JP3835062B2 - 吸排気式燃焼器の燃焼安定構造 - Google Patents

吸排気式燃焼器の燃焼安定構造 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は吸排気式燃焼器を使用する設置場所に自動で対応して安定燃焼する為の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸排気式燃焼器は屋外の空気を取り入れてバーナに供給し、バーナで発生した高温の燃焼ガスを熱交換器によって室内空気と熱交換し、低温となった排気ガスを屋外に放出するものである。そして、この為には枠体に給気口と排気口とを設け、吸排気トップと吸・排気口とを吸・排気管で接続している。
【0003】
このような吸排気式燃焼器は、バーナから熱交換器に至る燃焼空間が密閉されており、また、燃料供給手段からバーナに供給される燃料は室内の空気によって燃焼するのではなく、あらかじめ燃焼ファンによって屋外から供給される空気だけで燃焼するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、燃焼ファンによる空気の供給は駆動用のモータの回転数を可変して空気量の制御をするものであるから、例え駆動用モータに回転数センサーを取り付けて常に希望する回転数が得られるようにしても、本当に希望する酸素量が送られている保証はなく、バーナに供給する燃料流量と燃焼ファンで送られる空気中の酸素量とがバランスせずに、酸素不足・酸素過剰による不完全燃焼を起こす恐れがある。
【0005】
この為、燃焼ファンの回転数と燃料流量とが正確にバランスする比率よりも送風量を多めに設定することで酸素不足によるCOガスの発生が起きないようにしているが、この状態では本質的に酸素過剰であり、温度によって変化する空気の密度が濃くなる低温状態では供給される酸素量が更に多くなるものである。
【0006】
そして、酸素過剰では燃焼が短い炎で完結してしまうから、フレームセンサなどの安全装置の早切れによる誤作動が多くなり、また、不完全燃焼が起こるとバーナにカーボンがつき易く、熱効率も悪くなることがある。一方、このような空気量を多めに設定しても、燃焼器を高地で使用する時には空気の密度が薄くなって酸素不足による不完全燃焼が発生するものであった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の課題を解決する為の構造に係るもので、枠体1内のバーナ2に燃料を供給する燃料供給手段3と、バーナ2に供給する燃焼空気を吸入する枠体1に設けた給気口4と、給気口4から吸入した空気をバーナ2に供給する燃焼ファン5と、バーナで2発生した燃焼ガスと対流ファン6で枠体1内に送る室内空気との間で熱交換する為の熱交換器7と、熱交換器7を出た燃焼ガスを排出する枠体1に設けた排気口8と、燃焼器を設置した部屋の壁を貫通して屋外に連絡する吸排気トップ9と、吸排気トップ9と給気口4及び排気口8とを連結する吸・排気管10・11とを設け、バーナ2に送られる燃料は屋外の空気を使って燃焼して燃焼ガスを屋外に放出する吸排気式燃焼器において、前記燃料供給手段3と燃焼ファン5とを駆動して燃料の流量と空気の流量とをバランスして変化させる燃焼量可変機構12と、燃焼ファン5によってバーナ2に送られる空気の温度を検出する給気温度センサー13と、給気温度センサー13から出力する温度データに基づいてバーナ2に供給する酸素量データを出力する酸素量変換手段14とを設け、前記給気温度センサーはバイアス電流通過タイプのサーミスタ素子で構成し、この給気温度センサーは前記サーミスタ素子を導通するバイアス電流による発熱を含む温度データを酸素量変換手段に出力し、前記酸素量変換手段から出力される酸素量データによって、前記燃焼量可変機構が燃料供給手段の燃料流量の変化に対応して前記燃焼ファンの送風量を送風流路の流路抵抗が補正された送風量に変更してバランスさせることを特徴とする。
【0008】
