JP4640966B2 - 粘着剤、それを用いた粘着シート、及び粘着シートを用いた電子部品製造方法。 - Google Patents

粘着剤、それを用いた粘着シート、及び粘着シートを用いた電子部品製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は粘着剤、それを用いた粘着シート、及び粘着シートを用いた電子部品製造方法に関する。
各種電子部品の製造において、半導体ウエハ又は回路基板材上等に回路パターンを形成してなる、電子部品集合体を固定し、ダイヤモンドなどの砥粒を備えたダイシングブレードで単位チップまたは単位デバイスごとにダイシングする方法が知られている(特許文献1〜3等参照)。
電子部品集合体としては、例えばエポキシ樹脂で封止された封止樹脂パッケージ、具体的にはボール・グリッド・アレイ(BGA)、チップ・サイズ・パッケージ(CSP)、スタック・メモリー・モジュール、システム・オン・モジュール、半導体ウエハ又は回路基板材上に回路パターンを形成してなる電子部品集合体等が用いられることがある。
電子部品固定用の粘着シートは、チップ飛び抑制等が重視されていた。近年のチップサイズの微小化により、更なる粘着力の向上と剥離容易性という相反する特性が必要とされてきた。粘着シートには、貼り付けた電子部品集合体をダイシング時の切断した電子部品の飛散を抑えること、ダイシング後に電子部品をする際のピックアップ時の静電気抑制効果が大きい等の特性が要求されてきた。
特開平09−328663号公報 特開2003−007654号公報 特開2003−257893号公報
粘着力の向上と剥離容易性という相反する特性を備え、ダイシング時の電子部品の飛散を抑え、電子部品をピックアップする際の静電気抑制効果が大きい粘着剤、それを用いた粘着シート、及び粘着シートを用いた電子部品製造方法を提供する。
本発明はハロゲン含有エラストマ及び加熱重合性化合物を含有する粘着剤、それを用いた粘着シート、及び粘着シートを用いた電子部品製造方法である。
電子部品の小型化に伴い、粘着力と、ダイシング後のピックアップ時の剥離時に生じる静電気発生を抑制する等の効果を奏する。
本明細書において、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びメタアクリレートの総称である。(メタ)アクリル酸等の(メタ)を含む化合物名も同様に、名称中に「メタ」を有する化合物と「メタ」を有さない化合物の総称である。(亜)リン酸等も同様である。
本明細書において、単量体単位とは単量体に由来する構造単位を意味する。
(ハロゲンを有するエラストマ)
本発明は、ハロゲンを有するエラストマ(以下、単に「エラストマ」ともいう)を用いることを特徴の一つとする。そのようなハロゲン含有単量体としては、例えばエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、β−メチルエピクロロヒドリン、ビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニルフルオライド、パーフルオロメチルビニルエーテル、及びパーフルオロプロピルビニリデン等が挙げられる。エラストマとしては、エピハドリンゴム及びフッ素ゴムを好適に使用することができる。
ハロゲン含有単量体としては、他に、例えばビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニルフルオライド、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニリデン等が挙げられる。
その他のハロゲン含有単量体としては、(1)ハロアルキル(メタ)アクリレート類、(2)ハロアシロキシアルキル(メタ)アクリレート類、(3)不飽和カルボン酸ハロアルキル類、(4)ハロゲン含有不飽和ニトリル類、(5)ハロゲン含有不飽和アミド類、(6)ハロゲン含有飽和カルボン酸の不飽和アルコールエステル類、(7)ハロゲン含有不飽和エーテル類、(8)ハロアルキルアルケニルケトン類、(9)ハロゲン含有芳香族ビニル化合物、(10)ハロゲン化オレフィン類、(11)ハロゲン含有ジエン類、(12)ハロゲン含有不飽和アミド類等を用いることが好ましい。これらのハロゲン含有単量体は、単独で使用してもよく、複数を併用してもよい。
(1)ハロアルキル(メタ)アクリレート類の単量体としては、例えばクロロメチル(メタ)アクリレート、1−クロロエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、1,2−ジクロロエチル(メタ)アクリレート、2−クロロプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジクロロプロピル(メタ)アクリレート、2−クロロブチル(メタ)アクリレート、3−クロロブチル(メタ)アクリレート、4−クロロブチル(メタ)アクリレート、3,4−ジクロロブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(2)ハロアシロキシアルキル(メタ)アクリレート類の単量体としては、例えばクロロアセトキシメチル(メタ)アクリレート、2−(クロロアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(クロロアセトