JP4640561B2 - 燃焼装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃焼装置に係り、更に詳しくは、燃焼装置に接続される排気管の敷設状態や燃焼装置の設置場所の高度が変動しても、安定燃焼を行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ガスやプロパンガスが普及した現在でも、給湯器や暖房機等には、ランニングコスト低減のために、安価な灯油等の液体燃料を使用する燃焼装置が多用されている。またこの中でも、比較的発熱量が小さい用途に使用される場合は、気化器によって液体燃料を気化し、この気化された燃料ガスを燃焼部に送って燃焼させる形式のものが多用されている(特公平7−21332号)。
【0003】
このような燃焼装置は、気化器で気化された燃料ガスと空気とを予め混合して炎孔から噴射する。そして燃焼部には直接的に二次空気を供給し、燃料ガスは予め混合された空気と二次空気によって燃焼する。従って燃料に予め混合する一次空気量及び、燃焼部へ供給する二次空気量は、安定燃焼やターンダウン比(ガス量や空気量を大きく変動させた場合の変動比)の大小に応じて大幅に変動する。
このため、燃焼に際して燃焼量や供給空気量をきめ細かく制御しなければ安定した燃焼を得ることができない。
【0004】
ところで、燃焼装置を戸内に設置する場合は勿論、戸外に設置する場合でも、排気ガスが居住エリアから離れた位置に排出されるように、燃焼装置本体には排気管が取り付けられる。
ところが、燃焼装置の設置場所に応じて排気管の長さが増大したり、壁面などに沿わせて敷設するために排気管の折曲数が増加することがある。
一方、液体燃料を用いた燃焼装置では、前記したように、気化器において石油などの液体燃料を気化させて燃料ガスを発生させる。この気化器内部に何らかの要因で液体燃料が残留していると、予熱完了後の着火時に気化されて滞留した燃料ガスが急激に燃焼したり逆火が発生する不具合が生じる。
このような不具合を避けるため、着火に際しては、発生した燃料ガスを送風機を駆動して排出させる前置掃気(プリパージ)が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、予め定められた時間だけプリパージを行っても、排気管の敷設状態に応じて長い場合や折曲数が多い場合は、排気管内に残留する未燃焼ガスを完全に排出することができなかった。
【0006】
一方、このようなプリパージの問題とは別に、燃焼装置を標高の高い場所に設置する場合の酸素濃度の低下の問題がある。則ち、低地に比べて高地では空気濃度が低下し、これに伴って酸素濃度も低減する。
このため、高地では、送風機を所定の回転数で駆動して送風を行っても、燃焼量に対応した酸素量を供給することができず、不完全燃焼を生じていた。
また、燃焼装置を高地に設置し、しかも、排気管が長いような場合には、充分な掃気が行えない上に安定した着火、燃焼を行うことができず、改善が望まれていた。
本発明は、このような事情に鑑みて提案されるもので、燃焼装置に接続される排気管の長さや燃焼装置の設置高度が変動しても、安定燃焼を確保することのできる燃焼装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために提案される関連の発明は、液体燃料を気化して燃料ガスを生成する気化器を有し、生成された燃料ガスまたは送風機から供給される空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、燃焼装置に接続される排気管の長さあるいは敷設状態に応じて切り換え設定される排気設定手段と、気化器を加熱する気化器ヒータと、気化器の温度を検知する気化器温度センサと、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、制御手段は、気化器ヒータの予熱制御中に気化器温度が所定温度に達した後は、排気設定手段の設定に応じて送風機を駆動して燃焼装置の内部に滞留する未燃焼ガスを排気管を通じて外部へ掃気し、この後に予熱完了とする構成とされている。
【0008】
燃焼装置に接続される排気管の長さや、敷設に伴う排気管の折曲数が増加すると、排気管の内径が同一であっても、排気管が短く折曲数が少ない場合に比べて、排気管内部を掃気するために必要な空気量が増大する。また、排気管内部を流れる排気ガスの流体抵抗も増大する。
このため、送風機の駆動状態(駆動電圧)が同一であっても、排気管が長くなるに連れて、また、折曲数が多くなるに連れて、送風機を駆動する時間を増大したり、あるいは、送風量を増加しなければ、排気管内部を完全に掃気できない。
則ち、送風機の駆動状態(駆動時間や駆動電圧など)が一定のままでは、排気管の敷設状態によっては充分に掃気ができず、予熱によって気化された未燃焼ガスの残留分が着火時に急激に燃焼したり逆火が発生する不具合が生じる。
【0009】
この発明によれば、排気設定手段の設定に応じて送風機を駆動して掃気を行なう。則ち、排気管の長短や折曲数に応じて送風機の駆動状態を変化させることにより、排気管内部に残留する未燃焼ガスを完全に掃気させる。これにより、安定した着火を行わせることができる。
排気設定手段の設定に応じて送風機の駆動状態を変化させるには、駆動時間を一定にして駆動力(駆動電圧)を増減させたり、あるいは、駆動力を一定にして駆動時間を増減させる態様を採ることができる。
【0010】
例えば、排気管が長く折曲数も多いときは、送風機の駆動時間を増加したり、あるいは、送風機の駆動電圧を増加させて掃気を行なわせることができる。
ここで、送風機の駆動開始時における気化器の温度は適宜設定できるが、気化器内部の液体燃料が充分気化された状態となる温度に設定するのが望ましい。
また、この発明によれば、掃気を行った後に予熱完了報知を行うので、予熱完了後は直ちに燃焼制御に移行することができ、使い勝手が向上する。
【0011】
前記目的を達成するために提案される本発明の燃焼装置は、液体燃料を気化して燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスまたは空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、燃焼装置に接続される排気管の長さあるいは敷設状態に応じて切り換え設定される排気設定手段と、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、制御手段は、排気設定手段の設定に応じて空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかに排気補正を施した補正制御値に基づいて燃焼制御を行い、燃焼部で発生した熱を内部通過水または内部貯留水と熱交換させる缶体と、当該缶体へ流入する入水温度を検知する入水温度センサと、当該缶体から流出する出湯温度を検知する出湯温度センサと、当該缶体の出湯量を調節する出湯量調節手段とを有しており、前記制御手段は、前記排気設定手段の設定に応じて排気補正の施された燃焼制御による出湯温度を目的の設定温度に近接させるために、入水温度および出湯温度に応じた出湯量補正信号を前記出湯量調節手段に送出して出湯量の補正制御を行う構成とされている。
【0012】
排気管の長さが増加するに連れて、また、折曲数が多くなるに連れて、排気管内部を流れる排気ガスの流体抵抗が増加する。このため、送風機の駆動状態が同一であっても、排気管が短く折曲数が少ない場合に比べて、燃焼部へ供給される空気量が低下し、不完全燃焼が生じ易い。
本発明によれば、空気供給量(送風量)または燃料ガス供給量(燃焼量)、あるいは、燃焼量および送風量の双方が、排気設定手段の設定、則ち、排気管の長さや折曲数に応じた設定値に基づいて補正された燃焼制御が行われる。
【0013】
例えば、排気管が長いときは短い場合に比べて、燃焼量はそのままに送風量を増加させたり、逆に、送風量をそのままに燃焼量を減少させて補正した燃焼制御を行うことができる。また、燃焼量を減少させると共に、送風量を増加させる制御を行うことも可能である。
これにより、排気管の敷設状態に応じて補正された燃焼制御が行なわれ、安定した燃焼を行わせることができる。
【0014】
排気設定手段の設定は、例えば、所定長および所定折曲数を目安にしてこれらの値以上の場合と未満の場合との2段階に切換設定することができる。また、3段階以上に区分してきめ細かく設定しても良い。
また、排気設定手段の設定値と燃焼量および送風量の燃焼制御値とを対応させて、予め制御手段にデータテーブルとして記憶させておくことにより、排気設定手段に応じた燃焼制御値を求めて最適な制御を行うことが可能である。
【0015】
同時に提案される本発明の燃焼装置は、液体燃料を気化して燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスまたは空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、燃焼装置の設置高度に応じて切り換え設定される高度設定手段と、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、制御手段は、高度設定手段の設定に応じて空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかに高度補正を施した補正制御値に基づいて燃焼制御を行い、燃焼部で発生した熱を内部通過水または内部貯留水と熱交換させる缶体と、当該缶体へ流入する入水温度を検知する入水温度センサと、当該缶体から流出する出湯温度を検知する出湯温度センサと、当該缶体の出湯量を調節する出湯量調節手段とを有しており、前記制御手段は、前記高度設定手段の設定に応じて高度補正の施された燃焼制御による出湯温度を目的の設定温度に近接させるために、入水温度および出湯温度に応じた出湯量補正信号を前記出湯量調節手段に送出して出湯量の補正制御を行う構成とされている。
【0016】
地表面に層状に分布する大気には大気圧が加わるため、標高が高くなるに連れて空気濃度は低下し、単位体積中に含まれる酸素量は減少する。
このため、低地において適性な燃焼制御量(燃焼量および送風量)をそのまま高地に適用すると、供給空気量(酸素量)が不足して不完全燃焼を来す。
しかし、燃焼装置は低地から高地まで場所を選ばずに設置されて安定燃焼する必要があり、設置場所に応じて燃焼制御値を補正するための何らかの切換設定が必要となる。
本発明によれば、高度設定手段の設定に応じて、空気供給量(送風量)または燃料ガス供給量(燃焼量)、あるいは、燃焼量および送風量の双方が補正された燃焼制御が行われる。
高度設定手段は、例えば、低地(基準高度)、準高地および高地の3段階に設定したり、あるいは、4段階以上に細分化して設定することができる。
【0017】
例えば、高地に切換設定されたときは低地設定の場合に比べて、燃焼量をそのままに送風量を増加補正したり、逆に、送風量をそのままに燃焼量を減少補正した燃焼制御を行う。また、燃焼量を減少させると共に、送風量を増加させる補正燃焼制御を行うことも可能である。これにより、高度に応じた最適な燃焼を行わせることが可能となる。
高度設定手段の設定に応じた燃焼制御値は、予めデータテーブルとして制御手段に格納しておくことにより、データテーブルを参照して直ちに補正された燃焼制御を行うことができる。
【0018】
同時に提案される本発明の燃焼装置は、請求項に記載の本発明を組み合わせた構成である。則ち、液体燃料を気化して燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスまたは空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、燃焼装置に接続される排気管の長さあるいは敷設状態に応じて切り換え設定される排気設定手段と、燃焼装置の設置高度に応じて切り換え設定される高度設定手段と、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、制御手段は、排気設定手段および高度設定手段の設定に応じて、空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかに排気補正および高度補正を施した補正制御値に基づいて燃焼制御を行い、燃焼部で発生した熱を内部通過水または内部貯留水と熱交換させる缶体と、当該缶体へ流入する入水温度を検知する入水温度センサと、当該缶体から流出する出湯温度を検知する出湯温度センサと、当該缶体の出湯量を調節する出湯量調節手段とを有しており、前記制御手段は、前記排気設定手段および前記高度設定手段の設定に応じて排気補正および高度補正の施された燃焼制御による出湯温度を目的の設定温度に近接させるために、入水温度および出湯温度に応じた出湯量補正信号を前記出湯量調節手段に送出して出湯量の補正制御を行う構成とされている。
【0019】
本発明によれば、排気設定および高度設定を適宜に組み合わせて補正した燃焼制御を行うことができる。これにより、燃焼装置の設置高度や排気管の敷設状態に合わせた設定が容易な上、補正された燃焼制御によって安定燃焼を確保できる。
この構成でも、高度設定手段および排気設定手段の設定の組み合わせ毎に燃焼制御値(送風量および燃焼量)を対応させたデータテーブルを制御手段に予め格納しておくことにより、データテーブルを参照して直ちに補正された制御を行うことが可能である。
【0020】
