱合することができる、1〜3個の水酸基、および末端がカルボキシル基で終わる5炭素原子の側鎖を有する、ステロイドを指す。胆汁酸塩には、コール酸塩、デオキシコール酸塩、ケノデオキシコール酸塩、またはウルソデオキシコール酸塩、およびそれらのグリシン抱合体またはタウリン抱合体、例えばグリコデオキシコール酸塩(GDC)、グリココール酸塩(GC)、またはタウロデオキシコール酸塩(TDC)が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において使用する場合、「防腐剤」という用語は、本発明のエマルジョン製剤中における微生物の増殖を防ぐことができる薬剤を指す。本発明の水中油型エマルジョンは、微生物にとっての栄養物を含んでおり、したがって微生物の増殖または汚染につながることがある。それゆえ、防腐剤は特に、注射針でバイアルの栓を何度も刺す必要がある、複数回分の用量を提供することが意図されているバイアル製品用の製剤において望ましいことがある。本発明にとって有用な防腐剤には、エデト酸ナトリウム(EDTA)、メタ重亜硫酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、パラベン、クレゾール、フェノール、フェノキシエタノール、酢酸フェニル水銀、ホウ酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、ソルバート、ベンゾアート、ソルビン酸チメロサール、セトリミド、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、塩化ベンザルコニウム、および塩化ベンゼトニウム、またはそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
本発明のエマルジョン組成物において使用するその他の不活性成分には、塩酸および水酸化ナトリウムなどのpH調整用の酸もしくは塩基、塩化ナトリウム、マンニトール、スクロース、デキストロース、ラクトース、ポリエチレングリコール(PEG)、およびグリセリンまたはそれらの混合物を含むエマルジョンの張性を調整するための薬剤のような、事実上任意の成分が含まれてもよい。
本発明のエマルジョン製剤を、すぐに使用できるように調製することができ、または凍結乾燥した固体、すなわち、後日水で戻し、水で希釈して注射前に水中油型エマルジョンを再形成することができる「固体中油型分散系」として凍結防止剤と共に調製することができる。
本明細書において使用する場合、「固体中油型分散系」という用語は、本発明の水中油型エマルジョンをフリーズドライ(凍結乾燥)することによって調製された固体マトリックスを指し、この固体マトリックスは、水と混ぜた(水で戻した)時に、同じような液滴サイズの水中油型エマルジョンを再形成することができる。ある態様において、再形成したエマルジョンの平均液滴サイズは、フリーズドライ前のエマルジョンの平均液滴サイズの約500%、300%、または150%にすぎない。本発明の固体中油型分散系は、任意で噴霧乾燥によって調製してもよい。
本発明のエマルジョン組成物において使用される「凍結防止剤」は、フリーズドライ工程の間、分散したサブミクロンのエマルジョンの液滴を維持するために、および、エマルジョンの水相を除去する際、液滴に固体マトリックスを提供して固体中油型分散系を形成するために添加する成分を指す。
本発明のエマルジョン組成物において使用され得る凍結防止剤には、ポリオール、単糖、二糖、多糖、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、および親水性ポリマー、またはそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
本発明において使用され得るポリオールには、グリセリン、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、ソルビトール、ポリグリシトール、またはそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
本発明において使用され得る単糖には、グルコース、マンノース、フルクトース、ラクツロース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、またはそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
