JP4641084B2 - 半導体レーザの選別方法及び選別装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体レーザの選別方法及び選別装置に関し、特に、低雑音動作が可能な自励発振半導体レーザの選別方法及び選別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザは、光ディスク装置の光源および光通信の光源等として、情報機器、システム等に幅広く使用されている。特に、近年、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)、光磁気ディスクなどの光ディスク媒体が高密度記憶装置として脚光を浴びている。このような装置の光ピックアップに用いられる半導体レーザは、光ディスク盤面からの反射戻り光によって雑音が発生するため、この雑音の発生を抑えることが重要な課題となっている。
【0003】
雑音低減の一つの方法として、半導体レーザを高周波で駆動する方法が知られている。この方法は、高周波駆動により発振スペクトルがマルチモード化し、戻り光の影響が低減されるという効果を利用するものである。しかしながら、この方法では、高周波重畳モジュール等を新たに設けなければならないため、コストが高くなり、さらに電磁波雑音を放射するというEMCの問題も生じる。
【0004】
他の方法として、半導体レーザとして自励発振レーザを用いる方法がある。自励発振レーザには上記した高周波駆動の場合と同様に低雑音特性を有し、更に、自励発振レーザを用いる場合には高周波重畳モジュール等の新たなモジュールを設ける必要がなく、低コストで、かつ電磁波雑音も発生しないという優れた特徴がある。そこで、実際に使用する光出力・温度範囲で確実に自励発振するレーザが望まれている。
【0005】
自励発振レーザの自励発振動作は、レーザ共振器内に可飽和吸収体を導入し、その可飽和吸収量を制御することによって得ることができる。このような自励発振動作、およびそのレーザ構造について、例えば、1999年に刊行されたアイ・イー・イー・イー・ジャーナル・オフ・セレクティッド・トピックス・イン・クワンタム・エレクトロニクス(IEEE Journal of Selected Topoics in Quantum Electroncis)第5巻、第3号、715−720頁に、65℃までの自励発振動作する自励発振レーザが報告されている。また、特願平11−125634号公報には、ブロック層の一部または全部をレーザの発振光に対して光吸収のない材料で形成し、かつ、活性層に圧縮歪を用いることにより、最高100℃まで自励発振するレーザが開示されている。
【0006】
ところで、実際に半導体レーザを光ディスクに搭載する場合、温度や光出力などの実際の使用条件の範囲で確実に自励発振する素子を選別する必要がある。これは、同一構造を意図して作った素子でも、結晶成長層の厚さ、組成、ドーピングなどの面内分布やロットごとのばらつき、エッチングの面内分布やロットごとのばらつきなどの様々な要因で異なった構造の素子が製造され、可飽和吸収量がばらついてしまい、自励発振特性などの素子の特性もウエハ面内での位置やロットの違いによってばらつくためである。
【0007】
このように特性がばらついた自励発振レーザを選別する方法に関しては、インターフェログラムを用いた方法が特開昭63−55432号公報に記載されている。この技術を図15及び図16を参照して説明する。図15は、インターフェログラムを測定するための装置の構成を示す図であり、図16は、インターフェログラムおよびγ値79(0次ピークの高さに対する1次ピークの高さの比)を説明するための図である。図15において、50は半導体レーザ、51は光検出器、52は第1反射鏡、53は第2反射鏡、54はハーフミラー、55は光路差である。
【0008】
まず、インターフェログラムを測定する方法について説明すると、選別する半導体レーザ50のレーザ光は、レンズ(図示せず)によって平行ビームとなり、ハーフミラー54によって2つに光に分割される。これら2つの光は、第1反射鏡52、第2反射鏡53でそれぞれ反射され、ハーフミラー54で反射又は透過して干渉を生じる。この干渉光を、レンズ(図示せず)を用いて光検出器51に集光し干渉強度を測定する。
【0009】
図16は、この時の2つの光の光路差55をLとした場合の光路差Lに対する干渉強度振幅を示したもので、インターフェログラムを表している。このインターフェログラムにおいて、0次ピーク60の高さに対する1次ピーク61の高さの比をγとすると、γ値79は、自励発振動作しているときに低い値をとり、自励発振が停止するとほぼ1の値をとる。すなわち、γ値79は自励発振が強く、レーザ光の可干渉性が低下したものほど小さくなる性質を有するため、例えば、γ値79が0.6以下であるものを自励発振レーザの良品として選別することができる。そこで従来は、γ値79を用いて自励動作の良否の選別を行っていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなγ値79を用いた従来の選別方法では、特定の使用条件での自励発振動作の良否は判定することができるが、測定ばらつきや歩留まりをふまえて実使用条件下での自励発振動作を確実に保証するためには、実使用条件よりも高い光出力や高い温度など、測定条件として大きなマージンを見込む必要がある。
【0011】
