JP4640689B2 - 水受け皿の構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽と浴槽用追焚アダプターや気泡浴槽のポンプ部との接合部から漏れた水を受ける水受け皿の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、先行技術として特開平11−336153や特開平11−309078や特開平10−148403が出願されており、特開平11−336153では浴槽の外側に水受け皿を設け、浴槽に並設した洗い場の浴室内側に、水受け皿から延設した排水パイプの終端を開設した浴槽用水受け皿の排水構造の例が記載されている。また、特開平11−309078では、排水路に逆止弁を設けた例や排水路を分割した例や、排水を水受けからオーバーフロー状に排出する例が記載されている。また、特開平10−148403では飛散防止壁を設けた例が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特開平11−336153では、部品点数が多くなり、必然的に構造の複雑化、コストの高騰を招く、また、排水管内に常時、溜水があり、排水管が脱落、破損した場合、浴室外側に漏水するなど信頼性が低下してしまう。更に、使用勝手をよくするため洗い場からの浴槽またぎ高さを400mm程度、浴槽深さを500mm以上にするのが一般的であり、そのような高さ関係では洗い場に浴槽から一気に水が溢れた場合など浴室外側に逆流し、被害を拡大させる危険性が考えられる。
【0004】
また、特開平11−309078では、部品点数が多くなり、必然的に構造の複雑化、コストの高騰を招き、逆流防止を逆止弁に頼るため経年による劣化などにて作動不良などによる逆流か発生し、信頼性が低下してしまう。また、万一の漏水に際して、使用者から見えない部分にて排水が行われることになり、発見が遅れ、漏水の被害が拡大してしまう危険性が大きい。
【0005】
また、特開平10−148403では、浴槽に部品を取付ける加工が複雑になる上、通常、浴槽の湯温低下を防ぐために取付けられている浴槽の保温材を取り付けることができない。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、部品点数が少なく、構造が単純であり、コストが低く、信頼性が高い。また、万一の漏水に際して、使用者が発見でき漏水の被害を最小限い防ぐことができる。
【0007】
また、浴槽保温材を取付けることができ、さらには水受け皿の取付け強度向上と外観向上した水受け皿の構造を提供することにある。
【0010】
洗い場付浴槽の浴槽の外側に水受け皿を設け、浴槽に並設した洗い場の浴室内側に、水受け皿から延設した排水パイプの終端を開設した浴槽用水受け皿の構造において、排水パイプの終端を外蓋に隠蔽された内蓋に開設した。
【0011】
洗い場付浴槽の浴槽の外側に水受け皿を設け、浴槽に並設した洗い場の浴室内側に、水受け皿から延設した排水パイプの終端を開設した浴槽用水受け皿の構造において、上記排水パイプの終端を点検口に二重に配設された水密部材の間に開設し、二重に配設された水密部材のうち外側は下部に隙間を設けた。
【0014】
水受け皿の排水パイプの始端高さ以下の部分に水溶性の色素を設置した。
【0015】
水受け皿の周囲には浴槽に接着するためのフランジ部を設け、上記フランジ部を浴槽の保温材で覆った。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示された実施例に基づき詳述する。浴室1は浴槽2と洗い場部3の周縁部に壁パネルとドア(図示せず)を立設し、壁の上部に天井パネル(図示せず)を設置し、主体が構成されている。
【0017】
浴槽2の側面には追焚アダプターまたは気泡浴槽のポンプ10が設けられている。洗い場付浴槽の場合、追焚アダプターまたは気泡浴槽のポンプ10からの漏水に備え、水受け皿4を設置する。万一、漏水が発生した場合には、漏れた水は水受け皿4に回収され、排水パイプ5を通り、洗い場3に排水され、その後、通常の排水と同様にトラップ11にて排水本管に排水される。水受け皿4はフランジ部4bを有し、フランジ部4bを糊しろとして浴槽2に接着される。接着に際しては、接着剤、両面テープなど実績がある手法があるため、ここでは説明は省略する。
【0018】
水受け皿4はゴムなどの弾性を有する材質にて成形されており浴槽2に貼り付ける際は、柔軟に浴槽2の曲面に馴染んで取り付けられるため、接着もし易く、強度上も好ましい。更に、弾性を有する材質のため、洗い場付浴槽の施工や搬入において誤って建築などとぶつけた場合でも破損しにくく、破損やはがれにより漏水してしまう危険性が少なくて済む。水受け皿4には排水パイプ5が取り付けられているが、水受け皿4の最低部を避けた高さに排水パイプ始端5aが設定されている。これは、経年により、水受け皿4にほこりがたまり、排水パイプ始端5aを塞いでしまうのを防ぐことに効果を発揮する。
【0019】
水受け皿4の最低部には水溶性の色素4aが設けられており、漏水の場合、水受け皿4に受けられて水により、水溶性の色素4aが溶けて、着色された水が洗い場3に染み出し、漏水を早期に発見することが可能である。水溶性の色素4aは水彩絵具やポスターカラー、筆記用のインキと同様の材質の物で良く、漏水があった場合には容易に水溶し、通常時は固形、粉末、またはジェル状にて水受け皿4底部に保持されている。
【0020】
排水パイプの終端5bは洗い場立ち上がり面3aの点検口6付近の更には、点検口蓋7にて隠蔽される位置に設けられており、通常の使用では見えず、意匠上好適であると同時に、直接シャワー等の散水を受けず防水、水密性を確保する上でも好ましい。また、排水パイプの終端5bはドアの靴摺り12より高い位置に設けられているため、万一、トラップ11などが詰まって、洗い場3に水が溢れた場合でも、ドア靴摺り12より水位が上がらないため、水没せず、排水パイプ5に水が逆流することがない。
