本実施の形態の測定器1は、図1に示すように、筐体2と、被測定物としての釘などの物体の間隔(測定部位の間隔)を測定するプローブ3とが設けられている。図2は測定器1の正面図であり、図3は測定器1の右側面図である。
ここで本明細書において、測定器1の各構成の位置関係を明確にするために、xyz座標系を定める。図2の測定器1の正面図の平面をxy平面とし、測定器1の横方向をx軸、縦方向(長手方向)をy軸とする。また図3の測定器1の右側面図において、測定器1の高さ方向をz軸とする。従って図3の測定器1の平面はyz平面となる。
筐体2にはプローブ3が取り付けられており、好適には、筐体2の内部において、ブロック組立体300として組み付けるような構成とすることが出来る(図25など)。
プローブ3は、大別すると、左右に移動する一対のアーム30,31と、左右のシャフトホルダ303と、ポール308と、ポールガイド309と、圧縮バネ310と、ガラススケール311と、ベース板307と、上板とを有する。
ベース板307は筐体2の内部底面(xy平面)側に位置することとなる部材であって、ブロック組立体300のベースとなるものである(図25など)。ベース板307の左端、右端に、ベース板307に対して垂直に(yz平面に)シャフトホルダ303(図4)を取り付け固定する。シャフトホルダ303には内側面の前部、後部に、後述するポール308が圧入されるように凹部315,316を設ける。この凹部の位置は、左右のシャフトホルダ303で同じ位置になるようにする。
一対のアーム30,31は、移動しない固定子アーム30と、水平に移動する移動子アーム31とからなることが好適であるが、双方が移動子アームであっても良い。この各アームは、釘と直接接触する部分を含む測定子304,305と、当該測定子と接合する(好適には螺合する)ブラケット301,302とからなるが、一つの部材でアーム30,31を構成することもできる。
釘と接触する部分は、摩耗などを防ぐために硬度の高い部材であることが好ましい。しかし硬度の高い部材の場合、一般的に重い部材であることが多い。そうなると測定器1が重くなってしまう。特にアーム30,31は筐体2の最前方に位置するため、重さを感じやすく、長時間の測定器1の使用の際には、測定者の負担となる。その為、アーム30,31は軽量化が望まれる。そこで本実施の形態のように、釘と接触する部分(測定子304,305やその当接部32a,32b)には硬度の高い部材、例えば炭素鋼SK4Fのような部材を用い、釘と接触しない部分(ブラケット301,302)には軽い部材、例えばアルミA5052のような部材を用いる。これによって、測定子304,305とブラケット301,302を接合して一つのアーム30,31とすれば、アーム30,31の軽量化が実現できる。
なお、固定子アーム30における測定子を固定測定子304、そのブラケットを固定子ブラケット301という。移動子アーム31における測定子を移動測定子305、そのブラケットを移動子ブラケット302という。
固定測定子304の固定子ブラケット301と接合していない一端には、釘に係合させるためのフック板306(図6)を接合(好適には螺合)している。フック板306は固定測定子304のy軸方向と垂直(直交する方向)に接合されており、また水平面(xy平面)に対して平行に接合されていて、移動測定子305とも垂直な位置関係(直交する状態)になる。
各ブラケット301,302は、筐体2の側面から見た場合、L字形状、または略L字形状をしていることが好ましく、プローブ3の使用状態において、形状の一辺が水平面(xy平面)に対して平行または略平行に位置しており、他の一辺がxy平面より上方の方向、即ちz軸方向に角度を有するように構成されている。該他の一辺は、水平面(xy平面)に対して垂直になっていると良いが、垂直でなくても、水平面に対して上方に向いていればよい。またブラケットのz軸方向へ角度を有する一辺の上面は、測定子304,305が水平面(xy平面)に対して平行または略平行となるように、当該面において測定子304,305と接合(好適には螺合)している。またプローブ3を測定器1に取り付けた状態において、各測定子の当接部32a,32b(アーム30,31のうち、釘と接触させる部分)やフック板306は、測定器1の筐体2の上面より上に位置する。固定子ブラケット301を図5(a)に、移動子ブラケット302を図5(b)に示す。また移動子ブラケット302に移動測定子305が接合された状態の側面図を図7に示す。また固定測定子304を図18(a)に、移動測定子305を図18(b)に示す。
また移動子ブラケット302の前部、後部には、後述するポールガイド309が圧入される孔部313,314を設ける。また固定子ブラケット301の前部には、後述するポールガイド309が入る孔部312を設ける。
プローブ3の前部、後部には一本ずつのポール308がx軸に対して平行に取り付けられる。
