JP4643211B2 - 透明毛髪化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は透明毛髪化粧料、特にワックスの微粒子を含有する透明毛髪化粧料における使用性の改善に関する。
ワックスは、常温で固体ないし半固体の油分であり、その皮膜は撥水性を有するため化粧品、塗料等の分野に広く用いられている。例えば、ワックスで毛髪をコートすることにより、ドライヤーやブラッシング等の損傷原因から毛髪を保護でき、光沢感やつるつる感、さらに高い整髪性を付与できることから毛髪化粧料に多用されている。この場合、ワックス自体をベースとして用いる場合もあるが、固形あるいは半固形であるために毛髪への均一な塗布が極めて困難であり、むら付き、厚付きとなりやすいことから、エマルジョンの形態で用いることが一般的である。しかしながら、ワックスの分散粒子径が大きいと、毛髪表面に均一に付着しにくく、べたつきを生じたり、十分なつるつる感を発揮できないという欠点があった。また、毛髪化粧料の分野においては、透明性の高い外観が好まれることも多く、ワックスを微細に分散させて基剤の透明性を高めた透明毛髪化粧料の開発が望まれていた。
ワックスを微細分散させる技術としては、従来、各種界面活性剤を用いた転相乳化法を利用して、ワックスを水中に分散し、粒子径を数百nm程度まで微細化する方法(例えば、特許文献1〜3参照)が知られている。しかしながら、数百nm程度の粒子径では、毛髪表面への付着の均一性という点では不十分であり、さらに外観の透明性という観点からも十分なものとは言えなかった。これに対して、近年、両性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを用いてワックスを微細分散させる方法(特許文献4参照)が報告されており、この方法によればワックスを数十nm程度まで微細化することが可能であることが知られている。そして、この方法で得られた毛髪化粧料は、ワックスが十分に微細化されているため、ワックスが毛髪へ均一に付着することができ、さらに外観の透明性にも著しく優れている。
一方で、毛髪化粧料の分野においては、滑らかさ、指どれ等の使用性を高める目的で、増粘剤を配合することが広く行なわれている。一般的な増粘剤成分として、例えば、多糖類、カゼイン、キサンタンガム等の天然高分子、アクリル酸ポリマー、カルボキシビニルポリマー等の合成高分子、モンモリロナイトをはじめとする各種粘土鉱物やシリカ等が知られており、これらの増粘剤成分が、各種の目的・効果に応じて適宜選択され、毛髪化粧料中に配合されてきた。しかしながら、上記のようなワックスの微粒子を含有した毛髪化粧料において、従来の一般的な増粘剤成分を添加した場合には、増粘剤の配合によって外観の透明性が失われてしまうという問題点があった。このため、上記のようなワックス微粒子含有毛髪化粧料においては、透明ヘアジェルや透明ヘアワックスのような透明性と高粘度の剤型とを兼ね備えた基剤とすることが事実上不可能であり、ヘアスプレーやヘアムースの剤型としてしか応用されていないのが現状であった。
特開平03−2112号公報 特開平04−230616号公報 特開平05−220383号公報 特開平10−324617号公報
本発明は、以上のような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワックスの微粒子を含有する透明毛髪化粧料において、外観の透明性を保ちつつ、粘度を高めることにより使用性の改善された透明毛髪化粧料を提供することにある。
前記目的を達成するために本発明者等が鋭意研究を行なった結果、ワックスの微粒子を含有する透明毛髪化粧料において、特定構造の疎水変性ポリエーテルウレタンをともに配合することによって、外観の透明性を保ちつつ、粘度を高めることが可能となり、これにより使用性の著しく改善された透明毛髪化粧が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる透明毛髪化粧料は、(a)ワックスの微粒子と、(b)下記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンと、を含有することを特徴とするものである。
-{(O-R-OCONH-R[-NHCOO-(R-O)-R…(1)
(式中、R、R及びRは、互いに同一でも異なっても良い炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有しても良い炭化水素基を表し、Rは直鎖、分岐鎖又は2級の炭化水素基を表し、mは2以上の数であり、hは1以上の数であり、k及びnは独立に0〜1000の範囲の数である)
また、前記透明毛髪化粧料において、界面活性剤として(c)非イオン性界面活性剤と、(d)両性界面活性剤及び又は半極性界面活性剤とを含有することが好適である。また、前記透明毛髪化粧料において、(a)ワックス微粒子0.1〜10.0質量%と、(b)疎水変性ポリエーテルウレタン0.1〜5.0質量%と、を含有することが好適である。また、前記透明毛髪化粧料において、粘度(ブルックフィールド型粘度計;スピンドル番号7,回転数10rpm,30℃)が100〜500,000mPa・sであることが好適である。また、前記透明毛髪化粧料において、L値が50.0〜100.0であることが好適である。
