JP4641969B2 - 地中構造物の先受け装置及び先受け方法 - Google Patents

地中構造物の先受け装置及び先受け方法 Download PDF

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Description

本発明は、地中構造物を構築する際に、先受け部材を地中構造物構築箇所の地山に挿入し、その先受け部材により上方荷重を支持する地中構造物の先受け装置及び先受け方法に関する。
鉄道や道路等の下に立体交差させて設けられるアンダーパスやトンネル等の地中構造物を構築する場合、例えば図9に示すように、パイプ状(管状)、箱状或いは板状の先受け部材81(図示例では、板状)を先に地中構造物構築箇所の地山82に挿入し、その先受け部材81により上方荷重を支持する工法(先受け工法)が多く提案されている。
なお、特許文献1には、構築する地中構造物の外周に相当する地中箇所をワイヤソー或いはチェーンソー等の可撓性切削具で切断し、切断箇所に土留部材及び構造部材を挿入し、これら部材で囲む内部を掘削して地中構造物を構築する地中構造物の構築方法が記載されている。
また、特許文献2には、地盤の両側開削面のそれぞれに土留壁を配置し、ワイヤの一端を一方の土留壁の適当高さ位置に定着すると共に、ワイヤの他端を地盤の地表面に導出し、ワイヤの他端を他方の土留壁の適当高さ位置から引き出し、ワイヤに適度な張力をかけつつ往復運動させることにより、ワイヤによって地盤を切り裂きつつ地盤内部に順次埋め込ませて、そのワイヤを両土留壁間に直線状に位置させるようにした土留アンカーの設置方法が記載されている。
特開2004−225344号公報 特開平5−339945号公報
ところで、上記のような先受け部材はその前端部にカッタ等の切削手段を設置しにくく、先受け部材を挿入する距離が長いと先受け部材の挿入に要する力が増大するという課題があった。
また、地山に硬い礫や杭等の障害物が存在すると、先受け部材を挿入することができなかったり、先受け部材の方向制御性が悪くなったりするという課題があった。
ところで、先受け部材の前端部に回転カッタ等を設ければ、この回転カッタ等により礫や杭等の障害物を切削することが可能となる。したがって、先受け部材の前端部に回転カッタ等を設ければ、先受け部材を容易に挿入することが可能となると共に、先受け部材の方向制御性を向上させることが可能となる。しかしながら、先受け部材の前端部に回転カッタ等を設けると、先受け部材が大きくなってしまう。
そこで、本発明の目的は、先受け部材の大型化を招くことなく、先受け部材を容易に挿入することができると共に、先受け部材の方向制御性を向上させることができる先受け装置及び先受け方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、地中構造物を構築する際に、先受け部材を上記地中構造物構築箇所の地山に挿入し、その先受け部材により上方荷重を支持すると共に地山を切削するために、上記先受け部材の前端部に、その後方からワイヤソーを架け渡して設け、上記先受け部材の後方に、上記先受け部材を前方に押し出すための押し出し手段を設けると共に、上記ワイヤソーを駆動させるためのワイヤソー駆動手段を設けた地中構造物の先受け装置において、上記先受け部材に、その先受け部材の前端部から後方に延出させてワイヤを設け、そのワイヤを後方へと引くことで、上記地山に挿入された上記先受け部材の進行方向を修正することを特徴とする。
ここで、上記ワイヤソーが、循環可能に設けられ、上記ワイヤソー駆動手段が、上記ワイヤソーを循環駆動させるものであっても良い。
ここで、上記先受け部材の前端部に、上記ワイヤソーを架けるためのシーブを設け、そのシーブの外周に、地山を切削するためのカッタビットを設けても良い。
また、上記先受け部材に、上記先受け部材の変形を防止するための補強部材を設けても良い。
また本発明は、地中構造物を構築する際に、先受け部材を上記地中構造物構築箇所の地山に挿入し、その先受け部材により上方荷重を支持すると共に地山を切削するために、上記先受け部材の前端部に、その後方からワイヤソーを架け渡し、そのワイヤソーを駆動させた状態で上記先受け部材を前方に押す地中構造物の先受け方法において、上記先受け部材に、その先受け部材の前端部から後方に延出させてワイヤを予め取り付けておき、そのワイヤを後方へと引くことで、上記地山に挿入された上記先受け部材の進行方向を修正することを特徴とする
本発明によれば、先受け部材の大型化を招くことなく、先受け部材を容易に挿入することができると共に、先受け部材の方向制御性を向上させることができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