ポールガイド309はポール308にそって平行移動するように取り付けられており、ポール308に沿って移動することが出来る。そしてプローブ3の後部に取り付けられるポール308の一端は、右側のシャフトホルダ303の後部の凹部316に、後部のポール308の他の一端は、左側のシャフトホルダ303の後部の凹部316に圧入される。また当該ポール308にはポールガイド309が取り付けられ、ポールガイド309の一部が移動子ブラケット302の後部の孔部314に圧入される。
またプローブ3の前部に取り付けられるポール308の一端は、右側のシャフトホルダ303の前部の凹部315に、前部のポール308の他の一端は、左側のシャフトホルダ303の前部の凹部315に圧入される。また前部のポール308に設けられたポールガイド309は、移動子ブラケット302の前部の孔部313に圧入される。そして移動子ブラケット302が固定子ブラケット301側に平行移動した場合に、移動子ブラケット302に圧入されたポールガイド309は、固定子ブラケット301の孔部312に入るように構成される。
このように構成することで移動子アーム31(移動子ブラケット302)がy軸に対して平行移動できる。
更に移動子ブラケット302と固定子ブラケット301との間には圧縮バネ310が存在し、通常は移動子ブラケット302と固定子ブラケット301とを離隔させている。そして移動子ブラケット302が固定子ブラケット301側に平行移動した場合に、圧縮バネ310が縮むように構成されている。従って、移動子アーム31と固定子アーム30は、通常状態では離隔しているが、釘の間隔によっては接触することもある。
本実施の形態では、釘間隔の測定に、ガラススケール311を用いたリニアエンコーダを使用する。このため、要求分解能に応じた微細な目盛付きガラススケール(リニアスケール)311を移動測定子305の上面に取り付ける。そして移動子アーム31がポール308に沿って左右に平行移動することによって、固定測定子304の釘との当接部32aと移動測定子305の釘との当接部32bが、各々の釘と接触することによって、その接点間(当接部32a,32b間)の距離をガラススケール311を用いて計測し、それを計測センサーで検出して釘の間隔を得る。即ち、ここでは、かかるガラススケール311のリニアエンコーダは、ガラススケール311の移動量を、例えば光源(レーザ光源等)と光検出器でパルスカウントすることにより得て、高分解能・高精度の釘間隔測定を実現することができる。なお、上記計測センサー(リニアエンコーダ)として、具体的には、例えば、マイクロE・インターナショナル・インク日本支社による「チップエンコーダ」CE−40を利用することができるが、これに限定されず、他のものであっても良い。
このように構成したものに上板を取り付けることで、プローブ3が構成される。このように構成されたプローブ3の正面図を、図8に示す。
プローブ3の上板は電子回路の基板を用いることも出来る。即ち、プローブ3の上面として、電子水準器9を構成した基板を用いても良い。またこの基板の表面及び裏面の双方を基板として用いることが出来る。
プローブ3は筐体2に取り付けられる。好適にはブローブ3を構成するベース板307が筐体2の内部で内部底面側に位置することとなるように、取り付けられる。具体的な一例としては、例えば、合成樹脂製の筐体2の上面側のカバー21の内面にネジ取付用のボス211を対角状に2箇所植設しておき(図26)、上記のごとく構成されるブロック組立体300を、取付用ボス211を介してカバー取付用ネジ351(タッピングネジ)で上面側カバー21に取り付けた後、このようにブロック組立体300と上面側カバー21とが一体化されたものに背面側カバー22を取り付ける構成とすることができる(図25、図26、図29など)。この際に、プローブ3の固定子アーム30、移動子アーム31の全部又は一部が、筐体2前面から外部に突出するように取り付ける。固定子アーム30、移動子アーム31、フック板306を釘に係合させることにより、釘の間隔を測るためである。
筐体2の前部側(プローブ3側)は水平面(xy平面)に対して平行または略平行に設けられており、後半部は水平面に対して、z軸の下方方向に対して緩やかに傾斜している。また筐体2の後半部の背面には、測定者が手のひらに測定器1の筐体2を載せて握ることが出来るような把持部12が設けられており、図9のような状態で測定者は測定器1を使用する。
筐体2には、釘間隔を測定する処理を行うゲージ機構のエンジン部、角度センサーを含む電子水準器9、表示素子としてのLED6、液晶表示装置などの表示装置7、操作スイッチ5、取込スイッチ4、USBコネクタなどの外部出力部8、CPUなどの演算装置、EEPROMやフラッシュメモリ(Flash−ROM)などの記憶装置、ブザー、コイン型電池などが設けられる。この全体の概要を示す図が図22である。なお、同図では、バッテリーなどの電源供給装置は、測定器1本体とは別体であって、これを電源接続ケーブルで接続する外部「バッテリーケース+バッテリー」タイプの例が示されているが、これに限らず、バッテリーを筐体2内部に装脱着可能に配する内蔵タイプの構成としてもよい。