また、本発明にかかる透明毛髪化粧料の製造方法は、ワックスと界面活性剤とを分散媒中に添加し、該ワックスの融点以上に加温した状態で攪拌混合し、その後常温に冷却することによってワックスの微粒子を含有する組成物を調製し、ついで該組成物と上記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンを含有する他の成分とを攪拌混合することを特徴とする。
また、前記透明毛髪化粧料の製造方法において、界面活性剤として非イオン性界面活性剤と、両性界面活性剤及び又は半極性界面活性剤とを用いることを特徴とする。
本発明にかかる透明毛髪化粧料によれば、ワックスの微粒子を含有する透明毛髪化粧料において、特定構造の疎水変性ポリエーテルウレタンをともに配合することによって、外観の透明性を保ちつつ、粘度を高めることが可能となり、これにより使用性の改善された透明毛髪化粧料が得られる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳述する。
なお、本発明にかかる透明毛髪化粧料は、(a)ワックスの微粒子と、(b)特定構造の疎水変性ポリエーテルウレタンと、を含有することを特徴とするものである。以下、(a)ワックスの微粒子と、(b)疎水変性ポリエーテルウレタンとのそれぞれに分けて説明を行なう。
(a)ワックスの微粒子
本発明にかかる透明毛髪化粧料は、基剤中に微細に分散された(a)ワックスの微粒子を含有するものである。
本発明に用いられるワックスとは、常温にて固体又は半固体の油分を意味するものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、モクロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、ビースワックス、マイクロクリスリンワックス、パラフィンワックス、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、脂肪酸クリセリド、硬化ヒマシ油、ワセリン、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
本発明においては、上記ワックスの1種又は2種以上を混合して用いることも可能であり、さらに、常温で固体又は半固体である範囲であれば、上記ワックスの1種又は2種以上と、他の油性成分(液体油脂、固体油脂、炭化水素油等)とを混合して用いることも可能である。
ワックスと混合可能な油性成分としては、例えば、液体油脂として、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、テトラオクタン酸ペンタエリスリット、トリイソパルミチン酸グリセリン等、固体油脂として、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、硬化油等、炭化水素油として、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、スクワラン等が挙げられる。
なお、本発明において、(a)ワックス微粒子とは、基剤中に分散されたワックスの粒子が粒子径10〜200nmまで微細化されていることを意味する。特に、ワックスの粒子径が10〜100nmまで微細化されていることが好ましい。ワックスの粒子径が200nmを超えると、望まれる透明性が得られない場合がある。
また、本発明にかかる透明毛髪化粧料においては、(a)ワックス微粒子を、化粧料全量に対して0.1〜10質量%含有していることが好ましく、特に1〜5質量%含有していることが好ましい。0.1質量%未満ではワックス配合による整髪力が十分に得られず、10質量%を超えるとべたつきが生じてしまう場合がある。
ワックスの微細分散方法
本発明において、ワックスを微細分散する方法は特に限定されるものではないが、例えば、分散媒中にワックスと各種界面活性剤とを添加し、これをワックスの融点以上に加温した状態で攪拌混合し、その後常温に冷却することによって、分散媒中にワックスを微細に分散することが可能である。なお、ワックスの微細分散において用いられる界面活性剤は、特に限定されるものではなく、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤のいずれのものを用いても構わないが、本発明においては、毛髪化粧料における皮膚刺激性、あるいはワックス微粒子の温度安定性、経時安定性等の観点から、特に非イオン性界面活性剤と、両性界面活性剤及び又は半極性界面活性剤とを組み合わせて用いることが好適である。例えば、非イオン性界面活性剤単独で用いた場合は、皮膚刺激性は良好なものの、温度により系のHLBが変化し、経時安定性が損なわれる欠点がある。また、非イオン性界面活性剤とアニオン界面活性剤との組合せ、アニオン界面活性剤単独、あるいはカチオン性界面活性剤単独で用いた場合には、温度安定性は向上するものの、人によっては皮膚刺激性の問題を生じてしまうことが考えられる。
また、本発明においては、強力なせん断力を与える乳化機、例えば高圧ホモジナイザー、あるいは超音波乳化機等の機械力を用いて、ワックスを微細分散することも可能である。高圧ホモジナイザーを用いる場合には、400気圧以上の圧力下で分散を行なうことが好ましく、さらにワックスの融点以上の温度で600気圧以上の圧力下で分散を行なうことが好ましい。
非イオン性界面活性剤
本発明に用いられる非イオン性界面活性剤は、特に限定されるものではないが、好適なHLBは6〜15、特に好適なHLBは7〜14である。非イオン性界面活性剤のHLBが6〜15の範囲を逸脱すると、ワックスを微細に分散することができない場合がある。