選別基準にマージンを持たせる一つの方法として、実際に光出力を高くして評価する方法が考えられる。例えば、5mW動作を保証する半導体レーザにおいて7mW等の高い光出力で測定すればよいが、半導体レーザを高出力で動作させると、これに起因して半導体レーザが劣化したり、または長期間の通電により劣化の原因となる欠陥を半導体レーザに導入する可能性があるという問題がある。
【0012】
また、選別基準にマージンを持たせる他の方法として、γ値79自体にマージンを持たせる方法が考えられる。しかし、γ値79は光出力が増大して自励発振が停止するときに急激に増大するため、マージンを見込むのが困難である。その理由は、γが光出力の変化に対して単調でない変化、すなわち、上昇−低下−急激に増大という複雑な変化をするため、γ値79の大きさから自励発振する光出力の限界を推測することができないからである。
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、実使用条件での自励発振動作を確実に保証し、また、検査段階において、レーザに過度の負担を強いることのない半導体レーザの選別方法及び選別装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、半導体レーザの自励発振動作の良否判定を行う半導体レーザの選別方法において、所定の条件でレーザを干渉させて取得したインターフェログラムの0次又は高次のピーク曲線の所定の値に対応する幅と予め定めた値とを比較することにより、前記所定の条件又は異なる条件での前記半導体レーザの自励発振状態を推測するものである。
【0015】
本発明においては、前記所定の値に対応する幅として、半値幅又は1/e2値幅等の前記ピーク曲線のピーク値に対して所定の割合だけ小さい値に対応する幅を用いることができ、前記所定の値に対応する幅が前記予め定めた値より小さい場合に半導体レーザを良品と判定することもできる。
【0016】
また、本発明は、半導体レーザの自励発振動作の良否判定を行う半導体レーザの選別方法において、所定の条件でレーザを干渉させて取得したインターフェログラムの0次又は高次のピーク曲線の所定の値又は所定の範囲における傾きと予め定めた値とを比較することにより、前記所定の条件又は異なる条件での前記半導体レーザの自励発振状態を推測するものである。
【0017】
本発明においては、前記傾きとして、前記インターフェログラムを対数表示したときの傾きを用いることができ、前記所傾きの絶対値が前記予め定めた値より大きい場合に半導体レーザを良品と判定することもできる。
【0018】
また、本発明においては、前記異なる条件を、前記所定の条件よりもレーザ光出力が高い条件、又は、前記半導体レーザの温度が高い条件とすることもできる。
【0019】
本発明の半導体レーザの選別装置は、所定の条件で半導体レーザを干渉させてインターフェログラムを取得する手段と、前記インターフェログラムの0次又は高次のピーク曲線の所定の値に対応する幅を計測する手段と、前記所定の幅を基準値として前記所定の条件又は異なる条件での前記半導体レーザの自励発振状態を推測する手段と、を少なくとも備えたものであり、前記自励発振状態の推測手段を、前記所定の値に対応する幅と予め定めた値とを比較演算し、前記所定の値に対応する幅の方が小さい場合に半導体レーザを良品と判定する手段を有するものとすることができる。
【0020】
また、本発明の半導体レーザの選別装置は、所定の条件で半導体レーザを干渉させてインターフェログラムを取得する手段と、前記インターフェログラムの0次又は高次のピーク曲線の所定の値又は所定の範囲における傾きを計測する手段と、前記傾きを基準値として前記所定の条件又は異なる条件での前記半導体レーザの自励発振状態を推測する手段と、を少なくとも備えたものであり、前記自励発振状態の推測手段を、前記傾きの絶対値と予め定めた値とを比較し、前記所定の傾きの絶対値の方が大きい場合に半導体レーザを良品と判定する手段を有するものとすることができる。
【0021】
上述したように、本発明の半導体レーザの選別方法及び選別方法によれば、インターフェログラムのピークの幅を指標とすることによって、自励発振強度の限界となる光出力、温度を確実に推測することができるため、光出力、温度のマージンを適切に見込んで選別することができる。また、高温での自励発振動作を室温の測定のみによって保証することができるため、評価時間の短縮、評価設備のコスト低減等を図ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に係る半導体レーザの選別方法は、その好ましい一実施の形態において、所定の条件で半導体レーザを干渉させてインターフェログラムを取得し、インターフェログラムの0次又は高次のピーク曲線(図1の60、61、62)における半値幅(図1の70)を計測し、この半値幅とが予め定めた値とを比較して実使用条件下での半導体レーザの自励発振状態を推測するものであり、この方法を用いることにより半導体レーザに負荷をかけない条件で確実に良否を判定することができる。
【0023】
【実施例】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0024】
[実施例1]
まず、本発明の第1の実施例に係る自励発振半導体レーザの選別方法及び選別装置について、図1乃至図6を参照して説明する。図1は、自励発振半導体レーザのインターフェログラムの0次ピーク半値幅を説明するための図である。図2はインターフェログラムの0次ピーク半値幅の光出力依存性を示す図であり、図3はγの光出力依存性を示す図である。図4は、自励発振レーザの実時間での光出力波形を示す図である。また、図5は、自励発振半導体レーザの構造を示す図であり、図6は、自励発振半導体レーザのnクラッドからpクラッドに至る部分の組成プロファイルを示す図である。