同時に提案される本発明の燃焼装置は、上記関連の発明と請求項1、2に記載の本発明を組み合わせた構成である。則ち、液体燃料を気化して燃料ガスを生成する気化器を有し、生成された燃料ガスまたは送風機から供給される空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、燃焼装置に接続される排気管の長さあるいは敷設状態に応じて切り換え設定される排気設定手段と、燃焼装置の設置高度に応じて切り換え設定される高度設定手段と、気化器を加熱する気化器ヒータと、気化器の温度を検知する気化器温度センサと、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、制御手段は、気化器ヒータの予熱制御中に気化器温度が所定温度に達した後は、排気設定手段の設定に応じて送風機を駆動して燃焼装置の内部に滞留する未燃焼ガスを排気管を通じて外部へ掃気させ、この後に予熱完了とする予熱制御を行う一方、排気設定手段および高度設定手段の設定に応じて空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかに排気補正および高度補正を施した補正制御値に基づいて燃焼制御を行い、燃焼部で発生した熱を内部通過水または内部貯留水と熱交換させる缶体と、当該缶体へ流入する入水温度を検知する入水温度センサと、当該缶体から流出する出湯温度を検知する出湯温度センサと、当該缶体の出湯量を調節する出湯量調節手段とを有しており、前記制御手段は、前記排気設定手段および前記高度設定手段の設定に応じて排気補正および高度補正の施された燃焼制御による出湯温度を目的の設定温度に近接させるために、入水温度および出湯温度に応じた出湯量補正信号を前記出湯量調節手段に送出して出湯量の補正制御を行う構成とされている。
【0021】
本発明によれば、排気管の長短や折曲数に応じて送風機の駆動状態を変化させることにより、排気管内部に残留する未燃焼ガスを完全に掃気させることができ、安定した着火を行わせることができる。また、燃焼装置の設置高度や排気管の敷設状態に合わせて補正された燃焼制御によって安定燃焼を確保できる。また、燃焼装置の設置時における設定が容易である。
【0022】
また前述のとおり、前記本発明の燃焼装置は、燃焼部で発生した熱を内部通過水または内部貯留水と熱交換させる缶体と、缶体へ流入する入水温度を検知する入水温度センサと、缶体から流出する出湯温度を検知する出湯温度センサと、缶体の出湯量を調節する出湯量調節手段とを有しており、制御手段は、排気設定手段または高度設定手段の設定に応じて排気補正または高度補正の施された燃焼制御による出湯温度を目的の設定温度に近接させるために、入水温度および出湯温度に応じた出湯量補正信号を出湯量調節手段に送出して出湯量の補正制御を行う構成とされている
【0023】
前記したように、高地(空気濃度の薄い地域)などで安定燃焼を確保するために、例えば、送風量をそのままに燃焼量(号数)を低下させると、燃焼量の低下に伴って出湯温度が低下する。このため、設定温度に対して出湯温度が低下して使い勝手が損なわれる。
本発明では、燃焼量の低下に伴う出湯温度の低下を補償するために、出湯量を調節する。則ち、高度設定手段あるいは排気設定手段の設定によって、補正された燃焼制御が行われると、出湯温度を目的の設定温度に維持するように出湯量補正信号を生成して出湯量調節手段に送出する。これにより、出湯量が調節されて出湯温度の変動を補償することが可能となる。
【0024】
前記本発明において、制御手段は、高度設定手段または排気設定手段の設定値、および、缶体の入水温度、出湯温度を含む燃焼制御データと、出湯量補正信号とを対応させて記憶保持する構成とされており、制御手段は、記憶されたデータを参照して、現在の燃焼制御データと同一または近接したデータを抽出し、抽出されたデータと現在の燃焼制御データとの間に所定の演算を施すことによって新たな出湯量補正信号を生成して出湯量調節手段へ送出すると共に、生成した出湯量補正信号を現在の燃焼制御データと対応させて更新記憶する構成とすることができる。
【0025】
この構成によれば、生成された出湯量補正信号によって、出湯温度が目的の設定温度に近接するように出湯量が制御されるので、設定温度に対して出湯温度が著しく低下するような不具合がなく、使い勝手が向上する。
また、本発明の構成によれば、生成した出湯量補正信号を燃焼制御データと共に更新記憶し、更新されたデータを基にして新たな出湯量補正信号を演算出力する。これにより、燃焼制御データに応じて出湯量補正信号を最適値に収斂させるように学習させることができ、的確な制御を直ちに行うことが可能となる。
また、学習を行うことにより、燃焼装置固有のばらつきなどを吸収した補正制御を行うことが可能となる。
【0026】
出湯量補正信号は、予め定められた補正下限値以上の値に設定される構成とすることができる。
前記したように、出湯量補正信号によって出湯量を調節することにより、設定温度に対して出湯温度を近接させることができ、使い勝手が向上する。
ところで、燃焼装置の設置状態による差異、経年変化による差異、その他製品毎により生じる差異に対して行うべき補正範囲はある程度の範囲内であり、この範囲を超える差異が生じた場合は、これら以外の故障などに起因することが多い。
本発明によれば、補正下限値を設けることによって、本来補正すべき前記事項に対してのみ適正な補正を行うことができ、故障などに起因する差異に対する過剰補正が防止される。
【0027】
前記本発明において、制御手段は、排気設定手段または高度設定手段の設定に応じて、気化器の予熱温度、予熱時間、送風機の駆動量または駆動時間の少なくともいずれかを変化させて制御する構成とすることができる。
【0028】
前記したように、送風機の駆動状態(駆動電圧)が同一であっても、排気管の敷設状態に応じて、送風機から気化器あるいは燃焼部側へ供給される送風量が変動する。同様に、送風機の駆動状態が同一であっても、燃焼装置の設置高度に応じて、気化器あるいは燃焼部側へ供給される送風量(酸素量)が変動する。
また、空気濃度の変動に伴い、空気流によって気化器から周囲に散逸する熱量も変動する。
則ち、同一の燃焼制御状態であっても、排気管の敷設状態や燃焼装置の設置高度に応じて、供給空気量や気化器温度が変動するため、安定燃焼に支障を来す。
【0029】
本発明によれば、排気設定手段または高度設定手段の設定に応じて、気化器の予熱温度、予熱時間、送風機の駆動量または駆動時間の少なくともいずれかを変化させて制御する。これにより、排気管の敷設状態や燃焼装置の設置高度に応じて気化器を最適温度に予熱することが可能となる。
【0030】
前記本発明において、排気設定手段または高度設定手段の少なくともいずれかは、スイッチによる切換設定、コネクタ接続による切換設定、燃焼装置に接続される操作盤の入力操作による切換設定、または、制御手段へデータ転送を行うことによる切換設定のいずれかによる構成とすることができる。
【0031】
スイッチやコネクタを設けた構成によれば、排気管の敷設状態や燃焼装置の設置高度に応じて、これらのスイッチを操作したり、あるいは、コネクタの接続を変更することによって容易に切換設定することが可能である。
また、操作盤の入力操作によって切換設定する構成によれば、燃焼装置の設置場所や排気管の敷設状態に応じて随時設定が可能である。
更に、制御手段へデータ転送を行う構成によれば、例えば、予め別のデータ設定器(専用のデータ設定器やパーソナルコンピュータなど)で設定したデータを、接続ケーブルなどを介して制御手段へ転送することができ、短時間に確実に設定操作を行うことができる。
【0032】
前記本発明において、燃焼装置は、排気側から燃焼装置内部へ空気が侵入する逆風状態を検知する逆風検知手段を有しており、当該逆風検知手段によって逆風状態が検知されたときは、制御手段は、掃気時間、空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかの制御値を変更させて異常回避制御を行う構成とすることができる。
【0033】
強風のために風が排気管から燃焼装置内部へ侵入すると、燃焼部から上流側へ空気が逆流する逆風状態が生じる。逆風状態が生じると、充分な前置掃気が行えず安全な着火が行えない上に、逆風によって着火時の火炎が煽られて着火性が低下する。また、燃焼中に逆風状態が生じると、火炎が煽られて安定燃焼が損なわれる。更に、燃焼部で発生した熱が上流側へ逆流し、上流側に配された部材が加熱されて破損したり耐久性が低下する不具合が生じる。
【0034】
しかし、本発明によれば、逆風検知手段によって逆風を検知することにより、制御手段によって異常回避制御を行うことができ、着火性、安定燃焼が維持され、耐久性も向上する。
逆風検知手段としては、例えば、空気流をフィンで受けた力によって接点を切り換える風圧スイッチなどを用いることができ、この風圧スイッチを燃焼部の下流側に配して逆風の発生を検知する構成を採ることができる。
【0035】
前記本発明において、燃焼部は火炎を噴出する炎孔を平面状に配列した炎孔ベースを有し、当該炎孔ベースには炎孔ベース自体の温度を検知する炎孔ベース温度センサが設けられると共に、燃焼装置へ供給される空気の温度を検知する空気温度センサが設けられ、逆風検知手段は、炎孔ベース温度センサ、空気温度センサおよび制御手段で構成されており、制御手段は、検知された炎孔ベース温度を参照しつつ、検知された空気温度が炎孔ベース温度に応じて予め定められた逆風判別温度幅を超えて上昇したときに逆風状態と判別する構成とすることができる
【0036】
燃焼装置へ吸入される空気は外部から取り入れられるので、通常は、吸入される空気温度は外気温度(室内から空気供給を行う場合は室内温度)に比べて著しく高温にはならない。しかし、逆風状態が生じると、前記したように、燃焼部側から上流側へ向けて空気が逆流するため、燃焼部側の熱が上流側へ移動する。これにより、外気導入部分の近傍に設けられた空気温度センサは燃焼部側の温度に応じて上昇変動する。
【0037】
本発明は、逆風時に生じるこの現象を利用して逆風状態を検知している。則ち、逆風状態が生じると、燃焼部の熱が上流側へ移動して空気温度センサの検知温度が上昇する。この温度上昇幅を逆風判別温度幅として炎孔ベース温度と対応させて予め求めておけば、空気温度センサの温度上昇幅と炎孔ベース温度とを制御手段で検知することによって、逆風状態を判別することができる。
【0038】
例えば、火炎が発生していない状態、則ち、気化器の予熱状態では、炎孔ベース温度は低い。そこで、逆風判別温度幅も炎孔ベース温度に応じて狭い温度幅に設定される。また、燃焼中における逆風判別温度幅は炎孔ベース温度に応じて広い温度幅に設定される。
この構成によれば、制御手段は、炎孔ベース温度に対応した逆風判別温度幅を適用して空気温度センサの温度上昇幅を監視する。そして、空気温度センサの温度上昇幅が逆風判別温度幅以上に増加すると、逆風状態として判別して必要な異常回避制御を行う。
【0039】
逆風検知手段によって逆風状態が検知されたときは、制御手段は、供給空気量または燃焼量の少なくともいずれかを逆風検知時の燃焼量に応じた所定値だけ増加補正する異常回避制御を行うことができる。
逆風が発生した場合、則ち、燃焼部側から上流側へ向けて空気が逆流すると、点火ミスが生じ易く、また、火炎が煽られて燃焼状態が不安定となったり吹き消えが生じ易い。
しかし、この構成によれば、逆風状態が検知されると、制御手段によって供給空気量を増加させ、逆風のために燃焼部側から上流へ向かおうとする空気流を供給空気流で下流側に押圧して、上流側への空気移動を阻止する。
【0040】
また、燃焼部へ供給される燃料ガス(混合ガス)が逆風で煽られて燃焼が不安定になり易い。しかし、燃焼量を増加させることによって燃焼を安定させることも可能である。
供給空気量や燃焼量の補正量は、燃焼装置に応じて適宜定めることができるが、例えば、逆風を検知した時点の燃焼量(燃焼号数)に応じて定めることもできる。
【0041】
また、本発明の燃焼装置は、気化部で生成された燃料ガス、または、燃焼ガスと空気との混合ガスを燃焼部へ供給して下方へ向けて火炎を噴出する下方燃焼型で構成するのが望ましい。
燃焼装置は、上方へ向けて火炎を噴出する上方燃焼型、または、下方へ向けて火炎を噴出する下方燃焼型として給湯器などの機器へ組み込まれることが多い。
【0042】
下方燃焼型の燃焼装置では、燃焼部で発生した熱が、上流側から供給される空気流によって下流の熱交換部側へ移動する。これにより、燃焼部の上流側に熱が滞留し易くなる。また、燃焼部から、一旦、屈曲させるように排気部を設ければ、燃焼部と排気通路とを横方向へ並列に配置させることができる。これにより、全体として装置の高さを低く抑えることができ、装置の小型化も実現できる利点がある。
本発明によれば、下方燃焼型を採用して熱交換率を向上させつつ、前記した本発明によって気化部を効率的に予熱させ、着火性および燃焼性を向上させると共に、熱による部品の破損を抑えて信頼性を向上させた構成とすることができる。
【0043】