本実施形態の先受け装置は、地中構造物を構築する際に、先受け部材を地中構造物構築箇所の地山に挿入し、その先受け部材により上方荷重を支持するためのものである。
本実施形態では、鉄道や道路等の下に立体交差させてアンダーパス(くぐり抜け道路)等の地中構造物を構築する場合について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る先受け装置の概略図である。
図1において、1は鉄道や道路等を示し、2は鉄道や道路等1の下方に位置する地中構造物構築箇所の地山を示し、3は地山2の後方に設けられた立坑を示す。
図1に示すように、本実施形態の先受け装置は、第一先受け部材4と、第一先受け部材4の前端部にその後方(図1中の右側)から架け渡して循環可能に設けられ、地山2(或いは礫や杭等の障害物)を切削するためのワイヤソー5と、第一先受け部材4の後方に配置され、第一先受け部材4を前方(図1中の左側)に押し出して、第一先受け部材4を地山2に挿入するための押し出し手段6と、第一先受け部材4の後方に配置され、ワイヤソー5に所定の張力(テンション)をかけつつ、ワイヤソー5を循環駆動させるためのワイヤソー駆動手段7とを備えている。
図3に示すように、第一先受け部材4は、板状に形成された先受け部材本体8を有している。本実施形態では、先受け部材本体8は、一対の薄板9(例えば、鉄板や鋼板等)と、一対の薄板9間に設けられたスペーサ10とから構成されている。
先受け部材本体8の前端部には、後述するシーブ(滑車)11を収容するための凹部12が形成されている。本実施形態では、凹部12は、一対の薄板9をその前端面がスペーサ10の前端面よりも前方に位置するように配置することで形成される(図3(b)及び図3(d)参照)。
先受け部材本体8の両側部には、ワイヤソー5を挿通して、ワイヤソー5をガイドするための溝13が形成されている。本実施形態では、溝13は、一対の薄板9をその両側面がスペーサ10の両側面よりも幅方向(図3(a)から図3(c)中の上下方向)の外側に位置するように配置することで形成される(図3(b)及び図3(c)参照)。
先受け部材本体8の後端部には、後述する第二先受け部材14の凸部15と係合するための凹部16が形成されている。本実施形態では、凹部16は、一対の薄板9をその後端面がスペーサ10の後端面よりも後方に位置するように配置することで形成される(図3(b)及び図3(d)参照)。
先受け部材本体8の前端部に設けられた凹部12内には、ブラケット17を介してシーブ11が回転可能に設けられている。シーブ11は、ワイヤソー5を架けるためのものであり、先受け部材本体8の厚さ方向(図3(d)中の上下方向)軸廻りに回転可能に設けられる。なお、薄板9とブラケット17とを、一体(同一面)に設けても良い。
本実施形態では、シーブ11は、先受け部材本体8の幅方向に所定間隔を隔てて複数(図示例では二つ)設けられている(図3(b)参照)。
本実施形態では、シーブ11の外周には、地山2(或いは礫や杭等の障害物)を切削するためのカッタビット(図示せず)が設けられている。例えば、上記のカッタビットは超硬合金等からなる。
図1に示すように、ワイヤソー5は、無端状(エンドレス状)に形成されている。本実施形態では、ワイヤソー5は、後述する反力壁18に設けられたシーブ19、20を介して、第一先受け部材4とワイヤソー駆動手段7との間に架け渡されている。
また、本実施形態では、ワイヤソー5は、第一先受け部材4の外縁に沿って循環されるようになっている。詳しくは、ワイヤソー5は、第一先受け部材4の前端部において先受け部材本体8のシーブ11に架けられており、先受け部材本体8の前方を通るようになっている(図3(b)参照)。また、ワイヤソー5は、第一先受け部材4の両側部において先受け部材本体8の溝13に挿通されており、先受け部材本体8の溝13内を通るようになっている(図3(b)参照)。
ここで、ワイヤソー5は、芯線にビーズをはめ込んだものである。例えば、上記の芯線は鋼等からなり、上記のビーズはダイヤモンド等からなる。
本実施形態の押し出し手段6は、第一先受け部材4の後方であって、立坑3内に配置されたジャッキ(油圧ジャッキ)21を有している。本実施形態では、反力壁18から反力をとってジャッキ21を伸長させることで、第一先受け部材4を前方に押し出すようになっている。本実施形態では、反力壁18は、鉄道や道路等1とは反対側の立坑3の側面に設けられている。