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、4−(クロロアセトキシ)ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(3)ハロゲン含有(メタ)アクリレート類の単量体としては、例えばクロロアセチルカルバモイルオキシメチル(メタ)アクリレート、2−(クロロアセチルカルバモイルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(クロロアセチルカルバモイルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート、3−(ヒドロキシシクロヘキシルアセトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、4−(ヒドロキシシクロヘキシルアセトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(4)不飽和カルボン酸ハロアルキル類の単量体としては、例えばエタクリル酸2−クロロエチル、クロトン酸2−クロロエチル、ケイ皮酸2−クロロエチルがある。
(5)ハロゲン含有不飽和ニトリル類の単量体としては、例えばα−クロロアクリルニトリル、α−クロロメチルアクリロニトリル等が挙げられる。
(6)ハロゲン含有不飽和アミド類の単量体としては、例えばN−クロロメチルアクリルアミド、N−クロロメチルメタクリルアミド、クロロアセトアミドメチルアクリルアミド、クロロアセトアミドメチルメタクリルアミド等が挙げられる。
(7)ハロゲン含有飽和カルボン酸の不飽和アルコールエステル類の単量体としては、例えばクロロ酢酸ビニル、2−クロロプロピオン酸ビニル、クロロ酢酸アリル、クロロ酢酸ビニルベンジル等が挙げられる。
(8)ハロゲン含有不飽和エーテル類の単量体としては、例えばクロロメチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、3−クロロプロピルビニルエーテル、2−(ヒドロキシクロロアセトキシ)エチルビニルエーテル、3−(ヒドロキシクロロアセトキシ)プロピルビニルエーテル、クロロメチルアリルエーテル、2−クロロエチルアリルエーテル、3−クロロプロピルアリルエーテル、2−(ヒドロキシクロロアセトキシ)エチルアリルエーテル、3−(ヒドロキシクロロアセトキシ)プロピルアリルエーテルがある。
(9)ハロアルキルアルケニルケトン類の単量体としては、例えば2−クロロエチルビニルケトン、3−クロロプロピルビニルケトン、4−クロロブチルビニルケトン、2−クロロエチルアリルケトン、3−クロロプロピルアリルケトン、4−クロロブチルアリルケトンがある。
(10)ハロゲン含有芳香族ビニル化合物の単量体としては、例えばα−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、o−クロロメチル−メチルスチレン、p−クロロメチル−メチルスチレン、o−ジ(クロロメチル)スチレン、o−ジ(クロロメチル)スチレン、ビニルベンジルクロライド等が挙げられる。
(11)ハロゲン化オレフィン類の単量体としては、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、1,2−ジクロロエチレン、フッ化ビニリデン等が挙げられる。
(12)ハロゲン含有ジエン類の単量体としては、例えば2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,2−ジクロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンがある。
(13)ハロゲン含有不飽和アミド類の単量体としては、例えばN−クロロメチルアクリルアミド、N−クロロメチルメタクリルアミド、クロロアセトアミドメチルアクリルアミド、クロロアセトアミドメチルメタクリルアミド等が挙げられる。
(ハロゲン)
ハロゲン含有単量体単位として使用可能なハロゲン元素は、塩素、フッ素、臭素、及びヨウ素が挙げられる。ハロゲン元素の中では、分子量的に軽く、活性度が高いため反応性が良いことから、塩素及び/又はフッ素が好ましく、更に入手容易性やコスト面等の観点から、塩素がよりが好ましい。
エラストマは、ハロゲン非含有単量体単位を含有しても良い。ハロゲン非含有単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の単量体が挙げられる。エラストマはには、これらの単量体を1種以上使用できる。
例えばテトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン・エチレン共重合体が挙げられる。
((メタ)アクリル酸エステル系単量体)
例えば、ブチル(メタ)アクリレート、2−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他の単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、酢酸アリル、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、バーサテイク酸ビニル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位を有するエラストマを用いると、半導体ウエハへの粘着性が高く、好ましい。