筐体2の後部上面には表示装置7が設けられており、x軸方向に筐体2と表示装置7とに軸を通しておくことによって、その軸を中心として測定者側に表示装置7を起こす回動機構が設けられている。これによって表示装置7を測定者側に起こすことが出来る。この表示装置7には液晶表示装置を用いることが好ましいが、それ以外の表示装置7、例えば有機ELディスプレイなど様々な表示装置7を用いることが出来る。表示装置7を起こした状態の測定器1を図12に示す。この表示装置7の明るさについては、ボタンなどによって調整できるような構成にしておくことが好ましい。
表示装置7よりも前方には測定者が測定器1に対して入力を行うための操作スイッチ5が設けられている。この操作スイッチ5は十字キー状をしており、上下左右の選択、また中央を押下することで決定が可能となる。その決定の一つとして、後述する取込スイッチ4で仮確定された測定値を確定値として決定する指示を送出することが出来る。この指示が行われることによって、演算装置では記憶装置に記憶した、仮確定した測定値を確定値として記憶させる。
筐体2の前部には十字状とその中心とに配列されたLED6が5つ配置されている。このLED6は、後述する電子水準器9の表示部であって、測定器1がどの方向に傾いているかを示す。例えば、傾いている方向を示すようにLED601〜604が点灯され、水平である場合には中央のLED605が点灯される仕組みとなっている。具体的には、測定器1が右側に傾いている(右側がさがっていて、左側があがっている)場合には、左側のLED604が点灯し、前方に傾いている(前方がさがっていて、後方があがっている)場合には最も測定者側に位置するLED603が点灯する。また右前方に傾いている(右前方がさがっていて、左後方があがっている)場合には、左側のLED604と最も測定者側に位置するLED603が点灯する。図17にLED6の配置関係を模式的に示す。
上下左右のLED601〜604と、中央のLED605とは色が異なることが好ましい。なおここでは電子水準器9の表示部としてLED6を用いたが、表示装置7で傾きの表示を行っても良いし、前記表示装置7とは異なる表示装置を設けて、傾きの表示を行っても良い。
ここに、本実施の形態においては、筐体の一方または両方の側面には取込スイッチ4が設けられており、測定者が釘の間隔を測定した際に、前記取込スイッチ4の操作(押下)を検出することによって、測定した釘間隔の測定値を、筐体2内部に設けられた記憶装置に記憶するものである。
測定者は片手に測定器1を持ち、そして測定器1で釘の間隔を測定してその数値を見ながら、釘間隔を測定する作業を行うことができるが、そのように片手に測定器1を持って測定作業を行う場合、もう一方の手が空いていないときなど、測定器1を持っているその片手側だけで測定器1を扱うようなケースにおいて測定した測定値を測定器1に取り込む場合には、片手で操作を行わなければならないところ、上面にスイッチが設けられていると、手のひらがねじれてしまうので、水平または略水平状態が維持できず、測定値がずれてしまう。そこで、筐体2の側面に測定値を取り込むためのスイッチを設けることで、容易に操作を可能とする。
それがため、筐体2の側面の把持部12の付近(手のひらに測定器1を載せた場合に、指が届く範囲)には取込スイッチ4が設けられている。取込スイッチ4の選択(押下等)によって、測定している測定値を記憶装置に記憶させる指示が送出される。取込スイッチ4が押下されたことが検出されると、演算装置は、測定器1のプローブ3で測定した釘の間隔を測定値として仮確定して、記憶装置に記憶させる。この取込スイッチ4は、少なくとも一方の側面に設けるが、測定者の利き腕に依存しないためにも両側面にあると好ましい。測定者は手のひらを上に向けてそこに測定器1を載せて、測定を行う(図9)。従って、筐体2上面に設けられた操作スイッチ5を測定中に使用するためには、他方の手で操作しなければならないが、既に触れたように、その他方の手が空いていないときなど測定器1を手のひらに載せている方の手だけで測定器1を扱おうとすると、測定器がずれてしまい、測定値が変わってしまう。即ち、無理に筐体2を保持している手の指(一般的には親指)で上面のスイッチを押下しようとすると、手のひらがねじれるので、測定器1が水平でなくなってしまう。
その為、測定器1を載せている手の親指などで、筐体2側面に設けられた取込スイッチ4を操作(押下)することによって、片手でも操作が可能となる。この状態で一度、測定値を仮確定した後に、例えば測定者が操作スイッチ5を操作することにより、測定値を正式な測定値として確定し、記憶装置に記憶させる。
なお、上記の測定値が仮確定される(記憶装置に記憶される)具体的なタイミングについては、以下のような手法も有効である。測定中に測定される値は、釘にあてがわれている移動側の移動測定子の微妙な動きに応じて表示装置7上に刻々と変化する値として表示されるが(図19)、ここで、取込スイッチ4が押しボタン式のものである場合、ボタンを押下するときとそれを離すときとを比べると、前者は押すために力が加わる状態であってそれに起因して微妙に動いたり、ずれたりするなどする可能性があるのに対し、後者にはこのようなことが生ずる可能性がより少なく、仮確定の測定値を記憶装置に記憶するタイミングとしてはこの後者のタイミングの方が適している。そこで、釘間隔の測定値(表示装置7にリアルタイム表示している値)を確定する際に押下し、ボタンを離した時点で測定が確定されるものとする。取込スイッチ4による測定値の仮確定に関しても、このような態様で実施しても良い。