同時に提案される本発明の燃焼装置は、液体燃料を気化して燃料ガスを生成する気化器を有し、生成された燃料ガスまたは送風機から供給される空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、当該燃焼装置に接続される排気管の長さあるいは敷設状態に応じて切り換え設定される排気設定手段と、気化器を加熱する気化器ヒータと、気化器の温度を検知する気化器温度センサと、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、前記制御手段は、気化器ヒータの予熱制御中に気化器温度が所定温度に達した後は、前記排気設定手段の設定に応じて送風機を駆動して燃焼装置の内部に滞留する未燃焼ガスを排気管を通じて外部へ掃気し、この後に予熱完了とし、燃焼装置は、排気側から燃焼装置内部へ空気が侵入する逆風状態を検知する逆風検知手段を有しており、当該逆風検知手段によって逆風状態が検知されたときは、前記制御手段は、送風機による掃気制御、空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかの制御値を変更させて異常回避制御を行い、前記燃焼部は火炎を噴出する炎孔を平面状に配列した炎孔ベースを有し、当該炎孔ベースには炎孔ベース自体の温度を検知する炎孔ベース温度センサが設けられると共に、燃焼装置へ供給される空気の温度を検知する空気温度センサが設けられ、前記逆風検知手段は、前記炎孔ベース温度センサ、空気温度センサおよび前記制御手段で構成されており、前記制御手段は、検知された炎孔ベース温度を参照しつつ、検知された空気温度が炎孔ベース温度に応じて予め定められた逆風判別温度幅を超えて上昇したときに逆風状態と判別する構成とされている。
【0044】
同時に提案される本発明の燃焼装置は、液体燃料を気化して燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスまたは空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、当該燃焼装置に接続される排気管の長さあるいは敷設状態に応じて切り換え設定される排気設定手段と、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、前記制御手段は、前記排気設定手段の設定に応じて空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかに排気補正を施した補正制御値に基づいて燃焼制御を行い、燃焼装置は、排気側から燃焼装置内部へ空気が侵入する逆風状態を検知する逆風検知手段を有しており、当該逆風検知手段によって逆風状態が検知されたときは、前記制御手段は、送風機による掃気制御、空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかの制御値を変更させて異常回避制御を行い、前記燃焼部は火炎を噴出する炎孔を平面状に配列した炎孔ベースを有し、当該炎孔ベースには炎孔ベース自体の温度を検知する炎孔ベース温度センサが設けられると共に、燃焼装置へ供給される空気の温度を検知する空気温度センサが設けられ、前記逆風検知手段は、前記炎孔ベース温度センサ、空気温度センサおよび前記制御手段で構成されており、前記制御手段は、検知された炎孔ベース温度を参照しつつ、検知された空気温度が炎孔ベース温度に応じて予め定められた逆風判別温度幅を超えて上昇したときに逆風状態と判別する構成とされている。
【0045】
同時に提案される本発明の燃焼装置は、液体燃料を気化して燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスまたは空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、燃焼装置の設置高度に応じて切り換え設定される高度設定手段と、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、前記制御手段は、前記高度設定手段の設定に応じて空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかに高度補正を施した補正制御値に基づいて燃焼制御を行い、燃焼装置は、排気側から燃焼装置内部へ空気が侵入する逆風状態を検知する逆風検知手段を有しており、当該逆風検知手段によって逆風状態が検知されたときは、前記制御手段は、送風機による掃気制御、空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかの制御値を変更させて異常回避制御を行い、前記燃焼部は火炎を噴出する炎孔を平面状に配列した炎孔ベースを有し、当該炎孔ベースには炎孔ベース自体の温度を検知する炎孔ベース温度センサが設けられると共に、燃焼装置へ供給される空気の温度を検知する空気温度センサが設けられ、前記逆風検知手段は、前記炎孔ベース温度センサ、空気温度センサおよび前記制御手段で構成されており、前記制御手段は、検知された炎孔ベース温度を参照しつつ、検知された空気温度が炎孔ベース温度に応じて予め定められた逆風判別温度幅を超えて上昇したときに逆風状態と判別する構成とされている。
【0046】
同時に提案される本発明の燃焼装置は、液体燃料を気化して燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスまたは空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、燃焼装置に接続される排気管の長さあるいは敷設状態に応じて切り換え設定される排気設定手段と、燃焼装置の設置高度に応じて切り換え設定される高度設定手段と、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、前記制御手段は、前記排気設定手段および前記高度設定手段の設定に応じて、空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかに排気補正および高度補正を施した補正制御値に基づいて燃焼制御を行い、燃焼装置は、排気側から燃焼装置内部へ空気が侵入する逆風状態を検知する逆風検知手段を有しており、当該逆風検知手段によって逆風状態が検知されたときは、前記制御手段は、送風機による掃気制御、空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかの制御値を変更させて異常回避制御を行い、前記燃焼部は火炎を噴出する炎孔を平面状に配列した炎孔ベースを有し、当該炎孔ベースには炎孔ベース自体の温度を検知する炎孔ベース温度センサが設けられると共に、燃焼装置へ供給される空気の温度を検知する空気温度センサが設けられ、前記逆風検知手段は、前記炎孔ベース温度センサ、空気温度センサおよび前記制御手段で構成されており、前記制御手段は、検知された炎孔ベース温度を参照しつつ、検知された空気温度が炎孔ベース温度に応じて予め定められた逆風判別温度幅を超えて上昇したときに逆風状態と判別する構成とされている。
【0047】
同時に提案される本発明の燃焼装置は、液体燃料を気化して燃料ガスを生成する気化器を有し、生成された燃料ガスまたは送風機から供給される空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、燃焼装置に接続される排気管の長さあるいは敷設状態に応じて切り換え設定される排気設定手段と、燃焼装置の設置高度に応じて切り換え設定される高度設定手段と、気化器を加熱する気化器ヒータと、気化器の温度を検知する気化器温度センサと、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、前記制御手段は、気化器ヒータの予熱制御中に気化器温度が所定温度に達した後は、前記排気設定手段の設定に応じて送風機を駆動して燃焼装置の内部に滞留する未燃焼ガスを排気管を通じて外部へ掃気させ、この後に予熱完了とする予熱制御を行う一方、前記排気設定手段および前記高度設定手段の設定に応じて空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかに排気補正および高度補正を施した補正制御値に基づいて燃焼制御を行い、燃焼装置は、排気側から燃焼装置内部へ空気が侵入する逆風状態を検知する逆風検知手段を有しており、当該逆風検知手段によって逆風状態が検知されたときは、前記制御手段は、送風機による掃気制御、空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかの制御値を変更させて異常回避制御を行い、前記燃焼部は火炎を噴出する炎孔を平面状に配列した炎孔ベースを有し、当該炎孔ベースには炎孔ベース自体の温度を検知する炎孔ベース温度センサが設けられると共に、燃焼装置へ供給される空気の温度を検知する空気温度センサが設けられ、前記逆風検知手段は、前記炎孔ベース温度センサ、空気温度センサおよび前記制御手段で構成されており、前記制御手段は、検知された炎孔ベース温度を参照しつつ、検知された空気温度が炎孔ベース温度に応じて予め定められた逆風判別温度幅を超えて上昇したときに逆風状態と判別する構成とされている。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
本発明は、液体燃料を気化させて燃焼させる燃焼装置1であり、燃焼装置1に排気設定手段、高度設定手段、および、逆風検知手段を設けることにより安定燃焼を確保することに特徴を有したものである。そこで、制御の詳細を説明するのに先立って燃焼装置1の全体構成を説明する。
尚、以下の説明において上下の関係は、燃焼装置を給湯器等に設置した状態を基準とする。
【0049】
(燃焼装置の構成および動作)
図1は本発明の実施形態に係る燃焼装置1を内蔵した給湯器において前面パネルを取り外した状態を示す正面図、図2は燃焼装置1の断面図、図3は燃焼部に採用される炎孔ベースを示す斜視図、図4は気化器温度センサの取り付け部分の拡大斜視図、図5は炎孔ベースの下面側を示す斜視図、図6は炎孔ベース温度センサの取り付け部分を示す拡大斜視図、図7は空気量調節部を示す斜視図、図8は燃焼装置1を含む給湯器100の制御を行う制御手段(制御回路部)を中心に構成される制御系のブロック図である。
【0050】
給湯器100は、図1に示すように、左右側板101a,101a、トップカバー101b、底板101cおよび背面パネル(不図示)を有する略方形箱形状であり、内部には、本実施形態の燃焼装置1、熱交換を行う缶体102、排気部103を含む多数の構成部材が収容されている。
また、燃焼装置1から排出される燃焼ガス(排気ガス)を排出するための排気部103は、缶体102から折り返すように配置され、給湯器100のトップカバー101bを貫通して設けられた排気管接続部104に連通している。
【0051】
排気管接続部104には、排気管105が接続されて、燃焼装置1で発生した排気を屋外へ排出する構成とされている。一方、燃焼装置1の上部に設けられた開口22(後述する)は、トップカバー101bの中央部を貫通して設けられた吸気管接続部106に連通している。この吸気管接続部106には、吸気管107が接続されて、燃焼装置1へ外部空気を導入する。
【0052】
通常、排気管105と吸気管107は並行して敷設され、各管の先端部には吸排気アダプタ(ウォールトップ)108が取り付けられる。
この吸排気アダプタ108は、外管と内管を有した二重管構造であり、排気管105の端部は内管に接続されると共に、吸気管107の端部は外管に接続される。そして、内管を通じて排気ガスを外部に放出すると共に、外管を通じて外部空気を吸入している。また、吸排気アダプタ108では、排気ガスの有する熱を吸入空気に移行させる熱交換機能を有しており、吸入空気温度を上昇させることによって寒冷時における燃焼性の向上を図っている。
【0053】
本実施形態の燃焼装置1は、図1から分かるように、炎孔を下に向けて給湯器100に内蔵されるもので、下方燃焼型(下方へ向けて火炎を噴出する所謂逆燃焼型)である。
給湯器100に採用される燃焼装置1は、図2に示すように、上から送風機2、駆動機械部3、空気量調節部4、混合部5及び燃焼部6が順次積み重ねられて構成される。また、混合部5及び燃焼部6の近傍には気化器7が設けられ、空気量調節部4と気化器7の間には、流路形成部材13が配されて空気流路が形成されている。
【0054】
順次説明すると、送風機2は、鋼板を曲げ加工して作られた凹状のハウジング20の内部にファン21が回転可能に配されたもので、ハウジング20の中央部には、開口22が設けられている。
【0055】
駆動機械部3は箱体10を有し、その天板12の中央にモータ30が取り付けられている。モータ30は、両端部から回転軸30a,30bが突出しており、回転軸30a,30bは、燃焼装置1の略全長を上下へ向けて貫通している。そして、モータ30の上方側の回転軸30aは、ファン21に接続され、下方側の回転軸30bは、気化器7の回転部材8に接続されている。
則ち、モータ30の回転駆動により、ファン21が回転駆動されて下方へ向けて送風(空気供給)を行うと共に、回転部材8が同時に回転駆動される。
【0056】
送風機2のモータ30は、箱体10の外壁に固定された制御回路部(制御手段)5で生成された制御信号によって駆動され、回転数制御が行われて燃焼部6側への供給空気量を制御している。
また、ファン21の近傍であって、箱体10の天板12には、送風機2によって開口22から吸入される空気の温度を検知する空気温度センサ90が固定されている。
本実施形態では、空気温度センサ90にサーミスタを用いており、検知信号を制御回路部5へ送出している。
【0057】
空気量調節部4は、図2,図7に示すように、円板状の移動側板状部材41と方形状の固定側板状部材42によって構成され、固定側板状部材42に対して移動側板状部材41が回転可能に取り付けられたものである。
移動側板状部材41は円板形であり、中央部に軸挿通孔41aが設けられている。この軸挿通孔41aの周囲には、放射状に12個の略3角形状の開口41bが設けられ、更に外側に12個の略方形状の開口41cが設けられている。また、移動側板状部材41には、周縁部の一部を垂直に切り起こした係合部41dが設けられている。