エラストマは、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、アミド基、メチロール基、スルホン酸基、スルファミン酸基、及び(亜)リン酸エステル基からなる群から選ばれる官能基を1個以上有する単量体単位を含むことが好ましい。
アミノ基を有する単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシル基を有する単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、アクリルアミドN−グリコール酸、ケイ皮酸等が挙げられる。
エポキシ基を有する単量体としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジルエーテル等が挙げられる。
アミド基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
メチロール基を有する単量体としては、例えば、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられる。
エラストマは、これらの単量体以外に、公知のハロゲン非含有単量体、例えばエチレン、スチレン及びその誘導体、ジエン類(プロピレン、ブタジエン等)、アルキレンオキサイド系、不飽和エポキシド等を含んでもよい。
アルキレンオキサイド系の単量体としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシ−iso−ブタン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシへキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシエイコサン、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロへキサン、1,2−エポキシシクロドデカン、1,2−エポキシ−イソブタン、2,3−エポキシ−イソブタン、及び2,3−エポキシ−3−クロロペンタン等が挙げられる。
エラストマ全体におけるハロゲン含有単量体単位が占める割合は0.1〜55質量%であることが好ましい。ハロゲン含有単量体単位の含有量が少ないと凝集力の向上が望めずダイシング時に糊の掻き上げが生じることがあり、粘着剤の表面抵抗率が高くなる傾向にある。ハロゲン含有単量体単位の含有量が高いとハロゲン成分が被着体に移行しやすくなる。エラストマ全体に占めるハロゲン含有単量体単位の含有量のより好ましい下限は3質量%であり、より好ましい上限は30質量%である。
粘着剤には、重合促進剤として、例えばトリエチルアミン、テトラエチルペンタアミン、ジメチルアミノエーテル等を1種以上添加してもよい。
(加熱重合性化合物)
加熱重合性化合物とは、加熱された加熱重合開始剤によって三次元網状化しうる分子内に、炭素−炭素二重結合を少なくとも二個以上有する低分子量化合物をいう。例えば、アクリレート系化合物、ウレタンアクリレート系オリゴマ、多価イソシアネート化合物、及びヒドロキシル基を有するアクリレート化合物等が挙げられる。加熱重合性化合物を添加し、ダイシング工程後に粘着シートを加熱すると、粘着シートの粘着力が低下して粘着シートから剥離するので、電子部品のピックアップが容易となる。
アクリレート系化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート等が挙げられる。
ウレタンアクリレート系オリゴマとしては、例えば、ポリエステル型又はポリエーテルを反応させてなるポリオール化合物に、更に多価イソシアネート化合物等を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマをあらかじめ合成し、その末端イソシアナートウレタンプレポリマとヒドロキシル基を有するアクリレート(又はメタクリレート)を反応させてなる末端イソシアナートウレタンプレポリマが挙げられる。
多価イソシアネート化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフエニルメタン4,4’−ジイソシアナート等が挙げられる。
ヒドロキシル基を有するアクリレート化合物としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
加熱重合性化合物は、過剰に添加するとダイシング時に糊の掻き上げが発生する。加熱重合性化合物が少ないと硬化が遅く粘着力が低下して作業効率が悪くなり、ピックアップ適性が低下する。エラストマ100質量部に対して加熱重合性化合物30〜200質量部とすることが好ましい。
(加熱重合開始剤)
加熱重合開始剤は、ダイシング工程後の加熱を受けた際に加熱重合性化合物の硬化を促進して粘着剤全体を硬化させる化合物である。ダイシング工程後に加熱することにより粘着剤が硬化して電子部品から剥離するため、電子部品の回収が容易になる。
加熱重合開始剤としては、有機過酸化物誘導体、アゾ系重合開始剤がある。これらの加熱重合開始剤のうち、ラジカル発生効率が高い有機過酸化物誘導体の方が好ましい。
有機過酸化物誘導体としては、例えばケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