本発明において使用され得る二糖には、スクロース、ラクトース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、セルビオース、またはそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
本発明において使用され得る多糖には、セルロース、アミロース、イヌリン、キチン、キトサン、アミロペクチン、グリコーゲン、ペクチン、ヒアルロン酸、またはそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
本発明において使用され得るアミノ酸には、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、またはそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
本発明において使用され得るペプチドには、ジグリシンおよびトリグリシンが含まれるが、それらに限定されない。
本発明において使用され得るタンパク質には、アルブミン、コラーゲン、カゼイン、およびゼラチンが含まれるが、それらに限定されない。
本発明において使用され得る親水性ポリマーには、ポリエチレングリコール、ポビドン、ポロキサマー、ポリビニルアルコールまたはそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。最も好ましい親水性ポリマーは、ポリエチレングリコールおよびポビドンである。
液体エマルジョン組成物において使用される凍結防止剤の濃度は、例えば約5%〜約20% w/wおよび約10%〜約15% w/wのような、約2%〜約40% w/wの範囲内であってもよい。
一般に、本発明のエマルジョン製剤は、1つまたは複数の以下の工程を実行することによって調製することができる。
(1)十分量の、エタノール、塩化メチレン、クロロホルム、イソプロパノール、メタノール、tert-ブチルアルコールなどのような揮発性溶剤に、薬物、トリグリセリド油、乳化剤、および安定剤を溶かし、透明な溶液を形成する。
(2)真空によって、または、溶液を窒素もしくは気流で吹き飛ばすことによって、毒物学的に許容される残存レベルにまで溶剤を除去し、油相を得る。
(3)防腐剤、凍結防止剤、およびその他の不活性成分を水に溶かし、水相を形成する。
(4)任意で油相および/または水相を濾過し、粒子を除去する。
(5)油相に水相を加えてよく混ぜ、粗水中油型エマルジョンを形成する。
(6)粗エマルジョンのpHを所望のpH範囲に調節する。
(7)エマルジョン液滴が所望の平均サイズの範囲に達し、エマルジョンに直径5ミクロンよりも大きい液滴がなくなるまで、粗エマルジョンを、2〜10回通過させる間約18000psiの圧力で操作しながら、MAのMicrofluidics社製のエマルジョン相互作用チャンバーを装着したMicrofluidizer110Fのような高圧ホモジナイザーの中に通す。
(8)エマルジョンを、滅菌した0.2ミクロンの定格の膜フィルターに無菌的に通し、エマルジョンを滅菌する。
(9)濾過したエマルジョンを、適切な滅菌容器に無菌的に入れ、適切な滅菌栓で容器を閉じる。
(10)任意でエマルジョンをフリーズドライし、固体中油型分散系を形成してもよい。
(11)最終的なエマルジョンまたは固体中油型分散系について必要な試験を行なう。
本発明の組成物を、静脈内投与、筋肉内投与、関節内投与、腹腔内投与、または経口投与などの様々な経路を介して、それを必要とする動物に対して投与してもよい。
本発明はまた、本明細書において記載される組成物を使用するための方法を提供する。例えば、本発明は、高水溶性の抗新生物薬(例えば、重酒石酸ビノレルビン)を含む組成物を、治療を必要とする患者に投与する段階を含む癌を治療するための方法を提供する。
以下の実施例は本発明を説明することを意図するが、それらの実施に限定されない。
実施例
実施例1
選択されたpH緩衝剤におけるビノレルビンのpH安定性のプロファイリング
この検討は、ビノレルビンが最も安定であるpHの範囲を決定するためのものであった。濃度97.0μg/mLのビノレルビン溶液を、リン酸ナトリウム緩衝剤中にpH 1.95、3.05、5.98、7.01、および8.04で、ならびに酢酸ナトリウム緩衝剤中にpH 4.01および5.01で調製した。
緩衝化したビノレルビン溶液を40℃で保存し、様々な時点でのビノレルビン濃度についてHPLCで分析した。各緩衝剤中のビノレルビンの安定性を表す初期濃度に対するビノレルビンの回収を表1に示す。ビノレルビンが最も安定であるpH範囲を、最大の回収に基づいて定義した。