本発明に用いられる非イオン性界面活性剤としては、例えば、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンテトラオレエート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレエート、POEソルビットモノステアレートなどのPOEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレートなどのPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコールなどのPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEジノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、プルロニックなどのプルロニック類、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸などのPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミドなどのアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POEノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸などが挙げられる。
また、非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテルを用いた場合、同一のオキシエチレン鎖長を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルの場合と比較して、ワックス微粒子の経時安定性がよく、経時でワックス微粒子の凝集等による外観の変化(透明性の低下)や、分散粒子のクリーミングが改善されるため、より好適である。
上記ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、下記一般式(2),(3)で表されるものが好適である。
Figure 0004643211

Figure 0004643211

(ただし、Rは炭素数12〜24のアルキル基またはアルケニル基を表し、mは5≦m≦30、nは0<n≦5の範囲にある)
このようなポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、例えば、上記m、nの値が前記範囲にあるPOE・POPセチルエーテル、POE・POPベヘニルエーテル、POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテルなどが挙げられる。
両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤
本発明に用いられる両性界面活性剤、及び半極性界面活性剤は、特に限定されるものではないが、両性界面活性剤としては、例えば、下記一般式(4)〜(8)で示したものが、半極性界面活性剤としては、下記一般式(9)で示したものが例示される。
Figure 0004643211

で表されるアミドベタイン型両性界面活性剤(市販品としてレボン2000(三洋化成株式会社製)、アノンBDF(日本油脂株式会社製)などが挙げられる)。
Figure 0004643211

で表されるアミドスルホベタイン型両性界面活性剤(市販品としてロンザイン−CS(ロンザ社製)、ミラタインCBS(ミラノール社製)などが挙げられる)。
Figure 0004643211

で表されるベタイン型両性界面活性剤(市販品としてアノンBL(日本油脂株式会社製)、デハイントンAB−30(ヘンケル社製)などが挙げられる)。
Figure 0004643211

で表されるスルホベタイン型両性界面活性剤(市販品としてロンザイン12CS(ロンザ社製)などが挙げられる)。
Figure 0004643211

で表されるイミダゾリニウム型両性界面活性剤(市販品としてオバゾリン662−N(東邦化学株式会社製)、アノンGLM(日本油脂株式会社製)などが挙げられる)。
Figure 0004643211

で表される第三級アミンオキサイド型半極性界面活性剤(市販品としてユニセーフA−LM(日本油脂株式会社製)、ワンダミンOX−100(新日本株式会社製)などが挙げられる)。
ただし、上記一般式(4)〜(9)において、Rは平均炭素原子数9〜21のアルキル基またはアルケニル基が好ましく、より好ましくは平均炭素原子数11〜17のアルキル基またはアルケニル基、さらに好ましくは平均炭素原子数11ないし13のアルキル基またはアルケニル基である。平均炭素原子数が9未満では親水性が強すぎ、一方21を越えると水への溶解性が悪くなる。
及びRは平均炭素原子数10〜18のアルキル基またはアルケニル基を表す。
pは2〜4の整数、qは0〜3の整数、sは1又は2の整数を表す。
本発明においては、これらの両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤のうち、任意の1種または2種以上が選択して用いることができる。
また、本発明にかかる透明毛髪化粧料においては、両性界面活性剤/(両性界面活性剤+非イオン性界面活性剤又は半極性界面活性剤)の質量比を0.03〜0.05に調整することが好適である。前記質量比が0.03未満では、ワックス微粒子の温度安定性が損なわれてしまい、一方で0.5を越えると、ワックスを微細分散することができなくなる場合がある。