また、吸排気式燃焼器の適所には燃焼器が設置された場所の大気圧データを出力する大気圧力計15を取付け、大気圧力計15の大気圧データは酸素量変換手段14もしくは燃焼量可変機構12に出力し、燃焼ファン5の回転数と燃料供給手段3の燃料流量とのバランスを大気圧力計15から出力する大気圧データにより変更補正すれば、燃焼器を使用する場所が高地であって空気の密度が薄い時には燃焼ファン5の回転数が多くなるように、また、送られる空気量に見合う燃料流量になるようにバランス状態を変更しており、給気温度変化と高地使用の両方を考慮して安定した燃焼が得られたものである。
【0009】
この時、側壁に多数の空気孔をあけた有底筒体のポット16と、燃焼ファン5から燃焼空気が送られるポット16の外周に設けた風胴17と、ポット16の内部に配置する燃焼部材18とを有するポット式バーナによってバーナ2を構成すれば、ポット式バーナは素通りする空気の全体量が増加しても燃焼状態への影響が少ないバーナであるから、必要とする酸素量を得る為に通過する空気量が変動しながら安定燃焼を維持するバーナとして最適である。
【0010】
更に、給気温度センサー13は枠体1の給気口4から燃焼ファン5の送風スクロール19を経てバーナ2に至る流路に取付けたから、給気温度センサー13は屋外の空気温度だけでなく、吸排気トップ9や吸・排気管10・11の空気流路で熱交換した時の補正ができるようになり、より正確な制御が可能になる。
【0011】
【作用】
吸排気式燃焼器は燃焼空気を屋外から取入れ、燃焼排気ガスを屋外に排出するものであるから、開放式の排気ガスを室内に放出する燃焼器と比べて、悪臭の原因となる燃焼の悪化についてあまり問題にされないものであり、また、燃焼器の構成からバーナ2に送られる空気量は燃焼ファン5の回転数によって定まってしまうものである。
【0012】
バーナ2に送られた燃料が燃焼する時に必要となる空気中の酸素量は屋外の空気の条件によって大きく変化しており、燃焼ファン5が一定の回転数を維持していても、空気の密度が変化すればバーナ2に供給される酸素量は変化してしまうものである。この空気の密度は温度とか標高によって変化するから、この発明では給気温度データから酸素量データを導いて、燃料流量と酸素量とが常にバランスするように、燃焼量可変機構12によって燃料供給手段3や燃焼ファン5を制御している。
【0013】
また、燃焼器は市街地などの標高の低いところだけでなく高地でも使われることがあり、空気の密度はこの標高によっても変化するから、給気温度から得られた酸素量データや燃焼ファン5・燃料供給手段3の動作状態を、大気圧力計15の大気圧データで補正しており、吸排気式燃焼器の設置場所に影響せずに安定した燃焼状態を維持することができる。
【0014】
【実施例】
図に示す実施例によってこの発明を説明すると、1は燃焼器の枠体、4は枠体1の背板1aに設けた給気口、8は給気口4付近に設けた排気口、10は給気口に接続する吸気管、11は排気口8に接続する排気管であり、該吸・排気管10・11の他端は屋外に開口する吸排気トップ9に接続してある。
【0015】
2は枠体1内に設置したバーナ、20はバーナ2に連続して設けた燃焼室、7は燃焼室20と連続した熱交換器、6はバーナ2や燃焼室20や熱交換器7のある枠体1内に室内空気を送り込む対流ファンであり、熱交換器7などと熱交換して高温になった室内空気は枠体1の正面に設けた温風吹出口21から温風となって室内に吹出している。
【0016】
22は図示ぜざる油タンクから燃料が送られる定油面器、3は定油面器22の上部に取り付けられた電磁ポンプで構成する燃料供給手段であり、定油面器22の燃料は燃料供給手段3によって汲み上げられてバーナ2に送られる。
【0017】
前記バーナ2は図に示すようにポット式バーナで構成しており、16はバーナ2へ送られた燃料が着火・燃焼を行なう有底筒体のポット、17はポット16の外周を囲繞して設けた風胴、5は給気口4から室外の燃焼空気を取入れて風胴17を介してポット16に供給する燃焼ファン、18はポット16の内部に配置した燃焼部材、23はセラミックヒータで構成する予熱もできる点火手段であり、ポット16の側壁には多数の空気孔があけられて、燃焼ファン5によって風胴17に送られた燃焼空気は空気孔からポット16内に送られ、点火手段23によって燃焼を開始する。