電子水準器9は2次元角度センサー906を用いて、プローブ3がxy平面に対して水平を維持できているか否か、即ち、xy平面に対するz軸への傾きの角度を測定する。その為、2次元角度センサー906は、プローブ3(好適には当接部32a,32bやフック板306)が水平面に対して平行であることを検出できる状態で取り付けられている必要がある。図10に電子水準器9の構成の概略図を示す。同図(a)及び(b)は基板表面側及び裏面側をそれぞれ示しており、(c)は演算部を有する制御系(コントローラ)部分も含めて示す構成図である。
電子水準器9の基板表面には上述のLED6が設けられ、基板裏面には2次元角度センサー906が設けられる。またこの基板は、プローブ3の上板として用いることも出来る。その場合、基板裏面に、固定測定子304の当接部32aと移動測定子305の当接部32bとの間隔を釘間隔として計測する既述の計測センサーを取り付けても良く、本実施の形態ではそのようにしてあり、図中、317は計測センサー(リニアエンコーダ)を示す。
MPUやCPUなどの演算装置901、RAM902やROM903などの記憶装置、各種センサーからの入力インターフェイス904、LED6などへの出力インターフェイス905は、図22にも一例を示したように筐体2後方にあり、筐体2後方に配したメイン基板に設けることができる。筐体2前方に配置した上記基板側の検出系(図10(a),(b))と筐体2後方に配置した上記制御系(図10(c))とは、単に信号線(リード線)40によって結ばれれば良いことから、後述のように、筐体2を前部と後部とに分けてこれらを回転機構により連結する構成を採用しようとする場合でも、上記センサー317,906側から制御系へ至るリード線(ワイヤ)が(回転可能な)前部筐体2a側から引き出されて(回転機構部分を通って)後部筐体2b側に至るよう配線され、また制御系からLED601〜605側へ至るリード線(ワイヤ)が後部筐体2b側から引き出されて(回転機構部分を通って)前部筐体2a側に至るよう配線されれば足りる。このため、回転機構部分は、その設計上、専ら回転連結を狙った構造を採用することが可能である(例えば、扁平な構造等(図25〜図30))など自由度が大きくなり、また回転範囲も容易に大きく設定可能となる(リード線(ワイヤ)の引き回しも所要の余裕をもたせておけば、そのような回転の支障とはならない)。
上記2次元角度センサー906で検出した値に基づいて、どちらの方向に傾いているかを演算装置901で判定し、傾いている方向がわかるようにLED601〜604を点灯する。なおこの演算装置の判定の際に、記憶装置に記憶した、後述する処理プログラムの処理を行い、また処理の際には適宜、記憶装置にその値を記憶したり、記憶した値を処理に用いたりする。
なお、センサー906として、例えば、アナログ・デバイセズ社製の、高精度の2軸傾き検出に適用できる、2軸加速度センサー「ADXL213」を利用することができるが、これに限定されず、他のものであっても良い。
図11に電子水準器9の処理プロセスの一例であるフローチャートを示す。測定器1が前方、後方、左右のいずれかの方向に傾くことによって、xy平面のどの方向に傾いているかと、その角度を2次元角度センサー906が計測する。演算装置では、xy平面に対するx軸に対する傾き、y軸に対する傾きの出力値を各々取得する(S100)。x軸方向の出力値がx軸方向の中央値(x軸方向に水平であることを示すものであって、後述のごとく、例えば一定の幅を有するものとすることが出来る)でない場合には(S110)、x軸方向の出力値と、中央値とを比較する(S120)。
そして中央値に比しx軸方向の出力値が大きいときには、測定器1は右側に傾いている(左側があがっている)と判定できるので、左側のLED604を点灯する(S130)。
また中央値に比しx軸方向の出力値が小さいときには、測定器1は左側に傾いている(右側があがっている)と判定できるので、右側のLED602を点灯する(S140)。
S130またはS140の場合にはx軸方向について、いずれかの方向へ傾いている(横方向(幅方向)に傾きがある)ことを示すフラグ(Flag(X))に、傾いていることを示す情報(Flag(X)=1)を入れる(S150)。一方、x軸方向について水平の場合には、傾いていないことを示す情報(Flag(X)=0)を入れる(S160)。
演算装置では、y軸方向の出力値がy軸方向の中央値(y軸方向に水平であることを示すものであって、後述のごとく、例えば一定の幅を有するものとすることが出来る)でない場合には(S170)、y軸方向の出力値と、中央値とを比較する(S180)。
そして中央値に比しy軸方向の出力値が大きいときには、測定器1は、測定器1の後方に傾いている(前方があがっている)と判定できるので、最もプローブ3側にある前方のLED601を点灯する(S190)。