水系分散媒
本発明にかかる透明毛髪化粧料において、(a)ワックスの微粒子は水系分散媒中に分散されていることが好ましい。このような水系分散媒としては、水単独、あるいは水と、エタノール、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、キシリトール、ソルビトール、マルチト−ル、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出液、セイヨウノコギリソウ抽出液、又はメリロート抽出液等との混合溶媒が挙げられる。
(b)疎水変性ポリエーテルウレタン
本発明にかかる透明毛髪化粧料においては、以上説明した(a)ワックスの微粒子に加えて、さらに(b)疎水変性ポリエーテルウレタンを含有するものである。
本発明に用いられる(b)疎水変性ポリエーテルウレタンは、公知の化合物であり、下記一般式(1)で表されるものである。
-{(O-R-OCONH-R[-NHCOO-(R-O)-R…(1)
(式中、R、R及びRは、互いに同一でも異なっても良い炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有しても良い炭化水素基を表し、Rは直鎖、分岐鎖又は2級の炭化水素基を表し、mは2以上の数であり、hは1以上の数であり、k及びnは独立に0〜1000の範囲の数である)。
一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンは、例えばR−[(O−R)k−OH]で表される1種または2種以上のポリエーテルポリオールと、R−(NCO)h+1で表される1種または2種以上のポリイソシアネートと、HO−(R−O)−Rで表される1種または2種以上のポリエーテルモノアルコールとを反応させることにより得ることができる。
この場合、一般式(1)中のR〜Rは、製造に用いるR−[(O−R)−OH]、R−(NCO)h+1、HO−(R−O)−Rにより決定される。3者の仕込み比は、特に限定されないが、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルモノアルコール由来の水酸基と、ポリイソシアネート由来のイソシアネート基の比が、NCO/OH=0.8:1〜1.4:1であるのが好ましい。
本発明の一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンを得るために好適に用いることのできるポリエーテルポリオール化合物は、R−[(O−R)−OH]で表され、m価のポリオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等を付加重合することにより得ることができる。
ここでポリオールとしては、2〜8価のものが好ましく、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール、グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール、ペンタエリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール等の4価のアルコール、アドニット、アラビット、キシリット等の5価アルコール、ジペンタエリスリトール、ソルビット、マンニット、イジット等の6価アルコール、ショ糖等の8価アルコール等が挙げられる。
また、付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等により、Rが決定され、特に入手が容易であり、さらに優れた効果を発揮させることができることから、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドあるいはスチレンオキサイドが好ましい。
付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等は単独重合、2種類以上のランダム重合、あるいはブロック重合であっても良い。付加の方法は通常の方法であれば良い。また、重合度kは、0〜1000であり、好ましくは1〜500、更に好ましくは10〜200である。また、Rに占めるエチレン基の割合が、好ましくは全てのRに対して50〜100重量%である。
また、R−[(O−R)−OH]の分子量は500〜10万のものが好ましく、1000〜5万のものが特に好ましい。
本発明の一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンを得るのに好適に用いることのできるポリイソシアネートは、R−(NCO)h+1で表され、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されない。例えば、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、フェニルメタンのジイソシアネート、トリイソシアネート、テトライソシアネート等が挙げられる。
脂肪族イソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、3−メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3−ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、2,7−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