【0058】
また、固定側板状部材42は方形状であり、移動側板状部材41よりも大きい。固定側板状部材42の中央部にも軸挿通孔42aが設けられている。この軸挿通孔42aの周囲には、放射状に12個の略3角形状の開口42bが設けられ、更に外側に12個の略方形状の開口42cが設けられている。また、固定側板状部材42には、駆動片43を揺動自在に支持する支持部材42dが固定されている。この駆動片43の一端は、箱体10の外壁に固定されたステップモータ40の駆動軸40aに接続され、他端は移動側板状部材41の係合部41dへ係合している。
【0059】
移動側板状部材41は、固定側板状部材42の上にあり、中央の軸挿通孔41a,42aを中心として相対的に回転可能である。
そして、ステップモータ40を駆動すると、駆動軸40aに係合した駆動片43が揺動し、移動側板状部材41の係合部41dを接線方向へ向けて押圧する。その結果、移動側板状部材41が、固定側板状部材42の上で中央の軸挿通孔41aを中心として相対的に回転する。
【0060】
則ち、空気量調節部4は、ステップモータ40によって移動側板状部材41を回転させることにより、移動側板状部材41と固定側板状部材42の開口41b,42b同士および開口41c,42c同士の重なり具合を変化させている。 このように、空気量調節部4は、開口同士の重なり具合を変化させることで開口面積を増減させて、開口を介して上下に移動する空気量を調節するものである。
【0061】
この空気量調節部4により、送風機2から燃焼部6側へ至る空気流路の開口面積を調節して、送風機2で発生した空気流の燃焼部6側への供給量を制御している。
本実施形態では、空気量調節部4において移動側板状部材41を制御することにより、一次空気(気化器7へ直接供給する空気)および二次空気(後述する炎孔ベースの炎孔の周囲へ供給される空気)の双方の供給量を最適に調節する構成としている。
尚、ステップモータ40は制御回路部5で生成された制御信号によって駆動され、燃焼状態に応じた最適な開口面積が得られるように空気量調節部4が調整制御される。
【0062】
流路形成部材13は、図2に示すように、薄板を略円錐形に曲げて作られたものであり、内部は空洞で上下に連通している。則ち、流路形成部材13は、上部と下部に開口を有し、両者は連通しており、上部の開口は、前記した固定側板状部材42の中心部へ当接し、下部の開口は、後述する一次空気導入筒15へ連通している。
【0063】
流路形成部材13の内側には、燃料パイプ(燃料供給管)14が固定されている。燃料パイプ14は、流路形成部材13の上部の開口から内部に入り、流路形成部材13および一次空気導入筒15を貫通して気化器7の回転部材8の内部に至るように取り付けられる。
【0064】
混合部5、燃焼部6及び気化器7は、図2に示すように炎孔ベース60を中心として構成され、炎孔ベース60の中央部に気化器7が設けられている。そしてこれらの構成部品がハウジング11内に収納されている。
炎孔ベース60は、図2に示すように、アルミダイカストによって作られたもので、複雑な枠組と開口及び溝が設けられている。尚、図3では、炎孔ベース60の上部に上面板65を取り付けた状態で示している。
【0065】
炎孔ベース60の上面側は、図3,図4に示すように、主として燃料ガス及び二次空気の流路形成面として機能し、下面側は図5に示すように炎孔取付け面として機能する。
則ち、炎孔ベース60の上面側には、多数のループ状の垂直壁62で仕切られた溝63が設けられており、隣接する垂直壁62同士の間には、溝64が設けられている。
そして、後述する気化器7で生成された燃料ガスは、上面壁61と垂直壁62との間を介して溝64から下方側の炎孔へ噴出して火炎を発生させる。
【0066】
炎孔ベース60の下面側は、図5に示すように、多数のループ状の垂直壁66が設けられており、この垂直壁66で仕切られた各ループ内には多数の開口67が配列されている。垂直壁66は上面側の垂直壁62と対応した位置に設けられており、垂直壁66で仕切られた開口67は、上面側の溝63と連通して二次空気の供給路を形成している。
【0067】
また、隣接する垂直壁66同士の間には、上面側から連通する溝64が配されている。そして、隣接する垂直壁66同士の間には、垂直壁66を跨ぐように炎孔部材68が被せられて固定されている。
炎孔部材68は、断面が略コ字状であり、下面側の長手両側縁近傍には多数の炎孔68aが千鳥状に配列されている。
そして、溝64を通じて供給される燃料ガス(混合ガス)が炎孔68aから噴出し、この燃料ガスに着火されて火炎を生じる。
【0068】
本実施形態では、炎孔部材68の高さdを2mmに形成している。則ち、炎孔部材68を炎孔ベース60へ固定したときに、炎孔ベース60の面から炎孔部材68の炎孔68aまでの高さが2mmとなる。
この構成によれば、炎孔68aから噴出する火炎によって生じる熱を、炎孔部材68の両側面を通じて効率良く炎孔ベース60へ伝導させることができる。また、炎孔部材68の両側面の面積が少ないので、両側面を伝導する熱が開口67を通じて下流側へ供給される二次空気によって放散しにくい。これにより、火炎の発生する熱の一部を効率良く炎孔ベース60へ伝導させる構成としている。
炎孔部材68をこのように構成することにより、火炎の状態に応じた熱を後述する炎孔ベース温度センサ92で正確に検知することができ、適正な制御を可能としている。
【0069】
また、本実施形態の燃焼装置1に採用する炎孔ベース60には、図3に示すように、熱吸収壁60a,60b,60cが設けられている。
熱吸収壁60aは、多数配列された炎孔68a群を取り囲むように炎孔ベース60の外側縁に沿って下方へ向けて壁状に設けられている。この熱吸収壁60aは、炎孔68aから下方へ向けて噴出する火炎によって生じる熱の一部を吸収して炎孔ベース60へ伝達する機能を有している。
【0070】
また、熱吸収壁60bは、炎孔ベース60の中央に設けられた気化器7の近傍に、気化器を挟むようにして炎孔ベース60の長手方向へ向けて設けられる。この熱吸収壁60bは熱吸収壁60aの略1/2の高さを有する壁状に形成され、気化器7から炎孔68aを遮蔽するように設けられている。
【0071】
また、熱吸収壁60cは、気化器7の近傍に、気化器7を挟むようにして炎孔ベース60の短手方向へ向けて設けられる。この熱吸収壁60cは、熱吸収壁60aの略1/2の高さを有するサイコロ状の突起を複数配列して形成されている。これらの熱吸収壁60b,60cは、火炎の輻射熱の一部が気化器7へ伝導されるのを遮蔽しつつ炎孔ベース60側へ伝達する機能を有している。
熱吸収壁60a,60b,60cを配することにより、火炎の状態に応じた熱を炎孔ベース60の温度として検知することができ、正確な制御を可能としている。
これらの熱吸収壁60a,60b,60cは金型を用いて炎孔ベース60と一体化してダイキャストとして形成される。
【0072】
本実施形態では、図2,図3に示すように、炎孔ベース60にサーミスタを用いた2個の温度センサを取り付けている。一方は、気化器7の温度を検知する気化器温度センサ91であり、他方は、炎孔ベース60の温度を検知する炎孔ベース温度センサ92である。
【0073】
気化器温度センサ91は、図2〜図4に示すように、サーミスタTHから延伸するリード線91bの端部にコネクタ91aを設けて形成され、サーミスタTHには固定板91cが取り付けられている。
この気化器温度センサ91は、炎孔ベース60の上面側から気化器7の周部72へ突き刺すようにして固定される。則ち、炎孔ベース60を貫通して気化器7の周部72へ向けて嵌入孔60dが設けられており、その近傍にネジ孔60eが設けられている。そして、サーミスタTHを嵌入孔60dに挿入し、ネジNを固定板92cを通してネジ孔60eにねじ込んで締付固定される。
気化器温度センサ91をこのように固定することにより、気化器7の周部72の温度を効率良く検知可能である。
【0074】
一方、炎孔ベース温度センサ92は、図2,図3,図6に示すように、熱吸収壁60aに沿った炎孔ベース60の外縁角部であって、気化器7を間に挟んで気化器温度センサ91から最も離れた部位に対向させて取り付けている。
この配置により、炎孔ベース温度センサ92と気化器温度センサ91との物理的距離を最大としている。これにより、気化器の温度変動の影響を最も受けにくい状態で、火炎に応じた炎孔ベース温度を的確に把握することが可能となる。
炎孔ベース温度センサ92は、前記した気化器温度センサ91と同一の構成を有する。則ち、サーミスタTHから延伸するリード線92bの端部にコネクタ92aを設けて形成され、サーミスタTHには固定板92cが取り付けられている。サーミスタTHは気化器温度センサ91と同一のものである。
【0075】
この炎孔ベース温度センサ92は、上面板65の上面から炎孔ベース60の熱吸収壁60aへ突き刺すように固定される。則ち、上面板65には開口65aが設けられ、炎孔ベース60の熱吸収壁60aの対応した位置にも嵌入孔60fが設けられている。また、上面板65の開口65aの近傍には、ネジ孔65bが設けられている。そして、サーミスタTHを開口65aを介して嵌入孔60fに嵌入し、ネジNを固定板92cを通してネジ孔65bにねじ込んで締付固定している。
炎孔ベース温度センサ92をこのように固定することにより、熱吸収壁60aによって吸収された熱に応じた温度を効率良く検知可能である。
【0076】
本実施形態では、炎孔ベース温度センサ92には3ピンタイプのコネクタ92aを用い、気化器温度センサ91のコネクタ91aの2ピンタイプと区別している。これにより、製造時やメンテナンス時におけるコネクタの差し間違いを防止している。この炎孔ベース温度センサ92および気化器温度センサ91のコネクタ92a,91aは制御回路部5に接続されている。
【0077】
気化器7は、図1,図4に示すように、気化室70と回転部材8によって構成される。
気化室70は、底面部71と周部72を持つ円筒体であり、底面部71は閉塞し、上部は開口している。則ち、気化室70は窪んだ形状であり、底面部71及び周部72は閉塞していて気密・水密性を持ち、上部は開放されている。
気化室70は、前記した様に底面部71及び周部72を持ち、あたかもコップの様な形状であり、炎孔ベース60の中央部分に取り付けられている。
【0078】
気化室70の底面部71内には、気化器ヒータ73が内蔵されている。この気化器ヒータ73に通電することにより底面部71が発熱し、さらにこの熱が気化室70の壁を伝導し、気化室70の内壁が全体的に加熱される構成としている。これにより、回転部材8によって気化室70の内部へ飛散された液体燃料を気化し易くする機能を有している。
【0079】
回転部材8は、前記したモータ30の回転軸30bに取り付けられて一体的に回転するもので、円板の周縁を切り起こして多数の撹拌羽根8aを設けた形状である。
この回転部材8は、燃料パイプ14を介して供給(滴下)される液体燃料を回転による遠心力によって飛散させるもので、飛散した燃料は気化室70の内部で熱によって気化させて燃料ガスとなる。また、回転部材8は、気化された燃料ガスと送風機2から供給される一次空気とを撹拌して均一な混合ガスを生成する機能を併せ持っている。
則ち、回転部材8は、気化室70の内部で液体燃料を効率良く気化させるために、燃料パイプ14から滴下された液体燃料(本実施形態では石油を使用)を微粒子状にして飛散させると共に、気化した燃料ガスと一次空気とを撹拌させて均一に混合する働きを行うものである。
【0080】
また、制御回路部5は、図8に示すように燃焼装置1を含む給湯器100の燃焼に伴う制御を行うもので、CPUを用いたデジタル回路で構成される。
図8に示すように、制御回路部5には、排気設定手段50、高度設定手段51、気化器ヒータ制御回路52、送風機制御回路53、燃焼量制御回路54および出湯量調節手段56が接続されている。また、制御回路部5には、燃焼装置1および給湯器100の各部の温度を検知する温度センサなどが接続されて、センサの検知信号に応じた制御を行う構成とされている。
【0081】
詳細に説明すると、排気設定手段50は、単極単投のスイッチ50aで構成されており、スイッチ50aを閉じると掃気延長が設定され、スイッチ50aを開くと掃気延長の設定が解除される。
本実施形態では、排気管105の全長が3m、または、折曲数が3の状態を目安として、それ以上の状態と未満の状態とで掃気延長の設定と設定解除とを切り換えている。
【0082】
高度設定手段51は、2個の単極単投スイッチ51a,51bで構成され、スイッチ51a,51bの組み合わせ設定によって、平地、準高地および高地を切り換えている。則ち、スイッチ51a,51bを開くと平地設定、スイッチ51aのみを閉じると準高地設定、スイッチ51bのみを閉じると高地設定に切り換わる構成としている。
また、排気設定手段50および高度設定手段51による設定と燃焼制御値(送風機2の駆動量および燃焼量)とを対応させて予め作成されたデータテーブルを後述する制御手段(制御回路部)5へ格納して構成する。
【0083】
気化器ヒータ制御回路52は、気化器ヒータ73の通電制御を行うもので、制御回路部5は、気化器温度センサ91の検知信号を参照しつつ制御信号を生成して気化器ヒータ制御回路52へ送出している。
送風機制御回路53は、送風機2の駆動制御を行うもので、制御回路部5は、送風機2に設けられた回転数検知センサ53aの検知信号を参照しつつ制御信号を生成して送風機制御回路53へ送出している。
【0084】
燃焼量制御回路54は、燃焼量に応じて燃料パイプ14を通じて気化器7へ滴下される液体燃料の供給量を制御するものである。