【0025】
本実施例の方法により半導体レーザを選別するには、まず、選別対象となる半導体レーザのインターフェログラムを取得する。測定装置としては、インターフェログラム測定機能を有する光スペクトルアナライザ、例えば、アドバンテスト社光スペクトラムアナライザ(型番:Q8344A)等を用いることができる。インターフェログラムの測定方法は、前述したように、選別する半導体レーザ50から放射されるレーザ光をハーフミラー54によって2つに光に分割し、これら2つの光を各々、第1反射鏡52、第2反射鏡53で反射し、ハーフミラー54を通して干渉させ、その干渉光を光検出器51で測定することによって行う。この時の2つの光の光路差55(L)を横軸とし、干渉強度振幅を縦軸として表した曲線が図1に示すインターフェログラムである。図中の中央のピークが0次ピーク60であり、その外側のピークが順次、第1次ピーク61、第2次ピーク62である。
【0026】
このインターフェログラムを用いて測定対象となる自励発振半導体レーザが良品か否かを判断するにあたって、実使用条件よりも高い光出力や高い温度などで十分に動作しうることを保証する必要があり、従来は、インターフェログラムの0次ピークと1次ピークとの比(γ79)が、自励発振動作しているときに低い値をとり、自励発振が停止するとほぼ1の値をとることに着目して、γ値79を指標として自励発振レーザの良否の選別を行っていたが、本実施例では、インターフェログラムのピーク値ではなく、インターフェログラムの幅を基準として自励発振レーザの良否の選別を行うことを特徴としている。
【0027】
以下に、インターフェログラムの幅が自励発振レーザの良否の基準として優れていることを説明する。まず、γ値79と光出力との関係を示す図3を参照すると、光出力5mWにおいて、レーザ1のγ値79は0.3、レーザ2のγ値79は0.18であり、いずれもγ値79としては所定の値以下の低い値であって、実際の使用条件である5mWではレーザ1、レーザ2とも自励発振していると判別される。ところが、光出力を増大させていくと、レーザ1は7mWを越える光出力までγ値79は0.6以下の値を維持しており自励発振していると推測されるが、レーザ2では光出力が、たかだか5.3mWを越えただけでγ値79が0.6を越えてしまう。すなわち、レーザ2のように、5mWで良品として選別したものが光出力をわずかに上げただけで自励発振を停止してしまう可能性がある。
【0028】
半導体レーザの良否の判定にあたっては、測定装置に起因する測定時の光出力のばらつきや、レーザの通電に起因する自励発振レーザの光出力の変化などを考慮にいれなければならず、確実に使用条件下での自励発振動作を保証するためには、レーザ2のように実使用条件である5.0mWからわずかに0.3mWだけ出力が増加した5.3mWで自励発振動作が停止してしまうレーザは不良素子として判定する必要がある。
【0029】
このような不具合を防止するためには選別基準にマージンを持たせればよく、従来例に示したように、インターフェログラムのピーク値の比であるγ値79自体にマージンを持たせる方法が考えられる。しかしながら、γ値79は、図3に示すように、光出力の増大で自励発振が停止するときに急激に増大するため、マージンを見込むのが困難である。例えば、図3に示したレーザ2では、5mWでのγ値79は0.18と十分小さいにも関わらず、5mWにくらべてわずかに高い5.3mWという光出力で自励発振が得られなくなっている。つまり、γ値79にマージンを持たせることで光出力のマージンを得るのは困難である。
【0030】
γ値79でマージンを見込めない理由として、γ値79が急激に変化することに加え、γ値79が光出力の変化に対して単調でない変化をすることがあげられる。すなわち、図3に示すように、γ値79は光出力の増大に対し、上昇−低下−急激に増大という複雑な変化をするため、γ値79の大きさから自励発振する光出力限界を推測することができない。この例では、5mWではレーザ2の方がレーザ1に比べてγ値79が小さいにもかかわらず、自励発振の得られる最高光出力はレーザ2の方が小さくなっている。
【0031】
そこで、従来の選別方法での問題を回避するために、本願発明者はインターフェログラムのピークの幅が自励発振の判定に優れていることを見出し、その幅を基準として自励発振レーザの良否判定を行うものであり、本発明の第1の実施例では、インターフェログラムの幅のなかで、特に、0次ピーク半値幅70を用いるものである。このインターフェログラムの0次ピーク半値幅70とは、0次ピーク60においてピーク値の2分の1の大きさを与える光路差の全幅のことであり、0次ピークとは、インターフェログラムにおいて光路差55が0のところに生じるピークのことである。本実施例の方法によれば、0次ピーク半値幅70が光出力の増大に対して、緩やか、かつ単調に変化するため、0次ピーク半値幅70に適切な基準を設けることによって、光出力に対するマージンを適切に見込むことができる。
【0032】
具体的な選別方法について以下に説明する。図2は、インターフェログラム0次ピーク半値幅70の光出力依存性の典型的な例を示したものであるが、図において、光出力5mWにおける0次ピーク半値幅70が0.5mm以下であることを選別基準とすると、レーザ1は、光出力5mWにおいて0次ピーク半値幅70が0.36mmであるため良品と判断され、レーザ2は、光出力5mWにおいて0次ピーク半値幅70が0.57mmであるため不良品として判断される。