ビフェニルジイソシアネートとしては、例えば、ビフェニルジイソシアネート、3,3'−ジメチルビフェニルジイソシアネート、3,3'−ジメトキシビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
フェニルメタンのジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン−4,4'−ジイソシアネート、2,5,2',5'−テトラメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、シクロヘキシルビス(4−イソシオントフェニル)メタン、3,3'−ジメトキシジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジメトキシジフェニルメタン−3,3'−ジイソシアネート、4,4'−ジエトキシジフェニルメタン−3,3'−ジイソシアネート、2,2'−ジメチル−5,5'−ジメトキシジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジクロロジフェニルジメチルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−3,3'−ジイソシアネート等が挙げられる。
トリイソシアネートとしては、例えば、1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,7−ナフタレントリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4'−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4'−トリイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4'−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。
また、これらのポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー(イソシアヌレート結合)で用いられても良く、また、アミンと反応させてビウレットとして用いても良い。
さらに、これらのポリイソシアネート化合物と、ポリオールを反応させたウレタン結合を有するポリイソシアネートも用いることができる。ポリオールとしては、2〜8価のものが好ましく、前述のポリオールが好ましい。なお、R−(NCO)h+1として3価以上のポリイソシアネートを用いる場合は、このウレタン結合を有するポリイソシアネートが好ましい。
本発明の一般式(1)で表される疎水性変性ポリエーテルウレタンを得るのに好適に用いることができるポリエーテルモノアルコールは、HO─(R─O)─Rで表され、直鎖および分岐鎖または2級の1価アルコールのポリエーテルであれば特に限定されない。このような化合物は、直鎖および分岐鎖または2級の1価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等を付加重合することにより得ることができる。
ここでいう直鎖アルコールとは、下記一般式(10)で表される。
−OH …(10)
また、ここでいう分岐鎖アルコールとは、下記一般式(11)で表される。
Figure 0004643211
また、ここでいう2級アルコールとは、下記一般式(12)で表される。
Figure 0004643211
したがって、Rは、上記一般式(10)〜(12)において水酸基を除いた基である。上記の一般式(10)〜(12)においてR、R、R、R10およびR11は炭化水素基またはフッ素炭素基であり、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等である。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イソステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−オクチルドデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分岐−イソステアリル等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
アルキルアリール基としては、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
上記一般式(11)において、Rは炭化水素基、またはフッ化炭素基であり、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキルアリーレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基等である。
また、Rは、炭化水素またはフッ化炭素基であり、そのうちアルキル基であることが好ましく、さらにその合計の炭素数が8〜36が好ましく、12〜24が特に好ましい。
また、付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等は、単独重合、2種以上のランダム重合あるいはブロック重合であっても良い。付加の方法は通常の方法であれば良い。重合度nは0〜1000であり、好ましくは1〜200、更に好ましくは10〜50である。また、Rに占めるエチレン基の割合は、好ましくは全てのRに対し50〜100重量%、さらに好ましくは、65〜100重量%である。