ダンパ制御回路(空気量調節部制御回路)55は、前記した空気量調節部4の開口面積を制御するもので、ダンパ制御回路55からステップモータ40へ制御信号を送出して制御を行っている。
【0085】
また、出湯量調節手段56はサーボモータ(不図示)によって開閉弁を調節制御するもので、缶体102から流出される出湯量の調節を行う。則ち、制御回路部5は、缶体102へ供給される入水温度センサ56aと出湯温度センサ56bの検知信号を含む燃焼制御状態を参照して、出湯温度が目的温度となるようにサーボモータを制御して出湯量を調節制御する。
出湯量調節手段56は、図1に示すように、給湯器100の下方中央部に設けられている。
【0086】
制御回路部5は、CPU、RAM、ROM、I/Oポート、および、アナログのセンサ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路、あるいは、生成されたデジタル制御信号をアナログ制御信号に変換するD/A変換回路などを備え、センサの検知信号やスイッチの切換信号を参照しつつ、燃焼量に応じた制御信号をプログラム処理によって生成するものである。
燃焼制御に必要なデータは、予めROMに格納されており、CPUで随時データを参照することによって必要な燃焼制御処理を行うようにしている。
【0087】
本実施形態の燃焼装置1では、前記したように、サーミスタTHとしては、空気温度センサ90、気化器温度センサ91、炎孔ベース温度センサ92、および、入水温度センサ56a、出湯温度センサ56bが配置されている。そして、制御回路部5では、サーミスタTHの検知信号を0〜5ボルトの電圧変動として取り込み、取り込んだアナログ電圧をA/D変換することにより、電圧に対応したデジタル信号を生成して信号処理を行っている。
尚、A/D変換回路は8bit処理を行っており、0〜5ボルトのアナログ電圧を255分割して対応したデジタルデータを変換出力している。
【0088】
ここで、温度変動に伴うサーミスタTHの抵抗値変動を電圧として検出するには、通常、直列接続されたサーミスタTHと抵抗の両端に電圧を印加し、接続点の電位を検出する構成が採られる。この場合、サーミスタTHをアース側に接続し抵抗側に正電圧を印加する構成や、逆に、抵抗をアース側に接続しサーミスタ側に正電圧を印加する構成を採ることができる。
本発明は、いずれの電圧極性でも実施可能であるが、本実施形態では、サーミスタTHをアース側に接続し抵抗側に正電圧を印加する構成としている。そして、接続点電位をセンサ検知信号として制御回路部5へ送出している。
【0089】
本実施形態に係る燃焼装置1は、前記したように、排気設定手段50および高度設定手段51を設け、制御回路部(制御手段)5によって、設定に応じた最適な掃気制御、燃焼制御を行わせるものである。また、各部に温度センサを設け、これらの温度センサの検知信号を制御回路部5へ伝送して異常回避制御を行わせるものである。
【0090】
以下に、各々の制御処理の詳細を順を追って説明する。尚、これらの制御は、制御回路部5によって一連のプログラムを実行する過程で実施されるものであり、制御毎に明確に区分するのは困難である。そこで、説明に際しては、一連のプログラムから各制御処理に必要な部分を抜き出して記載する。
【0091】
(第1実施形態:送風機の掃気制御)
前記図1〜図8および図9のフローチャートを参照して、本発明の第1実施形態に係る送風機の掃気制御を説明する。
尚、本実施形態では、燃焼装置1に接続される排気管の長さが3m、あるいは、排気管の折曲数が3である場合を目安として、排気設定手段50を切換設定している。則ち、これを超えるときは排気設定手段50のスイッチ50aを閉成して掃気延長設定とし、これよりも少ないときは、スイッチ50aを開成して掃気延長を解除する。
[1]制御回路部5は、燃焼装置1の運転スイッチ(不図示)の切換設定を監視する。運転スイッチがオン設定に切り換えられると、制御回路部5は気化器ヒータ制御回路52へ制御信号を送出し、気化器ヒータ73へ通電して予熱を開始する(図9ステップ200,201参照)。
【0092】
[2]制御回路部5は、気化器温度センサ91の検知信号を参照しつつ気化器7の予熱を行い、気化器7の温度が250℃(予熱温度)に達すると、送風機制御回路53へ制御信号を送出して送風機2を掃気回転数(本実施形態では3000rpm)で回転駆動を開始する。これにより、気化器7で気化された未燃焼ガスの掃気を開始する(図9ステップ201〜203参照)。
【0093】
[3]制御回路部5は、送風機2の駆動を開始すると同時に、排気設定手段50のスイッチ50aの切換状態を参照する。そして、スイッチ50aが開成状態であれば、掃気延長の設定が解除されているので、送風機2を6秒間継続駆動した後に、燃焼装置1に接続されたリモートコントローラ(不図示)へ報知信号を送出して予熱完了報知を行う。
一方、排気設定手段50のスイッチ50aが閉成状態であれば、掃気延長が設定されているので、送風機2を10秒間継続駆動した後に、リモートコントローラ(不図示)へ報知信号を送出して予熱完了報知を行う(図9ステップ204〜207参照)。
【0094】
[4]予熱完了報知を行った後は、制御回路部5は、燃焼指令の待機状態に入る。燃焼指令の待機中は、気化器7は待機予熱温度(略230℃)に維持されるように通電制御が行われ、送風機2は後述する待機送風制御によって駆動される。
そして、燃焼指令待機中に燃焼指令が伝送されると、制御回路部5は気化器7を略250℃となるように通電制御して着火制御を含む燃焼制御に移行する(図9ステップ208〜212参照)。
【0095】
[5]制御回路部5は、燃焼指令の伝送に応じて燃焼制御および燃焼待機制御を繰り返して行い、運転スイッチのオフ状態が割込検出されたときは、ステップ213へ移行して運転オフ状態に戻る(図9ステップ208〜212,213参照)。
【0096】
このように、本実施形態の燃焼装置1によれば、排気管の敷設状態に応じて排気設定手段50を切換設定するだけで、排気管の敷設状態に応じた掃気を行うことができる。これにより、予熱完了時には排気管の内部に滞留する未燃焼ガスが完全に排気されて安定した着火、燃焼を行うことが可能となる。
【0097】
尚、本実施形態では、送風機2の駆動時間を変化させて排気設定手段50の設定に応じた掃気を行わせているが、例えば、送風機2の駆動時間を一定にして、駆動電圧(駆動力)を変化させることも可能である。
また、図9のステップ207において予熱完了報知が行われた時点で、排気管105の前置掃気は完了しているが、ステップ210の燃焼制御を行うのに際して、更に、所定時間のプリパージ(前置掃気)を行うことも可能である。
尚、図9のステップ211では、燃焼待機中において、気化器7を待機予熱温度(略230℃)に維持させるように気化器ヒータ73の通電制御を行っている。この制御は、例えば、待機予熱温度の上下に上限温度(235℃)および下限温度(225℃)を設定し、制御回路部5で気化器温度センサ91を監視しつつ、気化器7が上限温度に至れば気化器ヒータ73の通電を停止し、逆に、下限温度に至れば通電を再開させることで行うことができる。
【0098】
(第1実施形態における送風機の待機送風制御)
次に、前記図9に示したフローチャートのステップ212で実行される送風機2の待機送風制御を、図10,図11のフローチャートを参照して説明する。ここに、本実施形態の待機送風制御は、気化器7および燃焼部6近傍の熱が上流側へ移動することを阻止すると共に、気化器7の近傍を予熱温度あるいは待機予熱温度に維持させる送風機制御である。
尚、図10のステップ223に示す空気温度に応じた送風機2の駆動制御の詳細を図11に示している。
【0099】
[1]制御回路部5は、待機送風制御に入ると、空気温度センサ90の検知信号を読み込み、吸入空気温度が50℃未満のときは、燃焼部6の熱の上流側への移動がなく、気化器7および炎孔ベース60の温度上昇も著しくないと判別して送風機2の駆動を停止する(図10ステップ220,221,224参照)。
【0100】
[2]一方、吸入空気温度が50℃以上のときは、制御回路部5は送風機2を500rpmで駆動しつつ、図11に示す空気温度に応じた駆動制御を実行する(図10ステップ221〜223,図11参照)。
この送風機制御は、図11に示すように、現在の送風機の駆動回転数が1分間継続したときの吸入空気温度に応じて、送風機2の回転数を変化させて制御するものである。
例えば、図11のステップ250に示すように、送風機2が500rpmを1分間継続したときに、空気温度が20℃以下であれば、送風機2の回転数を300rpmに低下させ、空気温度が20℃を超え56℃以下であれば500rpmを維持する。更に、空気温度が58℃以上60℃未満であれば、900rpmに増加させ、空気温度が60℃以上であれば1500rpmまで上昇させる制御を行う。
【0101】
この送風機制御は、送風機2の回転数が300rpm、900rpm、1500rpmを1分間維持した場合にも同様に行われ、図11のステップ245,255,260に示す回転数となるように制御が行われる(図11ステップ240〜261参照)。
【0102】
[3]空気温度に応じた送風機の制御工程が終了すると、制御回路部5は、図10ステップ225において、空気温度が56℃以上であるか判別する。そして、空気温度が56℃以上であれば、計時1(送風機2の回転数を1分間計測する計時)をリセットし、図11のフローチャートで設定された送風機2の回転数を維持する(図10ステップ225,228参照)。
【0103】
[4]一方、ステップ225で空気温度が56℃未満のときは、計時2(空気温度56℃以下を1分間計測するための計時)を開始して、その状態が1分間継続するか監視する(図10ステップ225〜227,229参照)。
[5]空気温度が56℃未満の状態が1分間継続すると、制御回路部5は、燃焼部6および気化器7の温度低下と判別し、気化器温度センサ91の検知信号を参照して気化器7の温度を求める。そして、気化器7の温度が100℃を超えるときは、計時2をリセットする。
一方、気化器7の温度が100℃以下のときは、計時3(気化器温度が100℃以下を15分間計測するための計時)を開始して、100℃以下の状態を15分間継続監視する(図10ステップ229〜233参照)。
【0104】
[6]気化器7の温度が100℃以下の状態が15分以内で解消されたときは計時3をリセットする。一方、気化器7の温度が100℃以下の状態が15分間継続すると、燃焼部6および気化器7の温度を上昇させるために送風機2の駆動を停止し、計時3をリセットする(図10ステップ230〜236参照)。
【0105】
このように、本実施形態の待機送風制御は、空気温度に応じて送風機の回転数を段階的に制御すると共に、空気温度が所定値以下で気化器7も所定温度以下の状態が継続すると送風機2の駆動を停止させる制御を行っている。
これにより、燃焼部6近傍の熱が上流側へ移動することを効果的に阻止すると共に、気化器7および燃焼部6(炎孔ベース60)を所定の予熱温度あるいは待機予熱温度に効果的に維持させることが可能である。
【0106】
(第2実施形態:排気設定および高度設定に応じた燃焼制御)
次に、前記図1〜図8および図12のフローチャートを参照して、本発明の第2実施形態に係る燃焼制御を説明する。本実施形態の燃焼制御は、排気設定手段50および高度設定手段51の設定に応じて、最適な燃焼が得られるように燃焼量(号数)および送風量を制御するものである。
【0107】
尚、制御回路部5のROMには、排気設定手段50および高度設定手段51の切換設定と燃焼量および送風量とを予め対応させたデータテーブルが格納されている。このデータテーブルは、燃焼装置1の最大燃焼能力(本実施形態では、最大燃焼量25.5号の高燃焼型と最大燃焼量21号の低燃焼型に区分)に応じて個別に設けられている。また、ROMには、燃焼装置1が高燃焼型または低燃焼型であるかを区別する燃焼能力フラグが予め記憶されているものとする。
【0108】
更に、本実施形態では、標高500m未満を低地、標高500m以上1000m未満を準高地、標高1000m以上1500m未満を高地として高度設定手段51の切換設定を行う構成としている。一方、排気設定手段50の設定は、第1実施形態と同様に、排気管の全長が3m、または、折曲数3を目安として、これ以上のときは排気設定を行い、少ないときは排気設定を解除させる設定を行う。
【0109】
[1]給湯器100への通電(電源コンセントの接続)が開始されると、制御回路部5はROMに格納された燃焼能力フラグを参照して高燃焼型と低燃焼型の判別を行う。判別の結果、高燃焼型であればステップ272へ進み、低燃焼型であれば、ステップ283へ分岐する(図12ステップ270〜272,283参照)。
【0110】
[2]燃焼装置1が高燃焼型(最大燃焼量25.5号)のときは、制御回路部5は高度設定手段51および排気設定手段50の設定状態を参照して、設定に応じて最大燃焼量(25.5号)に制限を加えると共に、送風量を増加させる設定を行う。
【0111】
則ち、高度設定手段51のスイッチ51a,51bが共に開成状態であり、排気設定手段50のスイッチ50aが開成状態であれば、低地設置で掃気延長の設定が解除されているので、最大燃焼量を25.5号、送風量を標準として通常の燃焼制御を行う。
同様に、低地設定で掃気延長が設定されているときは、最大燃焼量を24.7号へ絞ると共に、送風量を5%増加させる(図12ステップ272,276,280〜282参照)。