【0033】
すなわち、インターフェログラムのピークは自励発振が起こるに従いその幅が狭くなり、かつ、0次ピーク半値幅70は光出力に対して単調に変化するため、所定の光出力での0次ピーク半値幅70が予め定めた上限値以下のものは良品と判断することができる。従って、この例では光出力5mWにおける0次ピーク半値幅70が0.5mm以下であることを選別基準とすることによって、光出力に十分なマージンを持つ選別を行うことができる。なお、この選別条件で良品としたレーザ1に関しては、7mWにおけるγ値79が0.6以下であることから当該光出力で自励発振動作が可能と判別できるが、出力の実時間波形を測定したところ、図4に示すような自励発振波形を確認することができた。
【0034】
なお、光出力にマージンを見込む必要がない場合には、インターフェログラムの0次ピーク半値幅70の値としてより大きな値をとればよい。図2と、図3から明らかなように、インターフェログラムの0次ピーク半値幅70が5mWで0.8mm以下であれば、当該光出力での自励発振が選別できる。
【0035】
次に、このような自励発振半導体レーザの製造方法について図5を参照して説明する。図5において、1はGaAs基板、2はGaAsバッファ層、3はn−AlGaInPクラッド層、4はGaInP/AlGaInP多重量子井戸活性層、5はp−AlGaInPクラッド層、6はGaInPヘテロバッファ層、7および8はp−GaAsキャップ層、9はn−GaAs電流ブロック層、10はn−電極、11はp−電極である。
【0036】
図5に示す半導体レーザを作製するには、まず、減圧MOVPE法によって、n−GaAs基板1上に、GaAsバッファ層2、n−AlGaInPクラッド層3、活性層4、p−AlGaInPクラッド層5、GaInPヘテロバッファ層6、p−GaAsキャップ層7を順次積層する。次に、SiO2マスク(図示せず)を用いたフォトリソグラフィ及びエッチング技術により、p−AlGaInPクラッド層5、GaInPヘテロバッファ層6、GaAsキャップ層7をメサストライプ化した。その後、前記SiO2マスクをマスクとして、n−GaAs電流ブロック層9を順に形成し、さらに、SiO2マスクを除去した後にp−GaAsキャップ層8を減圧MOVPE法によって形成した。最後に、n電極11を形成した後、n−GaAs基板1を適当な厚さに研磨し、p電極10を形成した。
【0037】
ここで、レーザの共振器長は500μmとした。また、レーザの光出射前端面には誘電体であるアルミナ膜(図示せず)を形成し、30%の反射率とした。また、レーザの光出射後端面には半導体面より、アルミナ/アモルファスシリコン/アルミナ/アモルファスシリコン/アルミナという誘電体多層膜(図示せず)をスパッタにより形成し、90%の反射率とした。なお、減圧MOVPE法の原料としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、ホスフィン、アルシン、n型不純物としてジシラン、p型不純物としてジエチルジンクを用いた。また、成長温度は660℃、成長圧力は70Torr(9310pa)、V族原料供給量/III族原料供給量比は500とした。
【0038】
次に、n−AlGaInPクラッド層3、活性層4、p−AlGaInPクラッド層5の組成プロファイルを図6に示す。図6に示すように、活性層4はウエル層40、バリア層41を交互に重ねた多重量子井戸構造で、多重量子井戸層の両側に光ガイド層42を有している。活性層のウエル層40の層数は5、活性層ウエル層40に導入した面内圧縮歪量は0.5%である。走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定したメサ幅はメサ底部で4.0〜5.0μm、p−AlGaInPクラッド層残し厚hは0.3〜0.45μm、光ガイド層42の層厚は70〜100nmである。また、活性層ウエル層40は各層が厚さ5〜6nm、バリア層41は各層厚さが4〜5nmである。このレーザでは、活性層のうち、電流注入量が比較的少なくかつ光の分布する領域41が可飽和吸収領域として機能し、自励発振が発生する。
【0039】
以上説明したように、上述の方法で作製した自励発振半導体レーザのインターフェログラムを取得し、その0次ピーク半値幅70を計測する手段を用いて取得した値を基準として、0次ピーク半値幅70が所定の値以下の場合に良品と選別することにより、光出力にマージンを見込んだ選別を行うことができる。その理由は、従来、判別に用いていたインターフェログラムの0次ピークと1次ピークとの比であるγ値79は、光出力の増大に対して上昇−低下−急激に増大という複雑な変化をするのに対し、本実施例で用いる0次ピークの半値幅70は、光出力に対して単調な変化をするために、光出力が増加した場合の半導体レーザの自励発振状態を容易に推測することができるからである。また、インターフェログラム測定装置に0次ピーク半値幅70を計測する手段及び0次ピーク半値幅70と予め定めた値とを比較演算する手段とを付加することによって、半導体レーザの選別装置を構成することができる。
【0040】