(表1)40℃/75%の相対湿度(RH)における、97.0μG/MLのビノレルビンのpH安定性の検討 − 0日目の時点に対する回収率(%)
Figure 0004643641
結論:ビノレルビンは3と5の間のpHで最も安定であるように思われたので、この酸性pH範囲をその他の実施例において使用するエマルジョン製剤用に選択した。
実施例2
ビノレルビンのエマルジョンの油相への取り込みに対する安定剤の影響
ビノレルビンの水への高い溶解度のために、通常の油相へのその取り込みは最小限であった。言い換えると、安定剤がなければ、ビノレルビンは主に水相中に存在する。
この検討の目的は、ビノレルビンのエマルジョンの油相への取り込みに対する、選択された安定剤の影響を決定することであった。ビノレルビンは弱塩基性であるので、安定剤は親油性の特性を有する酸であることが好ましい。オレイン酸ナトリウム、コハク酸ビタミンE、リボフラビン-5-リン酸ナトリウム、および硫酸コレステロールを含む4つの安定剤を評価した。各安定剤は、酸性基の頭部および親油性の尾部を含み、一般に注射用に適切であると考えられている。
この検討のために使用されたエマルジョンは、1.4%(w/w)重酒石酸ビノレルビン、10%(w/w)大豆油、1.2%(w/w)大豆レシチン(PHOSPHOLIPID GmbH製のPhospholipon(登録商標)90G)、0.005%(w/w)EDTA 二ナトリウム、および2.25%(w/w)グリセロールを含んでいた。製剤に添加された各安定剤の濃度は、オレイン酸ナトリウムについては1.57%(w/w)、コハク酸ビタミンEについては2.73%(w/w)、リボフラビン-5-リン酸ナトリウムについては2.46%(w/w)、および硫酸コレステロールについては2.52%(w/w)である。いかなる安定剤も入っていない製剤(「対照」)および余分なPhospholipon 90Gが入った製剤もまた、この検討において評価した。
薬物の油相への取り込みを、特にこの目的のために開発された透析法を用いて試験した。この方法は、エマルジョン500mgを分子量10,000のカットオフを有するSlide-A-Lyzer透析カセットに入れる段階、このカセットを70mLのpH 7.4のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に置く段階、およびプラットフォームシェーカー上で溶液を100RPMで振盪させる段階を含んでいた。少量(1mL)のPBSを各時点で取り出し、ビノレルビン濃度についてHPLCで分析した。PBS中のビノレルビン濃度の時間プロファイルを図1に示す。高い取り込み、および小さく、均一で、かつ安定なエマルジョン液滴を提供する安定剤を、その他の実施例において使用するエマルジョン製剤用の好ましい安定剤として選択した。
結論:液滴がそのサイズのために透析膜を通過できないので、PBS中のビノレルビン濃度の有意な減少によって示されたように、選択された安定剤はビノレルビンを油滴中に維持することができた。コハク酸ビタミンE、オレイン酸ナトリウム、およびリボフラビン-5-リン酸が最も効果的な安定剤であるように思われた。
実施例3
ビノレルビンのエマルジョンへの取り込みに対するオレイン酸ナトリウム濃度の影響
オレイン酸ナトリウムが強力な安定剤であると決定したので、実施例2と同じ組成物のエマルジョンを、ビノレルビン 対 オレイン酸のモル比1:4、1:3、1:2、もしくは1:1、または電荷比1:1、1:0.75、1:0.5、もしくは1:0.25にそれぞれ対応する、1.57%(w/w)、1.18%(w/w)、0.78%(w/w)、または0.39%(w/w)のオレイン酸ナトリウムで調製した。透析試験を実施例2に記載したのと同じ条件下で行ない、24時間の間で8つの時点を取った。各時点でのリン酸緩衝生理食塩水中のビノレルビン濃度について、PBS試料をHPLCで分析した。結果を図2に示す。オレイン酸ナトリウムの至適濃度は、取り込みの結果およびエマルジョンの安定性に基づいて決定した。
結論:ビノレルビン 対 オレイン酸のモル比1:4(電荷比1:1)で添加したオレイン酸ナトリウムは、ほぼ完全に、ビノレルビンの水相への分離を阻止した。
実施例4
中性pHのエマルジョンにおけるビノレルビンの安定性
好ましい安定剤および安定剤の濃度を決定したので、予備的なエマルジョンを調製し、短期の安定性について試験した。この検討の目的は、ビノレルビンの安定性に基づく中性pHのエマルジョンの可能性を決定することであった。調製したエマルジョンは以下の組成物を含んでいた。
Figure 0004643641