また、準高地設定で掃気延長の設定が解除されているときは、最大燃焼量を24.4号へ絞ると共に、送風量を6%増加し、準高地設定で掃気延長が設定されているときは、最大燃焼量を23号へ絞ると共に、送風量を11%に増加する(図12ステップ272,276〜279参照)。
【0112】
更に、高地設定で掃気延長の設定が解除されているときは、最大燃焼量を22.8号へ絞ると共に、送風量を12%増加し、高地設定で掃気延長が設定されているときは、最大燃焼量を21号へ絞ると共に、送風量を17%に増加する(図12ステップ272〜275参照)。
【0113】
[3]一方、ステップ271で燃焼装置1が低燃焼型(最大燃焼量21号)と判別したときは、同様に、制御回路部5は高度設定手段51および排気設定手段50の設定状態を参照して、設定に応じて最大燃焼量(21号)を維持しつつ送風量を増加させる設定を行う。
【0114】
則ち、低地設置で掃気延長の設定が解除されているときは、送風量を標準とし、低地設定で掃気延長が設定されているときは、送風量を5%増加させる(図12ステップ283,287,291〜293参照)。
また、準高地設定で掃気延長の設定が解除されているときは、送風量を6%増加し、準高地設定で掃気延長が設定されているときは、送風量を11%増加する(図12ステップ283,287〜290参照)。
更に、高地設定で掃気延長の設定が解除されているときは、送風量を12%増加し、高地設定で掃気延長が設定されているときは、送風量を17%増加する(図12ステップ283〜286参照)。
【0115】
[4]制御回路部5は、読み込んだ最大燃焼量および送風量の補正値をRAMへ記憶し、以降の燃焼制御に際しては、RAMに記憶されたデータを参照して最大燃焼量を制限した燃焼制御を行う。
【0116】
このように、本実施形態の燃焼制御によれば、燃焼装置1の排気管敷設状態および設置高度に応じて、排気設定手段50および高度設定手段51を切換設定するだけで、最適な燃焼状態を維持させるように燃焼量あるいは送風量を自動的に補正した燃焼制御が行われる。これにより、簡単な設定によって燃焼装置の設置の自由度を極めて向上させることができる。
【0117】
尚、本実施形態の燃焼制御では、排気設定および高度設定に応じて最大燃焼量および最大燃焼時における送風量に対して補正を行う構成としているが、本発明はこのような制御に限られるものではない。
例えば、排気設定および高度設定と最大燃焼量を含む全燃焼量(号数)および送風量とを対応させたデータテーブルを予め用意することにより、設定に応じた一層きめ細かい燃焼制御を行うことが可能である。また、燃焼量が所定値を超える場合について、排気設定および高度設定と燃焼量(号数)および送風量とを対応させたデータテーブルを用意した構成とすることも可能である。
【0118】
また、本実施形態の燃焼装置1では、低燃焼型(最大燃焼量21号)においても高燃焼型(最大燃焼量25.5号)に対応可能な送風能力を有する送風機2を備えている。これにより、低燃焼型において燃焼量を低減せずに送風量を増加補正した燃焼制御を可能としている。しかし、送風量の増加に伴う騒音を抑えるために、燃焼量を低減補正しつつ送風量の増加を抑える制御を行うことも可能である。
【0119】
ここで、本実施形態の燃焼制御によれば、排気設定および高度設定に応じて燃焼量が制限された燃焼状態が生じる。このような燃焼量の制限に伴い、缶体102から流出される出湯温度が低下する。そこで、本実施形態の制御では、図12のステップ296において出湯量調節制御を行うことにより、出湯温度を安定させる制御を付加させている。
【0120】
(第2実施形態における出湯量調節制御)
以下に、図12のステップ296において出湯量調節手段56によって行われる出湯量調節制御を説明する。
本実施形態では、給湯器100によって給湯のみを行う場合、給湯と風呂の落とし込みを同時に行う場合、および、自動保温、補水を行う場合について説明する。尚、式1〜式7においてCは定数であり、本実施形態では常数C=25に設定している。
【0121】
(給湯設定温度60℃以下で給湯単独使用の場合)
制御回路部5は、RAMを参照して、操作パネル(不図示)で設定された目標設定温度を読み込むと共に、入水温度センサ56aの検知信号により入水温度を求める。また、ROMを参照して、排気設定手段50および高度設定手段51の設定に応じた最大燃焼量を読み込む。
これらのデータを式1に代入して、目標出湯流量を算出する。
【0122】
【数1】
Figure 0004640561
【0123】
制御回路部5は、式1で算出した目標出湯流量に応じた制御信号を生成し、出湯量調節手段56に送出して出湯量制御を行う。
則ち、缶体102からの出湯流量は最大燃焼量に比例し、設定温度と入水温度の差に反比例することを利用して目標出湯流量を算出している。尚、式1における目標出湯流量の算出に際しては、給湯器の使い勝手を向上させるために、出湯量を僅かに増加させるように補正値(−α℃)を含ませている。
【0124】
(給湯設定温度が60℃を超える場合で給湯単独使用のとき)
制御回路部5は、入水温度センサ56aおよび出湯温度センサ56bの検知信号から入水温度および出湯温度を求める。また、出湯量調節手段56の制御信号を参照して現在の出湯流量を求める。これらのデータを式2に代入して、現在出力号数を算出する。
【0125】
【数2】
Figure 0004640561
【0126】
次いで、制御回路部5は、RAMを参照して記憶された前学習号数を読み込む。そして、これらのデータを式3に代入して学習号数を算出する。
【0127】
【数3】
Figure 0004640561
【0128】
更に、制御回路部5は、操作パネル(不図示)で設定された目標設定温度を読み込むと共に、入水温度センサ56aの検知信号によって入水温度を求める。これらのデータを式4に代入して、目標出湯流量を算出する。
【0129】
【数4】
Figure 0004640561
【0130】
制御回路部5は、式4で算出した目標出湯流量に応じた制御信号を生成して出湯量調節手段56に送出して出湯量制御を行う。
則ち、式3では、前学習号数と現在出力号数との差の1/2を現在出力号数に補正加算することにより、燃焼制御状態における必要な燃焼号数(燃焼量)を所定の学習号数に収斂させるように学習を行なわせている。
【0131】
(給湯と風呂の落とし込み同時使用時、または、同時使用から風呂のみ使用停止の場合であって、給湯設定温度60℃以下の場合)
制御回路部5は、RAMを参照して、操作パネル(不図示)で設定された目標設定温度および風呂必要号数を読み込むと共に、入水温度センサ56aの検知信号によって入水温度を求める。また、ROMを参照して、排気設定手段50および高度設定手段51の設定に応じた最大燃焼量を読み込む。これらのデータを式5に代入して、目標出湯流量を算出する。
【0132】
【数5】
Figure 0004640561
【0133】
制御回路部5は、式5で算出した目標出湯流量に応じた制御信号を生成して出湯量調節手段56に送出して出湯量制御を行う。
【0134】
(給湯と風呂の落とし込み同時使用時、または、同時使用から風呂のみ使用停止の場合であって、給湯設定温度が60℃を超えるとき)
制御回路部5は、入水温度センサ56aおよび出湯温度センサ56bの検知信号から入水温度および出湯温度を求める。また、出湯量調節手段56の制御信号を参照して現在の出湯流量を求める。これらのデータを前記式2に代入して、現在出力号数を算出する。
【0135】
【数6】
Figure 0004640561
【0136】
次いで、制御回路部5は、RAMを参照して記憶された前学習号数を読み込む。そして、これらのデータを前記式3に代入して、現在の学習号数を算出する。
【0137】
【数7】
Figure 0004640561
【0138】
更に、制御回路部5は、操作パネル(不図示)で設定された目標設定温度および風呂必要号数を読み込むと共に、入水温度センサ56aの検知信号によって入水温度を求める。これらのデータを式6に代入して、目標出湯流量を算出する。
【0139】
【数8】
Figure 0004640561
【0140】
制御回路部5は、式6で算出した目標出湯流量に応じた制御信号を生成して出湯量調節手段56に送出して出湯量制御を行う。
【0141】
(自動保温または補水時であって、給湯設定温度60℃以下のとき)
制御回路部5は、RAMを参照して、操作パネル(不図示)で設定された目標設定温度を読み込むと共に、入水温度センサ56aの検知信号によって入水温度を求める。また、ROMを参照して、排気設定手段50および高度設定手段51の設定に応じた最大燃焼量を読み込む。これらのデータを式7に代入して、目標出湯流量を算出する。
【0142】
【数9】
Figure 0004640561
【0143】
制御回路部5は、式7で算出した目標出湯流量に応じた制御信号を生成して出湯量調節手段56に送出して出湯量制御を行う。
尚、式7における目標出湯流量の算出では、出湯温度を僅かに高く設定するための補正(+β℃)を行っている。
【0144】
このように、本実施形態の出湯量調節制御によれば、排気設定あるいは高度設定によって燃焼量が制限されても、出湯温度を目的の設定温度に近接させる補正燃焼制御が行われる。これにより、設定温度に対して出湯温度が著しくずれることが防止され、使い勝手が向上する。
【0145】
尚、本実施形態の出湯量調節制御では、設定温度に対して出湯温度を近接させるために、著しく出湯量が制限されて使い勝手を損なう場合が生じる。
そこで、排気設定手段50または高度設定手段の設定に応じて式3で算出される学習号数(学習燃焼量)の下限値に制限を設けている。
則ち、低燃焼型(最大燃焼量21号)の燃焼装置では、学習号数の下限値を18号に設定している。
また、高燃焼型(最大燃焼量25.5号)の燃焼装置では、排気設定および高度設定に応じて学習号数の下限値を区分設定している。則ち、低地・掃気延長解除設定では下限値を22号とし、低地・掃気延長設定または準高地・掃気延長解除設定では下限値を20.7号としている。また、準高地・掃気延長設定または高地・掃気延長解除設定では下限値を19.6号とし、高地・掃気延長設定では下限値を18.5号としている。これにより、出湯量の著しい低下を防止している。
このように、下限値を設けているのは次の理由による。則ち、燃焼装置の設置状態による差異、経年変化による差異、その他製品毎により生じる差異に対して行うべき補正範囲はある程度の範囲内である。この範囲を超える差異が生じた場合は、これら以外の故障などに起因することが多い。そこで、故障などに起因する差異に対する過剰な補正を防ぎ、本来の補正すべき事項に対してのみ補正を行うように、補正の下限値を設けているのである。
【0146】
ところで、通常、燃焼装置1の排気管105は屋外へ延伸するように敷設される。このため、強風時には排気管105を介して燃焼装置1の内部へ風が侵入する逆風状態が生じて安定燃焼が損なわれる。
そこで、逆風発生時にも安定燃焼を確保するために行われる異常回避制御の詳細を以下に説明する。
尚、下記の説明における燃焼量とは、前記排気設定手段50および高度設定手段51の設定に応じて補正された燃焼量を指すものとする。また、同様に、燃焼量に応じた送風機制御を行う場合は、排気設定手段50および高度設定手段51の設定に応じて補正された送風機の制御を指すものとする。
【0147】
(第3実施形態:逆風発生時の異常回避制御)
前記図1〜図8および図13〜図15のフローチャート、および、図16のグラフを参照して、燃焼装置1における逆風発生時の異常回避制御を説明する。尚、図13における逆風検知処理(ステップ303,306)の詳細を図14(a)に示し、図13における逆風解除状態判別処理(ステップ308)の詳細を図14(b)に示している。また、図13における異常回避制御処理(ステップ307)の詳細を図15(a)に示し、図13における定常制御処理(ステップ309)の詳細を図15(b)に示している。
【0148】
本実施形態では、炎孔ベース温度センサ92および空気温度センサ90の検知信号を制御回路部5で判別することによって逆風状態を検知している。
則ち、制御回路部5のROMに、炎孔ベース60の温度に対応させた逆風判別温度幅データがデータテーブルとして予め格納されている。燃焼装置1が点火前の予熱状態では、炎孔ベース温度は非常に低いため、逆風状態が生じると、空気温度センサ90は、気化器7や炎孔ベース60の熱によって僅かな幅だけ温度上昇を検知する。一方、燃焼中に逆風状態が生じると、空気温度センサ90の温度上昇検知幅は大きな値となる。
このような炎孔ベース温度と逆風判別温度幅とを、予め対応させて制御回路部5のROMに格納することにより、炎孔ベース温度を検知することによって逆風状態の判別を行っている。
【0149】
また、本実施形態では、定常状態と逆風発生時とで、送風機2と空気量調節部(ダンパ)4の制御形態を変更させている。
則ち、定常状態では、図16(a)に示すように、燃焼量に応じてダンパ4を全閉(燃焼量3号〜10号)、中開(燃焼量10号〜18号)、全開(燃焼量18号〜26号)の3段階制御としている。また、送風機2の回転数は、1800〜5000rpmの範囲で制御を行い、ダンパ4の開度切換時には、供給空気量を目的量に調節するために送風機2の回転数を不連続的に制御している。
【0150】
一方、逆風発生時には、定常状態に比べて燃焼量を増加させると共に、送風機2の回転数およびダンパの開度を増加させる制御を行っている。則ち、図16(b)に示すように、燃焼量に応じてダンパ4を位置A(燃焼量8号〜14号)、位置B(燃焼量14号〜20号)、全開(燃焼量20号〜26号)の3段階制御としている。また、送風機2の回転数は、定常状態よりも高い2500〜5000rpmの範囲で制御し、ダンパ4の開度切換時には、供給空気量を目的量に調節するべく送風機2の回転数を不連続的に制御している。