また中央値に比しy軸方向の出力値が小さいときには、測定器1は、測定器1の前方に傾いている(後方があがっている)と判定できるので、最も測定者側にある後方のLED603を点灯する(S200)。
S190またはS200の場合にはy軸方向について、いずれかの方向へ傾いている(縦方向(長手方向)に傾きがある)ことを示すフラグ(Flag(Y))に、傾いていることを示す情報(Flag(Y)=1)を入れる(S210)。一方、y軸方向について水平の場合には、傾いていないことを示す情報(Flag(Y)=0)を入れる(S220)。
またx軸方向の出力値、y軸方向の出力値の傾きがない場合にはFlag(X)、Flag(Y)は共に、傾いていないことを示す情報が入っているはずなので(S230)、この場合、測定器1はxy平面に対して水平であることから、中央のLED605を点灯する(S240)。
以上のような処理を演算装置で行うことで、傾いている方向のLED601〜604、または中央のLED605を点灯し、電子水準器9が実現できる。なお、電子水準器9の感度について、中央値に所定の幅(マージン)を設けることによって、調整することが出来る。中央値のマージンが狭すぎると、わずかな傾きによっても中央以外のLED601〜604が点灯してしまい、その結果、中央のLED605が点灯しにくくなる。その為、測定に時間を要することとなる。それを、中央値に適度なマージンを持たせることによって、感度調整が可能となり、上述の点を回避することが出来る。
また筐体2内部に設けられたCPUなどの演算装置、EEPROM、フラッシュメモリなどの記憶装置では、本実施の形態の測定器1に関する情報処理を実現する。即ち、プローブ3で測定した釘間隔の測定値をCPUで受け取り、取込スイッチ4が押下されたことを受け付けると、当該測定値について、EEPROMまたはフラッシュメモリに記憶させ、測定値を仮確定させる。また、仮確定した測定値を表示装置7で表示する。そして測定者が操作スイッチ5で所定の操作を行うことによって、仮確定させた測定値をEEPROMやフラッシュメモリから読み出し、正式な測定値として確定して、再度、EEPROMやフラッシュメモリに確定した測定値(確定値)として記憶させる。また、確定した測定値を表示装置7で表示する。
そして外部出力部8は、例えばUSB端子のように、携帯端末やコンピュータ端末と情報の送受信が可能な送受信部であって、所定の操作をすることによって、EEPROMやフラッシュメモリなどの記憶装置に記憶した情報を、測定器1から携帯端末やコンピュータ端末に渡す。ここで外部出力部8は、有線で通信を行う場合には端子であり、IrDAやブルートゥース(登録商標)(2.4GHz帯域を用いた無線伝送方式)のような無線で通信を行う場合にはその送受信部となる。
上述の筐体2は一つの筐体2から成立していても良いが、二以上の筐体が組み合わさることによって全体の筐体2を構成していても良い。例えば図1に示すような筐体2の場合には、前部筐体2aと後部筐体2bの二つの筐体から構成されており、前部筐体2aと後部筐体2bとは、所定の角度(好適には15度毎であるが、それ以外の角度、例えば5度、10度など)毎に回転可能な回転機構10で連結していても良い。
このように前部筐体2aと後部筐体2bとが回転機構10で連結されている筐体2の場合には、遊技機において、斜めに配設された位置関係にある釘の間隔を容易に測定することが出来る。つまり、釘の位置にあわせてプローブ3が設けられた前部筐体2aを回転させることによって、表示装置7が設けられた後部筐体2bは水平位置のまま、容易に測定することが出来る。前部筐体2aを斜めに回転した場合の測定器1を図13に示す。これによって、表示装置7での測定値の表示が見やすいまま、釘間隔の測定が可能となる。
前部筐体2aと後部筐体2bとが回転機構10で連結されている状態を図25に示す。図25は、測定器1を背面から見た場合であって、前部筐体2aの背面側のカバー22を外した状態を示している。また図26に、筐体2の前部及び後部の各上面側のカバーの内面側を見た場合において、前部筐体2aと後部筐体2bと回転機構10とがどのような位置関係にあるのかを示す。なお、図26中、211は、先に触れたように前部筐体2aの上面側のカバー21の内面側に形成したネジ取付用ボス、212は、電子水準器9のLED601〜605の点灯/消灯等を筐体外から視認させるようにするためにその上面側のカバー21に穿設した5つのLED用孔部である。
回転機構10は、図27に示すように、後部筐体2bに取り付けられた第1の回転軸101と、第1の回転軸101に、回動可能に接続される第2の回転軸102と、第2の回転軸102を第1の回転軸101に固定するためのストッパ板103とを有している。図28に、後部筐体2bに取り付けられた第1の回転軸101に、第2の回転軸102とストッパ板103とが取り付けられた状態を示す。