なお、上述したインターフェログラムの0次ピーク半値幅70はすべて典型値であり、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、レーザ構造、必要な光出力マージン、必要な温度マージン、その他の必要なマージンに対し、適宜その上限値を定めることができる。また、図5及び図6で示した半導体レーザは典型的な構造であり、活性層の構造、p−AlGaInPクラッド層残し厚h、光ガイド層42の層厚、メサ幅、製法、反射率、その他の構造パラメータなどは上記以外のものでも良く、自励発振するレーザであれば、同じ選別方法を用いることができるのは明らかである。
【0041】
[実施例2]
次に、本発明の第2の実施例に係る半導体レーザの選別方法及び選別装置について、図7乃至図10を参照して説明する。図7は、第1の実施例におけるレーザ1のγ値79の温度依存性を示す図であり、図8は、第1の実施例におけるレーザ1の0次ピーク半値幅70の温度依存性を示す図である。また、図9は、25℃−5mWにおけるインターフェログラムの0次ピーク半値幅70と、70℃−5mWにおけるγ値79との関係を示す分布図であり、図10は、25℃−5mWにおけるγ値79と、70℃−5mWにおけるγ値79との関係を示す分布図である。なお、本実施例と前記した第1の実施例との相違点は、第1の実施例ではインターフェログラムの0次ピーク半値幅70を用いて光出力に対するマージンを見込んだが、本実施例では0次ピーク半値幅70を用いて動作雰囲気温度のマージンを見込むものである。
【0042】
まず、図2及び図3に示したレーザ1の温度依存性について説明すると、図7に示すように、γ値79が0.6以下の値であるのは温度が70℃以下の時であって、75℃以上の温度ではγ値79は0.6をこえる。すなわち、温度が上昇し75℃以上になると自励発振が停止する。このように、γ値79は、光出力の場合と同様に、温度に対して相関関係があるが、室温から75℃までの温度の増大に対し、上昇−低下−急激に増大という複雑な変化をするため、γ値79の大きさから自励発振する温度限界を推測することは困難である。これに対し、図8に示すように、インターフェログラムの0次ピーク半値幅70は、温度の上昇に対し緩やか、かつ単調に増大する相関関係を有する。
【0043】
すなわち、温度の上昇によって自励発振が停止するときの変化は、γ値79の場合は急激かつ複雑な変化であるのに対し、インターフェログラムの0次ピーク半値幅70の場合は緩やか、かつ単調な変化であり、この相関は、前記した第1の実施例の光出力の上昇によって自励発振が停止するときと同様である。したがって、インターフェログラムの0次ピーク半値幅70を基準として雰囲気温度に対する判定を行うことにより、所定の使用条件下での自励発振の状態を25℃の自励発振の評価によって行うことができる。
【0044】
具体的な選別基準について、図9を用いて説明する。図から明らかなように25℃−5mWにおける0次ピーク半値幅70が0.5mm以下であることを選別基準とすると、70℃−5mWにおいてγ値79が0.6以下であるもののみ選別することができるようになる。すなわち、25℃−5mWにおける0次ピーク半値幅70を基準とすることで、70℃−5mW条件下での自励発振動作の不良素子を選別することができる。
【0045】
これに対し、図10に示すγ値79同士の関係のように、25℃−5mWにおけるγ値79を選別基準にしても、70℃−5mWにおける自励発振動作を選別することは困難である。これは、上記したように、γ値79は室温から75℃までの温度の増大に対し、上昇−低下−急激に増大という複雑な変化をすることに起因しているからであり、従って、γ値79の大きさから自励発振する温度限界を推測することができない。
【0046】
通常、例えば、室温から70℃程度の高温での評価を行う場合、室温からの温度の上昇、下降が必要であるため測定に時間がかかってしまい、また、測定装置に温度調整装置が必要になり高価になる等の問題がある。しかしながら、本実施例の方法によれば、インターフェログラムの0次ピーク半値幅70を基準とすることによって、室温での評価結果から高温での半導体レーザの自励発振状態を的確に推測することができるため、室温のみでの良否選別が可能になり、測定時間の短縮、想定装置のコスト低減を図ることができる。また、インターフェログラム測定装置に0次ピーク半値幅70を計測する手段及び0次ピーク半値幅70と予め定めた値とを比較演算する手段とを付加することによって、半導体レーザの選別装置を構成することができる。
【0047】
なお、上述したインターフェログラムの0次ピーク半値幅70はすべて典型値であり、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、レーザ構造、必要な光出力マージン、必要な温度マージン、その他の必要なマージンに対し、適宜上限値を定めることができるのは、前記した第1の実施例と同様である。
【0048】
[実施例3]
次に、本発明の第3の実施例に係る半導体レーザの選別方法及び選別装置について、図11を用いて説明する。図11は、25℃−5mWにおけるインターフェログラムの0次ピーク半値幅70と、70℃−7mWにおけるγ値79との関係を示す図である。本実施例は、インターフェログラムの0次ピーク半値幅70を用いることにより、光出力及び温度の双方のマージンを同時に取得するものであり、前記した第1及び第2の実施例の双方の特徴を兼ね備えた方法及び装置を提供するものである。
【0049】