アゾ系重合開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)等が挙げられる。
加熱重合開始剤の使用量は特に限定されないが、過剰に配合すると環境温度の変化で粘着剤が低下することがある。加熱重合開始剤の配合量が少ないと加熱硬化反応が遅く、電子部品の剥離が困難となる場合がある。エラストマ100質量部に対して加熱重合開始剤を0.1〜10質量部使用することが好ましい。
(アミノ基を2個以上有する化合物を含有するアミン硬化剤)
アミノ基を2個以上有する化合物を含有するアミン硬化剤(以下、単に「アミン硬化剤」という)は、分子内に少なくともアミノ基を2個以上有することを特徴とする。粘着剤にアミン硬化剤を添加することにより、自体の凝集性、粘着剤表面の抵抗率の低下、及び粘着力の向上等の効果が得られる。
アミン硬化剤としては、例えばジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス−アミノプロピルピペラジン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジシアンジアミド、ポリオキシプロピレンジアミン、3,3’−ジメチル4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3−アミノ−1−シクロヘキシルアミノプロパン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、2,4−トルイレンジアミン、m−トルイレンジアミン、O−トルイレンジアミン、メタキシシリレンジアミン、キシリレンジアミン、N−ベンジルエチレンジアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン等が挙げられる。
アミン硬化剤の添加量は、エラストマ100質量部に対して0.05〜30質量部が好ましい。アミン硬化剤の添加量が少ないと架橋による凝集力の向上が望めずダイシング時に糊の掻き上げが生じることがあり、粘着剤表面の抵抗率の低下が望めない傾向にある。アミン硬化剤が過剰な場合は粘着力が低下しチップ飛びが発生する傾向にある。
(添加剤等)
粘着剤には、公知の添加剤、例えば、粘着付与剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤、熱重合禁止剤を適宜添加してもよい。
(粘着シートの製造)
粘着シートは、樹脂等からなるシート状の基材に粘着剤を塗布又は印刷等によって製造する。粘着剤は原液、又は有機溶剤に溶解して基材に塗布又は印刷することができる。
粘着シートの基材の厚み及び材質は、用途に応じて適宜選択できる。基材に適した樹脂は、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エチレンビニルアルコール、ポリエチレンレテフタレート等が挙げられる。これらの樹脂の単層シート又は積層したシートを用いてもよく、発泡剤を添加して適度に発泡させたシートを基材として用いてもよい。
粘着シートを用いた電子部品製造方法は特に限定されないが、ワークと呼ばれる電子部品集合体の切断に好適に用いられる。電子部品集合体は、例えばシリコンウエハ又はガリウム−砒素等の半導体ウエハ、若しくは、BGA(ボール・グリッド・アレイ)基板、ガラス基板、エポキシ基板、又は高分子液晶ポリマー基板等の絶縁体基板上に、配線パターンを形成してなるものが挙げられる。電子部品集合体を電子部品とする方法として、ダイシングが挙げられる。電子部品集合体又は電子部品は、必要に応じて電子部品集合体又は電子部品に研磨やエッチング等の加工を施しても良い。
粘着シートは、シリコンウエハ、ガリウム−砒素ウエハ等の半導体ウエハ上に配線パターンを設置してなる電子部品集合体、特に半導体部材集合体のダイシングに好適に用いられる。
以下、実施例1に係る粘着シート製造の処方を示す。
(使用材料)
加熱重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート系、市販品。
加熱重合開始剤:パーオキシジカーボネート系、市販品。
アミン硬化剤:N−ベンジルエチレンジアミン系、市販品。
(エラストマ)
エラストマ:エピクロロヒドリン含有量5質量%、エチレンオキシド45質量%、アクリル酸メチル50質量%を重合させ、エピクロロヒドリン−エチレンオキシド−アクリル酸メチル共重合体とした。
(粘着剤)
粘着剤:エラストマ100質量部、加熱重合性化合物50質量部、加熱重合開始剤3質量部、及びアミン硬化剤5質量部を配合した。
(粘着シート)
粘着シートは、厚さ150μmのポリエチレン製シートを基材とし、基材の片面に、粘着剤のトルエン溶液を塗布し、100℃×1分加熱乾燥させ、厚さ25μmの粘着剤層とした。
実施例2、3及び比較例1〜9は、特に言及した部分以外は、実施例1と同様である。
実施例2は、実施例1の粘着剤層のエラストマを、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−エチレンオキシド−アクリル酸メチル共重合体(フッ素含有単量体含有量5質量%)に変更した。
実施例3は、実施例1の粘着剤層のエラストマをブロモ酢酸ビニル単位5質量%、アクリル酸ブチル90質量%、アクリル酸2−ヒドロキシエチル単位5質量%を含有する、ブロモ酢酸ビニル−アクリル酸ブチル−(アクリル酸2−ヒドロキシエチル)共重合体に変更した。