この第2の回転軸102は、前部筐体2a内部の後方(後部筐体2b側)に設けられた溝104にはめ込むことによって固定することが出来る。このような溝104が形成された前部筐体2aを図29に示す。図29(a)は前部筐体2aの背面側のカバー22であり、図29(b)は前部筐体2aの上面側のカバー21であって、ここでは、ブロック組立体300が組み付けられている状態を示すものである。このような背面側のカバー22と上面側のカバー21をネジなどにより固定することによって、前部筐体2aとすることが出来る。図30に、図25のAの部分の拡大図である、第2の回転軸102が前部筐体2aの上面側のカバー21にはめ込まれた状態を模式的に示している。
また第2の回転軸102が前部筐体2aの溝104にはめ込まれており、また第2の回転軸102はストッパ板103によって第1の回転軸101に取り付けられている。これによって、第2の回転軸102も第1の回転軸101からはずれない構造となり、従って、前部筐体2aと後部筐体2bとが回動可能になっており、またはずれることもない。
第1の回転軸101と第2の回転軸102は、予め定められた角度毎に回転可能である。回転機構10の回転範囲は、一方の回転方向へは180度未満(例えば時計回りの方向へ45度)、他方の回転方向(反時計回りの方向)へは180度とする構成とすることが出来る。180度回転させることが出来ると、前部筐体2aを反転(180度回転)させて、下側(真下)から釘間隔を測定する、という態様で作業を行うことも出来る。このようにすることによって、上側から測定器1をあてがうことの出来ない、あるいはそうすることが困難な釘間隔の部分でも、容易に測定作業を行うことが出来る。
また本実施の形態の測定器1において、釘の間隔を測定するプローブ3は、衝撃等に非常に弱い部分である一方、もっとも機械的精度の維持が要求される部分でもある。そこで、このプローブ3には、図23に示すようなキャップ11を装着することによって、衝撃などによる損傷、変形等から保護すると良い。つまり非使用時には、筐体2にキャップ11を装着しておくことによって、プローブ3を保護する。非使用時、つまり筐体2にキャップ11を装着した状態の測定器1の斜視図を図24に示す。
ここで、釘間隔の測定器においてキャップを採用する場合に、筐体2のy軸方向(長手方向)に沿って着脱を行うようにする構成が考えられる。しかしそのようなキャップ装着方法を用いると、本実施の形態のように、プローブ3の測定子部分が筐体2の上面より上に位置していると、そのまま取り付けることが難しい。
そこで本実施の形態のキャップ11では、z軸方向にキャップ11を着脱する構成とした。即ち、筐体2の前部先端のz軸方向に凹部を設け、その凹部と、キャップ11の凸部とがスライドするように構成する。これによってキャップ11を装着する場合には、筐体2上面からキャップ11の凸部が凹部にスライドするように、上方から取り付ける。またキャップ11を外す場合には、筐体2下方から上側にキャップ11をスライドすることによって、キャップ11を外すことが出来る。
次に本発明の測定器1を用いた計測方法を説明する。本明細書では、測定器1により遊技機における釘間隔の測定を行う場合を説明するが、それに限定されるものではない。例えば、測定部位の一方側である一方の釘に当接させる当接部32aと他方側である他方の釘に当接させる当接部32bを有して、かかる釘の間隔を測定するが、これに限らず、一方側と他方側の壁部が相対向する壁部間の間隔や溝幅の間隔、また上記遊技釘以外の一対のロッド状部材間の間隔を測定する場合などにも広く適用できる方法である。
まず測定者は、測定器1に所定の操作、例えば操作スイッチ5の中心を長押しするなど、により測定器1の電源を入れ、釘間隔の測定を開始する指示を操作スイッチ5から入力する。そして手のひらを上に向けた状態で、測定器1の筐体2の把持部12を載せる。この状態が図9である。
そして測定者は、測定器1のプローブ3(アーム30,31)を2本の釘の間に、滑らせるように上から両方の釘に接触するまでおろし(図14)、その後、釘の頭部がプローブ3のフック板306に当たるまで、手前に測定器1を軽く引く。この状態が図15である。この際に、プローブ3の各アーム(固定子アーム30と移動子アーム31)の間隔は、釘の間隔に沿って圧縮バネ310によって、初期状態より縮むこととなる。また図15を上方から模式的に示した図が図16である。なお、図14は、電子水準器9の表示部におけるLED601が点灯している状態(測定器の後方側が下がっている(前方側が後方側によりも上がっている)状態にあって、従って水平にするためには、後方側を持ち上げるように手で持っている測定器の姿勢を補正すれば良いことを示している状態)の例をも示し、図15は、中心のLED605が点灯している状態(水平になった状態)の例をも示すものである。
なお釘が斜めに配設されているような場合には、測定者は測定器1の前部筐体2aをその斜めに沿うように回転させ、釘が水平に位置する場合と同様に、釘の頭部がプローブ3のフック板306に当たるまで、手前に測定器1を軽く引く。