エマルジョンの物理的安定性および化学的安定性の両方を、この実験において試験した。レーザー光散乱分光法(Malvern zetasizer 3000)を用いて平均液滴サイズを測定することによって、ならびにエマルジョンの全体的外見および顕微鏡的外見を観察することによって物理的安定性を調べた。化学的安定性はビノレルビンの安定性によって表しており、HPLC分析により調べた。
(表2)pH 7.4におけるエマルジョンの化学的安定性
Figure 0004643641
(表3)pH 7.4におけるエマルジョンの物理的安定性
Figure 0004643641
結論:pH 7.4におけるビノレルビンエマルジョンは、物理的および化学的の両方で安定ではない。
実施例5
エマルジョンの均一性および液滴サイズに対するエマルジョンpHの影響
pH中性のエマルジョン(実施例4)が満足な化学的安定性を示すことができなかった後、様々なpHにおけるエマルジョン(実施例1)の安定性を調べるためにこの検討を行なった。
さらに、中鎖トリグリセリド(MCT)を添加し50%の大豆油の代わりとした。MCTのブランド製品(Sasol製のMiglyol(登録商標)812)を使用した。MCTの添加は、エマルジョンの安定性を改善し、かつ液滴サイズを減少させるためのものであった。大豆油およびMCTを1:1の比で組み合わせたものが、多くのIV脂肪エマルジョン製品において使用されてきたため、ビノレルビンの担体として許容されると考えられた。
エマルジョン製剤は以下のものを含んでいた。
Figure 0004643641
エマルジョンのpHを、0.5N HClを用いて、7.03、5.97、4.97、4.52、3.95、および3.74に調整した。これらのエマルジョンの物理的安定性を調べ、その外見を図4にまとめた。外見上最も均一であり、および最も小さく、かつ最も安定な液滴サイズを有するエマルジョンを選択した。
(表4)様々なpHにおけるエマルジョンの物理的外見
Figure 0004643641
結論:均一な外見および小さい液滴サイズ(<200nm)のビノレルビンエマルジョンは、pH 7.0またはpH 3.7においてのみ可能であった。
実施例6
pH3.7のエマルジョンの安定性
実施例5で調製したpH 3.7のエマルジョンの一部を用いて、エマルジョンの物理的安定性および化学的安定性をモニターした。エマルジョンを2mLのガラスバイアルに等分し、-20℃、25℃および40℃で保存した。4週までの安定性の結果を作成した(表5および表6)。
(表5)pH 3.74のエマルジョンの物理的安定性
Figure 0004643641
(表6)pH 3.75のエマルジョンの化学的安定性
Figure 0004643641
結論:pH 3.7のビノレルビンエマルジョンは、25℃で物理的におよび化学的に安定であると思われる。
実施例7
希釈検討
この検討は、静脈内投与のためのエマルジョンの希釈に用いるべき方法を決定するために行なわれた。好ましいエマルジョンは酸性であるので、中和および/または希釈の工程を静脈内注入の目的のために試験した。
pH 3.7の液体エマルジョンを、1:1の量比で53mMアルギニンフリーベースまたは50mM水酸化ナトリウムを用いて、5.0mg/mLビノレルビンフリーベースにまで希釈した。希釈した/中和したエマルジョンのpHは、53mMアルギニンを用いると7.08であり、50mM水酸化ナトリウムを用いると7.29であった。室温における液滴の安定性のモニタリングのために、エマルジョンをさらに5%デキストロース溶液(D5W)で、0.5mg/mLおよび2mg/mLビノレルビンフリーベースにまで希釈した。
別の検討において、中和剤としてアルギニンまたは水酸化ナトリウムを用いず、D5Wまたは乳酸加リンガー(LR)液を用いて、pH 3.7のエマルジョンを希釈した。再び、液滴の安定性について、希釈したエマルジョンを評価した。希釈したエマルジョンの安定性の結果を表7および表8に示す。
(表7)中和時および希釈時のエマルジョン液滴のサイズ
Figure 0004643641
(表8)中和時および希釈時のエマルジョンの外見
Figure 0004643641
結論:実施例5のpH 3.7のビノレルビンエマルジョンを静脈内注入前にD5Wで希釈してもよい。
実施例8
安定性、静脈刺激、および急性毒性の検討のためのビノレルビンエマルジョンの調製
この実施例において、以下の組成物を有するエマルジョンを生成した。
Figure 0004643641
バッチサイズは108mLであった。以下に調製法を記載する。
