JP3191363B2 - 多重量子井戸型半導体レーザ - Google Patents

多重量子井戸型半導体レーザ

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JP3191363B2 JP31732291A JP31732291A JP3191363B2 JP 3191363 B2 JP3191363 B2 JP 3191363B2 JP 31732291 A JP31732291 A JP 31732291A JP 31732291 A JP31732291 A JP 31732291A JP 3191363 B2 JP3191363 B2 JP 3191363B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多モード化された縦モ
ードを得ることができる多重量子井戸型半導体レーザに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、量子井戸型半導体レーザの研究、
開発が盛んである。量子井戸型半導体レーザとは、活性
層の厚さを電子の波動関数の広がり程度まで薄くして、
利得及び光損失特性に量子サイズ効果を持たせた半導体
レーザである。量子井戸型半導体レーザは、例えば、低
い閾値電流密度、高い微分量子効率、低い温度依存性と
いった特徴を有し、狭いスペクトル線幅を得ることがで
きる。量子井戸型半導体レーザは、単一量子井戸型半導
体レーザと多重量子井戸型(以下、MQWともいう)半
導体レーザに分類される。従来、MQW半導体レーザは
活性層領域中に複数のポテンシャル井戸層及び障壁層を
有し、井戸層の厚さは一定である。即ち、単一縦モード
を有するMQW半導体レーザの開発、研究が専ら進めら
れている。
【0003】光ディスク用の半導体レーザにおいて比較
的低周波領域で観察されるモードホッピング雑音は、例
えばビデオディスクの画質を劣化させる。モードホッピ
ング雑音とは、半導体レーザの縦モードが次のモードへ
飛び移るとき、即ちモードホッピング時に、複数個のモ
ードが競合するために発生する雑音である。特に、この
モードホッピング雑音が光ディスクからの戻り光に起因
した戻り光誘起雑音と複合した場合、画質を著しく劣化
させるという悪影響が生じる。
【0004】モードホッピング雑音を低減させる方法に
は、例えば回折格子や複合共振器による縦モードの単一
モード化、あるいは縦モードの多モード化がある。ま
た、戻り光誘起雑音を低減するには、縦モードを多モー
ド化し、レーザ光の可干渉性を低下させることが効果的
であることが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】縦モードを多モード化
する方法として、利得導波による多モード化を図る方
法、パルセーション発生あるいは高周波重畳といった過
渡特性による多モード化を図る方法が知られている。
【0006】しかしながら、縦モードを多モード化する
これらの方法においては、量子雑音レベルが単一縦モー
ド時の量子雑音レベルより1桁以上高いという問題があ
る。また、これらの方法では、多モード化された縦モー
ドを正確に制御された状態で得ることが困難であるとい
う問題もある。
【0007】従って、本発明の目的は、正確に制御さ
れ、量子雑音レベルの低い多モード化された縦モードを
得ることができる半導体レーザを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、少なくと
も2つの井戸層を有し、井戸層の最大厚さと最小厚さの
差が一定の値以上であることを特徴とする多重量子井戸
型半導体レーザによって達成することができる。
【0009】
【作用】活性層領域を構成する井戸層及び障壁層の組成
が一定の場合、井戸層の厚さが厚くなるに従い半導体レ
ーザの発光波長は長くなる。本発明の量子井戸型半導体
レーザは、少なくとも2つの井戸層を有する多重量子井
戸型であり、しかも井戸層の最大厚さと井戸層の最小厚
さの差が一定の値以上である。従って、本発明の量子井
戸型半導体レーザは、少なくとも井戸層の最大厚さ及び
最小厚さに相当するエネルギー準位を有し、その結果、
縦モードは多モードとなる。
【0010】尚、本明細書において、多モードとは、発
光強度の内最大強度を有するメインピークの強度を10
0%とした場合、50%以上の発光強度を有するサブピ
ークが1本以上存在する状態をいう。従って、「井戸層
の最大厚さと最小厚さの差が一定の値以上である」と
は、MQW半導体レーザにおいて発光強度のサブピーク
が1本以上存在する状態となるように、それぞれの井戸
層の厚さの間に差が存在することを指す。
【0011】かかる一定の値は、井戸層の最小厚さが1
00オングストローム以上の場合には10オングストロ
ームであることが望ましい。一定の値が10オングスト
ローム程度の場合、活性層を構成する化合物半導体の組
成にも依るが、メインピークの発光波長とサブピークの
発光波長の差は例えば1.5nm程度となる。10オン
グストローム未満の場合、縦モードは単一モードとなる
傾向にある。尚、かかる一定の値が余り大き過ぎると、
MQW半導体レーザは2つの発光波長ピークを有するよ
うになる。井戸層の最小厚さが100オングストローム
未満の場合には、一定の値は8オングストローム程度で
あることが望ましい。
【0012】
【実施例】例えばMOCVDにて、図2に模式図を示
すような多重量子井戸型半導体レーザを作製した。かか
る半導体レーザは、 +GaAs基板10、0.5μm
厚さのGaAsバッファ層12、Al0.47Ga0.53As
から成り1.5μm厚のn型クラッド層14、活性層領