ここで、ダンパ位置A,Bは、全閉<ダンパ位置A<中開<ダンパ位置B<全開の条件を満たす開度である。
【0151】
以下に、逆風発生時の異常回避制御を説明する。
[1]燃焼装置1の運転スイッチがオン設定に切り換えられると、制御回路部5は、気化器7の予熱処理を行い、予熱が完了すると燃焼指令を待機する(図13ステップ300〜302参照)。
【0152】
[2]燃焼指令を受けると、制御回路部5はステップ303において逆風状態の検知を行い、逆風検知状態であれば、燃焼量8号、ダンパ位置Aに制御して点火制御を行う。一方、定常状態であれば、燃焼量6号、ダンパ全閉に制御して点火制御を行う。
【0153】
則ち、定常状態では、ダンパを全閉にして空気流を抑制して点火性を向上させ、逆風状態では、ダンパを僅かに開いて(位置A)、送風機2による空気流と逆風による空気流とを相殺させつつ燃焼量を増加させて点火性を確保している(図13ステップ302〜305参照)。
ここで、ステップ303における逆風状態の検知(判別)は、図14(a)のステップ303a〜303cに示す手順で行う。則ち、制御回路部5は、炎孔ベース温度を検出し、ROMを参照して検知した炎孔ベース温度に対応した逆風判別温度幅を求める。
そして、制御回路部5は、空気温度センサ90の検知信号を監視し、空気温度が逆風判別温度幅を超えて上昇したときには、逆風状態と判別する。
【0154】
[3]制御回路部5では、点火後に再度逆風状態の判別を行う。そして、逆風検知状態であれば、燃焼量に応じた異常回避制御を行う。
本実施形態では、逆風検知状態において、燃焼量が8号以下では燃焼および燃焼停止を繰り返すことにより必要な燃焼量を平均的に得るON/OFF制御を行う。
【0155】
また、逆風検知状態において、燃焼量が8号を超え14号以下では、ダンパ位置Aで燃焼量(号数)に応じた送風機制御を行い、燃焼量が14号を超え20号以下では、ダンパ位置Bで燃焼量(号数)に応じた送風機制御を行う。また、燃焼量が20号以上になると、ダンパ全開で燃焼量(号数)に応じた送風機制御を行う構成としている。
この逆風検知状態による制御が行われている間は、制御回路部5は、ステップ307,308の処理を繰り返して逆風解除状態の監視を行う(図13ステップ306〜308、図15(a)参照)。
【0156】
[4]一方、点火後にステップ306で定常状態が検知されたとき、または、逆風検知状態に伴う制御が行われている途中で、ステップ308において逆風解除状態が判別されたときは、ステップ306に進む。そして、再度逆風検知を行った後に、定常制御に移行する。
【0157】
定常状態では、燃焼量が10号以下では、ダンパ全閉で燃焼量(号数)に応じた送風機制御を行い、燃焼量が10号を超え18号未満ではダンパ中開で燃焼量に応じた送風機制御を行う。また、燃焼量が18号以上になると、ダンパ全開で燃焼量(号数)に応じた送風機制御を行う構成としている
この定常状態による制御が行われている間も、制御回路部5は、ステップ306,309の制御処理を繰り返して逆風状態の発生の監視を行い、逆風が検知されたときは直ちにステップ307へ移行する(図13ステップ306,309、図15(b)参照)。
【0158】
このように、逆風発生時には、定常状態に比べて燃焼量および供給空気量(送風機2の回転数とダンパ4の開度)を増加制御(異常回避制御)することによって安定した燃焼を確保するようにしている。
【0159】
ところで、本実施形態の異常回避制御では、逆風発生時における掃気制御については特に述べていないが、逆風検知時に掃気時間や送風機回転数を増加させるような異常回避制御を行わせることができる。
例えば、前記図9に示した掃気制御に逆風検知処理を追加し、逆風状態が検出されたときは、定常状態に比べて、送風機2の回転数を増加させると共に掃気時間を増加した掃気制御を行うことも可能である。
【0160】
また、本実施形態では、逆風検知手段を炎孔ベース温度センサ92,空気温度センサ90および制御回路部5で構成した例を挙げて述べたが、本発明はこのような構成に限られるものではない。
例えば、逆風検知手段として、例えば、燃焼装置1の燃焼部6の下流側に設けた風圧スイッチ(不図示)によって逆風状態を検知する構成を採ることも可能である。
【0161】
また、本実施形態では、逆風解除状態を運転スイッチ、燃焼停止あるいは送風機2の回転数を参照して判別した。
しかし、本発明はこのような構成に限られるものではない。例えば、燃焼量が所定値を超えた場合、あるいは、送風機への供給電流が所定値以下になった場合を検知して逆風解除状態を判別することも可能である。また、風圧スイッチを設けた構成では、風圧スイッチの非逆風状態検知信号に対応して逆風解除を行うこともできる。更に、燃焼部6に火炎状態を検知する火炎センサ(フレームロッドなど)を設けた構成では、火炎センサの検知信号が所定変動幅に入ったことを検知して逆風解除状態を判別することも可能である。
【0162】
【発明の効果】
請求項に記載の燃焼装置によれば、排気管の敷設状態に応じて、補正した燃焼制御を行わせることができ、燃焼性を向上させることができる。
請求項に記載の燃焼装置によれば、燃焼装置の設置高度に応じて、補正した燃焼制御を行わせることができ、燃焼性を向上させることができる。
請求項に記載の燃焼装置によれば、排気管の敷設状態および燃焼装置の設置高度に応じて、補正した燃焼制御を行わせることができ、燃焼性を向上させることができる。
請求項に記載の燃焼装置によれば、排気管の敷設状態に応じた完全な掃気制御が行えると共に、排気管の敷設状態および燃焼装置の設置高度に応じて、補正した燃焼制御を行わせることができ、着火性、燃焼性を向上させることができる。
また請求項1乃至4に記載の燃焼装置によれば、出湯温度を設定温度に近接させることができ、使い勝手が向上する。
請求項に記載の本発明によれば、出湯量の制御を学習させることにより、燃焼装置固有のばらつきを吸収して的確な出湯量調節制御を行うことが可能となる。
請求項に記載の本発明によれば、燃焼装置の設置状態や経年変化、あるいは、燃焼装置毎の差異によって生じる出湯温度の変動を、故障などと区別して効果的に補正することができ、装置の信頼性を向上させることができる。
請求項に記載の本発明によれば、燃焼装置の設置状態に応じて気化器を最適に予熱することができ、着火性、燃焼性を向上させることができる。
請求項に記載の本発明によれば、簡単な構成によって、燃焼装置の設置状態に応じた切換設定を行うことが可能となる。
請求項9乃至15に記載の本発明によれば、逆風状態が生じても異常回避制御によって安定した燃焼を維持させることができる。
また請求項11に記載の燃焼装置によれば、排気管の敷設状態に応じて、未燃焼ガスを完全に掃気させるように掃気制御を行うことができ、安定した着火、燃焼を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る燃焼装置を組み込んだ給湯器の前面パネルを外した状態を示す正面図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る燃焼装置の断面図である。
【図3】 図2に示す燃焼装置に採用される炎孔ベースを示す斜視図である。
【図4】 図2に示す燃焼装置に採用される気化器周辺、および、気化器温度センサの取り付け状態を示す斜視図である。
【図5】 図3に示す炎孔ベースの下面側を示す部分拡大図である。
【図6】 炎孔ベース温度センサの取り付け状態を示す斜視図である。
【図7】 図2に示す燃焼装置に採用される空気量調節部を示す斜視図である。
【図8】 図1に示す燃焼装置の制御系の要部を示すブロック図である。
【図9】 本発明の第1実施形態に係る掃気制御を示すフローチャートである。
【図10】 図9に示す第1実施形態における待機送風制御を示すフローチャートである。
【図11】 図10に示す待機送風制御における送風機制御を示すフローチャートである。
【図12】 本発明の第2実施形態に係る燃焼制御を示すフローチャートである。
【図13】 本発明の第3実施形態に係る逆風発生時の異常回避制御を示すフローチャートである。
【図14】 (a)は図13における逆風検知処理を示すフローチャート、(b)は図13における逆風解除状態判別処理を示すフローチャートである。
【図15】 (a)は図13における異常回避制御を示すフローチャート、(b)は図13における定常制御を示すフローチャートである。
【図16】 (a)は図13における定常制御における空気量調節部の制御状態を示すグラフ、(b)は図13における異常回避制御における空気量調節部の制御状態を示すグラフである。
【符号の説明】
1 燃焼装置
2 送風機
5 制御手段
6 燃焼部
7 気化器
50 排気設定手段
51 高度設定手段
56 出湯量調節手段
60 炎孔ベース
73 気化器ヒータ
91 気化器温度センサ
92 炎孔ベース温度センサ
90 空気温度センサ
102 缶体
105 排気管

Claims (15)

  1. 液体燃料を気化して燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスまたは空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、
    当該燃焼装置に接続される排気管の長さあるいは敷設状態に応じて切り換え設定される排気設定手段と、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、
    前記制御手段は、前記排気設定手段の設定に応じて空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかに排気補正を施した補正制御値に基づいて燃焼制御を行い、
    燃焼部で発生した熱を内部通過水または内部貯留水と熱交換させる缶体と、当該缶体へ流入する入水温度を検知する入水温度センサと、当該缶体から流出する出湯温度を検知する出湯温度センサと、当該缶体の出湯量を調節する出湯量調節手段とを有しており、
    前記制御手段は、前記排気設定手段の設定に応じて排気補正の施された燃焼制御による出湯温度を目的の設定温度に近接させるために、入水温度および出湯温度に応じた出湯量補正信号を前記出湯量調節手段に送出して出湯量の補正制御を行うことを特徴とする燃焼装置。
  2. 液体燃料を気化して燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスまたは空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、
    燃焼装置の設置高度に応じて切り換え設定される高度設定手段と、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、
    前記制御手段は、前記高度設定手段の設定に応じて空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかに高度補正を施した補正制御値に基づいて燃焼制御を行い、
    燃焼部で発生した熱を内部通過水または内部貯留水と熱交換させる缶体と、当該缶体へ流入する入水温度を検知する入水温度センサと、当該缶体から流出する出湯温度を検知する出湯温度センサと、当該缶体の出湯量を調節する出湯量調節手段とを有しており、
    前記制御手段は、前記高度設定手段の設定に応じて高度補正の施された燃焼制御による出湯温度を目的の設定温度に近接させるために、入水温度および出湯温度に応じた出湯量補正信号を前記出湯量調節手段に送出して出湯量の補正制御を行うことを特徴とする燃焼装置。
  3. 液体燃料を気化して燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスまたは空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、
    燃焼装置に接続される排気管の長さあるいは敷設状態に応じて切り換え設定される排気設定手段と、燃焼装置の設置高度に応じて切り換え設定される高度設定手段と、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、
    前記制御手段は、前記排気設定手段および前記高度設定手段の設定に応じて、空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかに排気補正および高度補正を施した補正制御値に基づいて燃焼制御を行い、
    燃焼部で発生した熱を内部通過水または内部貯留水と熱交換させる缶体と、当該缶体へ流入する入水温度を検知する入水温度センサと、当該缶体から流出する出湯温度を検知する出湯温度センサと、当該缶体の出湯量を調節する出湯量調節手段とを有しており、
    前記制御手段は、前記排気設定手段および前記高度設定手段の設定に応じて排気補正および高度補正の施された燃焼制御による出湯温度を目的の設定温度に近接させるために、入水温度および出湯温度に応じた出湯量補正信号を前記出湯量調節手段に送出して出湯量の補正制御を行うことを特徴とする燃焼装置。
  4. 液体燃料を気化して燃料ガスを生成する気化器を有し、生成された燃料ガスまたは送風機から供給される空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、