(A)酒石酸ビノレルビン、Miglyol 812N、大豆レシチン、およびオレイン酸を、十分量の無水エタノールに溶かすことによって油相を調製し、透明の溶液を形成した。Rotavapor(BUCHI R-114)を用いて、<1%の残存エタノール濃度にまで、エタノールを除去した。
(B)スクロースおよびEDTA二ナトリウム二水和物を注射用水に溶かすことによって水相を調製した。
(C)Silversonホモジナイザー(2"ヘッド付のモデルL4RT)を用いて、約5分間、5,000〜10,000RPMで、油相および水相を共に混合し、粗エマルジョンを形成した。
(D)この粗エマルジョンのpHを1N HClを用いて3.5から調整した。
(E)Microfluidizer モデル110Sの中を6回通過させて、粗エマルジョンをホモジナイズした。
(F)層流フード内で、エマルジョンを0.45μmフィルターを通して濾過し、その後、0.2μmの滅菌フィルター(Sartorius, MiniSart)を通して濾過した。
(G)濾過したエマルジョンを、5mLの予め滅菌したガラスバイアルに、5mLの等分量で分注した。これらのバイアルを予め滅菌したゴム栓で密閉した。
実施例9
ビノレルビンエマルジョンの安定性
逆相HPLC法を用いて、実施例8で調製したエマルジョン中のビノレルビンの化学的安定性を検討した。この方法によって、エマルジョン中のビノレルビンの濃度および純度を決定することができる。エマルジョンのビノレルビンの化学的安定性のデータを以下の表に示す。

化学的安定性
Figure 0004643641
実施例8で調製したエマルジョンの物理的安定性も評価した。エマルジョンが、その平均液滴サイズを維持する能力、および大きい液滴(直径>5ミクロン)がないことによって、物理的安定性を測定した。Malvern Zetasiziser 5000を用いたレーザー光散乱法によって平均液滴サイズを決定し、光学顕微鏡を400×の倍率で用いて、希釈していないエマルジョンを観察することによって、大きい液滴(直径>5ミクロン)の存在を調べた。エマルジョンの物理的安定性のデータを以下の表に提供する。

物理的安定性
Figure 0004643641
結論:2〜8℃または25℃において、実施例8で調製したエマルジョン中で、ビノレルビンは化学的に安定であり、2〜8℃において、少なくとも12週(3か月)間、エマルジョンは物理的に安定である。
実施例10
ビノレルビンエマルジョンのフリーズドライ
この検討は、液体エマルジョンを、液体エマルジョンよりも安定であると考えられる、フリーズドライエマルジョンまたは「固体中油型分散系」に変換することの実現可能性を証明するために行なわれた。
フリーズドライまたは凍結乾燥の検討のために、低pH(pH 3.75)および中性pH(pH 7.14)の両方のエマルジョン製剤を設計および調製した。
製剤は以下のものを含んでいた。
Figure 0004643641
フリーズドライエマルジョンを調製するために、まず始めに、重酒石酸ビノレルビン、Miglyol 812N、phospholipon 90G、およびオレイン酸を、十分量の無水エタノールに溶かし、透明の溶液を形成した。ロータリーエバポレーターを用い、室温、真空下で一晩かけてエタノールを除去し、油相を得た。油相をスクロースおよびEDTAナトリウムを含む水相と混合し、高剪断ホモジナイザーを用いて粗エマルジョンを形成した。この製剤で使用したオレイン酸は、自然に低pHのエマルジョンになった。その後、粗エマルジョンを6回通過させる間に微小流動化(microfluidized)させ、pH 3.75の最終的なエマルジョンを形成した。
pH 3.75の粗エマルジョンの一部を、0.5N水酸化ナトリウムを用いてpH 7.14に調整した。その後、粗エマルジョンを6回通過させる間に微小流動化させ、pH 7.14の最終的なエマルジョンを形成した。両方のエマルジョンを0.2ミクロンのフィルターを通して濾過し、5mLバイアルに各1mLとして、または2mLバイアルに各0.2mLとして充填した。充填物の高さは、約3〜4mmであった。バイアルを凍結乾燥栓で部分的に施栓し、フリーズドライヤー(FTP System製のDura-Stop(商標)mp)を用いてフリーズドライした。
フリーズドライサイクルの終了時に、フリーズドライヤーのチャンバーを、窒素ガスNFで大気圧の約95%まで元通り充填し、その後、棚を潰すことによって完全に施栓した。施栓したバイアルをアルミニウムのクリンプシールで密封した。
乾燥したエマルジョンまたは固体中油型分散系は、均一な外見を有する白い「ケーキ」であった。試験前に、凍結乾燥物を脱イオン水で戻し、1〜2分間混合して、液体エマルジョンを再形成した。外見(全体的および顕微鏡的)を記録し、液滴サイズを決定した(表9)。