【0018】
24は枠体の操作部に取付けた運転操作手段、25はマイクロコンピュータを搭載したバーナコントローラ本体、12は燃料供給手段3を駆動して燃料をバーナ2に供給すると共に燃料流量とバランスする空気量をバーナ2に送るように燃焼ファン5を駆動する燃焼量可変機構、26は点火手段23を駆動する為の点火制御機構、27は対流ファン6を駆動する為の対流ファン制御機構であり、運転操作手段24の指示を受けてバーナコントローラ本体25は、点火制御機構26・燃焼量可変機構12を作動してバーナ2の運転を開始する。また、バーナ2の運転を開始すれば対流ファン制御機構27は対流ファン6の運転を開始するものである。
【0019】
28は枠体1の操作部に取付けた室温設定手段、29は枠体1の適所に取付けた室温センサーであり、前記バーナコントローラ本体25は運転操作手段24の信号によって、また、室温センサー29で検出した室温データが室温設定手段28で設定した室温を維持するように、バーナ2における燃焼量を決めて燃焼量可変機構12に燃焼量データを送り、燃焼量可変機構12は燃料供給手段3に働きかけバーナ2に供給する燃料流量を可変すると共に、燃焼ファン5に働きかけて燃料流量とバランスする空気量が送られるように回数を可変して制御するものである。
【0020】
バーナを取付けた燃焼器が室内の空気を使う燃焼器であれば、燃焼器の運転と共に上昇した室温と同じ供給空気温度になるので、使用中の空気の密度はいつもほぼ同じ値となっており、燃焼量と燃焼に必要とする酸素量とがバランスして安定した燃焼を維持するとができる。しかし、吸・排気式燃焼器のように室外の空気を使って燃焼を行なう時には、あらかじめセットしてある燃焼ファンの回転数データでは外気の条件によって必要とする酸素量をバーナに送ることができず、酸素不足や酸素過剰になって不完全燃焼を起こす恐れがある。
【0021】
また、予定した温度とは違った給気温度の空気を使って燃焼する時と同様に、燃焼器を高地で使用した時には標高が高くなると空気の密度が薄くなり、酸素量の不足による不完全燃焼を起こす恐れがある。
【0022】
この発明は上記のトラブルを自動的に解消して、常に安定した燃焼を維持することができる吸・排気式燃焼器を提案するものであり、13は枠体1の給気口4からバーナ2に至る流路に取付けた給気温度センサー、14は給気温度センサー13の温度データに基づいて燃焼ファン5や燃料供給手段3の運転に参考となり得る酸素量データを出力する酸素量変換手段である。
【0023】
酸素量変換手段14は給気温度センサー13の温度データに基づいて燃焼に使用されている空気の酸素量データを燃焼量可変機構12に出力している。この酸素量データは、必ずしも一定体積の空気に含まれている酸素量を具体的な数値で表わして出力するものだけに限定するのではなく、例えば、通常の燃焼器の運転状態と比較してその偏差とか指数といったものを酸素量データとして出力してもよく、また、燃焼量可変機構12が燃焼ファン5の回転数や燃料供給手段3の燃料流量を変更する為に最適となる特定の数値を酸素量データとして出力しても良い。
【0024】
25aはバーナコントローラ本体25や周辺の各種制御機構などを搭載して燃焼器の枠体1の適所に装着したコントローラ基板、15はコントローラ基板25aに取付けた大気圧力計であり、大気圧力計15は燃焼器が設置された場所の標高を知るものである。
【0025】
この大気圧力計15は酸素量変換手段14または燃焼量可変機構12に大気圧データを出力して、酸素量データもしくは燃焼ファン5の回転数と燃料供給手段3の燃料流量とのバランスを補正しており、具体的には高地で燃焼器を使用する時には空気の密度が薄くなるので、燃焼ファン5の回転数を増す方向に、また、燃料流量を減少する方向に補正することによって、バーナ2に供給される燃料流量と酸素量とをバランスさせて送ることができる。
【0026】
一方、この種の吸排気式燃焼器に使われるバーナ2は各種のタイプが実際に使われており、この中で液体燃料を加熱してガス化してこの気体となった燃料を燃焼するブンゼンバーナが多く使われている。このタイプのバーナは燃料ガスと規定量の空気とをあらかじめ混合してから、炎口から吹出す混合ガスに着火して燃焼するものであるから、この発明の燃焼安定構造を取付けることは非常に有効である。