このように測定器1のプローブ3を2つの釘の間に入れることによって、固定測定子304の当接部32aと移動測定子305の当接部32bとが各々釘と接触し、その当接部32a,32bの間隔を釘間隔として、ガラススケール311と計測センサー317とを用いて測定する。この際に測定している値は、表示装置7で表示されていると良い。図19にこの状態(測定中)の表示装置7の画面の一例を示す。なお測定値は0.01ミリメートル単位または0.05ミリメートル単位で設定により切り替えて測定可能となることが好ましい。なお、こうした「測定中」画面表示からは、測定値仮確定操作に伴って、次に画面遷移すべき表示画面としての「測定結果」表示画面(例えば、図20,21)へと遷移することとなる。
ブローブ3のフック板306の縁部が釘の頭部に適正に当たっていることを確認しながら、測定者は、LED6による電子水準器9の表示を確認し、測定器1が水平になるように保持する。具体的には十字に配列されたLED601〜605のうち、点灯しているLED601〜604の側が水平より高い状態にあるので、それを調整して(即ち、本実施の態様の場合、測定者は、測定器の姿勢に関し、LED601〜604中、点灯している側が上がっていることがそのLEDの点灯状態を見てわかるので、その上がっている側が水平になる方向に測定器の姿勢を修正して)、中心のLED605が点灯するようにする。中心のLED605の点灯状態が測定器1が水平な状態だからである。この状態を示す図が図15である。
またこの間、測定者は、測定器1の表示装置7の画面表示をも見ながら作業を進める。ここに、測定者は、このとき、同一の視線の先に、手前から、その表示装置7の(測定者側に起こされた状態)の表示画面、前部筐体2a表面上のLED6、及び該筐体2表面よりも一段高く設定されたプローブ3の先端部分(測定子304,305、フック板306)のこの順で同じ視線の方向上にこれらが存在する状態で視認することが可能で(図12等)、それら各要素を見るために視線を左右(あるいは極端に上下に)にずらすようなこともなく、その測定値表示と、上述のごとくに釘頭部に適正にあてがわれているかを同時に、かつまた上記LED6の表示状況も同時に容易に確認することができる。しかして、測定者は、こうした構成下で上記表示装置7で表示される釘の間隔の数値をも参考にしながら、表示された測定値の読み込み確定(仮確定)をしようとするときは、中心のLED605が点灯している状態(水平な状態)において、測定者は、測定器1の側面に設けられた取込スイッチ4を押下する。取込スイッチ4を押下すると、上下左右のLED601〜604が順番に点灯し、測定値が取り込まれたことを示す。
具体的には、中心のLED605が点灯状態で、LED601〜604全消灯状態から、LED601点灯、LED602点灯、LED603点灯、LED604点灯のこの順で、1回、(測定結果「OK」とわかるように)あたかも丸印を描くごときパターンでLEDを点灯させるものであり、こうすると、測定者は、このような表示をも視認することができる。
なお測定器1が水平でない状態(上下左右のいずれかのLED601〜604が点灯している状態)の場合、釘間隔を水平の状態で測定できていないことから、正確なデータとはならない。そこで、そのような状態で取込スイッチ4により取り込まれた測定値について、「エラー」の表示を表示装置7に行い、再度の測定を行うように測定者に促す。図20にこの状態の表示装置7の画面の一例を示す。
水平な状態で行われた取込スイッチ4の押下されたことを演算装置で受け付けると、測定器1が測定した釘間隔の測定値を仮確定して、記憶装置に記憶する。また取り込んだ測定値が表示装置7に表示される。図21にこの状態の表示装置7の画面の一例を示す。
そして記憶装置に取り込まれた測定値(仮確定された測定値)について、測定者が、仮確定された測定値を正式な測定値として決定することを示す操作を行う(例えば表示装置7に表示されている仮確定の測定値について、図21のような画面から、操作スイッチ5で「決定」を選択する)ことによって、測定値が正式な測定値として確定し、記憶装置に記憶させる。この際に、どの遊技機の測定値であるかを示すように、遊技機を識別する情報(場合によっては更に、遊技機のどの釘間隔かを示す情報も)とその測定値とを記憶装置に記憶させると良い。
なお、この際に測定器1で図21のような画面から「決定」を選択することによって、確定したことの表示を行うほか、音を測定器1から出力することによって、正常に、正式な測定値を記憶装置に記憶したことを示しても良い。これによって、より確実に知らせることが出来る。また測定器1から出力される音の音量は、ボタン等で調節できるようにすると良い。
以上のようにして遊技機の釘間隔を測定するが、一台について複数の釘間隔(例えば10カ所)を測定できるようにしても良い。これは各遊技機の複数の釘間隔のポイントを示す識別情報に、各々の測定値を関連づけて記憶装置に記憶させることによって行える。
また一つの遊技機について正式な測定値を確定すると、次の遊技機の台番号を表示装置7で表示する制御を行うことによって、測定者が次に測定すべき遊技機をガイドすることが出来る。これは、次に測定すべき遊技機が必ずしも隣にある遊技機とは限らないので、その順番を明示することは、正確な測定を行う上で非常に重要となる。この表示する台番号は、予め登録されている台番号のうち、昇順、降順のいずれで表示しても良い。