比較例2は実施例におけるアミン硬化剤を0.01質量部にした。
比較例3は実施例におけるアミン硬化剤を35質量部にした。
比較例4は実施例におけるエラストマ中のハロゲン含有単量体単位の含有率を0.05質量%にした。
比較例5は実施例におけるエラストマ中のハロゲン含有単量体単位の含有率を60質量%にした。
比較例6は加熱重合性化合物量を25質量部にした。
比較例7は加熱重合性化合物量を230質量部にした。
比較例8は加熱重合開始剤量を0.05質量部にした。
比較例9は加熱重合開始剤量を12質量部にした。
比較例1は実施例1におけるエラストマの代わりにエチレンオキシド−アクリル酸メチル共重合体とした。
(評価方法)
ダイシング性(チップ飛び):粘着シートを、パッケージ成形用モールド樹脂によりモールドされた縦20mm、横25mmの半導体部材に気泡が入らないよう貼り付け、10分放置後に5mm□にダイシングし、この作業を5回繰り返した際のチップ総数100個に対するチップ飛び割合である。
粘着力:パッケージ成形用モールド樹脂によりモールドされた半導体部材に粘着シートを、気泡が入らないよう貼り付け、JIS Z 0237に準じて剥離強度を測定した。
粘着剤掻き上げ:粘着シートを、パッケージ成形用モールド樹脂によりモールドされた半導体部材に気泡が入らないよう貼り付け、10分放置後に5mm□にダイシングし、この作業を5回繰り返し、チップ総数100個に対するチップ側面に粘着剤の付着が確認された割合である。
ピックアップ適性:パッケージ成形用モールド樹脂によりモールドされた半導体部材と粘着シートを、気泡が入らないよう貼り付けた。10分放置後に5mm□にダイシングした。粘着シートを100℃で3分間加熱し、粘着剤層を硬化させた。そして基材下部よりニードルで1.5mm突き上げ、真空コレットによりチップをピックアップした。100個のチップを製造し、ピックアップ出来なかった電子部品の割合を測定した。
表面抵抗率(粘着剤表面の抵抗率):温度23℃、湿度55%の雰囲気下で表面抵抗測定器(アドバンテスト社R8340A)を用いて粘着剤表面の抵抗率を測定した。
ハロゲン元素抽出量;粘着シート100cmをコニカルビーカーに入れ、超純水100mlに浸漬し、ホットプレートを用いて100℃で2時間抽出、イオンクロマトグラフィー(DIONEX社DX−AQ)にてハロゲンイオン量の分析を行ったものである。ハロゲン元素抽出量が0.1ppm未満を良、0.1ppm以上のものを不可とした。
Figure 0004640966
(評価結果)
実施例1における粘着シートは、チップ飛びは10%以下であり、粘着剤掻き上げは確認されず、粘着剤表面の抵抗率が8.0×1011Ω/□、ハロゲン元素抽出量が0.1ppm未満であり、良好であった。
実施例2:実施例1より粘着剤表面の抵抗率が良好であった。
実施例3:実施例1より粘着力が高くなりチップ飛びが少なかった。
比較例2:チップ飛びはなかったが、粘着剤掻き上げ、および粘着剤表面の抵抗率が悪かった。
比較例3:粘着剤掻き上げはなく、粘着剤表面の抵抗率は良好であったが、粘着力が低く、チップ飛びが多くみられた。
比較例4:ハロゲン元素抽出量は少なかったが、粘着剤表面の抵抗率が悪かった。
比較例5:粘着剤掻き上げはなかったが、ハロゲン元素抽出量が多かった。
比較例6:粘着剤掻き上げはなかったが、ピックアップ適性が悪かった。
比較例7:チップ飛びはなかったが、粘着剤掻き上げが悪かった。
比較例8:チップ飛びはなかったが、ピックアップ適性が悪かった。
比較例9:粘着剤掻き上げはなかったが、粘着剤の加熱乾燥時に硬化し、粘着力が低くチップ飛びが多かった。
比較例1:ハロゲン元素抽出量は少なかったが、粘着剤表面の抵抗率がきわめて悪かった。
本発明の粘着剤及び粘着シートは、板状の基材上に複数個作成された電子部品集合体をダイシングして個々の電子部品にする際、電子部品集合体の背面に貼り付けて使用する、電子部品固定用の粘着シートに好適に用いられる。

Claims (7)

  1. エラストマ100質量部、加熱重合性化合物50質量部、アミノ基を2個以上有する化合物を含有するアミン硬化剤0.05〜30質量部、及び加熱重合開始剤0.1〜10質量部を含有し、ハロゲン含有単量体単位がエラストマ全体に占める割合が3〜30質量%である粘着剤。
  2. エラストマが、更にアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、アミド基、メチロール基、スルホン酸基、スルファミン酸基、及び(亜)リン酸エステル基からなる群から選ばれる官能基を1個以上有する単量体単位を有する請求項1に記載の粘着剤。
  3. エラストマが、ハロゲン含有単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位を有する請求項1乃至のいずれか一項に記載の粘着剤。
  4. ハロゲンが、塩素及び/又はフッ素である請求項1乃至のいずれか一項に記載の粘着剤。
  5. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の粘着剤を用いた粘着シート。
  6. 電子部品固定用である請求項に記載の粘着シート。
  7. 請求項又は請求項に記載の粘着シートを用いることを特徴とする電子部品製造方法。
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