【0027】
このタイプのバーナでは混合ガスを作る為の燃料流量と空気量(酸素量)との混合比が崩れると不完全燃焼を起こし易くなるので、燃焼量可変機構12に出力する酸素量データは、給気温度センサー13の温度データに基づくリニアの酸素量データを酸素量変換手段14が出力することは好ましく、燃焼ファン5の回転数や、燃料供給手段3の燃料流量が滑らかに変化するものが最適となる。
【0028】
また、吸排気式燃焼器に使われる他のタイプのバーナ2として、この発明の実施例に示すようなポット式バーナが知られている。このバーナは有底筒体のポット16の中に燃料と燃焼空気とを供給して、燃料の気化と燃焼とを同時に行なうものであり、ポット16の側壁には多数の空気孔があけられており、この空気孔から燃焼空気を供給している。そして、バーナ2内を燃焼に寄与しない空気が素通りしても、その量が極端に多くならない限り安定した燃焼状態を維持できる特徴がある。
【0029】
従って、ブンゼンバーナのようにDCモータを使ってきめ細かく燃焼ファンの回転数を制御しなくとも、この種のポット式バーナは単位時間当りのポット16を通過する空気量が多少変化しても安定した燃焼が可能であるから、モータコイルから切換タップを出して、タップの選択による送風量を変更する安価なACモータを使うことができ、バーナ2に供給する燃料流量がリニアに可変する時でも、燃焼ファン5は1段ないし複数段の送風量の変更で対応できることになる。
【0030】
この場合、燃焼量可変機構12は燃料供給手段3でバーナ2に送られる燃料に対して、燃焼ファン5の切換タイミングを決定する動作によって、燃料流量と空気量とをバランスさせている。即ち、この発明では酸素量変換手段14の酸素量データによって、燃焼量可変機構12は燃料流量に対応する燃焼ファン5の回転数の切換タイミングを早めたり、遅くしたりするものであり、この動作は給気温度センサー13が低温度を検出している時には、酸素量変換手段14の酸素量データは標準値よりも大のデータを出力しているから、燃焼量可変機構12は流量供給手段3の燃料流量による通常の切換タイミングよりも遅れるように動作して、この場合は燃料流量が通常よりも増加した時に送風量が増加に切換するものである。
【0031】
また、同様に大気圧力計15が標準気圧よりも低い気圧を検出している時には標高が高い場所で使用されているから酸素が薄く、燃焼量可変機構12の燃料データの切換タイミングは標準状態の時よりも早めに切換して、まだ燃料流量が少ない時に燃焼ファン5の回転数を高くするように切換タイミングを補正するものである。
【0032】
一方、給気温度センサー13の取付位置としては、空気の温度が測定できるところなら特に問題なく作動することができる。しかし、吸排気トップ9が長い2重管で構成されている時や、吸排気式燃焼器から吸排気トップ9までの吸・排気管10・11が長い時には、取付位置によって検出する温度データが少しばかり変化する時がある。
【0033】
この発明は給気温度センサー13の取付位置として、枠体1の給気口4からバーナ2に至る流路に特定するものであり、吸排気トップ9や吸・排気管10・11で熱交換して温度が高くなった給気が燃焼ファン5によって送風されているから、吸排気トップ9や吸・排気管10・11で熱交換した後の燃焼空気の温度を検出すれば、燃焼ファン5で送風される実際の空気温度が検出でき、この給気温度センサー13を取付した時の温度データに基づいて、燃焼量可変機構12に酸素量データを出力した時の方がバーナ2は安定燃焼することがわかった。
【0034】
更に、吸排気トップ9と給気口4を連通する吸・排気管10・11の長さが長くなった時や曲がりが多い時には、給気側も排気側も流路抵抗が大きくなり、燃料供給手段3にバランスする燃焼ファン5の指定された回転数を維持していても、必要とする酸素量をバーナ2に送ることができない時がある。
【0035】