本実施形態のワイヤソー駆動手段7は、第一先受け部材4の後方であって、立坑3外に前後方向に沿って配置されたレール22と、レール22上に配設され、レール22に沿って前後方向に移動可能な駆動装置本体23と、駆動装置本体23上に設けられ、ワイヤソー5を循環駆動させるためのモータ24とを有している。モータ24には、ワイヤソー5を架けるためのシーブ25が連結されている。なお、ワイヤ駆動手段7(レール22、駆動装置本体23、モータ24及びシーブ25)を立坑3内に配置しても良いのは勿論である。
本実施形態では、モータ24を駆動させることでワイヤソー5が循環駆動される。また、駆動装置本体23を第一先受け部材4の移動量に応じて前方に移動させることでワイヤソー5に所定の張力がかけられる。
本実施形態の先受け装置は、第一先受け部材4の後端部に連結可能な第二先受け部材14を備えている(図5参照)。
図4に示すように、第二先受け部材14は、板状に形成された先受け部材本体26を有している。本実施形態では、先受け部材本体26は、一対の薄板27(例えば、鉄板や鋼板等)と、一対の薄板27間に設けられたスペーサ28とから構成されている。
先受け部材本体26の前端部には、第一先受け部材4の凹部16と係合するための凸部15が形成されている。本実施形態では、凸部15は、一対の薄板27をその前端面がスペーサ28の前端面よりも後方に位置するように配置することで形成される(図4(b)及び図4(c)参照)。
先受け部材本体26の両側部には、ワイヤソー5を挿通して、ワイヤソー5をガイドするための溝29が形成されている。本実施形態では、溝29は、一対の薄板27をその両側面がスペーサ28の両側面よりも幅方向(図4(a)及び図4(b)中の上下方向)の外側に位置するように配置することで形成される(図4(a)及び図4(b)参照)。
先受け部材本体26の後端部には、他の第二先受け部材14の凸部15と係合するための凹部30が形成されている。本実施形態では、凹部30は、一対の薄板27をその後端面がスペーサ28の後端面よりも後方に位置するように配置することで形成される(図4(b)及び図4(c)参照)。
次に、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、第一先受け部材4及び第二先受け部材14の幅方向を構築すべき地中構造物の横方向に向けた状態(つまり、第一先受け部材4及び第二先受け部材14を横向きにして使用した状態)で、その第一先受け部材4及び第二先受け部材14を地山2に挿入するものとする。
なお、第一先受け部材4及び第二先受け部材14の幅方向を構築すべき地中構造物の上下方向に向けた状態(つまり、第一先受け部材4及び第二先受け部材14を縦向きにして使用した状態)で、その第一先受け部材4及び第二先受け部材14を地山2に挿入しても良いのは勿論である。
まず、図1に示すように、鉄道や道路等1側の立坑3の側面に、第一先受け部材4及び第二先受け部材14の挿入用のエントランス31を取り付ける。エントランス31は、第一先受け部材4及び第二先受け部材14が挿入される筒状のエントランス本体32を有している。エントランス本体32の内周面には、第一先受け部材4及び第二先受け部材14との隙間をシールするためのエントランスパッキン33が設けられている。
次いで、第一先受け部材4をエントランス31のエントランス本体32に挿入すると共に、ジャッキ21を第一先受け部材4と反力壁18との間に配置された台座34に支持させる。そして、ジャッキ21により反力壁18から反力をとって第一先受け部材4を前方に押し出して、第一先受け部材4を地山2に挿入する。
ここで、本実施形態では、地山2(或いは礫や杭等の障害物)を切削するために、第一先受け部材4の前端部に、その後方からワイヤソー5を架け渡して循環可能に設けている。このようにすることで、ワイヤソー5により第一先受け部材4の前端部が切削状態となり、ワイヤソー5により地山2を切削しつつ第一先受け部材4を挿入することができるため、第一先受け部材4を挿入する距離が長くても第一先受け部材4の挿入に要する力が小さくてすむ。また、ワイヤソー5により第一先受け部材4の前端部が切削状態となり、ワイヤソー5により礫や杭等の障害物を切削しつつ第一先受け部材4を挿入することができるため、地山2に硬い礫や杭等の障害物が存在しても第一先受け部材4の方向制御性が良い。
また、地山2(或いは礫や杭等の障害物)を切削するワイヤソー5は形状を色々変化させることができるため、第一先受け部材4の外縁に沿って循環させることができ、第一先受け部材4の大型化を招くことはない。
また、本実施形態では、第一先受け部材4の後方であって立坑3内に押し出し手段6を設けると共に、第一先受け部材4の後方であって立坑3外にワイヤソー駆動手段7を設けるようにしたため、これら押し出し手段6及びワイヤソー駆動手段7を第一先受け部材4自体に設ける必要がなく、第一先受け部材4の大型化を招くことはない。