(表9)固体中油型分散系を脱イオン水を用いて戻すことによって調製したビノレルビンエマルジョン
Figure 0004643641
結論:pH 3.7のビノレルビンエマルジョンをフリーズドライして固体中油型分散系を形成してもよく、そのような固体中油型分散系は、水に希釈した時に、最初のエマルジョンと同じようなサイズ特性を有する水中油型エマルジョンを形成することができる。
実施例11
静脈刺激試験
この試験の目的は、本発明のビノレルビンエマルジョンの静脈刺激を、市販されているビノレルビン溶液製品と比較することであった。実施例8と同様に(フリーズドライ工程なしで)使用したビノレルビンエマルジョンを調製した。市販されているビノレルビン溶液(中国でSino-Sanofiにより販売されているMINNUOBIN(登録商標))は、pH 3.5の水の中に1%酒石酸ビノレルビン(1%ビノレルビンフリーベースに相当)を含む。この製品は、GlaxoSmithKlineが米国で販売しているNavelbine(登録商標)と同じ組成物を有する。
6羽の白いウサギを3群(各群につき2羽、オス1羽およびメス1羽)に分けた。各ウサギは、辺縁耳静脈を経由した静脈内ボーラス注射を連続して5日間、毎日受けた。第I群には、5%デキストロース溶液(D5W)を陰性対照として毎日注射した。
第II群には、MINNUOBIN(登録商標)を、D5Wに0.3%ビノレルビンフリーベースまで希釈した後、1.68mg/kg/日の用量で陽性対照として投与した。
第III群には、実施例8と同様に調製したビノレルビンエマルジョンを、1%(未希釈)で、またはD5Wに0.3%ビノレルビンフリーベースまで希釈後、1.68mg/kg/日の用量で投与した。
実施例8と同様にして調製したビノレルビンエマルジョンで処理した第III群において、外見検査および病理組織学によって、薬物関連の静脈過敏の徴候は観察されなかった。観察された変化は全て、注射の間の機械的な中断によるものであった。第II群のウサギ(MINNUOBIN(登録商標)で処理)は、軽度から中度の静脈過敏の徴候を示した。
結論:溶液製剤が同じ静脈内用量で著しい静脈過敏をもたらす一方、本発明のビノレルビンエマルジョンは静脈過敏を引き起こさない。
実施例12
急性毒性試験
この試験の目的は、実施例8と同様に調製したビノレルビンエマルジョンの急性毒性を、市販されているビノレルビン溶液製品(MINNUOBIN(登録商標))と、マウスにおいて比較することであった。
各群に20動物(オス10匹およびメス10匹)で、マウス(100)を5つの用量群に分けた。MINNUOBIN(登録商標)および実施例8で記載したビノレルビンエマルジョンを静脈内に投与した。直後の反応を観察し、ブリス法を用いて急性毒性を算出した。
iv×1の急性毒性LD50値は以下のように算出された。
Figure 0004643641
結論:これら2群の間に統計的な差はなかった。
実施例13
抗癌有効性試験
この試験の目的は、マウスルイス肺癌を有するマウス、またはヒト乳癌(Bcap-37)を異種移植したマウスにおいて、実施例8と同様に調製したビノレルビンエマルジョンの抗癌活性を、市販されているビノレルビン溶液製品(MINNUOBIN(登録商標)、実施例11)と比較することであった。ビノレルビン製剤を、尾静脈経由で、2つの等毒性用量、すなわち、実施例12で決定したLD50用量の1/5および1/10で、動物に静脈内注射した。デキストロース溶液(5%、D5W)を陰性対照として使用した。各製剤を毎日6日間与えた。腫瘍のサイズを測定することによって有効性を決定し、平均腫瘍阻害値を算出した。各癌モデルについて、各処理群に10匹のマウスを用いて、2つの検討を行なった。図3は、異種移植したモデルにおける全ての処理群の平均腫瘍成長曲線を示す。以下の表に平均腫瘍阻害値を記載する。
モデルNo.1 - 皮下にマウスルイス肺癌を接種したマウス
Figure 0004643641
モデルNo.2 - ヒト乳癌(Bcap-37)を異種移植したヌードマウス
Figure 0004643641
結論:実施例8の処方に従って調製したビノレルビンエマルジョンは、マウスおよびヒトの両方の癌に対して、用量依存的な抗腫瘍活性を示した。抗癌有効性は、ビノレルビン溶液製剤と統計的に同等と思われた。
実施例14
薬物動態学的検討
この試験の目的は、実施例8と同様にして調製したビノレルビンエマルジョンの薬物動態学的特性を得て、それを市販されているビノレルビン溶液製品(MINNUOBIN(登録商標)、実施例11)と、ラットにおいて比較することであった。