この発明の実施例において、19は燃焼ファン5の羽根が回転して強い空気流を作る為の送風スクロールであり、図に示すように給気温度センサー13は枠体1の給気口4からバーナ2に至る流路の中で、空気流に晒される送風スクロール19内に取付けて、送風スクロール19の中の空気温度を検出できるようにしたものである。そして、給気温度センサー13はサーミスタ素子で構成しており、該サーミスタ素子には少量のバイアス電流を流して自己発熱を伴う回路構成にしている。
【0036】
即ち、サーミスタ素子は自己発熱によって実際の空気温度データよりもやや高めの温度データを出力し、一方、燃焼ファン5の吹出し空気の流れの中にあるサーミスタ素子は送風空気の流れに放熱して、低めの温度データを出力することになる。このサーミスタ素子からの放熱量は標準の設置状態における燃焼ファン5の回転数から充分正確に予想でき、この放熱する予想熱量を考慮することで給気温度センサー13の検出温度を補正して標準の設置状態における温度データを得るものである。
【0037】
従って、吸・排気管10・11の設置が標準ではなく、かなり長い配管や曲がりが多い時には、標準の設置状態における回転数の設定のままではバーナ2に供給する酸素量が少なくなり、異常燃焼を起こす恐れがあるが、このように流路抵抗によって流速が遅くなれば、標準設置の時に予想される温度データよりもサーミスタ素子の自己発熱が勝って実際の温度データはかなり高い温度を出力するようになる。
【0038】
この為、給気温度センサー13から放熱できずに高くなった温度データによる酸素量変換手段14の酸素量データは、燃焼量可変機構12が燃焼ファン5の回転数を高める方向に、または、燃料供給手段3の燃料流量を減少する方向に指示するから、バーナ2に送られる酸素量と燃料流量とがバランスするものであり、吸・排気管10・11が長くなることで流路抵抗が増加して起こる不完全燃焼は回避されるようになった。
【0039】
【発明の効果】
以上のように従来では、バーナ2に送られる燃料流量とバランスする燃焼ファン5の回転数を定めて、安定した燃焼を得ることを狙っているが、吸排気式燃焼器のように燃焼器を使用する部屋以外から燃焼空気を供給する時には、空気の密度が異なるなどの理由により、あらかじめ定めた燃料供給手段3の燃料流量と燃焼ファン5の回転数とをバランスさせる比率ではバーナ2に供給する酸素量が変動して安定した燃焼が得られない時があった。
【0040】
この発明はバーナ2に燃料を供給する燃料供給手段3の燃料データと、バーナ2に空気を供給する燃焼ファン5の酸素量データとを燃焼量可変機構12が制御すると共に、給気温度センサー13の給気温度データを入力とする酸素量変換手段14を設け、供給する燃焼空気の酸素量データを燃焼量可変機構12に出力するもので、該燃焼量可変機構12が供給する空気の状況に応じて燃焼ファン5の回転数、もしくは燃料供給手段3の燃料流量を指示するものである。この為、屋外の空気の温度が非常に低い時でも供給される燃料が安定して燃焼できる酸素量が確実に供給できるようになり、従来のように屋外の空気の状態によってバーナ2が不完全燃焼を起こすようなことはなくなった。
【0041】
また、バーナ2に供給する空気の変動は温度だけではなく、バーナ2を設置した場所の標高によっても大きく燃焼に影響を与え、平地で使用する燃焼器を1000メータ以上の高地で使用すると安定した燃焼を期待できない時がある。この発明は大気圧力計15を備え、この圧力データによって酸素量変換手段14もしくは燃焼量可変機構12の出力を補正したから、酸素が薄くなる高地で吸排気式燃焼器を使用する時にも自動的に燃焼器が対応して、常に安定した燃焼が得られるようになったものである。
【0042】
また、吸排気式燃焼器に使われるバーナは各種の方式があるが、専用の気化器を用いずに気化と燃焼を一緒に行なうポット16を用いるバーナ2は、この特性からバーナ2の燃焼にほとんど影響させずに燃焼空気を素通りさせることができるから、送風量と燃料流量とのバランスが大きく変動させるこの発明のバーナとして、ポット式バーナを使用する時には、ブンゼンバーナの時のようにきめ細かな制御は必要なく、かなりラフな制御でも通常は充分実用性があるものであり、また、きめ細かな制御を行なう時には許容できる外気温度の範囲が拡ると共に、自動で対応できる高度が高くなるものである。