域16、Al0.47Ga0.53Asから成り1.5μm厚の
p型クラッド層18、及びGaAsから成り0.5μm
厚の +型キャップ層20から構成されている。図2に
示すMQW半導体レーザは、Zn拡散によるMQW構造
の無秩序化を利用した屈折率導波型の半導体レーザであ
る。尚、参照番号22はZn拡散領域、参照番号24は
SiO2層、参照番号26は下部電極、参照番号28は
上部電極である。
【0013】従来の多重量子井戸型半導体レーザにおい
ては、活性層領域は、例えば120オングストローム厚
さの3つの井戸層、及び60オングストローム厚さの4
つの障壁層から成る。即ち、井戸層の厚さは一定であ
り、MQW半導体レーザは単一縦モードを有する。これ
に対して、本発明のMQW半導体レーザにおいては、図
1に示すように、活性層領域16は3つの井戸層を有
し、これらの井戸層の厚さはLZ1=120オングストロ
ーム、LZ2=125オングストローム、LZ3=130オ
ングストロームである。即ち、井戸層の最大厚さと最小
厚さの差は10オングストロームである。障壁層の厚さ
は、LB1=LB2=LB3=LB4=60オングストロームで
ある。井戸層はAl0.12Ga0.88Asから成り、障壁層
はAl0.30Ga0.70Asから成る。尚、井戸層の厚さ
は、半導体レーザ断面のTEM観察によって調べること
ができる。
【0014】井戸層の厚さが相違する結果、エネルギー
準位がそれぞれの井戸層で異なり、最も低いエネルギー
準位において主な発振を引き起こす。しかしながら、す
ぐ上のエネルギー準位が存在するので、縦モードは多モ
ードとなる。
【0015】上述の実施例においては、最大強度ピーク
の発振波長は780nmであり、50%以上の強度を有
するサブピークの波長は779.5nm及び780.5
nmである。
【0016】MOCVDにてMQW半導体レーザを製
造する場合、井戸層の厚さは数原子オーダーで正確に制
御することができる。従って、井戸層の最大厚さと最小
厚さの差を正確に且つ容易に制御することができる。
【0017】以上、好ましい1実施例に基づき本発明の
MQW半導体レーザを説明したが、本発明はかかる実施
例に限定されるものではない。
【0018】本発明の量子井戸型半導体レーザは、Al
GaAs系のみならず、AlGaInP系あるいはAl
GaInAs系の化合物半導体から構成することができ
る。
【0019】本発明における多重量子井戸型半導体レー
ザには、1次元量子井戸構造だけでなく、2次元及び3
次元量子井戸構造を有する半導体レーザ(量子細線及び
量子箱レーザ)を含むことができ、更に、面発光半導体
レーザ、GRIN−SCH半導体レーザ、横方向電流注
入MQW半導体レーザ、多重ストライプ形半導体レーザ
等を含むことができる。また、本発明のMQW半導体レ
ーザは超格子バッファを有することができる。
【0020】図1に模式的に図示した井戸層の厚さ
Z1、LZ2、LZ3・・・は、 LZ1<LZ2<LZ3 の条件を満たす場合だけでなく、例えば、 LZ1=LZ2<LZ3Z2<LZ1<LZ3 等、種々の条件とすることができる。ともかく、井戸層
の最大厚さと最小厚さの差が一定の値(例えば10オン
グストローム)以上あればよい。
【0021】
【発明の効果】本発明においては、正確に且つ容易に井
戸層の厚さを制御することができる。従って、量子井戸
型半導体レーザの特徴を生かしつつ、正確な発振波長を
有する多モード化された縦モードを有する低雑音の多重
量子井戸型半導体レーザを得ることができる。その結
果、例えばモードポッピング雑音や戻り光誘起雑音を効
果的に低減することができ、光ディスク用の有力な光源
となり得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多重量子井戸型半導体レーザの活性層
領域の構成を示す図である。
【図2】本発明の多重量子井戸型半導体レーザの模式図
である。
【符号の説明】
10 +GaAs基板10 12 GaAsバッファ層 14 n型クラッド層 16 活性層領域 18 p型クラッド層 20 +型キャップ層 22 Zn拡散領域 24 SiO2層 26 下部電極 28 上部電極
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さの異なる少なくとも2つの井戸層から
    構成され、1つの主発光強度ピークを有し、且つ、多モ
    ード化された縦モードを有するレーザ光を発光すること
    を特徴とする多重量子井戸型半導体レーザ。
  2. 【請求項2】前記レーザ光は、少なくとも1つの副発光
    強度ピークを更に有することを特徴とする請求項1に記
    載の多重量子井戸型半導体レーザ。
  3. 【請求項3】最小厚さを有する井戸層の厚さは100オ
    ングストローム以上であり、最大厚さを有する井戸層の
    厚さと最小厚さを有する井戸層の厚さの差が10オング
    ストローム以上であることを特徴とする請求項1に記載
    の多重量子井戸型半導体レーザ。
  4. 【請求項4】最小厚さを有する井戸層の厚さは100オ
    ングストローム未満であり、最大厚さを有する井戸層の
    厚さと最小厚さを有する井戸層の厚さの差が8オングス
    トローム以上であることを特徴とする請求項1に記載の
    多重量子井戸型半導体レーザ。
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KR101012636B1 (ko) * 2008-11-27 2011-02-09 우리엘에스티 주식회사 발광 소자
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