さて、第一先受け部材4を所定距離だけ地山2に挿入した状態(例えば、第一先受け部材4の後端部がエントランス31の近傍に達した状態)で、ジャッキ21を一旦停止させる。ついで、図2に示すように、第一先受け部材4の後端部に第二先受け部材14を連結すると共に、ワイヤソー5の長さを長くする。第二先受け部材14は、その凸部15を第一先受け部材4の凹部16と係合させた状態で、例えばボルトや溶接等により第一先受け部材4に対して固定される(図5参照)。また、ワイヤソー5を長さが長いものに交換する、或いは、ワイヤソー5を継ぎ足すことで、ワイヤソー5の長さを長くする。
しかる後、ジャッキ21により反力壁18から反力をとって第一先受け部材4及び第二先受け部材14を前方に押し出して、第二先受け部材14を地山2に挿入する。そして、第一先受け部材4を所定距離だけさらに地山2に挿入したら、ジャッキ21を停止させる。
ワイヤソー5は、その一部分を切断して地山2から引き抜くことで回収することができる。なお、到達側に立坑を設け、その立坑内に少なくとも第一先受け部材4の前端部が達するまで第一先受け部材4を押し出して、到達側の立坑内でシーブ11及びブラケット17等を回収するようにしても良い。
このように、第一先受け部材4(或いは第二先受け部材14)の後端部に第二先受け部材14を順次連結すると共に、ワイヤソー5の長さを順次長くすることで、構築すべき地中構造物の長手方向長さが比較的長い場合であっても、押し出し手段6のジャッキ21やワイヤソー駆動手段7のレール22等のストローク増大を招くことはない。
また、地山2(或いは礫や杭等の障害物)を切削するワイヤソー5は循環駆動されるものであるため、ワイヤソー5の交換や回収が容易である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず他の様々な実施形態を採ることが可能である。
例えば、地山2(或いは礫や杭等の障害物)を切削するためのワイヤソー5は形状を色々変化させることができるため、図7に示すように、複数(図示例では二つ)の第一先受け部材4を幅方向に連結することができる。このようにすることで、広範囲に一度に第一先受け部材4の挿入が可能となり、工期短縮を図ることが可能である。
図7においては、第三先受け部材35を介して、二つの第一先受け部材4を幅方向に連結している。第三先受け部材35は、後述する凸部36を第一先受け部材4の溝13と係合させた状態で、例えばボルトや溶接等により第一先受け部材4に対して固定される。
図6に示すように、第三先受け部材35は、板状に形成された先受け部材本体37を有している。本実施形態では、先受け部材本体37は、一対の薄板38(例えば、鉄板や鋼板等)と、一対の薄板38間に設けられたスペーサ39とから構成されている。
先受け部材本体37の前端部には、凹部40が形成されている。本実施形態では、凹部40は、一対の薄板38をその前端面がスペーサ39の前端面よりも前方に位置するように配置することで形成される(図6(b)及び図6(c)参照)。
先受け部材本体37の両側部には、第一先受け部材4の溝13と係合するための凸部36が形成されている。本実施形態では、凸部36は、一対の薄板38をその両側面がスペーサ39の両側面よりも幅方向(図6(a)及び図6(b)中の上下方向)の内側に位置するように配置することで形成される(図6(a)及び図6(b)参照)。
先受け部材本体37の後端部には、第二先受け部材14の凸部15と係合するための凹部41が形成されている。本実施形態では、凹部41は、一対の薄板38をその後端面がスペーサ39の後端面よりも後方に位置するように配置することで形成される(図6(b)及び図6(c)参照)。
また、上述の実施形態では、ワイヤソー5が、循環可能に設けられ、ワイヤソー駆動手段7が、ワイヤソー5を循環駆動させるものであるとしたが、これには限定はされない。例えば、ワイヤソー5が、往復可能に設けられ、ワイヤソー駆動手段7が、ワイヤソー5を往復駆動させるものであっても良い。
また、図8に示すように、先受け部材4に、先受け部材4の前端部から後方に延出させて、先受け部材4の進行方向を修正するためのワイヤ(方向修正ワイヤ)42a、42b、42c、42dを設けても良い。
この実施形態では、ワイヤ42a、42b、42c、42dは、先受け部材4の厚さ方向両端面(薄板9の厚さ方向外側端面)にそれぞれ、先受け部材4の幅方向に所定間隔を隔てて複数設けられる。各ワイヤ42a、42b、42c、42dはそれぞれ、その先端が先受け部材4の厚さ方向端面に固定されている。また、各ワイヤ42a、42b、42c、42dはそれぞれ、先受け部材4の厚さ方向端面(薄板9の厚さ方向外側端面)に取り付けたガイド43に係合されている。なお、先受け部材4の幅方向に隣接するワイヤ42a、42b同士又はワイヤ42c、42d同士を連結するようにしても良い。