図11に示すように、25℃−5mWにおける0次ピーク半値幅70が0.4mm以下であることを選別基準とすると、70℃−7mWにおいてγ値79が0.6以下であるもののみ選別することができるようになる。すなわち、25℃−5mWにおける0次ピーク半値幅70に基準を設けることで、温度、光出力共に異なる条件である70℃−7mWでの自励発振動作の不良素子を選別することができる。
【0050】
このように、インターフェログラムの0次ピーク半値幅70を用いることにより、0次ピーク半値幅70とγ値79との相関関係から光出力及び温度の双方のマージンを同時に取得することができるのに対し、前記した実施例1、実施例2と同様の理由により、γ値79のみを用いても光出力及び温度のマージンを見込むことはできず、インターフェログラムの0次ピーク半値幅70が半導体レーザの自励発振状態を判定するのに適していることがわかる。
【0051】
なお、上述したインターフェログラムの0次ピーク半値幅70はすべて典型値であり、適宜上限値を定めることができ、また、インターフェログラム測定装置に0次ピーク半値幅70を測定する手段及び0次ピーク半値幅70と予め定めた値とを比較演算する手段とを付加することによって、半導体レーザの選別装置を構成することができるのは、前記した第1及び第2の実施例と同様である。
【0052】
[実施例4]
次に、本発明の第4の実施例に係る半導体レーザの選別方法及び選別装置について、図12及び図13を参照して説明する。図12は、インターフェログラムの0次ピークの1/e2値幅、1次ピーク半値幅を示す図であり、図13は、インターフェログラムの0次ピーク対数傾き、第1の1次ピーク対数傾き、第1の2次ピーク対数傾き、第2の1次ピーク対数傾きを示す図である。第1乃至第3の実施例は、インターフェログラムの0次ピーク半値幅70を選別基準として用いたが、インターフェログラムの1次ピーク61、2次ピーク62など高次ピークの幅は、0次ピーク60の幅とほぼ同様な振る舞いをするため、本実施例では、これら高次ピークの半値幅、接線の傾き等をインターフェログラムの0次ピーク半値幅70の代わりに用いることを特徴としている。
【0053】
例えば、図12に示すように、インターフェログラムの0次ピーク半値幅70の代わりに1次ピーク半値幅72を用いても同様に自励発振の状態を推測することができる。また、ピークの幅を表現するために、必ずしも半値幅を用いなくても良い。例えば、各ピークのピーク強度に対して強度が1/e2になる幅を用いることができ、図12に示した0次ピークの1/e2値幅71などがこれに相当する。より一般的な表現をすれば、各高次ピークのピーク値に対して、任意の割合だけ小さな値を与える幅を用いることが可能である。
【0054】
さらに、同様な指標として、図13に示したように、縦軸を対数表示としたインターフェログラムにおける各ピークの傾きを用いることもできる。例えば、0次ピーク対数傾き73、1次ピークのうち光路差が大きい側の第1の1次ピーク傾き74、2次ピークのうち光路差が大きい側の第1の2次ピーク対数傾き75、1次ピークのうち光路差が小さい側の第2の1次ピーク対数傾き76等を用いることもできる。さらに、以上述べた指標の他にも、インターフェログラムの幅や接線の傾き等を表すような指標を適宜選ぶことができ、これらの値を0次ピーク半値幅70と同様に用いることにより、前記した第1乃至第3の実施例に示した効果を得ることができる。
【0055】
[実施例5]
次に、本発明の第5の実施例に係る半導体レーザについて、図14を参照して説明する。図14は、第5の実施例に係る半導体レーザの構造を示す断面図である。本実施例は、第1乃至第4の実施例の半導体レーザの選別方法及び選別装置を実現する他の半導体レーザを示すものである。
【0056】
図14において、第1の実施例において説明した図5と異なる点は、31、32はいずれもp−AlGaInPクラッド層、35がp−可飽和吸収層としていることである。p−AlGaInPクラッド層31、32の間に設けるp−可飽和吸収層として、活性層4の光を吸収する組成のものを用いることにより可飽和吸収領域82が形成され、自励発振を得ることができる。このように、可飽和吸収領域が第1の実施例に示された構造と違う場所に形成された場合であっても、インターフェログラムの0次ピーク半値幅70は緩やか、かつ単調な振る舞いをするため、インターフェログラムの0次ピーク半値幅70、その他第4の実施例に用いた指標を用いることにより、光出力、温度マージンを見込むための選別が可能となる。
【0057】
なお、本実施例では、可飽和吸収層をp−AlGaInPクラッド層の間に設けた例を記載したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、可飽和吸収層をレーザの任意の場所に配置しても、同様の効果を奏することができる。また、本実施例では、AlGaInPレーザの場合で説明したが、AlGaAsレーザ、または、AlGaInNレーザ、II−VI結晶を用いたレーザなどの光ディスク用途で自励発振を生じさせる目的に広く用いることが出来る。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半導体レーザの選別方法及び選別装置によればで、光出力、温度のマージンを適切に見込んで自励発振半導体レーザの選別をおこなうことができるという効果を奏する。また、高温での自励発振動作を室温の測定のみで行うことができるため、評価時間の短縮、評価設備のコスト低減を図ることができる。
【0059】