上記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンを製造する方法としては、通常のポリエーテルとイソシアネートとの反応と同様にして例えば80〜90℃で1〜3時間加熱し、反応せしめて得ることができる。
また、R−[(O−R)−OH]で表されるポリエーテルポリオール(a)と、R−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネート(b)と、HO−(R−O)−Rで表されるポリエーテルモノアルコール(c)とを反応させる場合には、一般式(1)の構造の化合物以外のものも副生することがある。例えば、ジイソシアネートを用いた場合、主生成物としては一般式(1)で表されるc−b−a−b−c型の化合物が生成するが、その他、c−b−c型、c−b−(a−b)x−a−b−c型等の化合物が副生成することがある。この場合、特に一般式(1)型の化合物を分離することなく、一般式(1)型の化合物を含む混合物の状態で本発明に使用することができる。
また、本発明においては前記疎水変性ポリエーテルウレタンとして、市販品を用いても良い。市販品としては、例えば、アデカノールGT−700(旭電化社製)が挙げら
れる。
また、本発明にかかる透明毛髪化粧料においては、(b)疎水変性ポリエーテルウレタンを、化粧料全量に対して0.1〜5質量%含有していることが好ましく、特に0.5〜2質量%含有していることが好ましい。0.1質量%未満では増粘による使用性改善の効果が十分に得られず、5質量%を超えると固くなりすぎてしまい指どれが悪くなる、さらにはべたつきを生じる等、使用性に悪影響を与える場合がある。
他の成分
本発明にかかる透明毛髪化粧料においては、上記必須成分以外の成分を、必要に応じて、本発明の効果を損なわない質的、量的範囲内で使用することができる。
具体的には、通常、毛髪化粧料の成分とし使用する油分(ツバキ油、ナタネ油、ゴマ油、サフラワー油、綿実油、ヒマシ油、大豆油、ヤシ油、パーム油、ミツロウ、モンタンロウ、ラノリン、炭化水素油、エステル油等)、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、アルカンスルホン酸塩、アルキルエトキシカルボン酸塩、コハク酸誘導体、アルキルアミンオキサイド、イミダゾリン型化合物、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレオキサイド付加物等)、高分子化合物(ヒドロキシエチレンセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カチオン化セルロース、カチン化高分子、ポリビニルピロリドン、ピニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体、ビニルピロリドン−酢酸ビニル−アルキルアミノアクリレート共重合体、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の低級アルキル−N−アルキルアクリルアミド共重合体等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保湿剤、香料、染料、顔料、色素、防腐剤、ビタミン剤、ホルモン剤、消臭剤、pH調製剤、固着剤等が挙げられる。
透明毛髪化粧料
本発明にかかる透明毛髪化粧料は、(a)ワックスの微粒子を含有する透明毛髪化粧料において、さらに(b)特定構造の疎水変性ポリエーテルウレタンを必須成分として配合するものである。本発明にかかる透明毛髪化粧料は、具体的には、ワックスと界面活性剤とを分散媒中に添加し、該ワックスの融点以上に加温した状態で攪拌混合した後、冷却することによってワックスの微粒子を含有する組成物を調製し、ついで該組成物と上記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンを含有する他の成分とを攪拌混合することにより製造することができる。なお、界面活性剤として非イオン性界面活性剤と、両性界面活性剤及び又は半極性界面活性剤とを用いることが好適である。
従来の(a)ワックスの微粒子を含有した透明毛髪化粧料において、一般的な増粘剤成分を添加した場合には、増粘剤の配合によって外観の透明性が失われてしまうという問題があった。これに対して、本発明によれば、(b)特定構造の疎水変性ポリエーテルウレタンを増粘剤成分として配合することによって、外観の透明性を保ちつつ、粘度を高めることを可能とし、これによって使用性が著しく改善された透明毛髪化粧料を得ることができる。なお、本発明にかかる透明化粧料においては、粘度(ブルックフィールド型粘度計;スピンドル番号7,回転数10rpm,30℃)が100〜500,000mPa・sであることが好適であり,さらには5,000〜200,000mPa・sであることが好適である。粘度が100mPa・s未満であると、手に取ったときにこぼれてしまう等使用性が十分でない場合があり、500,000mPa・sを超えると、固くなりすぎてしまい指どれが悪くなる等使用性に悪影響を与える場合がある。なお、前記ブルックフィールド型粘度計とは、JIS K 7117−1に準拠しているものとする。