各ワイヤ42a、42b、42c、42dを後方へと適宜引くことで、地山に挿入された先受け部材4の進行方向を修正することができる。先受け部材4を横向きに使用した場合、先受け部材4の幅方向に隣接するワイヤ42a、42b又はワイヤ42c、42dを引くことで、先受け部材4の前端部が上方又は下方にそるため、先受け部材4の進行方向を上下方向に修正することができる。また、先受け部材4を縦向きに使用した場合、先受け部材4の幅方向に隣接するワイヤ42a、42b又はワイヤ42c、42dを引くことで、先受け部材4の前端部が右方又は左方にそるため、先受け部材4の進行方向を左右方向に修正することができる。
さらに、図8に示すように、先受け部材4に、先受け部材4の変形(たわみ変形等)を防止するための補強部材44を設けても良い。
この実施形態の補強部材44は、先受け部材4の厚さ方向両端面(薄板9の厚さ方向外側端面)にそれぞれ取り付けられ、アーチ状に屈曲形成された補強板45と、補強板45と先受け部材4との間に介設された支柱46とから構成されている。この実施形態では、補強板45は、ワイヤ42a、42b、42c、42dを覆うように設けられている。
本発明の一実施形態に係る先受け装置の概略図である。 本実施形態の先受け装置の概略図であり、第一先受け部材の後端に第二先受け部材を連結した状態を示す。 本実施形態の第一先受け部材を示し、(a)は正面図であり、(b)は平面図であり、(c)は背面図であり、(d)は側面図である。 第二先受け部材を示し、(a)は正面図であり、(b)は平面図であり、(c)は側面図である。 第一先受け部材と第二先受け部材とを連結した状態を示し、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。 第三先受け部材を示し、(a)は正面図であり、(b)は平面図であり、(c)は側面図である。 第一先受け部材と第三先受け部材とを連結した状態を示し、(a)は平面図であり、(b)は背面図である。 他の実施形態の第一先受け部材を示し、(a)は正面図であり、(b)は平面図であり、(c)は背面図であり、(d)は側面図である。 従来の先受け工法を説明するための概略図である。
符号の説明
2 地山
4 第一先受け部材(先受け部材)
5 ワイヤソー
6 押し出し手段
7 ワイヤソー駆動手段
11 シーブ
42a、42b、42c、42d ワイヤ
44 補強部材

Claims (5)

  1. 地中構造物を構築する際に、先受け部材を上記地中構造物構築箇所の地山に挿入し、その先受け部材により上方荷重を支持すると共に地山を切削するために、上記先受け部材の前端部に、その後方からワイヤソーを架け渡して設け、上記先受け部材の後方に、上記先受け部材を前方に押し出すための押し出し手段を設けると共に、上記ワイヤソーを駆動させるためのワイヤソー駆動手段を設けた地中構造物の先受け装置において、上記先受け部材に、その先受け部材の前端部から後方に延出させてワイヤを設け、そのワイヤを後方へと引くことで、上記地山に挿入された上記先受け部材の進行方向を修正することを特徴とする地中構造物の先受け装置。
  2. 上記ワイヤソーが、循環可能に設けられ、上記ワイヤソー駆動手段が、上記ワイヤソーを循環駆動させるものである請求項1記載の地中構造物の先受け装置。
  3. 上記先受け部材の前端部に、上記ワイヤソーを架けるためのシーブを設け、そのシーブの外周に、地山を切削するためのカッタビットを設けた請求項1又は2記載の地中構造物の先受け装置。
  4. 上記先受け部材に、その先受け部材の変形を防止するための補強部材を設けた請求項1から3いずれかに記載の地中構造物の先受け装置。
  5. 地中構造物を構築する際に、先受け部材を上記地中構造物構築箇所の地山に挿入し、その先受け部材により上方荷重を支持すると共に地山を切削するために、上記先受け部材の前端部に、その後方からワイヤソーを架け渡し、そのワイヤソーを駆動させた状態で上記先受け部材を前方に押す地中構造物の先受け方法において、上記先受け部材に、その先受け部材の前端部から後方に延出させてワイヤを予め取り付けておき、そのワイヤを後方へと引くことで、上記地山に挿入された上記先受け部材の進行方向を修正することを特徴とする地中構造物の先受け方法
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