その理由は、本発明では、半導体レーザの光出力、温度等と単調な相関関係のあるインターフェログラムのピークの半値幅、1/e2値幅、接線の傾き等を指標として自励発振半導体レーザの選別をおこなっているため、半導体レーザが自励発振する限界の光出力、温度を的確に推測することができるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る半導体レーザの選別に用いるインターフェログラムの0次ピーク半値幅を説明するための図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るインターフェログラムの0次ピーク半値幅の光出力依存性の相関を示した図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係るインターフェログラムのγの光出力依存性の相関を示した図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る自励発振半導体レーザの実時間での光出力波形を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る自励発振半導体レーザの構造を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る自励発振半導体レーザのnクラッドからpクラッドに至る部分の組成プロファイルを示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係る自励発振半導体レーザのγ値の温度依存性を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係る自励発振半導体レーザの0次ピーク半値幅の温度依存性を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係る自励発振半導体レーザの25℃−5mW℃におけるインターフェログラムの0次ピーク半値幅と、70℃−5mWにおけるγ値との相関を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施例に係る自励発振半導体レーザの25℃−5mW℃におけるγ値と、70℃−5mWにおけるγ値の相関を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施例に係る自励発振半導体レーザの25℃−5mW℃におけるインターフェログラムの0次ピーク半値幅と、70℃−7mWにおけるγ値の相関を示す図である
【図12】本発明の第4の実施例に係る自励発振半導体レーザのインターフェログラムの0次ピークの1/e2値幅、1次ピーク半値幅を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施例に係る自励発振半導体レーザのインターフェログラムの0次ピーク対数傾き、第1の1次ピーク対数傾き、第1の2次ピーク対数傾き、第2の1次ピーク対数傾きを示す為の図である。
【図14】本発明の第5の実施例に係る自励発振半導体レーザの構造を模式的に示す断面図である
【図15】従来例のインターフェログラムを測定するための装置の構成を示す図である。
【図16】従来のインターフェログラムおよびγ値を説明するための図である。
【符号の説明】
1 GaAs基板
2 GaAsバッファ層
3 n−AlGaInPクラッド層
4 活性層
5 p−AlGaInPクラッド層
6 GaInPヘテロバッファ層
7、8 GaAsキャップ層
9 n−GaAs電流ブロック層
10 n−電極
11 p−電極
31、32 p−AlGaInPクラッド層
35 p−可飽和吸収層
40 量子井戸層
41 バリア層
42 光ガイド層
50 半導体レーザ
51 光検出器
52 第1反射鏡
53 第2反射鏡
54 ハーフミラー
55 光路差
60 第0次ピーク
61 第1次ピーク
62 第2次ピーク
70 第0次ピーク半値幅
71 第0次ピーク1/e2値幅
72 第1次ピーク半値幅
73 第0次ピーク対数傾き
74 第1の1次ピーク対数傾き
75 第1の2次ピーク対数傾き
76 第2の1次ピーク対数傾き
79 γ
81 可飽和吸収領域
82 可飽和吸収領域
Claims (23)
- 半導体レーザの自励発振動作の良否判定を行う半導体レーザの選別方法において、
所定の条件でレーザを干渉させて取得したインターフェログラムの0次又は高次のピーク曲線の所定の値に対応する幅と予め定めた値とを比較することにより、前記所定の条件とは異なる条件での前記半導体レーザの自励発振状態を推測し、
前記予め定めた値は、前記異なる条件における前記半導体レーザの自励発振状態を推測する場合に対応するためのマージンを含む値であることを特徴とする半導体レーザの選別方法。 - 前記所定の値に対応する幅として、前記ピーク曲線のピーク値に対して所定の割合だけ小さい値に対応する幅を用いることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザの選別方法。
- 前記所定の値に対応する幅として、半値幅又は1/e2値幅を用いることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザの選別方法。
- 前記所定の値に対応する幅が前記予め定めた値より小さい場合に、半導体レーザを良品と判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の半導体レーザの選別方法。