検討No.1において、ビノレルビンエマルジョンを、2、4、および8mg/kgで、尾静脈経由でラットに静脈内投与し、血液試料を採取し、バリデーションされたLC-MS法を用いて解析した。6匹を投与後0〜6時間の血液採取用に、およびその他の6匹を投与後6〜12時間の血液採取用に用い、各投与につき12動物で、合計36匹のラットを使用した。血液濃度曲線を図4に示し、薬物動態学パラメーターを以下の表に記載する。
Figure 0004643641
検討No.2において、ビノレルビンエマルジョン(実施例8)、ビノレルビン溶液(MINNUOBIN(登録商標)、実施例11)の両方を、4mg/kgで、尾静脈経由でラットに静脈内投与し、血液試料を採取し、バリデーションされたLC-MS法を用いて解析した。6匹を投与後0〜6時間の血液採取用に、およびその他の6匹を投与後6〜12時間用に用い、各製剤につき12動物で、合計24匹のラットを使用した。血液濃度曲線を図5に示し、薬物動態学パラメーターを以下の表に記載する。
Figure 0004643641
結論:2コンパートメントモデルに基づくと、ビノレルビンエマルジョンを2、4、および8mg/kgの用量で受け入れた後のラットにおけるビノレルビンの推定排出半減期は、それぞれ9.75、1.22、および9.09時間であり、AUC 0〜24は、それぞれ1133.74、2271.48、および4396.36μg・h/Lであった。AUCと用量との間の直線的関係が観察された。排出半減期およびAUC値に基づくと、エマルジョンおよび溶液は薬物動態学的に非常に類似している。
実施例15
生体内分布の検討
この試験の目的は、実施例8と同様にして調製したビノレルビンエマルジョンの生体内分布特性を得て、それを市販されているビノレルビン溶液製品(MINNUOBIN(登録商標)、実施例11)と、ラットにおいて比較することであった。
この検討において、ビノレルビンエマルジョン(実施例8)、ビノレルビン溶液(MINNUOBIN(登録商標)、実施例11)の両方を、4で、尾静脈経由でラットに静脈内投与し、様々な器官の試料を、投与後15分、2時間、および8時間で採取し、バリデーションされたLC-MS法を用いて解析した。各製剤について、各時点につき6動物を用い、合計18匹のラットを使用した。器官におけるビノレルビンの濃度を以下の表に記載する。

投与後15分
Figure 0004643641
投与後2時間
Figure 0004643641
投与後8時間
Figure 0004643641
結論:エマルジョンおよび溶液は、一般に、類似した生体内分布プロファイルを示した。エマルジョンはビノレルビンが脳に入るのを妨げるように思われたが、このことは、溶液製剤と一般的に関連のある末梢神経障害および便秘のような神経毒性の軽減の可能性を示唆し得る。
ビノレルビンの、エマルジョンの油相への取り込みに対する様々な安定剤の影響を示す。 ビノレルビンの、エマルジョンへの取り込みに対するオレイン酸ナトリウム濃度の影響を示す。 ヒト乳癌(Bcap-37)を異種移植したマウスにおける、ビノレルビン溶液(MINNUOBIN(登録商標)- 実施例11)およびデキストロース溶液(5%)と比較した、実施例8に従ったビノレルビンエマルジョンの平均腫瘍成長曲線を示す。処理の詳細は実施例13に記載されている。 3つの用量でラットにエマルジョンを静脈内投与した後の、実施例8に従って調製したビノレルビンエマルジョンの血中薬物濃度プロファイルを示す。 ラットに静脈内注射した後の、ビノレルビン溶液(MINNUOBIN(登録商標)- 実施例11)と比較した、実施例8に従って調製したビノレルビンエマルジョンの血中薬物濃度プロファイルを示す。

Claims (23)

  1. 水中油型エマルジョン中にビノレルビンまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物であって、該エマルジョンが油相および水相を含み、ここで該油相が、トリグリセリド油、乳化剤、ならびに硫酸コレステロール、コハク酸ビタミンE、オレイン酸、およびリボフラビン-5-リン酸からなる群から選択される安定剤を含み、前記水相が水を含み、ビノレルビンが実質的に前記油相中に存在し、前記エマルジョンが3〜5のpHである、組成物。
  2. ビノレルビンが重酒石酸ビノレルビンである、請求項1記載の組成物。
  3. トリグリセリド油が、長鎖脂肪酸を有するトリグリセリド、中鎖脂肪酸を有するトリグリセリド、またはそれらの混合物である、請求項1記載の組成物。
  4. 乳化剤が、卵レシチン、大豆レシチン、合成リン脂質、またはそれらの混合物である、請求項1記載の組成物。