【0043】
更に、給気温度センサー13の取付位置として枠体1の給気口4からバーナ2に至る流路に取付けすれば、燃焼ファン5が送風する空気の温度を検出でき、長い二重管の吸排気トップ9を使ったり、吸・排気管10・11の長さが長く、燃焼器を設置した室内の温度が燃焼空気の温度に影響を与える時にも対応でき、燃焼器は安定した燃焼が期待できるものである。
【0044】
尚、この発明の燃焼量可変機構12は燃焼ファン5と燃料供給手段3とが共に変化して空気量と燃料流量を得ているが、燃焼量可変機構12は回転数変更部と流量変更部とを有して燃焼ファン5と燃料供給手段3とを個々に制御することができる時には、酸素量変換手段14の酸素量データによって回転数変更部を制御して、一方、バーナコントローラ25は室温センサー29と室温設定手段28の温度データによって流量変更部を制御するような構成でも、この発明は実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明を実施する吸排気式暖房器の断面図である。
【符号の説明】
1 枠体
2 バーナ
3 燃料供給手段
4 給気口
5 燃焼ファン
6 対流ファン
7 熱交換器
8 排気口
9 吸排気トップ
10 吸気管
11 排気管
12 燃焼量可変機構
13 給気温度センサー
14 酸素量変換手段
15 大気圧力計
16 ポット
17 風胴
18 燃焼部材
19 送風スクロール

Claims (4)

  1. 枠体内のバーナに燃料を供給する燃料供給手段と、バーナに供給する燃焼空気を吸入する枠体に設けた給気口と、給気口から吸入した空気をバーナに供給する燃焼ファンと、バーナで発生した燃焼ガスと対流ファンで枠体内に送る室内空気との間で熱交換する為の熱交換器と、熱交換器を出た燃焼ガスを排出する枠体に設けた排気口と、燃焼器を設置した部屋の壁を貫通して屋外に連絡する吸排気トップと、吸排気トップと給気口及び排気口とを連結する吸・排気管とを設け、
    前記バーナに送られる燃料は屋外の空気を使って燃焼して燃焼ガスを屋外に放出する吸排気式燃焼器において、
    前記燃料供給手段と燃焼ファンとを駆動して燃料の流量と空気の流量とをバランスして変化させる燃焼量可変機構と、
    燃焼ファンによってバーナに送られる空気の温度を検出する給気温度センサーと、
    給気温度センサーから出力する温度データに基づいてバーナに供給する酸素量データを出力する酸素量変換手段とを設け、
    前記給気温度センサーはバイアス電流通過タイプのサーミスタ素子で構成し、この給気温度センサーは前記サーミスタ素子を導通するバイアス電流による発熱を含む温度データを酸素量変換手段に出力し、
    前記酸素量変換手段から出力される酸素量データによって、前記燃焼量可変機構が燃料供給手段の燃料流量の変化に対応して前記燃焼ファンの送風量を送風流路の流路抵抗が補正された送風量に変更してバランスさせることを特徴とする吸排気式燃焼器の燃焼安定構造。
  2. 吸排気式燃焼器の適所には燃焼器が設置された場所の大気圧データを出力する大気圧力計を取付け、大気圧力計の大気圧データは酸素量変換手段もしくは燃焼量可変機構に出力し、燃焼ファンの回転数と燃料供給手段の燃料流量とのバランスを、大気圧力計から出力する大気圧データにより変更することを特徴とする請求項1記載の吸排気式燃焼器の燃焼安定構造。
  3. 側壁に多数の空気孔をあけた有底筒体のポットと、燃焼ファンから燃焼空気が送られるポットの外周に設けた風胴と、ポットの内部に配置する燃焼部材とによってバーナを構成する請求項1または請求項2記載の吸排気式燃焼器の燃焼安定構造。
  4. 給気温度センサーは枠体の給気口から燃焼ファンの送風スクロールを経てバーナに至る流路に取付けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の吸排気式燃焼器の燃焼安定構造。
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