- 前記所定の値に対応する幅として0次ピーク半値幅を用い、環境温度25℃、光出力5mW条件での前記0次ピーク半値幅が0.5mmより小さい場合に、半導体レーザを良品と判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の半導体レーザの選別方法。
- 半導体レーザの自励発振動作の良否判定を行う半導体レーザの選別方法において、
所定の条件でレーザを干渉させて取得したインターフェログラムの0次又は高次のピーク曲線の所定の値又は所定の範囲における傾きと予め定めた値とを比較することにより、前記所定の条件とは異なる条件での前記半導体レーザの自励発振状態を推測し、
前記予め定めた値は、前記異なる条件における前記半導体レーザの自励発振状態を推測する場合に対応するためのマージンを含む値であることを特徴とする半導体レーザの選別方法。 - 前記傾きとして、前記インターフェログラムを対数表示したときの傾きを用いることを特徴とする請求項6記載の半導体レーザの選別方法。
- 前記傾きの絶対値が前記予め定めた値より大きい場合に、半導体レーザを良品と判定することを特徴とする請求項6又は7に記載の半導体レーザの選別方法。
- 前記異なる条件が、前記所定の条件よりもレーザ光出力が高い条件であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の半導体レーザの選別方法。
- 前記異なる条件が、前記所定の条件よりも前記半導体レーザの温度が高い条件であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の半導体レーザの選別方法。
- 前記半導体レーザが、第1導電型半導体基板の上に、第1導電型クラッド層と活性層と第2導電型クラッド層とを順次積層し、前記第2導電型クラッド層にはメサ構造が形成され、前記メサ構造の両脇には電流狭窄のためのブロック層が形成され、前記活性層のうち前記ブロック層の下部が可飽和吸収領域として作用する自励発振レーザであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに一に記載の半導体レーザの選別方法。
- 前記半導体レーザが、第1導電型半導体基板の上に、第1導電型クラッド層と活性層と第2導電型クラッド層とを順次積層し、前記第2導電型クラッド層にはメサ構造が形成され、前記メサ構造の両脇には電流狭窄のためのブロック層が形成され、前記第1導電型クラッド層及び前記第1導電型クラッド層のいずれかまたは両方に可飽和吸収層が挿入されてなる半導体レーザであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに一に記載の半導体レーザの選別方法。
- 前記半導体レーザが、AlGaInP系材料よりなることを特徴とする請求項11又は12に記載の半導体レーザの選別方法。
- 前記半導体レーザが、AlGaAs系材料、AlGaInN系材料又はII―VI結晶のいずれかよりなることを特徴とする請求項11又は12に記載の半導体レーザの選別方法。
- 所定の条件で半導体レーザを干渉させてインターフェログラムを取得する手段と、前記インターフェログラムの0次又は高次のピーク曲線の所定の値に対応する幅を計測する手段と、前記所定の幅を基準値として前記所定の条件とは異なる条件での前記半導体レーザの自励発振状態を推測する手段と、を少なくとも備え、
前記所定の幅は、前記異なる条件における前記半導体レーザの自励発振状態を推測する場合に対応するためのマージンを含む値であることを特徴とする半導体レーザの選別装置。 - 前記所定の値に対応する幅が、前記ピーク曲線のピーク値に対して所定の割合だけ小さい値に対応する幅であることを特徴とする請求項15記載の半導体レーザの選別装置。
- 前記所定の値に対応する幅が、半値幅又は1/e2値幅であることを特徴とする請求項15記載の半導体レーザの選別装置。
- 前記自励発振状態の推測手段が、前記所定の値に対応する幅と予め定めた値とを比較演算し、前記所定の値に対応する幅の方が小さい場合に半導体レーザを良品と判定する手段を有することを特徴とする請求項15乃至17のいずれか一にに記載の半導体レーザの選別装置。
- 所定の条件で半導体レーザを干渉させてインターフェログラムを取得する手段と、前記インターフェログラムの0次又は高次のピーク曲線の所定の値又は所定の範囲における傾きを計測する手段と、前記傾きを基準値として前記所定の条件とは異なる条件での前記半導体レーザの自励発振状態を推測する手段と、を少なくとも備え、
前記傾きは、前記異なる条件における前記半導体レーザの自励発振状態を推測する場合に対応するためのマージンを含む値であることを特徴とする半導体レーザの選別装置。 - 前記傾きが、前記インターフェログラムを対数表示したときの傾きであることを特徴とする請求項19記載の半導体レーザの選別装置。
- 前記自励発振状態の推測手段が、前記傾きの絶対値と予め定めた値とを比較演算し、前記傾きの絶対値の方が大きい場合に半導体レーザを良品と判定する手段を有することを特徴とする請求項19又は20に記載の半導体レーザの選別装置。
- 前記異なる条件が、前記所定の条件よりもレーザ光出力が高い条件であることを特徴とする請求項15乃至21のいずれか一に記載の半導体レーザの選別装置。
- 前記異なる条件が、前記所定の条件よりも前記半導体レーザの温度が高い条件であることを特徴とする請求項15乃至21のいずれか一に記載の半導体レーザの選別装置。
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