本発明にかかる透明毛髪化粧料において「透明」とは、当該毛髪化粧料をある方向から観察した場合に、その後方側を認識することのできる程度に光を透過していることをいう。なお、本発明にかかる透明毛髪化粧料は、完全に無色である必要はなく、染料、顔料などの色剤を除いた状態で透明であればよい。より具体的には、任意の組成物のL値を測定した場合に、少なくとも30以上のものを「透明」という。本発明にかかる透明毛髪化粧料においては、L値が50〜100であることが好ましい。なお、L値とはLab表色系におけるLの値を意味し、例えば、Color−EYE7000(GretagMacbeth社製)等の公知の色差計、又は公知の分光光度計を用いて測定することができる。
本発明にかかる透明毛髪化粧料とは、毛髪に使用する任意の化粧料を意味するが、特には毛髪に対して整髪効果、コンディショニング効果、あるいはつや出し効果を付与する化粧料を意味し、例えば、ヘアワックス、ヘアジェル、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー等として使用される。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、配合量は特に断りの無い限り、質量%で示す。
本発明者らは、まず最初に、ワックス微粒子を含有した毛髪化粧料における各種増粘剤の適性について検討するため、非イオン性界面活性剤と両性界面活性剤とを用いて水中にワックスを微細分散させた基剤に各種増粘剤成分を添加した毛髪化粧料を調製し、得られた各種毛髪化粧料について、L値及び粘度を測定し、さらに使用性についての各種評価を行なった。なお、各種測定及び評価の内容は以下の通りである。試験に用いた各種毛髪化粧料の配合成分と評価結果をまとめたものを下記表1に示す。
L値
各種毛髪化粧料について、色差計(Color−EYE7000:GretagMacbeth社製)により、360〜750nmの波長で10nmごとに透過率を測定し、L値を決定した。
透明性(外観)
専門パネラー10名により、各種毛髪化粧料の外観の透明性(目視)について、下記基準により採点、評価した。
(採点基準)
透明:2点
やや透明:1点
不透明:0点
(評価基準)
○:専門パネラー10名による採点の合計点数が11点以上
△:専門パネラー10名による採点の合計点数が5点〜10点
×:専門パネラー10名による採点の合計点数が4点以下
粘度
各種毛髪化粧料について、ブルックフィールド(BL)型粘度計(DIGITAL
VISMETRON VDH:芝浦システム社製)により、7番のスピンドルを用い、回転数10rpmの条件で、30℃における粘度(mPa・s)を測定した。
使用性(整髪力,滑らかさ,べたつき,指どれの良さ)
専門パネラー10名により、各種毛髪化粧料についての実使用試験を行なうことによって、各項目(整髪力、滑らかさ、べたつきの無さ、指どれの良さ)について、下記基準により採点、評価した。
(採点基準)
良い:2点
普通:1点
悪い:0点
(評価基準)
○:専門パネラー10名による採点の合計点数が11点以上
△:専門パネラー10名による採点の合計点数が5点〜10点
×:専門パネラー10名による採点の合計点数が4点以下
Figure 0004643211
(製造方法) イオン交換水の一部に、カルナバロウ(ワックス)と、POE(15)POP(1)ベヘニルエーテル(非イオン性界面活性剤)と、イミダゾリニウムベタイン(両性界面活性剤)とを加え、約95℃で攪拌混合し、透明性を帯びた後、氷冷して、カルナバロウが微細に分散された組成物を得た。これにイオン交換水の残部と、各種増粘剤を含む他の成分を添加して攪拌混合して、毛髪化粧料を得た。
上記表1に示されるように、ワックスの微粒子を含有した比較例1−1の毛髪化粧料は、透明性は高いものの、増粘剤を一切添加していないために粘度が低く、滑らかさに劣っている。他方、比較例1−1に対して従来の一般的な増粘剤成分を配合した比較例1−2〜1−5の毛髪化粧料では、粘度が高められることにより使用性は改善されているものの、透明性が著しく低下してしまっている。
これに対して、疎水変性ポリエーテルウレタンを配合した実施例1−1の毛髪化粧料では、優れた透明性を保ちつつ、粘度が高められることによって滑らかさが改善されており、透明性、使用性ともに優れた透明毛髪化粧料が得られることが明らかとなった。
つづいて本発明者らは、疎水変性ポリエーテルウレタンの配合量についての検討を行なうため、各種濃度の疎水変性ポリエーテルウレタンを配合した毛髪化粧料を調製し、前記試験と同様にして、各種毛髪化粧料についての各種測定及び評価を行なった。試験に用いた各種毛髪化粧料の配合成分と評価結果をまとめたものを下記表2に示す。
Figure 0004643211
(製造方法) イオン交換水の一部に、カルナバロウ(ワックス)と、POE(15)POP(1)ベヘニルエーテル(非イオン性界面活性剤)と、イミダゾリニウムベタイン(両性界面活性剤)とを加え、約95℃で攪拌混合し、透明性を帯びた後、氷冷して、カルナバロウが微細に分散された組成物を得た。これにイオン交換水の残部と、疎水変性ポリエーテルウレタンを含む他の成分を添加して攪拌混合して、毛髪化粧料を得た。
上記表2に示されるように、疎水変性ポリエーテルウレタンを0.5質量%配合した実施例1−2において、滑らかさ、べたつき、指どれの良さといった使用性の点が著しく改善されていることがわかる。一方で、疎水変性ポリエーテルウレタンの配合量が増えていくにつれてべたつきが悪化しており、さらには剤型が固くなっていくために指どれの良さも悪化する傾向にある。疎水変性ポリエーテルウレタンを10質量%配合した実施例1−5においては、べたつき、指どれの良さの評価ともに劣ってしまっていることから、本発明にかかる透明毛髪化粧料において、疎水変性ポリエーテルウレタンを化粧料全量中0.1〜5.0質量%配合することが好適である。