【0021】
図1では、点検口蓋7にて隠蔽される部分に排水パイプ終端5bを設けた実施例を示す。図2では点検口内蓋7aに排水パイプ終端5bを設け、点検口外蓋7bにて隠蔽した実施例を示す。
【0022】
図3では、点検口内蓋7aにて隠蔽される洗い場立ち上がり面3aに排水パイプ終端5bを設けた実施例を示し、点検口内蓋7aの水密性を確保するために取付けされた水密性部材、内側水密性部材8aと外側水密性部材8bの間に排水パイプ終端5bを取り付けている。この時、排水パイプ終端5bから排水される水を洗い場3に排水するため、外側水密性部材8bにはつなぎ目に若干の間隔を取るように設置されている。
【0023】
図4では、排水パイプ終端5bを点検口蓋の棚部7cにて通常の使用状態では見えにくく、シャワーの散水などがかかりにくい部分に設けた実施例である。
水受け皿4はフランジ4aにて浴槽2に接着された後、さらに、浴槽の保温材9にて包み込まれるように保持される。このため、更に強固に浴槽2に保持されることになり、万一の接着はがれにも安心である。フランジ4aを接着するときに使用する接着剤がはみ出した場合でも、浴槽の保温材9がフランジ4aもろとも覆い隠すため、作業が若干ラフに行なわれても商品の外観を損なうことがなく作業性を向上させることができる。
【0026】
【発明の効果】
洗い場付浴槽の浴槽の外側に水受け皿を設け、浴槽に並設した洗い場の浴室内側に、水受け皿から延設した排水パイプの終端を開設した浴槽用水受け皿の構造において、上記排水パイプの終端が点検口の外蓋に隠蔽された内蓋に開設されているので、直接シャワーがかからず、逆止弁や大きな排水勾配を取らずに逆流を防止できる。また、逆止弁などの複雑な構造を必要としないため、安価で信頼性を高めることができる。さらには、通常の使用では排水パイプの終端が見えないため意匠もよく、万一の漏水の場合には点検口蓋と床の間から排水が見えるため漏水を早期に検知し被害の拡大を防止することが可能である。また、排水パイプの終端を取り付ける平面部分が設けられない場合に、内蓋に取り付ければよいので好ましい。
【0027】
洗い場付浴槽の浴槽の外側に水受け皿を設け、浴槽に並設した洗い場の浴室内側に、水受け皿から延設した排水パイプの終端を開設した浴槽用水受け皿の構造において、上記排水パイプの終端が点検口に二重に配設された水密部材の間に開設されており、二重に配設された水密部材のうち外側は下部に隙間を設けたので、直接シャワーがかかりにくく、逆止弁や大きな排水勾配を取らずに逆流を防止できる。また、逆止弁などの複雑な構造を必要としないため、安価で信頼性を高めることができる。さらには、通常の使用では排水パイプの終端が見えにくいため意匠もよく、万一の漏水の場合には排水が見えるため漏水を早期に検知し被害の拡大を防止することが可能である。また、水密部材のため逆流や蒸気の流出防止について、特に効果を発揮する。
【0030】
水受け皿の排水パイプの始端高さ以下の部分に水溶性の色素が設置されているので、漏水の際に洗い場に排水された水が視認しやすくなり時間が過ぎて被害が拡大することがない。
【0031】
水受け皿の周囲には浴槽に接着するためのフランジ部を設け、上記フランジ部を浴槽の保温材で覆ったので、フランジ部からはみ出した接着剤を隠蔽できるため作業がしやすく、さらに、特段のコストの上昇も無く浴槽の保温材が水受け皿を保持するため更に強固に水受け皿が保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に係る洗い場付き浴槽の側断面図である。
【図2】本発明の請求項2に係る洗い場付き浴槽の側断面図である。
【図3】本発明の請求項3、4に係る洗い場付き浴槽の側断面図である。
【図4】本発明の請求項5に係る洗い場付き浴槽の側断面図である。
【図5】本発明の請求項8に係る洗い場付き浴槽の側断面図である。
【符号の説明】
1 浴室
2 浴槽
3 洗い場
3a 洗い場立ち上がり面
4 水受け皿
4a 水溶性色素
4b 水受け皿フランジ
5 排水パイプ
5a 排水パイプ始端
5b 排水パイプ終端
6 点検口
7 点検口蓋
7a 点検口内蓋
7b 点検口外蓋
7c 点検口棚部
8 水密部材
8a 内側水密部材
8b 外側水密部材
9 浴槽の保温材
10 追焚アダプタまたは気泡浴槽のポンプ
11 トラップ
12 ドア靴摺り面
Claims (4)
- 洗い場付浴槽の浴槽の外側に水受け皿を設け、浴槽に並設した洗い場の浴室内側に、水受け皿から延設した排水パイプの終端を開設した浴槽用水受け皿の構造において、上記排水パイプの終端が点検口の外蓋に隠蔽された内蓋に開設されていることを特徴とする水受け皿の構造。
- 洗い場付浴槽の浴槽の外側に水受け皿を設け、浴槽に並設した洗い場の浴室内側に、水受け皿から延設した排水パイプの終端を開設した浴槽用水受け皿の構造において、上記排水パイプの終端が点検口に二重に配設された水密部材の間に開設されており、二重に配設された水密部材のうち外側は下部に隙間を設けていることを特徴とする水受け皿の構造。
- 水受け皿の排水パイプの始端高さ以下の部分に水溶性の色素が設置されていることを特徴とする請求項1又は2の水受け皿の構造。
- 水受け皿の周囲には浴槽に接着するためのフランジ部を設け、上記フランジ部を浴槽の保温材で覆ったことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の水受け皿の構造。
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