    燃焼装置に接続される排気管の長さあるいは敷設状態に応じて切り換え設定される排気設定手段と、燃焼装置の設置高度に応じて切り換え設定される高度設定手段と、気化器を加熱する気化器ヒータと、気化器の温度を検知する気化器温度センサと、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、
    前記制御手段は、気化器ヒータの予熱制御中に気化器温度が所定温度に達した後は、前記排気設定手段の設定に応じて送風機を駆動して燃焼装置の内部に滞留する未燃焼ガスを排気管を通じて外部へ掃気させ、この後に予熱完了とする予熱制御を行う一方、前記排気設定手段および前記高度設定手段の設定に応じて空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかに排気補正および高度補正を施した補正制御値に基づいて燃焼制御を行い、
    燃焼部で発生した熱を内部通過水または内部貯留水と熱交換させる缶体と、当該缶体へ流入する入水温度を検知する入水温度センサと、当該缶体から流出する出湯温度を検知する出湯温度センサと、当該缶体の出湯量を調節する出湯量調節手段とを有しており、
    前記制御手段は、前記排気設定手段および前記高度設定手段の設定に応じて排気補正および高度補正の施された燃焼制御による出湯温度を目的の設定温度に近接させるために、入水温度および出湯温度に応じた出湯量補正信号を前記出湯量調節手段に送出して出湯量の補正制御を行うことを特徴とする燃焼装置
  5. 前記制御手段は、前記高度設定手段または前記排気設定手段の設定値、および、前記缶体の入水温度、出湯温度を含む燃焼制御データと、前記出湯量補正信号とを対応させて記憶保持する構成とされており、
    制御手段は、記憶されたデータを参照して、現在の燃焼制御データと同一または近接したデータを抽出し、抽出されたデータと現在の燃焼制御データとの間に所定の演算を施すことによって新たな出湯量補正信号を生成して前記出湯量調節手段へ送出すると共に、生成した出湯量補正信号を現在の燃焼制御データと対応させて更新記憶することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃焼装置。
  6. 前記出湯量補正信号は、予め定められた補正下限値以上の値に設定されることを特徴とする1乃至5のいずれか1項に記載の燃焼装置。
  7. 前記制御手段は、前記排気設定手段または前記高度設定手段の設定に応じて、前記気化器の予熱温度、予熱時間、前記送風機の駆動量または駆動時間の少なくともいずれかを変化させて制御することを特徴とする請求項に記載の燃焼装置。
  8. 前記排気設定手段または前記高度設定手段の少なくともいずれかは、スイッチによる切換設定、コネクタ接続による切換設定、燃焼装置に接続される操作盤の入力操作による切換設定、または、前記制御手段へデータ転送を行うことによる切換設定のいずれかによって構成されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の燃焼装置。
  9. 燃焼装置は、排気側から燃焼装置内部へ空気が侵入する逆風状態を検知する逆風検知手段を有しており、当該逆風検知手段によって逆風状態が検知されたときは、前記制御手段は、送風機による掃気制御、空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかの制御値を変更させて異常回避制御を行うことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の燃焼装置。
  10. 前記燃焼部は火炎を噴出する炎孔を平面状に配列した炎孔ベースを有し、当該炎孔ベースには炎孔ベース自体の温度を検知する炎孔ベース温度センサが設けられると共に、燃焼装置へ供給される空気の温度を検知する空気温度センサが設けられ、前記逆風検知手段は、前記炎孔ベース温度センサ、空気温度センサおよび前記制御手段で構成されており、
    前記制御手段は、検知された炎孔ベース温度を参照しつつ、検知された空気温度が炎孔ベース温度に応じて予め定められた逆風判別温度幅を超えて上昇したときに逆風状態と判別することを特徴とする請求項に記載の燃焼装置。
  11. 液体燃料を気化して燃料ガスを生成する気化器を有し、生成された燃料ガスまたは送風機から供給される空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、
    当該燃焼装置に接続される排気管の長さあるいは敷設状態に応じて切り換え設定される排気設定手段と、気化器を加熱する気化器ヒータと、気化器の温度を検知する気化器温度センサと、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、
    前記制御手段は、気化器ヒータの予熱制御中に気化器温度が所定温度に達した後は、前記排気設定手段の設定に応じて送風機を駆動して燃焼装置の内部に滞留する未燃焼ガスを排気管を通じて外部へ掃気し、この後に予熱完了とし、
    燃焼装置は、排気側から燃焼装置内部へ空気が侵入する逆風状態を検知する逆風検知手段を有しており、当該逆風検知手段によって逆風状態が検知されたときは、前記制御手段は、送風機による掃気制御、空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかの制御値を変更させて異常回避制御を行い、
    前記燃焼部は火炎を噴出する炎孔を平面状に配列した炎孔ベースを有し、当該炎孔ベースには炎孔ベース自体の温度を検知する炎孔ベース温度センサが設けられると共に、燃焼装置へ供給される空気の温度を検知する空気温度センサが設けられ、前記逆風検知手段は、前記炎孔ベース温度センサ、空気温度センサおよび前記制御手段で構成されており、
    前記制御手段は、検知された炎孔ベース温度を参照しつつ、検知された空気温度が炎孔ベース温度に応じて予め定められた逆風判別温度幅を超えて上昇したときに逆風状態と判別することを特徴とする燃焼装置。
  12. 液体燃料を気化して燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスまたは空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、
    当該燃焼装置に接続される排気管の長さあるいは敷設状態に応じて切り換え設定される排気設定手段と、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、
    前記制御手段は、前記排気設定手段の設定に応じて空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかに排気補正を施した補正制御値に基づいて燃焼制御を行い、
    燃焼装置は、排気側から燃焼装置内部へ空気が侵入する逆風状態を検知する逆風検知手段を有しており、当該逆風検知手段によって逆風状態が検知されたときは、前記制御手段は、送風機による掃気制御、空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかの制御値を変更させて異常回避制御を行い、
    前記燃焼部は火炎を噴出する炎孔を平面状に配列した炎孔ベースを有し、当該炎孔ベースには炎孔ベース自体の温度を検知する炎孔ベース温度センサが設けられると共に、燃焼装置へ供給される空気の温度を検知する空気温度センサが設けられ、前記逆風検知手段は、前記炎孔ベース温度センサ、空気温度センサおよび前記制御手段で構成されており、
    前記制御手段は、検知された炎孔ベース温度を参照しつつ、検知された空気温度が炎孔ベース温度に応じて予め定められた逆風判別温度幅を超えて上昇したときに逆風状態と判別することを特徴とする燃焼装置。
  13. 液体燃料を気化して燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスまたは空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、
    燃焼装置の設置高度に応じて切り換え設定される高度設定手段と、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、
    前記制御手段は、前記高度設定手段の設定に応じて空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかに高度補正を施した補正制御値に基づいて燃焼制御を行い、
    燃焼装置は、排気側から燃焼装置内部へ空気が侵入する逆風状態を検知する逆風検知手段を有しており、当該逆風検知手段によって逆風状態が検知されたときは、前記制御手段は、送風機による掃気制御、空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかの制御値を変更させて異常回避制御を行い、
    前記燃焼部は火炎を噴出する炎孔を平面状に配列した炎孔ベースを有し、当該炎孔ベースには炎孔ベース自体の温度を検知する炎孔ベース温度センサが設けられると共に、燃焼装置へ供給される空気の温度を検知する空気温度センサが設けられ、前記逆風検知手段は、前記炎孔ベース温度センサ、空気温度センサおよび前記制御手段で構成されており、
    前記制御手段は、検知された炎孔ベース温度を参照しつつ、検知された空気温度が炎孔ベース温度に応じて予め定められた逆風判別温度幅を超えて上昇したときに逆風状態と判別することを特徴とする燃焼装置。
  14. 液体燃料を気化して燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスまたは空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、
    燃焼装置に接続される排気管の長さあるいは敷設状態に応じて切り換え設定される排気設定手段と、燃焼装置の設置高度に応じて切り換え設定される高度設定手段と、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、
    前記制御手段は、前記排気設定手段および前記高度設定手段の設定に応じて、空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかに排気補正および高度補正を施した補正制御値に基づいて燃焼制御を行い、
    燃焼装置は、排気側から燃焼装置内部へ空気が侵入する逆風状態を検知する逆風検知手段を有しており、当該逆風検知手段によって逆風状態が検知されたときは、前記制御手段は、送風機による掃気制御、空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかの制御値を変更させて異常回避制御を行い、
    前記燃焼部は火炎を噴出する炎孔を平面状に配列した炎孔ベースを有し、当該炎孔ベースには炎孔ベース自体の温度を検知する炎孔ベース温度センサが設けられると共に、燃焼装置へ供給される空気の温度を検知する空気温度センサが設けられ、前記逆風検知手段は、前記炎孔ベース温度センサ、空気温度センサおよび前記制御手段で構成されており、
    前記制御手段は、検知された炎孔ベース温度を参照しつつ、検知された空気温度が炎孔ベース温度に応じて予め定められた逆風判別温度幅を超えて上昇したときに逆風状態と判別することを特徴とする燃焼装置。
  15. 液体燃料を気化して燃料ガスを生成する気化器を有し、生成された燃料ガスまたは送風機から供給される空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼部へ送出して燃焼させる燃焼装置において、
    燃焼装置に接続される排気管の長さあるいは敷設状態に応じて切り換え設定される排気設定手段と、燃焼装置の設置高度に応じて切り換え設定される高度設定手段と、気化器を加熱する気化器ヒータと、気化器の温度を検知する気化器温度センサと、空気および燃料ガスの供給制御を行う制御手段とを有しており、
    前記制御手段は、気化器ヒータの予熱制御中に気化器温度が所定温度に達した後は、前記排気設定手段の設定に応じて送風機を駆動して燃焼装置の内部に滞留する未燃焼ガスを排気管を通じて外部へ掃気させ、この後に予熱完了とする予熱制御を行う一方、前記排気設定手段および前記高度設定手段の設定に応じて空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかに排気補正および高度補正を施した補正制御値に基づいて燃焼制御を行い、
    燃焼装置は、排気側から燃焼装置内部へ空気が侵入する逆風状態を検知する逆風検知手段を有しており、当該逆風検知手段によって逆風状態が検知されたときは、前記制御手段は、送風機による掃気制御、空気供給量または燃料ガス供給量の少なくともいずれかの制御値を変更させて異常回避制御を行い、
    前記燃焼部は火炎を噴出する炎孔を平面状に配列した炎孔ベースを有し、当該炎孔ベースには炎孔ベース自体の温度を検知する炎孔ベース温度センサが設けられると共に、燃焼装置へ供給される空気の温度を検知する空気温度センサが設けられ、前記逆風検知手段は、前記炎孔ベース温度センサ、空気温度センサおよび前記制御手段で構成されており、
    前記制御手段は、検知された炎孔ベース温度を参照しつつ、検知された空気温度が炎孔ベース温度に応じて予め定められた逆風判別温度幅を超えて上昇したときに逆風状態と判別することを特徴とする燃焼装置。
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