以下に、本発明にかかる透明毛髪化粧料のその他の実施例を示す。
実施例2−1 透明スタイリングジェル
(1)カルナバロウ 4.0
(2)キャンデリラロウ 1.0
(3)ポリオキシエチレン(15)
ポリオキシプロピレン(1)ベヘニルエーテル 6.0
[商品名;ベポールBEP−0015(東邦化学株式会社製)]
(4)ラウロアンホ酢酸ナトリウム(実分30%) 6.0
[商品名;オバゾリン662−N(東邦化学株式会社製)]
(5)イオン交換水 76.5
(6)疎水変性ポリエーテルウレタン 1.5
[商品名;アデカノールGT−700,旭電化社製]
(7)グリセリン 5.0
(8)香料 適 量
(9)キレート剤 適 量
(10)水酸化ナトリウム 適 量
<製法>
(1)〜(4)と(5)の一部を約95℃で混合撹拌し、透明性を帯びた後、氷冷し、ワックスの微細分散物を得た。その後、(5)の残部、及び(6)〜(10)の混合物を前記ワックス微細分散物に添加した後、(11)を添加して、透明スタイリングジェルを得た。
上記実施例2−1により得られた透明スタイリングジェルは、外観の透明性が高いにもかかわらず、整髪力、滑らかさ、べたつきのなさ、指どれの良さといった使用性の点で著しく優れていた。
実施例2−2 透明スタイリングジェル
(1)マイクロクリスタリンワックス 8.0
(2)ポリオキシエチレン(10モル)ベヘニルエーテル 10.0
(4)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(実分30%)
[商品名;アノンBL−SF、日本油脂社製] 14.5
(4)イオン交換水 46.1
(5)カチオン性ポリマー 3.0
(6)グリセリン 10.0
(7)エタノール 7.0
(8)疎水変性ポリエーテルウレタン 0.5
[商品名;アデカノールGT−700,旭電化社製]
(9)リン酸 0.8
(10)メチルパラベン 0.1
(11)香料 適 量
<スタイリングジェルの製法>
(1)〜(3)と(4)の一部を約95℃で混合撹拌し、透明性を帯びた後、氷冷し、ワックスの微細分散物を得た。これに(4)の残部、及び(6),(8)を添加し、次いで、(5),(7),(10),(11)の混合物を添加し、最後に(9)を添加して混合攪拌し、透明スタイリングジェルを得た。
上記実施例2−2により得られた透明スタイリングジェルは、外観の透明性が高いにもかかわらず、整髪力、滑らかさ、べたつきのなさ、指どれの良さといった使用性の点で著しく優れていた。

Claims (7)

  1. (a)ワックスの微粒子と、
    (b)下記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンと、
    を含有することを特徴とする透明毛髪化粧料。
    -{(O-R-OCONH-R[-NHCOO-(R-O)-R…(1)
    (式中、R、R及びRは、互いに同一でも異なっても良い炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有しても良い炭化水素基を表し、Rは直鎖、分岐鎖又は2級の炭化水素基を表し、mは2以上の数であり、hは1以上の数であり、k及びnは独立に0〜1000の範囲の数である)
  2. 請求項1に記載の透明毛髪化粧料において、界面活性剤として(c)非イオン性界面活性剤と、(d)両性界面活性剤及び又は半極性界面活性剤とを含有することを特徴とする透明毛髪化粧料。
  3. 請求項1又は2に記載の透明毛髪化粧料において、(a)ワックスの微粒子0.1〜10.0質量%と、(b)疎水変性ポリエーテルウレタン0.1〜5.0質量%と、を含有することを特徴とする透明毛髪化粧料。
  4. 請求項1又は2に記載の透明毛髪化粧料において、粘度(ブルックフィールド型粘度計;スピンドル番号7,回転数10rpm,30℃)が100〜500,000mPa・sであることを特徴とする透明毛髪化粧料。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の透明毛髪化粧料において、L値が50.0〜100.0であることを特徴とする透明毛髪化粧料。
  6. ワックスと界面活性剤とを分散媒中に添加し、該ワックスの融点以上に加温した状態で攪拌混合した後、冷却することによって、ワックスの微粒子を含有する組成物を調製し、ついで該組成物と下記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンを含有する他の成分とを攪拌混合することを特徴とする透明毛髪化粧料の製造方法。
    -{(O-R -OCONH-R [-NHCOO-(R -O) -R …(1)
    (式中、R 、R 及びR は、互いに同一でも異なっても良い炭化水素基を表し、R はウレタン結合を有しても良い炭化水素基を表し、R は直鎖、分岐鎖又は2級の炭化水素基を表し、mは2以上の数であり、hは1以上の数であり、k及びnは独立に0〜1000の範囲の数である)
  7. 請求項6に記載の透明毛髪化粧料の製造方法において、界面活性剤として非イオン性界面活性剤と、両性界面活性剤及び又は半極性界面活性剤とを用いることを特徴とする透明毛髪化粧料の製造方法。
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