このようにして遊技機の各台の釘間隔について測定を終えると、外部出力部8にケーブルを取り付け、所定のコンピュータ端末と通信可能とする(ここに、コンピュータ端末は、遊技機の管理を行うコンピュータであってもよく、また、各遊技機における釘間隔の管理を行うものであってよい)。そしてコンピュータ端末で所定の操作を行うことによって、測定器1の記憶装置に記憶された、遊技機を識別する情報(場合によっては更に、遊技機のどの釘間隔かを示す情報も)とその測定値とを抽出し、コンピュータ端末に取り込む。なお無線通信としても良い。
なお上述の例では、遊技機の各台の釘間隔を単に測定して、それを所定のコンピュータ端末に送信しているだけであったが、測定前に、外部出力部8にケーブルを取り付け、所定のコンピュータ端末と通信可能とすることによって、そのコンピュータ端末から、各遊技機の釘間隔についての指定値(釘間隔について指定された値)と、遊技機またはその釘間隔を識別する情報とを、測定器1の記憶装置に取り込むように構成しても良い。
ここに、上記のような指示値をも使用するときは、測定者が測定器1を用いて釘間隔の測定を行う際に、その表示装置7に、記憶装置に記憶された指示値も表示されるようにすることができる(図19〜21)。結果、この場合において、測定者は、先に触れた同一視線方向上に、その表示装置7の画面中における表示指示値をも見ながら作業を進めることができる。そして、これと対象釘間隔の測定で現に表示されている測定値とが、上述の所定の条件(中心のLED605が点灯している水平な状態にある等)の下、一致しているなら、遊技機の釘間隔の管理の用に供するべく、これも既述した測定値仮確定以下の本確定(正式な測定値として記憶装置に記憶させる)に至るまでの本測定器1における所要の操作を実施することができるが、この場合、当該釘間隔測定値が指定値と全く同じ値でなくとも、予め定められた誤差範囲であれば、指定値からずれていても上記仮確定以下の操作を実施して測定値を取り込むようにしても良い。またこの場合の誤差範囲はどのくらいに設定するか等に関しては、測定装置1から入力して指定可能となるようにする構成を採用してもよい。
なお指定値を用いて釘間隔の測定を行う場合、仮確定された測定値を記憶装置に記憶させる段階、あるいは仮確定された測定値を正式な測定値として記憶装置に記憶させる段階において、当該測定値が指定値から誤差範囲を超えて記憶させようとする場合には、「エラー」として記憶できないようにしても良い。これによって、確実に指定値から誤差範囲内に釘間隔を管理することが出来る。
なお、以上の例では、正式な確定値として決定するのは、操作スイッチ5の操作によったが、これに限らず、これに代えてまたはこれと共に、取込スイッチ4を再度操作することによってもよい。即ち、測定時、取込スイッチ4からの指示を受け取った場合に、測定値を仮確定した値として記憶装置に記憶させると共に、表示装置7に仮確定した測定値を表示するが、この状態において、再度、取込スイッチ4を操作したとき、その仮確定した測定値を確定した値として記憶装置に記憶させるようにしてもよい。かくして、この場合は、確定値の決定に、既述のごとき利点を有する筐体2の両側面の当該取込スイッチ4自体を利用することもできる。
更に、上述の測定器1においては取込スイッチ4や操作スイッチ5を押下することによって、測定値を記憶装置に記憶させるようにしていたが、予め定められた時間、測定中の測定値が変動しない場合(または測定値が指定値から所定の誤差範囲内にある場合)には、当該所定時間を経過した時点で、当該測定値を仮確定、または正式な測定値として、記憶装置に記憶させる自動確定機能を設けても良い。これによって、より簡単に測定値を取り込むことができる。なおこの自動確定機能は、その機能を使用するか、使用しないか、の設定が行えるようにしてあると良い。
例えば通常は当該自動確定機能を使用しない状態で測定を行うが、斜めに配設されている釘間隔を測定する場合には、当該自動確定機能を使用する状態とする。この場合には、前部筐体2aを回転させて釘間隔に沿うように測定することとなるが、電子水準器9系は本来の機能を発揮できないので、常に、ボタンやスイッチ等の操作を伴う測定値の取込作業を測定者に行わせるのは煩雑な一面もある。そこで、このような自動確定機能を設けることによって、より測定者の負担を軽減することが出来る。また使用するか、使用しないか、の設定が可能となることによって、その機能が必要な場合のみ選択して使用することが出来る。
なお、本実施の形態では、測定器1の筐体2は、少なくとも二つの筐体から構成されており、前方の筐体2aと後方の筐体2bとは回転機構10によって連結される構成に従うものの例を示してあり、このように構成することで、斜めに配設された釘の間隔も測定出来る一方、表示装置7は水平に位置しているので、測定値の確認を行いやすいものである。しかし、既述したとおり、これに限定されずに、測定器1の筐体2は一つの筐体からなるものであってもよい。
以上のような処理を行うことで、コンピュータ端末に各遊技機の釘間隔の測定値を取り込むことが出来る。