  5. ビノレルビン対オレイン酸が1:4のモル比である、請求項1記載の組成物。
  6. 重酒石酸ビノレルビン対オレイン酸が1:4のモル比である、請求項2記載の組成物。
  7. ビノレルビン対安定剤の電荷比が1:1〜1:10の範囲にある、請求項1記載の組成物。
  8. 90%以上のビノレルビンがエマルジョンの油相中に存在する、請求項1記載の組成物。
  9. 95%以上のビノレルビンがエマルジョンの油相中に存在する、請求項1記載の組成物。
  10. ビノレルビンが1〜50mg/mLの濃度範囲にある、請求項1記載の組成物。
  11. (a)0.01%〜5.0%(w/w)の濃度のビノレルビン
    (b)5%〜10%(w/w)の濃度の大豆油、
    (c)5%〜10%(w/w)の濃度の中鎖トリグリセリド、
    (d)1.5%〜7.5%(w/w)の濃度のオレイン酸、
    (e)1.2%〜10%(w/w)の濃度の卵レシチン、
    (f)10%〜15%(w/w)の濃度のスクロース、
    (g)0.005%(w/w)の濃度の無水エデト酸ナトリウム、
    (h)pHをpH3〜5に調整するための水酸化ナトリウム/塩酸、および
    (i)水
    を含む、請求項1記載の組成物。
  12. (a)0.01%〜5.0%(w/w)の濃度のビノレルビン
    (b)5%〜20%(w/w)の濃度の大豆油、
    (c)1.5%〜7.5%(w/w)の濃度のオレイン酸、
    (d)1.2%〜10%(w/w)の濃度の大豆レシチン、
    (e)10%〜15%(w/w)の濃度のスクロース、
    (f)0.005%(w/w)の濃度の無水エデト酸ナトリウム、
    (g)pHをpH3〜5に調整するための水酸化ナトリウム/塩酸、および
    (h)水
    を含む、請求項1記載の組成物。
  13. (a)0.01%〜5.0%(w/w)の濃度のビノレルビン
    (b)5%〜20%(w/w)の濃度の大豆油、
    (c)1.5%〜7.5%(w/w)の濃度のオレイン酸、
    (d)1.2%〜10%(w/w)の濃度の大豆レシチン、
    (e)2.5%(w/w)の濃度のグリセリン、
    (f)0.005%(w/w)の濃度の無水エデト酸ナトリウム、
    (g)pHをpH3〜5に調整するための水酸化ナトリウム/塩酸、および
    (h)水
    を含む、請求項1記載の組成物。
  14. (a)1.0%(w/w)の濃度の重酒石酸ビノレルビン、
    (b)10%(w/w)の濃度の中鎖トリグリセリド、
    (c)1.5%(w/w)の濃度のオレイン酸、
    (d)7.5%(w/w)の濃度の大豆レシチン、
    (e)15%(w/w)の濃度のスクロース、
    (f)0.005%(w/w)の濃度の無水エデト酸ナトリウム、
    (g)pHを3.75に調整するための水酸化ナトリウム/塩酸、および
    (h)水
    を含む、請求項1記載の組成物。
  15. (a)1.0%(w/w)の濃度の重酒石酸ビノレルビン、
    (b)5%(w/w)の濃度の大豆油、
    (c)1.5%(w/w)の濃度のオレイン酸、
    (d)7.5%(w/w)の濃度の大豆レシチン、
    (e)15%(w/w)の濃度のスクロース、
    (f)0.005%(w/w)の濃度の無水エデト酸ナトリウム、
    (g)pHを3.75に調整するための水酸化ナトリウム/塩酸、および
    (h)水
    を含む、請求項1記載の組成物。
  16. 請求項11〜15のいずれか一項記載の組成物を凍結乾燥することによって調製した組成物。
  17. 凍結乾燥製剤であって、水和した場合に請求項11〜15のいずれか一項記載の組成物を生成する製剤。
  18. 製剤が液体媒質で戻されて粒子を提供する、請求項17の凍結乾燥製剤。
  19. 癌を治療するために用いられる、請求項1および11〜13のいずれか一項記載の組成物。
  20. ビノレルビンの薬学的に許容される塩が重酒石酸ビノレルビンである、請求項19記載の組成物
  21. 癌を治療するために用いられる、請求項14または請求項15に記載の組成物。
  22. 前記癌を治療するために用いられる組成物、静脈内に投与される、請求項19〜21のいずれか一項記載の組成物
  23. 前記癌を治療するために用いられる組成物が、筋肉内にまたは動脈内に投与される、請求項19〜21のいずれか一項記載の組成物
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